JP6829857B1 - コンタクトレンズ消毒用過酸化水素の分解触媒およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、耐久性に優れたコンタクトレンズ消毒用過酸化水素の分解触媒を提供する。本発明の触媒は、担体と、該担体上に固定化された白金を含む微粒子と、を含む、コンタクトレンズ消毒用過酸化水素の分解触媒であって、該担体が、基材と該基材の表面に設けられた被覆層とを有し、該被覆層が、2つ以上のヒドロキシル基で置換された芳香環と孤立電子対を有するヘテロ原子とを有する繰り返し単位を含むポリマーを含む。

Description

本発明は、コンタクトレンズ消毒用過酸化水素を分解するための触媒およびその製造方法等に関する。
従来、過酸化水素の高い殺菌力を利用したコンタクトレンズの消毒技術が、種々検討されている。該消毒技術においては、十分に高い濃度で過酸化水素を含む消毒液にコンタクトレンズを浸漬して消毒する一方で、消毒後においては、コンタクトレンズを眼に装着した際に刺激感を生じさせない観点から、消毒液中の過酸化水素が十分に低い濃度まで分解されていることが望まれる。したがって、過酸化水素の分解(2H→2HO+O)には、消毒の開始から所定時間は十分に高い過酸化水素濃度を維持する一方で、所定時間経過後には十分に低い過酸化水素濃度を実現することが要求される。
上記過酸化水素の分解処理としては、白金等の過酸化水素分解活性を有する活性金属を担持した触媒を用いることにより過酸化水素の分解を促進することが知られている。例えば、特許文献1には、担体に固定化した白金微粒子を用いることにより、過酸化水素によるコンタクトレンズの消毒を有効に行いつつ、所定の時間経過後には過酸化水素を十分に低い濃度まで分解することが開示されている。しかしながら、特許文献1の過酸化水素の分解触媒には、耐久性の点でさらなる改善の余地がある。
特開2017−159228
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、耐久性が向上された過酸化水素の分解触媒を提供することにある。
本発明の1つの局面によれば、担体と、該担体上に固定化された白金を含む微粒子と、を含む、コンタクトレンズ消毒用過酸化水素の分解触媒であって、該担体が、基材と該基材の表面に設けられた被覆層とを有し、該被覆層が、2つ以上のヒドロキシル基で置換された芳香環と孤立電子対を有するヘテロ原子とを有する繰り返し単位を含むポリマーを含む、触媒が提供される。
1つの実施形態において、上記2つ以上のヒドロキシル基で置換された芳香環が、オルト−ジヒドロキシベンゼン環である。
1つの実施形態において、上記被覆層が、カテコールアミン類を重合させることによって得られるポリカテコールアミンを含む。
1つの実施形態において、上記被覆層が、ポリドーパミンを含む。
1つの実施形態において、上記微粒子の平均粒子径が、1000nm以下である。
本発明の別の局面によれば、カテコールアミン類を含む溶液を基材と接触させた状態で、該カテコールアミン類を重合させることによって、該基材表面にポリカテコールアミンを含む被覆層が形成された担体を得ること、白金イオンを含む照射用溶液を該担体に付着させること、および、該照射用溶液が付着した担体に放射線を照射して、白金を含む微粒子を該担体表面に固定化すること、を含む、上記コンタクトレンズ消毒用過酸化水素の分解触媒の製造方法が提供される。
1つの実施形態において、上記カテコールアミン類を含む溶液と接触させる前に、上記基材を親水化処理に供する。
1つの実施形態において、上記照射用溶液を付着させる前に、上記被覆層が形成された担体を超音波洗浄処理に供する。
本発明のさらに別の局面によれば、コンタクトレンズと、上記コンタクトレンズ消毒用過酸化水素の分解触媒とを、過酸化水素を含むコンタクトレンズ消毒液に浸漬することを含む、コンタクトレンズの消毒方法が提供される。
本発明によれば、特定の被覆層を有する担体上に白金を含む微粒子を固定化することによって、耐久性に優れた過酸化水素の分解触媒が提供される。
本発明の1つの実施形態による触媒の概略断面図である。 各担体について得られたSi2p−XPSスペクトルである。 各担体の表面Si元素比を示すグラフである。 各担体上に固定化された白金重量を示すグラフである。 繰り返し使用時における残留過酸化水素濃度の変化を示すグラフである。 繰り返し使用時における残留過酸化水素濃度の変化を示すグラフである。 各担体について得られたSi2p−XPSスペクトルである。 各担体上に固定化された白金重量を示すグラフである。 基材、担体および触媒のSEM観察画像である。 繰り返し使用時における残留過酸化水素濃度の変化を示すグラフである。 繰り返し使用時における残留過酸化水素濃度の変化を示すグラフである。 繰り返し使用時における残留過酸化水素濃度の変化を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明は該実施形態には限定されない。
[A.触媒]
図1は、本発明の1つの実施形態による触媒の概略断面図である。コンタクトレンズ消毒用過酸化水素の分解触媒100は、担体10と、担体10上に固定化された白金を含む微粒子(以下、白金含有微粒子)20と、を含む。担体10は、基材12とその表面に設けられた被覆層14とを有する。なお、図示例では、基材12の表面全体に、被覆層14が設けられ、白金含有微粒子20が固定化されているが、被覆層14の形成および/または白金含有微粒子20の固定化は、基材12の表面の一部のみ(例えば、片面のみ)に行われてもよい。
上記触媒は、常温(約25℃)において、10mLの過酸化水素溶液に浸漬された際に、6時間の浸漬期間で、浸漬前の過酸化水素濃度の好ましくは1%以下、より好ましくは0.5%以下、さらに好ましくは0.2%以下の濃度まで(例えば、3.5重量%(35000ppm)の過酸化水素溶液に浸漬された場合は、好ましくは350ppm以下、より好ましくは175ppm以下、さらに好ましくは70ppm以下の濃度まで)過酸化水素を分解し得る。
上記触媒において、担体上に固定化された白金の総重量(以下、「触媒の白金担持重量」と称する場合がある)は、好ましくは1μg〜300μg、より好ましくは1μg〜100μgである。また、本発明の触媒において、担体の幾何学的表面積あたりの固定化された白金の重量は、好ましくは0.01μg/cm〜300μg/cm、より好ましくは0.01μg/cm〜100μg/cmである。
[A−1.基材]
基材を形成する材料としては、任意の適切な材料が用いられ得る。基材の形成材料としては、金属、ガラス、セラミック等の無機材料および合成樹脂等の有機材料が挙げられる。合成樹脂等の有機材料は、成形性、操作性、価格等において無機材料よりも有利であり得る。また、高温での焼成を必要としないことも利点の1つである。
合成樹脂の具体例としては、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂、ポリエチレン(PE)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリウレタン(PU)樹脂、変性ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂、ポリスルホン(PSU)樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂、シリコーン(=ポリジメチルシロキサン:PDMS)樹脂、フッ素(PTFE、PFA、ETFE等)樹脂およびこれらの共重合樹脂が挙げられる。中でも、成形性、価格、過酸化水素に対する耐久性、白金含有微粒子の付着性等の観点から、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂、ポリエチレン(PE)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂およびこれらの共重合樹脂が好ましい。上記材料は、単独でまたは二種以上を組み合わせて用いられ得る。
基材の形状は、目的等に応じて適切に設定され得る。基材は、例えば、角板状、円板状、角柱状、円柱状等であり得る。また、幾何学的表面積の増大の観点から、正弦波、矩形波、三角波等の波形状を有するように成形されてもよい。
基材は、その表面が粗面化されていてもよい。表面を粗面化することにより、比表面積が増大し、結果として、得られる担体の表面積を増大することができる。また、白金含有微粒子を担体により強固に固定化することができる。担体の比表面積は、例えば3cm/g〜200cm/g、好ましくは10cm/g〜100cm/gであり得る。
基材は、表面親水性が高いことが好ましい。表面に−OH基や−COOH基等の親水性基を有することにより、好適に被覆層を形成することができるとともに、被覆層と強固に結合することができる。基材の表面親水性は、基材を親水化処理することによって向上してもよい。親水化処理としては、プラズマ処理、コロナ処理、フレーム処理等のドライプロセスと、過マンガン酸カリウムやクロム酸等の薬剤に浸漬するウェットプロセスが挙げられる。
[A−2.被覆層]
被覆層は、2つ以上のヒドロキシル基で置換された芳香環と孤立電子対を有するヘテロ原子(ただし、芳香環の置換基としてのヒドロキシル基に存在する酸素原子を除く)とを有する繰り返し単位を含むポリマーを含む。被覆層を形成するポリマーの繰り返し単位中に孤立電子対を有するヘテロ原子および芳香環が存在することにより、白金イオンおよび白金粒子が被覆層と(より具体的には、被覆層に含まれる該ポリマーと)配位結合できることから、白金含有微粒子の担持量および/または耐久性が向上するという効果が奏され得る。また、被覆層を形成するポリマーの繰り返し単位中に2つ以上のヒドロキシル基で置換された芳香環が存在することにより、基材の形成材料が有機物であっても金属や金属酸化物を含む場合であっても良好に被覆層が形成され得る。
上記孤立電子対を有するヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等が例示できる。なかでも、窒素原子および酸素原子が好ましく、窒素原子がより好ましい。ヘテロ原子は、単独でまたは二種以上を組み合わせて用いられ得る。
上記繰り返し単位は、代表的には、2つ以上のヒドロキシル基で置換された芳香環を有する芳香族化合物に由来する。上記ポリマーは、1種類の芳香族化合物由来の繰り返し単位を含むものであってもよく、2種以上の芳香族化合物由来の繰り返し単位を含むものであってもよい。1つの実施形態において、該芳香族化合物は、引き抜き可能な水素を含み、1つの実施形態において、被覆層は、該芳香族化合物の自己重合によって形成され得る。
上記芳香環としては、ベンゼン環が好ましい。2つ以上のヒドロキシル基で置換されたベンゼン環としては、例えばジヒドロキシベンゼン環またはトリヒドロキシベンゼン環が挙げられる。好ましくはジヒドロキシベンゼン環であり、より好ましくはオルト−またはパラ−ジヒドロキシベンゼン環であり、さらに好ましくはオルト−ジヒドロキシベンゼン環である。また、上記芳香環(好ましくは、ベンゼン環)は、2つ以上ヒドロキシル基に加えて、アルキル基、アミノ基(例えば、一級または二級アミノ基)、カルボキシル基、アルコキシシリル基(例えば、トリメトキシシリル基またはトリエトキシシリル基)等で置換されていてもよい。
1つの実施形態において、上記芳香族化合物は、2つ以上のヒドロキシル基と、ヘテロ原子を有するアルキル基、アミノ基(例えば、一級または二級アミノ基)、カルボキシル基、および、アルコキシシリル基(例えば、トリメトキシシリル基またはトリエトキシシリル基)から選択される1つ以上の基と、によって置換された芳香族炭化水素であり得る。2つ以上のヒドロキシル基に加えて、上記置換基をさらに含むことにより、担体上(より具体的には、被覆層表面)に白金含有微粒子をより強固に固定化することができる。
上記芳香族化合物の具体例としては、アルキルアミンが導入されたオルト−ジヒドロキシベンゼン(以下、カテコールアミン類とも称する)が挙げられる。カテコールアミン類は、重合(例えば、自己重合)によってポリカテコールアミンを含む被覆層を好適に形成し得る。本発明で好ましく用いられ得るカテコールアミン類の具体例を、下記式(I)に示す。
(式中、
およびRはそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、
Xは、置換または未置換の炭素数1〜6のアルキレン基を表す。)
上記Xは、好ましくは置換または未置換の炭素数1〜3のアルキレン基であり、より好ましくは置換または未置換のエチレン基である。置換基としては、−OH、−COOH、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、炭素数2〜4のアルコキシアルキル基等が挙げられる。
上記RおよびRはそれぞれ独立して、好ましくは水素原子またはメチル基を表す。
式(I)に示されるカテコールアミン類のなかでも、以下の式(II)〜(V)のカテコールアミン類が好ましく用いられ得る。
なかでも、式(II)で表されるドーパミンが好ましく用いられ得る。本実施形態において、被覆層は、ポリドーパミンを含む。
ポリドーパミンは、ドーパミンの重合(例えば、自己重合)によって生成し得る。ポリドーパミンの正確な構造には、不明な点もあるが、代表的には、以下の繰り返し単位を含むと考えられる。
被覆層の厚さは、好ましくは3nm以上、より好ましくは5nm〜1000nm(例えば10nm〜300nm、また例えば15nm〜200nm)である。このような厚さを有する被覆層を基材表面に設けることによって、白金含有微粒子を担体上に強固に固定化することができ、耐久性に優れた触媒が得られ得る。
[A−3.白金含有微粒子]
白金含有微粒子の平均粒子径は、例えば1000nm以下であり、好ましくは300nm以下、より好ましくは20nm以下、さらに好ましくは15nm以下、さらにより好ましくは10nm以下である。また、該平均粒子径は、好ましくは1nm以上であり、より好ましくは1.5nm以上、さらに好ましくは2nm以上、さらにより好ましくは2.5nm以上である。このような平均粒子径とすることにより、過酸化水素溶液に触媒とコンタクトレンズとを共存させた際に、初期段階で過酸化水素の分解が過度に促進されることを防止し得るとともに、所定時間経過後の過酸化水素残留濃度を十分に低いレベルにまで低減することができる。
白金含有微粒子の平均粒子径は、例えば、後述する製造方法において、照射用溶液中の活性金属イオン濃度を変化させることによって調節できる。具体的には、照射用溶液中の活性金属イオン濃度を高くすることにより平均粒子径を大きくすることができ、該濃度を低くすることにより平均粒子径を小さくすることができる。なお、微粒子の平均粒子径は、例えば下記の方法によって決定され得る。
≪平均粒子径の測定≫
測定対象の触媒の薄片を透過型電子顕微鏡(例えば、日本電子社製、製品番号「JEM−2100」)で観察および撮像する。得られた画像中の任意の50個の微粒子についてその一次粒子径を測定し、これらの平均値(相乗平均)を平均粒子径として算出する。なお、微粒子が真球形状でない場合は、長径を測定する。
白金含有微粒子は、必要に応じて、白金以外の成分をさらに含んでもよい。白金含有微粒子中における白金の含有量は、好ましくは80重量%〜100重量%、より好ましくは90重量%〜100重量%、さらに好ましくは95重量%〜100重量%であり得る。
白金微粒子に含まれ得る他の成分としては、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、オスミウム(Os)等の過酸化水素分解活性を有する活性金属が挙げられる。これらの成分は、単独でまたは二種以上を組み合わせて用いられ得る。
白金含有微粒子は、担体表面に点在した状態で固定化されていてもよく、いくつかの微粒子同士が連なって、数珠繋ぎのようになって固定化されていてもよい。各微粒子が点在することにより、活性金属が層状に形成されている場合に比べて、活性金属の比表面積を増大できるとともに、酸素気泡の付着をより好適に抑制することができる。また、いくつかの微粒子同士が連なって固定化されている場合、高い耐久性が得られ得る。
[B.触媒の製造方法]
A項に記載の触媒は、任意の適切な方法で製造され得る。1つの実施形態における上記触媒の製造方法は、カテコールアミン類を含む溶液を基材と接触させた状態で、該カテコールアミン類を重合させることによって、該基材表面にポリカテコールアミンを含む被覆層が形成された担体を得ること(被覆層の形成工程)、白金イオンを含む照射用溶液を該担体に付着させること(照射溶液の付着工程)、および、該照射用溶液が付着した担体に放射線を照射して、白金を含む微粒子を該担体表面に固定化すること(白金含有微粒子の固定化工程)、を含む。本実施形態においては、カテコールアミン類を含む溶液と接触させる前に、基材を親水化処理に供することが好ましい。また、照射用溶液を付着させる前に、被覆層が形成された担体を超音波洗浄処理に供することが好ましい。
[B−1.被覆層の形成工程]
被覆層の形成工程においては、カテコールアミン類を含む溶液を基材と接触させた状態で、該カテコールアミン類を重合させることによって、基材表面にポリカテコールアミンを含む被覆層を形成させる。これにより、基材表面にポリカテコールアミンを含む被覆層が設けられた構成を有する担体が得られ得る。1つの実施形態においては、カテコールアミン類を含む溶液中に基材を浸漬させた状態で、該カテコールアミン類を自己重合させることができる。別の実施形態においては、導電性の基材を用い、カテコールアミン類を含む溶液中に該基材を浸漬させて電解重合を行うことにより、該カテコールアミン類を重合させることができる。カテコールアミン類の重合の際には、チロシナーゼ、ラッカーゼ等の酵素を共存させることにより、重合反応を促進することができる。
上記カテコールアミン類を含む溶液は、溶媒にカテコールアミン類またはその塩を溶解させた溶液である。カテコールアミン類としては、A項に記載のとおりである。溶媒としては、水、エタノール、プロパノール等が挙げられる。溶媒は、一種のみを単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。好ましくは、溶媒は、水である。
上記溶液中におけるカテコールアミン類の濃度は、例えば0.1mg/mL〜10mg/mL、好ましくは1mg/mL〜8mg/mL、より好ましくは2mg/mL〜6mg/mLとすることができる。
上記溶液は、必要に応じて、任意の適切な添加剤を含むことができる。添加剤としては、pH緩衝剤(トリス塩酸塩等)、酵素(白色腐朽菌Trametes versicolorが分泌するラッカーゼ等)等が挙げられる。溶液を攪拌しながら重合することで、溶存酸素濃度を増加することが可能となる。また、上記溶液に対してガスボンベを使用して酸素ガスや空気ガスをバブリングし、溶存酸素濃度を高めることで重合をさらに促進することが可能である。
上記溶液のpHは、好ましくは4〜12、より好ましくは7〜9である。
上記溶液の液温(接触時)は、反応速度を向上させる観点から、好ましくは10℃以上、より好ましくは20℃以上である。液温の上限は、例えば溶媒の沸点以下であり得る。
上記溶液との接触時間は、目的等によって適切に選択され得る。接触時間は、例えば1時間以上、好ましくは3時間以上、より好ましくは6時間以上、さらに好ましくは12時間以上、さらにより好ましくは18時間以上とすることができる。接触時間の上限は、特に制限されないが、製造効率の観点から、例えば72時間、また例えば48時間であり得る。上記接触時間によれば、カテコールアミン類の重合(例えば、自己重合)によって、基材表面に被覆層が好適に形成され得る。
上記のようにして、基材表面にポリカテコールアミンを含む被覆層が形成された担体が得られ得る。代表的には、得られた担体を洗浄する。洗浄液としては、水、アルコールまたはこれらの混合液等を用いることができ、好ましくは水が用いられ得る。
1つの実施形態においては、洗浄は、担体を洗浄液中に浸漬し、超音波処理を施すことによって行われ得る。被覆層形成後に担体を超音波洗浄処理に供することにより、基材と結合していないまたは結合力の弱いカテコールアミン類またはその重合体が脱離し、基材との結合が強固である被覆層が残ることから、耐久性に優れた触媒が得られ得る。
超音波処理における周波数は、例えば20kHz〜100kHzであり、周波数の異なる3波をタイマーによって交互発振し、洗浄ムラを解消することが望ましい。超音波出力は、例えば50W〜1500W、好ましくは100W〜1000Wであり得る。洗浄液の液温は、例えば5℃〜90℃、好ましくは20℃〜80℃であり得る。洗浄時間は、例えば20秒以上、好ましくは1分〜30分であり得る。
[B−2.照射溶液の付着工程]
照射溶液の付着工程においては、白金イオンを含む照射用溶液を担体に接触させて、該照射用溶液を該担体に付着させる。接触方法としては、例えば、照射用溶液に担体を浸漬させる方法、照射用溶液に担体を塗工する方法、照射用溶液を担体に噴霧する方法等が挙げられる。照射用溶液に担体を浸漬させる方法が好ましい。照射用溶液が良好に担体に付着し得るからである。
白金イオンを含む照射用溶液は、ヘキサクロリド白金(IV)酸、ヘキサクロリド白金(IV)酸カリウム、アセチルアセトナート白金(II)等の白金の可溶性化合物またはその塩を水に溶解することによって調製され得る。照射用溶液中における白金イオンの濃度は、好ましくは1mM〜200mM、より好ましくは1mM〜100mM、さらに好ましくは1mM〜10mMである。該照射用溶液は、白金以外の過酸化水素分解活性を有する活性金属のイオンを含んでいてもよい。該活性金属としては、A項に記載したとおりである。他の活性金属イオンを含む場合、照射用溶液中の活性金属イオン(白金イオンを含む)の合計濃度は、好ましくは1mM〜200mM、より好ましくは1mM〜150mM、さらに好ましくは1mM〜100mMである。当該範囲であれば、所望の粒子径を有する微粒子が好適に得られ得る。
白金イオンを含む照射用溶液は、代表的には、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜3のアルコールをさらに含む。アルコールが還元補助剤として機能することにより、白金イオンが好適に還元され得る。該照射用溶液中におけるアルコールの含有量は、好ましくは0.1体積%〜30体積%、より好ましくは0.5体積%〜10体積%である。
白金イオンを含む照射用溶液は、好ましくは粒子径制御剤をさらに含む。粒子径制御剤としては、白金等の活性金属と、該金属同士よりもエネルギー的に安定な結合を形成し得る化合物(例えば、白金等の活性金属同士の混合熱よりも小さな混合熱を与える化合物)が好ましく用いられ得る。その具体例としては、ホスフィン酸ナトリウム(NaPH)、ホスホン酸ナトリウム(NaPHO)等のリン化合物、亜硝酸ナトリウム(NaNO2)、チオ硫酸ナトリウム(Na)等の窒素化合物、亜硫酸ナトリウム(NaSO)等の硫黄化合物が挙げられる。例えば、白金イオンおよび該リン化合物を含む照射用溶液に電子線を照射すると、白金含有微粒子とリン化合物とが反応してPt−P結合を形成し、核となった白金含有微粒子に次の白金原子が結合することが阻害される。このように、粒子径制御剤を含むことにより、白金含有微粒子の成長が抑制されて、微粒子をより微細化することができる。照射用溶液中における粒子径制御剤の濃度は、好ましくは0.05mM〜50mM、より好ましくは0.1mM〜10mMである。
白金イオンを含む照射用溶液は、必要に応じて、pH調整剤、キレート剤等の任意の構成成分をさらに含有していてもよい。任意の構成成分の具体例としては、水酸化ナトリウム、アンモニア、酒石酸、クエン酸等が挙げられる。
[B−3.白金含有微粒子の固定化工程]
白金含有微粒子の固定化工程においては、白金イオンを含む照射用溶液が付着した担体に放射線を照射する。これにより、白金イオンが担体表面で還元されて、白金含有微粒子が担体表面に固定化される。放射線照射は、照射用溶液に浸漬された状態の担体に対して行われてもよく、浸漬、塗工、噴霧等によって表面が照射用溶液で濡れた状態の担体に対して行われてもよく(ディップEB法)、また、照射用溶液の付着後、外観的に乾燥した状態の担体に対して行われてもよい(ドライEB法)。ディップEB法を用いた場合は、照射用溶液のコストが抑えられるという利点がある。
照射される放射線としては、電子線、γ線、X線等が用いられ得る。なかでも、大気開放下で連続照射が可能であり、高線量率の電子線では10秒以下でナノ粒子を生成・担持できる利点があるため、電子線が好ましい。
電子線の加速エネルギーは、好ましくは0.5MeV〜10MeV、より好ましくは1MeV〜8MeVである。また、電子線照射における担体への吸収線量は、好ましくは1kGy〜100kGy、より好ましくは10kGy〜50kGyである。このように電子線を照射することにより、所望の粒子径を有する微粒子が好適に得られ得る。
電子線照射条件は、目的等に応じて適切に設定され得る。例えば、電子線の照射は、大気圧および室温条件で行うことができる。照射時間は、活性金属イオン濃度、電子線の線量等に応じて適切に設定され得る。照射時間は、例えば1秒〜1分、好ましくは2秒〜30秒、より好ましくは3秒〜10秒程度であり得る。電子線は、連続的に照射されてもよく、間欠的に照射されてもよい。間欠的に照射される場合、上記照射時間は、その合計である。
照射用溶液に浸漬された状態の担体に電子線照射を行う場合、電子線照射に先立って、照射用溶液中の溶存酸素を窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスで置換することがより好ましい。
上記のとおり、電子線の照射時間は極めて短時間であり、照射の際にはバッチ式だけでなく、ベルトコンベアー式も採用することができる。よって、本発明の製造方法は、A項に記載の触媒の大量生産に非常に好適である。
[B−4.親水化処理]
親水化処理は、カテコールアミン類を含む溶液に接触させる前の基材に対して施される。親水化処理によって、基材が無機材料の場合は表面に存在する油脂や埃等の汚染物が除去され、基材が有機材料の場合は基材表面にヒドロキシル基、カルボキシル基等の親水性基が生成することにより、カテコールアミン類を含む溶液に対する濡れ性が向上し、また、カテコールアミン類またはポリカテコールアミンとの結合の生成が促進され、結果として、白金担持量の増大および/または触媒の耐久性の向上効果が得られ得る。
親水化処理としては、任意の適切な方法が用いられ得る。具体例としては、プラズマ処理、コロナ処理、フレーム処理等のドライプロセスと、過マンガン酸カリウムやクロム酸等の薬剤に浸漬するウェットプロセスが挙げられる。これらの表面処理は当業者に周知であるので、その詳細な説明は省略する。
[C.消毒方法]
本発明のコンタクトレンズの消毒方法は、コンタクトレンズと、A項に記載の触媒とを、過酸化水素を含むコンタクトレンズ消毒液に浸漬することを含む。
コンタクトレンズ消毒液における過酸化水素の濃度は、例えば1.0重量%〜5.0重量%、好ましくは2.5重量%〜4.0重量%である。
コンタクトレンズ消毒液は、必要に応じて、任意の適切な添加成分を含み得る。該添加成分としては、例えば、キレート剤、界面活性剤、等張化剤、緩衝剤、増粘剤、防腐剤等が挙げられる。これらの添加成分は、単独で、あるいは、2種以上組み合わされて用いられ得る。消毒液における各添加成分の濃度は、目的等に応じて適切に設定され得る。
キレート剤は、消毒液の安定性を向上させて、その長期保存の点で有効である。キレート剤としては、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)またはその塩、エチドロン酸またはその塩、DTPMP[ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)]、スズ酸ナトリウム等が挙げられる。消毒液におけるキレート剤の濃度は、一般に、0.01重量%〜0.5重量%程度である。
界面活性剤は、コンタクトレンズ消毒液に、脂質の除去作用等の有効なコンタクトレンズ洗浄効果を付与し得る。界面活性剤としては、コンタクトレンズ用液剤等に一般的に用いられている公知のアニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、およびカチオン系界面活性剤が用いられ得る。具体例としては、高級アルコールのポリエチレングリコールエーテル、高級脂肪酸のポリエチレングリコールエステル、高級脂肪酸のポリグリセリンエステル、アルキルフェノールのポリエチレングリコールエーテル、ポリエチレングリコールソルビタンアルキルエステル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコール(ポロクサマー)、エチレンジアミンテトラポリオキシエチレンポリオキシプロピレン(ポロキサミン)等が挙げられる。中でも、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンのブロックコポリマーまたはその誘導体(ポロクサマーまたはポロキサミン)が好ましく用いられる。
等張化剤は、コンタクトレンズ消毒液(消毒前および消毒後)の浸透圧の調整を目的として添加される。等張化剤としては、コンタクトレンズ用液剤等に一般的に用いられている公知の等張化剤が用いられ得る。
コンタクトレンズ消毒液は、水系媒体中に、各成分を溶解または分散させることによって調製され得る。水系媒体としては、水、生理食塩水等が挙げられる。添加順序に制限はなく、各成分を順次または同時に添加して、それぞれ、分散または溶解させることによって、目的とする消毒液を容易に得ることが出来る。
コンタクトレンズ消毒液の使用量は、コンタクトレンズと触媒とを浸漬可能な量であればよい。該使用量は、例えば、5.0mL〜20mLである。1つの実施形態においては、コンタクトレンズ消毒液の使用量は、触媒に担持される白金1μgあたり、例えば0.01mL〜20mL、好ましくは0.05mL〜10mL、より好ましくは0.1mL〜5mLであり得る。
消毒対象であるコンタクトレンズとしては、含水性または非含水性、いわゆるソフトまたはハードの材質等にかかわらず、すべての種類のコンタクトレンズが適用可能である。本発明の消毒方法は、ソフトコンタクトレンズに特に好適である。ソフトコンタクトレンズとしては、含水性のハイドロゲルからなるものが知られており、例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、メタクリル酸等の親水性モノマーの重合体または共重合体にて形成されたもの、該親水性モノマーに、シリコーンを含有する疎水性のモノマーを組み合わせて、共重合することにより製造される共重合体にて形成されたもの等が挙げられる。
本発明の消毒方法においては、過酸化水素によるコンタクトレンズの消毒と触媒による過酸化水素の分解とが好適に両立され得る。触媒とコンタクトレンズとは、最初から消毒液中に共存させてもよく、コンタクトレンズを浸漬した後に触媒を加えて両者を共存させてもよい。いずれの場合であっても、触媒の消毒液への浸漬時間が、例えば30分〜480分、好ましくは120分〜360分となるように浸漬することが望ましい。浸漬温度は、好ましくは5℃〜40℃であり、より好ましくは10℃〜30℃である。
1つの実施形態において、消毒後の消毒液における過酸化水素の濃度は、例えば150ppm以下、好ましくは100ppm以下である。該過酸化水素残留濃度であれば、消毒後のコンタクトレンズをそのまま装着したとしても痛み、刺激感等の発生を回避し得る。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
≪白金担持量≫
実験例で得られた触媒(Pt/ABS)を王水8mL(HCl:HNO=3:1)に浸漬させ、白金微粒子を溶解した。得られた溶液4mLを超純水で50mLに希釈して試料溶液とした。該試料溶液を用いて誘導結合プラズマ原子発光分析法(島津製作所社製、製品番号「ICPE−9000」)により白金濃度を測定した。得られた濃度に基づいて担体の幾何学的表面積あたりの固定化された白金の重量を算出した。
≪過酸化水素濃度の測定≫
硫酸チタン溶液(30%、和光純薬工業株式会社)を5%に希釈して過酸化水素を含む試料と混合し、407nmにおける吸光度を測定することで過酸化水素濃度を測定した。
[実験例1]ポリドーパミン被覆層の形成および浸漬時間依存性の評価
1M トリス塩酸緩衝溶液(pH=8.5)(富士フィルム和光純薬社製)にドーパミン塩酸塩(富士フィルム和光純薬社製)を溶解して、2mg/mLのドーパミン(DA)溶液を調製した。室温(22±2℃)の条件下で20mLのDA溶液にスライドガラスを0、1、3または24時間浸漬した。次いで、スライドガラスをDA溶液から取出し、表面を純水で軽く濯いで洗浄した。その後、エアガンで窒素ガスを吹き付けて乾燥させ、これにより、担体(ポリドーパミン(PDA)被覆されたスライドガラス)を得た。
得られた担体をX線光電子分光法によって分析し、Si2p−XPSスペクトルを取得した。各担体について得られたスペクトルおよび表面Si元素比をそれぞれ、図2および図3に示す。
図2および図3に示されるとおり、DA溶液への浸漬時間が増加するにしたがって、基材由来のピーク強度および表面Si元素比が減少している。このことから、基材をDA溶液中に浸漬することにより、DAの自己重合に起因してPDA被覆層が形成されること、および、浸漬時間が増加するにしたがってPDA被覆量も増加することがわかる。
[実験例2]PDA被覆層の効果
1.担体の作製
長さ20mm×幅15mm×厚さ1mmのABS樹脂板(AS−ONE社製、型番「2−9229−01」、幾何学的表面積:6.7cm)を基材として用いた。1M トリス塩酸緩衝溶液(pH=8.5)にドーパミン塩酸塩を溶解して、2mg/mLのDA溶液を調製し、室温(22±2℃)の条件下で該DA溶液に基材を0、1、3または24時間浸漬した。次いで、基材をDA溶液から取出し、表面を純水で軽く濯いで洗浄した。その後、エアガンで窒素ガスを吹き付けて乾燥させ、これにより、担体(PDA被覆されたABS樹脂板)を得た。
2.白金含有微粒子の固定化
ポリスチレン製の容器に、超純水4.55mL、2−プロパノール0.05mLおよび0.05M HPtCl 0.4mLを加え、混合することによって照射用溶液を調製した。該照射用溶液に、上記担体を浸漬し、次いで、加速エネルギー4.8MeV、線量20kGy、照射時間約7秒の照射条件で電子線照射を行って、白金微粒子を担体上に固定化した。照射用溶液照射溶液から担体を取り出し、超純水に浸漬後、10分間超音波洗浄した。これにより、担体上に白金微粒子が固定化された過酸化水素の分解触媒を得た。各担体上に固定化された白金重量を図4に示す。
3.耐久性評価
上記のようにして得られた各触媒を、室温(22±2℃)の条件下で3.5重量%(35000ppm)の過酸化水素水溶液5mLに浸漬させ、容器ごと25℃に設定した恒温器(アズワン製、I−CUBE FCI−280)内に入れて6時間後の残留過酸化水素濃度を測定した。その後、各触媒をNガンで乾燥させて、再度、3.5重量%の過酸化水素水溶液5mLに浸漬させ、6時間後の残留過酸化水素濃度を測定した。該浸漬および乾燥処理を10回繰り返した。残留過酸化水素濃度の変化を図5に示す。
図4および図5に示されるように、PDA被覆層を有さない触媒(浸漬時間0h)に比べて、PDA被覆層を有する触媒は、白金微粒子の担持量が増加しており、また、初期(1回目)の触媒活性が向上していた。また、PDA被覆層を有さない触媒は、繰り返し使用時における残留H濃度の増加量が大きいが、PDA被覆層を有する触媒は、当該増加が抑制されており、PDA被覆量が大きい触媒(浸漬時間3h、24h)においては、当該増加量が顕著に抑制されている。
[実験例3]洗浄処理の効果1
1.担体の作製
長さ20mm×幅15mm×厚さ1mmのABS樹脂板(AS−ONE社製、型番「2−9229−01」、幾何学的表面積:6.7cm)を基材として用いた。1M トリス塩酸緩衝溶液(pH=8.5)にドーパミン塩酸塩を溶解して、2mg/mLのDA溶液を調製し、室温(22±2℃)の条件下で該DA溶液に基材を24時間浸漬した。次いで、DA溶液から取出した基材を常温の純水に浸漬し、5分間超音波洗浄した(AS−ONE社製、型番「USK−1R」、周波数:40kHz、出力:100W)。その後、エアガンで窒素ガスを吹き付けて乾燥させ、これにより、担体(PDA被覆されたABS樹脂板)を得た。
2.白金含有微粒子の固定化
実験例2と同様に、白金微粒子を担体上に固定化し、超音波洗浄することにより、過酸化水素の分解触媒を得た。
3.過酸化水素分解能および耐久性評価
上記のようにして得られた触媒を、室温(22±2℃)の条件下で3.5重量%の過酸化水素水溶液5mLに浸漬させ、6時間後の残留過酸化水素濃度を測定した。その後、各触媒をNガンで乾燥させて、再度、3.5重量%の過酸化水素水溶液5mLに浸漬させ、6時間後の残留過酸化水素濃度を測定した。該浸漬および乾燥処理を10回繰り返した。残留過酸化水素濃度の変化を図6(b)に示す。また、比較対象として、実験例2の触媒(超音波洗浄処理の代わりに濯ぎ処理を行ったこと以外は同様にして作製した触媒(浸漬時間24h))の残留過酸化水素濃度の変化を図6(a)に示す
図6(a)および(b)から明らかなように、DA溶液から取り出した担体を超音波洗浄してから白金微粒子の固定化を行って得られた触媒は、繰り返し使用時における残留H濃度の増加が抑制され、耐久性が向上されていることがわかる。
[実験例4]洗浄処理の効果2
1M トリス塩酸緩衝溶液(pH=8.5)(富士フィルム和光純薬社製)にドーパミン塩酸塩(富士フィルム和光純薬社製)を溶解して、2mg/mLのドーパミン(DA)溶液を調製した。室温(22±2℃)の条件下で20mLのDA溶液にスライドガラスを1または24時間浸漬した。次いで、DA溶液から取出したスライドガラスを常温の純水に浸漬し、5分間超音波洗浄した(AS−ONE社製、型番「USK−1R」、周波数:40kHz、出力:100W)。その後、エアガンで窒素ガスを吹き付けて乾燥させ、これにより、担体(PDA被覆されたスライドガラス)を得た。
得られた担体をX線光電子分光法によって分析し、Si2p−XPSスペクトルを取得した。また、比較対象として、超音波洗浄処理の代わりに濯ぎ処理を行った浸漬時間1または24hの担体のSi2p−XPSスペクトルを取得した。各担体について得られたスペクトルを、図7(a)または(b)に示す。
図7(a)に示されるとおり、超音波洗浄によって、基材由来のピーク強度が増加している。このことから、超音波洗浄によって、基材と結合していないPDAが脱離し、これにより、基材と強固に結合しているPDA被覆層を有する触媒(結果として、耐久性に優れた触媒)が得られたと推測される。一方、図7(b)に示されるとおり、浸漬時間が24hである担体については、超音波洗浄の有無に関わらず、基材由来のピークが確認されなかった。これは、浸漬時間が長いことに起因してPDA被覆層の厚さが大きくなり、結果として、基材と結合していないPDAが脱離した場合でも、基材表面が露出しなかったと推測される。
[実験例5]プラズマ処理の効果
1.担体の作製
長さ20mm×幅15mm×厚さ1mmのABS樹脂板(AS−ONE社製、型番「2−9229−01」、幾何学的表面積:6.7cm)を基材として用いた。プラズマ処理装置としてプラズマリアクター(ヤマト科学社製、「PR−501A」)を用いて以下の条件で該基材にプラズマ処理を行った。X線光電子分光法により、プラズマ処理後の基材表面に、−OH基および−COOH基が生成していることが確認された。
≪プラズマ処理条件≫
ガス:He
圧力:100Pa(背圧5Pa)
投入電力:100W
時間:1分
SWR:1.1以下
1M トリス塩酸緩衝溶液(pH=8.5)にドーパミン塩酸塩を溶解して、2mg/mLのDA溶液を調製し、室温(22±2℃)の条件下で該DA溶液にプラズマ処理を施した基材を24時間浸漬した。次いで、DA溶液から取出した基材を常温の純水に浸漬し、5分間超音波洗浄した(AS−ONE社製、型番「USK−1R」、周波数:40kHz、出力:100W)。その後、エアガンで窒素ガスを吹き付けて乾燥させ、これにより、担体(プラズマ処理後にPDA被覆されたABS樹脂板)を得た。
2.白金含有微粒子の固定化
実験例2と同様に、白金微粒子を担体上に固定化し、超音波洗浄することにより、過酸化水素の分解触媒を得た。得られた触媒に関して、担体上に固定化された白金重量を、実験例3の触媒(基材にプラズマ処理を施していないこと以外は同様にして作製した触媒(ただし、浸漬時間0または24h))において固定化された白金重量と併せて図8に示す。また、プラズマ処理前のABS樹脂板(基材)、プラズマ処理後にPDA被覆された担体、該担体に白金含有微粒子を固定して得られた触媒のSEM写真を図9に示す。
3.過酸化水素分解能および耐久性評価
上記のようにして得られた触媒を、室温(22±2℃)の条件下で3.5重量%の過酸化水素水溶液5mLに浸漬させ、6時間後の残留過酸化水素濃度を測定した。その後、触媒をNガンで乾燥させて、再度、3.5重量%の過酸化水素水溶液5mLに浸漬させ、6時間後の残留過酸化水素濃度を測定した。該浸漬および乾燥処理を10回繰り返した。残留過酸化水素濃度の変化を図9に示す。また、比較対象として、実験例3の触媒(基材にプラズマ処理を施していないこと以外は同様にして作製した触媒)の残留過酸化水素濃度の変化を図10に併せて示す。
図8から明らかなように、DA溶液に浸漬する前に基材にプラズマ処理を施すことにより、白金の担持量が増加している。また、図10から明らかなとおり、DA溶液に浸漬する前に基材にプラズマ処理を施すことにより、初期の触媒活性が向上するとともに、繰り返し使用時における残留H濃度の増加が抑制され、耐久性が向上されている。このような効果が奏される理由としては、プラズマ処理によって親水性基が生成した結果、PDA被覆層の形成が促進されるとともに、PDA被覆層と基材との結合がより強固になったためと推測される。
[実験例6]実装品の耐久性評価
1.担体の作製
医薬部外品として既承認のコンタクトレンズ消毒用過酸化水素の分解触媒で使用されている担体と同形状のABS樹脂基材(幾何学的表面積:約10.4cm)にプラズマ処理を施した。処理条件は、実験例5と同様である。1M トリス塩酸緩衝溶液(pH=8.5)にドーパミン塩酸塩を溶解して、2mg/mLのDA溶液を調製し、室温(22±2℃)の条件下で該DA溶液に上記プラズマ処理を施した基材を24時間浸漬した。DA溶液から取出した基材を常温の純水に浸漬し、5分間超音波洗浄した(AS−ONE社製、型番「USK−1R」、周波数:40kHz、出力:100W)。その後、エアガンで窒素ガスを吹き付けて乾燥させ、これにより、担体(プラズマ処理後にPDA被覆されたABS樹脂板)を得た。
2.白金含有微粒子の固定化
実験例2と同様にして、白金微粒子を担体上に固定化し、超音波洗浄することにより、過酸化水素の分解触媒を得た。
3.過酸化水素分解能および耐久性評価
上記のようにして得られた触媒を、25℃の温度条件下で3.5重量%の過酸化水素水溶液10mLに浸漬させ、6時間後の残留過酸化水素濃度を測定した。その後、触媒をNガンで乾燥させて、再度、3.5重量%の過酸化水素水溶液10mLに浸漬させ、6時間後の残留過酸化水素濃度を測定した。該浸漬および乾燥処理を30回繰り返した。残留過酸化水素濃度の変化(n=3の平均)を図11に示す。
図11に示されるとおり、実装品で30回繰り返して使用した場合であっても、実用上十分に低い残留H濃度を達成した。なお、100ppm以下の残留H濃度は、安全上問題が無く、実用可能なレベルである。
[参考例1]
1.担体の作製
長さ20mm×幅15mm×厚さ1mmのABS樹脂板(AS−ONE社製、型番「2−9229−01」、幾何学的表面積:6.7cm)を基材として用い、該基材にプラズマ処理を施した。処理条件は、実験例5と同様である。
純水に酢酸をpH=4になるように添加し、この溶媒に対してチオール系シランカップリング剤(信越シリコーン社製、KBM−803)を溶解して、KBM−803 1vol%溶液および2vol%溶液を調製した。室温(22±2℃)の条件下で、上記プラズマ処理を施した基材をこのKBM−803溶液に10分間浸漬した。次いで、基材をKBM−803溶液から取出し、水洗した後に真空乾燥器(AS−ONE社製、AVO−200NS−D)を使用して80℃で10分加熱処理を施した。最後に、純水中に浸漬させて超音波洗浄器(AS−ONE社製、USK−1R)で5分間超音波洗浄を行い、エアガンで窒素ガスを吹き付けて乾燥した。これにより、担体(プラズマ処理後にKBM−803処理されたABS樹脂板)を得た。
また、純水に酢酸をpH=4になるように添加し、この溶媒に対して架橋剤(オルトケイ酸テトラメチル(TMOS)を溶解して、TMOS 1vol%溶液および2vol%溶液を調製した。室温(22±2℃)の条件下で、上記プラズマ処理を施した基材をTMOS溶液に10分間浸漬した。次いで、基材をTMOS溶液から取出し、水洗した後に真空乾燥器(AS−ONE社製、AVO−200NS−D)を使用して80℃で10分加熱処理を施した。そして、純水中に浸漬させて超音波洗浄器(AS−ONE社製、USK−1R)で5分間超音波洗浄をおこない、エアガンで窒素ガスを吹き付けて乾燥した。さらに、上記と同様にして、TMOS被覆されたABS樹脂板をTMOS溶液と同じ体積パーセント濃度のKBM−803溶液に10分間浸漬し、同様に引き上げ、洗浄、加熱処理、超音波洗浄して、担体(プラズマ処理後にTMOS処理およびKBM−803処理されたABS樹脂)を得た。
2.白金含有微粒子の固定化
実験例2と同様にして、白金微粒子を担体上に固定化し、超音波洗浄することにより、過酸化水素の分解触媒を得た。また、シランカップリング剤処理を施していない基材を担体としたこと以外は同様にして、対照としての過酸化水素の分解触媒を得た。
3.過酸化水素分解能および耐久性評価
上記のようにして得られた触媒を、室温(22±2℃)の条件下で3.5重量%の過酸化水素水溶液5mLに浸漬させ、6時間後の残留過酸化水素濃度を測定した。その後、触媒をNガンで乾燥させて、再度、3.5重量%の過酸化水素水溶液5mLに浸漬させ、6時間後の残留過酸化水素濃度を測定した。該浸漬および乾燥処理を5回繰り返した。残留過酸化水素濃度の変化を図12に示す。
図12に示されるように、シランカップリング剤処理された担体を用いた触媒は、当該処理を施していない担体を用いた触媒と比べて、繰り返し使用時における残留H濃度の増加が増大しており、耐久性の向上効果が得られなかった。
本発明の触媒は、コンタクトレンズの消毒において好適に用いられ得る。
10 担体
12 基材
14 被覆層
20 白金含有微粒子
100 触媒

Claims (9)

  1. 担体と、該担体上に固定化された白金を含む微粒子と、を含む、コンタクトレンズ消毒用過酸化水素の分解触媒であって、
    該担体が、基材と該基材の表面に設けられた被覆層とを有し、
    該被覆層が、2つ以上のヒドロキシル基で置換された芳香環と孤立電子対を有するヘテロ原子とを有する繰り返し単位を含むポリマーを含む、触媒。
  2. 前記2つ以上のヒドロキシル基で置換された芳香環が、オルト−ジヒドロキシベンゼン環である、請求項1記載の触媒。
  3. 前記被覆層が、カテコールアミン類を重合させることによって得られるポリマーを含む、請求項1に記載の触媒。
  4. 前記被覆層が、ポリドーパミンを含む、請求項1に記載の触媒。
  5. 前記微粒子の平均粒子径が、1000nm以下である、請求項1から4のいずれかに記載の触媒。
  6. カテコールアミン類を含む溶液を基材と接触させた状態で、該カテコールアミン類を重合させることによって、該基材表面にポリカテコールアミンを含む被覆層が形成された担体を得ること、
    白金イオンを含む照射用溶液を該担体に付着させること、および
    該照射用溶液が付着した担体に放射線を照射して、白金を含む微粒子を該担体表面に固定化すること
    を含む、請求項1から5のいずれかに記載のコンタクトレンズ消毒用過酸化水素の分解触媒の製造方法。
  7. 前記カテコールアミン類を含む溶液と接触させる前に、前記基材を親水化処理に供する、請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記照射用溶液を付着させる前に、前記被覆層が形成された担体を超音波洗浄処理に供する、請求項6または7に記載の製造方法。
  9. コンタクトレンズと、請求項1から5のいずれかに記載のコンタクトレンズ消毒用過酸化水素の分解触媒とを、過酸化水素を含むコンタクトレンズ消毒液に浸漬することを含む、コンタクトレンズの消毒方法。
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