JP6778506B2 - 機能性食品組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、茶由来抽出物を含有する機能性食品組成物に関する。
紅茶やウーロン茶に含まれる赤色色素のテアフラビン類化合物は、茶葉の発酵過程で生成する赤色を呈するポリフェノールである。茶葉中に含まれるカテキン類化合物が、ポリフェノールオキシダーゼ活性やペルオキシダーゼ活性などを有する酵素による酸化を受けて生成する。テアフラビン類化合物には、さまざまな医薬的、保健的機能性があることが知られている。具体的には、抗酸化、抗菌、抗ウイルス、血糖上昇抑制、体脂肪蓄積抑制、口腔内細菌の増殖抑制などについて報告がある。
テアフラビン類化合物を効率よく摂取するための技術に関し、例えば下記特許文献1には、紅茶抽出物をカラムクロマトグラフィーに供して、テアフラビン類化合物を高濃度に含有する組成物を得、それを機能性食品組成物、例えば体脂肪の蓄積を抑制するために用いられるものである機能性食品等に配合して利用することが記載されている。
また、例えば下記特許文献2には、原料茶葉を2〜10倍量の水中でホモジナイズして泥状物とした後、高速で撹拌して空気を抱き込ませながら激しく空気と接触させることにより酸化反応させると、短時間のうちに高濃度で茶テアフラビン類を得ることがき、酸化反応後に、更にカラムクロマトグラフィーに供して、テアフラビン類化合物を高濃度に含有する組成物が得られることが記載されている。また、それを機能性食品組成物、例えば糖類や脂質の分解酵素活性を阻害するために用いられるものである機能性食品等に配合して利用することが記載されている。
特開2010−95478号公報 特開2009−268420号公報
しかしながら、上記特許文献1のように紅茶抽出物をカラムクロマトグラム処理に供する方法では、紅茶等には低濃度にしかテアフラビン類化合物が含まれないため、非効率であり工業的に生産するには限界があった。また、上記特許文献2に具体的に記載があるのは、テアフラビン類化合物の固形分当たりの含有量が30質量%に満たない茶由来組成物にすぎなかった(特許文献2の表1、段落0072参照)。
上記従来技術に鑑み、本発明の目的は、茶由来成分を利用して、特に、例えば体重、体脂肪率、及び/又は皮下脂肪率を低下させたり、骨格筋率を上昇させたりする作用効果に優れた機能性食品組成物を提供することにある。
本発明者らが鋭意研究した結果、テアフラビン類化合物の固形分当たりの含有量が特定範囲以上の茶由来組成物には優れた機能性があることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の構成を有する茶由来抽出物を含有する機能性食品組成物に関するものである。
[1]テアフラビン類化合物を固形分当たり30質量%以上含有する茶由来組成物を含有することを特徴とする機能性食品組成物。
[2]ヒト又は動物の体重、体脂肪率、及び/又は皮下脂肪率を低下させるためのものである前記[1]記載の機能性食品組成物。
[3]ヒト又は動物の骨格筋率を上昇させるためのものである前記[1]記載の機能性食品組成物。
[4]前記テアフラビン類化合物は、ポリフェノールオキシダーゼ活性及び/又はペルオキシダーゼ活性を有する酵素による茶由来基質からの生成物である、前記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の機能性食品組成物。
[5]テアフラビン類化合物を固形分当たり30質量%以上含有する茶由来組成物の、機能性食品組成物の製造のための使用。
[6]前記機能性食品組成物は、ヒト又は動物の体重、体脂肪率、及び/又は皮下脂肪率を低下させるためのものである、前記[5]記載の使用。
[7]前記機能性食品組成物は、ヒト又は動物の骨格筋率を上昇させるためのものである、前記[5]記載の使用。
[8]前記テアフラビン類化合物は、ポリフェノールオキシダーゼ活性及び/又はペルオキシダーゼ活性を有する酵素による茶由来基質からの生成物である、前記[5]〜[7]のいずれか1つに記載の使用。
本発明によれば、テアフラビン類化合物を固形分当たり30質量%以上含有する茶由来組成物を用いるので、特に、例えば体重、体脂肪率、及び/又は皮下脂肪率を低下させたり、骨格筋率を上昇させたりする作用効果に優れた機能性食品組成物を提供することができる。この機能性食品組成物は、ペットや畜産等の動物にも好適に用いられる。
試験例1において体重の変化率を調べた結果を示す図表である。 試験例1において体脂肪率の変化率を調べた結果を示す図表である。 試験例1において皮下脂肪率の変化率を調べた結果を示す図表である。 試験例1において骨格筋率の変化率を調べた結果を示す図表である。
本発明は、テアフラビン類化合物を固形分当たり30質量%以上含有する茶由来組成物を用いることを特徴にしている。その茶由来組成物のテアフラビン類化合物の含有量は、固形分当たり40質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。ここで、テアフラビン類化合物としては、茶カテキン由来のテアフラビン、テアフラビン−3−O−ガレート、テアフラビン−3’−O−ガレート、テアフラビン−3,3’−O−ジガレートなどが挙げられる。また、その茶由来組成物のカテキン類化合物の含有量は、固形分当たり25質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。ここで、カテキン類化合物としては、茶カテキン類であるカテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキン−3−ガレート、エピカテキン−3−ガレート、ガロカテキン−3−ガレート、エピガロカテキン−3−ガレートなどが挙げられる。
上記テアフラビン類化合物の組成割合については、特に制限はないが、例えば、テアフラビン類化合物の総量中にテアフラビンを2.5〜50質量%、テアフラビン−3−O−ガレートを20〜50質量%、テアフラビン−3’−O−ガレートを5〜20質量%、テアフラビン−3,3’−O−ジガレートを10〜75質量%含有する組成割合などであってよく、より典型的には、テアフラビン類化合物のうちテアフラビンを5〜20質量%、テアフラビン−3−O−ガレートを20〜40質量%、テアフラビン−3’−O−ガレートを5〜10質量%、テアフラビン−3,3’−O−ジガレートを45〜65質量%含有する組成割合などであってもよい。また、そのテアフラビン類化合物の総量中にガレート体を10〜95質量%含有する組成割合などであってよく、より典型的には、ガレート体を50〜95質量%含有する組成割合などであってもよい。
上記テアフラビン類化合物としては、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキン−3−ガレート、エピガロカテキン−3−ガレートなどの茶カテキン類を原料にしてフェリシアン化カリウムで酸化して合成した化学合成品などを用いてもよいが、ポリフェノールオキシダーゼ活性及び/又はペルオキシダーゼ活性を有する酵素による茶由来基質からの生成物を用いることが好ましい。具体的には、以下の例が挙げられる。
(紅茶抽出物)
紅茶発酵の過程を経た茶葉(強発酵茶)を、水、含水アルコール等の溶媒により、加熱もしくは常温条件で、数分から数時間撹拌することにより抽出し、紅茶抽出物を得ることができる。この紅茶抽出物は、精製、濃縮、粉末化などの加工度が進んだものであってもよい。このような紅茶抽出物において、テアフラビン類化合物の含量を高めるためには、例えば、紅茶発酵の過程で発酵時間を延長する方法の他、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキン−3−ガレート、エピガロカテキン−3−ガレートなどの茶カテキン類を紅茶抽出物に追加で投入し、ポリフェノールオキシダーゼ活性及び/又はペルオキシダーゼ活性を有する酵素を添加して、加熱もしくは常温条件で、数分から数時間反応させる方法が挙げられる。ポリフェノールオキシダーゼ活性及び/又はペルオキシダーゼ活性を有する酵素としては、リンゴ、バナナなど果実に由来するものや、該酵素を含む茶葉抽出物、該酵素を含む茶葉粉砕物、該酵素を含む植物細胞培養液などを利用することができる。また、上記茶カテキン類としては、茶由来カテキン製剤やカテキンを高濃度に含む茶抽出物など茶由来のものの他、カカオ等のその他の植物由来のカテキン製剤やカテキンを高濃度に含む抽出物を利用してもよい。
(茶抽出成分の酵素処理物)
水等の溶媒に溶解し又は溶解された茶抽出成分に、ポリフェノールオキシダーゼ活性及び/又はペルオキシダーゼ活性を有する酵素を添加して、加熱もしくは常温条件で、数分から数時間反応させる。これにより、茶抽出成分に含まれる茶カテキン類からテアフラビン類化合物が生成する。ポリフェノールオキシダーゼ活性及び/又はペルオキシダーゼ活性を有する酵素としては、リンゴ、バナナなど果実に由来するものや、該酵素を含む茶葉抽出物、該酵素を含む茶葉粉砕物、該酵素を含む植物細胞培養液などを利用することができる。このようにして得られた茶抽出成分の酵素処理物は、精製、濃縮、粉末化などの加工度が進んだものであってもよい。
(茶葉発酵抽出物)
茶葉を粉砕してスラリー状に調製し、必要に応じて水等の溶媒を添加して、加熱もしくは常温条件で、数分から数時間発酵させる。これにより、茶葉に含まれる茶カテキン類から、茶葉に含まれるポリフェノールオキシダーゼ活性及び/又はペルオキシダーゼ活性を有する酵素の作用により、テアフラビン類化合物が生成する。発酵後は、必要に応じて、固液分離したり、更に水、含水アルコール等の溶媒により、加熱もしくは常温条件で、数分から数時間撹拌することにより抽出したりしてもよい。このようにして得られた茶葉発酵抽出物は、精製、濃縮、粉末化などの加工度が進んだものであってもよい。
(カテキン類の酵素処理物)
エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキン−3−ガレート、エピガロカテキン−3−ガレートなどの茶カテキン類を原料にして、水等の溶媒中で、ポリフェノールオキシダーゼ活性及び/又はペルオキシダーゼ活性を有する酵素を添加して、加熱もしくは常温条件で、数分から数時間反応させる。これにより、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキン−3−ガレート、エピガロカテキン−3−ガレートなどの茶カテキン類からテアフラビン類化合物が生成する。ポリフェノールオキシダーゼ活性及び/又はペルオキシダーゼ活性を有する酵素としては、リンゴ、バナナなど果実に由来するものや、該酵素を含む茶葉抽出物、該酵素を含む茶葉粉砕物、該酵素を含む植物細胞培養液などを利用することができる。また、上記茶カテキン類としては、茶由来カテキン製剤やカテキンを高濃度に含む茶抽出物など茶由来のものの他、カカオ等のその他の植物由来のカテキン製剤やカテキンを高濃度に含む抽出物を利用してもよい。このようにして得られたカテキン類の酵素処理物は、精製、濃縮、粉末化などの加工度が進んだものであってもよい。
なお、本発明に用いられる「茶由来組成物」とは、上記に例示の調製法以外でも、茶を原料にしてその成分として、あるいはその成分である茶カテキン類から生成させた、茶由来のテアフラビン類化合物を含むものであればよく、その全般を包含する意味である。
原料となる茶としては、ツバキ科の多年性植物である茶の樹から得られるものであればよく、特に制限はない。一般に栽培されている茶品種としては、例えば、あさつゆ、おおいわせ、おくひかり、おくみどり、かなやみどり、こまかげ、さみどり、はつもみじ、やまとみどり、まきのはらわせ、みねかおり、めいりょく、やぶきた、やまなみ等の緑茶品種、烏龍、色種、水仙、鉄観音等のウーロン茶品種、からべに、ひめみどり、べにひかり、べにふうき、べにふじ、べにほまれ等の紅茶品種などが挙げられる。茶葉の採取時期は、1番茶、2番茶、3番茶などのいずれでもよく、また、その栽培国・地域に特に制限はない。
(精製処理)
本発明に用いる茶由来抽出物は、更にそのテアフラビン類化合物の固形あたりの濃度を高める処理を施してもよい。その手法としては、通常当業者に周知の手法を採用し得るが、例えば逆相系シリカゲルを用いた精製処理方法が挙げられる。より具体的には、例えば、上記のようにして得られた茶由来組成物をメタノールやエタノール、アセトニトリルなどの有機溶媒を低濃度に含む水溶液に溶解し、逆相系シリカゲルに、充填する。充填された茶由来組成物に対し、充填時より有機溶媒濃度を向上させた水溶液を通液させることにより、テアフラビン類化合物より高極性成分であるカテキン類化合物を選択的に溶出させる。カテキン類化合物を分離したのちに、更に有機溶媒濃度を向上させた水溶液を通液し、テアフラビン類化合物を選択的に溶出させることでテアフラビン類化合物の固形分当たりの濃度を高めることができる。
本発明の機能性食品組成物は、上記のようにして得られた茶由来組成物(テアフラビン類化合物を固形分当たり30質量%以上含有する)を、固形分換算にして10〜100質量%含有するものであることが好ましく、25〜100質量%含有するものであることがより好ましく、40〜100質量%含有するものであることが最も好ましい。茶由来組成物の含有量が、固形分換算にして10質量%未満では、その機能性食品組成物中にテアフラビン類化合物の含有量が乏しくなるので好ましくない。
本発明の機能性食品組成物は、上記のようにして得られた茶由来組成物(テアフラビン類化合物を固形分当たり30質量%以上含有する)の他に、他の原料を含んでいてもよい。特に、例えば経口摂取用として許容される基材や担体を用いて、錠剤、顆粒剤、散剤、液剤、粉末、顆粒、カプセル剤、ゼリー状剤等の経口摂取用組成物の形態とすることができる。その際、必要に応じて、デキストリン等の賦形剤、防腐剤、増粘剤、乳化剤、着色剤、着香剤などを含むことができる。また、例えば、砂糖、果糖、糖アルコールなどの糖類や、タンパク質、脂質、ミネラルなどの食品素材を含むことができる。
本発明の機能性食品組成物は、医薬的、保健的機能性のなかでも、特に、体重、体脂肪率、及び/又は皮下脂肪率を低下させたり、骨格筋率を上昇させたりする作用効果に優れているので、そのような症状や状態の改善の必要がある患者や健常者に摂取されるようにして使用されることが、より好ましい。また、BMI値が20〜25の範囲にある普通体重状態の者や、BMI値が25〜30の範囲にある肥満(1度)状態の者などに対して、好適に用いられる。また、ペットや畜産等の動物にも好適に用いられる。その作用効果を効率的に享受するには、8週間以上にわたって継続して摂取されるようにすることが好ましく、10週間以上にわたって継続して摂取されるようにすることがより好ましい。その際、摂取量としては、成人1日当たりテアフラビン類化合物として50〜100mg程度であることが好ましく、75〜100mg程度であることがより好ましい。摂取量が10mg未満では改善の効果が期待できず、5000mgを超えると体質により胃痛、便秘などの症状が出る可能性があるため好ましくない。
本発明の機能性食品組成物を摂取する使用形態としては、その作用効果を損なわない限り、特に制限はない。例えば、医薬品、医薬部外品、健康食品、機能性食品、栄養補助食品、サプリメント、動物用医薬品、動物用医薬部外品、動物用健康食品、動物用機能性食品、動物用栄養補助食品、動物用サプリメントなど各種の製品形態で、あるいはそれら製品と組み合わせて使用されることが可能である。また、各種の飲食品と組み合わせて使用してもよい。特に、例えば、単糖、オリゴ糖、多糖、食物繊維、糖アルコール、乳酸菌、ビフィズス菌、酵母、麹菌、又はこれらを含有もしくは配合した飲食品などと組み合わせて使用されることが可能である。これによれば、これら組み合わせて使用された素材が相乗的に作用して、本発明の機能性をより有効に発揮させることができる。
以下に実施例を挙げて本発明について更に具体的に説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
<調製例1> (未精製品1)
緑茶由来カテキン製剤(カテキン含量90%以上、商品名「サンフェノン90」、太陽化学株式会社)3gを水400mLに溶解した。別途、茶葉3gに水100mLを加えて、粉砕し、茶粉砕物を得た。この茶粉砕物に上記のカテキン溶液400mLを合わせ、30〜35℃で3時間反応させた。反応後、篩過して、茶葉残渣物を除去した後、フリーズドライにより粉末化して、茶由来組成物を得た。HPLCで分析したところ、この茶由来組成物にはテアフラビン(TF1)が11質量%、テアフラビン−3−O−ガレート(TF2A)が8.5質量%、テアフラビン−3’−O−ガレート(TF2B)が4.9質量%、テアフラビン−3,3’−O−ジガレート(TF3)が4質量%含まれており、テアフラビン類化合物の合計含量は28.4質量%であった。また、カテキン類化合物の合計含量は7.9質量%であった。
<調製例2> (未精製品2)
緑茶用茶葉10gに熱水400mLを添加し、撹拌した後、固液分離して緑茶抽出物を得た。別途、緑茶用茶葉3gに水100mLを加えて、粉砕し、緑茶粉砕物を得た。この緑茶粉砕物に上記の400mLを合わせ、30〜35℃で2時間反応させた。反応後、篩過して、茶葉残渣物を除去した後、フリーズドライにより粉末化して、茶由来組成物を得た。HPLCで分析したところ、この茶由来組成物にはテアフラビン(TF1)が4.1質量%、テアフラビン−3−O−ガレート(TF2A)が7.4質量%、テアフラビン−3’−O−ガレート(TF2B)が1.9質量%、テアフラビン−3,3’−O−ジガレート(TF3)が6質量%含まれており、テアフラビン類化合物の合計含量は19.4質量%であった。また、カテキン類化合物の合計含量は39.5質量%であった。
<調製例3> (精製品1)
調製例1と同様にして緑茶由来カテキンと茶粉砕物とを反応させ、反応後の反応液を合成吸着剤「セパビーズSP−700」(商品名、三菱化学株式会社製)に通して精製を行い、フリーズドライにより粉末化して、茶由来組成物を得た。HPLCで分析したところ、この茶由来組成物にはテアフラビン(TF1)が2.5質量%、テアフラビン−3−O−ガレート(TF2A)が12.7質量%、テアフラビン−3’−O−ガレート(TF2B)が3.8質量%、テアフラビン−3,3’−O−ジガレート(TF3)が28.6質量%含まれており、テアフラビン類化合物の合計含量は47.6質量%であった。また、カテキン類化合物の合計含量は20質量%であった。
<調製例4> (精製品2)
調製例2と同様にして緑茶由来カテキンと茶粉砕物とを反応させ、反応後の反応液を合成吸着剤「セパビーズSP−700」(商品名、三菱化学株式会社製)に通して精製を行い、フリーズドライにより粉末化して、茶由来組成物を得た。HPLCで分析したところ、この茶由来組成物にはテアフラビン(TF1)が4質量%、テアフラビン−3−O−ガレート(TF2A)が9.4質量%、テアフラビン−3’−O−ガレート(TF2B)が3質量%、テアフラビン−3,3’−O−ジガレート(TF3)が17質量%含まれており、テアフラビン類化合物の合計含量は33.4質量%であった。また、カテキン類化合物の合計含量は21.5質量%であった。
表1には、調製例1〜4で得られた茶由来組成物の組成をまとめて示す。
<試験例1> (ヒトに対する機能性試験 その1)
調製例3の茶由来組成物(精製品1)を使用して、ヒトに対する機能性試験を行なった。具体的には以下の試験を行なった。
[試験方法]
試験食品とその摂取群は以下のとおりとした。
・プラセボ摂取群(P group):デキストリン250mgを配合したハードカプセル
・高用量摂取群(TL group):テアフラビン類化合物の含有量が50mgとなるように調製例3の茶由来組成物(精製品1)を配合したハードカプセル(デキストリンで250mgに合わせる)
・低用量摂取群(TS group):テアフラビン類化合物の含有量が25mgとなるように調製例3の茶由来組成物(精製品1)を配合したハードカプセル(デキストリンで250mgに合わせる)
・カテキン摂取群(CC group):カテキン類化合物の含有量が200mgとなるように緑茶由来カテキン製剤(カテキン含量90%以上、商品名「サンフェノン90」、太陽化学株式会社)を配合したハードカプセル(デキストリンで250mgに合わせる)
下記表2〜表4には被検者の構成を示す。
上記各試験食品とその摂取群について、プラセボを対照とした無作為化二重盲検・並行群間試験を行なった。被験者には各カプセルを朝・晩の食事後に1錠ずつ1日計2錠を10週間連続摂取してもらい、その際、他のサプリメントの摂取を禁止する等の行動制限を指示した。試験前、試験1週目(0週)、その後は2週間おきに、体組成計を用いて、体重(kg)、体脂肪率(%)、皮下脂肪率(%)、骨格筋率(%)を測定した。
[結果]
図1には体重の変化率の結果を、図2には体脂肪率の変化率の結果を、図3には皮下脂肪率の変化率の結果を、図4には骨格筋率の変化率の結果を、それぞれ示す。
図1〜図4に示されるように、テアフラビン類化合物の摂取により、カテキン類化合物の摂取よりも顕著に、体脂肪率及び皮下脂肪率の低下や、骨格筋率の上昇が認められた。また、テアフラビン類化合物の高用量摂取群では、摂取前に比べて有意な体重低下が認められた。
<試験例2> (ヒトに対する機能性試験 その2)
調製例1〜調製例4の茶由来組成物(未精製品1、2、精製品1、2)を使用して、ヒトに対する機能性試験を行なった。具体的には以下の試験を行なった。
[試験方法]
試験食品とその摂取群は以下のとおりとした。
・プラセボ群:デキストリン250mgを配合したハードカプセル
・対照群:カテキン類化合物の含有量が200mgとなるように緑茶由来カテキン製剤(カテキン含量90%以上、商品名「サンフェノン90」、太陽化学株式会社)を配合したハードカプセル(デキストリンで250mgに合わせる)
・実施例1:テアフラビン類化合物の含有量が25mgとなるように調製例3の茶由来組成物(精製品1)を配合したハードカプセル(デキストリンで250mgに合わせる)
・実施例2:テアフラビン類化合物の含有量が25mgとなるように調製例4の茶由来組成物(精製品2)を配合したハードカプセル(デキストリンで250mgに合わせる)
・実施例3:テアフラビン類化合物の含有量が50mgとなるように調製例3の茶由来組成物(精製品1)を配合したハードカプセル(デキストリンで250mgに合わせる)
・比較例1:テアフラビン類化合物の含有量が25mgとなるように調製例1の茶由来組成物(未精製品1)を配合したハードカプセル(デキストリンで250mgに合わせる)
・比較例2:テアフラビン類化合物の含有量が25mgとなるように調製例2の茶由来組成物(未精製品2)を配合したハードカプセル(デキストリンで250mgに合わせる)
上記各試験食品とその摂取群について、プラセボを対照とした無作為化二重盲検・並行群間試験を行なった。被験者には各カプセルを朝・晩の食事後に1錠ずつ1日計2錠を10週間連続摂取してもらい、その際、他のサプリメントの摂取を禁止する等の行動制限を指示した。試験前、試験1週目(0週)、その後は2週間おきに、体組成計を用いて、体脂肪率(%)と骨格筋率(%)を測定した。
[結果]
結果を表5に示す。
表5に示されるように、テアフラビン類化合物の摂取により、カテキン類化合物の摂取よりも顕著に、体脂肪率の低下や骨格筋率の上昇が認められた。また、テアフラビン類化合物を含有する茶由来組成物のうち、テアフラビン類化合物を精製した精製品を用いたほうが、未精製品よりも、その効果がより顕著であることが明らかとなった。

Claims (4)

  1. テアフラビン、テアフラビン−3−O−ガレート、テアフラビン−3’−O−ガレート、及びテアフラビン−3,3’−O−ジガレートからなるテアフラビン類化合物を固形分当たり30質量%以上含有する茶由来組成物を有効成分として含有し、骨格筋率を上昇させるためのものであることを特徴とする機能性食品組成物。
  2. 前記テアフラビン類化合物は、ポリフェノールオキシダーゼ活性及び/又はペルオキシダーゼ活性を有する酵素による茶由来基質からの生成物である、請求項1に記載の機能性食品組成物。
  3. テアフラビン、テアフラビン−3−O−ガレート、テアフラビン−3’−O−ガレート、及びテアフラビン−3,3’−O−ジガレートからなるテアフラビン類化合物を固形分当たり30質量%以上含有する茶由来組成物の、骨格筋率を上昇させるためのものである機能性食品組成物の製造のための使用。
  4. 前記テアフラビン類化合物は、ポリフェノールオキシダーゼ活性及び/又はペルオキシダーゼ活性を有する酵素による茶由来基質からの生成物である、請求項3に記載の使用。


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