JP6823466B2 - 圧延機の板厚制御装置および該方法ならびに圧延機 - Google Patents

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Description

本発明は、圧延機によって圧延材が圧延されるときに、圧延材の長手方向において、圧延材の板厚(圧延材の厚み)を制御する技術に関する。
圧延機は、一般に、ロールギャップを有する一対のワークロールを備え、圧延材がロールギャップを通過するときに、一対のワークロールによって圧延材を押圧して薄く延ばす機械である。
圧延機が圧延材を圧延するとき、圧延材の長手方向において、圧延材の板厚を目標値にする制御がされる。このような制御として、モニタ板厚制御、マスフロー板厚制御、フィードフォワード板厚制御等が知られている。このうち、モニタ板厚制御は、ロールギャップを通過した圧延材の板厚を、ロールギャップ位置より下流の測定位置で測定し、この測定値を基にして、ロールギャップの大きさを調節するフィードバック制御である。
モニタ板厚制御として、例えば、特許文献1は、圧延機の出側において圧延材の出側板厚偏差を検出し、この検出した出側板厚偏差値を入力信号として、所定の制御動作に基づきコントローラにて演算処理した出力を、圧延機の圧下制御装置に入力して圧延機のロールギャップを調整する自動板厚制御方法において、前記出側板厚偏差値と前記コントローラの出力値とを比較して、両者の周期が同期的であるとき、前記コントローラの制御ゲインを小さくすることを特徴とする圧延機の自動板厚制御方法を開示している。
特開2000−84609号公報
圧延機によって圧延されている圧延材の板厚が目標値からずれ、圧延材の長手方向において、板厚が変動する現象を、ハンチングと称する。ハンチングが発生した場合、直ちにハンチングを止める必要がある。
圧延材の板厚を高精度で制御するために、複数種類の板厚制御(例えば、マスフロー板厚制御とモニタ板厚制御)が並行して実行されることがある。このような板厚制御でハンチングが発生した場合、ハンチングの原因がいずれの種類の板厚制御であるか識別できれば便利である。本発明は、この観点からモニタ板厚制御について検討した結果、ハンチングの原因がモニタ板厚制御でないことを判定することができることを見出した。
本発明の目的は、圧延材の長手方向において、圧延材の板厚を制御する際にハンチングが発生したとき、ハンチングの原因がモニタ板厚制御でないことを判定できる、圧延機の板厚制御装置および該方法ならびに圧延機を提供することである。
本発明の第1局面に係る圧延機の板厚制御装置は、モニタ板厚制御を含む複数種類の板厚制御を並行して実行することにより、圧延材の長手方向において、前記圧延材の板厚を制御する圧延機の板厚制御装置であって、前記圧延材が圧延される第1位置より下流に位置する第2位置で測定された前記圧延材の板厚の偏差を用いて、前記圧延材の長手方向に沿って測定された前記圧延材の板厚の偏差を示す第1データを生成する第1生成部と、前記第1データを基にして、前記偏差の周期的な変化を示す第2データを生成する第2生成部と、前記第1位置で圧延された前記圧延材が前記第2位置に到達するまでの時間である無駄時間と、前記第2データの波形の周期との組み合わせで定められ、前記モニタ板厚制御が原因でハンチングが発生することがない条件を示す組合せ情報を予め記憶する記憶部と、前記ハンチングが発生したとき、前記無駄時間と前記第2データの波形の周期とを算出する算出部と、前記算出部が算出した前記無駄時間と前記第2データの波形の周期との組み合わせが、前記組合せ情報に含まれるか否かを判定する第1判定部と、を備える。
例えば、第2データは、第1データをフーリエ変換して得られた基本周波数を示すデータ(波形データ)でもよいし、第1データを構成する偏差の中央値を示すデータ(波形データ)でもよいし、第1データを移動平均して得られたデータ(波形データ)でもよい。
本発明者は、モニタ板厚制御のゲイン、無駄時間、および、第2データの波形の周期をパラメータとして、モニタ板厚制御のシミュレーションをし、ハンチングが発生する場合と発生しない場合とを調査した。この結果、無駄時間と第2データの波形の周期との組み合わせの中に、モニタ板厚制御のゲインをどのように変化させても、ハンチングが発生しない組み合わせがあることを見出した。
本発明者は、無駄時間と第2データの波形の周期との組み合わせで定められ、モニタ板厚制御が原因でハンチングが発生することがない条件を示す組合せ情報を作成した。組合せ情報と、ハンチングが発生したときの無駄時間と第2データの波形の周期との組合せと、を用いれば、ハンチングの原因がモニタ板厚制御でないことを判定することができる。
以上を基にして、本発明の第1局面に係る圧延機の板厚制御装置が創作された。この板厚制御装置は、ハンチングが発生したときの無駄時間と第2データの波形の周期との組合せが、組合せ情報に含まれると判定したとき、ハンチングの原因がモニタ板厚制御でないことを判定できる。従って、本発明の第1局面に係る圧延機の板厚制御装置によれば、圧延材の長手方向において、圧延材の板厚を制御する際にハンチングが発生したとき、ハンチングの原因がモニタ板厚制御でないことを判定することができる。
モニタ板厚制御は、第1位置より下流に位置する第2位置で圧延材の板厚が測定されたとき、この測定された値である測定値の偏差を基にして、第1位置での圧延を制御することにより、圧延材の長手方向において、圧延材の板厚を制御するフィードバック制御である。
第1位置は、例えば、圧延機に備えられる一対のワークロールによって形成されるギャップの位置である。圧延材が一対のワークロールによって押圧されることによって圧延される。並行に実行される複数種類の板厚制御によって、ギャップ長が変えられることにより、圧延材の圧延が制御される。
上記構成において、前記組合せ情報は、前記無駄時間と前記第2データの波形の周期とで示される座標のうち、T≦3.9tかつT≧2.4tとなる領域の領域にある前記座標であり、前記第1判定部は、前記算出部が算出した前記無駄時間と前記第2データの波形の周期とで示される前記座標が、前記領域外にあるか否かを判定す
式1および式2は、上記シミュレーションの結果を用いて、本発明者が算出した式である。組合せ情報の一例が、式1および式2によって定められる。
上記構成において、前記第2データを監視し、前記第2データを構成する前記偏差がゼロに収束しないとき、ハンチングが発生したと判定する第2判定部をさらに備え、前記算出部は、前記第2判定部が、前記ハンチングが発生したと判定したとき、前記無駄時間と前記第2データの波形の周期とを算出する。
この構成は、ハンチングの自動判定の一例である。ハンチングの自動判定をする手法は、これに限定されない。例えば、第2判定部は、第2データを構成する偏差がゼロを中心にして、予め定められた範囲に収まるとき、ハンチングが発生していないと判定し、第2データを構成する偏差がゼロを中心にして、予め定められた範囲に収まらないとき、ハンチングが発生していると判定してもよい。
上記構成において、前記複数種類の板厚制御を実行する制御部をさらに備える。
上記構成において、前記第1判定部が、前記算出部が算出した前記無駄時間と前記第2データの波形の周期との組み合わせが、前記組合せ情報に含まれる判定したとき、前記制御部は、前記モニタ板厚制御以外の前記複数種類の板厚制御のゲインを下げる制御をする。
ハンチングの原因がモニタ板厚制御でないとき、制御部がモニタ板厚制御のゲインを下げてもハンチングを止めることができない。この構成によれば、そのような無駄な制御を防止できる。
上記構成において、前記第1判定部が、前記算出部が算出した前記無駄時間と前記第2データの波形の周期との組み合わせが、前記組合せ情報に含まれないと判定したとき、前記制御部は、前記モニタ板厚制御のゲインを下げる制御をする。
算出部が算出した無駄時間と第2データの波形の周期との組み合わせが、組合せ情報に含まれないとき、ハンチングの原因がモニタ板厚制御の可能性がある。そこで、制御部は、モニタ板厚制御のゲインを下げることにより、ハンチングの発生を止めることを試みる。
上記構成において、前記モニタ板厚制御のゲインを下げた後、前記ハンチングの発生が止まらないとき、前記制御部は、前記モニタ板厚制御以外の前記複数種類の板厚制御のゲインを下げる制御をする。
モニタ板厚制御のゲインを下げても、ハンチングの発生を止めることができないとき、モニタ板厚制御以外の板厚制御がハンチングの原因である。そこで、制御部は、モニタ板厚制御以外の板厚制御のゲインを下げる制御をする。
本発明の第2局面に係る圧延機の板厚制御方法は、モニタ板厚制御を含む複数種類の板厚制御を並行して実行することにより、圧延材の長手方向において、前記圧延材の板厚を制御する圧延機の板厚制御方法であって、前記圧延材が圧延される第1位置より下流に位置する第2位置で測定された前記圧延材の板厚の偏差を用いて、前記圧延材の長手方向に沿って測定された前記圧延材の板厚の偏差を示す第1データを生成する第1生成ステップと、前記第1データを基にして、前記偏差の周期的な変化を示す第2データを生成する第2生成ステップと、前記第1位置で圧延された前記圧延材が前記第2位置に到達するまでの時間である無駄時間と、前記第2データの波形の周期との組み合わせで定められ、前記モニタ板厚制御が原因でハンチングが発生することがない条件を示す組合せ情報を予め記憶する記憶ステップと、前記ハンチングが発生したとき、前記無駄時間と前記第2データの波形の周期とを算出する算出ステップと、前記算出ステップで算出された前記無駄時間と前記第2データの波形の周期との組み合わせが、前記組合せ情報に含まれるか否かを判定する第1判定ステップと、を備える。
本発明の第2局面に係る圧延機の板厚制御方法は、本発明の第1局面に係る圧延機の板厚制御装置を方法の観点から規定しており、本発明の第1局面に係る圧延機の板厚制御装置と同様の作用効果を有する。
本発明の第3局面に係る圧延機は、上記圧延機の板厚制御装置を備える圧延機である。
本発明の第3局面に係る圧延機は、本発明の第1局面に係る圧延機の板厚制御装置を圧延機の観点から規定しており、本発明の第1局面に係る圧延機の板厚制御装置と同様の作用効果を有する。
本発明によれば、圧延材の長手方向において、圧延材の板厚を制御する際にハンチングが発生したとき、ハンチングの原因がモニタ板厚制御でないことを判定できる。
実施形態における圧延システムの構成を示すブロック図である。 ロールギャップ位置において、一対のワークロールによって圧延された圧延材が、測定位置に送られている状態を示す模式図である。 測定位置を通過した圧延材の一部の平面および側面を示す模式図である。 偏差データの一例を示すグラフである。 偏差データの第1例がフーリエ変換されて得られた基本周波数の波形(波形データWD)を示すグラフである。 偏差データの第2例がフーリエ変換されて得られた基本周波数の波形(波形データWD)を示すグラフである。 組合せ情報の一例を説明するグラフである。 実施形態における圧延システムの動作を説明するフローチャートである。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳細に説明する。各図において、同一符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その構成について、既に説明している内容については、その説明を省略する。本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し(例えば、ワークロール11)、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す(例えば、ワークロール11−1)。
図1は、実施形態における圧延システム100の構成を示すブロック図である。圧延システム100は、冷間圧延のシステムであるが、これに限定されることはなく、熱間圧延のシステムでもよい。圧延機として、タンデム型とリバース型とがある。タンデム型は、タンデムに配置された複数の圧延機で順番に圧延材を圧延する。リバース型は、2つのリールによって圧延材を1回以上往復させて、1台の圧延機で圧延材を圧延する。実施形態では、リバース型を例にして説明する。
実施形態における圧延システム100は、圧延対象である圧延材WKを自動的に所定の目標の厚み(板厚)となるように圧延するシステムであり、例えば、図1に示すように、圧延機1と、第1速度計4と、第1厚み計5と、第2速度計6と、第2厚み計7と、第1デフレクタロール8と、第2デフレクタロール9とを備え、例えば第1リールR1および第2リールR2に巻回された帯状の圧延材WKを、第1リールR1および第2リールR2間に配設された圧延機1によって圧延する。この圧延システム100によって製造される圧延製品の板厚は、任意であって良いが、近年の薄物化に鑑み、好適には、例えば数百ミクロンメートル以下である。
圧延機1は、一対のワークロール11と、一対のバックアップロール12と、圧下装置13と、板厚制御装置2と、を備える。
ワークロール11−1は、圧延材WKを上側から押圧する。ワークロール11−2は、圧延材WKを下側から押圧する。ワークロール11−1とワークロール11−2との間には、ロールギャップRGが形成されている。圧延材WKは、ロールギャップRGに向けて、矢印D1方向(図1の紙面上から見て、左から右へ向かう方向)、または、矢印D1方向と逆方向である矢印D2方向に送られ、ロールギャップRGを通過する際に、一対のワークロール101によって押圧されて薄く延ばされる。このように、圧延材WKは、ロールギャップRGの位置であるロールギャップ位置P1で圧延される。
バックアップロール12−1は、ワークロール11−1の弾性変形等を抑制するために、ワークロール11−1を支持する。バックアップロール12−2は、ワークロール11−2の弾性変形等を抑制するために、ワークロール11−2を支持する。なお、図1に示す例では、1つのワークロール11は、1つのバックアップロール12によって支持されるが、複数のバックアップロール12によって支持されても良い。すなわち、圧延機1は、縦型ミルやクラスタ型ミル等の複数段型圧延機であっても良い。
圧下装置13は、板厚制御装置2の制御に従って、一対のワークロール11のうちの一方を他方に対して近接移動または離間移動することによって、ロールギャップRGのギャップ長を調整しながら、一対のワークロール11を圧下する装置である。圧下装置13は、実施形態では、高応答性の観点から、例えば、油圧圧下装置である。
第1デフレクタロール8は、圧延機1と第1リールR1との間に配置されており、所定の軸回りに回転可能な円柱状の部材である。第2デフレクタロール9は、圧延機1と第2リールR2との間に配置されており、所定の軸回りに回転可能な円柱状の部材である。
圧延材WKが矢印D1方向に送られている場合、第1リールR1、第2リールR2、第1デフレクタロール8および第2デフレクタロール9は、以下のように機能する。第1リールR1は、入側リールとなり、巻回された圧延材WKを圧延機1へ供給する。第1デフレクタロール8は、第1リールR1から引き出された圧延材WKの方向を水平方向に変更する。第2デフレクタロール9は、圧延機1から送られてきた水平方向の圧延材WKを第2リールR2の方向に変更する。第2リールR2は、出側リールとなり、圧延機1で圧延された圧延材WKを巻き取って収容する。
圧延材WKが矢印D2方向に送られている場合、第1リールR1、第2リールR2、第1デフレクタロール8および第2デフレクタロール9は、以下のように機能する。第2リールR2は、入側リールとなり、巻回された圧延材WKを圧延機1へ供給する。第2デフレクタロール9は、第2リールR2から引き出された圧延材WKの方向を水平方向に変更する。第1デフレクタロール8は、圧延機1から送られてきた水平方向の圧延材WKを第1リールR1の方向に変更する。第1リールR1は、出側リールとなり、圧延機1で圧延された圧延材WKを巻き取って収容する。
第1速度計4は、圧延機1と第1デフレクタロール8と間における圧延材WKの移動速度を測定する装置である。第1速度計4は、その測定した圧延材WKの移動速度を示す速度情報VIを後述するマスフロー板厚制御部211へ出力する。第1速度計4は、実施形態では、例えば、第1デフレクタロール8の回転速度を測定するパルスジェネレータである。
第2速度計6は、圧延機1と第2デフレクタロール9と間における圧延材WKの移動速度を測定する装置である。第2速度計6は、その測定した圧延材WKの移動速度を示す速度情報VIをマスフロー板厚制御部211へ出力する。第2速度計6は、実施形態では、例えば、第2デフレクタロール9の回転速度を測定するパルスジェネレータである。
なお、第1速度計4および第2速度計6は、それぞれ、パルスジェネレータに限定されるものではなく、他の速度計であっても良い。例えば、第1速度計4は、圧延機1と第1デフレクタロール8と間に配設されたレーザドップラ速度計等であっても良く、第2速度計6は、圧延機1と第2デフレクタロール9と間に配設されたレーザドップラ速度計等であっても良い。
第1厚み計5は、圧延機1と第1デフレクタロール8との間における圧延材WKの板厚を測定する。第1厚み計5は、その測定した圧延材WKの板厚を示す厚み情報TIをマスフロー板厚制御部211、並びに、後述するモニタ板厚制御部212、および、偏差データ生成部23へ出力する。第1厚み計5は、実施形態では、例えば、圧延機1と第1デフレクタロール8と間に配置されたX線透過型厚み計である。
第2厚み計7は、圧延機1と第2デフレクタロール9との間における圧延材WKの板厚を測定する。第2厚み計7は、その測定した圧延材WKの板厚を示す厚み情報TIをマスフロー板厚制御部211、モニタ板厚制御部212、および、偏差データ生成部23へ出力する。第2厚み計7は、実施形態では、例えば、圧延機1と第2デフレクタロール9と間に配設されたX線透過型厚み計である。
第1厚み計5および第2厚み計7は、それぞれ、X線透過型厚み計に限定されるものではなく、他の厚み計であっても良い。例えば、第1厚み計5および第2厚み計7は、それぞれ、レーザ型厚み計や接触式厚み計等であっても良い。
板厚制御装置2は、圧延機1に対して、マスフロー板厚制御とモニタ板厚制御とを並行して実行することにより、圧延材WKの長手方向において、圧延材WKの板厚を制御する。マスフロー板厚制御とモニタ板厚制御とは、モニタ板厚制御を含む複数種類の板厚制御の一例である。板厚制御装置2は、ハードウェア(CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等)、及び、ソフトウェア等によって実現されるマイクロコンピュータである。
板厚制御装置2は、機能ブロックとして、板厚制御部21、加算部22、偏差データ生成部23、波形データ生成部24、ハンチング判定部25、無駄時間・周期算出部26、組合せ情報記憶部27、および、ハンチング原因判定部28を備える。
圧延材WKが矢印D1方向に送られている場合(すなわち、第1リールR1から圧延材WKが圧延機1に送られ、圧延機1で圧延された圧延材WKが第2リールR2で巻き取られている)、第1速度計4が測定した圧延材WKの速度が入側板速度であり、第1厚み計5が測定した圧延材WKの板厚が入側板厚であり、第2速度計6が測定した圧延材WKの速度が出側板速度であり、第2厚み計7が測定した圧延材WKの板厚が出側板厚である。
圧延材WKが矢印D2方向に送られている場合(すなわち、第2リールR2から圧延材WKが圧延機1に送られ、圧延機1で圧延された圧延材WKが第1リールR1で巻き取られている)、第1速度計4が測定した圧延材WKの速度が出側板速度であり、第1厚み計5が測定した圧延材WKの板厚が出側板厚であり、第2速度計6が測定した圧延材WKの速度が入側板速度であり、第2厚み計7が測定した圧延材WKの板厚が入側板厚である。
板厚制御部21(制御部の一例)は、マスフロー板厚制御部211とモニタ板厚制御部212とを備える。
マスフロー板厚制御部211は、マスフロー板厚制御を実行する。この制御は、入側板速度、出側板速度および入側板厚に基づいて出側板厚の推定値を求め、出側板厚の偏差がゼロとなるように、ロールギャップRGのギャップ長を変化させる板厚制御方式である。
マスフロー板厚制御は、入側板巾W1に対する出側板巾W2の広がりが無視できる板厚、すなわち、W1=W2が成り立つ板厚において好適に利用できる。マスフロー板厚制御は、一般に、式3を用いて制御をする。ΔSは、現在のロールギャップRGのギャップ長をSとしたとき、そのギャップ長の修正量である。Cは、制御ゲインである。Mは、圧延機1のミル定数である。mは、圧延材WKの塑性定数である。Hは、入側板厚である。V1は、入側板速度である。V2は、出側板速度である。h0は、出側板厚の設定値(目標値)である。
△S=C×{(M+m)/M}×{H×(V1/V2)−h0}・・・式3
モニタ板厚制御部212は、モニタ板厚制御を実行する。モニタ板厚制御は、出側板厚の偏差をゼロにするフィードバック制御である。モニタ板厚制御は、一般に、式4を用いて制御をする。ΔS、M、mは、上述した通りである。Kは、積分ゲインである。ΣΔhは、出側板厚の偏差の積分量である。
△S=K×{(M+m)/M}× ΣΔh・・・式4
圧延材WKが矢印D1方向に送られている場合、マスフロー板厚制御部211は、第1速度計4が出力した速度情報VI(入側板速度V1)、第1厚み計5が出力した厚み情報T1(入側板厚H)、および、第2速度計6が出力した速度情報VI(出側板速度V2)を基にして、ΔSを算出し、モニタ板厚制御部212は、第2厚み計7が出力した厚み情報TI(出側板厚h)から求めた出側板厚の偏差Δhを基にして、ΔSを算出する。
圧延材WKが矢印D2方向に送られている場合、マスフロー板厚制御部211は、第1速度計4が出力した速度情報VI(出側板速度)、第2厚み計7が出力した厚み情報T1(入側板厚)、および、第2速度計6が出力した速度情報VI(入側板速度)を基にして、ΔSを算出し、モニタ板厚制御部212は、第1厚み計5が出力した厚み情報TI(出側板厚h)から求めた出側板厚の偏差Δhを基にしてΔSを算出する。
加算部22(加算器)は、マスフロー板厚制御部211が算出したΔSと、モニタ板厚制御部212が算出したΔSと、を加算する。加算部22で加算された値が、圧下装置13に送られる。圧下装置13は、その値(ΔS+ΔS)に従って、ロールギャップRGのギャップ長を修正する。圧下装置13は、その値が負の値の場合、現在のロールギャップRGのギャップ長からその値を引いた値に、ギャップ長を修正し、その値が正の値の場合、現在のロールギャップRGのギャップ長にその値を足した値に、ギャップ長を修正する。
偏差データ生成部23(第1生成部の一例)は、圧延材WKの長手方向に沿って測定された圧延材WKの板厚の偏差を示す偏差データDD(第1データの一例)を生成する。偏差データ生成部23は、ロールギャップ位置P1より下流の測定位置P2で測定された圧延材WKの板厚の偏差(出側板厚の偏差)を用いて、偏差データDDを生成する。
圧延材WKが矢印D1方向に送られている場合、第2厚み計7によって、圧延材WKの板厚が測定される位置が測定位置P2−1となる。圧延材WKが矢印D2方向に送られている場合、第1厚み計5によって、圧延材WKの板厚が測定される位置が測定位置P2−2となる。偏差データDDについて、測定位置P2−1を例にして詳しく説明する。図2は、ロールギャップ位置P1において、一対のワークロール11によって圧延された圧延材WKが、測定位置P2−1に送られている状態を示す模式図である。図3は、測定位置P2−1を通過した圧延材WKの一部の平面および側面を示す模式図である。図3の上側が圧延材WKの平面を示しており、下側が圧延材WKの長手方向D3に沿った側面を示している。
図2および図3を参照して、圧延材WKは、矢印D1方向に送られており、第2厚み計7は、圧延材WKの長手方向D3に沿って、圧延材WKの板厚Thを逐次測定する(言い換えれば、所定の時間間隔で測定する)。圧延材WKの長手方向D3に沿って、多数の測定点pがある。測定点pは、第2厚み計7によって、圧延材WKの板厚Thが測定された圧延材WKの箇所を示している。測定点pを図示する必要のために、測定点pを黒点で示しているが、実際にはこのような黒点は圧延材WK上に存在しない。
偏差データ生成部23は、圧延材WKが矢印D1方向に送られている場合、第2厚み計7から出力された圧延材WKの板厚(出側板厚)を示す厚み情報TIを受け付け、これらの情報を基にして、偏差データDDを生成する。偏差データ生成部23は、厚み情報TIを受け付ける毎に(言い換えれば、第2厚み計7が圧延材WKの板厚を測定する毎に)、偏差データDDを更新する。
図4は、偏差データDDの一例を示すグラフである。グラフの縦軸は、圧延材WKの板厚(出側板厚)の偏差を示す。グラフの横軸は、第2厚み計7が圧延材WKの板厚(出側板厚)を測定した時間を示す。偏差データDDは、ロールギャップ位置P1より下流の測定位置P2で測定された圧延材WKの板厚の偏差を時系列に並べたデータである。
図1を参照して、波形データ生成部24(第2生成部の一例)は、偏差データDD(第1データの一例)をフーリエ変換し、基本周波数の波形データWDを生成する。図5は、偏差データDDの第1例がフーリエ変換されて得られた基本周波数の波形(波形データWD)を示すグラフである。図6は、偏差データDDの第2例がフーリエ変換されて得られた基本周波数の波形(波形データWD)を示すグラフである。これらのグラフの縦軸、横軸は、それぞれ、図4に示すグラフの縦軸、横軸と同じである。図5に示す波形データWDは、出側板厚の偏差がゼロに収束していない。これは、ハンチングが発生していることを示す。この波形データWDの周期は、T1である。図6に示す波形データWDは、出側板厚の偏差がゼロに収束している。これは、ハンチングが発生していないことを示す。
波形データWDは、第2データの一例である。第2データは、偏差データDDを構成する偏差の周期的な変化を示すデータである。第2データは、波形データWDに限らず、偏差データDDを構成する偏差の中央値を示すデータ(波形データ)でもよいし、偏差データDDを移動平均して得られたデータ(波形データ)でもよい。
図1を参照して、ハンチング判定部25(第2判定部の一例)は、波形データ生成部24が生成している波形データWDを監視し、波形データWDを構成する偏差がゼロに収束しているか否かを判定する。ハンチング判定部25は、波形データWDを構成する偏差がゼロに収束していないと判定したとき(例えば、図5に示す波形データWD)、ハンチングが発生したと判定する。これに対して、ハンチング判定部25は、波形データWDを構成する偏差がゼロに収束していると判定したとき(例えば、図6に示す波形データWD)、ハンチングが発生していないと判定する。
なお、ハンチング判定部25は、波形データWDを構成する偏差がゼロに収束していないが、ゼロを中心にして予め定められた範囲に収まっているとき(例えば、図5に示すプラスのしきい値thからマイナスのしきい値thまでの範囲)、ハンチングが発生していないと判定し、その範囲に収まっていないとき、ハンチングが発生していると判定してもよい。
無駄時間・周期算出部26(算出部の一例)は、ハンチング判定部25が、ハンチングが発生していると判定したとき、無駄時間と波形データWDの周期とを算出する。無駄時間は、ロールギャップ位置P1(第1位置の一例)で圧延された圧延材WKが測定位置P2(第2位置の一例)に到達するまでの時間である。無駄時間・周期算出部26は、ロールギャップ位置P1と測定位置P2−1との距離を示す第1距離情報、および、ロールギャップ位置P1と測定位置P2−2との距離を示す第2距離情報を予め記憶している。
圧延材WKが矢印D1方向に送られている場合について、無駄時間と波形データWDの周期は、以下のようにして算出される。ハンチング判定部25によって、ハンチングが発生したと判定されたとき、無駄時間・周期算出部26は、ハンチングが判定されたときに第2速度計6が測定した圧延材WKの移動速度を示す速度情報VIを、マスフロー板厚制御部211から読み出し、速度情報VIと第1距離情報とを用いて、無駄時間を算出する。第1距離情報が示す距離を速度情報VIが示す移動速度で割ることにより、無駄時間が算出される。また、ハンチング判定部25によって、ハンチングが発生したと判定されたとき、無駄時間・周期算出部26は、そのときの波形データWDの周期Tを算出する。波形データWDは、偏差データDDがフーリエ変換されて得られた基本周波数を示す波形であるので、その基本周波数の逆数が、波形データWDの周期である。
圧延材WKが矢印D2方向に送られている場合について、無駄時間と波形データWDの周期は、以下のようにして算出される。ハンチング判定部25によって、ハンチングが発生したと判定されたとき、無駄時間・周期算出部26は、ハンチングが判定されたときに第1速度計4が測定した圧延材WKの移動速度を示す速度情報VIを、マスフロー板厚制御部211から読み出し、速度情報VIと第2距離情報とを用いて、無駄時間を算出する。第2距離情報が示す距離を速度情報VIが示す速度で割ることにより、無駄時間が算出される。波形データWDの周期の算出は、上述した圧延材WKが矢印D1方向に送られている場合と同じである。
組合せ情報記憶部27(記憶部の一例)は、無駄時間と、波形データWDの周期(例えば、図5に示す周期T1)との組み合わせで定められ、モニタ板厚制御が原因でハンチングが発生することがない条件を示す組合せ情報を予め記憶している。
組合せ情報の一例について説明する。図7は、組合せ情報の一例を説明するグラフである。グラフの縦軸は、波形データWDの周期Tを示す。グラフの横軸は、無駄時間tを示す。いずれも単位は、秒である。式1と式2とで規定される領域(囲まれる領域)を領域R1とし、式1と式2とで規定される領域外の領域を領域R2とする。組合せ情報は、無駄時間tと波形データWDの周期Tとで示される座標のうち、領域R2にある座標である。
T=3.9t・・・式1
T=2.4t・・・式2
本発明者は、モニタ板厚制御の積分ゲインK、無駄時間t、および、波形データWDの周期Tをパラメータとして、モニタ板厚制御のシミュレーションをし、ハンチングが発生する場合と発生しない場合とを調査した。この結果、無駄時間tと波形データWDの周期Tとの組み合わせの中に、モニタ板厚制御の積分ゲインKをどのように変化させても、ハンチングが発生しない組み合わせがあることを見出した。式1および式2は、上記シミュレーションの結果を用いて、本発明者が算出した式である。式1及び式2は、上記式4に含まれる「M」及び「m」が、どのような条件でも成立する。
ハンチングが発生したときの無駄時間tと波形データWDの周期Tとで示される座標が、領域R2にあるとき、ハンチングの原因がモニタ板厚制御の可能性はない。これに対して、ハンチングが発生したときの無駄時間tと波形データWDの周期Tとで示される座標が、領域R1にあるとき、ハンチングの原因がモニタ板厚制御の可能性がある。
従って、ハンチングが発生したとき、そのときの無駄時間tと波形データWDの周期Tとの組み合わせと、組合せ情報と、を用いれば、ハンチングの原因がモニタ板厚制御でないことを判定することができる。
図1を参照して、ハンチング原因判定部28(第1判定部の一例)は、無駄時間・周期算出部26が算出した無駄時間tと波形データWDの周期Tとで示される座標が、領域R2にあるか否かを判定する。その座標が領域R2にないとは、領域R1にあることである。
実施形態における圧延システム100の動作について、圧延材WKが矢印D1方向に送られている場合を例にして説明する。図8は、その動作を説明するフローチャートである。図1および図8を参照して、圧延材WKは、第1リールR1から圧延機1に供給され、ロールギャップ位置P1で圧延されて、第2リールR2に巻き取られている。マスフロー板厚制御部211は、マスフロー板厚制御をし、モニタ板厚制御部212は、モニタ板厚制御をしている。すなわち、板厚制御部21は、マスフロー板厚制御とモニタ板厚制御とを並行して実行している。
第1速度計4、第1厚み計5は、それぞれ、圧延機1に送られる圧延材WKの移動速度、板厚を所定の時間間隔で測定し、第2速度計6、第2厚み計7は、それぞれ、圧延機1から出てきた圧延材WKの移動速度、板厚を上記時間間隔で測定する(ステップS1)。
マスフロー板厚制御部211は、第1速度計4が測定した圧延材WKの移動速度を示す速度情報VI、第1厚み計5が測定した圧延材WKの板厚を示す厚み情報TI、および、第2速度計6が測定した圧延材WKの移動速度を示す速度情報VIを受け付け、これらの情報を基にして、ロールギャップRGのギャップ長の修正量ΔSを算出する(ステップS2)。モニタ板厚制御部212は、第2厚み計7が測定した圧延材WKの板厚を示す厚み情報TIを受け付け、厚み情報TIを基にして、ロールギャップRGのギャップ長の修正量ΔSを算出する(ステップS2)。偏差データ生成部23は、第2厚み計7が測定した圧延材WKの板厚を示す厚み情報TIを受け付け、厚み情報TIを基にして、偏差データDDを生成する(ステップS2)。
加算部22は、マスフロー板厚制御部211が算出した修正量ΔSと、モニタ板厚制御部212が算出した修正量ΔSとを加算し、その値(ΔS+ΔS)を圧下装置13へ送る。圧下装置13は、その値に従って、ロールギャップRGのギャップ長を修正する(ステップS3)。
波形データ生成部24は、偏差データ生成部23が生成した偏差データDDを用いて波形データWDを生成する(ステップS4)。
ハンチング判定部25は、波形データ生成部24が生成した波形データWDの波形を監視し、波形データWDを構成する偏差がゼロに収束するか否かを判定する(ステップS5)。ハンチング判定部25が、偏差がゼロに収束していると判定したとき(ステップS5でYes)、ハンチングが発生していので、圧延システム100は、ステップS1の処理に戻る。
ハンチング判定部25が、偏差がゼロに収束していないと判定したとき(ステップS5でNo)、ハンチングが発生している。無駄時間・周期算出部26は、ハンチングが判定されたときに第2速度計6が測定した圧延材WKの移動速度を示す速度情報VIを、マスフロー板厚制御部211から読み出し、この速度情報VIと予め記憶している第1距離情報(ロールギャップ位置P1と測定位置P2−1との距離)とを用いて、無駄時間tを算出する(ステップS6)。また、無駄時間・周期算出部26は、ハンチングが判定されたときの波形データWDの基本周波数を用いて、波形データWDの周期Tを算出する(ステップS6)。基本周波数の逆数が波形データWDの周期Tとなる。
ハンチング原因判定部28は、無駄時間・周期算出部26が算出した無駄時間tと波形データWDの周期Tとで示す座標が、図7に示す領域R2にあるか否かを判定する(ステップS7)。
ハンチング原因判定部28が、その座標が領域R2にあると判定したとき(ステップS7でYes)。ハンチングの原因は、モニタ板厚制御ではない。そこで、マスフロー板厚制御部211は、制御ゲインCを下げる(ステップS8)。そして、圧延システム100は、ステップS1の処理に戻る。
ハンチング原因判定部28が、その座標が領域R2にないと判定したとき(ステップS7でNo)、すなわち、その座標が領域R1にあると判定したとき、ハンチングの原因が、モニタ板厚制御の可能性がある。そこで、モニタ板厚制御部212は、積分ゲインKを下げる(ステップS9)。
モニタ板厚制御部212が積分ゲインKを下げた後、圧延システム100は、ステップS1〜ステップS4の処理をする。ハンチング判定部25は、このステップS4で波形データ生成部24が生成した波形データWDの波形を監視し、波形データWDを構成する偏差がゼロに収束するか否かを判定する(ステップS10)。ハンチング判定部25が、偏差がゼロに収束していると判定したとき(ステップS10でYes)、ハンチングが発生していので、圧延システム100は、ステップS1の処理に戻る。
ハンチング判定部25が、偏差がゼロに収束していないと判定したとき(ステップS10でNo)、ハンチングが発生している。モニタ板厚制御の積分ゲインKを下げても(ステップS9)、ハンチングが発生していることになる。ハンチングの原因がマスフロー板厚制御ということになる。そこで、マスフロー板厚制御部211は、制御ゲインCを下げる(ステップS8)。そして、圧延システム100は、ステップS1の処理に戻る。
実施形態の主な効果を説明する。ハンチング原因判定部28によって、ハンチングが発生したときの無駄時間tと波形データWDの周期Tとで示される座標が、図7に示す領域R2にあると判定されたとき(ステップS7でYes)、ハンチング原因判定部28は、ハンチングの原因がモニタ板厚制御でないことを判定する。従って、実施形態によれば、圧延材WKの長手方向において、圧延材WKの板厚を制御する際にハンチングが発生したとき、ハンチングの原因がモニタ板厚制御でないことを判定することができる。
実施形態では、複数種類の板厚制御として、モニタ板厚制御とマスフロー板厚制御とを例にして説明したが、これらに限定されない。例えば、圧延機1が、モニタ板厚制御とフィードフォワード板厚制御とを並行して実行してもよい。フィードフォワード板厚制御は、入側板厚に基づいて出側板厚の偏差がゼロとなるように、ロールギャップRGのギャップ長を変化させる板厚制御方式である。複数種類は、2種類に限定されず、3種類以上でもよい(例えば、モニタ板厚制御、マスフロー板厚制御、フィードフォワード板厚制御)。
1 圧延機
4 第1速度計
5 第1厚み計
6 第2速度計
7 第2厚み計
8 第1デフレクタロール
9 第2デフレクタロール
11−1,11−2 ワークロール
12−1,12−2 バックアップロール
100 圧延システム
DD 偏差データ
P1 ロールギャップ位置
P2−1,P2−2 測定位置
p 圧延材の板厚の測定点
R1 第1リール
R2 第2リール
RG ロールギャップ
Th 圧延材の板厚
TI 圧延材の厚みを示す厚み情報
VI 圧延材の移動速度を示す速度情報
WD 波形データ
WK 圧延材

Claims (9)

  1. モニタ板厚制御を含む複数種類の板厚制御を並行して実行することにより、圧延材の長手方向において、前記圧延材の板厚を制御する圧延機の板厚制御装置であって、
    前記圧延材が圧延される第1位置より下流に位置する第2位置で測定された前記圧延材の板厚の偏差を用いて、前記圧延材の長手方向に沿って測定された前記圧延材の板厚の偏差を示す第1データを生成する第1生成部と、
    前記第1データを基にして、前記偏差の周期的な変化を示す第2データを生成する第2生成部と、
    前記第1位置で圧延された前記圧延材が前記第2位置に到達するまでの時間である無駄時間と、前記第2データの波形の周期との組み合わせで定められ、前記モニタ板厚制御が原因でハンチングが発生することがない条件を示す組合せ情報を予め記憶する記憶部と、
    前記ハンチングが発生したとき、前記無駄時間と前記第2データの波形の周期とを算出する算出部と、
    前記算出部が算出した前記無駄時間と前記第2データの波形の周期との組み合わせが、前記組合せ情報に含まれるか否かを判定する第1判定部と、を備える、圧延機の板厚制御装置。
  2. 前記組合せ情報は、前記無駄時間と前記第2データの波形の周期とで示される座標のうち、T≦3.9tかつT≧2.4tとなる領域の領域にある前記座標であり、
    前記第1判定部は、前記算出部が算出した前記無駄時間と前記第2データの波形の周期とで示される前記座標が、前記領域外にあるか否かを判定する、請求項1に記載の圧延機の板厚制御装
  3. 前記第2データを監視し、前記第2データを構成する前記偏差がゼロに収束しないとき、ハンチングが発生したと判定する第2判定部をさらに備え、
    前記算出部は、前記第2判定部が、前記ハンチングが発生したと判定したとき、前記無駄時間と前記第2データの波形の周期とを算出する、請求項1または2に記載の圧延機の板厚制御装置。
  4. 前記複数種類の板厚制御を実行する制御部をさらに備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の圧延機の板厚制御装置。
  5. 前記第1判定部が、前記算出部が算出した前記無駄時間と前記第2データの波形の周期との組み合わせが、前記組合せ情報に含まれる判定したとき、前記制御部は、前記モニタ板厚制御以外の前記複数種類の板厚制御のゲインを下げる制御をする、請求項4に記載の圧延機の板厚制御装置。
  6. 前記第1判定部が、前記算出部が算出した前記無駄時間と前記第2データの波形の周期との組み合わせが、前記組合せ情報に含まれないと判定したとき、前記制御部は、前記モニタ板厚制御のゲインを下げる制御をする、請求項4または5に記載の圧延機の板厚制御装置。
  7. 前記モニタ板厚制御のゲインを下げた後、前記ハンチングの発生が止まらないとき、前記制御部は、前記モニタ板厚制御以外の前記複数種類の板厚制御のゲインを下げる制御をする、請求項6に記載の圧延機の板厚制御装置。
  8. モニタ板厚制御を含む複数種類の板厚制御を並行して実行することにより、圧延材の長手方向において、前記圧延材の板厚を制御する圧延機の板厚制御方法であって、
    前記圧延材が圧延される第1位置より下流に位置する第2位置で測定された前記圧延材の板厚の偏差を用いて、前記圧延材の長手方向に沿って測定された前記圧延材の板厚の偏差を示す第1データを生成する第1生成ステップと、
    前記第1データを基にして、前記偏差の周期的な変化を示す第2データを生成する第2生成ステップと、
    前記第1位置で圧延された前記圧延材が前記第2位置に到達するまでの時間である無駄時間と、前記第2データの波形の周期との組み合わせで定められ、前記モニタ板厚制御が原因でハンチングが発生することがない条件を示す組合せ情報を予め記憶する記憶ステップと、
    前記ハンチングが発生したとき、前記無駄時間と前記第2データの波形の周期とを算出する算出ステップと、
    前記算出ステップで算出された前記無駄時間と前記第2データの波形の周期との組み合わせが、前記組合せ情報に含まれるか否かを判定する第1判定ステップと、を備える、圧延機の板厚制御方法。
  9. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の圧延機の板厚制御装置を備える圧延機。
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