JP6824209B2 - タッチパネル用導電性シート、タッチパネル用導電性シートの製造方法、及び、タッチパネル - Google Patents

タッチパネル用導電性シート、タッチパネル用導電性シートの製造方法、及び、タッチパネル Download PDF

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本発明は、タッチパネル用導電性シート、タッチパネル用導電性シートの製造方法、及び、タッチパネルに関する。
近年、スマートフォン、タブレット端末、及び、携帯ゲーム機器等には、画像表示装置と、上記画像表示装置上に配置された多点検出が可能な静電容量方式タッチセンサと、を有するタッチパネルが搭載されることが増えている。このようなタッチパネルの製造に用いられるタッチパネル用導電性シートは、透明な支持体上に、導電部が配置されたものが知られており、その製造方法として、特許文献1には、「支持体と、支持体上に配置された、バインダ及び金属部を含有する導電性細線と、を有し、導電性細線の垂直断面において、導電性細線の支持体側とは反対側の表面Xから支持体側に向かって、導電性細線の表面Xの表面形状に沿った輪郭線を移動させた場合、導電性細線中に含まれる金属部に輪郭線が到達した位置を上端位置として、上端位置から支持体側に向かって100nmまでの領域における金属部の平均面積率VAが1%以上50%未満であり、上端位置よりも支持体側に輪郭線を移動させた場合、導電性細線中で金属部を含まなくなる位置を下端位置として、上端位置と下端位置との中間位置から支持体側に向かって50nm及び表面X側に向かって50nmの領域における金属部の平均面積率VM1が50%以上である、導電性フィルム。」が記載されている。
国際公開第2016−157585号
特許文献1に記載された導電性フィルムは、優れた導電性を有し、タッチパネルに適用した際にも、タッチパネルの使用者からは導電性細線が視認しにくいという優れた特徴を有していた。しかし、本発明者らは特許文献1の導電性フィルムをタッチパネルに適用して検討したところ、画面表示が黒色の際、又は、バックライトが消灯している際に、場合によっては画面が白んで見えることがあることを知見した。
そこで、本発明は、金属部の導電性に優れると共に、画面表示が黒色の際、又は、バックライトが消灯している際に、画面が白みにくい、言い換えれば、より黒く見えるタッチパネルが得られるタッチパネル用導電性シートの提供を課題とする。また、本発明は、タッチパネル用導電性シートの製造方法、及び、タッチパネルを提供することも課題とする。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、以下の構成により上記課題が達成されるのを見出した。
[1] 支持体と、支持体上に配置され、バインダ及び金属部を含有する導電部と、を有するタッチパネル用導電性シートであって、バインダは、第1高分子と、第1高分子よりもガラス転移温度が低い第2高分子とを含有し、導電部の垂直断面において、導電部の支持体側とは反対側の表面Xから支持体側に向かって、導電部の表面Xの表面形状に沿った輪郭線を移動させたとき、導電部に含まれる金属部に輪郭線が到達した位置を上端位置として、上端位置から支持体側に向かって100nmまでの領域における第1高分子及び第2高分子の合計含有量に対する第2高分子の含有量の含有質量比をRとし、上端位置よりも支持体側に輪郭線を移動させたとき、導電部で金属部を含まなくなる位置を下端位置として、上端位置と下端位置との中間位置から支持体側に向かって50nm及び表面X側に向かって50nmの領域における第1高分子及び第2高分子の合計含有量に対する第2高分子の含有量の含有質量比をRとし、下端位置から、表面X側に向って100nmの領域における第1高分子及び第2高分子の合計含有量に対する第2高分子の含有量の含有質量比をRとしたとき、以下の式1及び式2;式1 R<R、式2 R<R、からなる群より選択される少なくとも一方が成り立つ、タッチパネル用導電性シート。
[2] 第2高分子のガラス転移温度が25℃以下である、[1]に記載のタッチパネル用導電性シート。
[3] 金属部が、金、銀、銅、ニッケル、及び、パラジウムからなる群より選択される少なくとも1種の金属を含有する、[1]又は[2]に記載のタッチパネル用導電性シート。
[4] 支持体と導電部との間に易接着層を有し、易接着層上に、導電部に隣接するよう配置された非導電部を更に有し、非導電部の屈折率をRI、易接着層の屈折率をRI、及び、支持体の屈折率をRIとしたとき、以下の式3;式3 RI<RI<RIを満たす、[1]〜[3]のいずれかに記載のタッチパネル用導電性シート。
[5] 金属部が金属銀を含有する[1]〜[4]のいずれかに記載のタッチパネル用導電性シートの製造方法であって、支持体上に、少なくともハロゲン化銀と第1高分子とを含有するハロゲン化銀含有塗布液と、少なくとも第2高分子を含有する組成調整塗布液とを、同時重層塗布して、ハロゲン化銀感光性層を形成する工程Aと、ハロゲン化銀感光性層を露光した後、現像処理して金属銀を含有する導電部を形成する工程Bと、を有するタッチパネル用導電性シートの製造方法。
[6] 組成調整塗布液が更にハロゲン化銀を含有する、[5]に記載のタッチパネル用導電性シートの製造方法。
[7] ハロゲン化銀含有塗布液、及び、組成調整塗布液からなる群より選択される少なくとも1種が更に非金属の微粒子を含有する、[5]又は[6]に記載のタッチパネル用導電性シートの製造方法。
[8] 工程Bの後に、導電部の金属銀同士を互いに融着させる処理を施す工程Fを更に有する、[5]〜[7]のいずれかに記載のタッチパネル用導電性シートの製造方法。
[9] 工程Aの後であって、工程Bの前に、ハロゲン化銀感光性層と、金属吸着性置換基又は金属吸着性構造を有する化合物とを接触させる工程C1を有するか、又は、工程Bの後であって、工程Fの前に、導電部と、化合物とを接触させる工程C2を有する、[8]に記載のタッチパネル用導電性シートの製造方法。
[10] 金属吸着性置換基が、カルボキシル基又はその塩、酸アミド基、アミノ基、イミダゾール基、ピラゾール基、チオール基、チオエーテル基、及び、ジスルフィド基からなる群より選択される少なくとも1種である、[9]に記載のタッチパネル用導電性シートの製造方法。
[11] 工程Bの後であって、工程Fの前に、更に、導電部を圧密化する工程Dを有する、[8]〜[10]のいずれかに記載のタッチパネル用導電性シートの製造方法。
[12] ハロゲン化銀含有塗布液、及び、組成調整塗布液からなる群より選択される少なくとも1種が、更にゼラチンを含有し、工程Bの後であって、工程Dの前に、更に導電部のゼラチンを除去する工程Eを有する、[11]に記載のタッチパネル用導電性シートの製造方法。
[13] 工程Dが、導電部を有する支持体を、少なくとも一対のロール間を加圧下で通過させるカレンダ処理工程である、[11]又は[12]に記載のタッチパネル用導電性シートの製造方法。
[14] [1]〜[4]のいずれかに記載のタッチパネル用導電性シートを有するタッチパネル。
本発明によれば、導電性に優れると共に、画面表示が黒色の際、又は、バックライトが消灯している際に、画面が白みにくい、言い換えれば、より黒く見える(以下、「黒締りがよい」ともいう。)タッチパネルが得られるタッチパネル用導電性シートを提供できる。また、本発明によれば、タッチパネル用導電性シートの製造方法、及び、タッチパネルも提供できる。
本発明の第1の実施形態に係るタッチパネル用導電性シートの断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るタッチパネル用導電性シートの導電部の一部拡大断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るタッチパネル用導電性シートの導電部の一部拡大断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るタッチパネル用導電性シートの導電部の上面図である。 本発明の第1の実施形態の変形例に係るタッチパネル用導電性シートの断面図である。 本発明の第1の実施形態の第2の変形例に係るタッチパネル用導電性シートの断面図である。 同時重層塗布の状況を説明するための断面図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施形態に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に制限されない。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本発明の実施形態に係るタッチパネル用導電性シートは、支持体上に導電部を有し、上記導電部は金属部と、バインダとを含有する。本発明の特徴点の一つは、導電部におけるバインダ組成、及び、その厚み方向における分布を制御している点が挙げられる。
本発明者らは従来技術により作製されたタッチパネル用導電性シートを用いてタッチパネルを作製し、画面表示が黒色の際、又は、バックライトが消灯している際に、画面が白んで見える原因について鋭意検討してきた。その結果、本発明者らは、黒表示の際には、タッチパネルの内部から出射する光と比べて、相対的に外光が強い場合が多く、このような場合に、金属部が外光を反射するために、画面が白んでみえることをつきとめた。
この傾向は、タッチパネル用導電性シートの表裏のうち、タッチパネルに適用した際に使用者側に配置される方(視認側)において、導電部の単位体積当たりの金属の含有量が相対的に多い、(以下、「金属部が高密度である」ともいう。)場合に顕著であることもつきとめた。
本発明の実施形態に係るタッチパネル用導電性シートは、導電部におけるガラス転移温度の異なる2種類のポリマーの分布を制御している。具体的には、導電部の支持体側、及び/又は、反対側の表面Xをそれぞれ含む界面領域中において、相対的に第2高分子(ガラス転移温度のより低い高分子、以下「低Tg高分子」ともいう。)の含有量を多く、導電部の厚み方向の中間領域中において、相対的に第1高分子(ガラス転移温度のより高い高分子、以下「高Tg高分子」ともいう。)の含有量が多くしたものである。これにより、金属部の形態等に起因する外光の反射を抑制している。
外光の反射が抑制される機序としては、必ずしも明らかではないが、低Tg高分子(第2高分子)の含有量がより多い界面領域中においては、金属部が高密度となりにくい(中間領域と比較してより低密度である)ことが推測される。言い換えれば、後述する中間領域と比較して、界面領域では、導電部中におけるバインダの含有量が多くなりやすいものと推測される。これにより、金属部に由来する外光の反射がより抑制されやすいものと推測される。
一方で、高Tg高分子(第1高分子)の含有量がより多い中間領域では、金属部が高密度となりやすいことが推測される。言い換えれば、界面領域と比較して、中間領域では、導電部中におけるバインダの含有量が少なくなりやすいものと推測される。その結果、タッチパネル用導電性シートとしての優れた導電性も維持されるものと推測される。
上記の傾向は、金属部が金属を含有し、加熱等により金属を互いに融着させる処理を施す工程を経て得られるタッチパネル用導電性シートにおいてより顕著である。すなわち、低Tg高分子(第2高分子)の含有量がより多い界面領域中においては、上記の処理によって、金属同士が融着して高密度化する変形に際して、より低いガラス転移温度を有する第2高分子が金属部の変形と同時または先立って変形し、金属同士の微細な空隙へ侵入することによって、金属同士が融着しにくく、結果として高密度になりにくいことが推測される。
一方で、第1高分子の含有量がより多い中間領域中では、金属部の微細な空隙への高分子の侵入が起こりづらいために、金属同士が融着しやすく、結果的に金属部が高密度になりやすく、結果として、タッチパネル用導電性シートとしての優れた導電性も維持されるものと推測される。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係るタッチパネル用導電性シートの第1実施形態について図面を参照して説明する。
図1に、本発明の第1実施形態に係るタッチパネル用導電性シートの第1実施形態の断面図を示した。
タッチパネル用導電性シート10は、支持体12と、支持体12上に配置された導電部14とを含む。なお、図1には、導電部14が2つ記載されているが、その数は特に制限されない。
図2には、導電部14の一部拡大断面図を示す。導電部14は、後述する第1高分子、及び、後述する第2高分子を含有するバインダ16と、バインダ16中に分散した複数の金属部18とを含む。
まず、図2を用いて、第1高分子、及び、第2高分子の分布状態を規定するために用いられる上端位置UP及び下端位置LPについて説明する。
図2に示すような、導電部14の垂直断面(導電部14の表面に垂直な面で切断した際の断面)において、導電部14の表面114A(支持体12側とは反対側の表面、以後、表面Xともいう。)から支持体12側に向かって、導電部14の表面114Aの表面形状に沿った輪郭線を移動させる。つまり、導電部14の表面114Aの表面形状に沿った輪郭線を白抜き矢印の方向に移動させる。
その際、図2に示すように、移動させた輪郭線が、導電部14中の金属部18に到達した位置を上端位置UPとする。ここで輪郭線が金属部18に到達するとは、上記のように輪郭線を移動させた際に、輪郭線が金属部18と初めて接する位置を意図する。
その後、輪郭線を更に上端位置UPよりも支持体12側に移動させ、導電部14中で金属部18を含まなくなる位置を下端位置LPとする。ここで、金属部18を含まなくなる位置とは、その位置から支持体12表面までの間に金属部18が含まれない位置で、最も表面X側の位置を意図する。なお、下端位置LPは、言い換えれば、導電部14の垂直断面において、最も支持体12側にある金属部と上記輪郭線とが最も支持体12側で接する位置に該当する。
図3は、図2と同様に導電部14の一部拡大断面図であり、図2中から金属部18の表示を省略した図面に該当し、図2中の上端位置UP及び下端位置LPと、図3中の上端位置UP及び下端位置LPとは同一の位置にある。
ここで、上端位置UPから支持体12側に向かって100nmまでの領域における第1高分子の含有量及び第2高分子の含有量の合計含有量に対する第2高分子の含有量の含有質量比をRとする。
なお、上端位置UPから支持体12側に向かって100nmの位置とは、上記輪郭線(導電部14の表面114Aの表面形状に沿った輪郭線)を上端位置UPから支持体12側に100nm移動させた位置P1に該当する。つまり、上端位置UPと位置P1との間の距離は100nmに該当する。この上端位置UPと位置P1とで挟まれた領域(以後、上部領域20とも称する)が、上記上端位置UPから支持体12側に向かって100nmまでの領域に該当する。
なお、上記領域における第1高分子及び第2高分子の含有量は、イオンスパッタリングを利用した表面エッチングと、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)による測定を組み合わせた方法により求められる。詳細な測定方法は、実施例に記載したとおりである。
なお、上記領域における第1高分子及び第2高分子の含有量は、イオンスパッタリングを利用した表面エッチングと、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)による測定、または、フーリエ変換赤外分光光度計ATR(Attenuated Total Reflection)法による測定を組み合わせた方法により求められる。詳細な測定方法は、実施例に記載したとおりである。飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)とフーリエ変換赤外分光光度計ATR法は、測定対象の高分子の組成およびその他の混合物の組成に応じて、分離しやすい方法を選択してよい。
本実施形態においては、上記のように、上端位置UPから支持体12側に向かって100nmまでの領域におけるポリマーの分布を調整している。なお、後段で詳述するように、中間領域及び下部領域においても100nmの領域のポリマーの分布を規定している。黒締りのよしあし、言い換えれば、導電部に起因する外光反射の程度は、主に可視光が影響しており、その可視光が影響を受ける領域の大きさとしては、100nm程度が最小単位に該当することを本発明者らは知見している。実際、本明細書で示すように、100nm程度の領域の範囲の組成を調整すれば上記可視光の反射特性、拡散特性、及び、干渉特性を制御することができる。
また、上端位置UPと下端位置LPとの中間位置MPから支持体12側に向かって50nm及び表面114A側に向かって50nmの領域における第1高分子の含有量及び第2高分子の含有量の合計含有量に対する第2高分子の含有量の含有質量比をRとする。
まず、中間位置MPとは、図3に示すように、上端位置UPと下端位置LPとの中間の位置である。また、中間位置MPから支持体12側に向かって50nmの位置とは、輪郭線を中間位置MPから支持体12側に50nm移動させた位置P2に該当する。つまり、中間位置MPと位置P2との間の距離は50nmに該当する。更に、中間位置MPから表面114A側に向かって50nmの位置とは、輪郭線を中間位置MPから表面114A側に50nm移動させた位置P3に該当する。つまり、中間位置MPと位置P3との間の距離は50nmに該当する。よって、この位置P2と位置P3とで挟まれた領域(以後、中間領域22とも称する)が、上記中間位置MPから支持体12側に向かって50nm及び表面114A側に向かって50nmの領域に該当する。
また、下端位置LPから支持体12側に向かって100nmまでの領域における第1高分子の含有量及び第2高分子の含有量の合計含有量に対する第2高分子の含有量の含有質量比をRとする。
なお、下端位置LPから支持体12側に向かって100nmの位置とは、上記輪郭線(導電部12の表面114Aの表面形状に沿った輪郭線)を下端位置LPから表面114A側に100nm移動させた位置P4に該当する。つまり、下端位置LPと位置P4との間の距離は100nmに該当する。この下端位置LPと位置P4とで挟まれた領域(以後、下部領域24とも称する)が、上記下端位置LPから支持体12側に向かって100nmまでの領域に該当する。
本発明の実施形態に係るタッチパネル用導電性シートにおいて、上記R、R、及び、Rは以下の式1及び式2;
式1 R<R
式2 R<R
からなる群より選択される少なくとも一方が成り立つ。
式1が成り立つ状態とは、導電部の上部領域における第2高分子(低Tg高分子)の含有質量比が、導電部の中間領域における第2高分子の含有質量比よりも大きいことを表わしている。式1が成り立つタッチパネル用導電性シートでは、上部領域の金属部がより高密度ではない(より低密度である、より疎である、導電部の単位体積あたりの金属の含有量が相対的に少ない)ため、このようなタッチパネル用導電性シートは、特に支持体と反対側の表面Xを視認側(使用者側)とするタッチパネルに適用することが好ましい。
また、式2が成り立つ状態とは、導電部の下部領域における第2高分子の含有質量比が、導電部の中間領域における第2高分子の含有質量比よりも大きいことを表わしている。式2が成り立つタッチパネル用導電性シートでは、下部領域の金属部がより高密度ではない(より低密度である、より疎である、導電部の単位体積あたりの金属の含有量が相対的に少ない)ため、このようなタッチパネル用導電性シートは、特に、支持体を視認側(使用者側)とするタッチパネルに適用することが好ましい。
タッチパネル用導電性シートにおいては、式1及び式2のいずれもが成り立ってもよい。このようなタッチパネルにおいては、中間領域における第2高分子(低Tg高分子)の含有質量比より、上部領域、及び、下部領域のそれぞれにおける第2高分子の含有質量比の方が大きく、上部領域、及び、下部領域の金属部がより高密度でない(より低密度である)ため、このようなタッチパネル用導電性シートは、タッチパネルに適用する際、表裏のどちら側を視認側としても、優れた黒締りを有するタッチパネルが得られる。
タッチパネル用導電性シートにおいては、式1及び式2のいずれか一方が成り立つことが好ましい。このような場合、式1が成り立つ場合には、表面X側を、式2が成り立つ場合には支持体側を視認側(使用者側)としてタッチパネルに適用することにより、より黒締りに優れたタッチパネルが得られる。また、この場合、タッチパネル用導電性シートがより優れた導電性を有する点でもより好ましい。
以下、本発明の実施形態に係るタッチパネル用導電性シートを構成する各部材について説明する。
〔支持体〕
支持体は、導電部を支持できればその種類は制限されず、透明支持体であることが好ましく、特にプラスチックシートが好ましい。
支持体を構成する材料の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)(258℃)、ポリシクロオレフィン(134℃)、ポリカーボネート(250℃)、アクリルフィルム(128℃)、ポリエチレンナフタレート(PEN)(269℃)、ポリエチレン(PE)(135℃)、ポリプロピレン(PP)(163℃)、ポリスチレン(230℃)、ポリ塩化ビニル(180℃)、ポリ塩化ビニリデン(212℃)やTAC(290℃)などの融点が約290℃以下であるプラスチックフィルムが好ましく、特に、PET、ポリシクロオレフィン、ポリカーボネートが好ましい。( )内の数値は融点である。支持体の全光線透過率は、85%〜100%であることが好ましい。
支持体の厚みは特に制限されないが、一般に、25〜500μmが好ましい。なお、タッチパネル用導電性シートが支持体の機能の他にタッチ面の機能をも兼ねる場合は、500μmを超えた厚みで設計することも可能である。
支持体の好適態様の一つとしては、大気圧プラズマ処理、コロナ放電処理、及び紫外線照射処理からなる群から選択される少なくとも一つの処理が施された処理済支持体が挙げられる。上記処理が施されることにより、処理済支持体表面にはOH基などの親水性基が導入され、導電部の密着性がより向上する。
〔導電部〕
導電部は、バインダ、及び、バインダ中に分散した金属部を含有する。
上記バインダは第1高分子と、第1高分子よりもガラス転移温度が低い第2高分子を含有する。なお、本明細書において、ポリマーのガラス転移温度は、示差走査熱量分析(DSC)法によって測定したガラス転移温度を意味する。
第1高分子及び第2高分子は、ゼラチンとは異なるポリマーが好ましく、ゼラチンを分解する酸化剤で分解しないポリマーが好ましい。
第1高分子及び第2高分子としては、例えば、疎水性ポリマー(疎水性樹脂)などが挙げられ、より具体的には、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリジエン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、セルロース系重合体及びキトサン系重合体、からなる群から選ばれる少なくともいずれかの樹脂、又は、これらの樹脂を構成する単量体からなる共重合体等が挙げられる。
また、ポリマーには、後述する架橋剤と反応する反応性基が含まれることが好ましい。
ポリマーとしては、以下の式A、B、C、及び、Dからなる群より選択される少なくとも1種の単位を有することが好ましい。
中でも、第1高分子としては、よりガラス転移温度を低く制御しやすい観点から、式A、B、C、及び、Dからなる群より選択される1種の単位からなる重合体が好ましく、
B、C、及び、Dからなる群より選択される少なくとも1種の単位からなる重合体がより好ましく、式Dで表される単位からなる重合体が更に好ましい。
1は、メチル基又はハロゲン原子を表し、好ましくはメチル基、塩素原子、臭素原子を表す。pは0〜2の整数を表し、0又は1が好ましく、0がより好ましい。
2は、メチル基又はエチル基を表し、メチル基が好ましい。
3は、水素原子又はメチル基を表し、水素原子が好ましい。Lは、2価の連結基を表し、下記一般式(2)で表される基が好ましい。
一般式(2):−(CO−X1)r−X2
式中X1は、酸素原子又は−NR30−を表す。ここでR30は、水素原子、アルキル基、アリール基、又はアシル基を表し、それぞれ置換基(例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシル基など)を有してもよい。R30は、好ましくは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−ブチル基、n−オクチル基など)、アシル基(例えば、アセチル基、ベンゾイル基など)である。X1として特に好ましいのは、酸素原子又は−NH−である。
2は、アルキレン基、アリーレン基、アルキレンアリーレン基、アリーレンアルキレン基、又は、アルキレンアリーレンアルキレン基を表し、これらの基には−O−、−S−、−OCO−、−CO−、−COO−、−NH−、−SO2−、−N(R31)−、−N(R31)SO2−等が途中に挿入されてもよい。ここでR31は炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、メチル基、エチル基、及び、イソプロピル基等がある。X2の好ましい例として、ジメチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基、−CH2CH2OCOCH2CH2−、及び、−CH2CH2OCO(C64)−等が挙げられる。
rは0又は1を表す。
qは0又は1を表し、0が好ましい。
4は、炭素数1〜80のアルキル基、アルケニル基、又は、アルキニル基を表し、第1高分子としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、第2高分子としては、炭素数5〜50のアルキル基が好ましく、炭素数5〜30のアルキル基がより好ましく、炭素数5〜20のアルキル基が更に好ましい。
5は、水素原子、メチル基、エチル基、ハロゲン原子、又は、−CH2COOR6を表し、水素原子、メチル基、ハロゲン原子、又は、−CH2COOR6が好ましく、水素原子、メチル基、又は、−CH2COOR6が更に好ましく、水素原子が特に好ましい。
6は、水素原子又は炭素数1〜80のアルキル基を表し、R4と同じでも異なってもよく、R6の炭素数は1〜70が好ましく、1〜60がより好ましい。
第1高分子及び2の他の好適形態としては、水分の浸入をより防止できる点より、以下の一般式(1)で表されるポリマー(共重合体)が挙げられる。
一般式(1): −(A)x−(B)y−(C)z−(D)w−
なお、一般式(1)中、A、B、C、及びDはそれぞれ、すでに説明した上記繰り返し単位を表す。
一般式(1)中、x、y、z、及びwは各繰り返し単位のモル比率を表す。
xとしては、3〜60モル%、好ましくは3〜50モル%、より好ましくは3〜40モル%である。
yとしては、30〜96モル%、好ましくは35〜95モル%、より好ましくは40〜90モル%である。
zとしては0.5〜25モル%、好ましくは0.5〜20モル%、より好ましくは1〜20モル%である。
wとしては、0.5〜40モル%、好ましくは0.5〜30モル%である。
一般式(1)において、xは3〜40モル%、yは40〜90モル%、zは0.5〜20モル%、wは0.5〜10モル%の場合が特に好ましい。
一般式(1)で表されるポリマーとしては、下記一般式(2)及び一般式(3)で表されるポリマーが好ましい。
一般式(2)中、x、y、z及びwは、上記の定義の通りである。
上記式中、a1、b1、c1、d1、及びe1は各モノマー単位のモル比率を表し、a1は3〜60(モル%)、b1は30〜95(モル%)、c1は0.5〜25(モル%)、d1は0.5〜40(モル%)、e1は1〜10(モル%)を表す。
a1の好ましい範囲は上記xの好ましい範囲と同じであり、b1の好ましい範囲は上記yの好ましい範囲と同じであり、c1の好ましい範囲は上記zの好ましい範囲と同じであり、d1の好ましい範囲は上記wの好ましい範囲と同じである。
e1は1〜10モル%であり、好ましくは2〜9モル%であり、より好ましくは2〜8モル%である。
一般式(1)で表されるポリマーの重量平均分子量は、1000〜100万が好ましく、2000〜75万がより好ましく、3000〜50万が更に好ましい。
一般式(1)で表されるポリマーは、例えば、特許第3305459号及び特許第3754745号公報などを参照して合成することができる。
なお、第1高分子及び第2高分子のガラス転移温度としては特に制限されないが、より優れた本発明の効果を有するタッチパネル用導電性シートが得られる点で、第1高分子のガラス転移温度としては、0℃以上が好ましく、25℃以上がより好ましく、40℃を超えることが更に好ましい。上限としては特に制限されないが、一般に120℃以下が好ましい。
また、第2高分子のガラス転移温度としては特に制限されないが、40℃以下が好ましく、25℃以下がより好ましく、25℃未満が更に好ましく、0℃以下が特に好ましく、0℃未満が最も好ましい。下限としては特に制限されないが、一般に−50℃以上が好ましい。
第1高分子のガラス転移温度と、第2高分子のガラス転移温度の差(絶対値)としては特に制限されないが、一般に20〜100℃が好ましい。第1高分子のガラス転移温度と、第2高分子のガラス転移温度の差(絶対値)が上記範囲内だと、タッチパネル用導電性シートはより優れた本発明の効果を有する。
導電部における金属部は、導電部の導電特性を担保する部分であり、金属部は金属により構成される。金属部を構成する金属としては、導電特性がより優れる点で、金(金属金)、銀(金属銀)、銅(金属銅)、ニッケル(金属ニッケル)、及び、パラジウム(金属パラジウム)からなる群より選択される少なくとも1種の金属が好ましい。
なお、図2においては、金属部が粒子状になって導電部に分散した形態を記載しているが、金属部の形態としては上記に制限されず、金属部が層状となって導電部に分散した形態であってもよい。
導電部には上記以外の材料が含有されていてもよい。上記以外の材料としては、例えば、非金属の微粒子が挙げられる。非金属の微粒子としては、例えば、樹脂粒子、及び、金属酸化物粒子等が挙げられ、金属酸化物粒子が好ましい。
金属酸化物粒子としては、例えば、酸化ケイ素粒子、及び、酸化チタン粒子等が挙げられる。
非金属の微粒子の平均粒子径としては特に制限されないが、球相当径で1〜1000nmが好ましく、10〜500nmがより好ましく、20〜200nmが更に好ましい。上記範囲内であれば、タッチパネル用導電性シートはより優れた透明性を有しやすく、かつ、より優れた導電性を有しやすい。
非金属の微粒子の球相当径は、透過型電子顕微鏡を用いて、任意の50個分の球相当径を算出し、それらを算術平均したものである。
導電部の形状は特に制限されないが、タッチパネルに適用した際により優れたタッチ位置の検出性能が得られるように、線状(直線、曲線、及び、これらの組み合わせ等)であるのが好ましい。この際、導電部の線幅は特に制限されないが、導電部の導電特性及び視認しづらさのバランスの点から、30μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましく、10μm以下が更に好ましく、5μm以下が特に好ましく、4μm以下が最も好ましく、0.5μm以上が好ましく、1.0μm以上がより好ましい。
導電部の厚みは特に制限されないが、薄型化と導電特性のバランスの点で、200μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましく、10μm以下が更に好ましく、0.3〜5μmであることが特に好ましく、0.5〜5μmであることが最も好ましい。
導電部はパターンを形成していてもよい。パターンとしては、例えば、正三角形、二等辺三角形、直角三角形などの三角形、正方形、長方形、菱形、平行四辺形、台形などの四角形、(正)六角形、(正)八角形などの(正)n角形、円、楕円、星形などを組み合わせた幾何学図形であることが好ましく、メッシュ状(メッシュパターン)であることがより好ましい。メッシュ状とは、図4に示すように、交差する導電部14により構成される複数の正方形状の開口部(格子)26を含んでいる形状を意図する。
開口部26の一辺の長さPaは特に制限されないが、1500μm以下が好ましく、1300μm以下がより好ましく、1000μm以下であることが更に好ましく、5μm以上が好ましく、30μm以上がより好ましく、80μm以上が更に好ましい。開口部の辺の長さが上記範囲である場合には、更に透明性も良好に保つことが可能であり、導電性フィルムを表示装置の前面にとりつけた際に、違和感なく表示を視認することができる。
可視光透過率の点から、導電部により形成されるメッシュパターンの開口率は85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることが更に好ましい。開口率とは、導電部がある領域を除いた支持体上の領域が全体に占める割合に相当する。
<第1実施形態の変形例>
図5には、本実施形態に係るタッチパネル用導電性シートの変形例を示した。図5のタッチパネル用導電性シートは、支持体12上に既に説明した導電部14が配置され、更に支持体12上に、導電部14に隣接するよう配置された非導電部51を有する。図5のタッチパネル用導電性シートは、非導電部51を3つ有するが、本実施形態に係るタッチパネル用導電性シートとしては上記に制限されない。
非導電部の厚みとしては特に制限されないが、一般に、導電部の厚み以下が好ましい。
非導電部の材料としては特に制限されないが、金属部を含有しないこと以外は、導電部の材料と同様であることが好ましい。そのようにすることで、より優れた本発明の効果を有するタッチパネル用導電性シートが得られる。
<第1実施形態の変形例2>
図6には、本実施形態に係るタッチパネル用導電性シートの第2変形例を示した。図6のタッチパネル用導電性シートは、支持体12と導電部14との間に更に、易接着層61を有し、易接着層61上に導電部14に隣接するよう配置された非導電部51を有する。
タッチパネル用導電性シートが易接着層を有することにより、支持体12と導電部14との密着性がより向上し、より優れた耐久性を有するタッチパネル用導電性シートが得られやすい。
このとき、各部材の屈折率の関係としては特に制限されないが、タッチパネルに適用した際にもより外光を反射しにくい点で、非導電部の屈折率RI、易接着層の屈折率RI、及び、支持体の屈折率RIとの間に、以下の式3;
式3 RI<RI<RI
が成り立つことが好ましい。
各層の屈折率としては特に制限されないが、非導電部の屈折率RIとしては1.40〜1.75が好ましく、1.40〜1.55がより好ましい。易接着層の屈折率RIとしては1.40〜1.75が好ましく、1.40〜1.55がより好ましい。支持体の屈折率RIとしては1.40〜1.75が好ましく、1.40〜1.55がより好ましい。
なお、支持体の屈折率は、アッベ屈折率計(アタゴ(株)製アッベ屈折計)で光源をナトリウムランプ(Na−D線、589nm)として、マウント液はヨウ化メチレンを用い、23℃、相対湿度65%下で、試料の直交する2つの方向、もしくは長手方向と幅方向を測定し、それらの値の平均値で求める。各層の屈折率は、測定用に各層の乾膜を独立に作製し、基材と同様に、アッベ屈折率計で測定する。
易接着層の材料としては特に制限されず、公知の易接着層の材料が使用できる。易接着層としては特に制限されず、たとえば特開2008−208310号公報に記載の第1接着層の好適な適用例を、好適に用いることができる。
易接着層の厚みは特に制限されないが、支持体と、導電部との密着性がより向上する点で、0.02〜0.3μmが好ましい。
支持体、易接着層、及び、非導電部の屈折率を調整する方法としては特に制限されないが、例えば、各部材に対して、既に説明した非金属の微粒子を含有させる方法が挙げられる。
本実施形態に係るタッチパネル用導電性フィルムは、静電容量方式のタッチパネルに用いられることが好ましい。
なお、本実施形態に係るタッチパネル用導電性シートは、パーソナルコンピュータやワークステーション等から発生する電波又はマイクロ波(極超短波)等の電磁波を遮断し、かつ静電気を防止する電磁波シールドとして用いることもできる。なお、パソコン本体に使用される電磁波シールド以外にも、映像撮影機器や電子医療機器などで使用される電磁波シールドとしても用いることができる。
また、本実施形態に係るタッチパネル用導電性シートは、透明発熱体としても用いることができる。
〔第1実施形態に係るタッチパネル用導電性シートの製造方法〕
本実施形態に係るタッチパネル用導電性シートの製造方法としては特に制限されず、既に説明したR、R、及び、Rの関係を満たすようなタッチパネル用導電性シートが得られればよい。なかでも、金属部が銀(金属銀)を含有する場合、より優れた生産性が得られる点で以下工程を有する方法が好ましい。
・工程A:
支持体上に、少なくともハロゲン化銀と第1高分子とを含有するハロゲン化銀含有塗布液と、少なくとも第2高分子を含有する組成調整塗布液とを、同時重層塗布して、ハロゲン化銀感光性層を形成する工程。
・工程B:
ハロゲン化銀感光性層を露光した後、現像処理して金属銀を含有する導電部を形成する工程。
以下では、各工程について詳述する。
<工程A>
工程Aは、支持体上に、少なくともハロゲン化銀と第1高分子とを含有するハロゲン化銀含有塗布液と、少なくとも第2高分子を含有する組成調整塗布液とを、同時重層塗布して、ハロゲン化銀感光性層を形成する工程である。
なお、同時重層塗布する場合の各塗布液の積層順序としては特に制限されない。ただし、支持体側から、ハロゲン化銀含有塗布液、及び、組成調整塗布液をこの順に積層した場合には、式1を満たすタッチパネル用導電性シートが得られやすい。逆に、支持体側から、組成調整塗布液、及び、ハロゲン化銀含有塗布液をこの順に積層した場合には、式2を満たすタッチパネル用導電性シートが得られやすい。更に、組成調整塗布液、ハロゲン化銀含有塗布液、及び、組成調整塗布液をこの順に積層した場合には、式1、及び、式2を満たすタッチパネル用導電性シートが得られやすい。
なお、本明細書では、「支持体上に塗布」とは、支持体表面上に直接塗布する場合、及び、支持体上に別途層が配置され、その層上に塗布する場合も含める。
本工程では、ハロゲン化銀を含むハロゲン化銀含有塗布液と、ハロゲン化銀を含まない組成調整塗布液とを同時重層塗布しているため、両者の塗布液より形成される2層の塗膜の界面にて成分の拡散が進行する。より具体的には、図7に示すように、支持体12上に配置されるハロゲン化銀含有塗布液から形成される塗膜28(以後、塗膜Aとも称する)中から、組成調整塗布液から形成される塗膜30(以後、塗膜Bとも称する)中に一部のハロゲン化銀32、及び、第1高分子の拡散が進行する。その結果、塗膜B中の塗膜A側の領域にはハロゲン化銀、及び、第1高分子が含まれ、その含有量は、塗膜A中のハロゲン化銀、及び、第1高分子の含有量よりも少ない。
塗膜B中の塗膜A側の領域(以下「領域W」ともいう。)には、塗膜Aから移動したハロゲン化銀が含有されるため、後述する工程Bを経た後、この領域Wは、導電部における上部領域を形成することとなる。このとき、導電部のうち、領域Wにおいては第1高分子の含有量及び第2高分子の含有量の合計量に対する第2高分子の含有量の含有質量比が、中間領域のRよりも大きくなりやすい。
なお、ハロゲン化銀含有塗布液は、少なくともハロゲン化銀と第1高分子とを含有すればよく、第2高分子を更に含有してもよい。この場合、ハロゲン化銀含有塗布液中における第1高分子の含有量及び第2高分子の含有量に対する第2高分子の含有質量比は、組成調整塗布液中における第1高分子の含有量及び第2高分子の含有量に対する第2高分子の含有質量比よりも小さいことが好ましい。
また、組成調整塗布液は、少なくとも第2高分子を含有すればよく、ハロゲン化銀、及び/又は、第1高分子を更に含有してもよい。組成調整塗布液が更にハロゲン化銀を含有する場合、その含有量としては特に制限されないが、ハロゲン化銀含有塗布液中におけるハロゲン化銀の含有量より、組成調整塗布液中におけるハロゲン化銀の含有量の方が少ないことが好ましい。そのようにすることで、より外光反射の少ないタッチパネル用導電性シートが得られやすい。
組成調整塗布液が更に第1高分子を含有する場合、組成調整塗布液中における第1高分子の含有量及び第2高分子の含有量に対する第1高分子の含有質量比は、ハロゲン化銀含有塗布液における第1高分子の含有量及び第2高分子の含有量に対する第1高分子の含有質量比よりも小さいことが好ましい。
ハロゲン化銀含有塗布液に含有されるハロゲン化銀としては特に制限されず、公知のハロゲン化銀が使用できる。ハロゲン化銀に含有されるハロゲン元素は、塩素、臭素、ヨウ素及びフッ素のいずれであってもよく、これらを組み合わせでもよい。例えば、塩化銀、臭化銀、又は、ヨウ化銀を主体としたハロゲン化銀が好ましく用いられ、更に臭化銀又は塩化銀を主体としたハロゲン化銀が好ましく用いられる。塩臭化銀、沃塩臭化銀、又は、沃臭化銀もまた好ましく用いられる。より好ましくは、塩臭化銀、臭化銀、沃塩臭化銀、又は、沃臭化銀であり、最も好ましくは、塩化銀50モル%以上を含有する塩臭化銀、又は、沃塩臭化銀が用いられる。
なお、ここで、「臭化銀を主体としたハロゲン化銀」とは、ハロゲン化銀組成中に占める臭化物イオンのモル分率が50%以上のハロゲン化銀をいう。この臭化銀を主体としたハロゲン化銀粒子は、臭化物イオンのほかに沃化物イオン、塩化物イオンを含有していてもよい。
ハロゲン化銀は固体粒子状であり、ハロゲン化銀の平均粒子サイズは、球相当径で0.1〜1000nm(1μm)であることが好ましく、0.1〜300nmであることがより好ましく、1〜200nmであることが更に好ましい。
なお、ハロゲン化銀粒子の球相当径とは、粒子形状が球形の同じ体積を有する粒子の直径である。
ハロゲン化銀粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状、立方体状、平板状(6角平板状、三角形平板状、4角形平板状など)、八面体状、及び、14面体状など様々な形状であることができる。
また、ハロゲン化銀の安定化又は高感化のために用いられるロジウム化合物、イリジウム化合物などのVIII族、VIIB族に属する金属化合物、パラジウム化合物の利用については、特開2009−188360号の段落0039〜段落0042の記載を参照することができる。更に化学増感については、特開2009−188360号の段落0043の技術記載を参照することができる。
ハロゲン化銀含有塗布液に含有され、組成調整塗布液に含有されることがある第1高分子、及び、組成調整塗布液に含有され、ハロゲン化銀含有塗布液に含有されることがある第2高分子の形態としては既に説明したとおりであるため、説明は省略する。
ハロゲン化銀含有塗布液、及び、組成調整塗布液は、ハロゲン化銀、第1高分子、及び、第2高分子以外の成分を含有していてもよく、それらの成分はハロゲン化銀含有塗布液、及び、組成調整塗布液において共通であり、以下に説明するとおりである。
ハロゲン化銀含有塗布液、及び、組成調整塗布液は、更にゼラチンを含有してもよい。
ゼラチンの種類は特に制限されず、例えば、石灰処理ゼラチンの他、酸処理ゼラチンを用いてもよく、ゼラチンの加水分解物、ゼラチン酵素分解物、及び、アミノ基又はカルボキシル基を修飾したゼラチン(フタル化ゼラチン、アセチル化ゼラチン)を使用することもできる。
ハロゲン化銀含有塗布液、及び、組成調整塗布液は、更に溶媒を含有してもよい。使用される溶媒としては、例えば、水、有機溶媒(例えば、メタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、ホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、酢酸エチル等のエステル類、エーテル類等)、イオン性液体、及び、これらの混合溶媒を挙げることができる。
ハロゲン化銀含有塗布液、及び、組成調整塗布液には、必要に応じて、上述した材料以外の他の材料が含まれていてもよい。例えば、上記第1高分子及び第2高分子を架橋するために使用される架橋剤が含まれることが好ましい。架橋剤が含まれることによりポリマー間での架橋が進行し、後述する工程においてゼラチンが分解除去された際にも金属銀同士の連結が保たれ、結果として導電特性がより優れる。
ハロゲン化銀含有塗布液と組成調整塗布液とを同時重層塗布する方法は特に制限されず、公知の方法を採用することができ、例えば、ダイ塗布方式を用いることが好ましい。ダイ塗布方式にはスライド塗布方式、エクストルージョン塗布方式、カーテン塗布方式があるが、スライド塗布方式又はエクストルージョン塗布が好ましく、薄層塗布適性が高いエクストルージョン塗布が最も好ましい。
なお、上記同時重層塗布する際には、上述したタッチパネル用導電性フィルムの第1実施態様の形態が得られやすい点から、所定の基板上に塗布した際に形成される膜(表面膜)の乾燥厚みが300nm以上となるような組成の第2高分子を含有する組成調整塗布液を使用することが好ましい。
また、同時重層塗布を実施した後、得られた塗膜に対して、必要に応じて、乾燥処理を施してもよい。乾燥処理を実施することにより、ハロゲン化銀含有塗布液より得られる塗膜及び組成調整塗布液より得られる塗膜に含まれる溶媒を容易に除去することができる。
上記処理により、ハロゲン化銀を含有する感光性層を支持体上に形成することができる。なお、本明細書では、上記「ハロゲン化銀を含有する感光性層」を「ハロゲン化銀感光性層」、又は、単に「感光性層」ということがある。
<工程B>
工程Bは、ハロゲン化銀感光性層を露光した後、現像処理して金属銀を含有する導電部を形成する工程である。
本工程により、ハロゲン化銀が還元され、金属銀を含む導電部が形成される。なお、通常、露光処理はパターン状に実施され、露光部では金属銀を含む導電部が形成される。一方、非露光部では、後述する現像処理によってハロゲン化銀が溶出される。上記ゼラチン及び上記高分子を含む非導電部が形成される。非導電部には実質的に金属銀が含まれておらず、非導電部とは導電性を示さない領域を意図する。
以下では、本工程で実施される露光処理と現像処理とについて詳述する。
露光処理は、感光性層に露光を行う処理である。感光性層に対してパターン状の露光を施すことにより、露光領域における感光性層中のハロゲン化銀が潜像を形成する。この潜像が形成された領域は、後述する現像処理によって導電部を形成する。一方、露光がなされなかった未露光領域では、後述する現像処理の際にハロゲン化銀が溶解して感光性層から流出し、透明な膜(非導電部)が得られる。
露光の際に使用される光源は特に制限されず、可視光線、紫外線などの光、又は、X線などの放射線などが挙げられる。
パターン露光を行う方法は特に制限されず、例えば、フォトマスクを利用した面露光で行ってもよいし、レーザービームによる走査露光で行ってもよい。なお、パターンの形状は特に制限されず、形成したい導電部のパターンに合わせて適宜調整される。
現像処理の方法は特に制限されないが、例えば、銀塩写真フイルム、印画紙、印刷製版用フイルム、及び、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる通常の現像処理の技術を用いることができる。
現像処理の際に使用される現像液の種類は特に制限されないが、例えば、PQ(phenidone hydroquinone)現像液、MQ(Metol hydroquinone)現像液、及び、MAA(メトール・アスコルビン酸)現像液等を用いることもできる。
現像処理は、未露光部分の銀塩を除去して安定化させる目的で行われる定着処理を含むことができる。定着処理は、銀塩写真フイルム、印画紙、印刷製版用フイルム、及び、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる定着処理の技術を用いることができる。
定着工程における定着温度は、約20℃〜約50℃が好ましく、25〜45℃がより好ましい。また、定着時間は5秒〜1分が好ましく、7秒〜50秒がより好ましい。
現像、定着処理を施した感光性層は、水洗処理及び安定化処理を施されるのが好ましい。
本実施形態に係るタッチパネル用導電性シートの製造方法は、上記工程A及び工程B以外のその他の工程を有していてもよい。
その他の工程としては、例えば、
工程Bの後に、導電部の金属銀同士を互いに融着させる工程F;
工程Aの後であって、工程Bの前に、ハロゲン化銀感光性層と、金属吸着性置換基又は金属吸着性構造を有する化合物(以下、「特定化合物」ともいう。)と、を接触させる工程C1;
工程Bの後であって、工程Fの前に、導電部と特定化合物とを接触させる工程C2;
工程Bの後であって、工程Fの前に、更に、導電部を圧密化する工程D;
ハロゲン化銀含有塗布液、及び、組成調整塗布液からなる群より選択される少なくとも1種が、ゼラチンを含有する場合に、工程Bの後であって、工程Dの前に、導電部中のゼラチンを除去する工程E;
等が挙げられる。また、その他の工程としては、後述する易接着層形成工程等も挙げられる。以下では、その他の工程について説明する。
(工程F)
工程Fは、工程Bの後に、導電部の(導電部に含有される)金属銀同士を互いに融着させる工程である。本工程により、金属銀同士が融着する結果、より優れた導電性を有する導電部を備えたタッチパネル用導電性シートが得られる。
加熱の方法としては特に制限されないが、より優れた本発明の効果を有するタッチパネル用導電性シートが得られる点で、導電部を有する支持体を過熱蒸気に接触させる処理が挙げられる。
過熱蒸気としては特に制限されず、過熱水蒸気でよいし、過熱水蒸気に他のガスを混合させたものでもよい。
過熱蒸気は、供給時間10〜300秒の範囲で導電部に接触させることが好ましい。供給時間が10秒以上であると、導電率の向上が大きい。また、300秒以下だと、十分に導電率が向上するため、経済性の点からより好ましい。
また、過熱蒸気は、供給量が500〜600g/m3の範囲で導電部に接触させることが好ましく、過熱蒸気の温度は、1気圧で100〜160℃に制御されることが好ましい。
加熱処理の他の方法としては、80〜150℃での加熱処理が挙げられる。
加熱時間は特に制限されないが、上記効果がより優れる点で、0.1〜5.0時間が好ましく、0.5〜1.0時間がより好ましい。
(工程C1)
工程C1は、工程Aの後であって、工程Bの前に実施され、ハロゲン化銀感光性層と、特定化合物とを接触させる工程である。本工程によって、後段の工程Bにおいて生じた金属銀同士がより融着しにくくなる。本工程においては、ハロゲン化銀感光性層に特定化合物を接触させるため、ハロゲン化銀感光性層のより表面に近い領域(界面領域)において、金属銀同士が融着しにくくなるという効果を有する。従って、特に後段の工程によって得られる導電部において、界面領域において金属銀同士の融着がより阻害されやすく、結果として、より優れた黒締りを有するタッチパネル用導電性シートが得られやすい。また、この場合であっても、導電部の中間領域においては、十分に金属銀同士が融着するものと考えられ、優れた導電性を有するタッチパネル用導電性シートが得られる。
本発明の実施形態に係るタッチパネル用導電性シートの製造方法は、工程C1又は後述する工程C2を有することが好ましく、工程C1及び工程C2を有していてもよい。
特定化合物とハロゲン化銀感光性層を接触させる方法としては特に制限されないが、典型的には特定化合物が溶解、及び/又は、分散された溶液と、ハロゲン化銀感光性層とを接触させる方法が挙げられる。また、特定化合物を含有する気体と、ハロゲン化銀感光性
層とを接触させる方法であってもよい。
特定化合物を含有する溶液とハロゲン化銀感光性層とを接触させる方法としては特に制限されないが、溶液にハロゲン化銀感光性層を浸漬させる方法、及び、ハロゲン化銀感光性層に溶液を塗布する方法等が挙げられ、溶液にハロゲン化銀感光性層を浸漬させる方法がより好ましい。溶液にハロゲン化銀感光性層を浸漬させる方法は、より簡便な装置で、より安定的に実施でき、また、浸漬後に洗浄すれば、余剰の溶液をより容易に除去できるため、好ましい。
また、ハロゲン化銀感光性層と、金属吸着性部位を有する化合物を含有する気体、及び/又は、溶液とを接触させる方法は、ハロゲン化銀感光性層の表面において、金属銀が上記化合物に吸着されやすいという特徴も有する。これにより、導電部の表面において金属銀が互いに融着するのがより阻害されやすい。
特定化合物は、金属吸着性置換基又は金属吸着性構造(以下、これらをあわせて「金属吸着性部位」ともいう。)を有する化合物である。
金属吸着性置換基としては、特に制限されないが、より優れた本発明の効果を有するタッチパネル用導電性シートが得られる点で、金属吸着性置換基としては、カルボキシル基又はその塩、酸アミド基、アミノ基、イミダゾール基、ピラゾール基、チオール基、チオエーテル基、及び、ジスルフィド基からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
金属吸着性構造としては特に制限されないが、含窒素ヘテロ環が好ましく、5又は6員環アゾール類が好ましく、5員環アゾール類がより好ましい。
含窒素ヘテロ環としては、例えば、テトラゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、セレナジアゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズイミダゾール環、ピリミジン環、トリアザインデン環、テトラアザインデン環、ベンゾインダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ピリジン環、キノリン環、ピペリジン環、ピペラジン環、キノキサリン環、モルホリン環、及び、ペンタアザインデン環等が挙げられる。
これらの環は、置換基を有してもよく、置換基としては、ニトロ基、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、及び、臭素原子)、シアノ基、置換もしくは無置換のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基、及び、シアノエチル基の各基)、アリール基(例えば、フェニル基、4−メタンスルホンアミドフェニル基、4−メチルフェニル基、3,4−ジクロルフェニル基、及び、ナフチル基の各基)、アルケニル基(例えば、アリル基)、アラルキル基(例えば、ベンジル基、4−メチルベンジル基、及び、フェネチル基の各基)、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、及び、p−トルエンスルホニル基の各基)、カルバモイル基(例えば、無置換カルバモイル基、メチルカルバモイル基、及び、フェニルカルバモイル基の各基)、スルファモイル基(例えば、無置換スルファモイル基、メチルスルファモイル基、及び、フェニルスルファモイル基の各基)、カルボンアミド基(例えば、アセトアミド基、及び、ベンズアミド基の各基)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基、及び、p−トルエンスルホンアミド基の各基)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、及び、ベンゾイルオキシ基の各基)、スルホニルオキシ基(例えば、メタンスルホニルオキシ基)、ウレイド基(例えば、無置換ウレイド基、メチルウレイド基、エチルウレイド基、及び、フェニルウレイド基の各基)、アシル基(例えば、アセチル基、及び、ベンゾイル基の各基)、オキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、及び、フェノキシカルボニル基の各基)、及び、ヒドロキシル基等が挙げられる。置換基は、一つの環に複数置換してもよい。
上記化合物としては含窒素6員環を有する化合物(含窒素6員環化合物)が好ましく、含窒素6員環化合物としては、トリアジン環、ピリミジン環、ピリジン環、ピロリン環、ピペリジン環、ピリダジン環、又は、ピラジン環を有する化合物が好ましく、トリアジン環又はピリミジン環を有する化合物がより好ましい。これらの含窒素6員環化合物は置換基を有していてもよく、置換基としては、炭素数1〜6(好ましくは1〜3)のアルキル基、炭素数1〜6(好ましくは1〜3)のアルコキシ基、水酸基、カルボキシル基、メルカプト基、炭素数1〜6(好ましくは1〜3)のアルコキシアルキル基、及び、炭素数1〜6(好ましくは1〜3)のヒドロキシアルキル基が挙げられる。
含窒素6員環化合物の具体例としては、トリアジン、メチルトリアジン、ジメチルトリアジン、ヒドロキシエチルトリアジン、ピリミジン、4−メチルピリミジン、ピリジン、及び、ピロリンが挙げられる。
上記化合物は、金属吸着性部位の1種を単独で有しても、2種以上を有してもよいが、更に優れた本発明の効果を有するタッチパネル用導電性シートが得られる点で、上記化合物は、2種以上の金属吸着性部位を有していることが好ましい。
(工程C2)
工程C2は、工程Bの後であって、工程Fの前に実施され、導電部と、特定化合物とを接触させる工程である。本工程によって、導電部の(導電部に含まれる)金属銀同士がより融着しにくくなる。本工程においては、導電部に特定化合物を接触させるため、導電部のより表面に近い領域(界面領域)において、金属銀同士が融着しにくくなるという効果を有する。従って、導電部の界面領域において金属銀同士の融着がより阻害されやすく、結果として、より優れた黒締りを有するタッチパネル用導電性シートが得られやすい。また、この場合であっても、導電部の中間領域においては、十分に金属銀同士が融着するものと考えられ、優れた導電性を有するタッチパネル用導電性シートが得られる。
なお、本工程において、導電部と特定化合物とを接触させる方法、及び、特定化合物の形態等については、既に説明した工程C1における各形態と同様であるため、説明を省略する。
(工程D)
工程Dは、工程Bの後であって上記工程Fの前に、導電部を圧密化する工程である。本工程によって、導電部の導電性がより向上するとともに、導電部の支持体への密着性がより向上しやすい。
導電部を圧密化する方法としては特に制限されないが、例えば、導電部を有する支持体を、少なくとも一対のロール間を加圧下で通過させるカレンダ処理工程が好ましい。以下、カレンダーロールを用いた圧密化処理をカレンダ処理と記す。
カレンダ処理に用いられるロールとしては、プラスチックロール及び金属ロールが挙げられる。シワ防止の点からプラスチックロールが好ましい。ロール間の圧力としては特に制限されない。ロール間の圧力は、富士フイルム株式会社製プレスケール(高圧用)を用いて測定できる。
カレンダ処理に用いられるロールの表面粗さRaは、得られる導電部がより視認されにくい点で、0〜2.0μmが好ましく、0.3〜1.0μmがより好ましい。
圧密化処理の温度は特に制限されないが、10℃(温調なし)〜100℃が好ましく、導電部のパターンの画線密度、形状、及び、バインダ種によって異なるが、10℃(温調なし)〜50℃がより好ましい。
(工程E)
ハロゲン化銀含有塗布液、及び、組成調整塗布液からなる群より選択される少なくとも1種が、ゼラチンを含有する場合に、工程Eは、工程Bの後であって、工程Dの前に、導電部(導電部に含有される)のゼラチンを除去する工程である。ゼラチンを除去することにより、結果として導電部の金属銀の含有量が相対的に高まるため、より優れた導電性を有する導電部が得られる。
工程Eはゼラチンの全部を除去する工程であってもよいし、ゼラチンの一部を除去する工程であってもよい。また、工程Eにおいては、導電部に加えて、支持体上の導電部以外の部分(例えば、非導電部)からゼラチンを除去してもよい。
ゼラチンを除去する方法としては特に制限されないが、例えば、タンパク質分解酵素を用いて分解除去する方法、及び、所定の酸化剤を用いて分解除去する方法が挙げられる。
なお、タンパク質分解酵素を用いてゼラチンを分解除去する方法としては、例えば、特開2014−209332号公報の段落0084〜0077に記載の方法を採用できる。
また、酸化剤を用いてゼラチンを分解除去する方法としては、例えば、特開2014−112512号公報の段落0064〜0066に記載の方法を採用できる。
(易接着層形成工程)
易接着層形成工程は、工程Aの前に、支持体上に易接着層(以下、「下塗り層」ともいう。)を形成し、易接着層(下塗り層)付き支持体を得る工程である。支持体上に下塗り層を形成する方法としては特に制限されないが、支持体上に下塗り層形成用組成物を塗布する方法が挙げられる。下塗り層形成工程では、形成される下塗り層が、隣接する他の層(支持体、及び、非導電部等)との間で、屈折率の差の絶対値がより小さくなるよう、調整されることが好ましい。下塗り層と隣接する他の層との間の屈折率の差を調整する方法としては特に制限されないが、各層の形成に用いられる組成物中に含有される各成分の種類を調整する方法が挙げられる。
易接着層を形成する方法としては特に制限されないが、易接着層形成用組成物を支持体上に塗布して、必要に応じて加熱処理を施す方法が挙げられる。易接着層形成用組成物は、溶媒を含有してもよい。溶媒の種類は特に制限されず、ハロゲン化銀含有塗布液等が含有することがある溶媒として既に説明したとおりである。
易接着層の厚みは特に制限されないが、支持体と、ハロゲン化銀感光性層及び導電部との密着性がより向上する点で、0.02〜0.3μmが好ましい。
易接着層としては特に制限されず、たとえば特開2008−208310号公報に記載の第1接着層の好適な適用例を、好適に用いることができる。
以下に実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、及び、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例1]
(ハロゲン化銀乳剤の調製)
30℃、pH4.5に保たれた下記1液に、下記の2液及び3液のそれぞれ90体積%に相当する量を攪拌しながら同時に20分間にわたって加え、0.12μmの核粒子を形成した。続いて下記の4液及び5液を8分間にわたって加え、更に、下記の2液及び3液の残りの10%の量を2分間にわたって加え、0.15μmまで成長させた。更に、ヨウ化カリウム0.15gを加え、5分間熟成し粒子形成を終了した。
1液:
水 750ml
ゼラチン 9g
塩化ナトリウム 3g
1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−チオン 20mg
ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム 10mg
クエン酸 0.7g
2液:
水 300ml
硝酸銀 150g
3液:
水 300ml
塩化ナトリウム 38g
臭化カリウム 32g
ヘキサクロロイリジウム(III)酸カリウム
(0.005%KCl 20%水溶液) 8ml
ヘキサクロロロジウム酸アンモニウム
(0.001%NaCl 20%水溶液) 10ml
4液:
水 100ml
硝酸銀 50g
5液:
水 100ml
塩化ナトリウム 13g
臭化カリウム 11g
黄血塩 5mg
その後、常法に従い、フロキュレーション法によって水洗した。具体的には、温度を35℃に下げ、硫酸を用いてハロゲン化銀が沈降するまでpHを下げた(pH3.6±0.2の範囲であった)。次に、上澄み液を約3リットル除去した(第1水洗)。更に3リットルの蒸留水を加えてから、ハロゲン化銀が沈降するまで硫酸を加えた。再度、上澄み液を3リットル除去した(第2水洗)。第二水洗と同じ操作を更に1回繰り返して(第3水洗)、水洗・脱塩工程を終了した。水洗・脱塩後の乳剤をpH6.4、pAg7.5に調整し、ゼラチン3.9g、ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム10mg、ベンゼンチオスルフィン酸ナトリウム3mg、チオ硫酸ナトリウム15mgと塩化金酸10mgを加え55℃にて最適感度を得るように化学増感を施し、安定剤として1,3,3a,7−テトラアザインデン100mg、防腐剤としてプロキセル(商品名、ICI Co.,Ltd.製)100mgを加えた。最終的に得られた乳剤は、沃化銀を0.08モル%含み、塩臭化銀の比率を塩化銀70モル%、臭化銀30モル%とする、平均粒子径0.15μm、変動係数10%のヨウ塩臭化銀立方体粒子乳剤であった。
(ハロゲン化銀含有塗布液1の調製)
上記乳剤に1,3,3a,7−テトラアザインデン1.2×10−4モル/モルAg、ハイドロキノン1.2×10−2モル/モルAg、クエン酸3.0×10−4モル/モルAg、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩0.90g/モルAg、微量の硬膜剤を添加し、クエン酸を用いて塗布液pHを5.6に調整した。
上記塗布液に、含有するゼラチンに対して、下記(P−1)で表され、示差走査熱量測定(DSC)で測定したガラス転移温度が+45℃であるポリマー(「第1高分子」に該当し、以後、単に「P−1」ともいう。)とジアルキルフェニルPEO硫酸エステルからなる分散剤と水とを含有するポリマーラテックス1(分散剤/ポリマーの質量比が2.0/100=0.02、固形分濃度:22質量%)を、P−1/ゼラチン(質量比)=0.2/1になるように添加した。ここで、ハロゲン化銀含有塗布液1において、ハロゲン化銀の質量に対するP−1の質量の比R1(P−1/ハロゲン化銀)は0.024であった。
更に、架橋剤としてEPOXY RESIN DY 022(商品名:ナガセケムテックス社製)を添加した。なお、架橋剤の添加量は、後述する感光性層中における架橋剤の量が0.09g/mとなるように調整した。
以上のようにしてハロゲン化銀含有塗布液1を調製した。
なお、上記(P−1)で表されるP−1は、特許第3305459号及び特許第3754745号を参照して合成した。
(下塗り層付き支持体の準備)
40μmの二軸配向PET支持体の片面に、後述する下塗り層形成用組成物1を、乾燥後の膜厚が60nmになるように塗布し、90℃で1分間乾燥させて、下塗り層付き支持体を作製した。なお、下塗り層の膜厚はアンリツ社製の電子マイクロ膜厚計で測定した。
(下塗り層形成用組成物1(硬化性組成物1))
下記の成分を混合し、下塗り層形成用組成物1を調製した。
・アクリル系ポリマー 66.4質量部
(AS−563A、ダイセルファインケム(株)製、固形分:27.5質量%)
・カルボジイミド系架橋剤 16.6質量部
(カルボジライトV−02−L2、日清紡(株)製、固形分:10質量%)
・コロイダルシリカ 4.4質量部
(スノーテックスXL、日産化学(株)製、固形分:10質量%水希釈)
・滑り剤:カルナバワックス 27.7質量部
(セロゾール524、中京油脂(株)製、固形分:3質量%水希釈)
・界面活性剤:アニオン性界面活性剤 23.3質量部
(ラピゾールA−90、日油(株)製、固形分:1質量%水溶液)
・界面活性剤:ノニオン性界面活性剤 14.6質量部
(ナロアクティーCL95、三洋化成工業(株)製、固形分:1質量%水溶液)
・蒸留水 847.0質量部
(ハロゲン化銀感光性層形成工程(その1))
次に、下塗り層付き支持体の下塗り層上に、下塗り層側から順に、後述の組成調整塗布液1と、上記ハロゲン化銀含有塗布液1と、後述の組成調整塗布液2とを、塗液流量比(組成調整塗布液1/ハロゲン化銀含有塗布液1/組成調整塗布液2)25/25/5で同時重層塗布し、支持体上にハロゲン化銀感光性層を形成した。これを、シートAとした。
なお、組成調整塗布液1は、上記ポリマーラテックス1とゼラチンとを混合質量比(P−1の質量/ゼラチンの質量)2/1で混合し、更に、光学濃度が約1.0で現像液のアルカリにより脱色する染料を含有する混合物からなる組成物である。また、組成調整塗布液1は、この組成調整塗布液1より形成される層中のP−1量(塗設量)が0.65g/mとなるように濃度調整された。なお、組成調整塗布液1より形成される層には、染料が含まれるためアンチハレーションの機能を有する。
また、組成調整塗布液2は、下記(P−2)で表される繰り返し単位からなり、示差走査熱量測定(DSC)で測定したガラス転移温度が−20℃であるポリマー(「第2高分子」に該当し、以下「P−2」ともいう。)とジアルキルフェニルPEO硫酸エステルからなる分散剤と水とを含有するポリマーラテックス2(分散剤/ポリマーの質量比が7.5/100=0.075、固形分濃度:20質量%)を、ポリマーラテックス2とゼラチンとを混合質量比(P−2/ゼラチン)2/1で混合した組成物である。また、組成調整塗布液2は、この組成調整塗布液2より形成される層中のゼラチン量が0.10g/mとなるように濃度調整した。
(P−2)
また、ハロゲン化銀含有塗布液1より形成される層中においては、銀量6.2g/mとなるように塗布した。
(露光現像工程)
上記シートAの片面上(ハロゲン化銀感光性層側)に、開口線幅2μm、ピッチ300μmの正方型メッシュパターンのフォトマスクを介し、高圧水銀ランプを光源とした平行光を用いて露光を行った。露光後、下記の現像液で現像し、更に定着液(商品名:CN16X用N3X−R、富士フイルム社製)を用いて現像処理を行った。更に、純水でリンスし、乾燥することで、Agを含む導電部(線幅2μm)からなる導電性メッシュと、これに隣接するゼラチン及びポリマーを含む層(非導電部)とが形成された支持体を得た。なお、ゼラチン及びポリマーを含む層はAgを含む導電部間に形成されていた。得られたシートをシートBとする。
(現像液の組成)
現像液1リットル(L)中に、以下の化合物が含まれる。
ハイドロキノン 0.037mol/L
N−メチルアミノフェノール 0.016mol/L
メタホウ酸ナトリウム 0.140mol/L
水酸化ナトリウム 0.360mol/L
臭化ナトリウム 0.031mol/L
メタ重亜硫酸カリウム 0.187mol/L
(ゼラチン分解処理)
シートBを、タンパク質分解酵素(ナガセケムテックス社製ビオプラーゼAL−15FG)の水溶液(タンパク質分解酵素の濃度:0.5質量%、液温:40℃)へ120秒間浸漬した。シートBを水溶液から取り出し、温水(液温:50℃)に120秒間浸漬し、洗浄して、Agを含有する導電部(線幅3μm)からなる導電性メッシュと、ゼラチン及びP−1を含有する層、並びに、ゼラチン及びP−2を含有する層とから、ゼラチンが除去された非導電部を有するシートCを得た。
(カレンダ処理)
上記シートCに対して、金属ローラと樹脂製のローラとの組み合わせによるカレンダ装置を使用して、30kNの圧力でカレンダ処理した。得られたシートをシートDとした。
(融着処理)
上記シートDを、150℃の過熱水蒸気槽を120秒間かけて通過させて、加熱した。得られたシートをシートE(タッチパネル用導電性シートに該当する)とした。
(成分分布の測定)
導電部の厚み方向に沿ってTOF−SIMS(Time-of-Flight Secondary Ion Mass Spectrometry、アルゴンGCIB:ガスクラスターイオンビーム)を用いて成分分布を測定した。P−1及びP−2はあらかじめ標準物質として測定しておき、成分分布を判断するためのイオン種を選定した。まず、支持体側とは反対側の表面からイオンビームで掘削しながら、測定を繰り返し、厚み方向における成分分布のプロファイルを得た。具体的には、金属銀の検出が始まる深さ(厚さ)近傍の領域(上部領域)、金属銀の検出が終わる深さ(厚み)近傍の下部領域、及び、中間領域が検出され、各領域における、P−1の及びP−2の含有量の合計に対する、P−2の含有量の含有質量比を表1に示した。
[実施例2]
実施例1において、組成調整塗布液1の代わりに下記組成調整塗布液1−2を使用し、組成調整塗布液2の代わりに下記組成調整塗布液2−2を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてタッチパネル用導電性シートを得た。
(組成調整塗布液1−2の調製方法)
組成調整塗布液1−2は、ポリマーラテックス2とゼラチンとを混合質量比(第2高分子/ゼラチン)2/1で混合し、更に、光学濃度が約1.0で現像液のアルカリにより脱色する染料を含有する混合物からなる組成物である。また、組成調整塗布液1−2は、この組成調整塗布液1−2より形成される層中のP−2量(塗設量)が0.65g/m2となるように濃度調整した。なお、組成調整塗布液1−2より形成される層には、染料が含まれるためアンチハレーションの機能を有する。
(組成調整塗布液2−2の調製方法)
組成調整塗布液2−2は、ポリマーラテックス1とゼラチンとを混合質量比(P−1/ゼラチン)2/1で混合した組成物である。また、組成調整塗布液2−2は、この組成調整塗布液2−2より形成される層中のゼラチン量が0.10g/mとなるように濃度調整した。
[実施例3]
(融着阻害処理)
実施例1において、カレンダ処理工程と融着処理工程の間の工程として、融着阻害処理工程を実施したこと以外は実施例1と同様にして、タッチパネル用導電性シートを得た。融着阻害処理工程における融着阻害処理とは、上記シートDを下記化合物Aの0.3重量%水溶液30℃に120秒間浸漬し、流水で90秒間洗浄し、65℃15分間乾燥させる工程である。
(化合物A)
[実施例4]
実施例3のハロゲン化銀感光性層形成工程において、下塗り層付き支持体を作製する際に使用した、「下塗り層形成用組成物1(硬化性組成物1)」に代えて、後述の下塗り層形成用組成物2(硬化性組成物2)を、乾燥後の膜厚が100nmになるように支持体上に塗布し、90℃で1分間乾燥させて、下塗り層付き支持体を作製したこと以外は実施例3と同様にして、タッチパネル用導電性シートを得た。
タッチパネル用導電性シートは、支持体、下塗り層(易接着層)、アンチハレーション層、非導電部の順に、1.64、1.58、1.49、1.49の屈折率(波長:589nm)を有していた。
なお、実施例1〜3のタッチパネル用導電性シートは、支持体、下塗り層(易接着層)、アンチハレーション層、非導電部の順に、1.64、1.49、1.49、1.49の屈折率(波長:589nm)を有していた。
また、実施例5〜7のタッチパネル用導電性シートは、支持体、下塗り層(易接着層)、アンチハレーション層、非導電部の順に、1.64、1.58、1.49、1.49の屈折率(波長:589nm)を有していた。
(下塗り層形成用組成物2(硬化性組成物2)の組成)
下塗り層形成用組成物2の組成は下記のとおりである。
・アクリル系ポリマー:25.6質量部
(「AS−563A」、ダイセルファインケム株式会社製、固形分:27.5質量%)
・ポリエステル系ポリマー:21.2質量部
(「プラスコートZ−690」、互応化学工業株式会社製、固形分:25.0質量%)
・カルボジイミド系架橋剤:22.0質量部
(「カルボジライトV−02−L2」、日清紡株式会社製、固形分:10質量%)
・コロイダルシリカ:3.2質量部
(「スノーテックスZL」、日産化学工業株式会社製、固形分:10質量%、水希釈液)
・滑り剤:18.5質量部
(カルナバワックス、「セロゾール524」、中京油脂株式会社製、固形分:3質量%、水希釈液)
・アニオン性界面活性剤:58.2質量部
(「ラピゾールA−90」、日油株式会社製、固形分:1質量%、水溶液)
・ノニオン性界面活性剤:73.2質量部
(「ナロアクティーCL95」、三洋化成工業株式会社製、固形分:1質量%、水溶液)
・蒸留水:778.2質量部
[実施例5]
実施例4において、下塗り層付き支持体の下塗り層上に、下塗り層側から順に、組成調整塗布液1と、ハロゲン化銀含有塗布液1と、ハロゲン化銀含有塗布液2と、組成調整塗布液2とを、塗液流量比(組成調整塗布液1/ハロゲン化銀含有塗布液1/ハロゲン化銀含有塗布液2/組成調整塗布液2)25/25/10/5で同時重層塗布し、支持体上にハロゲン化銀感光性層を形成したこと以外は、実施例4と同様にして、タッチパネル用導電性シートを得た。
(ハロゲン化銀含有塗布液2の調製)
実施例1に記載の乳剤に純水を加えて10倍希釈し、更に、含有するゼラチンに対して、4倍当量のゼラチンを添加し、更に、ポリマーラテックス2を、P−2/ゼラチン(質量比)=0.4/1になるように添加した。クエン酸を用いて塗布液pHを5.6に調整した。ここで、ハロゲン化銀含有塗布液2において、ハロゲン化銀の質量に対するP−2の質量の比R2(P−2/ハロゲン化銀)は0.24であった。
[実施例6]
実施例4において、下塗り層付き支持体の下塗り層上に、下塗り層側から順に、組成調整塗布液1−2と、ハロゲン化銀含有塗布液2と、ハロゲン化銀含有塗布液1と、組成調整塗布液2−2とを、塗液流量比(組成調整塗布液1−2/ハロゲン化銀含有塗布液2/ハロゲン化銀含有塗布液1/組成調整塗布液2−2)25/10/25/5で同時重層塗布し、支持体上にハロゲン化銀感光性層を形成したこと以外は、実施例4と同様にして、タッチパネル用導電性シートを得た。
[実施例7]
実施例4において、下塗り層付き支持体の下塗り層上に、下塗り層側から順に、組成調整塗布液1−2と、ハロゲン化銀含有塗布液2と、ハロゲン化銀含有塗布液1と、ハロゲン化銀含有塗布液2と、組成調整塗布液2とを、塗液流量比(組成調整塗布液1−2/ハロゲン化銀含有塗布液2/ハロゲン化銀含有塗布液1/ハロゲン化銀含有塗布液2/組成調整塗布液2)25/10/25/10/5で同時重層塗布し、支持体上にハロゲン化銀感光性層を形成したこと以外は、実施例4と同様にして、タッチパネル用導電性シートを得た。
[比較例1]
実施例1において、組成調整塗布液2の代わりに上記組成調整塗布液2−2を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてタッチパネル用導電性シートを得た。
[比較例2]
比較例1において、ポリマーラテックス1の代わりに、ポリマーラテックス2を使用したこと以外は、比較例1と同様にしてタッチパネル用導電性シートを得た。
(評価1)
タッチパネル用導電性シートの表面抵抗値を測定した。測定は DELCOM INSTRUMENTS社製CONDUCTANCE MONITOR MODEL717Bを用いて測定した。結果を以下の基準により評価した。表面抵抗値が小さい方が導電性が高く、タッチパネル用導電性シートとしては優れた性能を有することを示す。
A:表面抵抗値が20Ω/sq.未満である。
B:表面抵抗値が20Ω/sq.以上、50Ω/sq.未満である。
C:表面抵抗値が50Ω/sq.以上、70Ω/sq.未満である。
D:表面抵抗値が70Ω/sq.以上である。
なお、Ω/sq.はohms per square(Ω毎スクエア)表す。
(評価2)
レノボ社製YOGA Tablet2−830Lを液体窒素に浸漬して粘着材の粘着性を失活させた後に、分解してディスプレーとカバーガラスを取りだした。更に、ディスプレーとカバーガラスを、酢酸エチルを含ませたウエスで擦り、粘着材を落とした。取り出したディスプレーとカバーガラスの間に3M社製透明粘着フィルム8146−4を用いて、上記タッチパネル用導電性シートを貼り合わせて積層し、視認性評価用モジュールを作製した(なお、貼り合わせの構成は、ディスプレー/粘着フィルム/透明導電性フィルム/粘着フィルム/カバーガラスである。)。なお、タッチパネル用導電性シートにおける上部領域側が視認面側に配置されるモジュール(言い換えれば、支持体と反対側の表面が視認面側に配置されるモジュール)と、下部領域側が視認面側に配置されるモジュール(言い換えれば、支持体が視認面側に配置されるモジュール)とを、それぞれ作製し、評価した。上部領域側が視認面側に配置されるモジュールは、タッチパネル用導電性フィルムの上部領域側をカバーガラス側に向けて貼り合わせた。一方、下部領域側が視認面側に配置されるモジュールは、タッチパネル用導電性シートの下部領域側をカバーガラス側に向けて貼り合わせた。
次に、得られたモジュールを、ディスプレー消灯状態で、三波長蛍光灯の光の照射角度、距離、及び、観察角度を種々変えながら目視観察し、ディスプレーのビューエリアの黒締りのよさを官能評価した。官能評価にあたり、黒締り良好な基準サンプルとして、透明導電性フィルムを貼り合わせないモジュール(貼り合わせ構成;ディスプレー/粘着フィルム/カバーガラス)を作製し、この黒締りを10点(良好)とした。また、最も黒締りの悪かった比較例1のタッチパネル用導電性シートの下部領域側が視認面側に配置されたモジュールの黒締りを1点(不良)とした。任意の6名で、それぞれ、上記の10点と1点の基準サンプルを元に、黒締りの官能評価値を点数付けした。6名による点数付けの平均値を元に、下記のランク付けを行い、評価値とした。
AAA: 9点以上10点以下
AA: 8点以上9点未満
A: 7点以上8点未満
B: 6点以上7点未満
C: 5点以上6点未満
D: 5点未満
表1には、各タッチパネル用導電性シートの各領域における、P−1及びP−2の合計含有量に対するP−2の含有量の含有質量比、評価1、及び、評価2の結果を示した。
なお、表1において「第2高分子/(第1高分子+第2高分子)」欄には、所定の領域における第1高分子及び第2高分子の合計含有量に対する第2高分子の含有量の含有質量比を示した。また、「融着阻害処理」欄には、ハロゲン化銀感光性層又は導電部と特定化合物とを接触させる工程の有無を示した。また、「下塗屈折率調整」欄には、非導電部の屈折率をRI、易接着層(下塗り層)の屈折率をRI、及び、支持体の屈折率をRIとしたとき、式3;RI<RI<RIが成り立つよう下塗り層形成用組成物の組成を調整したものを「あり」とし、それ以外を「なし」とした。また、「表面抵抗」欄には、評価1の結果と、「黒締り」欄には、評価2の結果を、各タッチパネル用導電性シートの上部領域側を視認側とした際の結果、及び、下部領域側を視認側とした場合の結果を示した。
表1に記載した結果から、R、R、及び、Rが既に説明した式1又は式2を満たす実施例1〜実施例7に係るタッチパネル用導電性シートは、優れた導電性を有するとともに、タッチパネルに適用した際、画面がより黒く見える(優れた黒締りを有する)ことがわかった。
一方、比較例1及び比較例2のタッチパネル用導電性シートは、上記式1及び式2のいずれも満たさず、所望の効果が得られなかった。
また、R<Rを満たす実施例1のタッチパネル用導電性シートは上部領域側を視認側とした場合に、より優れた黒締りを有することがわかった。
一方、R<Rを満たす実施例2のタッチパネル用導電性シートは下部領域側を視認側とした場合に、より優れた黒締りを有することがわかった。
また、カレンダ処理工程(導電部を圧密化する工程D)の後であって、融着処理工程(導電部の金属銀同士を互いに融着させる処理を施す工程F)の前に、融着阻害処理工程(導電部と特定化合物とを接触させる工程C2)を有する方法により製造された実施例3のタッチパネル用導電性シートは、上記工程C2(及び工程C1)を有さない製造方法により製造された実施例1のタッチパネル用導電性シートと比較して、より優れた黒締りを有していた。
また、支持体と導電部との間に易接着層を有し、易接着層上に導電部に隣接するように配置された非導電部を更に有し、非導電部の屈折率をRI、易接着層の屈折率をRI、及び、支持体の屈折率をRIとしたとき、式3 RI<RI<RIを満たす、実施例4のタッチパネル用導電性シートは、実施例1のタッチパネル用導電性シートと比較して更に優れた黒締りを有していた。
また、式1及び式2の両方を満たす、実施例7のタッチパネル用導電性シートは、上部領域を視認側とした場合、及び、下部領域を視認側とした場合のいずれの場合も、特に優れた黒締りを有していた。
一方で、式1及び式2のいずれか一方を満たす、実施例1及び実施例2のタッチパネル用導電性シートは、表面抵抗値がより低く優れた導電性を有するとともに、上部又は下部領域の一方側を視認側とした場合に優れた黒締りを有していた。
[実施例8]
組成調整塗布液2の代わりに組成調整塗布液2−3を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてタッチパネル用導電性シートを得た。
なお、組成調整塗布液2−3は、日本合成化学社製モビニールLDM7523とゼラチンとを混合質量比(モビニールLDM7523固形分/ゼラチン)2/1で混合した組成物である。また、組成調整塗布液2−3は、この組成調整塗布液2−3より形成される層中のゼラチン量が0.10g/mとなるように濃度調整した。モビニールLDM7523の固形分の示差走査熱量測定(DSC)で測定したガラス転移温度は+17℃であった。
[実施例9]
組成調整塗布液2の代わりに組成調整塗布液2−4を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてタッチパネル用導電性シートを得た。
なお、組成調整塗布液2−4は、日本ゼオン株式会社製Nipol LX415Mとゼラチンとを混合質量比(Nipol LX415M固形分/ゼラチン)2/1で混合した組成物である。また、組成調整塗布液2−4は、この組成調整塗布液2−4より形成される層中のゼラチン量が0.10g/mとなるように濃度調整した。Nipol LX415Mの固形分の示差走査熱量測定(DSC)で測定したガラス転移温度は+27℃であった。
実施例8及び実施例9により得られたタッチパネル用導電性シートについて、上述した(評価2)の方法により黒締りを評価し、結果を表2に示した。また、あわせて、実施例1及び比較例1の各タッチパネル用導電性シートの評価結果も表2に示した。なお、表2中において、官能平均とあるのは、官能評価の平均値を表わし、判定あとあるのは、黒締りの評価結果を表すものであり、評価は上部領域側を視認側として行った。
表2に示した結果から、第2高分子のガラス転移温度が25℃である、実施例1及び実施例8のタッチパネル用導電性シートは、第2高分子のガラス転移温度が27℃以上である実施例9のタッチパネル用導電性シートと比較して、より優れた黒締りを有していた。
10 タッチパネル用導電性シート
12 支持体
14 導電部
16 バインダ
18 金属部
114A 表面
26 開口部
51 非導電部
61 易接着層

Claims (14)

  1. 支持体と、前記支持体上に配置され、バインダ及び金属部を含有する導電部と、を有するタッチパネル用導電性シートであって、
    前記バインダは、第1高分子と、第1高分子よりもガラス転移温度が低い第2高分子とを含有し、
    前記導電部の垂直断面において、前記導電部の前記支持体側とは反対側の表面Xから前記支持体側に向かって、前記導電部の前記表面Xの表面形状に沿った輪郭線を移動させたとき、前記導電部に含まれる前記金属部に前記輪郭線が到達した位置を上端位置として、前記上端位置から前記支持体側に向かって100nmまでの領域における前記第1高分子及び前記第2高分子の合計含有量に対する前記第2高分子の含有量の含有質量比をRとし、
    前記上端位置よりも前記支持体側に前記輪郭線を移動させたとき、前記導電部で前記金属部を含まなくなる位置を下端位置として、前記上端位置と前記下端位置との中間位置から前記支持体側に向かって50nm及び前記表面X側に向かって50nmの領域における前記第1高分子及び前記第2高分子の合計含有量に対する前記第2高分子の含有量の含有質量比をRとし、
    前記下端位置から、前記表面X側に向って100nmの領域における前記第1高分子及び前記第2高分子の合計含有量に対する前記第2高分子の含有量の含有質量比をRとしたとき、
    以下の式1及び式2;
    式1 R<R
    式2 R<R
    からなる群より選択される少なくとも一方が成り立つ、タッチパネル用導電性シート。
  2. 前記第2高分子のガラス転移温度が25℃以下である、請求項1に記載のタッチパネル用導電性シート。
  3. 前記金属部が、金、銀、銅、ニッケル、及び、パラジウムからなる群より選択される少なくとも1種の金属を含有する、請求項1又は2に記載のタッチパネル用導電性シート。
  4. 前記支持体と前記導電部との間に易接着層を有し、
    前記易接着層上に、前記導電部に隣接するよう配置された非導電部を更に有し、
    前記非導電部の屈折率をRI、前記易接着層の屈折率をRI、及び、前記支持体の屈折率をRIとしたとき、以下の式3;
    式3 RI<RI<RI
    を満たす、請求項1〜3のいずれか一項に記載のタッチパネル用導電性シート。
  5. 前記金属部が金属銀を含有する請求項1〜4のいずれか一項に記載のタッチパネル用導電性シートの製造方法であって、
    支持体上に、少なくともハロゲン化銀と第1高分子とを含有するハロゲン化銀含有塗布液と、少なくとも第2高分子を含有する組成調整塗布液とを、同時重層塗布して、ハロゲン化銀感光性層を形成する工程Aと、
    前記ハロゲン化銀感光性層を露光した後、現像処理して金属銀を含有する導電部を形成する工程Bと、を有するタッチパネル用導電性シートの製造方法。
  6. 前記組成調整塗布液が更にハロゲン化銀を含有する、請求項5に記載のタッチパネル用導電性シートの製造方法。
  7. 前記ハロゲン化銀含有塗布液、及び、前記組成調整塗布液からなる群より選択される少なくとも1種が更に非金属の微粒子を含有する、請求項5又は6に記載のタッチパネル用導電性シートの製造方法。
  8. 前記工程Bの後に、前記導電部の前記金属銀同士を互いに融着させる処理を施す工程Fを更に有する、請求項5〜7のいずれか一項に記載のタッチパネル用導電性シートの製造方法。
  9. 前記工程Aの後であって、前記工程Bの前に、前記ハロゲン化銀感光性層と、金属吸着性置換基又は金属吸着性構造を有する化合物とを接触させる工程C1を有するか、又は、
    前記工程Bの後であって、前記工程Fの前に、前記導電部と、前記化合物とを接触させる工程C2を有する、請求項8に記載のタッチパネル用導電性シートの製造方法。
  10. 前記金属吸着性置換基が、カルボキシル基又はその塩、酸アミド基、アミノ基、イミダゾール基、ピラゾール基、チオール基、チオエーテル基、及び、ジスルフィド基からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項9に記載のタッチパネル用導電性シートの製造方法。
  11. 前記工程Bの後であって、前記工程Fの前に、更に、前記導電部を圧密化する工程Dを有する、請求項8〜10のいずれか一項に記載のタッチパネル用導電性シートの製造方法。
  12. 前記ハロゲン化銀含有塗布液、及び、前記組成調整塗布液からなる群より選択される少なくとも1種が、更にゼラチンを含有し、
    前記工程Bの後であって、前記工程Dの前に、更に前記導電部のゼラチンを除去する工程Eを有する、請求項11に記載のタッチパネル用導電性シートの製造方法。
  13. 前記工程Dが、前記導電部を有する前記支持体を、少なくとも一対のロール間を加圧下で通過させるカレンダ処理工程である、請求項11又は12に記載のタッチパネル用導電性シートの製造方法。
  14. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のタッチパネル用導電性シートを有するタッチパネル。
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