JP6235993B2 - フィルム材料および導電材料の製造方法 - Google Patents

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本発明は、支持体上に複数の金属配線を有する導電材料の表面形状を制御するためのフィルム材料、およびこれを用いた導電材料の製造方法に関し、特に表示装置等の表示画面に設置しても金属配線部が見えにくく、しかも電気抵抗が低い導電材料の製造に用いるフィルム材料およびその導電材料の製造方法に関する。
金属は高い導電率を有するため、導電層素材として用いるのには好適である一方、可視光を強く反射するため、電極パターンが見えることが致命的となるような用途、例えば、タッチパネル等には不向きであり、それらの用途にはITO(IndiumTinOxide)等の透明導電性酸化物が用いられてきた。
しかしながら、金属はITO等の酸化物に比べて、パターニングがしやすく、屈曲性に優れ、抵抗が低い等の利点があるため、タッチパネル等において、導電膜に用いられるITOの代替素材としての検討が続けられている。近年、金属を用いた導電膜(以下、単に金属の導電膜ともいう)の見えが細線化または電極パターンの工夫によって、ある程度低減できることが見出されている。
金属の導電膜の細線化の最たるものの例としては、特許文献1等に記載の金属ナノワイヤーを用いる透明導電膜、および写真感材の技術を応用し、銀塩乳剤層を有する感光材料を露光、現像処理することで作製される透明導電膜等が挙げられる。これらの技術では、金属微粒子間の接点が多いこと等の理由で、金属本来の電気抵抗よりも、金属の導電膜の電気抵抗が高くなってしまう問題点があった。
その解決のために、従来から、カレンダ処理(特許文献2)、光融着(非特許文献1)等の技術開発が盛んに行われているが、それらの方法では、金属反射が強調されて、金属の導電膜で形成した電極パターンが見えやすくなるという問題点があった。
上述の金属の導電膜で形成された電極パターンを見えにくくする技術としては、例えば、特許文献3に、導電性パターン層の表面に厚みが0.01〜0.5μmの黒化層を積層することで、導電性パターンの反射を防止する方法が開示されている。しかしながら、特許文献3の技術では、原理的に導電性の低下を避けることができないという問題点があった。なお、反射防止膜に防眩性を付与する技術が従来から知られている(特許文献4および5参照)。
特表2009−505358号公報 特開2009−4726号公報 特開2011−82211号公報 特開2005−70435号公報 特開2004−4404号公報
Journal of Electronic Materials, 2011, 40, 2268-2277, J.S.Kang, J.Ryu, H.S.Kim, H.T.Hahn, Sintering of Inkjet-Printed Silver Nanoparticles at Room Temperature Using Intense Pulsed Light
上述のように、金属の導電膜で形成された電極パターンでは、金属特有の光反射のため、透明導電膜として用いた場合、金属の導電膜は視認されやすい。金属の導電膜の見えを抑制するために、細線化またはパターンの工夫が行われているが、電気抵抗が高くなる傾向にあった。そこで、低抵抗化のためにカレンダ処理等で金属の密度を高くすると光反射が顕著に増大する。このように、金属の導電膜が見えにくくなることと、低抵抗化の両立が困難であった。さらには、金属の導電膜が見えにくくなることと、低抵抗化の両立を実現するための製造方法もないのが現状である。なお、金属の導電膜で形成された電極パターンが見えにくくなることを、視認性が向上するという。
本発明の目的は、前述の従来技術に基づく問題点を解消し、金属配線部を構成する金属の導電膜が見えにくく視認性が改善され、かつ導電性および断線率が改善されて電気抵抗が低い導電材料を製造することができる導電材料の製造方法およびこの製造方法に用いられて、導電材料の表面性状を制御して、視認性、導電性および断線率が改善された導電材料を製造することができるフィルム材料を提供することにある。
上述の目的を達成するために、本発明は、支持体上に複数の金属配線を有する導電材料の表面に重ね合わせて加圧処理を行うことにより、導電材料の表面形状を制御するためのフィルム材料であって、フィルム材料は、基体と、基体上に形成された、バインダーおよび微粒子を含む微粒子含有層を有し、フィルム材料は、微粒子含有層側の表面の算術平均粗さRa(μm)の値が0.15以上0.36以下であることを特徴とするフィルム材料を提供するものである。
フィルム材料の表面の最大高さRy(μm)の値が4.0以下であることが好ましい。
また、微粒子含有層は、微粒子の体積をVpとし、バインダーの体積をVbとするとき、Vp/Vbで表される体積比が2.0未満であることが好ましい。
微粒子含有層の微粒子は樹脂で構成されることが好ましい。
また、本発明は、支持体上に複数の金属配線を有する導電材料の製造方法であって、支持体上に金属配線を配置する工程と、基体上にバインダーおよび微粒子を含む微粒子含有層が形成されたフィルム材料と、金属配線が配置された支持体とを、微粒子含有層を金属配線に向けた状態で重ね合わせて加圧処理を行う工程とを有し、フィルム材料は、微粒子含有層側の表面の算術平均粗さRa(μm)の値が0.15以上0.36以下であることを特徴とする導電材料の製造方法を提供するものである。
例えば、導電材料は、タッチパネルセンサーおよび電磁波シールドフィルム等に使用することができる。
本発明によれば、金属の導電膜から構成され、金属細線からなる金属配線部が見えにくく、かつ電気抵抗が低く、視認性、導電性および断線率が改善された導電材料を製造することができる。
また、本発明によれば、このような導電材料の製造方法に用いられる、複数の金属配線を有する導電材料の表面形状を制御するフィルム材料を提供することができる。
(a)は表示装置の表示パネル上に設置された透明導電膜を一部省略して示す断面図であり、(b)は透明導電膜を一部省略して示す平面図である。 (a)は表面が光沢面とされた通常の金属細線の作用(正反射光率が高い)を示す説明図であり、(b)は表面が凹凸面とされた本実施形態の金属細線の作用(正反射効率が低い)を示す説明図である。 (a)は金属体積率が低い通常の金属細線の作用(正反射効率が低い)を示す説明図であり、(b)は金属体積率が高い通常の金属細線の作用(正反射効率が高い)を示す説明図である。 電極部のRaf2/Smfに対する正反射率の変化をプロットして示すグラフである。 (a)は1つの透明支持体の表面と裏面にそれぞれ金属配線部(第1金属配線部および第2金属配線部)を形成した構成を一部省略して示す断面図であり、(b)は2つの透明導電膜(第1透明導電膜および第2透明導電膜)を積層させた構成を一部省略して示す断面図である。 (a)はカレンダ処理の方法を示す説明図であり、(b)はカレンダ処理に用いられるフィルム材料を示す断面図であり、(c)はフィルム材料の拡大図である。 樹脂フィルムの押当て面のRa2/Smに対する正反射率の変化をプロットして示すグラフである。 (a)はメッシュパターン電極を示す平面図であり、(b)はメッシュパターン電極を構成する正方格子のサイズを示す平面図である。
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明のフィルム材料および導電材料の製造方法を詳細に説明する。
なお、以下において数値範囲を示す「〜」とは両側に記載された数値を含む。例えば、εが数値α〜数値βとは、εの範囲は数値αと数値βを含む範囲であり、数学記号で示せば、α≦ε≦βである。
まず、本発明の導電材料の製造方法で製造される導電材料を、その代表例として透明導電膜を挙げて説明する。
図1(a)は表示装置の表示パネル上に設置された透明導電膜を一部省略して示す断面図であり、(b)は透明導電膜を一部省略して示す平面図である。
本発明による透明導電膜10は、図1(a)に示すように、透明支持体12と、この透明支持体12の表面12a上に形成された金属配線部14とを有し、例えば、表示装置16の表示パネル16a上に貼着される。すなわち、この透明導電膜10は、例えば、表示装置16の電磁波シールドフィルム、タッチパネル用の導電性フィルム、タッチパネル用の透明導電膜、およびタッチパネルセンサー等のうち、いずれかに利用される。表示装置16としては液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機EL、無機EL等が挙げられる。透明導電膜10は、表示装置16内部に適用し、表示装置16と一体として用いることも可能である。
<金属配線部14>
金属配線部14は、例えば、電磁波シールドフィルムまたはタッチパネルの電極を構成する電極部18と、電極部18に対して駆動信号を供給したり、電極部18からの信号を伝達する複数の金属配線20による配線部22とを有する。電極部18は、例えば、図1(b)に示すように、複数の金属細線24による多数の格子26が配列されたメッシュパターン28を有する。金属配線20および金属細線24は、例えば、金(Au)、銀(Ag)または銅(Cu)を主成分とする金属で構成されている。
例えば、金属配線20の線幅Waと金属細線24の線幅Wbは、Wa≧Wbの関係を有し、金属配線20の厚みtaと金属細線24の厚みtbは、ta≧tbの関係を有する。特に、電極部18を構成する金属細線24による格子26の一辺の長さLaまたは格子26の細線ピッチ(金属細線24の配列ピッチ)は、100〜500μm以下が好ましく、さらに好ましくは150〜400μmであり、最も好ましくは210〜380μm以下である。格子26の一辺の長さLaまたは細線ピッチが上述の範囲である場合には、さらに透明性も良好に保つことが可能であり、表示装置16の表示パネル16a上にとりつけた際に、違和感なく表示を視認することができる。格子26の形状としては、正方形、長方形、平行四辺形、ひし形のほか、六角形、八角形等の多角形が挙げられる。また、これらを複数組み合わせたランダムなメッシュとしても良い。
また、金属細線24の線幅Wbは、30μm以下から選択可能である。透明導電膜10を電磁波シールドフィルムとして使用する場合には、金属細線24の線幅Wbは0.5μm以上20μm以下が好ましく、0.5μm以上9μm以下がより好ましく、1μm以上7μm以下がさらに好ましい。透明導電膜10をタッチパネル用の透明導電膜として使用する場合には、金属細線24の線幅Wbは0.1μm以上15μm以下が好ましく、0.5μm以上9μm以下がより好ましく、1μm以上7μm以下がさらに好ましい。なお、配線部22の金属配線20は、アース接続等の目的においては、線幅は200μmより広い部分を有していてもよい。
電極部18は、可視光透過率の点から開口率は、85%以上であることが好ましく、90%以上であることがさらに好ましく、95%以上であることが最も好ましい。開口率とは、金属細線24を除いた透光性部分が全体に占める割合であり、例えば、線幅6μm、細線ピッチ240μmの正方形の格子状の開口率は、95%である。
なお、透明導電膜10は、投影型静電容量方式のタッチパネル、表面型静電容量方式のタッチパネル、および抵抗膜式のタッチパネルにも適用することができる。また、表示装置16の表示パネル16aに設置される光学フィルム、例えば電磁波シールドフィルムとしても利用することができる。
例えば、透明導電膜10は、金属配線部14のうち、少なくとも電極部18が、Raf/Smf>0.01μmを満たす表面形状を有し、かつ金属体積率が35%以上であることが好ましい。ここで、Rafは、金属配線部14のうち、少なくとも電極部18の算術平均粗さ(μm)であって、表面粗さ測定箇所の金属配線の厚み以下であることが好ましい。
Smfは、金属配線部14のうち、少なくとも電極部18の凹凸の平均間隔(μm)であって、0.01μm以上であることが好ましい。
上述の算術平均粗さRaf(μm)は、レーザー顕微鏡を用いて、JIS−B−0601−1994における算術平均粗さの値に相当するパラメーターを測定して得られた値である。
上述の凹凸の平均間隔Smfは、レーザー顕微鏡を用いて、金属配線部14のうち、少なくとも電極部18の凹凸を測定し、各凹凸の間隔を求め、さらに平均を求めて得られたものである。
ここで、上述の凹凸の平均間隔Smfとは、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分において一つの山及びそれに隣り合う一つの谷に対応する平均線の長さの和を求め、この多数の凹凸の間隔の算術平均をマイクロメートル(μm)で表したもののことである。
また、金属体積率は、単位面積あたりの金属量M(g/m)と金属の比重d(g/m)、断面SEM(走査型電子顕微鏡)画像で測定する平均膜厚H(m)を用いて計算する。すなわち、金属体積率=(金属細線24中に金属が占める体積)/(バインダーおよび空隙を含んで測定される金属細線24の体積)=M/(H×d)×100(%)である。ここで、金属細線24とは、下塗り層および上塗り層を含まず、連続的に金属が接続された層からなるものを指す。平均膜厚Hは少なくとも合計1mm以上の範囲を断面形態観察し、測定した平均値を用いる。金属体積率が高いほど、体積抵抗が低くなるため好ましい。しかし、金属体積率が高すぎると、表面形状を最適化しても金属反射を抑制しきれなくなることがあるため、金属体積率は、35%以上が好ましく、50%以上がより好ましく、50%以上80%以下がさらに好ましく、55%以上65%以下が特に好ましい。なお、金属細線は厚み方向に金属体積率が変化していてもよく、表面近傍の金属体積率が中心部の金属体積率よりも低いことが好ましい。
一般に、金属細線24の表面は光沢面となっているため、図2(a)に示すように、可視光を強く反射し、反射光のうち、正反射光の割合(正反射率)が高くなる。その結果、金属細線24が視認されやすくなるという問題がある。また、金属細線24の金属体積率が低いと、図3(a)に示すように、入射光が金属粒子間に進入するため、正反射率が低下するが、金属粒子の接触が悪いため電気抵抗が高くなること、および金属細線24の密着性が悪くなるという問題がある。そこで、電極部18の電気抵抗を低減するために、カレンダ処理等で金属の体積率を高くすると、図3(b)に示すように、表面の金属粒子が密に配列することから、正反射率が顕著に増大し、さらに、金属細線24が目立つという問題が生じる。つまり、視認性(金属細線24が目立たない)と低抵抗化の両立が困難である。
一方、電極部18が、Raf/Smf>0.01μmを満たす表面形状となっていれば、図2(b)に示すように、散乱光の割合が増加し、正反射率が減るため、金属細線24を視認し難くなる。そのため、金属体積率を35%以上にしても、電極部18での光反射を抑制することができる。すなわち、透明導電膜10において、視認性(金属細線24が目立たない)と低抵抗化の両立を実現させることができる。
また、本実施形態において、少なくとも電極部18のSmfが4μm以下であることが好ましい。図4は、電極部18のRaf/Smfに対する正反射率の変化をプロットしたものである。電極部18が、Raf/Smf>0.01μmを満たす表面形状であって、かつSmfが4μm以下の場合、正反射率を1.0%以下に抑えることができる。
また、電極部18の表面の正反射率と電極部18の裏面の正反射率の差が3%未満であることが好ましく、1%未満がより好ましく、0.5%未満がさらに好ましい。ここで、裏面とは、電極部18を配置した面とは反対の面から透明支持体12を通して観察される電極部18の面を意味する。また、裏面の正反射率は、空気と透明支持体12の界面で起こる反射光の割合(界面の反射率)を差し引いたものとする。
これは、例えば、図5(a)に示すように、1つの透明支持体12の表面と裏面にそれぞれ金属配線部(第1金属配線部14Aおよび第2金属配線部14B)を形成した場合等に有効である。
すなわち、透明導電膜10における第1電極部18Aの表面の正反射率が1.0%以下であり、第1電極部18Aの表面の正反射率と、透明支持体12を通して観察される側の第2電極部18Bの裏面の正反射率との差が3%未満であることから、第1電極部18Aを構成する金属細線24が視認し難くなると同様に、第2電極部18Bを構成する金属細線24も視認し難くなる。その結果、1つの透明支持体12の表面と裏面にそれぞれ金属配線部を形成した透明導電膜においても、視認性が向上し、第1電極部18Aおよび第2電極部18Bの低抵抗化も図ることができる。
なお、図5(b)に示すように、2つの透明導電膜(第1電極部18Aが第1透明支持体12A上に形成された第1透明導電膜10Aおよび第2電極部18Bが第2透明支持体12B上に形成された第2透明導電膜10B)を、第2電極部18Bの表面上に第1透明支持体12Aに配置されるように積層させた構成も考えられる。この場合も、第1透明導電膜10Aにおける第1電極部18Aの表面の正反射率が1.2%以下であり、第1電極部18Aの表面の正反射率と、第2透明導電膜10Bにおける第2電極部18Bの表面の正反射率との差が3%未満であれば、両者の正反射率がともに抑制されることから、好ましく採用することができる構成である。すなわち、第1透明導電膜10Aおよび第2透明導電膜10Bが積層された透明導電膜においても、視認性が向上し、第1電極部18Aおよび第2電極部18Bの低抵抗化も図ることができる。ここで、第2電極部18Bの表面は、透明支持体12Aを通して観察されるので、第2電極部18Bの表面の正反射率は、空気と透明支持体12Aの界面の反射率を差し引いたものとする。
以下、透明導電膜10の他の各層の構成について詳細に説明する。
<透明支持体12>
透明支持体12は、透明導電膜10の支持体である。透明支持体12は、詳細は後述するが、金属配線部14等の導電性金属部(以下、単に、導電部ともいう)を支持できればその種類は制限されず、透明であることが好ましく、特にプラスチックフィルムが好ましい。透明支持体12を用いることで透明導電膜10は透明導電シートとして好適に用いることができる。
透明支持体12を構成する材料の具体例としては、PET(ポリエチレンテレフタレート、258℃)、ポリシクロオレフィン、ポリカーボネート(250℃)、アクリルフィルム(128℃)、PEN(ポリエチレンナフタレート、269℃)、PE(ポリエチレン、135℃)、PP(ポリプロピレン、163℃)、ポリスチレン(230℃)、ポリ塩化ビニル(180℃)、ポリ塩化ビニリデン(212℃)およびTAC(トリアセチルセルロース、290℃)等の融点が約290℃以下であるプラスチックフィルムが好ましく、特に、PET、ポリシクロオレフィン、ポリカーボネートが好ましい。()内の数値は融点である。透明支持体12は、例えば、可視光透過率(JISR3106:1998)が85%〜100%であるもののことをいう。しかし、上述の可視光透過率は85%〜100%に限定されるものではなく、用途等に応じて適宜決定されるものである。
透明支持体の厚みは、特に制限されないが、タッチパネルおよび電磁波シールド等の用途への応用の点からは、通常、5〜500μmの範囲で任意に選択することができ、25〜500μmであることが好ましく、25〜350μmであることがより好ましく、30〜150μmであることが最も好ましい。5〜500μmの範囲であれば所望の可視光透過率が得られ、かつ取り扱いも容易である。なお、透明支持体の機能の他にタッチ面の機能をも兼ねる場合は、500μmを超えた厚みで設計することも可能である。
透明支持体の好適態様の一つとしては、大気圧プラズマ処理、コロナ放電処理、および紫外線照射処理からなる群から選択される少なくとも一つの処理が施された処理済透明支持体が挙げられる。上述の処理が施されることにより、処理済支持体表面にはOH基等の親水性基が導入され、導電部の密着性がより向上する。上述の処理の中でも、導電部の密着性がより向上する点で、大気圧プラズマ処理が好ましい。
<光透過性部>
本実施形態における「光透過性部」とは、透明導電膜10のうち金属細線24および金属配線20(後述する導電性金属部)以外の透光性を有する部分を意味する。光透過性部における可視光透過率は、80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、さらにより好ましくは97%以上であり、最も好ましくは98%以上である。
<バインダー部>
バインダー部は、少なくとも金属細線24間に設けられる層であり、光透過性部を構成する。なお、より好適な態様としては、金属細線24がある透明支持体12の表面上が、金属細線24およびバインダー部で覆われていることが好ましい。バインダー部には、ゼラチンとは異なる高分子化合物を含むことが好ましい。なお、金属細線24間には、バインダー部を設けず、何も設けなくても良い。
バインダー部には、ゼラチンが実質的に含まれないことが好ましい。ゼラチンが実質的に含まれないとは、上述と同様に、バインダー部中におけるゼラチンの含有量が0.002mg/cm未満であることを意図し、イオンマイグレーションがより抑制される点で、0.001mg/cm以下であることが好ましく、0.0005mg/cm以下であることがより好ましい。下限は特に制限されないが、0mg/cmであることが好ましい。なお、バインダー部中のゼラチン量は、バインダー部表面に対する垂直方向から投影したときの投影平面図の単位面積(m)当たりに含まれるゼラチンの量を表す。
ゼラチンとは異なる高分子化合物としては、タンパク質分解酵素により分解されない高分子化合物であることが好ましい。より具体的には、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリジエン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、セルロース系重合体およびキトサン系重合体、からなる群から選ばれる少なくともいずれかの樹脂、または、これらの樹脂を構成する単量体からなる共重合体等が挙げられる。なかでも、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、および、ポリエステル系樹脂からなる群から選ばれる少なくともいずれかの樹脂、または、これらの樹脂を構成する単量体からなら共重合体等が挙げられる。
次に、本発明の導電材料の製造方法について、図1(a)および図1(b)に示す透明導電膜10の製造方法を代表例として説明する。
透明導電膜10を製造する方法としては、例えば、透明支持体12に感光性ハロゲン化銀塩を含有する乳剤層(銀塩乳剤層)を有する感光材料を露光し、現像処理を施すことによって、露光部および未露光部にそれぞれ金属銀部および光透過性部を形成して金属配線部14を形成するようにしてもよい。なお、さらに金属銀部に物理現像および/またはめっき処理を施すことによって金属銀部に導電性金属を担持させるようにしてもよい。金属銀部に導電性金属を担持させた層全体を導電性金属部と記す。
あるいは、透明支持体12上にめっき前処理材を用いて感光性被めっき層を形成し、その後、露光、現像処理した後にめっき処理を施すことにより、露光部および未露光部にそれぞれ金属部および光透過性部を形成して金属配線部14を形成するようにしてもよい。なお、さらに金属部に物理現像および/またはめっき処理を施すことによって金属部に導電性金属を担持させるようにしてもよい。
ここで、金属銀部に導電性金属を担持させた層全体のみならず、金属部に導電性金属を担持させた層全体、導電性金属が担持されていない金属銀部および導電性金属が担持されていない金属部をも、導電性金属部と記しても良い。
また、光透過性部は、導電性金属部の間に形成され、上述したバインダー部であっても良いし、何も設けられていない透明支持体12上の領域であっても良い。
ここで、透明支持体12上に設けられる金属銀部の厚みは、透明支持体12上に塗布される銀塩含有層用塗料の塗布厚みに応じて適宜決定することができる。この金属銀部の厚みは、0.001μm〜200μmから選択可能であるが、30μm以下であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましく、0.01〜9μmであることがさらに好ましく、0.05〜5μmであることが最も好ましい。また、金属銀部はパターン状であることが好ましい。金属銀部は1層でもよく、2層以上の重層構成であってもよい。金属銀部がパターン状であり、かつ2層以上の重層構成である場合、異なる波長に感光できるように、異なる感色性を付与することができる。これにより、露光波長を変えて露光すると、各層において異なるパターンを形成することができる。
導電性金属部の厚みは、タッチパネルの用途としては、薄いほど表示パネル16aの視野角が広がるため好ましく、視認性の向上の点でも薄膜化が要求される。このような観点から、導電性金属部に担持された導電性金属からなる層の厚みは、9μm未満であることが好ましく、0.1μm以上6μm未満であることがより好ましく、0.1μm以上5μm未満であることがさらに好ましい。
上述した銀塩含有層の塗布厚みをコントロールすることにより所望の厚みの金属銀部を形成し、さらに物理現像および/またはめっき処理により導電性金属粒子からなる層の厚みを自在にコントロールできるため、6μm未満、好ましくは5μm未満の厚みを有する透明導電膜10であっても容易に形成することができる。
めっき前処理材を用いる方法のさらに好ましい形態としては、例えば、以下に示す、第1の形態および第2の形態の2通りの形態が挙げられる。なお、後述のより具体的な内容は、特開2003−213437号公報、特開2006−64923号公報、特開2006−58797号公報、および特開2006−135271号公報等に開示されている。
(第1の形態)
透明支持体12上に、めっき触媒またはその前駆体と相互作用する官能基を含む被めっき層を塗布し、その後、露光・現像した後にめっき処理して金属部を被めっき材料上に形成させる態様。
(第2の形態)
透明支持体12上に、ポリマーおよび金属酸化物を含む下地層と、めっき触媒またはその前駆体と相互作用する官能基を含む被めっき層とをこの順に積層し、その後、露光・現像した後にめっき処理して金属部を被めっき材料上に形成させる態様。
その他の方法としては、透明支持体12上に形成された銅箔上のフォトレジスト膜を露光、現像処理してレジストパターンを形成し、レジストパターンから露出する銅箔をエッチングすることによって、金属配線部14を形成するようにしてもよい。
あるいは、透明支持体12上に金属微粒子を含むペーストを印刷し、金属配線部14を形成するようにしてもよい。
あるいは、透明支持体12上に金属膜を蒸着した後、金属膜上にフォトレジスト膜を形成し、その後、フォトレジスト膜を露光、現像処理してマスクパターンを形成し、マスクパターンから露出する金属膜をエッチングすることによって、金属配線部14を形成するようにしてもよい。
あるいは、透明支持体12上に、金属配線部14をスクリーン印刷版またはグラビア印刷版によって印刷形成するようにしてもよい。
あるいは、透明支持体12上に、金属配線部14をインクジェットにより形成するようにしてもよい。
次に、透明導電膜10において、ハロゲン化銀写真感光材料を用いる方法を中心にして述べる。
銀塩乳剤層を有する感光材料、例えばハロゲン化銀写真感光材料を用いる透明導電膜10の製造方法は、感光材料と現像処理の形態によって、以下に示す第1の態様〜第3の態様の3通りの態様が含まれる。
(第1の態様)
物理現像核を含まない感光性ハロゲン化銀黒白感光材料を化学現像または熱現像して金属銀部を感光材料上に形成させる態様。
(第2の態様)
物理現像核をハロゲン化銀乳剤層中に含む感光性ハロゲン化銀黒白感光材料を溶解物理現像して金属銀部を感光材料上に形成させる態様。
(第3の態様)
物理現像核を含まない感光性ハロゲン化銀黒白感光材料と、物理現像核を含む非感光性層を有する受像シートを重ね合わせて拡散転写現像して金属銀部を非感光性受像シート上に形成させる態様。
上述の第1の態様は、一体型黒白現像タイプであり、感光材料上に光透過性導電膜等の透光性導電性膜が形成される。得られる現像銀は化学現像銀または熱現像銀であり、高比表面のフィラメントである点で後続するめっきまたは物理現像過程で活性が高い。
上述の第2の態様は、露光部では、物理現像核近縁のハロゲン化銀粒子が溶解されて現像核上に沈積することによって感光材料上に光透過性導電性膜等の透光性導電性膜が形成される。これも一体型黒白現像タイプである。現像作用が、物理現像核上への析出であるので高活性であるが、現像銀は比表面の小さい球形である。
上述の第3の態様は、未露光部においてハロゲン化銀粒子が溶解されて拡散して受像シート上の現像核上に沈積することによって受像シート上に光透過性導電性膜等の透光性導電性膜が形成される。いわゆるセパレートタイプであって、受像シートを感光材料から剥離して用いる態様である。
いずれの態様もネガ型現像処理および反転現像処理のいずれの現像を選択することもできる(拡散転写方式の場合は、感光材料としてオートポジ型感光材料を用いることによってネガ型現像処理が可能となる)。
ここでいう化学現像、熱現像、溶解物理現像、および拡散転写現像は、当業界で通常用いられている用語どおりの意味であり、写真化学の一般教科書、例えば、菊地真一著「写真化学」(共立出版社、1955年刊行)、C.E.K.Mees編「TheTheoryofPhotographicProcesses,4thed.」(Mcmillan社、1977年刊行)に解説されている。本件は液処理の発明であるが、その他の現像方式として熱現像方式を適用する技術も参考にすることができる。例えば、特開2004−184693号公報、特開2004−334077号公報、特開2005−010752号公報、特開2006−154700号公報の各公報に記載された技術を適用することができる。
次に、本発明法に係る透明導電膜10の製造方法の各工程について説明する。
[露光]
本発明法は、透明導電膜10のメッシュパターン28を印刷方式によって施す場合を含むが、印刷方式以外は、メッシュパターン28を露光と現像等によって形成する。すなわち、透明支持体12上に設けられた銀塩含有層を有する感光材料またはフォトリソグラフィ用フォトポリマーを塗工した感光材料への露光を行う。露光は、電磁波を用いて行うことができる。電磁波としては、例えば、可視光線、紫外線等の光、X線等の放射線等が挙げられる。さらに露光には波長分布を有する光源を利用してもよく、特定の波長の光源を用いてもよい。
露光方法に関しては、ガラスマスクを介した方法およびレーザー描画によるパターン露光方式が好ましい。
[現像処理]
乳剤層を露光した後、さらに現像処理が行われる。現像処理は、銀塩写真フィルム、印画紙、印刷製版用フィルム、およびフォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる通常の現像処理の技術を用いることができる。
現像処理は、未露光部分の銀塩を除去して安定化させる目的で行われる定着処理を含むことができる。定着処理は、銀塩写真フィルム、印画紙、印刷製版用フィルム、およびフォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる定着処理の技術を用いることができる。現像、および定着処理を施した感光材料は、水洗処理および安定化処理を施されるのが好ましい。
現像処理後の露光部に含まれる金属銀部の質量は、露光前の露光部に含まれていた銀の質量に対して50質量%以上の含有率であることが好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましい。露光部に含まれる銀の質量が露光前の露光部に含まれていた銀の質量に対して50質量%以上であれば、高い導電性を得ることができるため好ましい。
以上の工程を経て透明導電膜10は得られる。得られた透明導電膜10の表面抵抗は、0.1〜300オーム/sq.の範囲にあることが好ましい。ここで、表面抵抗は、透明導電膜10の用途によって異なるが、電磁波シールド用途の場合には、10オーム/sq.以下であることが好ましく、0.1〜3オーム/sq.であることがより好ましい。また、タッチパネル用途の場合には、1〜70オーム/sq.であることが好ましく、5〜50オーム/sq.であることがより好ましく、5〜30オーム/sq.であることがさらに好ましい。また、現像処理後の透明導電膜10に対しては、さらにカレンダ処理を行い、カレンダ処理により所望の表面抵抗に調整することができる。
[物理現像およびめっき処理]
本実施形態では、露光および現像処理により形成された金属銀部の導電性を向上させる目的で、金属銀部に導電性金属粒子を担持させるための物理現像および/またはめっき処理を行ってもよい。
[酸化処理]
現像処理後の金属銀部、並びに、物理現像および/またはめっき処理によって形成された導電性金属部には、酸化処理を施すことが好ましい。酸化処理を行うことにより、例えば、光透過性部に金属が僅かに沈着していた場合に、この金属を除去し、光透過性部の透過性をほぼ100%にすることができる。
[脱バインダー処理]
こうして形成された透明導電膜10には、脱バインダー処理を行うのが好ましい。
脱バインダー処理とは、導電部(少なくとも電極部18)を有する支持体(透明支持体12)を、さらにゼラチン等の水溶性バインダーを分解するタンパク質分解酵素、またはオキソ酸等の酸化剤で処理する工程である。本工程を実施することにより、露光・現像処理が施された感光性層からゼラチン等の水溶性バインダーが分解・除去され、金属細線24間のイオンマイグレーションがより抑制される。
[カレンダ処理]
現像処理またはゼラチン除去処理済みの金属細線24にカレンダ処理を施して高密度化する。カレンダ処理は、ハロゲン化銀写真感光材料を用いて透明支持体12上に金属配線部14を形成した場合のほか、透明支持体12上にめっき処理にて金属配線部14を形成した場合、あるいは、透明支持体12上の銅箔を選択的にエッチングして金属配線部14を形成した場合、あるいは、透明支持体12上に金属微粒子を含むペーストを印刷して金属配線部14を形成した場合、あるいは、透明支持体12上に金属膜を蒸着した後、金属膜を選択的にエッチングして金属配線部14を形成した場合、あるいは、透明支持体12上に、金属配線部14をスクリーン印刷版またはグラビア印刷版によって印刷形成した場合、あるいは、透明支持体12上に、金属配線部14をインクジェットにより形成した場合にも適用することができる。特に、透明支持体12の表面12a(金属配線部14が形成される面)が平坦である場合に有効である。カレンダ処理を行うことによって、金属配線部14の金属体積率が大きくなり、導電性が顕著に増大する。上述した脱バインダー処理を行うことで、金属の接触を阻害する物質が低減されるため、カレンダ処理による導電性増大の効果がより得られやすい。
また、本発明法では、表面に凹凸を有する本発明のフィルム材料を用いてカレンダ処理をすることにより、透明支持体12上の金属配線20および金属細線24の表面形状が制御され、金属配線20および金属細線24が見えにくく、かつ電気抵抗が低く、視認性、導電性および断線率が改善された導電材料を製造することができる。
ここで、図6(a)はカレンダ処理の方法を示す説明図であり、(b)はカレンダ処理に用いられるフィルム材料を示す断面図であり、(c)はフィルム材料の拡大図である。
カレンダ処理は、図6(a)に示す方法でなされる。
カレンダ処理は、図6(a)に示すように、表面30aに凹凸を有するフィルム材料30と、対向して配置された一対のカレンダローラー(第1カレンダローラー32Aおよび第2カレンダローラー32B)とを使用する。
カレンダ処理においては、透明支持体12上に複数の金属配線20および金属細線24を有する透明導電膜10の表面に、フィルム材料30を、その凹凸を透明導電膜10の表面に向けて重ね合わせて、この状態で加圧することにより、透明導電膜10の金属配線20および金属細線24の表面形状が制御され、上述のような表面形状を有するものとすることができる。
次に、フィルム材料30について説明する。
フィルム材料30は、上述のように透明導電膜10の表面に重ね合わせて加圧処理、すなわち、カレンダ処理を行うことにより、透明導電膜10の金属配線20、金属細線24の表面形状を制御するためのものである。
フィルム材料30の、導電材料と重ね合わせる側の面は、凹凸のある表面30aであるが、フィルム材料30の表面30aのことを凹凸面ともいう。また、表面30aの反対側の面のことを裏面30bという。
フィルム材料30は、図6(b)に示す構成を有し、より詳しくは図6(c)に示す構成を有する。
図6(b)に示すように、フィルム材料30は、基体50と、この基体50の表面50aに形成された微粒子含有層52とを有する。微粒子含有層52は、バインダーおよび微粒子56を含むものである。より具体的には、図6(c)に示すように、微粒子含有層52では、例えばバインダーで構成されるバインダー層54に含有する微粒子56により、フィルム材料30の表面30aが凹凸になる。
本発明において、微粒子含有層52におけるバインダーとは、微粒子含有層52における微粒子56以外の全ての成分のことであり、バインダー層54とは、上述の微粒子56以外の全ての成分、すなわち、バインダーで構成されたものである。
フィルム材料30の裏面30bの表面形状に、特に制限は無く、フィルム材料30の搬送性等を考慮して所望の表面形状に制御可能であるが、算術表面粗さおよび最大高さは凹凸面のこれらの値を超えないことが好ましい。
また、フィルム材料30は、基体50の表面50aに微粒子含有層52以外に、下塗り層、保護層、および帯電防止層等を好ましく付与することができ、特に、帯電による異物付着を避ける観点で、帯電防止層を付与することが好ましい。
フィルム材料30は、その表面30aの算術平均粗さRa(μm)の値が0.15以上0.36以下であり、0.18以上0.33以下であることが好ましい。
なお、本実施形態において、フィルム材料30の表面30aとは、微粒子含有層52が形成された側の表面のことである。上述の表面30aの算術平均粗さRa(μm)は、微粒子含有層52の表面を測定して得られたものである。
算術平均粗さRa(μm)の値が0.15未満では、Raの値が小さすぎ、本発明のフィルム材料30(凹凸フィルム)を用いて導電材料(透明導電膜10)に加圧処理を行う際、金属配線の表面が平滑になりすぎて金属配線の反射率が上がり、タッチパネル等の光学用途に導電材料を用いた場合の視認性が悪化する。
算術平均粗さRa(μm)の値が0.36を超えると、算術平均粗さRaの値が大きすぎ、本発明のフィルム材料(凹凸フィルム)を用いて導電材料(透明導電膜10)に加圧処理を行う際、金属配線の断線の原因となり、好ましい導電材料が得られなくなる。
なお、表面30aの算術平均粗さRa(μm)は、レーザー顕微鏡を用いて、JIS−B−0601−1994における表面粗さを表すパラメーターのうち、算術平均粗さRaの値に相当するパラメーターを測定して得られた値である。
また、フィルム材料30の表面30aの最大高さRy(μm)の値が4.0以下であることが好ましく、3.0以下であることがより好ましい。表面30aの最大高さRy(μm)の値が4.0を超えると、本発明のフィルム材料(凹凸フィルム)を用いて金属材料に加圧処理を行う際、金属配線の断線がおきやすくなり好ましくない。
なお、表面30aの最大高さRyは、算術平均粗さRaと同様に、レーザー顕微鏡を用いて、JIS−B−0601−1994における表面粗さを表すパラメーターのうち、最大高さRyに相当するパラメーターを測定して得られた値である。
また、本発明において、フィルム材料30の表面30aの凹凸の平均間隔Smの値は、3.0μm以下であることが好ましく、2.5μm以下であることがより好ましい。Smの値が大きすぎると、金属配線の表面が平滑になりすぎて金属配線の反射率が上がり、タッチパネル等の光学用途に導電材料を用いた場合の視認性が悪化する。
なお、フィルム材料30の表面30aの凹凸の平均間隔Smは、レーザー顕微鏡を用いて、フィルム材料30の表面30aの凹凸を測定し、各凹凸の間隔を求め、さらに平均を求めて得られたものである。
ここで、上述のフィルム材料30の表面30aの凹凸の平均間隔Smは、上述の電極表面の凹凸の平均間隔Smfと同じ定義であり、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分において一つの山及びそれに隣り合う一つの谷に対応する平均線の長さの和を求め、この多数の凹凸の間隔の算術平均をマイクロメートル(μm)で表したもののことである。
微粒子含有層52は、微粒子56の体積をVpとし、バインダーの体積をVbとするとき、Vp/Vbで表される体積比が2.0未満であることが好ましい。Vp/Vbで表される体積比が2.0未満であれば、加圧処理を行った際、微粒子が微粒子含有層から脱落し、導電性材料表面を汚染する問題を生じにくくなる。なお、Vp/Vbの値の下限値には特に制限は無く、後述の表面粗さパラメーターを満たす範囲で自由に設定可能である。
フィルム材料30の基体50は、フィルム状のものであれば特に制限はない。基体50としては、寸度変化が少なく、破断強度の高いものが好ましく、二軸延伸PET(ポリエチレンテレフタレート)、二軸延伸ポリプロピレン、二軸延伸PEN(ポリエチレンナフタレート)、二軸延伸PPS(ポリフェニレンサルファイド)、およびポリイミドフィルム等が好ましく、特に、二軸延伸PETフィルムが好ましい。
なお、フィルム材料30はロール形態で透明導電膜10のロールフィルムと共搬送することによって、高い生産性を実現できる。
微粒子含有層52のバインダー層54は、特に制限されないが、天然高分子およびその誘導体、あるいは合成樹脂(ポリマー)を好ましく使用できる。
天然高分子およびその誘導体としては、ゼラチン、多糖類(澱粉、セルロースよびその誘導、寒天、デキストラン等)、天然ゴムおよびこれらの誘導体を好ましく使用でき、ゼラチンが特に好ましい。
合成樹脂(ポリマー)としては、アクリル樹脂、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等の種々のポリマーを使用することができ、中でもこれらの樹脂が水性分散物となったポリマーラテックスを用いることが好ましい。なお、ポリマーの水性分散物の分散状態としては、ポリマーが分散媒中に乳化されているもの、乳化重合されたもの、ミセル分散されたもの、あるいはポリマー分子中に部分的に親水的な構造を持つもの等いずれでもよい。なお、本発明のポリマーの水性分散物(または単に水分散物と呼ぶ)については「合成樹脂エマルジョン(奥田平、稲垣寛編集、高分子刊行会発行(1978))」、「合成ラテックスの応用(杉村孝明、片岡靖男、鈴木聡一、笠原啓司編集、高分子刊行会発行(1993))」、「合成ラテックスの化学(室井宗一著、高分子刊行会発行(1970))」等に記載されている。分散粒子の平均粒径は1〜50000nm、より好ましくは5〜1000nm程度の範囲が好ましい。分散粒子の粒径分布に関しては特に制限はなく、広い粒径分布を持つものでも単分散の粒径分布を持つものでもよい。
また微粒子含有層には上述の高分子化合物に、架橋剤または硬化剤を併用することが好ましい。例えばC.E.K.Meers およびT.H.James著「The Theory of the Photographic Process」第3版(1966年)、米国特許第3316095号、同3232764号、同3288775号、同2732303号、同3635718号、同3232763号、同2732316号、同2586168号、同3103437号、同3017280号、同2983611号、同2725294号、同2725295号、同3100704号、同3091537号、同3321313号、同3543292号及び同3125449号、並びに英国特許994869号及び同1167207号の各明細書等に記載されている硬化剤等が挙げられる。
代表的な例としては、二個以上(好ましくは三個以上)のメチロール基およびアルコキシメチル基の少なくとも一方を含有するメラミン化合物またはそれらの縮重合体であるメラミン樹脂あるいはメラミン・ユリア樹脂、さらにはムコクロル酸、ムコブロム酸、ムコフェノキシクロル酸、ムコフェノキシプロム酸、ホルムアルデヒド、グリオキザール、モノメチルギリオキザール、2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン、2,3−ジヒドロキシ−5−メチル−1,4−ジオキサンサクシンアルデヒド、2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン及びグルタルアルデヒド等のアルデヒド系化合物およびその誘導体;ジビニルスルホン−N,N’−エチレンビス(ビニルスルホニルアセトアミド)、1,3−ビス(ビニルスルホニル)−2−プロパノール、メチレンビスマレイミド、5−アセチル−1,3−ジアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、1,3,5−トリアクリロイル−ヘサヒドロ−s−トリアジン及び1,3,5−トリビニルスルホニル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン等の活性ビニル系化合物;2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム塩、2,4−ジクロロ−6−(4−スルホアニリノ)−s−トリアジンナトリウム塩、2,4−ジクロロ−6−(2−スルホエチルアミノ)−s−トリアジン及びN,N’−ビス(2−クロロエチルカルバミル)ピペラジン等の活性ハロゲン系化合物;ビス(2,3−エポキシプロピル)メチルプロピルアンモニウム・p−トルエンスルホン酸塩、2,4,6−トリエチレン−s−トリアジン、1,6−ヘキサメチレン−N,N’−ビスエチレン尿素およびビス−β−エチレンイミノエチルチオエーテル等のエチレンイミン系化合物;1,2−ジ(メタンスルホンオキシ)エタン、1,4−ジ(メタンスルホンオキシ)ブタン及び1,5−ジ(メタンスルホンオキシ)ペンタン等のメタンスルホン酸エステル系化合物;ジシクロヘキシルカルボジイミド及び1−ジシクロヘキシル−3−(3−トリメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩等のカルボジイミド化合物;2,5−ジメチルイソオキサゾール等のイソオキサゾール系化合物;クロム明ばん及び酢酸クロム等の無機系化合物;N−カルボエトキシ−2−イソプロポキシ−1,2−ジヒドロキノリン及びN−(1−モルホリノカルボキシ)−4−メチルピリジウムクロリド等の脱水縮合型ペプチド試薬;N,N’−アジポイルジオキシジサクシンイミド及びN,N’−テレフタロイルジオキシジサクシンイミド等の活性エステル系化合物:トルエン−2,4−ジイソシアネート及び1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート類;及びポリアミド−ポリアミン−エピクロルヒドリン反応物等のエピクロルヒドリン系化合物、1,4−ビス(2’,3’−エポキシプロピルオキシ)ブタン、1,3,5−トリグリシジルイソシアヌレート、1,3−ジクリシジル−5−(γ−アセトキシ−β−オキシプロピル)イソシヌレート、ソルビトールポリグリシジルエーテル類、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル類、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル類、ジグリセロ−ルポリグルシジルエーテル、1,3,5−トリグリシジル(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、グリセロールポリグリセロールエーテル類およびトリメチロ−ルプロパンポリグリシジルエーテル類等のエポキシ化合物を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
微粒子含有層52の微粒子56は、特に組成に制限はない。微粒子56としては、有機材料、無機材料、またはこれらの複合材料からなる微粒子を、単独または組み合わせて使用できる。有機材料からなる微粒子としては、架橋PMMA(ポリメタクリル酸メチル)、非架橋PMMA等のアクリル酸エステル類、ポリスチレン、ポリオレフィン、アイオノマー、メラミン−ホルムアルデヒド縮合物、ベンゾクアナミン−ホルムアルデヒド縮合物、メラミン−ホルムアルデヒド縮合物およびこれらの複合成分からなる微粒子が使用可能である。無機材料からなる微粒子としては、シリカ、酸化チタン、酸化ジルコニア等の酸化物粒子、金属微粒子、硫酸バリウム、硫酸ストロンチウム粒子、およびこれらの複合粒子等を単独または組み合わせて使用できる。しかしながら、本発明において、微粒子56として有機材料を用いる方が、導電材料と重ね合わせて加圧処理する際、微粒子56の局所的な凝集等による導電材料の意図しない断線を抑制でき好ましい。また、微粒子56に樹脂微粒子を用いた方が視認性を向上させることができる。このため、微粒子56は樹脂で構成することが好ましい。
微粒子含有層52の微粒子56は、その直径Dが、好ましくは0.1μm以上3μm以下であり、より好ましくは0.2μm以上2μm以下であり、最も好ましくは0.4μm以上1.5μm以下である。個々の微粒子は独立して分散状態にあることがフィルム材料30の表面形態の制御がしやすく好ましいが、微粒子56として、制御されたサイズの凝集粒子を用いてもよい。
微粒子56のサイズ分布は均一であることが、フィルム材料30の表面30aに均一な凹凸面を形成する観点で好ましい。微粒子56の粒子サイズの変動係数は、好ましくは30%以下、より好ましくは15%以下、さらに好ましくは10%以下、最も好ましくは5%以下である。
微粒子の粒子サイズの測定方法に、特に制限はなく、電子顕微鏡による観察、および動的散乱法等の光学測定等を用いることができる。電子顕微鏡の観察で、微粒子の粒子サイズを測定する場合には、不定形粒子のサイズ測定の困難さおよび曖昧さを排除するために電子顕微鏡観察で得られる粒子の投影面積と等しい面積を有する円の直径と定義する。
さらに、本発明において平均粒子サイズとは、各粒子の粒子サイズを算術平均したサイズと定義する。
第1カレンダローラー32Aおよび第2カレンダローラー32Bには、金属製のローラーまたは樹脂製のローラーが使用される。樹脂製のローラーとしては、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等のローラーが使用される。金属製のローラーと樹脂製のローラーを組み合わせて使用することが可能である。また、第1カレンダローラー32Aおよび第2カレンダローラー32Bの少なくともどちらか一方を、ローラー中心部の直径がローラー両端部の直径よりも大きいクラウン形状としてもよい。
カレンダ処理では、フィルム材料30の表面(凹凸面)30a上に透明導電膜10を載せる。このとき、透明導電膜10の電極部18とフィルム材料30の表面30aとが対向するようにして、フィルム材料30の表面30a上に透明導電膜10を載せて、1つの積層体34とする。この場合、具体的には、フィルム材料30と透明導電10とを、微粒子含有層52を透明導電膜10の電極部18に向けた状態で重ね合せて積層体34としている。
積層体34を互いに対向して配置された第1カレンダローラー32Aと第2カレンダローラー32Bとの間に投入し、第1カレンダローラー32Aおよび第2カレンダローラー32Bを回転駆動することで、第1カレンダローラー32Aを透明導電膜10の透明支持体12に接触させ、第2カレンダローラー32Bをフィルム材料30に接触させるようにして、透明導電膜10を加圧処理するとともに一方向に搬送する。
カレンダ処理の線圧力の下限値は1960N/cm(200kgf/cm、面圧に換算すると699.4kgf/cm)以上、さらに好ましくは2940N/cm(300kgf/cm、面圧に換算すると935.8kgf/cm)以上である。線圧力の上限値は、6880N/cm(700kgf/cm)以下である。
カレンダ処理の適用温度は10℃(温調なし)〜100℃が好ましく、より好ましい温度は、金属細線24によるメッシュパターン28および配線部22における金属配線20のパターンの画線密度もしくは形状、またはバインダー種によって異なるが、おおよそ10℃(温調なし)〜50℃の範囲にある。
なお、フィルム材料30では、Ra/Smが、0.01μmより大きいことが好ましい。図7は、フィルム材料30の押当て面のRa/Smに対する正反射率の変化をプロットしたものである。図7からわかるように、フィルム材料30の押当て面のRa/Smが0.01μmでは正反射率が2.8%であるが、Ra/Smが0.01μmを超えると、正反射率を1%未満に抑えることができる。
ところで、フィルム材料30の場合、特に、微粒子56が樹脂製であれば、表面の凹凸が変形するために繰り返し使用できないが、透明導電膜10の電極部18(金属細線24)を貫通せずにフィルム材料30が変形するため、断線を起こさずにカレンダ処理が可能となる。しかし、算術平均粗さRaの値がカレンダ処理前の金属細線24の厚みtcの1/4倍を超えると、カレンダ処理による抵抗の減少幅が小さくなるため、算術平均粗さRaの値はカレンダ処理前の金属細線24の厚みtcの1/4倍以下が好ましく、1/6倍以下がより好ましい。
[その他の製造方法]
上述の製造方法のほか、表面12aに凹凸を有する透明支持体12上に金属配線部14を形成する方法も好ましく採用することができる。この場合、表面12aのうち、電極部18が形成される部分だけ凹凸が形成されていてもよいし、もちろん、表面12a全面に凹凸が形成されていてもよい。これにより、透明支持体12の表面12a上に、金属配線部14を形成することで、透明支持体12の表面12aの凹凸形状が少なくとも電極部18の表面に転写された形態となる。
そして、透明支持体12は、表面12aの算術平均粗さRas(μm)が0.15μmより大きい表面形状であることが好ましい。さらには、Ras/Smsが0.01μmより大きいことが好ましい。これにより、少なくとも電極部18が、Raf/Smf>0.01μmを満たす表面形状を有し、かつ金属体積率が35%以上である透明導電膜を得ることが可能となる。
上述の透明支持体12の表面12aの算術平均粗さRas(μm)は、レーザー顕微鏡を用いて、JIS−B−0601−1994における算術平均粗さの値に相当するパラメーターを測定して得られた値である。
上述の凹凸の平均間隔Smsは、レーザー顕微鏡を用いて、透明支持体12の表面12aの凹凸を測定し、各凹凸の間隔を求め、さらに平均を求めて得られたものである。
ここで、上述の凹凸の平均間隔Smsは、上述の凹凸の平均間隔Smfと同じ定義であり、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分において一つの山及びそれに隣り合う一つの谷に対応する平均線の長さの和を求め、この多数の凹凸の間隔の算術平均をマイクロメートル(μm)で表したもののことである。
表面12aに凹凸が形成された透明支持体12上に金属配線部14を形成する方法としては、透明支持体12上にめっき処理にて金属配線部14を形成する方法、あるいは、透明支持体12上に金属膜を蒸着した後、金属膜を選択的にエッチングして金属配線部14を形成する方法等を好ましく採用することができる。これらの形成方法を採用することで、金属配線部14を形成する際に、金属体積率を高めて形成することができるため、特に好ましい。
[銀融着処理]
(光照射工程)
現像処理後、上述の処理工程のいずれかの後に、導電部(少なくとも電極部18)にキセノンフラッシュランプからのパルス光を照射する光照射工程をさらに有することが好ましい。本工程を実施することにより、導電部の低抵抗化を図ることができる。透明導電膜10の導電性が向上する理由については定かではないが、キセノンフラッシュランプからのパルス光を照射することで、熱によって少なくとも一部の高分子および/またはゼラチンが蒸発し、金属(導電性物質)同士が結合しやすくなるものと考えられる。
(加熱工程)
現像処理後、上述の処理工程のいずれかの後に、導電部(少なくとも電極部18)を有する支持体(透明支持体12)に加熱処理を施す工程をさらに有することが好ましい。本工程を実施することにより、導電部の導電性が向上するとともに、金属細線24の密着が良好で、さらには、イオンマイグレーション抑制能により、優れた透明導電膜10が得られる。また、本工程を実施することにより、透明導電膜10のヘイズの低減、導電部の密着性の向上、酸化処理時の面質の向上、または表面抵抗の低減が達成される。
加熱処理の方法の一つとしては、導電部を有する支持体を過熱蒸気に接触させる処理が挙げられる。過熱蒸気としては、過熱水蒸気でよいし、過熱水蒸気に他のガスを混合させたものでもよい。
過熱蒸気は、供給時間10秒以上70秒以下の範囲で導電部に接触させることが好ましい。供給時間が10秒以上であると、導電率の向上が大きい。また、70秒あたりから導電性の向上が飽和状態となるため、70秒より長い時間の設定は経済性の点から好ましくない。また、過熱蒸気は、供給量が500g/m〜600g/mの範囲で導電部に接触させることがよく、過熱蒸気の温度は、1気圧で100℃以上160℃以下に制御されることが好ましい。
加熱処理の他の方法としては、80〜150℃での加熱処理が挙げられる。加熱時間は特に制限されないが、上述の効果がより優れる点で、0.1〜5.0時間が好ましく、0.5〜1.0時間がより好ましい。
[安定化処理]
現像処理後、上述の処理工程のいずれかの後に、導電部を有する支持体とマイグレーション防止剤とを接触させる工程をさらに有することが好ましい。本工程を実施することにより、導電部中の金属銀の安定化が図られ、イオンマイグレーションが十分に抑制され、高湿高温環境下における信頼性が向上する。
使用されるマイグレーション防止剤としては、公知の材料を使用することができ、例えば、含窒素ヘテロ環化合物および有機メルカプト化合物が好ましく、中でも含窒素ヘテロ環化合物が好ましく用いられる。
含窒素ヘテロ環化合物の好ましい例は、5または6員環アゾール類が好ましく、中でも5員環アゾール類が好ましい。
ヘテロ環としては、例えば、テトラゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、セレナジアゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズイミダゾール環、ピリミジン環、トリアザインデン環、テトラアザインデン環、ペンタアザインデン環等が挙げられる。
導電部を有する支持体とマイグレーション防止剤とを接触させる方法は特に制限されず、例えば、マイグレーション防止剤を支持体上に塗布する方法、およびマイグレーション防止剤中に導電部を有する支持体を浸漬する方法等が挙げられる。
なお、必要に応じて、マイグレーション防止剤を溶媒に溶解させた溶液を用いてもよい。使用される溶媒の種類は特に制限されず、上述した感光性層形成用組成物で使用される溶媒が例示される。接触時間は、特に制限されないが、0.5〜10分が好ましく、1.0〜3.0分がより好ましい。
(有機溶媒接触工程)
現像処理後、上述の処理工程のいずれかの後に、導電部を有する支持体を有機溶媒に接触させる工程をさらに有することが好ましい。本工程を実施することにより、導電部または非導電部中に残存する高分子の膜がより緻密となり、イオンマイグレーション抑制能により、優れた透明導電膜10が得られ、かつ透明導電膜10のヘイズ値を低減することができる。
使用される有機溶媒の種類は特に制限されず、高分子の種類に応じて適宜最適な溶媒が選択される。なかでも、上述の効果がより優れる点で、高分子が溶解する有機溶媒が好ましい。ここで溶解するとは、有機溶媒1L(リットル)中に少なくとも高分子が5g以上溶解することを意図する。なかでも、SP値が8〜12の範囲の有機溶媒が好ましい。有機溶媒の具体例としては、例えば、ベンジルアルコール、エタノール、トルエン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル等が挙げられる。
導電部を有する支持体と、有機溶媒との接触方法は特に制限されず、公知方法を採用できる。例えば、有機溶媒を支持体上に塗布する方法、および有機溶媒中に導電部を有する支持体を浸漬する方法等が挙げられる。有機溶媒との接触時間は特に制限されないが、10〜60分が好ましく、15〜30分がより好ましい。
[その他の任意工程]
現像処理後、上述の処理工程のいずれかの後に、導電部の導電性を向上させる目的で、導電部に導電性金属粒子を担持させるための物理現像および/またはめっき処理を行ってもよい。本発明では物理現像またはめっき処理のいずれか一方のみで導電性金属粒子を導電部に担持させてもよく、物理現像とめっき処理とを組み合わせて導電性金属粒子を導電部に担持させてもよい。
なお、本発明は、下記表1および表2に記載の公開公報および国際公開パンフレットの技術と適宜組合わせて使用することができる。「特開」、「号公報」、「号パンフレット」等の表記は省略する。
本発明は、基本的に以上のように構成されるものである。
以上、本発明のフィルム材料および導電材料の製造方法について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良または変更をしてもよいのはもちろんである。
以下に、本発明の実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、以下の実施例に示される材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
本実施例では、実施例1〜13、比較例1〜3について、カレンダ処理にて使用するフィルム材料(以下、凹凸フィルムともいう)の組成および表面形状を変えて、各種特性の評価を行った。実施例1〜13、および比較例1〜3の組成および表面形状、ならびに評価結果を下記表3に示す。
次に、実施例1〜13、および比較例1〜3について説明する。
<実施例1>
(ハロゲン化銀乳剤の調製)
38℃、pH4.5に保たれた下記1液に、下記2液および3液の各々90%に相当する量を攪拌しながら同時に20分間にわたって加え、0.16μmの核粒子を形成した。続いて下記4液および5液を8分間にわたって加え、さらに、下記の2液および3液の残りの10%の量を2分間にわたって加え、0.21μmまで成長させた。さらに、ヨウ化カリウム0.15gを加え、5分間熟成し粒子形成を終了した。
<1液>
水 750ml
ゼラチン 8.6g
塩化ナトリウム 3.1g
1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−チオン 20mg
ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム 10mg
クエン酸 0.7g
<2液>
水 300ml
硝酸銀 150g
<3液>
水 300ml
塩化ナトリウム 38g
臭化カリウム 32g
ヘキサクロロイリジウム(III)酸カリウム
(0.005%KCl 20%水溶液) 5ml
ヘキサクロロロジウム酸アンモニウム
(0.001%NaCl 20%水溶液) 7ml
<4液>
水 100ml
硝酸銀 50g
<5液>
水 100ml
塩化ナトリウム 13g
臭化カリウム 11g
黄血塩 5mg
その後、常法に従って、フロキュレーション法によって水洗した。具体的には、温度を35℃に下げ、硫酸を用いてハロゲン化銀が沈降するまでpHを下げた(pH3.6±0.2の範囲であった)。次に、上澄み液を約3リットル除去した(第一水洗)。さらに3リットルの蒸留水を加えてから、ハロゲン化銀が沈降するまで硫酸を加えた。再度、上澄み液を3リットル除去した(第二水洗)。第二水洗と同じ操作をさらに1回繰り返して(第三水洗)、水洗・脱塩工程を終了した。水洗・脱塩後の乳剤をpH6.3、pAg7.4に調整し、ゼラチン2.5g、ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム10mg、ベンゼンチオスルフィン酸ナトリウム3mg、チオ硫酸ナトリウム15mgと塩化金酸10mgを加え55℃にて最適感度を得るように化学増感を施し、安定剤として1,3,3a,7−テトラアザインデン100mg、防腐剤としてプロキセル(商品名、ICICo.,Ltd.製)100mgを加えた。最終的に得られた乳剤は、沃化銀を0.08モル%含み、塩臭化銀の比率を塩化銀70モル%、臭化銀30モル%とする、平均粒子径0.21μm、変動係数9.5%のヨウ塩臭化銀立方体粒子乳剤であった。
(感光性層形成用組成物の調製)
上述の乳剤に1,3,3a,7−テトラアザインデン1.2×10−4モル/モルAg、ハイドロキノン1.2×10−2モル/モルAg、クエン酸3.0×10−4モル/モルAg、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩0.90g/モルAg、微量の硬膜剤を添加し、クエン酸を用いて塗布液pHを5.6に調整した。
上述の塗布液に、含有するゼラチンに対して、上述の一般式(1)で表されるポリマーの具体例のうち、(P−1)で表されるポリマーとジアルキルフェニルPEO硫酸エステルからなる分散剤を添加した。なお、架橋剤の添加量は、後述するハロゲン化銀含有感光性層中における架橋剤の量が0.09g/mとなるように調整した。以上のようにして感光性層形成用組成物を調製した。
なお、(P−1)で表されるポリマーは、特許第3305459号公報および特許第3754745号公報を参照して合成した。
(感光性材料1の形成工程)
38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(透明支持体12)の両面に上述のポリマーラテックスを塗布して、厚み0.05μmの下塗り層を設けた。下塗り層の組成を以下に示す。
(下塗り層の組成)
上述のポリマーラテックスP−1・・・55mg/m
界面活性剤 ラビゾール A−90(商品名:日油(株)製)・・・1.3mg/m
界面活性剤 ナロアクティ CL−95(商品名:三洋化成工業(株)製)・・・0.8mg/m
架橋剤 カルボジライト V−02−L2(商品名:日清紡(株)製)・・・10mg/m
コロイダルシリカ(粒子サイズ40〜50nm) スノーテックスXL(商品名:日産化学工業(株)製)・・・1.3mg/m
カルナバワックス・・・2.5mg/m
なお、上述の下塗り層は、MD(Machine Direction)方向に一軸延伸したPETにバーコーターを用いて塗布乾燥した後、TD(Transverse Direction)方向に延伸して形成し、二軸延伸後に上述の組成となるよう塗布量を調整した。
次に、片側の下塗り層上に、上述のポリマーラテックスとゼラチンおよび下記構造の染料の固体分散物とを混合したハロゲン化銀不含有層形成用組成物を塗布して、厚み1.0μmのハロゲン化銀不含有層を設けた。なお、ポリマーとゼラチンとの混合質量比(ポリマー/ゼラチン)は2/1であり、ポリマーの含有量は0.65g/mであった。また、染料の含有量は0.8g/mであった。
次に、ハロゲン化銀不含有層上に、上述の感光性層形成用組成物を塗布し、厚み2.5μmのハロゲン化銀含有感光性層を設けた。なお、ハロゲン化銀含有感光層中のポリマーの含有量は0.22g/mであった。
次に、ハロゲン化銀含有感光性層上に、上述のポリマーラテックスとゼラチンとを混合した保護層形成用組成物を塗布して、厚み0.15μmの保護層を設けた。なお、ポリマーとゼラチンとの混合質量比(ポリマー/ゼラチン)は0.1/1であり、ポリマーの含有量は0.015g/mであった。
次に、反対側の下塗り層上に、上述のハロゲン化銀不含有層、ハロゲン化銀含有感光性層、保護層を順次作成した。得られた感光性材料を、感光性材料1とした。
(露光・現像処理)
上述の作製した感光性材料1の片側の面に、導電部/非導電部が4.0μm/296μmの正方格子が2本並列で並んだ導電パターンを与える正方格子状のフォトマスクを介して高圧水銀ランプを光源とした平行光を用いて露光した(以下、適宜、メッシュパターン電極42と呼ぶ)。メッシュパターン電極42の平面図を図8(a)に示す。メッシュパターン電極42は、2つの端子44aおよび端子44b間に20個の正方格子46が一方向に接続された2つの電極パターン48が並列に接続された構成を有する。すなわち、メッシュパターン電極42は、合計40個の正方格子46から構成されている。なお、各電極パターン48の中央に描かれた点々は、正方格子46が繰り返していることを示す。電極パターン48間の間隔は5mm、端子44aおよび端子44b間の距離は85mmである。また、図8(b)に示すように、正方格子46を構成する金属細線24の線幅Wbは4μm、正方格子46の金属細線24間の距離(光透過部の一辺の長さ)は296μmである。
露光後、下記の現像液で現像し、さらに定着液(商品名:CN16X用N3X−R:富士フイルム社製)を用いて定着処理を行った後、純水でリンスし、その後乾燥して、厚みtcが2.5μmのメッシュパターン電極42を有する試料(以下、メッシュ試料という)を得た。導通試験は、メッシュパターン電極42の端子44aおよび端子44bにテスターをあて、配線抵抗を測定することで実施した。
さらに、光反射特性測定用には別のパターンのない試料(以下、ベタ試料という)を作製した。ベタ試料は、上述の作製した感光性層にフォトマスクを使用せずに露光を行い、その後、上述のメッシュパターン電極42と同様の現像、定着、リンス、乾燥処理を行って作製した。
(現像液の組成)
現像液1リットル(L)中に、以下の化合物が含まれる。
ハイドロキノン 0.037mol/L
N−メチルアミノフェノール 0.016mol/L
メタホウ酸ナトリウム 0.140mol/L
水酸化ナトリウム 0.360mol/L
臭化ナトリウム 0.031mol/L
メタ重亜硫酸カリウム 0.187mol/L
(加熱処理(その1))
上述の工程で得られたサンプルを120℃の過熱蒸気槽に130秒間静置して、加熱処理を行った。
(ゼラチン分解液の調製)
タンパク質分解酵素(ナガセケムテックス社製ビオプラーゼ30L)の水溶液(タンパク質分解酵素の濃度:0.5質量%)に、トリエタノールアミン、硫酸を加えてpHを8.5に調製した。
(ゼラチン分解処理)
上述の工程で得られたサンプルを、タンパク質分解酵素水溶液(40℃)に120秒浸漬した。サンプルA〜Hをそれぞれ水溶液から取り出し、温水(液温:50℃)に120秒間浸漬し、洗浄した。
(カレンダ処理)
カレンダ処理用のフィルム材料として、後述の方法で作成した凹凸フィルム1を使用し、この凹凸フィルム1の凹凸面と、6cm幅のメッシュ試料のメッシュ面を重ね、表面が鏡面加工された金属ローラー(直径95mm)と樹脂製のローラー(直径95mm)の組み合わせによるカレンダ装置を使用して、ジャッキ圧11.4MPaの圧力をかけ、120mm/分の速度で搬送して、カレンダ処理を行った。ベタ試料についても同様にしてカレンダ処理を行った。ここでカレンダ処理は、凹凸フィルム1を樹脂製ローラー側、メッシュ試料またはベタ試料を金属ローラー側に配置して実施した。
(加熱処理(その2))
120℃の過熱蒸気槽に、上述のカレンダ処理後のメッシュ試料およびベタ試料を130秒間処理した。
(高分子架橋処理)
カルボジライトV−02−L2(商品名:日清紡社製)1%水溶液に、上述のカレンダ処理後に加熱処理したメッシュ試料およびベタ試料を30秒浸漬し、それぞれ水溶液から取り出し、純水(室温)に60秒間浸漬し、洗浄、乾燥した。これにより、実施例1に係るメッシュ試料とベタ試料を得た。
[各種評価]
(表面形状評価)
カレンダ処理にて使用するフィルム材料(凹凸フィルム)の表面形状(算術平均粗さRa、凹凸の平均間隔Sm、最大高さRy)は、以下のようにして測定した。
まず、KEYENCE社製レーザー顕微鏡VK8550を使用し、対物レンズ100倍で、フィルム材料の平均的な任意の場所を5視野撮影した。次に、同顕微鏡の形状解析アプリケーションを使用して、1視野あたり2箇所の水平線(147μm)の線粗さ(JIS−B−0601−1994)を求め、それぞれ最小値と最大値を除いた合計8箇所の平均値をフィルム材料の線粗さとした。Raは、上述のようにレーザー顕微鏡を用いて測定したフィルム材料の算術平均粗さ、Smは凹凸の平均間隔、Ryは最大高さである。なお、粗さ測定においては、必要に応じて試料の傾き補正は行ったが、粗さ曲線のカットオフ値の設定およびスムージングはしていない。
(光学特性評価)
<正反射率>
ベタ試料の正反射率は、以下のようにして測定した。まず、日本分光社製紫外可視分光光度計V660(1回反射測定ユニットSLM−736)を使用し、測定波長350nmから800nm、入射角5°で黒ベタ試料の反射スペクトルを測定した。なお、アルミ蒸着平面鏡の正反射光をベースラインとした。得られた反射スペクトルからXYZ表色系D65光源2°視野のY値(等色関数JIS Z9701−1999)を、日本分光社製色彩計算プログラムを用いて計算し、正反射率とした。
正反射率が0.6%以上1%未満の場合、メッシュパターン電極42の金属細線24が見えづらいため好ましく、正反射率が0.5%以上0.6%未満の場合には、金属細線24がより視認しづらくなるためより好ましく、正反射率が0.5%未満の場合には、金属細線24が極めて視認しづらくなるため最も好ましい。正反射率が1%以上となると、金属細線24が目立って見えるため、実用上好ましくない。
<メッシュパターンの見え難さ>
メッシュ試料のカレンダ処理面を、厚み50μmの透明光学粘着フィルム(3M社製、8146−2)で白板ガラスに貼合し、さらに、メッシュ試料のもう一方の面に、100μmのPETフィルムを上述の厚み50μmの透明光学粘着フィルムで貼合した。ガラスおよびPETフィルムで挟み込んだメッシュ試料を、金属細線24が表に向くように、すなわち、ガラス面が上となるように、黒色の紙面に置き、蛍光灯下および太陽光下において、光の当たる向きとパターンを観察する向きを変えて、総合的にメッシュパターンの見え難さ、すなわちメッシュの視認性を評価した。評価基準を下記に示す。
「A」:メッシュパターンを視認しづらく、実用上問題のない場合
「B」:強い光源(太陽光下)の下で、角度によってはメッシュパターンが目立つことがあるが、実用上問題のない場合
「C」:弱い光源(蛍光灯下)の下でも、角度によってはメッシュパターンが目立つことがあるが、実用上問題のない場合
「D」:メッシュパターンでの光反射が目立ち、実害を生じる場合
(導通性評価)
メッシュパターン電極42に対し、デジタルマルチメーター(PICOTEST社製M3500)による抵抗値測定、および、デジタルマイクロスコープによる観察によって、断線率を評価した。まず、図8(a)に示すメッシュパターン電極42を各20水準用意し、デジタルマイクロスコープによって断線のないことを確認したメッシュパターンの抵抗値を測定した。次いで残りの19水準に対し抵抗値を測定し、断線のない水準の抵抗値に対し1.3倍以上の抵抗値を示した水準に関し、デジタルマイクロスコープで断線の有無を確認した。端子44aと端子44bの間の抵抗値が測定できず、完全に断線している水準の割合、および端子44aと端子44bの間の抵抗値の測定が可能だが部分的な断線が発生している水準の割合をカウントし、下記のランク付けを行い、導電性を評価した。
「A」:完全断線も部分断線も見られず、好ましい場合。
「B」:部分断線の発生はあるものの完全断線が見られず、導電材料として許容される場合。
「C」:完全断線の発生があり、導電材料として好ましくない場合。
(微粒子の脱落耐性評価)
凹凸フィルムを加圧処理した際の微粒子の脱落耐性を評価するために、各凹凸フィルムについて、上述のベタ試料を用いたカレンダ処理を10回連続で行い、ベタ試料上に付着した微粒子の有無を目視観察し、下記のランク付けを行った。
A:微粒子の脱落が全く認められない。
B:微粒子の脱落が認められる。
<凹凸フィルム1の作成>
厚み63μmの二軸延伸PETフィルムの両面にコロナ処理を施した後、下塗り層を形成することにより、下塗り支持体を得た。ここで下塗り支持体は片面には第一下塗り層および第二下塗層を、反対面に帯電防止層および保護層を支持体側から順次有する。下塗り層の組成を以下に記す。
《第一下塗り層の組成》
スチレン/ブタジエン共重合体ラテックス・・・319.2mg/m(共重合比67/33)
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム塩・・・11.1mg/m
《第二下塗り層の組成》
脱灰高分子量ゼラチン・・・134.4mg/m
イソチアゾリン・・・0.5mg/m
グリシン・・・3.4mg/m
《帯電防止層》
アクリル酸エステル共重合体・・・38mg/m
(ジュリマーET−410、日本純薬(株)製)
ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム・・・4.1mg/m
(サンデットBL、三洋化成工業(株)製)
二酸化スズ・アンチモン(針状の金属酸化物粒子)・・・122.9mg/m
(FS−10D、長軸/短軸比=20〜30、長軸0.2〜2.0μm、短軸 0.01〜0.02μm、石原産業(株)製)
ポリオキシエチレンフェニルエーテル・・・4.1mg/m
メチル化メラミン系樹脂・・・24.1mg/m(スミテクス レジンM−3、住友化学工業(株)製)
《保護層》
ポリオレフィンアイオノマー・・・30.5mg/m(ケミパールS−120、三井石油化学(株)製)
ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル・グリシドール付加物・・・4.1mg/m
ポリオキシエチレンフェニルエーテル・・・4.1mg/m
コロイダルシリカ ・・・6.8mg/m(スノーテックスC、粒子径0.020μm、日産化学(株)製)
ポリグリセロールポリグリシジルエーテル・・・12.0mg/m(エポキシ架橋剤;デナコールEX−521、ナガセ化成(株)製)
ヘキサデシルオキシスルホン酸ナトリウム・・・6.2mg/m(硫酸エステル系界面活性剤;NIKKOL SCS、日光ケミカルズ(株)製)
上述の下塗り支持体の第二下塗り層の上に、微粒子およびバインダーを含む水溶液を塗布し、乾燥することにより微粒子含有層を形成し、本発明のフィルム材料、すなわち、凹凸フィルム1を得た。ここで、微粒子含有層は以下に示す組成であった。
《微粒子含有層の組成》
球状架橋PMMA微粒子・・・2.13g/m
ゼラチン・・・2.83g/m
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム・・・45mg/m
界面活性剤(Sa−1)・・・90mg/m
界面活性剤(Sa−2)・・・60mg/m
界面活性剤(Sa−3)・・・8mg/m
界面活性剤(ドデシルスルホン酸ナトリウム)・・・50mg/m
プロキセル・・・6mg/m
1,3−ジビニルスルホニル−2−プロパノール・・・130mg/m
ここで、球状架橋PMMA微粒子は、綜研化学(株)製のゼラチン分散物、SG−5Aを用いた。SG−5Aは、走査型電子顕微鏡による観察で求めた結果、平均球相当直径が0.7μm、変動係数10%からなる架橋PMMA微粒子を有していた。
<実施例2>〜<実施例13>
上述の実施例1のメッシュ試料およびベタ試料の作成方法に対して、カレンダ処理用のフィルム材料30として、後述の方法で作成した凹凸フィルム2〜凹凸フィルム13を使用したことのみ異なる方法によって、メッシュ試料およびベタ試料を作成した。
<比較例1>〜<比較例3>
上述の実施例1のメッシュ試料およびベタ試料の作成方法に対して、カレンダ処理用のフィルム材料30として、後述の方法で作成した凹凸フィルム14〜凹凸フィルム16を使用したことのみ異なる方法によって、メッシュ試料およびベタ試料を作成した。
<凹凸フィルム2〜凹凸フィルム7および凹凸フィルム14〜凹凸フィルム15の作成>
凹凸フィルム1の作成方法に対して、微粒子含有層に加える球状架橋PMMA微粒子分散物の量とゼラチン量を変更したことのみ異なる方法によって凹凸フィルムを作成し、凹凸フィルム2〜凹凸フィルム7および凹凸フィルム14〜凹凸フィルム15を得た。
<凹凸フィルム8の作成>
凹凸フィルム1の作成方法に対して、微粒子含有層を、下記組成からなる下引き層および微粒子含有層に変更したことのみ異なる方法によって凹凸フィルムを作成し、凹凸フィルム8を得た。
<下引き層>
ゼラチン・・・1.3g/m
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム・・・17mg/m
界面活性剤(Sa−1)・・・5mg/m
界面活性剤(Sa−2)・・・5mg/m
プロキセル・・・2mg/m
1,3−ジビニルスルホニル−2−プロパノール・・・37mg/m
<微粒子含有層>
球状架橋PMMA微粒子・・・0.71g/m
ゼラチン・・・0.83g/m
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム・・・45mg/m
界面活性剤(Sa−1)・・・30mg/m
界面活性剤(Sa−2)・・・5mg/m
界面活性剤(Sa−3)・・・2mg/m
界面活性剤(ドデシルスルホン酸ナトリウム)・・・17mg/m
プロキセル・・・6mg/m
1,3−ジビニルスルホニル−2−プロパノール・・・130mg/m
<凹凸フィルム9の作成>
凹凸フィルム1の作成方法に対して、微粒子含有層の組成を後述の組成に変更することにより、凹凸フィルム9を得た。凹凸フィルム1に対し、凹凸フィルム9は微粒子含有層の主バインダーをゼラチンから前述のポリマーラテックスP−1に変え、使用する微粒子を綜研化学(株)製の架橋PMMA微粒子(MX−80H3wT:商品名)に変更した。MX−80H3wTは電子顕微鏡による観察の結果、平均粒径0.8μm、変動係数12%からなる球形粒子を有していた。
<微粒子含有層>
架橋球状微粒子
球状架橋PMMA微粒子・・・0.83g/m
上述のポリマーラテックスP−1・・・0.42g/m
界面活性剤 ラビゾール A−90(商品名:日油(株)製)・・・5.0mg/m
界面活性剤 ナロアクティCL−95(商品名:三洋化成工業(株)製)・・・6.3mg/m
架橋剤 カルボジライトV−02−L2(商品名:日清紡(株)製)・・・37.7mg/m
カルナバワックス・・・6.3mg/m
<凹凸フィルム10、凹凸フィルム11の作成>
凹凸フィルム9の作成方法に対し、PMMA微粒子とバインダーの塗布量を変更したことのみ異なる方法によって凹凸フィルムを作成し、凹凸フィルム10および凹凸フィルム11を得た。
<凹凸フィルム12の作成>
凹凸フィルム3の作成方法に対し、PMMA微粒子として、平均粒径1.5μm、変動係数12%からなる球形粒子を使用したことのみ異なる方法によって凹凸フィルムを作成し、凹凸フィルム12を得た。
<凹凸フィルム13、凹凸フィルム16の作成>
凹凸フィルム1の作成方法に対して、微粒子含有層に加える微粒子として、架橋PMMA微粒子のゼラチン分散物に代え、硫酸バリウムストロンチウム微粒子のゼラチン分散物を用いたことのみ異なる方法によって凹凸フィルムを作成し、凹凸フィルム13を得た。ここで硫酸バリウムストロンチウム微粒子は、硫酸バリウムおよび硫酸ストロンチウムを平均で1:2.4の重量比で有する混晶からなり、平均粒径1.0μm、変動係40%の粒子サイズを有していた。また、凹凸フィルム13の作成方法に対して、微粒子とバインダーの塗布量を変更したことのみ異なる方法によって、凹凸フィルム16を得た。
表3に示すように、実施例1〜13の凹凸フィルムを用いて作製した導電材料はいずれも好ましい視認性と導電性を有しており、視認性と導電性の両立を図ることができた。
一方、比較例1の凹凸フィルムは、算術平均粗さRaの値が、本発明の下限値よりも小さく、作製した導電材料は黒ベタ全光反射率が高くなり、しかも導電材料のメッシュパターンが目立ち、タッチパネル等の光学材料用透明導電材料として好ましいものではない。
比較例2、3は、算術平均粗さRaの値が本発明の上限値よりも高く、作製した導電材料では金属配線の断線が見られ、好ましい導電性が得られなかった。
また、比較例2は、最大高さRy値が本発明の好ましい範囲である4.0を超え、さらには微粒子とバインダーの体積比(Vp/Vb)が本発明の好ましい範囲の2.0未満よりも大きい値であるため、金属配線について、部分断線または完全断線が見られた。
実施例7は、微粒子とバインダーの体積比(Vp/Vb)が本発明の好ましい範囲の2.0未満よりも大きい値であり、微粒子の脱落が一部見られる結果であった。実施例12は、最大高さRy値が本発明の好ましい範囲である4.0を超えており、導線性が若干劣るが、導電材料としては許容される。
実施例13は、微粒子に硫酸バリウムストロンチウム微粒子を用いており、実施例9は微粒子に架橋PMMA微粒子を用いている。実施例9は、メッシュ視認性および導電性の評価はAであるが、実施例13はメッシュ視認性の評価がCである。微粒子には、樹脂微粒子である架橋PMMA微粒子を用いた方が好ましい結果が得られた。
比較例2、3でも、微粒子に架橋PMMA微粒子を用いた比較例2の方が、硫酸バリウムストロンチウム微粒子を用いた比較例3よりもメッシュ視認性の評価がよい。このことからも、微粒子には、樹脂微粒子を用いることが好ましい。
以下に示すようにして、タッチパネルの評価を行った。
(実施例14)
上述の感光性材料1に対して両面同時にタッチパネル用のメッシュパターン露光を行ったこと以外は実施例1と同様の方法によって導電材料を作成し、両面にメッシュパターン電極42を有する試料を得た。得られた導電材料を用いてタッチパネルを作成した結果、良好な導電性および視認性を有していた。なお、感光材料の露光パターンおよび露光方法、ならびにタッチパネルの作成方法は特開2014−160481号公報の実施例101と同様にして行い、凹凸フィルムに接して加圧処理を行った側の電極をガラス側(すなわち観察側)に貼合した。
(実施例15)
上述の感光性材料1の作成方法に対して、(透明支持体12)として38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに代えて、厚み40μmのシクロオレフィンフィルム(日本ゼオン株式会社製、ZF14−40(商品名))を用いたことのみことなる方法によって感光材料を作成し、感光性材料2を得た。ここで、下塗り層の形成は厚み40μmを有するシクロオレフィンフィルム上に大気圧プラズマ処理を行った基材に対して行い、基材の延伸は行っていない。得られた感光性材料2を用いて実施例14と同様にしてタッチパネルを作成した結果、良好な導電性および視認性を有していた。
10 透明導電膜
10A 第1透明導電膜
10B 第2透明導電膜
12 透明支持体
12a 表面
14 金属配線部
14A 第1金属配線部
14B 第2金属配線部
16 表示装置
16a 表示パネル
18 電極部
18A 第1電極部
18B 第2電極部
24 金属細線
26 格子
28 メッシュパターン
30 フィルム材料
30a 表面
32A 第1カレンダローラー
32B 第2カレンダローラー
34 積層体
42 メッシュパターン電極
44a、44b 端子
46 正方格子
48 電極パターン
50 基体
52 微粒子含有層
54 バインダー層
56 微粒子

Claims (6)

  1. 支持体上に複数の金属配線を有する導電材料の表面に重ね合わせて加圧処理を行うことにより、前記導電材料の表面形状を制御するためのフィルム材料であって、
    前記フィルム材料は、基体と、前記基体上に形成された、バインダーおよび微粒子を含む微粒子含有層を有し、
    前記フィルム材料は、前記微粒子含有層側の表面の算術平均粗さRa(μm)の値が0.15以上0.36以下であることを特徴とするフィルム材料。
  2. 前記フィルム材料の表面の最大高さRy(μm)の値が4.0以下である請求項1に記載のるフィルム材料。
  3. 前記微粒子含有層は、前記微粒子の体積をVpとし、前記バインダーの体積をVbとするとき、Vp/Vbで表される体積比が2.0未満である請求項1または2に記載のフィルム材料。
  4. 前記微粒子含有層の前記微粒子は樹脂で構成される請求項1〜3のいずれか1項に記載のフィルム材料。
  5. 支持体上に複数の金属配線を有する導電材料の製造方法であって、
    前記支持体上に金属配線を配置する工程と、
    基体上にバインダーおよび微粒子を含む微粒子含有層が形成されたフィルム材料と、前記金属配線が配置された前記支持体とを、前記微粒子含有層を前記金属配線に向けた状態で重ね合わせて加圧処理を行う工程とを有し、
    前記フィルム材料は、前記微粒子含有層側の表面の算術平均粗さRa(μm)の値が0.15以上0.36以下であることを特徴とする導電材料の製造方法。
  6. 前記導電材料は、タッチパネルセンサーおよび電磁波シールドフィルムのうち、いずれかに使用される請求項5に記載の導電材料の製造方法。
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