JP6823602B2 - メカニカルシール - Google Patents

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    • F16J15/348Pre-assembled seals, e.g. cartridge seals

Description

本発明は、流体機器の駆動軸等の軸封部品として用いられるメカニカルシールに関する。
メカニカルシールは、流体機器のハウジングと、ハウジングを貫通するように配置される回転軸との間に装着して使用されるものであり、軸方向に移動可能に付勢される固定用密封環と、軸方向への移動が阻止された回転用密封環との摺接により、流体機器の内部から外部又は外部から内部への流体の漏れを防ぐものである。
従来のメカニカルシールとして、例えば特許文献1には、摺動端面を有する回転用密封環(回転側部材)が、回転軸に固定され、同じく摺動端面を有する固定用密封環(固定側部材)が、付勢手段(固定側部材)を介して、軸方向に移動可能にカートリッジ(固定側部材)に保持された状態で、流体機器のハウジングに固定され、回転用密封環の摺動端面と固定用密封環の摺動端面が摺接することでシール性を確保するものが開示されている。
特開2005−265075号公報(図1)
これらのメカニカルシールは、流体機器への取付けの作業性を考慮し、回転側部材と固定側部材を一組の部品にユニット化して組立てた状態で取り扱われている。ここで、運搬時や流体機器への取付け作業時に摺動端面間への異物の侵入を防ぐために、樹脂等の中間部材を回転側部材と固定側部材の間に圧入し、これにより発生する中間部材と回転側部材との摩擦力と、中間部材と固定側部材との摩擦力とを、固定側部材の付勢手段による付勢力と対抗させることにより、互いの摺動端面の接触状態を維持するように固定側部材に回転側部材を位置決め固定することが行われている。
しかしながら、このような中間部材を用いて回転側部材と固定側部材の接触状態を維持するように位置決め固定するためには、回転側部材と固定側部材とを組立てた後に、中間部材を挿入する必要があるとともに、このメカニカルシールを流体機器へ取付けた後に、中間部材を除去する必要があり、メカニカルシールの位置決め固定する作業及び流体機器への取付け作業に掛かる工数が増えていた。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、メカニカルシールを位置決め固定する作業及び流体機器への取付けを簡易に実現できるメカニカルシールを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明のメカニカルシールは、
流体機器の回転軸に固定される円筒部と、摺動端面と、を備え前記回転軸とともに回転する回転側部材と、
前記流体機器のハウジングに固定される弾性を有するシールケースと、摺動端面を有し前記回転側部材の摺動端面と摺接する静止環と、前記シールケースに保持され前記静止環を前記回転軸の軸方向に移動可能に付勢する付勢手段と、を備える固定側部材と、を有するメカニカルシールにおいて、
前記シールケースは、前記回転軸に沿って延設される内周部を備え、
前記内周部は係合部、前記円筒部は被係合部を有し、前記円筒部には前記被係合部に対し、前記固定側部材とは軸方向反対側に前記被係合部の外周面よりも径方向内側に陥没面が設けられ、前記内周部の前記係合部内側の径よりも前記円筒部の前記被係合部外側の径の寸法が大きく形成され、前記被係合部は、前記円筒部に、全周に亘って連続して形成され、前記係合部と前記被係合部が接触して前記回転側部材と前記固定側部材とが係合されていることを特徴としている。
この特徴によれば、固定側部材に係合部、回転側部材に被係合部を設け、円筒部の被係合部は全周に亘って連続して形成されており、回転側部材とシールケースを近接させることにより、シールケースが弾性変形されて円筒部に係合され、位置決めされるため、それぞれの摺動端面の接触状態が維持された状態で持ち運びが可能となるとともに、この状態から両者を更に近接させることで、メカニカルシールを通常の使用状態に供することができる。更に、メカニカルシールを組立て、位置決め固定する作業において、円筒部に対する内周部の周方向の位置を管理することなく互いに回転側部材と固定側部材を近接させることができるため、位置決め固定する作業を簡単に行うことができる。
前記円筒部の軸方向に対し、前記固定部材側に前記円筒部の外周面から内側に向けて傾く傾斜面が形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、回転側部材とシールケースを近接させた際に、傾斜面からシールケースの内周部の先端が乗り上げ、その後内周部の先端が先細り形状の部分にガイドされて径方向に移動させられることにより、内周部の弾性変形を促し、円滑に係合状態に移行させることができる。
前記内周部の先端には、スリットが設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、内周部の先端のスリットにより、内周部の先端の周方向の拘束力が弱くなるため、内周部の拡径方向の弾性変形を促すことができる。
前記係合部と前記被係合部は、径方向に接触して係合していることを特徴としている。
この特徴によれば、軸方向の位置決めは係合部と被係合部の接触による摩擦により固定され、さらに円筒部と内周部の係合部と被係合部が径方向に接触して係合されているため、円筒部とシールケースの径方向のがたつきを抑えることができ、流体機器に装着する際、固定側部材と回転側部材の同軸度を保持したまま装着することが可能となる。
前記係合部と前記被係合部は、軸方向に接触して係合していることを特徴としている。
この特徴によれば、固定側部材と回転側部材を確実に保持することが可能となる。
前記回転側部材は一体の焼成材により形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、回転側部材の円筒部の剛性を確保できるため、円筒部が変形することなく、垂直抗力を確実に発生させることができ、係合部が強固に摩擦係合することができる。
前記円筒部の係合部は、前記円筒部の外周面から前記陥没面に向けて傾く傾斜面により形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、円筒部の係合部が傾斜面に係合することで、強固に位置決め固定ができるとともに、確実かつ簡単に位置決め固定することができる。
実施例1における本発明に係るメカニカルシールの係合状態における正面断面図である。 実施例1におけるメカニカルシールの固定側部材と回転側部材の組立て前の状態における正面断面図である。 実施例1におけるメカニカルシールの各状態への移行を説明する係合部周辺の正面拡大図である。 実施例1におけるシールケースの先端部周辺の形状を示す側面図である。 実施例1におけるメカニカルシールを(a)固定側部材をハウジングに取付けた状態、(b)回転側部材に回転軸を取付けた後の使用状態の正面断面図である。 実施例1のメカニカルシールの変形例であり、(a)係合状態における正面断面図、(b)各状態への移行を説明する係合部周辺の正面拡大図である。 実施例2における本発明に係るメカニカルシールの(a)係合状態における正面断面図、(b)各状態への移行を示す係合部周辺の正面拡大図である。 実施例3における本発明に係るメカニカルシールの係合状態における正面断面図である。
本発明に係るメカニカルシールを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。なお、以下の説明において、図1における左右方向をメカニカルシールの軸方向、上下方向をメカニカルシールの径方向と定義する。
また、以下の説明において、組立て作業とは、回転側部材と固定側部材を組み合わせる作業を意味し、係合状態とは、組立てられた回転側部材と固定側部材が、本発明の構成である係合部と被係合部の係合により互いに位置決め固定された状態を意味し、取付け作業とは、位置決め固定された回転側部材と固定側部材を、メカニカルシールとして流体機器に取付ける作業を意味するものとする。
実施例1に係る高速回転用のメカニカルシールについて、図1から図6を参照して説明する。
図1に示されるように、本発明に係るメカニカルシール1は主に、回転側部材である回転環2と、静止環4、マルチスプリング5、シールケース6、Oリング7及びテンションプレート8から成る固定側部材3により構成されている。回転環2の軸方向端面の一方に形成される摺動端面2sと、これと対向して配置される静止環4の摺動端面4sとが摺接することで、メカニカルシール1が取付けられた流体機器のハウジング9(図5参照)と回転軸10(図5参照)まわりのシール性を確保するものであり、メカニカルシール1の使用前の係合状態(図1)においては摺動端面2sと摺動端面4sは密着しているが、使用時(図5(b))においては密封流体を介して微小隙間が形成されるものである。
回転環2は主に、一方の軸方向端面に摺動端面2sを備えるリング部2aと、リング部2aの径方向内側に軸方向に沿って延設され、流体機器の回転軸10に相対回転不能に固定される円筒部2bにより構成されている。円筒部2bには、先端から先細り面2p(傾斜面)、平坦面2q(被係合部)、立設面2r、陥没面2gが設けられている(図3参照)。
更に、立設面2r及び陥没面2gにより円筒部2bには周方向溝2hが形成されている。
また、回転環2は高速回転時の質量バランスを考慮し、回転軸を含む径方向の断面形状が全周に亘って均一に形成されている。
次に、固定側部材3は主に、摺動端面4sを備える静止環4と、周方向に均等に複数配置され、静止環4をテンションプレート8を介して回転環2に付勢する付勢手段としてのマルチスプリング5と、断面略U字状に形成され、マルチスプリング5を介して静止環4を保持し、流体機器のハウジング9に固定されるシールケース6と、二次シールとしてシールケース6の内周部6bと静止環4の間に介挿されるOリング7により構成されている。
ここで、回転環2と静止環4は一般的なメカニカルシールの密封環に用いられる材質により形成されており、例えばSiCといったセラミックスやカーボンの焼成材により形成されている。また、静止環4は回転環2と対向する端面に摺動端面4sを備えている。マルチスプリング5はシールケース6の端面部6cにより保持されており、テンションプレート8を介してマルチスプリング5は静止環4を軸方向に付勢しており、回転環2への軸方向の当たり量を自動で調整できる構造となっている。なお、静止環4の材質についても、セラミックスや超硬合金を採用することができる。
また、シールケース6は主に、流体機器への取付け時においてハウジングに固定される外周部6aと、内周側に軸方向に延設される内周部6bと、これらをつなぎ、端面を形成する端面部6cにより構成されている。内周部6bの先端には径方向内側に湾曲する鉤状の先端部6d(係合部)が設けられている。シールケース6は金属の板金が採用されている。
次に、図2に示されるように、回転環2と、固定側部材3は組立て前においては別部品として取り扱われており、流体機器への取付け時の作業性や、搬送時の摺動端面間への異物の侵入を防ぐために、軸方向に互いに近接させることで一組のユニット化された部品として組み合わせることが可能な構造となっている。
次に、回転環2と固定側部材3とを組立てた後に位置決め固定する作業について説明する。
図2における回転環2と固定側部材3が分離した状態から、軸方向に回転環2と固定側部材3を近接させると、図3に示されるように回転環2の円筒部2bと、シールケース6の内周部6bの先端に設けられた先端部6dが接触し、係合状態へと移行する。より詳細には、図3における(i)組立て前の状態、から回転環2と固定側部材3を近接させることで、(ii)内周部6bの先端部6dと円筒部2bの先細り面2pが接触した状態、となる。
更に、この状態から回転環2と固定側部材3を互いに近接させると、内周部6bは径方向に弾性を有しているため、先端部6dは内周部6bとともに径方向外向きに撓むことで弾性変形し、先細り面2pに案内されながら漸次乗り上げていくことになり、円筒部2bの外周面にあたる平坦面2qまで乗り上げた状態において、(iii)先端部6dと平坦面2qの係合状態、となる。なお、この状態において、シールケース6の内周部6bの外周面と、その径方向外側に位置する静止環4の間には充分な寸法が確保されており、内周部6bの径方向外向きの撓みにより、先端部6dと静止環4が干渉することはない。
このとき、先端部6dは径方向外向きに寸法δ1の変位を有しているため、径方向内向きの復元力が発生し、この復元力により平坦面2qを押圧した状態となる。すなわち、平坦面2qが本発明における回転環2の被係合部、先端部6dが本発明における固定側部材3の係合部となっており、係合部と被係合部が互いに摩擦係合(締まり嵌め)していることになる。また、内周部6bの径方向外向きの撓みにより、内周部6bと静止環4の間に介挿されたOリング7が変形するが、この変形に伴う復元力も、先端部6dが平坦面2qを押圧する力として寄与している。
なお、更に回転環2と固定側部材3を近接させた(iv)使用状態、については後述する。
ここで、シールケース6はマルチスプリング5が静止環4を押圧する反力により、端面部6cを介して回転環2と固定側部材3が軸方向に離間する向きの力を受けている。一方、先端部6dの先端面6dsと平坦面2qの接触箇所には、径方向外向きの垂直抗力が発生している。ここで、円筒部2bは一定の剛性を有する焼成材により形成されているため、径方向内向きに変形することなく、径方向外向きの垂直抗力を確実に発生することができる。
これにより、マルチスプリング5の反力に対抗する向きの摩擦力が、先端部6dの先端面6dsと平坦面2qの接触箇所に発生することになるため、(iii)先端部6dと平坦面2qの係合状態、において回転環2と固定側部材3は互いに離間することなく、位置決め固定されることになり、回転環2の摺動端面2sと静止環4の摺動端面4sが互いに接触した状態を維持することができる。このようにして、摺動端面2s,4s間に異物が侵入することを防ぐことができる。また、点検等の作業により分解の必要が生じた際に、先端部6dを拡径させることで、回転環2と固定側部材3を簡単に分離することもできる構成となっている。
また、図4に示されるように、シールケース6の内周部6bの先端部6dは、全周に亘って、周方向に所定間隔のスリット6eを介して複数設けられている。内周部6bの先端部6dに係合する円筒部2bの平坦面2qが、全周に亘って形成されているため、周方向に均一に押圧でき強固な位置決め固定が可能となっている。更に、複数の先端部6dが円筒部2bを周方向に均一に押圧できるため、シールケース6と円筒部2bの間に径方向のガタツキを抑えることができるので、搬送時の振動等により摺動端面2s,4s間が開くことを効果的に防止することができる。
また、複数の先端部6dが径方向から平坦面2qに当接することにより、シールケース6と円筒部2bの軸心は調心される。そのため、流体機器へのメカニカルシール1の取付け作業において、ハウジング9に固定側部材3を固定した状態で回転環2と回転軸10を固定する際に、円筒部2bの回転軸10に対する軸心のずれによる干渉が起こらず、円筒部2bを回転軸10に精度良く取付けることができる。
また、スリット6eが内周部6bの先端に周方向に全周に亘って設けられているため、先端部6dの径方向の拘束力は弱く、回転環2の円筒部2bと接触した際に、先端部6dが内周部6bとともに拡径方向に弾性変形することを促しやすい構造となっている。このスリット6eの数及び深さについては、本実施例の態様に限られず、マルチスプリング5の付勢力や円筒部2b及び内周部6bの厚み等を考慮して、任意に選択することができる。
なお、本実施例においては、図3において固定側部材3のシールケース6の内周部6bが径方向外向きに拡径するように変形する例について説明したが、この態様に限られず、回転環2の円筒部2bが径方向内向きに縮径するように変形するものであっても良く、またそれらの変形が同時に起こるものであっても良い。
また、本実施例においては、図3に示されるように先端部6dの先端面6dsのエッジが平坦面2qに線接触しているため、引っ掛かりにより先端部6dを平坦面2qに強固に位置決め固定できているが、先端面6dsが一様に平坦面2qに面接触するような態様であっても良い。
更になお、本実施例においては、円筒部2bの軸方向の先端に先細り面2pを有していることにより、組立て前(図2)においては、内周部6bの先端部6dは、円筒部2bの平坦面2qよりも径方向内側に位置していても、回転環2の円筒部2bとシールケース6が接触した後に、先端部6dが、円筒部2bの先端面2uに衝突することなく、先細り面2pに案内されながら漸次乗り上げることで、円筒部2bと近接させることができる構成となっているが、この態様に限られず、先端部6dが先細り面2pと同じ向きに傾斜する面を有しており、円筒部2bは先細り形状を有していなくても良い。また、先細り面2pは平面に限られず、先端部6dを平坦面2qまで案内できる形状であれば、例えばR形状を有する曲面や凸面であってもよい。
次に、メカニカルシール1の流体機器への取付け作業について説明する。
まず、図5(a)に示されるように、流体機器のハウジング9に対して固定側部材3の外周部6aを嵌装し、固定する。ここで、回転環2と固定側部材3は既に組立てられているため、回転環2も同時に流体機器に取付けられることになる。
次に、図5(b)に示されるように、回転軸10をハウジング9に対して所定位置に固定すると、回転環2と固定側部材3が更に近接され、図3における(iv)使用状態、となる。
このとき、図3及び図5(b)に示されるように、シールケース6の内周部6bの先端部6dは、円筒部2bの周方向溝2hの上部に位置することになる。ここで、円筒部2bの周方向溝2hの底面を成す陥没面2gは、先端部6dと接触しない深さに設けられているため、先端部6dと平坦面2qの係合状態は解除され、メカニカルシール1の取付け前の係合状態において先端部6dが有していたδ1の変位はなくなり、先端部6dと円筒部2bの間に発生する垂直抗力が無くなるため、メカニカルシール1の使用に際して、回転環2が固定側部材3に対して相対回転をした場合に、回転を阻害する摩擦力が発生することはなく、メカニカルシール1を通常の使用状態に供することができる。
このように、回転環2と固定側部材3を軸方向に互いに近接させるだけで、平坦面2q、先端部6dが係合し、位置決め固定されることにより、回転環2の摺動端面2sと静止環4の摺動端面4sが互いに接触した状態を維持することができるとともに、更に回転環2と固定側部材3を軸方向に互いに近接させるだけで、平坦面2q、先端部6dの係合状態を解除して、メカニカルシール1を通常の使用状態に供することができる。そのため、従来用いていたような中間部材を回転環2と固定側部材3の間に挿入する作業や、流体機器への取付け後に当該中間部材を除去する作業が不要になり、組立て及び取付け作業に掛かる工数を減らすことができる。
次に、実施例1に係るメカニカルシール1の変形例について説明する。
図6(a)に示されるように、本変形例に係るメカニカルシール1’は、構成部品としてはメカニカルシール1と同一であるが、回転環2と固定側部材3の組立て時において、円筒部2bと内周部6bの係合する箇所が異なっている。本変形例においては、図6(b)に示されるように、(iii’)先端部6dと立設面2rの係合状態、により、先端部6dの先端側面6dw(係合部)と立設面2rが面係合されており、この変形例においては、立設面2rが本発明における回転環2の被係合部となっている。このように面係合(引っ掛け)とすることで、軸方向の引き抜き力に強い力で対抗することができ、流体機器への取付け作業時等において、引き抜き方向の力がかかった場合でも回転環2と固定側部材3が外れることを防ぐことができる。なお、流体機器への取付け及び図6(b)における(i)、(ii)、(iv)の各状態においては、前述の実施例と同様である。
なお、本変形例に係るメカニカルシール1’においては、係合状態への移行の手順として、(ii)内周部6bの先端部6dと円筒部2bの先細り面2pが接触した状態、の後に(iv)使用状態、まで一度に近接させてしまい、その後(iii’)先端部6dと立設面2rの係合状態、に移行させても良い。この手順とすることで、回転環2と固定側部材3の軸方向の近接距離を管理することなく近接させることができるため、組立及び位置決め固定する作業を簡単なものとすることができる。
実施例2に係るメカニカルシール11について図7を参照して説明する。なお、実施例1と同一の構成については説明を省略する。
図7に示されるように、実施例2に係るメカニカルシール11は、回転環12の円筒部12bに設けられた平坦面12qから、陥没面12gに向けて傾斜面12tを有しており、内周部6bの先端部6dは、この傾斜面12tと係合している。すなわち、図7(b)に示されるように、(iii’’)先端部6dと傾斜面12tの係合状態、において、平坦面12qを通り過ぎた先端部6dは、円筒部2bの傾斜面12tの一部と接触し係合するが、このとき先端部6dが有する径方向外向きの変位量は、先端部6dが平坦面12qの上部に位置していたδ1から少し復元し、δ2と変化している。
このため、先端部6dの先端面6dsと傾斜面12tの間に発生する垂直抗力としては、この内周部6bの撓み量δ2に起因する復元力を垂直成分に分解した力と、マルチスプリング5による反力を垂直成分に分解した力の和となるため、実施例1と比較して、大きな摩擦力が得られる。また、傾斜面12tを有していることにより、点検等の作業により分解の必要が生じた際に、先端部6dを拡径させることで、回転環2と固定側部材3を簡単に分離することもできる構成となっている。
なお、実施例2に係るメカニカルシール11においては、係合状態として前述の先端部6dと傾斜面12tの係合状態の他、実施例1で説明した先端部6dと平坦面12qの係合状態とすることもでき、このように円筒部12bの被係合部として、傾斜面12tと平坦面12qの広い範囲を用いることができるため、回転環2と固定側部材3の軸方向の近接距離を管理することなく近接させることができ、組立及び位置決め固定する作業を簡単なものとすることができる。
また、本変形例に係るメカニカルシール11においては、係合状態への移行の手順として、(ii)内周部6bの先端部6dと円筒部12bの先細り面12pが接触した状態、の後に(iv)使用状態、まで一度に近接させてしまい、その後(iii’’)先端部6dと傾斜面12tの係合状態、に移行させても良い。この手順とすることで、回転環12と固定側部材3の軸方向の近接距離を管理することなく近接させることができるため、組立及び位置決め固定する作業を簡単なものとすることができる。
実施例3に係るメカニカルシール21について図8を参照して説明する。なお、上記実施例と同一の構成については説明を省略する。
図8に示されるように、メカニカルシール21の回転側部材22は主に、リング部材22a、円筒部材22b、緩衝材22cといった複数の部材により構成されており、緩衝材22cを介してリング部材22aが円筒部材22bにより保持されている。なお、リング部材22aは焼成材であるSiC、円筒部材22bは板金等の金属、緩衝材22cはゴム等の弾性を有する素材が採用されている。
また、円筒部材22bの軸方向の端部には、先端から傾斜面22p、平坦面22q、立設面22r、溝部22gが設けられている。
次に、回転側部材22と固定側部材3の係合状態について説明する。回転側部材22と固定側部材3を近接させると、シールケース6の内周部6bが先端部6dとともに径方向外向きに拡径方向に弾性変形し、これと同時に円筒部材22bが径方向内向きに縮径方向に弾性変形し、内周部6bの先端部6dが円筒部材22bの平坦面22qに乗り上げると、先端部6bと平坦面2qは互いに上下方向に押圧し、摩擦係合した状態となる。すなわち、本実施例の場合においては、回転側部材22の円筒部材22bと、固定側部材3の内周部6bがそれぞれ変形することで、復元力をそれぞれ発生していることになる。このような構成とすることで、回転側部材22を構成する部品の形状を簡易なものとすることができ、製造コストを抑えることができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、上記実施例では、内周部6bの先端部6dが本発明の係合部として鉤状に設けられていたが、係合部の位置としては先端に限らず、内周部6bの軸方向における中央付近に係合部としての凸部を設けても良い。
また、内周部6bの先端に設けられたスリット6eは、上記実施例における複数の場合のみならず、一か所のみ設けられていても良いが、少なくとも3箇所以上であることが好ましく、周方向等配置にすることで係合時の安定性を確保することができる。
1、11 メカニカルシール
2、12 回転環(回転側部材)
2a、12a リング部
2b、12b 円筒部
2s、12s、22s 摺動端面
2p、12p、22p 先細り部(先細り形状:傾斜面)
2q、12q、22q 平坦面(被係合部)
2r、22r 立設面(被係合部)
3 固定側部材
4 静止環
5 マルチスプリング(付勢手段)
6 シールケース
6b 内周部
6e スリット
6d 先端部(係合部)
6dw 先端側面(係合部)
9 ハウジング
10 回転軸
12t 傾斜面(被係合部)
22 回転側部材
22a リング部材
22b 円筒部材

Claims (7)

  1. 流体機器のハウジングを貫通するように配設される回転軸の外周に固定される円筒部と、摺動端面と、を備え前記回転軸とともに回転する回転側部材と、
    前記流体機器の前記ハウジングに固定される弾性を有するシールケースと、摺動端面を有し前記回転側部材の摺動端面と摺接する静止環と、前記シールケースに保持され前記静止環を前記回転軸の軸方向に移動可能に付勢する付勢手段と、を備える固定側部材と、を有するメカニカルシールにおいて、
    前記シールケースは、前記回転軸に沿って延設され弾性を有する内周部を備え、
    前記内周部は係合部、前記円筒部の径方向外側は被係合部を有し、前記円筒部の径方向外側には前記被係合部に対し、前記固定側部材とは軸方向反対側に前記被係合部の外周面よりも径方向内側に陥没する陥没面が設けられ、前記内周部の前記係合部の内径よりも前記円筒部の前記被係合部の外径の寸法が大きく形成され、前記被係合部は、前記円筒部の径方向外側に、全周に亘って連続して形成され、前記係合部が前記陥没面に没入することで前記係合部と前記被係合部が接触して前記回転側部材と前記固定側部材とが係合されていることを特徴とするメカニカルシール。
  2. 前記円筒部の軸方向に対し、前記固定部材側に前記円筒部の外周面から内側に向けて傾き、前記内周部をガイドする傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のメカニカルシール。
  3. 前記内周部の先端には、該内周部の弾性変形を促すスリットが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のメカニカルシール。
  4. 前記係合部と前記被係合部は、径方向に接触して係合していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のメカニカルシール。
  5. 前記係合部と前記被係合部は、軸方向に接触して係合していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のメカニカルシール。
  6. 前記回転側部材は一体の焼成材により形成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のメカニカルシール。
  7. 前記円筒部の係合部は、前記円筒部の外周面から前記陥没面に向けて傾く傾斜面により形成されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のメカニカルシール。
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