JP6828394B2 - 揚げ蒲鉾用組成物および揚げ蒲鉾の製造方法 - Google Patents

揚げ蒲鉾用組成物および揚げ蒲鉾の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6828394B2
JP6828394B2 JP2016226310A JP2016226310A JP6828394B2 JP 6828394 B2 JP6828394 B2 JP 6828394B2 JP 2016226310 A JP2016226310 A JP 2016226310A JP 2016226310 A JP2016226310 A JP 2016226310A JP 6828394 B2 JP6828394 B2 JP 6828394B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meat
composition
fried
protein
bone
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016226310A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018082637A (ja
Inventor
貴雄 左座
貴雄 左座
吉田 恵
恵 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ajinomoto Co Inc
Original Assignee
Ajinomoto Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ajinomoto Co Inc filed Critical Ajinomoto Co Inc
Priority to JP2016226310A priority Critical patent/JP6828394B2/ja
Publication of JP2018082637A publication Critical patent/JP2018082637A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6828394B2 publication Critical patent/JP6828394B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)

Description

本発明は、揚げ蒲鉾用組成物、すなわち、揚げ蒲鉾の調製において生地として用いられる組成物の製造方法に関し、詳しくは、魚肉すり身の代わりに骨肉分離肉を用いて、食感の良好な揚げ蒲鉾の調製が可能な、揚げ蒲鉾用組成物を製造する方法に関する。
さらに本発明は、魚肉すり身の代わりに骨肉分離肉を用いて、食感の良好な揚げ蒲鉾を製造する方法に関する。
さつま揚げ等の揚げ蒲鉾は、魚肉のすり身を調味・加工して揚げたものであり、特有のしっかりした弾力と、均一でなめらかな食感を有する。
近年、揚げ蒲鉾に新たな食感を付与する試みがなされている。たとえば、卵白とトランスグルタミナーゼとを添加混合することにより、さつま揚げにソフトでふわっとした新規な食感を付与する方法(特許文献1)や、トランスグルタミナーゼを添加し作用させた練り物状の動物性食品素材と、トランスグルタミナーゼを添加していない練り物状の動物性食品素材とを混合して得られた混合物を加熱処理することにより、水産練り製品または畜肉練り製品に、粗挽き様のヘテロな食感を付与する方法(特許文献2)が提案されている。
また、揚げ蒲鉾用組成物の主材、すなわち主要な原料として用いられる魚肉すり身は高価であるため、魚肉すり身の代わりに畜肉を用いて、揚げ蒲鉾用組成物を調製しようとする試みがなされている。
しかし、畜肉を主材として用いた場合、製造時の成形性や揚げた後の食感が悪く、魚肉すり身を用いたものと同等の品質を有する揚げ蒲鉾を製造し得る、揚げ蒲鉾用組成物を得ることはできなかった。
また、肉としての形態を有しないペースト状の肉、いわゆる骨肉分離肉が安価であることから、食肉加工食品の一原料として利用が広がりつつある。
骨肉分離肉の利用に関する技術としては、トランスグルタミナーゼとカゼインナトリウムを混合し、該混合物を加熱してゲル化反応を進行させながら、同時に撹拌して、ゲルの形成と破壊を同時に進行させて、挽き肉状に固形化させる技術が提案されている(特許文献3)。
しかし、骨肉分離肉を用いて、魚肉すり身を主材として含有する揚げ蒲鉾と、同等の食感を有する揚げ蒲鉾を製造する技術は、未だに開発されていない。
特許第4864747号公報 特許第4725250号公報 特許第4453212号公報
そこで、本発明は、魚肉すり身の代わりに骨肉分離肉を主材として用いながら、成形性が良好で、食感に優れる揚げ蒲鉾を調製し得る揚げ蒲鉾用組成物、および、魚肉すり身を主材として含有する揚げ蒲鉾と、同等の食感を有する揚げ蒲鉾を提供することを目的とした。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、骨肉分離肉および植物性タンパク質にトランスグルタミナーゼを作用させることにより、成形性が良好で、油で揚げた際には食感の優れる揚げ蒲鉾が得られる揚げ蒲鉾用組成物を得ることに成功し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下に関する。
[1]植物性タンパク質および骨肉分離肉を含有する混合物に、トランスグルタミナーゼを添加する、揚げ蒲鉾用組成物の製造方法。
[2]植物性タンパク質および骨肉分離肉を含有する混合物が、さらに澱粉を含有する、[1]に記載の製造方法。
[3]植物性タンパク質および骨肉分離肉を含有する混合物が、さらに調味料を含有する、[1]または[2]に記載の製造方法。
[4]植物性タンパク質が、穀物および豆類のタンパク質の1種以上である、[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5]植物性タンパク質が、米タンパク、小麦タンパクおよび大豆タンパクからなる群より選択される1種以上である、[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6][1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法により得られた揚げ蒲鉾用組成物を成形する工程、および150℃〜180℃で加熱する工程を含む、揚げ蒲鉾の製造方法。
[7]揚げ蒲鉾用組成物を成形する工程において、畜肉、魚介、野菜およびそれらの加工品からなる群より選択される1種以上を添加する、[6]に記載の製造方法。
[8]植物性タンパク質、骨肉分離肉およびトランスグルタミナーゼを含有する、揚げ蒲鉾用組成物。
[9]さらに澱粉を含有する、[8]に記載の組成物。
[10]さらに調味料を含有する、[8]または[9]に記載の組成物。
[11]植物性タンパク質が、穀物および豆類のタンパク質の1種以上である、[8]〜[10]のいずれかに記載の組成物。
[12]植物性タンパク質が、米タンパク、小麦タンパクおよび大豆タンパクからなる群より選択される1種以上である、[8]〜[11]のいずれかに記載の組成物。
本発明により、骨肉分離肉を主材として用いながら、成形性の良好な揚げ蒲鉾用組成物を得ることができる。
本発明の揚げ蒲鉾用組成物を油で揚げることにより得られる揚げ蒲鉾は、魚肉すり身を主材として含有する従来の揚げ蒲鉾と同等の、しっかりした弾力と、均一でなめらかな食感を有する。
本発明の揚げ蒲鉾用組成物は、植物性タンパク質、骨肉分離肉およびトランスグルタミナーゼを含有してなり、植物性タンパク質および骨肉分離肉を含有する混合物に、トランスグルタミナーゼを添加して製造される。
本発明において、「植物性タンパク質」とは、穀物(米、小麦、ハトムギ、トウモロコシ等)、芋類(ヤマトイモ、ナガイモ等)、豆類(大豆、エンドウマメ、インゲンマメ、ルピナス、ヒヨコマメ、アズキ等)、種実類(ラッカセイ、ゴマ、カシューナッツ、アーモンド、ピスタチオ、クルミ等)、野菜(カリフラワー、シュンギク、ホウレンソウ、アスパラガス等)、果物(ブドウ、アボカド、プルーン等)、キノコ(シイタケ、キクラゲ、マッシュルーム、マイタケ、エリンギ等)、海藻(アオサ、ワカメ、ヒジキ、コンブ等)等およびこれらの加工品等の植物性食品に含まれるタンパク質をいい、本発明においては、これら植物性タンパク質の1種以上を用いることができる。
本発明の目的には、穀物および豆類のタンパク質が好ましく、米タンパク、小麦タンパクおよび大豆タンパクがより好ましい。
本発明においては、植物性タンパク質として、上記植物性食品より抽出、精製等して得たタンパク質を用いてもよいが、各社より提供されている市販の製品を利用することもできる。
本発明の揚げ蒲鉾用組成物には、植物性タンパク質は、組成物の全量に対し1重量%〜50重量%含有されることが好ましく、3重量%〜30重量%含有されることがより好ましい。
本発明において、「骨肉分離肉(Mechanically Deboned Meat)」とは、通常鳥獣肉から精肉を分離後、骨等に付着している残肉を機械的に骨肉分離器にかけて分離したものである。骨肉分離肉の調製に用いられる鳥獣肉原料としては、鶏肉、七面鳥肉、豚肉、牛肉等が挙げられる。また、その使用部位、品質等についても特に限定されず、たとえば、鶏肉の場合、廃鶏等をまるまる骨肉分離肉とした比較的色調の白いものや、首やヤゲン(薬研)部分(軟骨、カッパとも呼ばれ、鳥類の特徴である胸骨の先端の柔い部分をさす)を原料とした赤身の強い品質のもの等を用いることができる。
骨肉分離肉は、骨付き肉等をクラッシュしたのち、骨肉分離器の直径約0.5mm〜1.0mm程度の細孔から圧力をかけて押し出すことにより製造され、通常ペースト状を呈する。本発明においては、「骨肉分離肉」として流通している市販の製品を用いることができる。
本発明の揚げ蒲鉾用組成物には、骨肉分離肉は、組成物の全量に対し5重量%〜90重量%含有されることが好ましく、10重量%〜80重量%含有されることがより好ましい。
本発明において用い得るトランスグルタミナーゼは、タンパク質上のグルタミンのアミノ基と第1級アミンを縮合させ、アミン上の置換基をグルタミンに転移させて、アンモニアが生成する反応を触媒する転移酵素であり、通常は第1級アミンとしてタンパク質上のリシンのアミノ基が用いられ、架橋酵素として作用する。
トランスグルタミナーゼは、上記した通り、タンパク質やペプチド中のグルタミン残基を供与体とし、リシン残基を受容体とするアシル転移反応を触媒する活性を有する酵素であり、たとえば、哺乳動物由来のもの、魚類由来のもの、微生物由来のもの等、種々の起源のものが知られている。本発明において用いられるトランスグルタミナーゼは、上述の活性を有すればその起源は特に制限されず、いかなる起源のトランスグルタミナーゼであっても使用でき、また組み換え酵素を使用してもよい。本発明において用いられるトランスグルタミナーゼは市販品であってもよく、具体例としては、味の素株式会社より「アクティバTG」という商品名で市販されている微生物由来のトランスグルタミナーゼ等が挙げられる。
本発明において用いられるトランスグルタミナーゼの活性単位は、次のように測定され、かつ、定義される。
すなわち、温度37℃、pH6.0のトリス(トリスヒドロキシメチルアミノメタン)緩衝液中、ベンジルオキシカルボニル−L−グルタミルグリシンおよびヒドロキシルアミンを基質とする反応系で、トランスグルタミナーゼを作用せしめ、生成したヒドロキサム酸を、トリクロロ酢酸存在下にて鉄錯体とした後、525nmにおける吸光度を測定し、ヒドロキサム酸量を検量線により求めて、1分間に1μモルのヒドロキサム酸を生成せしめる酵素量を1ユニット(1U)とする(特開昭64−27471号公報参照)。
本発明においては、トランスグルタミナーゼは、植物性タンパク質および骨肉分離肉の総含有量1g当たり、0.0001U〜1,000Uが好ましく、0.001U〜100Uがより好ましく、0.01U〜10Uが特に好ましい。
本発明の揚げ蒲鉾用組成物には、植物性タンパク質および骨肉分離肉に加えて、さらに澱粉等の結合剤を含有させることができる。
澱粉としては、多数のα−グルコース分子がグリコシド結合によって重合した天然高分子、およびそれらを物理的、化学的、酵素的方法等により加工して得られた加工澱粉を、特に制限なく用いることができる。
天然の澱粉としては、その基原は問わず、トウモロコシ、米、小麦、豆類、ジャガイモ、サツマイモ、タピオカ等、種々の植物由来のものが例示される。
また、加工澱粉としては、アセチル化酸化澱粉、オクテニルコハク酸澱粉ナトリウム、酢酸澱粉、酸化澱粉、ヒドロキシプロピル澱粉、リン酸化澱粉等、食品添加物として認定されている加工澱粉が挙げられる。
上記天然の澱粉および加工澱粉は、1種または2種以上を用いることができる。
本発明の目的には、ジャガイモおよびタピオカ由来の澱粉が好ましく用いられる。
本発明においては、澱粉として、各社より提供されている市販の製品を用いることができる。
本発明の揚げ蒲鉾用組成物には、澱粉は、組成物の全量に対し1重量%〜30重量%含有されることが好ましく、2重量%〜20重量%含有されることがより好ましい。
本発明の揚げ蒲鉾用組成物には、さらに調味料を含有させることができる。
かかる調味料としては、料理に対して味付けをする目的で使用される食品または食品添加物であれば、特に制限なく用いることができ、たとえば、食塩、糖類(たとえば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、乳糖、デキストリン等)、野菜(たとえば、ニンジン、タマネギ、セロリ、ハクサイ、キャベツ等)の粉末およびそれらのエキス、海藻(たとえば、コンブ、ワカメ等)の粉末およびそれらのエキス、キノコ(たとえば、マッタケ、シイタケ、シメジ等)の粉末およびそれらのエキス、魚介類(たとえば、カツオ、サバ、アジ、イワシ、エビ、ホタテ、カキ等)の粉末およびそれらのエキス、畜肉(たとえば、ビーフ、ポーク、チキン等)の粉末およびそれらのエキス、しょうゆ、酵母エキス、うま味調味料(たとえば、アミノ酸系調味料、核酸系調味料等)、甘味料、酸味料、香辛料等が挙げられる。
上記調味料は、1種または2種以上を用いることができ、その含有量については、揚げ蒲鉾に付与すべき所望の味および風味に応じて、適宜決定することができる。
本発明の揚げ蒲鉾用組成物には、さらに必要に応じて、食品の製造に際して一般的に用いられる他の食品添加物を添加することができる。
かかる食品添加物としては、乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、サポニン、レシチン等)、保存料(安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、ε−ポリリシン等)、酸化防止剤(アスコルビン酸、エリソルビン酸、カテキン等)、防かび剤(チアベンタゾール、フルジオキソニル等)、着色料(アナトー色素、ウコン色素、クチナシ色素等)、香料(アセト酢酸エチル、アニスアルデヒド等の合成香料、オレンジ、ラベンダー等の天然香料)等が挙げられ、これらは、1種または2種以上を用いることができる。
本発明の揚げ蒲鉾用組成物の調製に際して、植物性タンパク質と骨肉分離肉の他に、澱粉、調味料、栄養成分等を含有させる場合には、これらの成分を植物性タンパク質と混合した後に、骨肉分離肉を添加して混合することが好ましい。
次いで、トランスグルタミナーゼを添加混合して、通常4℃〜40℃で撹拌し、10分〜60分ほど静置することにより、適度な粘度を有し、成形性の良好な揚げ蒲鉾用組成物を得ることができる。
なお、本発明において、トランスグルタミナーゼとともにグルコースオキシダーゼを用いることにより、より短時間で効率的に、揚げ蒲鉾用組成物を調製することができる。
グルコースオキシダーゼは、β−D−グルコースを酸化してD−グルコノ−δ−ラクトンを生成する酵素であり、一般的には、食品中に含まれる酸素およびグルコースの除去のために使用される。
本発明においてグルコースオキシダーゼの活性は、常法に従って測定することができる。
本発明において用いられるグルコースオキシダーゼの活性単位は、次のように測定され、かつ、定義される。
すなわち、グルコースを基質として、酸素存在下でグルコースオキシダーゼを作用させて過酸化水素を生成させ、生成した過酸化水素に、アミノアンチピリンおよびフェノール存在下でペルオキシダーゼを作用させて生成したキノンイミン色素を波長500nmで測定し、キノンイミン色素の生成量を検量線より求め、前記結果から、1分間に1μmolのグルコースを酸化するのに必要な酵素量を算出し、1ユニット(1U)とする。
グルコースオキシダーゼとしては、黒カビ(Aspergillus niger)、ペニシリウム アマガサキエンス(Penicillium amagasakiense)等の真菌類により生産されるものが知られているが、上記の酵素活性を示す限り、その起源は特に制限されず、組み換え酵素を使用してもよい。
本発明においては、「ハイデラーゼ15」(天野エンザイム株式会社製)等の市販の製品を用いることもできる。
本発明の揚げ蒲鉾用組成物の調製に際しては、グルコースオキシダーゼの含有量は、植物性タンパク質および骨肉分離肉の総含有量1g当たり、0.0001U〜10,000Uを用いることが好ましく、0.0001U〜1,000Uを用いることがより好ましい。
本発明の揚げ蒲鉾用組成物の調製に際し、グルコースオキシダーゼは、植物性タンパク質と骨肉分離肉の混合物に、あるいは、澱粉、調味料、栄養成分等を含有させる場合には、これらと植物性タンパク質および骨肉分離肉との混合物に、トランスグルタミナーゼとともに添加し、通常4℃〜40℃にて作用させる。
グルコースオキシダーゼを併用する場合、成形に適する粘度を有する揚げ蒲鉾用組成物を得るのに要する時間が、トランスグルタミナーゼを単独で用いる場合に比べて短縮され、グルコースオキシダーゼの併用により、揚げ蒲鉾用組成物の製造効率を向上させることができる。
本発明の揚げ蒲鉾用組成物を適宜所望の形状に成形した後、150℃〜180℃で加熱することにより、揚げ蒲鉾を得ることができる。
150℃〜180℃で加熱する手段としては、150℃〜180℃の油で揚げることが、好ましい手段として挙げられる。
150℃〜180℃での加熱は、成形した揚げ蒲鉾用組成物の表面が、きつね色になる程度の時間、好ましくは4分〜10分程度行うことが好ましい。
すなわち、本発明の揚げ蒲鉾の製造方法は、上記した本発明の揚げ蒲鉾用組成物を成形する工程、および、成形した揚げ蒲鉾用組成物を、150℃〜180℃で加熱する工程を含む。
本発明の揚げ蒲鉾用組成物を成形する工程において、畜肉、魚介、野菜およびそれらの加工品からなる群より選択される1種以上の食材を添加することにより、得られる揚げ蒲鉾の味、風味等にバリエーションを加えることができ、また、揚げ蒲鉾の栄養成分の種類および栄養価を向上させることができる。
上記食材の好適な例としては、ヤマイモ、ジャガイモ等の芋類、枝豆等の豆類、ゴボウ、ニンジン等の根菜類、エビ等の魚介類、鶏肉等の畜肉類、豆腐等の加工品等が挙げられ、これらは適宜細切したり、すりおろしたりして添加することができる。
なお、揚げ蒲鉾用組成物に上記食材を添加する場合、必要に応じて小麦粉等や水を加えて、揚げ蒲鉾用組成物の粘度を調整することができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。なお、以下において、特に記載しない場合、「%」は重量%を示す。
[実施例1、比較例1〜3]揚げ蒲鉾用組成物の製造
表1に示す組成にて、実施例1および比較例1〜3の揚げ蒲鉾用組成物を得た。
<製造方法>
まず副材(本明細書において、主材以外に含有される調味料、製造用剤等の食品添加物等をいう)中の澱粉、植物性タンパク質および調味料を水に添加して混合し、次いで主材を添加して混合、撹拌した後、トランスグルタミナーゼを加えて混合し、25℃で撹拌した後20分〜30分静置して、揚げ蒲鉾用組成物とした。
表中の各成分としては、下記原料を使用した。なお、特に記載しないものについては、食品用として市販されている一般的な原料を用いた。
(1)澱粉
タピオカ加工澱粉:「ST3205」(東海澱粉株式会社製)
(2)植物性タンパク質
(i)粉末状小麦タンパク:「A−グルG」(グリコ栄養食品株式会社製)
(ii)粉末状大豆タンパク:「ニューフジプロ−SE」(不二製油株式会社製)
(3)調味料
アミノ酸系調味料:「新・ねり味−KF」(味の素株式会社製)
(4)主材
(i)魚肉(イトヨリ)すり身:「冷凍イトヨリすり身」(スターフィッシュ(STARFISH)(タイ)社製)
(ii)鶏ムネ肉ミンチ:国産ムネ肉(チルド)を自社にてミンチとした。
(iii)骨肉分離肉:「国産若鶏冷凍すり身」(株式会社ウェルファムフーズ社製)
(5)酵素
トランスグルタミナーゼ:「アクティバTG−K」(100U/g)(味の素株式会社製)
実施例1および比較例1〜3の揚げ蒲鉾用組成物を成形し、170℃の油で6分間揚げて、揚げ蒲鉾(さつま揚げ)を製造した。
揚げ蒲鉾用組成物の成形性、得られたさつま揚げの食感(なめらかさおよび弾力)を3名のパネラーにより評価させ、評価結果を次の基準により表1に併せて示した。また、表1には、さつま揚げの食感について、パネラーの感想も示した。
<評価基準>
(1)成形性
○;組成物が適度な粘度を有し、成形が容易である。
△;成形は可能であるが、組成物の粘度がやや低く、成形しづらい。
×;組成物の粘度が低く、成形が不可能である。
(2)さつま揚げのなめらかさ
○;均一になめらかである。
△;部分的になめらかでない。
×;全体的になめらかでない。
(3)さつま揚げの弾力
○;しっとりとした弾力がある。
△;やや弾力がない、または硬い。
×;弾力がない。
表1に示されるように、主材として魚肉すり身を含有する比較例1の揚げ蒲鉾用組成物は、トランスグルタミナーゼが添加されていなくても成形性は良好で、油で揚げて得られたさつま揚げは、しっとりした弾力と、均一でなめらかな食感を有していた。
しかし、魚肉すり身の代わりに鶏ムネ肉ミンチを含有し、トランスグルタミナーゼが添加された比較例2の揚げ蒲鉾用組成物は、成形性は良好であったが、油で揚げて得られたさつま揚げの食感はなめらかさに欠け、全体的に硬く、粒感があり、比較例1で得られたさつま揚げの食感とは大きく異なる食感であった。また、魚肉すり身の代わりに骨肉分離肉を含有し、トランスグルタミナーゼが添加されていない比較例3の揚げ蒲鉾用組成物は、成形性が悪く、油で揚げて得られたさつま揚げは、なめらかではあるが、フニャフニャした弾力のない食感を有していた。
これに対し、魚肉すり身の代わりに骨肉分離肉を含有し、トランスグルタミナーゼが添加された本発明の実施例1の揚げ蒲鉾用組成物は、成形性が良好で、油で揚げて得られたさつま揚げは、比較例1で得られたさつま揚げと同等の弾力があり、均一な滑らかさのある食感を有していた。
なお、表1中実施例1として示される組成にて、さらにグルコースオキシダーゼ(「ハイデラーゼ15」(天野エンザイム株式会社))を、植物性タンパク質および骨肉分離肉の総含有量に対し30U/gとなるように、トランスグルタミナーゼとともに添加して揚げ蒲鉾用組成物を調製した。その場合、表1には結果を示していないが、実施例1の場合よりも短時間で、適度な粘度を有し、成形性の良好な揚げ蒲鉾用組成物を得ることができた。
[実施例2]揚げ蒲鉾用組成物の製造
表2に示す副材中、澱粉、植物性タンパク質、調味料および卵白粉を水に添加して混合し、次いで主材である骨肉分離肉を添加して混合した。次に、トランスグルタミナーゼを添加して、25℃で撹拌した後、20分〜30分静置して、揚げ蒲鉾用組成物を得た。
なお、表2中の各原料としては、上記実施例1の場合と同様の原料を用い、卵白粉としては、食品用として市販されている一般的な原料を用いた。
実施例2の揚げ蒲鉾用組成物は、良好な成形性を示した。
[実施例3]豆腐・ヤマイモ入り鶏つみれの製造
表3に示す組成にて、実施例1の揚げ蒲鉾用組成物に、水切りした木綿豆腐、冷凍とろろおよびつぶしたエダマメを添加して混合し、成形した後、170℃の油で5分間揚げ、豆腐・ヤマイモ入り鶏つみれを製造した。
[実施例4]エビ入り鶏つみれの製造
表4に示す組成にて、実施例1の揚げ蒲鉾用組成物に、冷凍小エビを刻んで添加して混合し、成形した後、170℃の油で5分間揚げ、エビ入り鶏つみれを製造した。
[実施例5]ゴボウ天かき揚げの製造
表5に示す組成にて、実施例1の揚げ蒲鉾用組成物に、小麦粉(中力粉)、水および冷凍ささがきゴボウを添加して混合し、成形した後、170℃の油で5分間揚げ、ゴボウ天かき揚げを製造した。
実施例3の豆腐・ヤマイモ入り鶏つみれ、実施例4のエビ入り鶏つみれ、および実施例5のゴボウ天かき揚げは、いずれも均一ななめらかさと、弾力のある食感を有していた。
以上、詳述したように、本発明により、骨肉分離肉を主材として用いて、成形性が良好で、揚げ蒲鉾の製造に適する揚げ蒲鉾用組成物を提供することができる。
本発明の揚げ蒲鉾用組成物を成形し、150℃〜180℃で加熱して得られた揚げ蒲鉾は、魚肉すり身を主材とする揚げ蒲鉾と同等の食感を有する。

Claims (12)

  1. 植物性タンパク質および骨肉分離肉を含有する混合物に、トランスグルタミナーゼを添加する、揚げ蒲鉾用組成物の製造方法。
  2. 植物性タンパク質および骨肉分離肉を含有する混合物が、さらに澱粉を含有する、請求項1に記載の製造方法。
  3. 植物性タンパク質および骨肉分離肉を含有する混合物が、さらに調味料を含有する、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 植物性タンパク質が、穀物および豆類のタンパク質の1種以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 植物性タンパク質が、米タンパク、小麦タンパクおよび大豆タンパクからなる群より選択される1種以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法により得られた揚げ蒲鉾用組成物を成形する工程、および150℃〜180℃で加熱する工程を含む、揚げ蒲鉾の製造方法。
  7. 揚げ蒲鉾用組成物を成形する工程において、畜肉、魚介、野菜およびそれらの加工品からなる群より選択される1種以上を添加する、請求項6に記載の製造方法。
  8. 植物性タンパク質、骨肉分離肉およびトランスグルタミナーゼを含有する、揚げ蒲鉾用組成物。
  9. さらに澱粉を含有する、請求項8に記載の組成物。
  10. さらに調味料を含有する、請求項8または9に記載の組成物。
  11. 植物性タンパク質が、穀物および豆類のタンパク質の1種以上である、請求項8〜10のいずれか1項に記載の組成物。
  12. 植物性タンパク質が、米タンパク、小麦タンパクおよび大豆タンパクからなる群より選択される1種以上である、請求項8〜11のいずれか1項に記載の組成物。
JP2016226310A 2016-11-21 2016-11-21 揚げ蒲鉾用組成物および揚げ蒲鉾の製造方法 Active JP6828394B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016226310A JP6828394B2 (ja) 2016-11-21 2016-11-21 揚げ蒲鉾用組成物および揚げ蒲鉾の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016226310A JP6828394B2 (ja) 2016-11-21 2016-11-21 揚げ蒲鉾用組成物および揚げ蒲鉾の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018082637A JP2018082637A (ja) 2018-05-31
JP6828394B2 true JP6828394B2 (ja) 2021-02-10

Family

ID=62236498

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016226310A Active JP6828394B2 (ja) 2016-11-21 2016-11-21 揚げ蒲鉾用組成物および揚げ蒲鉾の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6828394B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180099269A (ko) 2017-02-28 2018-09-05 주식회사 엘지화학 올레핀 공중합체 합성용 촉매 조성물 및 올레핀 공중합체의 제조 방법
KR20180103349A (ko) 2017-03-09 2018-09-19 주식회사 엘지화학 올레핀 공중합체
KR20220064497A (ko) 2020-11-12 2022-05-19 한화솔루션 주식회사 혼성 촉매 조성물, 이를 포함하는 촉매 및 이들의 제조방법

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20210075572A (ko) * 2019-12-13 2021-06-23 대한민국(농촌진흥청장) 쌀 단백질을 함유하는 라이스 볼의 제조방법

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180099269A (ko) 2017-02-28 2018-09-05 주식회사 엘지화학 올레핀 공중합체 합성용 촉매 조성물 및 올레핀 공중합체의 제조 방법
KR20180103349A (ko) 2017-03-09 2018-09-19 주식회사 엘지화학 올레핀 공중합체
KR20220064497A (ko) 2020-11-12 2022-05-19 한화솔루션 주식회사 혼성 촉매 조성물, 이를 포함하는 촉매 및 이들의 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018082637A (ja) 2018-05-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6828394B2 (ja) 揚げ蒲鉾用組成物および揚げ蒲鉾の製造方法
CN1094913A (zh) 含二十二碳六烯酸的微藻食物原料及其食品和生产方法
JP5056193B2 (ja) 畜肉加工食品又は水産加工食品の製造方法及び畜肉加工食品又は水産加工食品改質用の酵素製剤
KR20200037157A (ko) 식이섬유를 함유한 어묵 및 그 제조 방법
KR101948681B1 (ko) 압출성형 인조육을 이용한 발효물의 제조 방법 및 이에 의해 제조된 발효물
JP2015023853A (ja) 植物性蛋白質入り食品、及び植物性蛋白質入り食品の植物性蛋白質の青臭味をマスキングするマスキング方法
JP6831487B1 (ja) 糸引きが増強された納豆
JP2007028905A (ja) 揚げ物用打ち粉組成物
KR20160125254A (ko) 조미분말 제조방법 및 조미분말
KR101258739B1 (ko) 톳을 주원료로 하는 후리가케 조성물
JP2009165450A (ja) 赤飯用改良剤および、その改良剤を用いた赤飯の製造方法
KR102364859B1 (ko) 템페 함유 소스의 제조 방법 및 이로부터 제조된 소스
JP6838265B2 (ja) 炊飯用液体調味料
KR101452275B1 (ko) 다용도용 조미료 및 그 제조방법
KR101862817B1 (ko) 안동참마를 포함하는 안동참마 고기볶음장 및 그 제조방법
JP2012039953A (ja) 粒状大豆たん白加工食品の製造方法
CN105614832A (zh) 一种养胃素肉酱及其制备方法
EP2358219B1 (en) Soya bean food product and compositions comprising thereof
JP6904733B2 (ja) 冷凍用米飯の製造方法
JP7135415B2 (ja) 包皮食品の製造方法および包皮食品
KR101771126B1 (ko) 삼채 함유 소스 및 이의 제조방법
CN111000188B (zh) 一种速溶贝类海鲜汤料包及其制备方法
KR20200098931A (ko) 천연재료를 혼합시켜 만든 천연 조미료의 제조 방법 및 그에 따라 제조된 천연조미 소스
KR101580684B1 (ko) 다기능성 천연조미료의 제조방법
KR102033358B1 (ko) 누룽지용 양념장 및 그 제조 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191017

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200820

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200901

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201222

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210104

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6828394

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250