JP6826347B2 - 冷え性改善用、肩こり改善用、疲労回復用又は睡眠改善用の組成物、それを含む食品、薬剤、組成物キット、及び、その組成物の製造方法 - Google Patents

冷え性改善用、肩こり改善用、疲労回復用又は睡眠改善用の組成物、それを含む食品、薬剤、組成物キット、及び、その組成物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、体調の改善に用いる冷え性改善用、肩こり改善用、疲労回復用又は睡眠改善用の組成物、それを含む食品、薬剤、組成物キット、及び、その組成物の製造方法に関する。
フラバノン配糖体はミカン等の柑橘類に多く含まれており、脂質の酸化防止作用等を有することが知られている。中でもヘスペリジンは、血管強化、血圧低下、コレステロール低減、中性脂肪低減及び血流改善作用等の効能が認められているフラバノン配糖体である。
しかし、一般にヘスペリジンは、水に溶けにくいため、生体内への吸収性が低く、効果が発揮されにくいという問題がある。こうした問題に対し、例えば、ヘスペリジンにD−グルコース残基が等モル以上α結合しているα−グリコシルヘスペリジンが提案されている(特許文献1)。特許文献1の発明は、ヘスペリジンの一部にグルコースを結合させ、酵素処理することによって、水溶性を付与するものである。
特許文献1の発明においては、ミカンからヘスペリジンを抽出する抽出工程と、ヘスペリジンを糖転移する糖転移工程とにより製造される。抽出工程では、未熟ミカンをエタノール溶液中に浸漬し、ヘスペリジンを溶出する。糖転移工程では、ヘスペリジン及びデキストリンを含有する水溶液中で、70℃、18時間の酵素(シクロマルトデキストリングルカノトランスフェラーゼ)処理を施し、次いで、酵素を加熱失活させる。糖転移工程を経ることで、ヘスペリジンにグルコースが結合し、α−グルコシルヘスペリジリンが得られる。その後、糖転移工程で生じた特異な風味をなくすために、55℃、5時間の酵素(グルコアミラーゼ)処理を施し、エタノール濃度を段階的に高めながら濾過し、乾燥する。
特許文献2によると、酵素処理ヘスペリジンを飲用することで、睡眠の質の改善が確認されている。
非特許文献1によると、酵素処理ヘスペリジン(アグリコンとして170mg)を飲用することで、寒冷刺激によって低下した手の血流量および皮膚表面温度がプラセボ群と比べて有意に回復している。
また、本発明者らによる特許文献3によると、フラバノン配糖体と茶ポリフェノールとを含有する組成物が開示されている。特許文献3には、この組成物の製造方法として、前記フラバノン配糖体を含有する原料と前記茶ポリフェノールを含有する原料とを揉捻して混合揉捻物を得る揉捻物調製工程と、前記混合揉捻物を抽出溶媒に浸漬する抽出工程とを備える組成物の製造方法も開示されている。
特開平3−7593号公報 特開2010−064992号公報 再公表WO2014/136681号公報
日本栄養・食糧学会誌 第61巻第5号 233−239(2008)
非特許文献1、特許文献1及び2では酵素処理により製造したヘスペリジンを用いている。しかしながら、これらの酵素処理によるヘスペリジンの製造方法は、製造工程が煩雑であり、かつ歩留が低いためにコスト高である。さらに、この製造方法では廃液処理等の問題も生じる。加えて、例えば特許文献2の組成物は、所期の効果を得るための1日あたりの摂取量は0.05〜50gであり、一般的な薬剤の成分量と比べると多量な摂取が必要であり、効果を得るためのコストがさらに高くなっている。
特許文献3では、フラバノン配糖体を含有する原料と茶ポリフェノールを含有する原料とを揉捻することで、ヘスペリジンの生理活性を持つ画分を含む組成物を製造しようとしている。しかしながら、この方法により製造された組成物については、このように製造された組成物にヘスペリジンの活性を有する水溶性の成分が含まれていると考えられるものの、どのような成分(構成)なのかは明らかになっていない。また、ヘスペリジンと同様の血管強化等の効果を有することが推測できるのみで、具体的な用途、及びそれらの用途について最も効果を発揮できる構成については明らかになっていない。
ところで、近年、各種の体調の改善のための用途に用いることのできる組成物が求められている。例えば、近年、冷え性、肩こり、疲労感、睡眠障害といった症状が増加し、その改善の用途が強く求められている。
ヘスペリジンについては、体内に及ぼす何らかの影響が予測されるものの、従来の技術では摂取量に対する体内への吸収性や影響が限定的であることから、上述の用途に対する効果は確認されていなかった。
本発明は上記のような事情を鑑みてなされたものであり、生体に吸収されやすく効果を発揮しやすい冷え性改善用、肩こり改善用、疲労回復用、又は睡眠改善用の組成物、それを含む食品、薬剤、組成物キット、及び、その組成物の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は、以下の態様を有する。
[1] ヘスペリジンと茶ポリフェノールとを含有する冷え性改善用、肩こり改善用、疲労回復用、又は睡眠改善用の組成物。
[2] 前記ヘスペリジンと前記茶ポリフェノールとの会合体を含有する、[1]に記載の冷え性改善用、肩こり改善用、疲労回復用、又は睡眠改善用の組成物。
[3] 前記ヘスペリジンと前記茶ポリフェノールとの会合体は、前記茶ポリフェノール類が前記ヘスペリジンの疎水性部分を会合によって取り込んだ構造を有する、[2]に記載の冷え性改善用、肩こり改善用、疲労回復用、又は睡眠改善用の組成物。
[4] 前記ヘスペリジンを含有するミカンと前記茶ポリフェノールを含有する茶とを混合し揉捻して得られた混合揉捻物を有効成分とする冷え性改善用、肩こり改善用、疲労回復用、又は睡眠改善用の組成物であって、前記混合揉捻物の全体質量に対してミカンを10〜50質量%混合した、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の冷え性改善用、肩こり改善用、疲労回復用、又は睡眠改善用の組成物。
[5] 前記ミカンが未熟ミカンを含み、前記茶が緑茶生葉を含む、[4]に記載の冷え性改善用、肩こり改善用、疲労回復用、又は睡眠改善用の組成物。
[6]前記組成物の全体質量1000mgに対して前記ヘスペリジンを20〜60mg含有する、[1]〜[5]のいずれかに記載の冷え性改善用、肩こり改善用、疲労回復用、又は睡眠改善用の組成物。
[7] 前記組成物の全体質量1000mgに対して前記茶ポリフェノールを75〜200mg含有する、[1]〜[6]のいずれかに記載の冷え性改善用、肩こり改善用、疲労回復用、又は睡眠改善用の組成物。
[8] 前記ヘスペリジンに対して前記茶ポリフェノールを質量比で2:1〜1:4となるよう含有する、[1]〜[7]のいずれかに記載の冷え性改善用、肩こり改善用、疲労回復用、又は睡眠改善用の組成物。
[9] [1]〜[8]のいずれか1項に記載の冷え性改善用、肩こり改善用、疲労回復用、又は睡眠改善用の組成物を含む食品。
[10] [1]〜[8]のいずれか1項に記載の冷え性改善用、肩こり改善用、疲労回復用、又は睡眠改善用の組成物を含む薬剤。
[11] [1]〜[8]のいずれか1項に記載の冷え性改善用、肩こり改善用、疲労回復用、又は睡眠改善用の組成物を28〜90包含む組成物キット。
[12] [1]〜[8]のいずれか1項に記載の冷え性改善用、肩こり改善用、疲労回復用、又は睡眠改善用の組成物の製造方法であって、前記ヘスペリジンを含有する原料aと前記茶ポリフェノールを含有する原料bとを混合し揉捻して混合揉捻物を得る揉捻物調製工程を備える冷え性改善用、肩こり改善用、疲労回復用、又は睡眠改善用の組成物の製造方法。
[13] 前記揉捻物調製工程は、前記原料aとしてミカン、前記原料bとして茶、を用い、混合揉捻物の全体質量に対して原料aを10〜50質量%を混合し揉捻する、[12]に記載の冷え性改善用、肩こり改善用、疲労回復用、又は睡眠改善用の組成物の製造方法。
[14] 前記原料aのミカンが未熟ミカン、前記原料bの茶が緑茶生葉である、[13]に記載の冷え性改善用、肩こり改善用、疲労回復用、又は睡眠改善用の組成物の製造方法。
[15] 前記揉捻物調製工程は、前記原料aと前記原料bとを混合し揉捻する操作の後に、温度80〜120°の熱風を10〜60分間吹き込み、前記混合揉捻物の全体質量に対して水分量が5質量%になるよう乾燥する操作をさらに備える、[12]〜[14]のいずれか1項に記載の冷え性改善用、肩こり改善用、疲労回復用、又は睡眠改善用の組成物の製造方法。
[16] 前記揉捻物調製工程は、原料a:原料bを1:2〜1:4の割合で混合し、揉捻する操作を15〜30分間行う、[12]〜[15]のいずれか1項に記載の冷え性改善用、肩こり改善用、疲労回復用、又は睡眠改善用の組成物の製造方法。
本発明によれば、生体に吸収されやすく効果を発揮しやすい冷え性改善用、肩こり改善用、疲労回復用、又は睡眠改善用の組成物、それを含む食品、薬剤、組成物キット、及び、その組成物の製造方法が得られる。
ヘスペリジンと各種の茶ポリフェノールの相互作用による水溶性を示すグラフ図である。 ヘスペリジンと各種の茶ポリフェノールの相互作用の1H−NMR解析を示すグラフ図である。 ヘスペリジンと茶ポリフェノールの会合状態を示す模式図である。 実施例1の組成物のラットへの摂食試験の試験条件を示す概略図である。 (a)図4の摂食試験による収縮期血圧の測定結果を示すグラフ図である。(b)図4の摂食試験による拡張期血圧の測定結果を示すグラフ図である。 (a)Caco−2膜透過実験によってヘスペリジン単独のコントロールについて30分、60分で等価ヘスペリジンのLC−TOF−MS測定を行った結果のグラフ図である。(b)Caco−2膜透過実験によって実施例2の熱水抽出液について30分、60分で等価ヘスペリジンのLC−TOF−MS測定を行った結果のグラフ図である。(c)(a)及び(b)の結果について、ヘスペリジン単独及び実施例2の熱水抽出液の膜透過量を面積で表したグラフ図である。 8週齢SD系ラットに対する単回投与試験でヘスペリジンの吸収挙動を試験した結果のグラフ図である。 (a)ミカン粉末を熱水抽出しHPLCにより成分解析を行ったグラフ図である。(b)実施例1の組成物を熱水抽出しHPLCにより成分解析を行ったグラフ図である。 (a)実施例1の組成物による冷え性改善結果を全被験者36名について示すグラフ図である。(b)実施例1の組成物による冷え性改善結果をプラセボ食品摂取で皮膚上昇温度10℃以上の被験者を除外した被験者について示すグラフ図である。 実施例1の組成物による肩こり改善試験の結果を示すグラフ図である。 実施例1の組成物による疲労回復試験の結果を示すグラフ図である。 実施例1の組成物による睡眠改善試験の結果を示すグラフ図である。
以下、本発明の冷え性改善用、肩こり改善用、疲労回復用、又は睡眠改善用の組成物、それを含む食品、薬剤、組成物キット、及び、その組成物の製造方法について、実施形態を示して説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
(実施形態)
本実施形態の冷え性改善用、肩こり改善用、疲労回復用、又は睡眠改善用の組成物(以下、単に「本実施形態の組成物」とも記載する)は、ヘスペリジン(以下、(A)成分)と茶ポリフェノール(以下、(B)成分)とを含有する。
<(A)成分:ヘスペリジン>
(A)成分はヘスペリジンである。ヘスペリジンは、フラバノン配糖体の一種である。フラバノン配糖体は、フラバノン骨格を有するフラボノイドに糖が結合した配糖体であり、例えば、ヘスペリジン、ナリルチン、ナリンギン、ネオヘスペリジン等が挙げられる。このうちヘスペリジンは、フラバノンのヘスペレチンの配糖体である。
(A)成分は、例えば、未熟ミカン等の柑橘類の原料に含まれている。これらの原料には、ヘスペリジン以外の上述のフラバノン配糖体が含まれている場合がある。
<(B)成分:茶ポリフェノール>
(B)成分は、茶ポリフェノールである。茶ポリフェノールとは、一般に茶葉に含まれるポリフェノールあるいは茶葉から抽出されるポリフェノールを指す。茶ポリフェノールとしては、カテキン、プロトシアニジン、フラボノール配糖体及び紅茶ポリフェノール等が挙げられる。さらに具体的には、緑茶生葉には没食子酸、テアシネンシンB、エピガロカテキン、カフェイン、テアシネンシンA、エピカテキン、エピガロカテキンガレート、エピカテキンガレート、ナリンギン及びテアフラビン等が含まれている。
(B)成分は、例えば、緑茶等の非発酵茶葉、紅茶やウーロン茶等の発酵茶葉等の原料に含まれているが、(B)成分の供給源としては、カテキン、プロトシアニジン、フラボノール配糖体又は紅茶ポリフェノール等の精製品でもよいし、例えば、紅茶抽出物である紅茶エキスや、緑茶抽出物である緑茶エキス等のエキスでもよい。非発酵茶葉のうち、緑茶生葉には茶ポリフェノール成分が豊富に含まれ、後述する揉捻の工程を経ると発酵茶に含まれるカテキン等も含まれるようになるので好ましい。本実施形態では、緑茶生葉を用いている。
本実施形態の組成物は、上述の成分を含んでいれば、後述する任意成分を含んでいてもよい。その成分によって各種の形態となるよう調整されていてもよく、例えば粉粒状、タブレット状等の固体でもよいし、液体でもよい。
<会合体>
本実施形態の冷え性改善用、肩こり改善用、疲労回復用、又は睡眠改善用の組成物は、上述のヘスペリジン((A)成分)と上述の茶ポリフェノール((B)成分)との会合体を含有することが好ましい。ここで会合体とは、複数の化合物が分子間力(例えば、疎水結合や水素結合)で結合したものを指す。
本実施形態の組成物は、後述する製造過程における揉捻などの操作によって、ヘスペリジンと茶ポリフェノールの会合が起こる。その結果、茶ポリフェノールとの会合によって、ヘスペリジンが冷え性改善用、肩こり改善用、疲労回復用、又は睡眠改善用に特に効果を発揮する形態となる。具体的には、通常難溶性であり吸収が困難なヘスペリジンの水溶性が増加する点の他、体内への吸収性がより高まる等、その他の相乗効果による点が考えられる。
さらに、本実施形態においては、前記ヘスペリジンと前記茶ポリフェノールとの会合体は、前記茶ポリフェノール類が前記ヘスペリジンの疎水性部分を会合によって取り込んだ構造を有するものであることが特に好ましい。
一般に(A)成分は、疎水性の部位(例えば、ヘスペリジンにおいてはヘスペレチン部分)同士が強固に会合して結晶を形成しているため、水への溶解性に劣る。しかし、ヘスペリジンと茶ポリフェノールを含む原料を混合揉捻すると、水溶性のカテキンやカテキンの酸化重合で生成した茶ポリフェノール類が、その両親媒性によりフラボノイドの疎水性部分を会合によって取り込むこと(スタッキング効果)が生じる。すなわち、ヘスペリジンと茶ポリフェノールとを共存させると、茶ポリフェノールがヘスペリジン同士の疎水性の会合部分を切り離し、ヘスペリジンとの会合体を形成する。そして、形成された茶ポリフェノールとヘスペリジンの会合体は、水への溶解性が高い。また、この形態はヘスペリジンの体内への吸収性が高いと考えられる。
このようなヘスペリジンと茶ポリフェノールの会合体が形成されていることについては、例えば、H―NMR解析においてヘスペリジンの糖部分(Glc-1, 6)等その他の親水性の部分に比べて、環部分(ring)のケミカルシフトが負側に変化していることなどから、ヘスペリジンの疎水性の部位であるB環及びC環部分が覆い隠されていることを確認できる。
このような形態のヘスペリジンと茶ポリフェノールの会合体は、本実施形態の組成物の冷え性改善用、肩こり改善用、疲労回復用、又は睡眠改善用の効果を高くする。
従来の技術では、ヘスペリジンを酵素処理による抽出、及び糖転移などの反応によって水溶性を高めようとしているが、例えばヘスペリジン含有量として0.5〜50g、500mg〜2000mgなどの比較的多量の摂取を必要とする。この理由としては、ヘスペリジンの重量あたりの体内への吸収性が充分でないため、生理活性を発揮するには多量の摂取を必要としている可能性がある。本実施形態では、後述するように20〜60mgのヘスペリジンを含む組成物を摂取することで、その直後から各種の体質の改善の効果が得られる。
(摂取量)
本実施形態の組成物は、ヘスペリジンを1回の摂取分につき20〜60mg含有する形態が好ましい。具体的には、冷え性改善用、肩こり改善用、疲労回復用、又は睡眠改善用の目的に供する場合、1回の摂取につき上記含有量を摂取することで上記目的の効果が得られる。目安として、1回につき本実施形態の組成物に含まれるヘスペリジンを20mgを摂取することで充分な効果が得られる。摂取量に特に望ましい上限はないが、目安として上限を60mgとすることはコスト面や、後述する摂取の形態の面から適量である。
本実施形態の組成物は、1回の組成物の摂取分につきヘスペリジンの含有量が上述の範囲内であれば、組成物の総重量は適宜選択できる。しかし、目安として、組成物の全体質量1000mgに対して、ヘスペリジンを20〜60mg含有していることが好ましい。1回の摂取、又は組成物の全体質量1000mgに対して、20〜40mg含有していることがさらに好ましく、22〜31mg含有していることが特に好ましい。組成物の全体質量1000mgに対してヘスペリジンを20mgを摂取することで充分な体質の改善の効果が得られる。摂取量に特に望ましい上限はないが、目安として上限を60mgとすることはコスト面や、後述する摂取の形態の面から適量である。
本実施形態の組成物は、茶ポリフェノールを1回の摂取分につき75〜200mg含有する形態が好ましい。75mg以上の量を含むことで、本実施形態のヘスペリジンを有効に吸収できるようにすることができる。冷え性改善用、肩こり改善用、疲労回復用、又は睡眠改善用の目的に供する場合、1回の摂取につき上記含有量を摂取することで上記目的の効果が得られる。摂取量に特に望ましい上限はないが、目安として上限を200mgとすることヘスペリジンの量との関係、コスト面や、後述する摂取の形態の面から適量である。
本実施形態の組成物は、1回の組成物の摂取分につき茶ポリフェノールの含有量が上述の範囲内であれば、組成物の総重量は適宜選択できる。しかし、目安として、組成物の全体質量1000mgに対して、茶ポリフェノールを75〜200mg含有していることが好ましい。1回の摂取、又は組成物の全体質量1000mgに対して、25〜40mg含有していることがさらに好ましい。組成物の全体質量1000mgに対して20〜60mgの範囲であれば、充分な効果及びコスト面や後述する摂取の形態の面から適量である。
本実施形態の組成物は、ヘスペリジンに対して茶ポリフェノールを質量比で2:1〜1:4となるよう含有していることが好ましい。
本実施形態の組成物では、ヘスペリジンと茶ポリフェノールの会合体について、ヘスペリジンに対して茶ポリフェノールが質量比で1〜1.6倍前後の量が含まれている。本発明者らの解析では、およそヘスペリジンが1分子に対して茶ポリフェノールが1〜2分子の割合で会合体を形成することが多いものの、茶ポリフェノールは幅広い分子量の成分が含まれ、いずれもヘスペリジンと会合する可能性があるため、このように広い範囲となっていると推定される。
これを鑑みると、本実施形態の組成物についてはヘスペリジン:茶ポリフェノールが2:1よりも大きければ、ヘスペリジンが生理活性を発揮することができ、ヘスペリジン:茶ポリフェノールが1:4程度までであれば、茶ポリフェノール過度に含有量が多過ぎずヘスペリジンに生理活性を発揮することができる。
本実施形態の組成物は、ヘスペリジン:茶ポリフェノールを質量比で1.5:1〜1:2となるよう含有していることが好ましく、1:1〜1:1.25となるよう含有していることがさらに好ましい。
(任意成分)
本実施形態の組成物は、例えば、剤形等に応じて、(A)〜(B)成分以外の任意成分を含有してもよい。
例えば、固形の組成物においては、造粒又は成形性を高める観点から、デンプン等のバインダーを含有してもよい。
(冷え性改善用途)
本実施形態の組成物は、冷え性改善用の組成物とすることができる。ここで冷え性は、体が冷えるという自覚症状を広く指すが、例えば、皮膚温や体温の実測値が低めという現象を指す。
冷え性改善用の組成物としては、上述する所定の成分の含有量を持つ本実施形態の組成物が使用できる。また後述する食品、薬剤、又は組成物キットの形態で本実施形態の組成物を摂取するものでもよい。
本実施形態の組成物を冷え性改善用の組成物としたときは、摂取から30分〜1時間後に冷え性改善の効果が見られ、さらに1〜2週間を継続的に摂取することで慢性的な冷え性の改善が見られる。
従来の技術においては、ヘスペリジン体内への吸収性が充分ではなかったが、本実施形態の組成物の投与においては、後述する体内への影響が充分に大きく、皮膚温や体温への影響が有意差をもって感じられ、冷え性の改善につながると考えられる。
(肩こり改善用途)
本実施形態の組成物は、肩こり改善用の組成物とすることができる。
ここで肩こりは、首から背中の上部、肩や上腕に関わる筋肉の鈍い痛みや圧迫感、違和感、不快感をひとくくりにして肩こりという。肉体的、精神的なストレス、又は自律神経の乱れなどによる肩周辺の筋肉の緊張と血流不足が原因で起こると考えられている。肩こりを伴う疾患として、四十肩、五十肩、変形性頸椎症、更年期障害、及び高血圧症などが挙げられる。
肩こり改善用の組成物としては、上述する所定の成分の含有量を持つ本実施形態の組成物が使用できる。また後述する食品、薬剤、又は組成物キットの形態で本実施形態の組成物を摂取するものでもよい。
従来の技術においては、ヘスペリジンの体内への吸収性が充分ではないため、体内への影響が確認できなかったが、本実施形態の組成物の投与においては、後述する体内への影響が充分に大きく、神経や血流への影響が有意差をもって感じられ、肩こり改善に及ぼす効果を有する。肩こり改善は、上述の疾患を予防するとともに、デスクワークなどの仕事をスムーズにこなすことができ、日常生活の支障をきたすことがなくなる。
(疲労回復用途)
本実施形態の組成物は、疲労回復用の組成物とすることができる。
ここで疲労は広義の疲れであるが、例えば日本疲労学会で「疲労とは過度の肉体的および精神的活動、または疾病によって生じた独特の不快感と休養の願望を伴う身体の活動能力の減退状態である」と定義されている現象を指す。疲労回復(疲労感の改善)としては、例えば上述の不快感の解消や活動能力の回復を指す。
疲労回復用途の組成物としては、上述する所定の成分の含有量を持つ本実施形態の組成物が使用できる。また後述する食品、薬剤、又は組成物キットの形態で本実施形態の組成物を摂取するものでもよい。
本実施形態の組成物は、本実施形態の組成物の投与においては、後述する体内への影響が充分に大きく、神経や血流への影響が有意差をもって感じられ、体内の隅々まで栄養が行き渡ることから、疲労感の改善に及ぼす効果が得られる。
(睡眠改善用途)
本実施形態の組成物は、睡眠改善用の組成物とすることができる。
ここで睡眠改善とは、睡眠の状態の改善を指すが、例えば何らかの睡眠障害の改善を指す。睡眠障害とは、例えばある時間での睡眠の不足(不眠)や、逆にある時間で過剰な眠気を感じることを指す。
睡眠改善用の組成物としては、上述する所定の成分の含有量を持つ本実施形態の組成物が使用できる。また後述する食品、薬剤、又は組成物キットの形態で本実施形態の組成物を摂取するものでもよい。
従来の技術においては、ヘスペリジンの体内への吸収性が充分ではなかったが、本実施形態の組成物の投与においては、後述する溶解度及び血圧への影響が充分に大きい。そのため、ヘスペリジンの吸収性が向上することで、末梢に血液が集まり、皮膚の温度が上昇し、睡眠改善の効果を及ぼす。すなわち、体が冷えている人や体温が低い人は、本来日中に上がるべき体温が上がらないことで、夜になっても体温が下がらず、昼と夜の体温の変動が少なくなる。結果として、眠気が生じにくく、寝つきが悪いなど睡眠の問題が起きやすくなる。ここで、本実施形態の組成物を摂取すると、寝付きがよくなり、深い睡眠へとつながる効果がある。これはヘスペリジンが吸収されることによる各種の相乗効果によって、体質が活性化されると考えられる。例えば、末梢に血液が集まることで、皮膚の温度が上昇する。それにより、手足から外に熱が逃げ、体の中心の温度が下がっていく。この体温コントロールがうまくいくことで、睡眠改善の効果を発揮すると予測される。
(食品)
本実施形態の食品は、本実施形態の組成物を含有するものである。
対象となる食品は、特に限定されない。例えば、上記した本実施形態の飲料に増粘多糖類やゼラチン等を加え、これを冷却して得られるゲル状食品等が挙げられる。
また、例えば、加工食品、菓子類等が挙げられる。
本実施形態の食品には、飲料も含まれる。本実施形態の飲料は、本実施形態の組成物を含有するものである。例えば、本実施形態の組成物を水やその他の溶媒、例えばエタノール等のアルコール、又はその他の有機溶媒に浸漬し、これを任意の温度で加熱したり、混合揉捻物を任意の温度の水などの溶媒に浸漬して得られる抽出液が挙げられる。即ち、従来公知の茶の飲用方法と同様にして、本実施形態の飲料を得られる。特に、本実施形態の組成物は、生理活性を有する成分の水溶性が高いため、提供される際は乾燥した状態であっても、水により抽出することによって生理活性を有する成分を再び水に溶解させ吸収されやすい状態とすることができる。
あるいは、液体又は固体の本実施形態の組成物を任意の飲料(例えば、清涼飲料水、アルコール飲料)に添加する方法が挙げられる。
(薬剤)
本実施形態の薬剤は、本実施形態の組成物を含有するものである。ここで薬剤は医薬品、医薬部外品等を含む。
薬剤中の本実施形態の組成物の含有量は、医薬品の剤形等を勘案して適宜決定される。
例えば、薬剤中の本実施形態の組成物の含有量は、食品等に含まれる組成物と同様でもよいが、それより多くともよい。1回の服用で、ヘスペリジンの500〜2000mgを摂取できる量であってもよい。
(組成物キット)
本実施形態の組成物は、該組成物を含むキットの形態とすることもできる。例えば、1回摂取する分量の組成物を含むものを1包として、28〜90包含むキットとすることができる。
本実施形態の組成物は、上述の含有量を1回摂取するのみでも1時間〜1日である程度の体質の改善の効果が得られるが、例えば、1日1包で継続して4週間以上、好ましくは8週間以上摂取することで、肩こり改善、疲労回復又は睡眠改善などの効果が特に顕著に得られる。そのため、特に肩こり改善、疲労回復又は睡眠改善用の組成物としては、28包(4週間分)以上、好ましくは56包(8週間分)以上を含むキットの形態で提供することができる。上限は特にないが、目安として90包(3か月分)を継続して摂取することで充分な効果が得られるので、継続摂取のために90包までを含むキットとしてもよい。例えば充分な効果が得られる期間として56〜70包(8〜10週間分)を含むキットを1セットとしてもよい。
また、上述した食品又は薬剤などの形態であるものを、28〜90包含むキットとしてもよい。
(製造方法)
本実施形態の組成物の製造方法は、剤形等に応じて適宜決定される。
例えば、(A)成分と(B)成分とを水に分散し混合して、液体の本実施形態の組成物を得たり、この液体の本実施形態の組成物を凍結乾燥等により乾燥して、固体の本実施形態の組成物を得る方法が挙げられる。
あるいは、例えば、(A)成分を含有する原料(以下、原料aということがある)と、(B)成分を含有する原料(以下、原料bということがある)とから、本実施形態の組成物を得る方法が挙げられる。
原料aと原料bとから本実施形態の組成物を得る製造方法の一例について、以下に説明する。
本実施形態の組成物の製造方法は、原料aと原料bとを揉捻して混合揉捻物を得る工程(揉捻物調製工程、揉捻工程)を備える。この混合揉捻物を本実施形態の組成物としてもよいし、混合揉捻物に対してさらなる工程を加えてもよい。例えば、混合揉捻物に対してさらに発酵させる発酵工程を加えてもよい。また、混合揉捻物から成分を抽出する工程(抽出工程)をさらに備え、この抽出工程を経た物(水抽出物、熱水抽出物)を本実施形態の組成物としてもよい。
<揉捻物調製工程>
揉捻物調製工程は、原料aと原料bとの混合揉捻物を得る工程である。
まず、原料aを従来知られた技術によってスライスあるいは粉砕する等して小片とする。小片とした原料aを原料bに混合し、揉捻して(揉捻操作)、混合揉捻物を得る。
原料aとしては、(A)成分を含有するものであればよく、例えば、ミカン、オレンジ、イヨカン、ポンカン、ブンタン、ヒュウガナツ、ハッサク、ダイダイ、ナツミカン、グレープフルーツ、ユズ、カボス又はカラタチ等、柑橘類の果実が挙げられ、中でも、ミカンの果実が好ましく、未熟ミカンの果実がより好ましい。ヘスペリジンやメトキシフラボン類などの機能性を有する成分は、未熟ミカンに多く含まれる特徴があり、さらに、未熟ミカンは成熟したミカンに比べ従来は有効に利用されていないため好ましい。特に、収穫しない果実を成熟前に落とした摘果ミカンを利用することで、摘果ミカンの有効な利用となるためより好ましい。
原料aは、青果でもよいし、乾燥物でもよく、中でも乾燥物が好ましい。乾燥物であれば、揉捻操作において水分が揉み出されにくくなって、原料a中の(A)成分が流失されにくくなる。
原料bは、茶葉であり、茶生葉でもよいし、発酵茶葉でもよいし、これらが予め萎凋されたものでもよい。緑茶生葉は本実施形態でヘスペリジンと相互作用する茶ポリフェノール類を豊富に含むので好ましい。
原料bは、原料aと混合されるに際し、予め萎凋されていることが好ましい。予め萎凋された原料bは、揉捻操作において水分が揉み出されにくくなって、原料b中の(B)成分が流失されにくくなる。
萎凋された原料bの水分量は、例えば、45〜65質量%が好ましい。水分量は45〜60質量%であってもよい。
揉捻方法としては、特に限定されず、例えば、原料bを任意の時間揉捻し、次いで、原料aを加えて揉捻してもよいし、予め原料aと原料bとを仕込み、これを揉捻してもよい。揉捻操作には、例えば製茶機械、又は圧力容器のような機器を用いてもよい。
原料b/原料aで表される質量比(以下、b/a比ということがある)は、原料a及び原料bの水分量等を勘案して決定される。例えば、原料aが青果で、原料bが茶生葉であれば、b/a比は、1〜10が好ましく、2〜8がより好ましく、2〜6がさらに好ましく、2〜4が特に好ましく、3〜4がより特に好ましい。b/a比が上記下限値未満では、得られる本実施形態の組成物の水に対する溶解性が低下するおそれがあり、上記上限値超としても、本実施形態の組成物の水に対する溶解性のさらなる向上を図れないおそれがある。また、例えば、原料bとして茶、原料aとして未熟ミカンを用いる場合、茶の量に対して未熟ミカンを10〜50重量%添加してもよい。さらに、茶の量に対して未熟ミカンを21〜30重量%添加してもさらによい。
揉捻操作における原料の温度は、例えば、20〜40℃とされる。揉捻操作の時間は、例えば、10〜60分間が好ましく、15〜30分間がより好ましく、15〜25分間がさらに好ましい。
上記した混合揉捻物を、本実施形態の組成物としてもよい。
また、揉捻物調製工程の後、発酵操作を行う工程(発酵工程)を加えてもよい。特に、原料bが発酵茶でない場合に、組成物に対する発酵工程を加えてもよい。本実施形態の組成物は、揉捻工程によって充分に水溶性が高まり、茶葉に含まれるカテキンの酸化が起こり紅茶ポリフェノールに相当する成分が生成されるので、発酵工程を必ずしも必要としないが、発酵した成分をより含む組成物を得るために、発酵工程を行ってもよい。
発酵操作においては、混合揉捻物を数cmの厚さに堆積させた状態で、温度20〜27℃、湿度30〜60%RHの発酵室内等の環境下に静置する。
発酵操作の時間は、例えば、0〜4時間とされる。なお、揉捻操作の開始と同時に原料a又は原料bの発酵が開始する場合がある。その場合、発酵が早めに行われることを考慮すると、発酵操作の時間は、例えば0〜1時間であってもよい。
加えて、揉捻物調製工程は、揉捻操作の後(発酵操作を備える場合には、発酵操作の後)に、乾燥操作を備えてもよい。乾燥操作を備えることで、混合揉捻物中の酸化酵素(ポリフェノールオキシダーゼ等)を失活させ、水分量を低減させて、混合揉捻物の品質安定性を高められる。
乾燥操作は、例えば、連続式乾燥機に原料を投入し、これに温度80〜120℃の熱風を吹き込み、排気温度が50〜60℃となるように操作する。乾燥操作の時間は、特に限定されず、例えば、10〜60分間とされる。
乾燥操作後の混合揉捻物の水分量は、例えば、5質量%以下が好ましい。
<抽出工程>
本実施形態の組成物に対して、さらに抽出工程を行い、抽出組成物を得てもよい。抽出組成物は、後述するように、抽出する溶媒によって以下、水抽出物、熱水抽出物等と呼ぶ。
抽出工程は、揉捻物調製工程で得られた混合揉捻物から、さらに抽出組成物を抽出する工程である。
抽出工程としては、例えば、混合揉捻物を抽出溶媒に浸漬し、任意の温度で加熱して、抽出溶媒に本実施形態の組成物を抽出して、液体の本実施形態の組成物を得る方法が挙げられる。
抽出溶媒としては、例えば、水、有機溶媒(例えば、炭素数1〜6の低級アルコール)及びこれらの混合液等が挙げられる。
抽出工程における温度条件は、特に限定されず、例えば、20〜100℃が好ましい。目安として、常温又はそれ以下の温度(0〜40℃)の水で抽出された抽出組成物を水抽出物と呼び、それ以上の温度(40〜100℃)の水(熱水)で抽出された抽出組成物を熱水抽出物と呼ぶ。熱水で抽出した方が、抽出される成分の量が多くなるため好ましい。熱水の温度が高い方が抽出量が多くなるためより好ましいが、60〜100℃であれば本願の効果が得られる成分が充分に抽出される。
抽出時間は、特に限定されず、例えば、3〜30分間が好ましい。
抽出工程の後、液体の本実施形態の組成物を乾燥して、固体の本実施形態の組成物としてもよい。乾燥方法としては、例えば、凍結乾燥法等が挙げられる。
以下に、実施例を示して本実施形態を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(ヘスペリジンと茶成分の相互作用の分析)
強い揉圧の揉捻工程でヘスペリジンと茶ポリフェノールが会合して水溶性が高まるのを明らかにするため、高い圧力が加わるオートクレーブ操作を用いて検証を行った。単体ヘスペリジン化合物(4.0mg)に対して、茶ポリフェノール成分の水溶液(濃度4.0mg/mL)をそれぞれ混合し、80℃で20分、ついで、オートクレーブ(121℃、20分)加熱処理後に室温で2時間静置し、濾過して水溶液成分をHPLC分析し、水溶液中のヘスペリジンの濃度を解析した。試験の結果を図1に示す。
図1中、添加物欄の「TSA」はテアシネンシンA、「EGCg」はエピガロカテキンガレート、「Nar」はナリンギン、「Caff」はカフェインである。また、棒グラフの上の倍数の数値は、添加物なし・オートクレーブなしのコントロール(2.9μg/mL)に対して何倍の濃度のヘスペリジンが得られたかの値である。
ヘスペリジンの濃度が高いほど、単独では水に溶けにくいヘスペリジンが茶由来の成分との相互作用で水溶性が向上していることとなる。
図1の試験の結果、ヘスペリジン水溶性向上への寄与が大きいものはテアシネンシンA、エピガロカテキンガレート、ナリルチン、およびカフェインであり、80℃における水溶性はヘスペリジン単独に比べ4−12倍向上し、120℃にするとさらに2−6倍溶解性が増大した。
図1より、茶成分中の含有量を考慮すると、茶成分によりヘスペリジンの水溶性向上を引き起こしている成分としては、エピガロカテキンガレートの寄与が大きいと考えられる。
なお、従来、ヘスペリジンを単独で水に溶解させようとしてもほとんど水溶液中にヘスペリジンは含まれない(溶解しない)が、水にヘスペリジンと茶ポリフェノールを加え、オートクレーブ又は製茶機械を用いた揉捻操作を加えることで、ともにヘスペリジンの水溶が見られることを本発明者らは見出している。このため、オートクレーブと揉捻操作とでは同様のヘスペリジンの水溶性の向上が起こると推測される。
ついで、H―NMRスペクトル解析により茶ポリフェノールの各成分とヘスペリジンの相互作用を解析した。図2に結果を示す。ヘスペリジンの親水性や糖部分(Glc-1, 6)等に対して、環部分(ring)のケミカルシフトが負側に変化していることから、ヘスペリジンのB環及びC環部分が覆い隠されていることが推測できる。このヘスペリジン水素のケミカルシフト変化から、紅茶ポリフェノールの各成分は、ヘスペリジンのC環を覆い隠している形で相互作用していると考えられる。すなわち、茶ポリフェノールの各成分は、ヘスペリジンの疎水性部分を覆い隠すようにして会合し、ヘスペリジンの親水性を高めて水溶性を向上させていると考えられる。ヘスペリジンとカフェイン、茶カテキン(エピガロカテキンガレート)の会合について、上記解析より考えられる会合構造を図3に示した。
なお、従来、カフェインとヘスペリジンの相互作用については、カフェインのアグリコン部分とヘスペリジンの疎水会合が起こり得ることが、H―NMRスペクトル解析により明らかになっている。本実施例における他の茶ポリフェノールとヘスペリジンの相互作用についても、図2、3の結果より疎水部分同士の会合によることが推測される。また、紅茶以外の茶に含まれる茶ポリフェノール成分についても、揉捻の操作によってヘスペリジンとの間に同様の相互作用が起こることが推測される。
(組成物の製造)
緑茶生葉(原料b)30kgを萎凋して、水分量50質量%の原料b15kgを得た。萎凋後の原料b15kgと、スライスした未熟ミカンの青果(原料a)10kgとを混合し、製茶機械を用いて揉捻して、混合揉捻物を得た(揉捻操作)。揉捻時間は20分間であり、揉捻温度は35℃であった。
混合揉捻物に100℃の空気を30分間当てて、乾燥した(乾燥操作)。溶出率は、下記(1)式により求めた。得られた組成物を実施例1とした。
溶出率(質量%)=[ミカン単位の溶出量]÷[原料aの乾燥物(100mg)中のヘスペリジン量]×100・・・(1)
[(1)式中、ミカン単位の溶出量は、後述する抽出試験で求められた溶出量(混合揉捻物から溶出した(A)成分の量(mg))を、実施例1では4倍した値である。]
(抽出試験)
(熱水抽出)
100℃の水100mLに前記実施例1の組成物100mgを浸漬後、そのまま室温下に置き、水温がほぼ常温になるまで放置することで、熱水抽出液(実施例2)を得た。また、実施例1の組成物にかえて原料aのみ100mgから熱水抽出を行った熱水抽出液(比較例1)も得た。
得られた抽出液を0.45μmメンブランフィルターでろ過し、ろ液中のヘスペリジン量を超高速液体クロマトグラフィーUFLC(HPLC、株式会社島津製作所製)で測定した。1試料につき3回測定し、得られた面積からヘスペリジンの溶出量を算出した。
HPLCの分析条件は、以下の通りである。なお、原料aの乾燥物(100mg)に含まれるヘスペリジン量は20.8mgであった。
[分析条件]
カラム・・・Shim−pack C18(3.0×50mm、株式会社島津製作所製)。
移動相A液・・・CHCN:10mMリン酸=20:80(体積比)。
移動相B液・・・CHCN:10mMリン酸=30:70(体積比)。
グラジェント構成・・・移動相A液:移動相B液=100:0(体積基準)を7分間で直線的に、移動相A液:移動相B液=0:100(体積基準)とした。
流速:0.6mL/分。
カラム温度:40℃。
検出波長:280nm。
試験の結果、実施例2の熱水抽出液の原料中のヘスペリジン量に対する溶出率は45.2±2.7%であった。これに対して、比較例1の熱水抽出液のヘスペリジン溶出率は9.6±1.2%であった。
(血圧上昇抑制試験)
ヘスペリジン、紅茶ポリフェノール、及び実施例1の組成物をそれぞれラットに摂食させ、血圧上昇への影響を調べた。摂食試験は図4に示すように、AIN−93組成の飼料 のうち1%を実施例1の組成物、1%実施例1の組成物に含まれるのと同量の紅茶、ヘスペリジンのみを含む成分に置き換えた。5週令のSHR/Izmラットを上記飼料をそれぞれ12週間自由摂食させ、2週間おきに血圧測定を行い、12週後には6時間絶食後に解剖して血清及び肝臓脂質濃度の測定を行った。結果を図5に示す。
図5によると、ヘスペリジン摂取で血圧上昇が抑制される傾向を示し、機能性を発揮する主要成分がヘスペリジンであることを示した。また、図5(a)の収縮期血圧、図5(b)の拡張期血圧ともに、実施例1の組成物が顕著に血圧上昇の抑制が見られ、実施例1の製造法によりヘスペリジンと緑茶生葉に含まれる茶ポリフェノールが揉捻操作により会合した組成物が機能性を発揮することが明らかとなった。本実施形態の組成物の血圧上昇の抑制効果は、末梢部分の体内活動の活性化に関与し、冷え性改善、肩こり改善、疲労回復、及び睡眠改善の効果に関与していることが推測される。また、緑茶生葉以外にも、同一のポリフェノールの成分を含む茶を抽出した組成物についても同様の機能性を発揮することが強く推測できる。
(溶媒抽出試験)
実施例1と同様に調整した組成物1〜13について、DMSOMeOH溶媒とミカン混合茶組成物とを重量比で1:1となるよう抽出を行い、組成物中のヘスペリジンと茶ポリフェノールの成分を調べた。茶ポリフェノールの重量として没食子酸、テアシネンシンB、エピガロカテキン、カフェイン、テアシネンシンA、エピカテキン、エピガロカテキンガレート、エピカテキンガレート、ナリンギン及びテアフラビンの重量を合計した。その結果、ヘスペリジン:茶ポリフェノールの質量比は56:70であった。この値から、重量比としてヘスペリジンに対して茶ポリフェノールの合計量が等量付近〜茶ポリフェノールが多い量、具体的には2:1〜1:4から、1:1〜1:1.25ほどが適量と推測される。
(揉捻操作による吸収性の解析)
実施例2の熱水抽出液(コンク液、ヘスペリジン含量143μM:327μg/kg body weight)に含まれるヘスペリジンの腸管膜透過試験を実施した。60分(37℃)までのCaco−2膜透過液をLC−TOF−MS解析に供し、ヘスペリジンの透過挙動を評価した。結果を図6に示す。図6のうち、図6(a)のコントロール(生理食塩水に対して溶解したヘスペリジン溶液10μM : 23μg/kg body weight)、図6(b)の実施例2の熱水抽出液について、それぞれ、Caco−2膜透過実験30分(上段)及び60分(下段)での透過ヘスペリジンのLC−TOF−MS測定(EIC:609.1814m/z)を行った結果である。また、透過量についてヘスペリジン単独と熱水抽出液の比較を、図6(c)に透過量を示した。
図6に示したように、30分及び60分の透過試験ともに顕著なヘスペリジン透過量の増大が認められた。すなわち、図6(a)及び図6(b)ではLC−TOF−MS測定においてほぼ同じ位置に大きなピークが見られているが、図6(b)の実施例2は縦軸の上限値が1.0又は2.5×10、図6(a)のコントロールでは縦軸の値が500又は1000なので、実施例2はコントロールと比べてピークの強度が高くなっている。この強度から透過速度を求めると、図6(c)に示すように実施例2はコントロールと比べて透過速度は27倍との好結果を得ている。これにより、本実施例での熱水抽出液を摂取することにより、1)ヘスペリジンは吸収されること、2)ヘスペリジン単独と比べて吸収は促進される可能性があることが判明した。なお、膜抵抗値に変化がなかったことから、この吸収促進作用は細胞毒性によるものではないことも明らかにしている。
また、8週齢SD系ラットに対する単回投与試験を実施した。コントロールとして生理食塩水に対して溶解したヘスペリジン溶液(10μM:23μg/kg body weight)を調製して実施した。被験サンプルとしては熱水抽出液(143μM:327μg/kg body weight)とした。ヘスペリジン及びその代謝物であるヘスペレチンをLC−TOF−MS解析した。なお、他成分共存下(今回は熱水抽出液)でのヘスペリジンの吸収挙動(最大吸収濃度、最大吸収達成時間)に関する情報が不明なため、投与4時間後に全血屠殺を行い、得られた血漿について分析に供した。結果を図7に示す。
図7に示すように、熱水抽出液投与群では、明らかなピークが検出され、ヘスペリジンの吸収量は1.0nmol/mL−血漿(0.62μg/mL−血漿)であった。一方、コントロールではヘスペリジン、ヘスペレチンはMS検出されなかった(図示せず。なお、LC−TOF−MSでのヘスペリジンの検出限界は5pmol/mLである)。これは、熱水抽出液摂取により、in vivoにおいてヘスペリジンが吸収されるとの初めての知見であり、これまで困難であった難溶性ヘスペリジンを溶液状態で摂取できることを示唆するものであった。また、緑茶生葉以外にも、同様のポリフェノールの成分を含む茶を抽出した組成物についても同様に吸収可能な状態にできることが強く推測できる。
(熱水抽出液の成分解析)
ミカン粉末と、実施例1の組成物について、それぞれ熱水で成分を抽出し熱水抽出物を調整した。この熱水抽出物に対して、HPLCによって成分解析を行った。ミカン粉末のサンプルは、2.0gのミカン粉末に対して、100mLとなるよう熱湯を加えて10分抽出した。組成物は、緑茶生葉:ミカン=3:1となるよう原料を加えて調整後、2.0gの組成物に対して、100mLとなるよう100℃の熱湯を加えて10分抽出した。これらを常温にした条件でHPLC解析を行いMaxAbsを検出した。結果を図8に示す。図8(a)がミカン粉末、図8(b)が熱水抽出物についての結果である。
ヘスペリジンにあたるピークは、ミカン粉末の相対ピーク面積を1.0とすると、熱水抽出物は1.86となっている。これを摘果ミカンあたりに換算すると、7.4倍抽出されている。この結果により、熱水抽出物はミカンに含まれるヘスペリジンが有効に抽出されていることが明らかとなった。
酵素抽出などで得られたヘスペリジン溶液は、単独でも生理活性を有することは明らかとなっているが、酵素抽出にはコストがかかる。しかし、上述の結果より、本実施例の組成物はミカンなどに含まれるヘスペリジンが水溶可能な状態で含まれ、高い吸収性と血圧上昇抑制等の生理活性を有することが明らかとなった。これはミカン等と茶の揉捻操作により、ヘスペリジンと茶ポリフェノールが原料より抽出されるとともに会合体を形成し、ヘスペリジンを生理活性を有する状態で水溶可能、かつ生体に有効に吸収可能な状態が形成されていることを示す。また本実施形態の熱水抽出物はヘスペリジンを吸収しやすい形で含有することが示された。
(冷え性改善試験)
実施例1の組成物について、冷え性に及ぼす効果について検討した。
長崎県立大学のヒト臨床試験を行う治験ネットワークに登録したヒトから、冷え性に自覚症状のあるヒト36名を対象に実施例1の組成物が冷え性に及ぼす影響を検討した。試験開始2時間前までに通常通りの食事を摂取し、その後は水以外の飲食を禁止とした。測定開始60分前にプラセボ食品であるヘスペリジン0mgを含む食品、ヘスペリジン含有量が27.6mgとなるように実施例1の組成物を含有した食品、及びヘスペリジン含有量が36.7mgとなるように実施例1の組成物を含有した食品を、それぞれ湯に溶かして摂取した。測定開始30分前より座位にて安静にし試験室の環境に順応させた。冷却負荷は、水流付15℃の水へ左手首までの浸水を1分間行い、冷却負荷直前と冷却負荷5分後ごとに30分間、冷却部の皮膚表面温度を測定した。皮膚表面温度の測定は、サーモグラフィー(赤外線測定器 CHINO CPA−0170)で行った。1週間後、被験者は前回とは異なる試験食品を摂取し、さらに1週間後、これまでと異なる試験食品を摂取し、同様の試験を計3回行った。試験は、無作為化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー法で実施した。試験は無作為化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー法で実施した。試験結果を図9に示す。
全被験者36名(図9(a))において冷却負荷後、プラセボ食品摂取(C)に対して実施例1の組成物を摂取すると皮膚表面温度が高い傾向にあった。皮膚表面温度については高濃度ヘスペリジン含有(36.7mg)組成物(A)と低濃度ヘスペリジン含有(26.7mg)組成物(B)27.6mgの場合では大きな差はなかった。次に冷却負荷後の皮膚温度上昇がプラセボ食品摂取において10℃以上のヒトを除外した層別解析を行ったところ(図9(b))、20分後と30分後において高濃度ヘスペリジン含有(36.7mg)組成物(A)でプラセボ摂取(C)より有意に高値で、低濃度ヘスペリジン含有(27.6mg)組成物(B)においてもほぼ同様の値を示した。
ヘスペリジン含有量が36.7mgとなるよう実施例1の組成物を含むよう食品は、皮膚表面温度を上昇させる作用を有することが観察され、その効果はヘスペリジン含有量が27.6mgとなるよう実施例1の組成物を含む食品においても同程度の作用が認められた。実施例1の組成物は、ヒトにおいて冷え性を改善する機能を有すると考えられる。また、実施例1の組成物は、従来技術における酵素処理ヘスペリジンで観察されている250mg(アグリコンとして170mg)よりかなり少ない摂取量によっても効果を発揮することが明らかになった。
(肩こり改善試験)
実施例1の組成物について、肩こりに及ぼす効果について検討した。
試験は摂取被験者に対するアンケート法で実施した。
実施例1の組成物1.2g(ヘスペリジン含有量36.7mg)を含む分包を被験飲料とし、それを1日1包を水に溶かして、被験者28名に夕食時に8週間摂取させた。0週目、0〜4週目、5〜8週目の評価を行った。
肩こりの評価試験では、VAS(Visual Analog Scale)法による視覚評価スケールにより行った。ここでは肩こりに関するVAS試験は、被験者に、0cmを「症状なし」状態、10cmを「症状最悪」の状態として、現在の状況が10cmの直線上のどの位置にあるかを示す評価法であり、評価を被験者ごとの自己評価でアンケート調査により行った。結果を図10に示す。
図10に示すように、実施例1の組成物1.2g(ヘスペリジン含有量36.7mg)による1包を1日1包、8週間飲用することで、肩こりが改善されることが示された。
(疲労回復試験)
実施例1の組成物について、疲労回復効果について検討した。
試験は摂取被験者に対するアンケート法で実施した。
実施例1の組成物(ヘスペリジン含有量36.7mg)を含む分包を被験飲料とし、それを1日1包を水に溶かして、被験者21名に夕食時に8週間摂取させた。0週目、0〜4週目、5〜8週目の評価を行った。疲労の評価試験では、VAS(Visual Analog Scale)法による視覚評価スケールにより行った。ここで疲労回復に関するVAS試験は、被験者に、0cmを「疲れを全く感じない最良」状態、10cmを「何もできないほど疲れきった最悪の感覚」の状態として、現在の疲労感が10cmの直線上のどの位置にあるかを示す評価法で行った。結果を図11に示す。
図11に示すように、1日1包実施例1の組成物1.2g(ヘスペリジン含有量36.7mg)を8週間飲用することで、疲労感が改善されることが示された。
(睡眠改善試験)
実施例1の組成物について、睡眠改善の効果について検討した。
実施例1の組成物(ヘスペリジン含有量36.7mg)を含む分包を被験飲料とし、それを1日1包を水に溶かして、被験者18名(試験者群数のみ:プラセボ群は除く)に夕食時に8週間摂取させた。0週目、0〜4週目、5〜8週目の評価を行った。
睡眠の評価試験では、VAS(Visual Analog Scale)法による視覚評価スケールにより行った。ここで睡眠評価におけるVAS試験は、被験者に、0cmを「夜ぐっすり眠れる」状態、10cmを「全く眠れない」の状態として、現在の睡眠状況が10cmの直線上のどの位置にあるかを示す評価法で行った。結果を図12に示す。
図12に示すように、1日1包実施例1の組成物1.2g(ヘスペリジン含有量36.7mg)を8週間飲用することで、睡眠障害が改善されることが示された。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
本発明によれば、生体に吸収されやすく効果を発揮しやすい冷え性改善用、肩こり改善用、疲労回復用、又は睡眠改善用の組成物、それを含む食品、薬剤、組成物キット、及び、その組成物の製造方法が得られる。

Claims (11)

  1. ヘスペリジンと茶ポリフェノールとを含有する冷え性改善用、肩こり改善用、疲労回復用、又は睡眠改善用の組成物であって、
    前記ヘスペリジンと前記茶ポリフェノールとの会合体を含有し、
    前記ヘスペリジンと前記茶ポリフェノールとの会合体は、前記茶ポリフェノールが前記ヘスペリジンの疎水性部分を会合によって取り込んだ構造を有し、
    前記組成物の全体質量1000mgに対して前記ヘスペリジンを20〜40mg含有し、
    前記組成物の全体質量1000mgに対して前記茶ポリフェノールを75〜200mg含有し、
    前記ヘスペリジンに対して前記茶ポリフェノールを質量比で2:1〜1:4となるよう含有する、冷え性改善用、肩こり改善用、疲労回復用、又は睡眠改善用の組成物。
  2. 前記ヘスペリジンを含有するミカンと前記茶ポリフェノールを含有する茶との混合揉捻物を有効成分とする冷え性改善用、肩こり改善用、疲労回復用、又は睡眠改善用の組成物であって、
    前記混合揉捻物の全体質量に対してミカンを10〜50質量%混合した、請求項1に記載の冷え性改善用、肩こり改善用、疲労回復用、又は睡眠改善用の組成物。
  3. 前記ミカンが未熟ミカンを含み、前記茶が緑茶生葉を含む、請求項2に記載の冷え性改善用、肩こり改善用、疲労回復用、又は睡眠改善用の組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の冷え性改善用、肩こり改善用、疲労回復用、又は睡眠改善用の組成物を含む食品。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の冷え性改善用、肩こり改善用、疲労回復用、又は睡眠改善用の組成物を含む薬剤。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の冷え性改善用、肩こり改善用、疲労回復用、又は睡眠改善用の組成物を28〜90包含む組成物キット。
  7. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の冷え性改善用、肩こり改善用、疲労回復用、又は睡眠改善用の組成物の製造方法であって、前記ヘスペリジンを含有する原料aと前記茶ポリフェノールを含有する原料bとを混合し揉捻して混合揉捻物を得る揉捻物調製工程を備える冷え性改善用、肩こり改善用、疲労回復用、又は睡眠改善用の組成物の製造方法。
  8. 前記揉捻物調製工程は、前記原料aとしてミカン、前記原料bとして茶、を用い、混合揉捻物の全体質量に対して原料aを10〜50質量%を混合し揉捻する、請求項7に記載の冷え性改善用、肩こり改善用、疲労回復用、又は睡眠改善用の組成物の製造方法。
  9. 前記原料aのミカンが未熟ミカン、前記原料bの茶が緑茶生葉である、請求項8に記載の冷え性改善用、肩こり改善用、疲労回復用、又は睡眠改善用の組成物の製造方法。
  10. 前記揉捻物調製工程は、前記原料aと前記原料bとを混合し揉捻する操作の後に、温度80〜120の熱風を10〜60分間吹き込み、前記混合揉捻物の全体質量に対して水分量が5質量%になるよう乾燥する操作をさらに備える、請求項7〜9のいずれか1項に記載の冷え性改善用、肩こり改善用、疲労回復用、又は睡眠改善用の組成物の製造方法。
  11. 前記揉捻物調製工程は、原料a:原料bを1:2〜1:4の割合で混合し、揉捻する操作を15〜30分間行う、請求項7〜10のいずれか1項に記載の冷え性改善用、肩こり改善用、疲労回復用、又は睡眠改善用の組成物の製造方法。
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