JP2018158861A - ポルトランドセメントクリンカー - Google Patents

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Abstract

【課題】低温で焼成することが可能で、Al2O3含有廃棄物の使用量も多くでき、かつ、従来よりもいっそう流動性が良好で、さらには強度発現性が良好なセメントや水硬性組成物の提供。【解決手段】クリンカーの鉱物組成をボーグ式により算出されたC3AおよびC4AFの合計量が24%以上、C3S量が60〜63%、C2S量が8〜11%であり、かつ鉄率(I.M)が1.3以下とする流動性および強度発現性が良好なセメントや水硬性組成物。望ましくは、石こうが加られ、さらには、石灰石を全組成物あたり、1〜25%含むことが好ましい、水硬性組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、セメントクリンカーおよびセメント組成物に係る。詳しくは従来よりも低温で焼成しても良好な物性を示す組成を有するセメントクリンカーおよびセメント組成物に係る。
セメント産業は、大量生産・大量消費型産業であり、省資源・省エネルギーは最重要課題となっている。例えば、最も大量に製造されているポルドランドセメントは所定の化学組成に調整された原料を1450℃〜1550℃もの高温で焼成してクリンカーとする必要があり、焼成工程が最もエネルギー消費の大きい工程である。すなわち、クリンカーの焼成温度を低減することができればエネルギー削減につながる。クリンカーの焼成温度低減にはクリンカーの主要鉱物であるCAF(4CaO・Al・Fe)を増加させる技術が開発されている(特許文献1)。
一方で、近年の地球環境問題と関連して、廃棄物・副産物等の有効利用は重要な課題となっている。セメント産業、セメント製造設備の特徴を生かし、セメント製造時に原料や燃料として廃棄物を有効利用あるいは処理を行なうことは、安全かつ大量処分が可能という観点から有効とされている。廃棄物、副産物はAl含有量が高いものが多く、上記したCAFを増やす系においては、該セメントクリンカーのAl含有量が従来のポルトランドセメントクリンカーよりも増加することから、廃棄物・副産物を従来のポルトランドセメントクリンカーよりも多く使用することが可能となる。この点においても特許文献1記載のクリンカーは優れている。
クリンカー鉱物のうちCAやCAFを多くしたクリンカーは、アルミニウムの使用量が多くなるため、このような廃棄物を多く使用可能であるという点でも有利である(例えば、特許文献2)。
また、JIS規格に定められている混合量5%までの少量混合材として石灰石を使用することで、強度発現性が良好となる技術も開発されている。(特許文献3)
特許第5665638号公報 特開2004−352515号公報 特開2014−97918 特公昭54−036926号公報
特許文献1記載のクリンカーは確かに、低温で焼成でき、Al含有廃棄物の使用量も多くできるが、よりいっそう流動性が良好かつ強度発現性が良好なセメントや水硬性組成物が求められている。
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意検討を進め、上記クリンカーの組成範囲をさらに限定することで、流動性が良好かつ強度発現性に優れるクリンカーとなることを見出し、本発明の完成に至った。
即ち本発明は、ボーグ式により算出されたCAおよびCAFの合計量が24%以上、CS量が60〜63%、CS量が8〜11%であり、かつ鉄率(I.M)が1.3以下であるポルトランドセメントクリンカーである。
本発明によれば従来のセメントクリンカーよりも低温で焼成することが可能であり、かつ廃棄物使用量を増大させることが可能であり、かつ流動性が良好で強度発現性も良好なクリンカーを得ることができる。
本発明におけるCA、CAF、CSおよびCS量は、ボーグ(Bogue)式によって求められるものである。
ボーグ式は、係数・諸比率とならんで利用され、主要化学分析値を用いておよその主要化合物組成を算出する計算式であり、当業者には周知の式であるが、念のため、以下にボーグ式によるクリンカー中の各鉱物量の求め方を記しておく。
S量 = (4.07×CaO)―(7.60×SiO)―(6.72×Al)―(1.43×Fe
S量 = (2.87×SiO)―(0.754×CS)
A量 = (2.65×Al)―(1.69×Fe
AF量 = 3.04×Fe
また鉄率(I.M.)は、水硬率(H.M.)ケイ率(S.M.)、活動係数(A.I.)および石灰飽和度(L.S.D.)とならんで、主要化学成分値を用いて求められ、クリンカー製造管理のための特性値として、回数・諸比率の一つとして利用されており、当業者には周知の係数であるが、念のため、以下に当該鉄率の計算方法を他の係数値と併せて記しておく。
水硬率(H.M.) = CaO/(SiO+Al+Fe
ケイ酸率(S.M.) = SiO/(Al+Fe
鉄率(I.M.) = Al/Fe
活動係数(A.I.) = SiO/Al
石灰飽和度(L.S.D.) = CaO/(2.8×SiO+1.2×Al+0.65×Fe
なお、上記中の「CaO」、「SiO」、「Al」および「Fe」は、それぞれJIS R 5202「ポルトランドセメントの化学分析法」やJIS R 5204「セメントの蛍光X線分析法」などに準拠した方法により測定できる。
上述の通り、本発明のセメントクリンカーにおいては、CA、CAFの量はその合計が24%以上でなくてはならない。これらの量が24%を下回ると強度発現性などの物性の良好なセメントクリンカーを低温での焼成で得ることが困難になる。なお、後述するように本発明のセメントクリンカーのCS量は60〜63%、CS量は8〜11%である。よって、CAおよびCAFの合計量は32%が上限となる。好ましくは28%以下、より好ましくは27%以下である。
本発明のセメントクリンカーにおいて、CS量は60〜63%である。CS量は本発明のセメント組成物(以下、単に「セメント」)の強度発現性に対して極めて重要である。この量が60%を下回るとCAおよびCAFの合計量、CS量および後述する鉄率を所定の範囲にしても良好な強度発現性を得られない。63%を上回ると低温での焼成ではf−CaOが残りやすくなり、流動性が悪くなる。CS量は61%以上であることが好ましい。
本発明のセメントクリンカーにおいて、CS量は8〜11%である。CS量は本発明のセメントの流動性に対して極めて重要である。その量が8%を下回ると流動性が悪くなり、11%を上回ると、初期の強度発現性が十分得られない。より好ましいCS量の範囲は8〜10%であり、特に好ましくは、9〜10%である。
本発明で使用するセメントクリンカーにおいて最も重要なことは鉄率(I.M.)を1.3以下とすることにある。鉄率が1.3を超えると、本発明で使用するセメントクリンカーにおける他の要件を満足していても十分な強度発現性(より具体的には、例えばモルタル強さ発現)を得ることができない。さらに鉄率が1.3を超える場合、凝結開始から終結までの時間が長くなりすぎる傾向にあり、この点からも鉄率は1.3以下とする。より好ましい鉄率の範囲は1.0〜1.3である。
水硬率及びケイ酸率は特に限定されるものではないが、各種物性のバランスに優れたものとするために、水硬率は好ましくは1.8〜2.2、特に好ましくは1.9〜2.1であり、またケイ酸率は好ましくは1.0〜2.0、特に好ましくは1.1〜1.7である。
本発明のセメントクリンカーは、従来の一般的なセメントクリンカーに比べて低温で焼成できる。即ち、従来、普通ポルトランドセメントクリンカーは焼成に1450℃前後の温度を必要としたが、本発明のセメントクリンカーは1300〜1400℃の温度で焼成して得ることが可能である。
上記セメントクリンカーを製造する方法は特に限定されることがなく、公知のセメント(クリンカー)原料を、上記各鉱物比率及び係数となるように所定の割合で調製混合し、公知の方法(例えば、SPキルンやNSPキルン等)で焼成することにより容易に得ることができる。
当該セメント原料の調製混合方法も公知の方法を適宜採用すればよい。例えば、事前に廃棄物、副産物およびその他の原料(石灰石、生石灰、消石灰等のCaO源、珪石等のSiO源、粘土等のAl源、鉄源等のFe源など)の組成を測定し、これら原料中の各成分割合から上記範囲になるように各原料の調合割合を計算し、その割合で原料を調合すればよい。
なお、本発明で使用するセメントクリンカーの製造に用いる原料は、従来セメントクリンカーの製造において使用される原料と同様なものが特に制限なく使用される。廃棄物、副産物等を利用することも、無論可能である。
本発明で使用するセメントクリンカーの製造において、廃棄物、副産物等から一種以上を使用することは、廃棄物、副産物等の有効利用を促進する観点から好ましいことである。使用可能な廃棄物・副産物をより具体的に例示すると、高炉スラグ、製鋼スラグ、非鉄鉱滓、石炭灰、下水汚泥、浄水汚泥、製紙スラッジ、建設発生土、鋳物砂、ばいじん、焼却飛灰、溶融飛灰、塩素バイパスダスト、木屑、廃白土、ボタ、廃タイヤ、貝殻、都市ごみやその焼却灰等が挙げられる(なお、これらの中には、セメント原料になるとともに熱エネルギー源となるものもある)。
特に本発明で使用するセメントクリンカーは、CAおよびCAFというアルミニウムをその構成元素とする鉱物を多く含む。そのため、従来のセメントクリンカーに比べて、アルミニウム分の多い廃棄物・副産物をより多く使用して製造できるという利点を有する。
本発明の製造方法で製造されたセメントクリンカーは、従来公知のセメントクリンカーと同様、セッコウと共に粉砕または個別に粉砕した後、混合することにより、セメントとすることができる。当該セメントとしては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメントが挙げられる。またポルトランドセメントとする以外にも、各種混合セメントや、土壌固化材等の固化材の構成成分として使用することも可能である。
セッコウを加えてセメントとする場合、使用するセッコウについては、二水セッコウ、半水セッコウ、無水セッコウ等のセメント製造原料として公知のセッコウが特に制限なく使用できる。セッコウの添加量は、ポルトランドセメントの場合、そのなかのSO量が1.5〜5.0質量%となるように添加することが好ましく、1.8〜3質量%となるような添加量がより好ましい。上記セメントクリンカーおよびセッコウの粉砕方法については、公知の技術が特に制限なく使用できる。
また、当該セメントには石灰石を混合して水硬性組成物とすることもできる。石灰石粉末を加えることにより、セメントペーストフローをより良好なものとできる。
石灰石は、セメント混合材として公知の石灰石を用いることができる。例えば天然の石灰石や合成の炭酸カルシウムを使用することができる。混合方法は特に制限なく、クリンカー、石こうと共に粉砕または個別に粉砕して混合してもよい。
石灰石の混合量は25%を超えると強度発現性が低下するため、全組成物あたり、1〜25%である。より好ましくは1〜20%であり、特に好ましくは1〜10%である。
セメントの粉末度は、特に制限されないが、ブレーン比表面積で2800〜4500cm/gに調整されることが好ましい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
廃棄物を含む工業原料を用いて、焼成ベースで、汎用的なセメントクリンカー組成を含む異なる組成のクリンカーが得られるように原料を調整し、電気炉にて1350℃で焼成し、セメントクリンカーを得た。このセメントクリンカーにSO換算で2±0.2%となるようにセッコウを添加し、Blaine法による比表面積が3200±50cm/gとなるように混合粉砕し、各セメントを製造した。各実施例・比較例焼成後に得られたおよびクリンカーのボーグ式による鉱物組成を表1に示す。また、これら実施例・比較例で得たセメントクリンカーを上述の方法でセメントとした後の、モルタル圧縮強さ、セメント凝結時間およびセメントペーストフローの測定結果を表2に示す。
なお、各種測定方法は以下の方法による。
(1)原料およびセメントクリンカーの化学組成の測定:JIS R 5204に準拠する蛍光X線分析法により測定した。
(2)f−CaOの測定:セメント協会標準試験方法I−01 遊離酸化カルシウムの定量方法に準拠して測定した。
(3)モルタル圧縮強さの測定:JIS R 5201に準拠する方法により測定した。
(4)セメント凝結時間:JIS R 5201に準拠する方法により測定した。
(5)セメントペーストフローの測定:JAS 15 M−103に準拠して測定し、練り混ぜ時間を3分、水/セメント比0.5、混和剤添加なし、試験温度を20℃とし、練り上がり直後のフローを測定した。
比較例は、本発明のクリンカーの鉱物組成範囲とは異なるクリンカーから試製したセメントの例である。モルタル圧縮強さは各材齢で低めとなっており、セメントペーストフローも低めとなっている。
実施例1は本発明に係るものであり、比較例と比べて各材齢でのモルタル圧縮強さは良好であり、セメントペースフローも良好であることがわかる。
実施例2〜4は本発明に係るものであり、石灰石を混合したセメントの例である。比較例と比べて、いずれも各材齢でのモルタル圧縮強さは良好であり、セメントペースフローも良好であることがわかる。
Figure 2018158861
Figure 2018158861

Claims (3)

  1. ボーグ式により算出されたCAおよびCAFの合計量が24%以上、CS量が60〜63%、CS量が8〜11%であり、かつ鉄率(I.M)が1.3以下であるポルトランドセメントクリンカー。
  2. 請求項1記載のポルトランドセメントクリンカーに対して石こうが加えられた水硬性組成物。
  3. 更に石灰石を含んでなり、該石灰石が全組成物当たり1〜25%である請求項2記載の水硬性組成物。
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