JP6825171B1 - 水硬性組成物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

C3AとC4AFの合計量が22〜40%、鉄率(IM)が0.8〜1.3のクリンカーを、セッコウと共に粉砕するか、クリンカーの粉砕後にセッコウ粉末と混合する。粉砕では、粉砕助剤としてN−メチルジエタノールアミン及び/又はジエタノールイソプロパノールアミンを用いる。

Description

本発明は水硬性組成物の製造方法に係る。
セメント産業は、大量生産・大量消費型産業であり、省資源・省エネルギーは最重要課題となっている。例えば、最も大量に製造されているポルドランドセメントの製造では、所定の化学組成に調整された原料を1450℃〜1550℃もの高温で焼成してクリンカーを得る必要があり、焼成工程が最もエネルギー消費の大きい工程である。すなわち、クリンカーの焼成温度を低減することができればエネルギー削減につながる。クリンカーの焼成温度低減にはクリンカーの主要鉱物であるCAF(4CaO・Al
・Fe)を増加させる技術が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
一方で、近年の地球環境問題と関連して、廃棄物・副産物等の有効利用は重要な課題となっている。セメント産業、セメント製造設備の特徴を生かし、セメント製造時に原料や燃料として廃棄物を有効利用あるいは処理を行なうことは、安全かつ大量処分が可能という観点から有効とされている。廃棄物、副産物はAl含有量が高いものが多く、上記したCAFを増やす系においては、該セメントクリンカーのAl含有量が従来のポルトランドセメントクリンカーよりも増加することから、廃棄物・副産物を従来のポルトランドセメントクリンカーよりも多く使用することが可能となる。この点においても特許文献1記載のクリンカーは優れている。
従来、ポルトランドセメントの製造の粉砕工程においてセメントクリンカーの粉砕効率を向上させる為、粉砕助剤としては主にジエチレングリコールが使用されてきており、一部でトリエタノールアミンやトリイソプロパノールアミンも使用されてきた(例えば、非特許文献1,特許文献2,3参照)。また特許文献4は、セメントクリンカーの粉砕助剤として、ジエタノールイソプロパノールアミンに言及している。特許文献5は、粉砕助剤として、N−メチルジエタノールアミンに言及している。
日本特許第5665638号公報 日本特許第5024669号公報 日本特許公開2017−210398号公報 WO2010−085425号公報 WO2012−008517号公報
日本セラミック協会編、「セラミック工学ハンドブック(第2版)」、技報堂出版、2002年3月31日発行、第231頁左欄
しかしながら本発明者等の検討によれば、前記特許文献1に記載されるような鉱物組成のクリンカーでは、従来から粉砕助剤として汎用されているジエチレングリコール、あるいはトリエタノールアミンを使用した場合には、28日強度が十分なものにならないという問題があることが明らかとなった。またトリイソプロパノールアミンでは、強度については若干改善されるものの、粉砕性に問題があることが判った。
さらに、良好な施工性を確保するために凝結性を向上させること、より具体的には、高価な凝結促進剤等を使用せずに始発時間を短くすることも求められていた。
そこで本発明では、従来のポルトランドセメントクリンカーに比べ、製造する際の焼成温度を低減することが可能なクリンカーを用いた場合においても、良好な強度発現性、粉砕性、凝結性を有する水硬性組成物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討を進め、前記クリンカーにおいては、粉砕助剤として特定の化合物、具体的にはN−メチルジエタノールアミン及び/又はジエタノールイソプロパノールアミンを用いる事によって良好なセメントクリンカーの粉砕性が得られ、かつ得られた水硬性組成物の硬化性、強度発現性を向上できることを見出し、本発明の完成に至った。
即ち本発明は、ボーグ式により算出されるCAとCAFの合計量が22〜40%、鉄率(IM)が0.8〜1.3のクリンカーをセッコウと共に粉砕する工程か、当該クリンカーを粉砕後にセッコウ粉末と混合する工程を有する水硬性組成物の製造方法において、
上記粉砕時に用いる粉砕助剤として、N−メチルジエタノールアミン及び/又はジエタノールイソプロパノールアミンを用いることを特徴とする水硬性組成物の製造方法である。
本発明によれば、従来のポルトランドセメントクリンカーよりも低温での焼成が可能であり、かつ廃棄物・副産物の使用量を増加させることができるCA及びCAFの多いクリンカーを用いた場合であっても、良好な粉砕性が得られ、かつ製造された水硬性組成物は良好な硬化性、強度発現性を有する。
本発明におけるCA、CAFおよびCS等の鉱物量は、ボーグ(Bogue)式によって求められるものである。
ボーグ式は、係数・諸比率とならんで利用され、主要化学分析値を用いておよその主要化合物組成を算出する計算式であり、当業者には周知の式であるが、念のため、以下にボーグ式によるクリンカー中の各鉱物量の求め方を記しておく。式中、CaO,SiO等の単位は質量%である。
S量 = (4.07×CaO)―(7.60×SiO
―(6.72×Al)―(1.43×Fe
S量 = (2.87×SiO)―(0.754×CS)
A量 = (2.65×Al)―(1.69×Fe
AF量 = 3.04×Fe
また鉄率(I.M.)は、水硬率(H.M.)ケイ率(S.M.)、活動係数(A.I.)および石灰飽和度(L.S.D.)とならんで、主要化学成分値を用いて求められ、クリンカー製造管理のための特性値として、回数・諸比率の一つとして利用されており、当業者には周知の係数であるが、念のため、以下に当該鉄率の計算方法を他の係数値と併せて記しておく。
水硬率(H.M.) = CaO/(SiO+Al+Fe
ケイ酸率(S.M.)= SiO/(Al+Fe
鉄率(I.M.) = Al/Fe
活動係数(A.I.)= SiO/Al
石灰飽和度(L.S.D.)= CaO/(2.8×SiO
1.2×Al+0.65×Fe
なお、上記中の「CaO」、「SiO」、「Al」および「Fe」は、それぞれJIS R 5202「ポルトランドセメントの化学分析法」やJIS R 5204「セメントの蛍光X線分析法」などに準拠した方法により測定できる。
本発明の製造方法で使用するクリンカーは、CA、CAFの量はその合計が22〜40%である。これらの合計量が22%を下回ると強度発現性などの物性の良好なクリンカーを、1300〜1400℃の温度で焼成して得ることが困難になる。より好ましい合計量は24%以上である。一方、後述するように高い強度発現性を得るためにはCSが60%以上あることが好ましい。この観点から、CAおよびCAFの合計量は40%以下とする。好ましくは35%以下、より好ましくは32%以下、特に好ましくは27%以下である。またこの両成分のうち、CAFは、低温でも十分に焼結させることができ、かつクリンカー中のf−CaO量を少なくできる点で、単独で15%以上、特に16〜18%存在することが好ましい。
S量は水硬性組成物の強度発現性に対して強い影響を与える。本発明の製造方法で使用するクリンカーでは、この量を60%以上とすることにより良好な強度発現性を得られやすく好ましい。CS量は61%以上であることがより好ましく、62%以上であることが特に好ましい。なお上述したC3AおよびC4AFの合計量は少なくとも22%であるから、C3S量の上限は78%となる。凝結の開始から終結までの時間をある程度確保するために、70%以下が好ましく、65%以下がより好ましい。
本発明の製造方法で使用する水硬性組成物にはさらにCSが含まれていてもよい。その量は18%以下、3%以上であることが好ましい。長期強度を得るという観点から、特に好ましくはCS量との合計量が70%以上となる量である。
本発明で使用するクリンカーにおける鉄率(IM)は0.8〜1.3である。鉄率が1.3を超えると、本発明で製造する水硬性組成物における他の要件を満足していても十分な強度発現性(より具体的には、例えばモルタル強さ発現)を得ることができない。さらに鉄率が1.3を超える場合、凝結開始から終結までの時間が長くなりすぎる傾向にあり、この点からも鉄率は1.3以下とする。より好ましい鉄率の範囲は1.0〜1.3であり、特に好ましくは1.14〜1.27である。
本発明で使用するクリンカーにおける水硬率及びケイ酸率は特に限定されるものではないが、各種物性のバランスに優れたものとするために、水硬率は好ましくは1.8〜2.2、特に好ましくは1.9〜2.1であり、またケイ酸率は好ましくは1.0〜2.0、特に好ましくは1.1〜1.7である。
上記本発明で使用するクリンカーを製造する方法は特に限定されず、公知の製造方法を適宜採用すればよい。
例えば、クリンカー原料の調製、混合方法も公知の方法を適宜採用すればよい。具体的には、事前に、廃棄物、副産物およびその他の原料(石灰石、生石灰、消石灰等のCaO源、珪石等のSiO源、粘土、石炭灰等のAl源、銅カラミ、高炉スラグ等のFe源など)の化学成分を分析し、これら原料中の各成分割合からクリンカーにおける前記各要件を満たすように、各原料の調合割合を計算し、その割合で原料を調合すればよい。
なお、当該製造で用いる原料は、従来クリンカーの製造において使用される原料と同様なものが特に制限なく使用される。廃棄物、副産物等を利用することも無論可能である。
使用可能な廃棄物・副産物を具体的に例示すると、高炉スラグ、製鋼スラグ、マンガンスラグ、石炭灰、下水汚泥、浄水汚泥、製紙スラッジ、建設発生土、鋳物砂、ばいじん、焼却飛灰、溶融飛灰、塩素バイパスダスト、木、廃白土、ボタ、廃タイヤ、貝殻、ごみやその焼却灰等が挙げられる(なお、これらの中には、セメント原料になるとともに熱エネルギー源となるものもある)。
従来、クリンカーの製造方法においては、上記のような原料の混合物は焼成装置(例えば、SPキルンやNSPキルン等)により焼成温度1450℃付近で所定の時間焼成後、ただちにクリンカクーラーと呼ばれる冷却装置(送風機、散水機等)により、通常は100℃/分以上の冷却速度で200℃付近まで急冷される。
それに対し、CAとCAFの合計量が22〜40%、鉄率(IM)が0.8〜1.3の範囲にあるクリンカーの製造に際しては、焼成温度を1300〜1400℃と低い温度とできるため、省エネルギー化が図られる。
本発明の製造方法で製造される水硬性組成物は、従来公知のセメント組成物の製造方法と同様に、上記のようにして得たクリンカーをセッコウと共に粉砕するか、または当該クリンカーを粉砕後にセッコウ粉末と混合することにより製造される。
本発明の製造方法における最大の特徴は、上記クリンカーの粉砕において使用される粉砕助剤としてN−メチルジエタノールアミン及び/又はジエタノールイソプロパノールアミンを使用する点にある。
このような粉砕助剤を使用すると、従来からクリンカーの粉砕助剤として汎用されているジエチレングリコールを使用した場合に比べて硬化性に優れ、かつ材齢28日での圧縮強度も良好である。またトリエタノールアミンやトリイソプロパノールアミンを使用した場合に比べると、凝結の開始時間が短く硬化性に優れ、かつ強度発現性、特に材齢7日乃至28日での圧縮強度に優れる。さらに、N−メチルジエタノールアミンを使用すると、粉砕性がよりいっそう優れたものとなる。
本発明の水硬性組成物の製造方法において、上記粉砕助剤は公知の使用量で使用すれば良く、例えば、製造される水硬性組成物をJIS規格のポルトランドセメントとする場合には、ポルトランドセメントに対して1質量%未満となるような使用量とすればよい。
より具体的に述べると、クリンカー100質量部に対して当該粉砕助剤を0.001〜0.05質量部使用することが好ましく、より好ましくは0.01〜0.04質量部使用する。当該粉砕助剤を0.001質量部以上とすることにより、特に良好な粉砕性、硬化性、強度発現性が得られるが、0.05質量部を超えると、硬化性や強度発現性が低下する場合がある。
本発明の製造方法において使用するセッコウとしては、二水セッコウ、半水セッコウ、無水セッコウ等のセメント製造原料として公知のセッコウが特に制限なく使用できる。セッコウの使用量は、水硬性組成物の用途に応じて公知の範囲から適宜設定すればよく、例えばポルトランドセメントとする場合には、そのなかのSO量が1.5〜5.0質量%となるように使用することが好ましく、1.8〜3質量%となるような使用量がより好ましい。
上記セメントクリンカーおよびセッコウの粉砕方法については、公知の粉砕装置(例えば高速回転粉砕機、容器駆動型ミル、ジェットミル、ローラーミル等)が特に制限なく使用できる。
粉砕の程度も適宜設定できるが、一般的には水硬性組成物の粉末度が、ブレーン比表面積で2800〜4500cm/gに調整できる程度に粉砕することが好ましい。当該粉末度を得るためには、クリンカー粉砕物若しくはクリンカーとセッコウの混合粉砕物の粉末度を当該範囲にするのが一般的である。
また、本発明の水硬性組成物においては、高炉スラグ、シリカ質混合材、フライアッシュ、炭酸カルシウム、石灰石等の少量混合材が含まれていてもよく、その場合には、これら少量混合材をクリンカーと共に混合粉砕するか、あるいはクリンカーの粉砕後に混合材と混合してもよい。また塩素バイパスダスト等を混合してもよい。
得られた水硬性組成物は、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメントとしての使用が挙げられる。またポルトランドセメントとする以外にも、各種混合セメントや、土壌固化材等の固化材の構成成分として使用することも可能である。
また本発明の製造方法で得られた水硬性組成物は、さらに必要に応じ、粉砕後に高炉スラグ、フライアッシュ等を混合し、高炉スラグセメント、フライアッシュセメント等にすることも可能である。
以下、実施例により本発明の構成及び効果を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<粉砕助剤>
使用した粉砕助剤の略号は以下の通りである。
DEG:ジエチレングリコール
MDEA:N−メチルジエタノールアミン
DEIPA:ジエタノールイソプロパノールアミン
TEA:トリエタノールアミン
TIPA:トリイソプロパノールアミン
<物性の測定方法>
各物性の測定方法は以下の通りである。
(1)クリンカーおよび水硬性組成物の化学組成の測定:JIS R 5204に準拠する蛍光X線分析法により測定した。
(2)粉砕性の測定:ボールミルにクリンカー2kgと該セッコウ、粉砕助剤を投入し、Blaine法による比表面積が3100cm/gとなるのに要した時間(分)を粉砕性としBL3100で示した。
(3)硬化性の測定:JIS R 5201 に準拠する方法により凝結時間を測定し、始発時間を硬化性とした。
(4)強度発現性の測定:JIS R 5201に準拠する方法により各材齢のモルタル圧縮強さを測定した。
<クリンカーの製造>
クリンカーは、焼成後に表1記載の鉱物組成となるように石灰石、珪石、石炭灰、鉄カラミを所定量混合し、原料調合を行ない、これを1350℃(クリンカーA)又は1450℃(クリンカーB)で電気炉にて1.5時間焼成して得た。
Figure 0006825171
<水硬性組成物の製造>
上記のようにして得られたクリンカーに対して、SO換算で2.0±0.2質量%となる量のセッコウ(二水セッコウ/半水セッコウ=1)と、クリンカー100質量部に対して0.03質量部の粉砕助剤とを添加し、Blaine法による比表面積が3200±50cm/gとなるようにボールミルにて混合粉砕して水硬性組成物を製造した。
参考例1〜5
従来から汎用されている一般的な鉱物組成を有するクリンカーBを用い、各種の粉砕助剤を使用して水硬性組成物を製造した。使用した粉砕助剤と、粉砕性及び水硬性組成物の物性を表2に示す。
Figure 0006825171
実施例1、2、比較例1〜3
1350℃と低温で焼成することができるクリンカーAを用い、各種の粉砕助剤を使用して水硬性組成物を製造した。使用した粉砕助剤と、粉砕性及び水硬性組成物の物性を表3に示す。
Figure 0006825171
上記表3に示されるように、クリンカーAにおいては、粉砕助剤としてMDEAあるいはDEIPAを用いると、他の粉砕助剤を用いた場合に比べて凝結開始までの時間が短く、良好な硬化性を示す。この傾向は、汎用型のクリンカーB(参考例)では見られず、クリンカーAにおいて特徴的な効果であることが判る。
また材齢28日での強度が、DEGを用いた場合に比べて1割以上も上昇しており、クリンカーBでは上昇割合が5〜6%であることと比べても有意に良好な強度向上効果が得られていると言える。
さらに粉砕助剤がMDEAである場合には、粉砕性も極めて良好である。TEA(トリエタノールアミン)は、MDEA(N−メチルジエタノールアミン)とDEIPA(ジエタノールイソプロパノールアミン)の中間的な化学構造を有する。それにもかかわらず、実施例のクリンカーAの場合、粉砕助剤としての性能には、MDEA及びDEIPAとTEAの間で、硬化性と材齢28日目での強度に著しい差が有る(表3)。これに対して、参考例のクリンカーBの場合、MDEA及びDEIPAとTEAの間には大きな性能の差は見られない(表2)。以上のように、MDEA及びDEIPAはクリンカーAに対して特異的に有効な粉砕助剤である。

Claims (5)

  1. ボーグ式により算出されるCAとCAFの合計量が22〜40%、鉄率(IM)が0.8〜1.3のクリンカーを、セッコウと共に粉砕する工程か、当該クリンカーを粉砕後にセッコウ粉末と混合する工程を行う水硬性組成物の製造方法において、
    上記粉砕時に用いる粉砕助剤として、N−メチルジエタノールアミン及び/又はジエタノールイソプロパノールアミンを用いることを特徴とする水硬性組成物の製造方法。
  2. N−メチルジエタノールアミン及びジエタノールイソプロパノールアミンの合計使用量が、クリンカー100質量部に対して0.001〜0.05質量部であることを特徴とする、請求項1記載の水硬性組成物の製造方法。
  3. N−メチルジエタノールアミン及びジエタノールイソプロパノールアミンの合計使用量が、クリンカー100質量部に対して0.01〜0.04質量部であることを特徴とする、請求項2記載の水硬性組成物の製造方法。
  4. 粉砕助剤は、N−メチルジエタノールアミン及びジエタノールイソプロパノールアミンの、少なくとも一員のみから成ることを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載の水硬性組成物の製造方法。
  5. 粉砕助剤としてN−メチルジエタノールアミンを用いることを特徴とする、請求項1記載の水硬性組成物の製造方法。
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