(第1の実施形態)
[通話制御システムSの概要]
図1は、本実施形態に係る通話制御システムSの模式図である。通話制御システムSは、通話制御装置1と、交換システム2とを含む。通話制御システムSは、その他のサーバ、端末等の機器を含んでもよい。
交換システム2は、通話端末3A、3Bの間の回線を相互接続するシステムである。交換システム2は、単一の装置であってもよく、複数の装置を含んでもよい。通話端末3A、3Bは、音声を入出力可能な電話機や通信端末等の装置である。発呼側の通話端末3Aが着呼側の通話端末3Bの識別情報を指定して発呼すると、交換システム2は、発呼側の通話端末3Aと、識別情報に対応する着呼側の通話端末3Bとの間で回線を接続し、通話を可能にする。
交換システム2が接続する回線は、電話回線でもよく、あるいはインターネットやローカルエリアネットワーク等の通信回線でもよい。電話回線を用いる場合の通話端末3A、3Bの識別情報は、例えば通話端末3A、3Bに割り振られた電話番号である。通信回線を用いる場合の通話端末3A、3Bの識別情報は、例えば通話端末3A、3B上で実行される通話用ソフトウェアに設定されたIDである。
通話制御装置1は、通話端末3A、3Bの間の通話を制御するコンピュータである。通話制御装置1は、交換システム2の内部に組み込まれてもよく、あるいは交換システム2の外部に接続されてもよい。
通話制御装置1は、ユーザが通話端末3Aを用いて発呼する際に、着呼側の通話端末3Bの識別情報が迷惑通話者として登録されているか否かを判定することによって、ユーザが迷惑通話者に発呼しているか否かを判定する。また、通話制御装置1は着呼側の通話端末3Bの識別情報への発呼が最初か2回目以降を判定する。
通話制御装置1は、ユーザが迷惑通話者へ最初に発呼したと判定した場合に、ユーザに対して迷惑通話者である旨のガイダンスを出力するとともに、ユーザが行った操作を記憶する。例えばユーザが行った操作とは、迷惑通話者との通話の開始前にユーザが発呼を停止したこと、ユーザが迷惑通話者との通話を行ったこと、迷惑通話者について自動的に発呼を停止する対象としてユーザが設定したこと、迷惑通話者について自動的に回線を接続する対象としてユーザが設定したこと等である。
通話制御装置1は、ユーザが同じ迷惑通話者へ再び発呼したと判定した場合に、最初の発呼に対してユーザが行った操作に基づいて、交換システム2に自動的に発呼を停止させるか、あるいは交換システム2に自動的に回線を接続させる。このような構成により、通話制御システムSは、迷惑通話者として登録された識別情報に対応する通話先へ発呼するか否かをユーザが最初の発呼時に選択することによって、ユーザが同じ識別情報へ再び発呼する際には自動的に発呼を停止又は回線を接続できるため、ユーザの手間を削減できる。
[通話制御システムSの構成]
図2は、本実施形態に係る通話制御システムSのブロック図である。図2において、矢印は主なデータの流れを示しており、図2に示したもの以外のデータの流れがあってよい。図2において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、図2に示すブロックは単一の装置内に実装されてよく、あるいは複数の装置内に別れて実装されてよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてよい。
通話制御装置1は、制御部11と、記憶部12とを有する。制御部11は、通話先取得部111と、登録判定部112と、通話制御部113と、出力部114と、操作情報受付部115とを有する。記憶部12は、迷惑情報記憶部121と、顧客情報記憶部122とを有する。
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部11が実行するプログラムを予め記憶する。迷惑情報記憶部121は、迷惑通話者として登録されている通話端末3Bの識別情報を示す迷惑情報を記憶する。顧客情報記憶部122は、顧客であるユーザの識別情報、通話先である通話端末3Bの識別情報、及び、通話端末3Bの識別情報への発呼時にユーザが行った操作を示す操作情報を関連付けた顧客情報を記憶する。迷惑情報記憶部121及び顧客情報記憶部122は、それぞれ記憶部12上の記憶領域であってもよく、あるいは記憶部12上で構成されたデータベースであってもよい。
制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、通話先取得部111、登録判定部112、通話制御部113、出力部114及び操作情報受付部115として機能する。制御部11の機能の少なくとも一部は、電気回路によって実行されてもよい。また、制御部11の機能の少なくとも一部は、ネットワーク経由で実行されるプログラムによって実行されてもよい。
本実施形態に係る通話制御システムSは、図2に示す具体的な構成に限定されない。例えば通話制御装置1は、1つの装置に限られず、2つ以上の物理的に分離した装置が有線又は無線で接続されることにより構成されてもよい。
[迷惑情報及び顧客情報の説明]
図3(a)は、迷惑情報記憶部121が記憶する迷惑情報Aの模式図である。迷惑情報Aは、通話端末3Bの識別情報A1と、分類A2とを関連付けた情報である。迷惑情報Aは、通話制御システムSの外部から受信され、迷惑情報記憶部121に予め記憶されてもよい。また、迷惑情報Aは、通話制御システムSのユーザや管理者によって入力され、迷惑情報記憶部121に予め記憶されてもよい。
識別情報A1は、迷惑通話者として登録された識別情報である。識別情報A1は、電話回線の電話番号であってもよく、あるいは通話用ソフトウェアに設定されたIDであってもよい。分類A2は、迷惑通話者として登録された理由を示す分類(カテゴリ)であり、例えば詐欺、不動産営業、投資営業等である。これにより、通話制御装置1は、迷惑情報Aに含まれている識別情報を、迷惑通話者として登録されていると判定できる。迷惑情報Aにおいて、分類A2は省略されてもよい。
図3(a)の迷惑情報Aは、迷惑通話者の識別情報が迷惑情報記憶部121に記憶されていることによって通話端末3Bが迷惑通話者として登録されていることを示しているが、その他の方法によって識別情報が迷惑通話者として登録されていることを示してもよい。
例えば、迷惑情報Aは、通話端末3Bの識別情報と、迷惑通話者か否かを示すフラグとを関連付けた情報であってもよい。この場合に、迷惑情報Aが含む通話端末3Bの識別情報は、迷惑通話者のものに限られない。フラグは、迷惑通話者であることを示すフラグと、迷惑通話者でないことを示すフラグと、迷惑通話者であるか否か不明であることを示すフラグとのいずれかである。これにより、通話制御装置1は、迷惑情報Aにおいて迷惑通話者であることを示すフラグに関連付けられている識別情報を、迷惑通話者として登録されていると判定できる。
また、例えば迷惑情報Aは、通話端末3Bの識別情報と、迷惑通話者である蓋然性の程度を示す迷惑度とを関連付けた情報であってもよい。この場合に、迷惑情報Aが含む通話端末3Bの識別情報は、迷惑通話者のものに限られない。迷惑度は、例えば通話制御装置1がユーザから識別情報ごとに迷惑通話者か否かの入力を受け付け、識別情報ごとに迷惑通話者であると入力したユーザの数が多いほど高くなるように設定される。これにより、通話制御装置1は、迷惑情報Aにおいて所定の閾値以上の迷惑度に関連付けられている識別情報を、迷惑通話者として登録されていると判定できる。
図3(b)は、顧客情報記憶部122が記憶する顧客情報Bの模式図である。顧客情報Bは、ユーザの通話端末3Aの識別情報B1と、通話先の通話端末3Bの識別情報B2と、ユーザの操作を示す操作情報B3とを関連付けた情報である。
識別情報B1は、ユーザの通話端末3Aの識別情報である。識別情報B2は、通話先の識別情報である。識別情報B1及び識別情報B2は、電話回線の電話番号であってもよく、あるいは通話用ソフトウェアに設定されたIDであってもよい。
操作情報B3は、通話先の識別情報に対してユーザが行った操作を示す情報である。例えば操作情報B3は、迷惑通話者との通話の開始前にユーザが発呼を停止したことを示す「発呼停止」と、ユーザが迷惑通話者との通話を行ったことを示す「通話」と、迷惑通話者について次回以降の発呼時に自動的に発呼を停止する対象としてユーザが設定したことを示す「停止対象」と、迷惑通話者とは判断せずに次回以降の発呼時には自動的に回線を接続する対象としてユーザが設定したことを示す「接続対象」等である。操作情報B3は、その他の操作を含んでもよい。
通話制御システムSは、ユーザが迷惑通話者として登録された識別情報に対応する通話端末3Bへ発呼した際、又はユーザが該識別情報に対して「停止対象」又は「接続対象」の設定を行った際に、該識別情報に関する顧客情報Bを生成して顧客情報記憶部122に記憶させる。
図3(a)、図3(b)において迷惑情報A及び顧客情報Bは視認性のために文字列の表で表されているが、各データは文字列データ、数値データ、バイナリデータ等の任意の形式で記録されてもよい。迷惑情報A及び顧客情報Bは、データベースとして記録されてもよく、あるいはデータを列挙したリストとして記録されてもよい。
[通話制御方法の説明]
図4、図5は、本実施形態に係る通話制御方法のシーケンス図である。図4は通話制御方法の前半部分を表しており、図5は通話制御方法の後半部分を表している。ユーザは、交換システム2に対して、予め本実施形態に係る通話制御装置1による迷惑通話判定機能をON又はOFFに設定する。
ユーザは、通話端末3Aを用いて、通話先の識別情報を指定して発呼する。交換システム2は、ユーザによる発呼を受け付けると、ユーザが迷惑通話判定機能をONにしているか否か判定する。ユーザが迷惑通話判定機能をONに設定していない場合に(S11のNO)、交換システム2は、RBT(呼出音)をユーザの通話端末3Aに送信するとともに、通話先の識別情報に対応する通話端末3Bへの呼び出しを開始する。その後、交換システム2は、ユーザの通話端末3A及び通話先の通話端末3Bの操作に応じて、回線の接続及び切断をする。
ユーザが迷惑通話判定機能をONに設定している場合に(S11のYES)、交換システム2は、ユーザの通話端末3Aの識別情報と、ユーザが指定した通話先の識別情報とを、通話制御装置1に送信する。通話制御装置1において、通話先取得部111は、ユーザの通話端末3Aの識別情報と、通話先の識別情報を、交換システム2から受信することによって取得する。
登録判定部112は、通話先取得部111が取得した通話先の識別情報が、迷惑情報記憶部121に迷惑通話者として登録されているか否かを判定する(S12)。上述のように、登録判定部112は、(1)通話先の識別情報が迷惑情報記憶部121に記憶されていること、(2)通話先の識別情報が迷惑情報記憶部121において迷惑通話者であることを示すフラグに関連付けられていること、(3)通話先の識別情報が迷惑情報記憶部121において所定の閾値以上の迷惑度に関連付けられていることのいずれかを条件として、通話先の識別情報が迷惑通話者として登録されていると判定する。
通話先の識別情報が迷惑通話者として登録されていると登録判定部112が判定しなかった場合に(S13のNO)、通話制御部113は、交換システム2に発呼を指示する信号を送信する。交換システム2は、RBTをユーザの通話端末3Aに送信するとともに、通話先の識別情報に対応する通話端末3Bへの呼び出しを開始する。その後、交換システム2は、ユーザの通話端末3A及び通話先の通話端末3Bの操作に応じて、回線の接続及び切断をする。
通話先の識別情報が迷惑通話者として登録されていると登録判定部112が判定した場合に(S13のYES)、通話制御部113は、顧客情報記憶部122に、ユーザの通話端末3Aの識別情報と、通話先の識別情報とを関連付けた顧客情報が記憶されているか否かを判定する。ユーザが通話先の識別情報に初めて発呼し、かつユーザが該識別情報に対して「停止対象」又は「接続対象」の設定を行っていない場合に、顧客情報記憶部122にはユーザの通話端末3Aの識別情報と通話先の識別情報とを関連付けた顧客情報が記憶されていない。
ユーザの通話端末3Aの識別情報と通話先の識別情報とを関連付けた顧客情報が顧客情報記憶部122に記憶されていない、すなわち、ユーザが通話先へ最初の発呼をしたと通話制御部113が判定した場合に(S14のNO)、出力部114は、通話先の識別情報が迷惑通話者として登録されていることをユーザに通知する迷惑ガイダンスを、交換システム2を介してユーザの通話端末3Aへ出力する(S15)。迷惑ガイダンスは、例えばユーザの通話端末3Aのスピーカから発せられる音声によって出力されてもよく、ユーザの通話端末3Aの表示部に表示される情報(文字、図形、色彩等)によって出力されてもよく、あるいはそれらの両方によって出力されてもよい。
迷惑ガイダンスの内容は、通話先の識別情報に関連付けられた分類ごとに異なるように設定されてもよい。例えば出力部114は、分類が「詐欺」の場合に通話先が詐欺業者である旨の迷惑ガイダンスを出力し、「不動産営業」の場合に通話先が不動産営業業者である旨の迷惑ガイダンスを出力する。
交換システム2は、迷惑ガイダンスをユーザの通話端末3Aへ出力した所定時間経過後に、RBTをユーザの通話端末3Aに送信するとともに、通話先の識別情報に対応する通話端末3Bへの呼び出しを開始する。交換システム2は、ユーザが通話端末3A上に設けられた開始ボタン(発話ボタン)を押下したこと、又はユーザが通話端末3Aの画面上に表示された仮想的な開始ボタンを押下したことを条件として、通話先の識別情報に対応する通話端末3Bへの呼び出しを開始してもよい。また、当該所定時間は、ユーザの好みにあうように、ユーザにより設定可能としてもよい。
ユーザは、通話先の識別情報への発呼を停止するための操作をするか、又は通話先の識別情報への通話が開始されるまで待機する。発呼を停止するための操作は、例えば通話端末3A上に設けられた終了ボタン(終話ボタン)を押下すること、又は通話端末3Aの画面上に表示された仮想的な終了ボタンを押下することである。
交換システム2は、ユーザが発呼を停止するための操作をした場合に、通話先の識別情報に対応する通話端末3Bへの呼び出しを行わない。交換システム2は、ユーザが発呼を停止するための操作をしなかった場合に、通話先の識別情報に対応する通話端末3Bへの呼び出しを開始し、通話先の識別情報に対応する通話端末3Bが応答すると、ユーザの通話端末3Aと通話先の識別情報に対応する通話端末3Bとの間の回線を接続する。
交換システム2は、ユーザが発呼を停止するための操作をしたために通話開始前に発呼を停止したこと、又はユーザが発呼を停止するための操作をしなかったために通話を開始したことを示す操作情報を、通話制御装置1へ送信する。
操作情報受付部115は、交換システム2から操作情報を受け付け、ユーザの通話端末3Aの識別情報及び通話先の識別情報と関連付けて顧客情報記憶部122に記憶させる(S16)。具体的には、操作情報受付部115は、図3(b)の顧客情報Bにおいて、通話開始前に発呼を停止した場合に「発呼停止」を操作情報B3に設定し、通話を開始した場合に「通話」を操作情報B3に設定する。これにより、ユーザの通話端末3Aの識別情報と通話先の識別情報とを関連付けた顧客情報が顧客情報記憶部122に記憶され、該顧客情報は次回以降の発呼時に利用される。また、操作情報受付部115は、例えば通話後のユーザの操作により「停止対象」または「接続対象」を操作情報B3に設定することも可能である(詳細は後述する)。
ユーザの通話端末3Aの識別情報と通話先の識別情報とを関連付けた顧客情報が顧客情報記憶部122に記憶されている、すなわち、ユーザが通話先へ2回目以降の発呼をしたと通話制御部113が判定した場合に(S14のYES)、通話制御部113は、該顧客情報に含まれる操作情報を顧客情報記憶部122から取得する(S17)。具体的には、通話制御部113は、図3(b)の顧客情報Bにおいて、ユーザの通話端末3Aの識別情報及び通話先の識別情報に関連付けられた、「発呼停止」、「通話」、「停止対象」及び「接続対象」等の操作情報を取得する。
通話制御部113が取得した操作情報が発呼停止条件を満たしていない場合に(S18のNO)、通話制御部113は、交換システム2に発呼を指示する信号を送信する。交換システム2は、RBTをユーザの通話端末3Aに送信するとともに、通話先の識別情報に対応する通話端末3Bへの呼び出しを開始する。その後、交換システム2は、ユーザの通話端末3A及び通話先の通話端末3Bの操作に応じて、回線の接続及び切断をする。
具体的には、通話制御部113は、操作情報が、ユーザが迷惑通話者との通話を行ったことを示す「通話」である場合、又は迷惑通話者について次回以降の発呼時に自動的に回線を接続する対象としてユーザが設定したことを示す「接続対象」である場合に、発呼停止条件を満たしていないと判定する。
これにより、迷惑通話者として登録された識別情報に対応する通話先への最初の発呼においてユーザが迷惑ガイダンスを受けたにも関わらず通話を行った場合に、通話制御部113は、該ユーザが該通話先との通話を望んでいると推定し、ユーザによる追加の操作を必要とせずに自動的に回線を接続することができる。また、ユーザが明示的に回線を接続する対象と設定した通話先についても、通話制御部113は、ユーザによる追加の操作を必要とせずに自動的に回線を接続することができる。なお、通話を行ったものの、「接続対象」にも「停止対象」にも設定しなかった場合には、操作情報受付部115は、該ユーザが該通話先との通話を許可しているのか拒絶しているのか不明であると判断し、顧客情報記憶部122に操作情報を記憶しなくてもよい。または、操作情報受付部115が顧客情報記憶部122に「通話」と記憶した後、ユーザが2回目以降の発呼を行った際に、通話制御部113は、最初の発呼とみなして制御を行うようにしてもよい。
通話制御部113が取得した操作情報が発呼停止条件を満たしている場合に(S18のYES)、出力部114は、通話先の識別情報への発呼を停止することをユーザに通知する発呼停止ガイダンスを、交換システム2を介してユーザの通話端末3Aへ出力する(S19)。発呼停止ガイダンスは、例えばユーザの通話端末3Aのスピーカから発せられる音声によって出力されてもよく、ユーザの通話端末3Aの表示部に表示される情報(文字、図形、色彩等)によって出力されてもよく、あるいはそれらの両方によって出力されてもよい。
具体的には、通話制御部113は、操作情報が、迷惑通話者との通話の開始前にユーザが発呼を停止したことを示す「発呼停止」である場合、又は迷惑通話者について次回以降の発呼時に自動的に発呼を停止する対象としてユーザが設定したことを示す「停止対象」である場合に、発呼停止条件を満たしていると判定する。
通話制御部113は、発呼停止ガイダンスをユーザの通話端末3Aへ出力した後に、交換システム2に発呼の停止を指示する信号を送信する。交換システム2は、通話先の識別情報に対する発呼を自動的に停止する。これにより、迷惑通話者として登録された識別情報に対応する通話先への最初の発呼においてユーザが迷惑ガイダンスを受け、通話開始前に発呼を停止した場合に、通話制御部113は、該ユーザが該通話先との通話を望んでいないと推定し、ユーザによる追加の操作を必要とせずに自動的に発呼を停止することができる。また、ユーザが明示的に発呼を停止する対象と設定した通話先についても、通話制御部113は、ユーザによる追加の操作を必要とせずに自動的に発呼を停止することができる。
交換システム2は、発呼停止ガイダンスを出力している間に、発呼の停止を行わないための操作をユーザの通話端末3Aから受け付けてもよい。発呼の停止を行わないための操作は、例えば通話端末3A上に設けられた所定のボタンを押下すること、又は通話端末3Aの画面上に表示された仮想的な所定のボタンを押下することである。これにより、通話先が発呼停止条件を満たしている場合であっても、ユーザは通話端末3A上で所定の操作を行うことによって通話先との通話を開始できる。
通話制御部113は、発呼停止条件を満たしている識別情報と同じ分類に関連付けられている他の識別情報への発呼を自動的に停止してもよい。これにより、例えばユーザが「詐欺」に分類された識別情報への発呼を通話開始前に停止した、又は該識別情報を停止対象として設定した場合に、通話制御部113は、同じ「詐欺」に分類された識別情報への発呼を最初の発呼であっても2回目以降の発呼とみなして自動的に停止できるため、ユーザの手間をさらに削減できる。なお、出力部114は、自動的に停止する際に発呼停止ガイダンスを出力してもよく、そのガイダンスの内容は通話先の識別情報に関連付けられた分類ごとに異なるように設定されてもよい。
また、通話制御部113は、発呼停止条件を満たしていない識別情報と同じ分類に関連付けられている他の識別情報への回線を自動的に接続してもよい。これにより、例えばユーザが「不動産営業」に分類された識別情報に対して通話を行った、又は該識別情報を接続対象として設定した場合に、通話制御部113は、同じ「不動産営業」に分類された識別情報への回線を自動的に接続できるため、ユーザの手間をさらに削減できる。
通話先の識別情報が発呼停止条件を満たしている場合であっても、該識別情報がユーザの通話端末3Aの電話帳(アドレス帳)に登録されている場合には、通話制御部113は、該識別情報への発呼を自動的に停止しなくてもよい。これにより、通話先が発呼停止条件を満たしている場合であっても、ユーザは通話先の識別情報を電話帳に登録することによって、通話先との通話を行うことができる。
通話制御部113は、操作情報が「停止対象」又は「接続対象」である場合にのみ、自動的に発呼を停止又は回線を接続してもよい。この場合に、操作情報が「発呼停止」又は「通話」である場合には、顧客情報が顧客情報記憶部122に記憶されている場合(すなわち2回目以降の発呼)であっても、出力部114は、ステップS15に進み、再び迷惑ガイダンスを出力する。これにより、出力部114は、ユーザが明示的に発呼を停止する対象又は回線を接続する対象と設定していない通話先については、ユーザに対して再び迷惑ガイダンスを出力できる。
[設定方法の説明]
図6(a)、図6(b)は、迷惑通話者を停止対象又は接続対象として設定する画面を表示している通話端末3Aの正面図である。図7、図8は、迷惑通話者を停止対象又は接続対象として設定する設定方法のシーケンス図である。図7、図8において、交換システム2は省略されている。図6(a)及び図7は、通話制御装置1から通話端末3Aへメッセージを送信することによって設定を開始する第1の例を示している。図6(b)及び図8は通話端末3Aから通話制御装置1へ照会することによって設定を開始する第2の例を示している。
まず第1の例について説明する。図4のステップS16の後(すなわち、ユーザが通話開始前に発呼を停止した後、又は通話を行った後)、通話制御装置1の出力部114は、設定メッセージを通話端末3Aへ出力する(S21)。設定メッセージは、SMS(Short Message Service)や電子メール等のメッセージサービスによって送信される。設定メッセージは、ステップS12で迷惑通話者として登録されていると判定された通話端末3Aの識別情報を含む。通話端末3Aは、通話制御装置1から受信した設定メッセージに基づいて、表示部上にメッセージ画面Cを表示する(S22)。なお、通話端末3Aは、ユーザが通話開始前に発呼を停止した後、又は通話を行った後に、自動的にメッセージ画面Cを表示してもよい。
図6(a)に示すメッセージ画面Cは、識別情報C1と、停止対象設定ボタンC2と、接続対象設定ボタンC3とを含む。識別情報C1は、停止対象又は接続対象の設定対象とする通話端末3Bの識別情報である。停止対象設定ボタンC2は、設定対象の識別情報C1を停止対象として設定する場合に押下される仮想的なボタンである。接続対象設定ボタンC3は、設定対象の識別情報C1を接続対象として設定する場合に押下される仮想的なボタンである。停止対象設定ボタンC2及び接続対象設定ボタンC3は、ボタンに限られず、押下可能な文字列や、停止対象又は接続対象を選択可能な選択欄であってもよい。
ユーザは、メッセージ画面Cにおいて、停止対象設定ボタンC2又は接続対象設定ボタンC3を押下する操作をする。通話端末3Aは、ユーザが停止対象設定ボタンC2を押下したために設定対象の識別情報C1を停止対象として設定すること、又はユーザが接続対象設定ボタンC3を押下したために設定対象の識別情報C1を接続対象として設定することを示す操作情報を、通話制御装置1へ送信する。
操作情報受付部115は、通話端末3Aから操作情報を受け付け、ユーザの通話端末3Aの識別情報及び設定対象の識別情報と関連付けて顧客情報記憶部122に記憶させる(S23)。具体的には、操作情報受付部115は、図3(b)の顧客情報Bにおいて、通話端末3Aから受け付けた操作情報が示す「停止対象」又は「接続対象」を操作情報B3に設定する。これにより、ユーザによる明示的な停止対象又は接続対象の設定を示す顧客情報が顧客情報記憶部122に記憶され、該顧客情報は次回以降の発呼時に利用される。
次に第2の例について説明する。通話端末3Aは、ユーザによる照会対象の識別情報の指定を受け付け、通話制御装置1へ送信する(S31)。ユーザは、発呼時に限らない任意のタイミングで、照会対象の識別情報の指定をすることができる。例えば通話端末3Aは、着信履歴を表示する画面において、ユーザによる照会対象の識別情報の指定を受け付けてもよい。この場合に、通話端末3Aは、着信履歴に含まれるいずれかの識別情報が押下された場合に、該識別情報を照会対象として受け付ける。また、通話端末3Aは、Webサイト等において、ユーザによる照会対象の識別情報の指定を受け付けてもよい。
通話制御装置1において、登録判定部112は、通話端末3Aから受信した照会対象の識別情報が、ステップS12と同様に迷惑情報記憶部121に迷惑通話者として登録されているか否かを判定する(S32)。出力部114は、照会対象の識別情報が迷惑通話者として登録されているか否かを示す判定結果を、通話端末3Aへ送信する。通話端末3Aは、通話制御装置1から受信した判定結果に基づいて、表示部上に照会画面Dを表示する(S33)。
図6(b)に示す照会画面Dは、識別情報D1と、照会結果D2と、停止対象設定ボタンD3と、接続対象設定ボタンD4とを含む。識別情報D1は、ユーザが指定した照会対象の識別情報である。照会結果D2は、照会対象の識別情報D1が迷惑通話者として登録されているか否かを表す情報と、迷惑通話者として登録されている場合に迷惑情報記憶部121において照会対象の識別情報D1に関連付けられている分類とを含む。
停止対象設定ボタンD3は、照会対象の識別情報D1を停止対象として設定する場合に押下される仮想的なボタンである。接続対象設定ボタンD4は、照会対象の識別情報D1を接続対象として設定する場合に押下される仮想的なボタンである。照会対象の識別情報D1が迷惑通話者として登録されていない場合に、停止対象設定ボタンD3及び接続対象設定ボタンD4は省略されてもよい。停止対象設定ボタンD3及び接続対象設定ボタンD4は、ボタンに限られず、押下可能な文字列や、停止対象又は接続対象を選択可能な選択欄であってもよい。
ユーザは、照会画面Dにおいて、停止対象設定ボタンD3又は接続対象設定ボタンD4を押下する操作をする。通話端末3Aは、ユーザが停止対象設定ボタンD3を押下したために照会対象の識別情報D1を停止対象として設定すること、又はユーザが接続対象設定ボタンD4を押下したために照会対象の識別情報D1を接続対象として設定することを示す操作情報を、通話制御装置1へ送信する。
図6(a)に示すメッセージ画面C及び図6(b)に示す照会画面Dにおいて、停止対象設定ボタンC2、D3、接続対象設定ボタンC3、D4に加えて、回答保留ボタンが設けられてもよい。回答保留ボタンは、設定対象の識別情報C1、D1に対する設定を保留する(すなわち停止対象及び接続対象として設定しない)場合に押下される仮想的なボタンである。ユーザが回答保留ボタンを押下する操作をした場合に、通話端末3Aは、対象の識別情報C1、D1を停止対象及び接続対象として設定しないことを示す操作情報を、通話制御装置1へ送信する。この場合に、操作情報受付部115は、顧客情報記憶部122に操作情報を記憶しなくてもよい。または、操作情報受付部115が顧客情報記憶部122に「回答保留」と記憶した後、ユーザが2回目以降の発呼を行った際に、通話制御部113は、最初の発呼とみなして制御を行うようにしてもよい。
操作情報受付部115は、通話端末3Aから操作情報を受け付け、ユーザの通話端末3Aの識別情報及び照会対象の識別情報と関連付けて顧客情報記憶部122に記憶させる(S34)。具体的には、操作情報受付部115は、図3(b)の顧客情報Bにおいて、通話端末3Aから受け付けた操作情報が示す「停止対象」又は「接続対象」を操作情報B3に設定する。これにより、ユーザによる明示的な停止対象又は接続対象の設定を示す顧客情報が顧客情報記憶部122に記憶され、該顧客情報は次回以降の発呼時に利用される。
操作情報受付部115は、図6(a)及び図6(b)の画面に表示された1つの識別情報について停止対象又は接続対象の設定を行っているが、該識別情報と同じ分類の全ての識別情報について停止対象又は接続対象の設定を行ってもよい。これにより、例えばユーザが「投資営業」に分類された識別情報を停止対象又は接続対象として設定した場合に、操作情報受付部115は、同じ「投資営業」に分類された識別情報を停止対象又は接続対象として設定できるため、ユーザの手間をさらに削減できる。
[第1変形例]
上述の通話制御方法は、コンピュータである通話端末3Aによって実行されてもよい。この場合に通話端末3Aは、通話先取得部111、登録判定部112、通話制御部113、出力部114及び操作情報受付部115として機能する制御部11と、迷惑情報記憶部121及び顧客情報記憶部122として機能する記憶部12とを有する。このような構成により、通話端末3Aは交換システム2へ実際に発呼する前に迷惑通話者を判定して発呼の可否を決定できるため、発呼時のレスポンスが向上する。
[第2変形例]
上述の通話制御装置1は、交換システム2を介した音声通話を制御しているが、交換システム2を介さない音声通話を制御してもよい。この場合に、通話端末3A及び通話端末3Bの少なくとも一方が交換システム2の機能を内蔵することによって、通話端末3Aと通話端末3Bとの間で音声通話を行ってもよい。また、交換システム2を省略し、ピア・ツー・ピア(P2P)の通信によって、通話端末3Aと通話端末3Bとの間で直接音声通話を行ってもよい。これらの場合に、通話端末3Aが、通話制御装置1の機能を実行する。
図9は、本実施形態の第2変形例に係る通話制御方法のフローチャートを示す図である。通話端末3Aの制御部(プロセッサ)は、記憶部に記憶されたプログラムを実行することによって、図9に示す通話制御方法を実行する。ここで、迷惑情報記憶部121及び顧客情報記憶部122は、それぞれ、通話端末3Aの記憶部に内蔵されてもよく、ネットワーク上に設けられた記憶部に内蔵されてもよい。
まず通話端末3Aの制御部は、通話先の識別情報への発呼を検出する。通話端末3Aの制御部は、発呼を検出していない場合に(S11aのNO)、発呼の検出を繰り返す。通話端末3Aの制御部は、発呼を検出した場合に(S11aのYES)、ユーザが迷惑通話判定機能をONにしているか否か判定する。ユーザが迷惑通話判定機能をONに設定していない場合に(S11のNO)、通話端末3Aの制御部は、通話先の識別情報へ発呼する(S11b)。
ユーザが迷惑通話判定機能をONに設定している場合に(S11のYES)、通話端末3Aの制御部は、通話先の識別情報が、迷惑情報記憶部121に迷惑通話者として登録されているか否かを判定する(S12)。通話端末3Aの制御部は、通話先の識別情報が迷惑通話者として登録されていると判定しなかった場合に(S13のNO)、通話先の識別情報へ発呼する(S13a)。
通話端末3Aの制御部は、通話先の識別情報が迷惑通話者として登録されていると判定した場合に(S13のYES)、顧客情報記憶部122に、ユーザの通話端末3Aの識別情報と、通話先の識別情報とを関連付けた顧客情報が記憶されているか否かを判定する。
通話端末3Aの制御部は、ユーザの通話端末3Aの識別情報と通話先の識別情報とを関連付けた顧客情報が顧客情報記憶部122に記憶されていない、すなわち、ユーザが通話先へ最初の発呼をしたと判定した場合に(S14のNO)、迷惑ガイダンスを出力する(S15)。
通話端末3Aの制御部は、迷惑ガイダンスをユーザの通話端末3Aへ出力してから所定時間経過前にユーザによって発呼を停止する操作が行われた場合に(S15aのYES)、通話先の識別情報への発呼を停止する(S15b)。通話端末3Aの制御部は、迷惑ガイダンスをユーザの通話端末3Aへ出力してから所定時間経過前にユーザによって発呼を停止する操作が行われなかった場合に(S15aのNO)、通話先の識別情報へ発呼する(S13a)。
通話端末3Aの制御部は、通話開始前に発呼を停止したこと又は通話を開始したことを示す操作情報を、ユーザの通話端末3Aの識別情報及び通話先の識別情報と関連付けて顧客情報記憶部122に記憶させる(S16)。
通話端末3Aの制御部は、ユーザの通話端末3Aの識別情報と通話先の識別情報とを関連付けた顧客情報が顧客情報記憶部122に記憶されている、すなわち、ユーザが通話先へ2回目以降の発呼をしたと判定した場合に(S14のYES)、該顧客情報に含まれる操作情報を顧客情報記憶部122から取得する(S17)。
通話端末3Aの制御部は、取得した操作情報が発呼停止条件を満たしていない場合に(S18のNO)、通話先の識別情報へ発呼する(S11b)。通話端末3Aの制御部は、取得した操作情報が発呼停止条件を満たしている場合に(S18のYES)、発呼停止ガイダンスを出力する(S19)。そして通話端末3Aの制御部は、発呼停止ガイダンスを出力した後に、通話先の識別情報への発呼を停止する(S19a)。
第2変形例によれば、通話端末3Aが単独で迷惑通話者を判定して発呼の可否を決定できる。
[第3変形例]
上述の通話制御装置1は、通話端末3A、3B間の音声通話を制御しているが、同様の方法で通話端末3Aと通信先との間の電子メールやWebサイト等のデータ通信を制御してもよい。この場合に、通話制御装置1は、IPアドレス等に基づいて通信先が迷惑通話者として登録されているか否かを判定し、該通信先への最初の通信に対するユーザの操作又は設定に基づいてデータ通信を自動的に停止又は継続する。
[本実施形態の効果]
本実施形態に係る通話制御システムSは、迷惑通話者への最初の発呼に対するユーザの操作又は設定に基づいて、該迷惑通話者への次回以降の発呼について自動的に発呼を停止又は回線を接続することができる。そのため、通話制御システムSは、ユーザによる追加の操作を必要とせずに発呼を制御でき、ユーザが迷惑通話者として登録された識別情報に対応する通話先へ発呼するか否かを選択する手間を削減できる。
(第2の実施形態)
本実施形態に係る通話制御システムSは、ユーザが指定した通話端末3Bの識別情報を、迷惑情報として他のユーザに共有可能にする。それ以外の構成については、第1の実施形態と同様である。
図10は、本実施形態に係る共有登録方法のシーケンス図である。通話端末3Aは、ユーザによる共有対象の識別情報の指定を受け付け、通話制御装置1へ送信する(S41)。例えば通話端末3Aは、着信履歴を表示する画面において、ユーザによる共有対象の識別情報の指定を受け付けてもよい。この場合に、通話端末3Aは、着信履歴に含まれるいずれかの識別情報が押下された場合に、該識別情報を共有対象として受け付ける。また、通話端末3Aは、Webサイト等において、ユーザによる共有対象の識別情報の指定を受け付けてもよい。また、通話端末3Aは、ユーザによる共有対象の識別情報の分類(詐欺、不動産営業、投資営業等)の指定を受け付けてもよい。また、通話端末3Aは、図6(a)に示すメッセージ画面C及び図6(b)に示す照会画面Dにおいて、ある識別情報を停止対象として設定する際に、該識別情報を共有対象としても設定するか否かを受け付けてもよい。
操作情報受付部115は、通話端末3Aから共有対象の識別情報を受け付け、迷惑通話者として登録する。このとき、操作情報受付部115は、(1)共有対象の識別情報を迷惑情報記憶部121に記憶させること、(2)迷惑情報記憶部121において共有対象の識別情報を迷惑通話者であることを示すフラグに関連付けること、(3)迷惑情報記憶部121において共有対象の識別情報に関連付けられている迷惑度を増加させることのいずれかによって、共有対象の識別情報を迷惑情報として登録する。
通話制御装置1は、図3(b)に示す顧客情報Bを、複数のユーザのグループごとに記憶してもよい。この場合に、図3(b)に示す顧客情報Bにおいて、識別情報B1は、複数のユーザによって共有されるグループの識別情報(グループID、家族ID等)を格納する。グループの識別情報は各ユーザの識別情報に関連付けられている。通話制御装置1は、あるユーザについて迷惑通話者に関する処理をする際に、ユーザの識別情報に関連付けられたグループの識別情報を用いて、顧客情報Bを取得する。これにより、複数のユーザについて、迷惑通話者の識別情報を共有できる。
本実施形態に係る通話制御システムSによれば、ユーザが共有対象の識別情報を迷惑情報として登録することによって、他のユーザに共有できる。これにより、データベースに未登録の通話先についても、迷惑通話者として判定できるようになる。
(第3の実施形態)
本実施形態に係る通話制御システムSは、ユーザが迷惑通話者として登録された識別情報に対応する通話先へ発呼した際に、該ユーザの家族や友人等の関係者へ通知する。それ以外の構成については、第1の実施形態と同様である。
図11は、本実施形態に係る通話制御方法のシーケンス図である。まず、通話制御システムSは、図4と同様のステップS11〜S13を実行する。通話先の識別情報が迷惑通話者として登録されていると登録判定部112が判定した場合に(S13のYES)、出力部114は、ユーザに予め関連付けられた他のユーザである関係者の通話端末3Cへ通知を送信する(S51)。通知は、SMSや電子メール等のメッセージサービスによって送信されてもよく、音声によって送信されてもよい。
通知は、ユーザが迷惑通話先へ発呼したこと、又は迷惑通話先として登録されているユーザの通話先の識別情報を含む。その後、通話制御システムSは、図4と同様のステップS15〜S16を実行する。これにより、ユーザの家族や友人等の関係者は、ユーザが迷惑通話者へ発呼したことを認識できる。
通知を受信した関係者の通話端末3Cは、ユーザの通話先の識別情報を、停止対象又は接続対象として設定してもよい。この場合に、操作情報受付部115は、通知を受信した関係者の通話端末3Cから、通話先の識別情報を停止対象又は接続対象として設定する操作を示す操作情報を受け付け、ユーザの通話端末3Aの識別情報及び通話先の識別情報と関連付けて顧客情報記憶部122に記憶させる。これにより、ユーザの家族や友人等の関係者は、ユーザに代わって、発呼を自動的に停止又は回線を自動的に接続するための設定を行うことができる。
また、出力部114は、顧客情報記憶部122に記憶された、ユーザの識別情報に関連付けられた顧客情報を、関係者の通話端末3Cへ送信してもよい。これにより、関係者は、ユーザが迷惑通話先に対してどのような操作を行ったか(例えば通話開始前に発呼を停止したか、又は通話を行ったか)を知ることができる。
本実施形態に係る通話制御システムSによれば、高齢者や子供等の自分で判断することが難しいユーザが迷惑通話者へ発呼した場合に家族や友人等の関係者に通知することによって、関係者がユーザの状況を認識し、ユーザに対して適宜助言等をすることができる。さらに関係者がユーザに代わって迷惑通話者の識別情報を停止対象又は接続対象として設定することによって、迷惑通話者による被害を効果的に予防できる。
(第4の実施形態)
本実施形態に係る通話制御装置1は、迷惑ガイダンス及び発呼停止ガイダンスに加えて、通常のRBTと特殊発呼音(例えば音楽や歌)とを切り替えてユーザに対して出力できる。それ以外の構成については、第1の実施形態と同様である。
図12は、本実施形態に係る通話制御方法のシーケンス図である。まず、通話制御システムSは、図4と同様のステップS11〜S15を実行する。通話先の識別情報が迷惑通話者として登録されていると登録判定部112が判定しなかった場合(S13のNO)、又はステップS15の後に、登録判定部112は、ユーザの通話端末3Aの識別情報に対して特殊発呼音が登録されているか否かを判定する。ユーザの通話端末3Aの識別情報に対して1つの特殊発呼音が登録されていてもよく、あるいはユーザの通話端末3Aの識別情報と通話先の識別情報との組み合わせごとに異なる特殊発呼音が登録されていてもよい。
ユーザの通話端末3Aの識別情報に対して特殊発呼音が登録されていると登録判定部112が判定しなかった場合に(S62のNO)、通話制御部113は、交換システム2に発呼を指示する信号を送信する。交換システム2は、通常のRBTをユーザの通話端末3Aに送信するとともに、通話先の識別情報に対応する通話端末3Bへの呼び出しを開始する。
ユーザの通話端末3Aの識別情報に対して特殊発呼音が登録されていると登録判定部112が判定した場合に(S62のYES)、出力部114は、ユーザの通話端末3Aの識別情報に対して登録されている特殊発呼音を、交換システム2を介してユーザの通話端末3Aへ出力する。それと並行して、交換システム2は、通話先の識別情報に対応する通話端末3Aへの呼び出しを開始する。その後、通話制御システムSは、図4と同様のステップS16を実行する。
本実施形態に係る通話制御装置1は、ユーザが発呼した際に、迷惑通話者への発呼の場合には迷惑ガイダンス及び発呼停止ガイダンスをユーザに対して出力できるとともに、ユーザに対して音楽や歌等の特殊発呼音が登録されている場合には特殊発呼音をユーザに対して出力できる。また、既存の特殊発呼音を出力する装置に迷惑通話者への発呼時に所定の処理を行う機能を組み込めるため、本実施形態に係る通話制御システムSを低コストで導入できる。
(第5の実施形態)
本実施形態に係る通話制御装置1は、迷惑通話者への発呼を自動的に停止する処理に加えて、迷惑通話者からの着呼を自動的に停止する処理を行う。それ以外の構成については、第1の実施形態と同様である。
図13は、本実施形態に係る通話制御方法のシーケンス図である。まず交換システム2は、発呼元である通話先の通話端末3Bからユーザの通話端末3Aの識別情報への着呼を検知する(S71)。交換システム2は、ユーザの通話端末3Aの識別情報への着呼を受け付けると、ユーザが迷惑通話判定機能をONにしているか否か判定する。ユーザが迷惑通話判定機能をONに設定していない場合に(S72のNO)、交換システム2は、ユーザの通話端末3Aへの呼び出しを開始する。その後、交換システム2は、ユーザの通話端末3A及び通話先の通話端末3Bの操作に応じて、回線の接続及び切断をする。
ユーザが迷惑通話判定機能をONに設定している場合に(S72のYES)、交換システム2は、ユーザの通話端末3Aの識別情報と、通話先の識別情報とを、通話制御装置1に送信する。通話制御装置1において、通話先取得部111は、ユーザの通話端末3Aの識別情報と、通話先の識別情報を、交換システム2から受信することによって取得する。
通話制御部113は、顧客情報記憶部122に、ユーザの通話端末3Aの識別情報と、通話先の識別情報とを関連付けた顧客情報が記憶されているか否かを判定する。ユーザの通話端末3Aの識別情報と通話先の識別情報とを関連付けた顧客情報が顧客情報記憶部122に記憶されていると通話制御部113が判定しなかった場合に(S73のNO)、通話制御部113は、交換システム2に通常の呼び出しを指示する信号を送信する。交換システム2は、ユーザの通話端末3Aへの呼び出しを開始する。その後、交換システム2は、ユーザの通話端末3A及び通話先の通話端末3Bの操作に応じて、回線の接続及び切断をする。
ユーザの通話端末3Aの識別情報と通話先の識別情報とを関連付けた顧客情報が顧客情報記憶部122に記憶されていると通話制御部113が判定した場合に(S73のYES)、通話制御部113は、該顧客情報に含まれる操作情報を顧客情報記憶部122から取得する(S74)。具体的には、通話制御部113は、図3(b)の顧客情報Bにおいて、ユーザの通話端末3Aの識別情報及び通話先の識別情報に関連付けられた、「発呼停止」、「通話」、「停止対象」及び「接続対象」等の操作情報を取得する。
通話制御部113が取得した操作情報が着呼停止条件を満たしている場合に(S75のYES)、通話制御部113は、交換システム2に着呼の停止を指示する信号を送信する。交換システム2は、識別情報に対応する通話先からの着呼を自動的に停止する。
具体的には、通話制御部113は、操作情報が、迷惑通話者との通話の開始前にユーザが発呼を停止したことを示す「発呼停止」である場合、又は迷惑通話者について次回以降の発呼時に自動的に発呼を停止する対象としてユーザが設定したことを示す「停止対象」である場合に、着呼停止条件を満たしていると判定する。
これにより、迷惑通話者として登録された通話先への最初の発呼においてユーザが迷惑ガイダンスを受け、通話開始前に発呼を停止した場合に、通話制御部113は、該ユーザが該通話先との通話を望んでいないと推定し、ユーザによる追加の操作を必要とせずに自動的に着呼を停止することができる。また、ユーザが明示的に発呼を停止する対象と設定した通話先についても、通話制御部113は、ユーザによる追加の操作を必要とせずに自動的に着呼を停止することができる。
通話制御部113が取得した操作情報が着呼停止条件を満たしていない場合に(S75のNO)、通話制御部113は、交換システム2に呼び出しを指示する信号を送信する。交換システム2は、ユーザの通話端末3Aへの呼び出しを開始する。その後、交換システム2は、ユーザの通話端末3A及び通話先の通話端末3Bの操作に応じて、回線の接続及び切断をする。
本実施形態に係る通話制御装置1は、迷惑通話者への最初の発呼に対するユーザの操作又は設定に基づいて、発呼だけでなく着呼を自動的に停止する。そのため、ユーザが通話を望んでいない迷惑通話者と通話することを少ない手間で防止できる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の分散・統合の具体的な実施の形態は、以上の実施の形態に限られず、その全部又は一部について、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を合わせ持つ。
通話制御装置1又は通話端末3Aのプロセッサは、図4〜図5、図7〜図13に示す方法に含まれる各ステップ(工程)の主体となる。すなわち、通話制御装置1又は通話端末3Aのプロセッサは、図4〜図5、図7〜図13に示す方法を実行するためのプログラムを記憶部から読み出し、該プログラムを実行して通話制御システムSの各部を制御することによって、図4〜図5、図7〜図13に示す方法を実行する。図4〜図5、図7〜図13に示す方法に含まれるステップは一部省略されてもよく、ステップ間の順番が変更されてもよく、複数のステップが並行して行われてもよい。