JP6830042B2 - 盛土構造及び盛土工法 - Google Patents

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Description

本開示は、盛土構造及び盛土工法に関する。
盛土工事においては、盛土地盤に浸透した雨水や発生する地下水を排水するために原地盤の低部(谷部等、ある領域の中で最も低い部分)に沿って、有孔管等の集水機能を有する暗渠を設けることがある。また、盛土工事中の土砂や濁水の流出を防止するために、釜場及び竪坑(竪集水枡及びその周辺の保護構造)を設け、釜場から竪坑に排出した雨水を排水管から調整池や河川等に排出することがある(例えば、特許文献1参照)。これらの竪坑や排水管は、工事期間中の防災用の仮施設として用いられる他、排水管に有孔管が使用されている場合には、竪坑の上端が塞がれた後にも排水管の集水機能が維持されるため、工事後においては地下水を排出する暗渠として機能する。
特開平7−158155号公報
ところが近年、過去に造成された、竪坑の竪(縦)排水管(以下、竪樋という)及び横排水管(以下、単に排水管という)が空洞のままとされている盛土地盤において、盛土材が竪樋に流出することによって地表面が陥没する事象が発生している。ここで、地表面が陥没を防止するために、盛土工や排水工が概ね終了した時点で竪樋及び排水管を埋め、盛土材が流出することを防ぐことが考えられる。しかしながら、上記のように排水管が暗渠として地下排水機能を有している場合には、この機能を維持しておく必要がある。
本発明は、このような背景に鑑み、盛土地盤における排水管の地下排水機能を維持しつつ、地表面の陥没を抑制することを課題とする。
このような課題を解決するために、本発明のある態様に係る盛土構造(1)は、原地盤(2)の上に造成された盛土地盤(3)と、前記原地盤の低部(2A)に沿って設けられ、前記盛土地盤に埋設された排水管(6)と、前記排水管に接続され、前記盛土地盤に埋設された竪樋(11)とを備え、前記竪樋が、前記排水管から平面視で水平方向に延出する樋水平部(11A)及び前記樋水平部から上方へ延出する樋鉛直部(11B)を有し、前記樋鉛直部の内部に充填材(17)が充填されていることを特徴とする。
なお、樋鉛直部は、厳密に鉛直に延在する部分を意味するものではなく、上方へ延出、即ち上下方向に延在することで竪樋の主要部となる部分を意味する。
この構成によれば、樋鉛直部の内部に充填材が充填されているため、樋鉛直部周辺の盛土材が樋鉛直部へ流出することが防止される上、排水管の地下排水機能が維持される。また、竪樋が樋水平部を有しているため、排水管に流出しないように充填材を樋鉛直部の内部に容易に充填できる。
また、上記構成において、前記樋鉛直部(11B)の下端に閉塞材(16)が設けられているとよい。
この構成によれば、充填材の樋水平部や排水管への流出が確実に防止される。そのため、充填材の流出によって排水管が詰まることはない。
また、上記課題を解決するために、本発明のある態様に係る盛土工法は、原地盤(2)の低部(2A)に沿って排水管(6)を設けるステップ(図5(B))と、前記排水管から平面視で水平方向に延出する樋水平部(11A)及び前記樋水平部から上方へ延出する樋鉛直部(11B)を有する竪樋(11)を配置するステップ(図5(B)及び(D))と、前記竪樋の上端開口から雨水を排水可能な状態で、前記原地盤の上に盛土地盤(3)を造成して前記排水管及び前記竪樋を埋設するステップ(図5(C)、(E)及び図6(F))と、前記樋鉛直部の内部に充填材(17)を充填するステップ(図6(G)〜図7(I))とを含むことを特徴とする。
この構成によれば、竪樋が、樋水平部において排水管から平面視で水平方向に延出しているため、排水管に流出しないように充填材を樋鉛直部の内部に容易に充填できる。充填材の充填後にも、竪樋が樋水平部を有することから、充填材が排水管に流出することが抑制される。
また、上記構成において、前記樋水平部(11A)の長さ(L11A)が、前記樋水平部の内径(D11A)の少なくとも2倍以上であるとよい。
この構成によれば、充填材が樋水平部に流出したとしても、充填材が排水管にまで流出することが抑制される。
また、上記構成において、前記樋水平部(11A)と前記樋鉛直部(11B)との接続部が概ね直角をなしているとよい。
この構成によれば、充填材を樋鉛直部の内部に充填する際に、充填材が樋水平部や排水管に流出し難い。
また、上記構成において、前記充填材(17)を充填するステップ(図6(G)〜図7(I))は、前記樋鉛直部(11B)の下端に閉塞材(16)を設けるステップ(図6(G)及び(H))と、下端が前記閉塞材によって閉塞された前記樋鉛直部の内部に前記充填材(17)を投入するステップ(図7(I))とを含むとよい。
この構成によれば、下端が閉塞材によって閉塞された状態で樋鉛直部の内部に充填材を投入するため、充填材を樋水平部や排水管に流出しないように樋鉛直部に充填できる。
このように本発明によれば、盛土地盤における排水管の地下水排出機能を維持しつつ、地表面の陥没を抑制することができる。
第1実施形態に係る盛土構造の断面図 図1中のII−II断面図 図1に示される排水暗渠の要部平断面図 図2に示される排水暗渠の要部拡大断面図 第1実施形態に係る盛土工法の手順の説明図 盛土工法の図5に続く手順の説明図 盛土工法の図6に続く手順説明図 グラウトバッグの斜視図 第2実施形態に係る盛土構造の図4に対応する要部拡大断面図 第3実施形態に係る盛土構造の図4に対応する要部拡大断面図 第4実施形態に係る盛土構造の図4に対応する要部拡大断面図 第5実施形態に係る盛土構造の図4に対応する要部拡大断面図 第6実施形態に係る盛土構造の図3に対応する要部平断面図
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
まず、図1〜図8を参照して第1実施形態に係る盛土構造1及び盛土工法について説明する。図1は、第1実施形態に係る盛土構造1の断面図である。盛土構造1は、原地盤2の上に盛土材を敷設、転圧して盛土地盤3を造成して形成される。盛土構造1は、原地盤2の谷部に盛土地盤3を造成したものでもよく、比較的平坦な原地盤2の上に盛土地盤3を造成したもの(高盛土)であってもよい。
原地盤2の低部には、盛土構造1中の地下水を外部に排出するための排水暗渠5が敷設されている。ここで、低部とは、原地盤2に谷部や水路等が存在する場合にはそれら谷部や水路を意味し、谷部や水路が存在しない場合(原地盤2の地表面が平坦な場合)には、原地盤2に所定の間隔をもって掘削した溝2A(図5(A)参照)を意味する。なお、谷部や水路が存在する場合であっても、谷部や水路に沿って原地盤2を掘削してもよい。排水暗渠5は、透水性を有する排水管6と、排水管6の周囲に埋設された栗石や砕石からなる排水材7とを備えており、原地盤2の低部に排水勾配を付与して敷設され、盛土地盤3に埋設されている。
排水管6は、樹脂製のコルゲート管のうち、孔付きのもの(有孔管)やネット状部を有するもの、鋼板製の有孔コルゲート管、鉄筋コンクリート製の有孔ヒューム管等であってよい。排水管6は、地下水を浸透させて集水し、排水勾配の元に排水する。本実施形態では、排水管6として樹脂製の有孔コルゲート管が用いられている。
排水暗渠5には、少なくとも1つの(図示例では複数)の竪坑10が接続されている。これらの竪坑10は、排水暗渠5の延在方向において所定の間隔をもって配置されている。排水暗渠5の図示しない上流端にも竪坑10が接続されている。各竪坑10は、排水管6に接続される竪樋11と、竪樋11の周囲に埋設された栗石や砕石からなる竪坑排水材12とを備えている。竪樋11は、樹脂製或いは鋼製のコルゲート管や鉄筋コンクリート製の有孔ヒューム管等であってよく、透水性を有していても有していなくてもよい。本実施形態では、竪樋11として、透水性を有する樹脂製の有孔コルゲート管が用いられている。
竪坑排水材12の周囲には、竪坑排水材12の配置時に竪坑排水材12を盛土材の上面から自立させるための囲い13や盛土材の細粒分の流出を防止するための細粒分防止シート(図示省略)が設けられている。囲い13は、円形断面や四角形断面の金網や、木材を櫓状に組んだものであってよい。
各竪坑10は、上端が盛土構造1の地表面よりも低くなる高さとされており、各竪坑10の上端は蓋部材15によって塞がれている。蓋部材15は、竪樋11の上端を塞ぐと共に竪坑排水材12を覆っている。蓋部材15は、プレキャストコンクリート製の1枚又は複数の板材を竪坑10上に載置して形成されてもよく、現場打ちコンクリート(フレッシュコンクリート)を竪坑10上に打設して形成されてもよい。蓋部材15の上には、所定高さまで盛土地盤3が造成されており、各竪坑10は盛土地盤3に埋設されている。
図2は、図1中のII−II断面図であり、図3は、図1に示される排水暗渠5の要部平断面図である。図2及び図3に示されるように、竪坑10は、排水暗渠5から横方向、即ち平面視における水平方向に延出する坑水平部10Aと、坑水平部10Aの延出端から上方へ延出し、概ね鉛直に延在する坑鉛直部10Bとを有している。竪樋11もまた、排水管6から横方向に延出する樋水平部11Aと、樋水平部11Aの延出端から上方へ延出し、概ね鉛直に延在する樋鉛直部11Bとを有している。竪坑排水材12は、竪樋11に沿ってL字形状に設けられており、排水暗渠5の排水材7と繋がっている。
本実施形態では、樋水平部11Aは排水管6から略水平に延出しており、樋水平部11Aと樋鉛直部11Bとの接続部は概ね直角をなしている。具体的には、樋水平部11Aは、継手管が直管から水平に延出する向きで排水管6に介装されたチーズ6A(T字継手)を介して一端が排水管6に接続されることで水平に延在している。樋水平部11Aの他端には、90°のエルボ11C(L字継手)が上向きに取り付けられており、樋鉛直部11Bは、下端がエルボ11Cを介して樋水平部11Aに接続されることにより鉛直に延在している。このエルボ11Cは、それぞれ一端を45°に切断した2本の継手直管を溶着により互いに接合して形成されたものであり、概ね直角(90°)をなす屈曲形状をしている。なお、チーズ6Aの継手管は、直管(排水管6)に対して90°の角度をもって接続されており、樋水平部11Aは排水管6に対して平面視で直交している。チーズ6Aやエルボ11Cは透水性を有していてもよく、透水性を有していなくてもよい。
図4は、図2に示される排水暗渠5の要部拡大断面図であり、図2と異なり、竪樋11をも破断してその内部を示している。図4に示されるように、樋鉛直部11Bの下端には、樋鉛直部11Bを閉塞する閉塞材16が設けられており、樋鉛直部11B内の閉塞材16の上方部分は充填材17が充填されている。閉塞材16は、シートを縫合してなるグラウトバッグ18に、グラウトを注入して膨らませて固化させたものであり、樋鉛直部11Bの下端の内周面に全周に亘って密接している。図示例では、閉塞材16は、樋水平部11Aへ膨出するように設けられた状態で固化している。
グラウトは、流動性を有し、固化するものであれば如何なる材料を用いてもよく、セメント系、ガラス系、合成樹脂、或いはこれらの混合物であってよい。本実施形態では、グラウトとしてセメントミルクが用いられている。グラウトバッグ18は、グラウトの漏出を防止し、或いはある程度防止し得るものであればよく、本実施形態では、ポリエステル製の繊維シートであるジオテキスタイル(所謂、土木シート)を用いて作られている。グラウトバッグ18は、上方に向けて開放された開口を有する袋状であってもよく、縫合により開口を有しない、或いは絞りによって開口が閉じられた袋状であってもよい。
充填材17は、樋鉛直部11Bの上端開口から投入できるものであれば如何なる材料であってもよく、例えば、盛土材、砂、砕石、栗石、コンクリート、流動化処理度等であってよい。本実施形態では、充填材17として砕石が用いられている。充填材17は、樋鉛直部11Bの上端まで、即ち蓋部材15の下面まで充填されている。
竪樋11は、盛土地盤3の造成中には、閉塞材16及び充填材17が投入されておらず、雨水を排水管6に排出する防災用の仮施設として機能する。樋水平部11Aの内径D11Aは、雨水排水性能の低下を抑制するために、樋鉛直部11Bの内径D11B以上とされており、本実施形態では樋鉛直部11Bの内径D11Bと同一とされている。樋鉛直部11Bの内径D11Bは、排水管6の内径D以下とされており、本実施形態では排水管6の内径Dと同一とされている。従って、樋水平部11Aの内径D11Aも排水管6の内径Dと同一である。他の実施形態では、樋鉛直部11Bの内径D11Bが排水管6の内径Dよりも小さくてもよい。この場合、雨水の排水性能向上の観点から、樋水平部11Aの内径D11Aは、樋鉛直部11Bの内径D11Bよりも大きい方がよく、排水管6の内径Dと同一であることが好ましい。
竪樋11は、盛土地盤3の造成が概ね完了した段階で、閉塞材16及び充填材17を内部に投入される。閉塞材16及び充填材17の投入により、竪樋11は雨水を排水管6に排出する機能を失う。或いは、閉塞材16の周囲(竪樋11の内面との間)に充填材17を流下する地下水を樋水平部11A側に流出させるヘチマロン(登録商標)等の多孔質材を配置しておき、雨水を排水管6に排出する機能を竪樋11に残してもよい。
一方、樋水平部11Aは、閉塞材16が膨出する部分を除いて空洞となっている。また、排水管6も、空洞となっている。従って、排水管6は、盛土地盤3の造成後、即ち盛土構造1の構築後にも、地下水を集水して外部に排出する地下排水機能を保持する。
樋水平部11Aの長さL11Aは、閉塞材16が施工誤差によって排水管6の通路断面積を縮小させることがないように、樋水平部11Aの内径D11Aの少なくとも2倍以上とされており、3倍以上とされることが好ましい。本実施形態では、樋水平部11Aの内径D11Aが600mmとされ、樋水平部11Aの長さL11Aが2.5m程度とされており、樋水平部11Aは内径D11Aの4倍以上の長さL11Aを有している。
このように、盛土構造1では、竪樋11が、排水管6から平面視で水平方向に延出する樋水平部11A及び樋水平部11Aから上方へ延出する樋鉛直部11Bを有し、樋鉛直部11Bの内部に充填材17が充填されているため、樋鉛直部11B周辺の盛土材が樋鉛直部11Bへ流出することが防止される上、排水管6の地下排水機能が維持される。また、竪樋11が樋水平部11Aを有しているため、排水管6に流出しないように充填材17を樋鉛直部11Bの内部に充填することが容易である。
また、樋鉛直部11Bの下端に閉塞材16が設けられているため、充填材17の樋水平部11Aや排水管6への流出が確実に防止される。そのため、充填材17の流出によって排水管6が詰まることはない。
次に、このような構成の盛土構造1を構築するための盛土工法について説明する。図5は、第1実施形態に係る盛土工法の手順の説明図であり、図6は、盛土工法の図5に続く手順の説明図であり、図7は、盛土工法の図6に続く手順説明図である。
図5(A)に示されるように、まず原地盤2の低部に、排水管6及び樋水平部11Aを埋設するための溝2Aを掘削する。排水管6を埋設するための溝2Aは、原地盤2の低部に沿って排水勾配が確保されるように掘削する。溝2Aの掘削後、図5(B)に示されるように、溝2Aに、排水管6及び樋水平部11Aを栗石や砕石(排水材7及び竪坑排水材12)によって囲まれるように配置する。排水管6に設けられたチーズ6Aには、樋水平部11Aの一端を接続し、樋水平部11Aの他端には、樋鉛直部11Bの下端をなすエルボ11Cを上向きに開放するように取り付ける。これにより、排水暗渠5と竪坑10の下端部である坑水平部10Aとが構築される。
その後、図5(C)に示されるように、竪樋11の上端開口から雨水を排水可能な状態で、樋鉛直部11Bの周囲に盛土材を敷設、転圧して盛土地盤3を造成する。この際、樋鉛直部11Bの上端及びその周辺が最も低い釜場となるように、樋鉛直部11Bに向けて排水勾配を有するすり鉢状に盛土地盤3を造成する。その後、図5(D)に示されるように、竪坑10(坑鉛直部10B)を、上方に向けて所定高さに亘って延長する。具体的には、所定高さに相当する管長の竪樋11の管材をエルボ11Cに接続することで、樋鉛直部11Bを上方に向けて所定高さに亘って延長し、延長した樋鉛直部11Bの周囲に竪坑排水材12を配置する。竪坑排水材12は、所定高さに亘って予め囲い13を組んでおき、囲い13の中に竪坑排水材12を投入することで、盛土地盤3から上方に突出した状態で自立させる。続いて、図5(E)に示されるように、延長した竪坑10の上面が最も低い釜場となるように、樋鉛直部11Bに向く排水勾配を有するすり鉢状に盛土地盤3を造成する。なお、図5(C)の盛土を行う前に、図5(D)のように竪坑10を立ち上げておいてもよい。
その後、図5(D)に示される竪坑10の延長と、図5(E)に示される盛土地盤3の造成とを、盛土高さに応じた回数だけ繰り返す。これにより、図6(F)に示されるように、盛土構造1の地表面よりも低い所定の高さまで竪坑10を構築し、竪坑10の上面が最も低い釜場となるように、樋鉛直部11Bに向く排水勾配を有するすり鉢状に盛土地盤3を造成する。このように、竪樋11の上端開口から雨水を排水可能な状態で盛土が行われるため、盛土工事中に大雨があっても、雨水が釜場の底にある竪坑10に集まり、竪坑10から排水暗渠5に流れて外部に排出されるため、土砂や濁水の流出が防止される。また、図4を参照して説明したように、樋水平部11Aの内径D11Aが樋鉛直部11Bの内径D11B以上であるため、竪樋11の排水性能の低下が抑制され、盛土地盤3の造成時に竪樋11が防災用の仮施設として有効に機能する。
図6(F)に示される状態では、釜場を除く部分で盛土が完了しており、盛土は概ね終了している。また、図6(F)に示される状態では、後の竪坑10の閉鎖に備え、盛土地盤3に構築される排水工が機能する状態とされており、排水工も概ね終了している。
その後、図6(G)に示されるように、樋鉛直部11Bの下端に閉塞材16を設けるためにグラウトバッグ18を竪坑10上から竪樋11内に図示しないロープで吊り下ろし、ロープを固定することでグラウトバッグ18を所定の位置(高さ)に固定する。グラウトバッグ18は、図8に示されるように、ジオテキスタイルを縫合して袋状にした袋本体18Aと、袋本体18Aの上部に取り付けられた少なくとも1つの帯ベルト18Bとを有している。帯ベルト18Bは、袋本体18Aに巻き付けるように取り付けられた補強ベルト18Cに下端を縫合され、吊り下ろしの際に係止される閉環状の係止部18Dを上端に有している。袋本体18Aの上部には充填材17であるセメントミルクを注入するためのグラウトホース19が取り付けられている。グラウトバッグ18を吊り下ろす際には、ロープと共にホースを送り出し、ホースが袋本体18Aから外れないようにする。
グラウトバッグ18の位置固定後、図6(H)に示されるように、グラウトホース19を介してセメントミルクをグラウトバッグ18内に注入し、グラウトバッグ18を膨らませて樋鉛直部11Bの下端の内周面に全周に亘って密着させる。この状態でグラウトが固化することで、樋鉛直部11Bの下端が閉塞材16によって閉塞される。この際、施工時の誤差によって閉塞材16の固定位置が下方にずれていることで閉塞材16の樋水平部11Aへの膨出量が大きくなることがある。本実施形態では、図4を参照して説明したように、樋水平部11Aの長さL11Aが樋水平部11Aの内径D11Aの少なくとも2倍以上であるため、閉塞材16が排水管6に達して排水管6の通路断面積を縮小させることはない。また、上記のように樋水平部11Aと樋鉛直部11Bとの接続部が概ね直角をなしているため、閉塞材16を樋鉛直部11Bの下端に固定する際に、閉塞材16が樋水平部11Aや排水管6側にずれ難い。
閉塞材16の配置後、図7(I)に示されるように、樋鉛直部11B内に充填材17である砕石を投入し、樋鉛直部11Bに上端まで砕石を充填する。このように、砕石を充填する際には、樋鉛直部11Bの下端に閉塞材16を設けた後に、下端が閉塞材16によって閉塞された樋鉛直部11Bの内部に砕石を投入することにより、樋水平部11Aや排水管6に流出しないように砕石を樋鉛直部11Bに充填することができる。
充填材17である砕石の充填後、図7(J)に示されるように、竪坑10上に蓋部材15を配置して竪樋11の上端を塞ぐと共に竪坑10を閉鎖し、図7(K)に示されるように、蓋部材15の上に盛土材を敷設、転圧して盛土地盤3を造成する。盛土地盤3を所定の高さまで造成することにより、上記構成の盛土構造1が完成する。
このように本盛土工法では、図5(B)及び(D)に示されるように、排水管6から平面視で水平方向に延出する樋水平部11A及び樋水平部11Aから上方へ延出する樋鉛直部11Bを有する竪樋11を配置する。また、図5(C)、(E)及び図6(F)に示されるように、竪樋11の上端開口から雨水を排水可能な状態で、原地盤2の上に盛土地盤3を造成して排水管6及び竪樋11を埋設する。更に、図6(G)〜図7(I)に示されるように、樋鉛直部11Bの内部に充填材17を充填する。そのため、排水管6に流出しないように充填材17を樋鉛直部11Bの内部に容易に充填できる。また、充填材17の充填後にも、竪樋11が樋水平部11Aを有することから、充填材17が排水管6へ流出することが抑制される。
次に、図9を参照して本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一又は同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。以下の実施形態においても同様である。
図9は、第2実施形態に係る盛土構造1の図4に対応する要部拡大断面図である。本実施形態では、樋水平部11Aと樋鉛直部11Bとの接続部に、湾曲形状をした90°のエルボ11Dが用いられている。本明細書において、「湾曲形状」とは、連続的に曲がっている形状の他、複数の屈曲箇所をもって曲がっている(延在方向を変化させる)形状を含む。このエルボ11Dは、破線で示される3本の継手直管によって2箇所で45°の角度をもって屈曲するように形成されている。樋水平部11Aと樋鉛直部11Bとの接続部がこのような湾曲形状をしている場合、樋鉛直部11Bと樋水平部11Aとの境界が一義的に定まらない。そのため、本明細書においては、概ね鉛直に延在する部分を樋鉛直部11Bとし、延在方向に水平方向成分を多く含む部分を樋水平部11Aとする。従って、3本の継手直管のうち、最も上に配置されたものと中間に配置されたものとの接続部が、樋鉛直部11Bと樋水平部11Aとの境界である。
本実施形態では、樋鉛直部11Bに設けられた閉塞材16がエルボ11Dの下端(排水管6側の端部)近傍まで存在している。エルボ11Dがこのような形状をしていても、閉塞材16は固化していることから竪樋11内を移動しない。即ち、閉塞材16や充填材17が竪樋11内を排水管6側に流出することはない。また、本実施形態においても、樋水平部11Aの長さL11Aが樋水平部11Aの内径D11Aの少なくとも2倍以上とされており、これにより、閉塞材16が排水管6に達して排水管6の通路断面積を縮小させることはない。
図10は、第3実施形態に係る盛土構造1の図4に対応する要部拡大断面図である。本実施形態では、樋鉛直部11Bの下端を閉塞する閉塞材16として、ドライモルタルが充填された複数の土のう20と、これらの土のう20の上に打設されたコンクリート21とが用いられている。このような構成であっても、樋鉛直部11Bの下端を閉塞することができる。
図11は、第4実施形態に係る盛土構造1の図4に対応する要部拡大断面図である。本実施形態では、樋鉛直部11Bの下端を閉塞する閉塞材16として、コンクリート21のみが用いられている。コンクリート21は、フレッシュな状態において流動性が小さなものを用い、ホースを用いて小さな落下高さをもって打設するとよい。このような構成であっても、樋鉛直部11Bの下端を閉塞することができる。
図12は、第5実施形態に係る盛土構造1の図4に対応する要部拡大断面図である。本実施形態では、樋鉛直部11Bの下端を閉塞する閉塞材16として、樋鉛直部11Bの管材よりも小さな径のキャップ付き管材22と、キャップ付き管材22の上に打設されたコンクリート21が用いられている。このような構成であっても、樋鉛直部11Bの下端を閉塞することができる。
図13は、第6実施形態に係る盛土構造1の図3に対応する要部平断面図である。本実施形態では、樋水平部11Aと排水管6との接続部に、継手管が直管から斜めに延出するY字継手6Bが設けられ、樋水平部11Aが排水管6に対して下流に向く斜めの角度をもって接続されている。このような構成とされることにより、竪樋11が樋水平部11Aを有していても、雨水が排水管6に円滑に流れ込むため、排水管6の排水性能の低下が抑制される。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、図10に示される閉塞材16が複数の土のう20のみであってもよく、図12に示される閉塞材16がキャップ付き管材22だけであってもよい。或いは、樋鉛直部11Bの下端を閉塞する閉塞材16として、ゴム製のパッカーやスポンジを使用してもよい。或いは、充填材17である砕石を樋鉛直部11Bに直接投入して樋鉛直部11Bの下端を閉塞してもよく、砕石の代わりに盛土材(土砂)を充填材17として樋鉛直部11Bに直接投入してもよい。或いは、排水暗渠5が排水材7を備えていなくてもよく、竪坑10が竪坑排水材12や囲い13を備えていなくてもよい。この他、各部材や部位の具体的構成や配置、数量、角度など、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更可能である。また、上記実施形態を組み合わせることもできる。一方、上記実施形態に示した各構成要素は必ずしも全てが必須ではなく、適宜選択することができる。
1 盛土構造
2 原地盤
2A 溝(底部)
3 盛土地盤
5 排水暗渠
6 排水管
7 排水材
10 竪坑
10A 坑水平部
10B 坑鉛直部
11 竪樋
11A 樋水平部
11B 樋鉛直部
12 竪坑排水材
16 閉塞材
17 充填材
11A 樋水平部11Aの内径
11B 樋鉛直部11Bの内径
11A 樋水平部11Aの長さ

Claims (4)

  1. 原地盤の上に造成された盛土地盤と、
    前記原地盤の低部に沿って設けられ、前記盛土地盤に埋設された排水管と、
    前記排水管に接続され、前記盛土地盤に埋設された竪樋とを備え、
    前記竪樋が、前記排水管から平面視で水平方向に延出する樋水平部及び前記樋水平部から上方へ延出する樋鉛直部を有し、
    前記樋鉛直部の下端に閉塞材が設けられ、前記樋鉛直部の内部に充填材が充填されていることを特徴とする盛土構造。
  2. 原地盤の低部に沿って排水管を設けるステップと、
    前記排水管から平面視で水平方向に延出する樋水平部及び前記樋水平部から上方へ延出する樋鉛直部を有する竪樋を配置するステップと、
    前記竪樋の上端開口から雨水を排水可能な状態で、前記原地盤の上に盛土地盤を造成して前記排水管及び前記竪樋を埋設するステップと、
    前記樋鉛直部の内部に充填材を充填するステップとを含み、
    前記充填材を充填するステップは、
    前記樋鉛直部の下端に閉塞材を設けるステップと、
    下端が前記閉塞材によって閉塞された前記樋鉛直部の内部に前記充填材を投入するステップとを含むことを特徴とする盛土工法。
  3. 前記樋水平部の長さが、前記樋水平部の内径の少なくとも2倍以上であることを特徴とする請求項に記載の盛土工法。
  4. 前記樋水平部と前記樋鉛直部との接続部が概ね直角をなしていることを特徴とする請求項又は請求項に記載の盛土工法。
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