JP6822464B2 - 住宅 - Google Patents

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Description

本発明は、住宅に関する。
従来より、炊事、洗濯、掃除などの家事労働の効率化に寄与する住宅が望まれている。近年では、共働き世帯の増加によって、日中の在宅時間が短い世帯が増加している社会背景があり、いっそう家事労働の効率化が求められている。
例えば特許文献1に記載の住宅は、廊下の二面が洗面・脱衣室とキッチンとにそれぞれ面するとともに、残りの二面のうち一面が他の居住空間に連絡する廊下に面して設けられており、洗濯室がキッチンと洗面・脱衣室とをつなぐように配置されている。これにより、キッチンと洗面・脱衣室が洗濯室を介してスムーズに連絡可能となるので、洗濯動線と炊事動線とのスムーズな切り替えが可能となり、家事動線の効率化と短縮化を図ることができるという効果が得ることができ、主婦の家事動線の短縮化を図ることができる。
また、例えば特許文献2の住宅は、洗濯機が置かれるための洗濯機区画、前記洗濯機に給水するための給水設備、および前記洗濯機からの排水を受け取るための排水設備を有する水回り領域と、物干し設備を有しリビング領域およびダイニング領域の少なくとも一方に隣接するとともに当該少なくとも一方領域と扉レスで連通可能に構成される乾燥室とを備えた住宅が記載されている。この住宅によると、洗濯動線がリビング又はダイニングに近い位置に配置されることで、居住者はリビングの近くで楽しく家事をこなすことができ、ファミリーの中で家事のシェアを促すことができる。
特開2001−311316号公報 特開2018−178536号公報
近年増加している共働き世帯では、家事に使用できる時間が限られるため、家事労働を家族で分担することが求められる。そして上述の従来の住宅においては、家事に使用する空間を集約することにより、家事動線の短縮化を図るとともに、リビングと家事空間とを隣接させることにより、家族の家事参加を促すものであるが、2人以上の家族が家事に参加した場合、それぞれの家族の動線が絡まって家事労働が非効率なものとなるおそれがある。また、家事動線の最短化のみを考慮すると身支度などの家事以外の生活動線が長くなり、例えばリビングに外出着などの衣類が散在する結果となる。
そこで本発明は、複数の居住者が同時に効率的に家事労働を行うことができ、また、衣類などの生活用品が散らかることを抑制できる住宅を提供することを目的とする。
本発明の住宅は、玄関ホール、階段、及びトイレに接続される廊下と、前記廊下と、居室と、を繋ぐ動線であり、少なくとも居住者が通行可能な通路部及び衣類を保管可能な衣類収納部を有する身支度室を通る身支度動線と、前記廊下と、前記居室と、を繋ぐ動線であり、少なくともキッチンを通る炊事動線と、前記廊下と、前記居室と、を繋ぐ動線であり、少なくとも洗濯室を通る洗濯動線と、を備え、前記身支度動線、前記炊事動線、及び前記洗濯動線は、互いに交差しない並列に配置されることを特徴としている。
本発明の住宅は、前記身支度室は、外壁から離れた位置に配置されることを特徴としている。
本発明の住宅は、前記炊事動線は、前記廊下に接続し、少なくとも食品収納部と冷蔵庫置き場とを有するキッチンクロークを通るとともに、当該キッチンクロークに接続して設けられるキッチンを通る動線であることを特徴としている。
本発明の住宅は、前記洗濯動線は、少なくとも洗面台及び洗濯機置き場に沿って形成される動線であり、前記洗面台から前記洗濯機置き場が視認されないように、前記洗濯機置き場が配置されることを特徴としている。
本発明の住宅は、前記洗濯動線は、衣類家事室を通ることを特徴としている。
本発明の住宅は、前記衣類家事室は、カウンタを有することを特徴としている。
本発明の住宅は、前記衣類家事室は外壁に隣接しており、当該外壁に屋内外に出入り可能な掃き出し窓が設けられることを特徴としている。
本発明の住宅によると、身支度動線、炊事動線、及び洗濯動線が玄関ホールに接続される廊下と居室との間に、互いに交差しない並列に配置されているので、例えば炊事と洗濯とを異なる家族が分担する場合にそれぞれの家事動線が交わることがない。したがって、複数人で家事を分担して家事を効率的にこなすことができる。また、これら身支度動線、炊事動線、及び洗濯動線は廊下と居室とにそれぞれ接続されているので、それぞれの動線経路上から居室及び廊下のどちらにも直接アクセスすることができ、例えば、いずれの動線からも玄関、階段、トイレなどの他の場所に向かう場合の移動距離を短くすることができる。さらに、外出時に玄関ホールに向かう動線上、又は帰宅時に居室に向かう動線上に身支度室が配置されており、この身支度室で部屋着から外出着への着替えやかばんの収納などを行うことで、居室に衣類やかばんなどが散在することを抑制できる。
本発明の住宅によると、窓を設ける必要がない身支度室は外壁から離れた位置に配置されているので、外壁に隣接した位置には居室などの他の採光が必要な空間を配置することができ、住宅の採光性を高めることができる。また、身支度室が外壁から離れた位置にあることで、身支度室が玄関ドアから離れた位置に配置されることとなり、身支度室に保管される物品の防犯性を高めるとともに、身支度の際のプライバシーを守ることができる。
本発明の住宅によると、炊事動線が、廊下に接続し、少なくとも食品収納部と冷蔵庫置き場とを有するキッチンクロークを通るとともに、キッチンクロークに接続して設けられるキッチンを通る動線であるので、買い物からの帰宅時に玄関から居室に入ることなく廊下を通ってキッチンクロークに入ることができ、キッチンクロークに食品収納部と冷蔵庫置き場が設けられているので、食材をそれぞれの位置に収納することができる。このようなキッチンクロークが設けられることで、買ってきた食材を居室やキッチンに置くことが抑制される。
本発明の住宅によると、洗濯動線は、少なくとも洗面台及び洗濯機置き場に沿って形成される動線であり、洗面台から洗濯機置き場が視認されないように配置されるので、洗面台を使用する際に洗濯機が視界に入ることがなく、洗面室を生活感を感じにくい優雅な空間とすることができる。
本発明の住宅によると、洗濯動線は、衣類家事室を通るので、洗濯から乾燥までを短い動線で結ぶことができ、洗濯家事を効率化することができる。
本発明の住宅によると、衣類家事室は、カウンタを有するので洗濯・乾燥した衣類をこの衣類家事室で畳むことができる。なお、カウンタにアイロン板を設置するスペースがあれば、衣類家事室でアイロンがけも行うことができる。
本発明の住宅によると、衣類家事室は外壁に隣接しており、外壁に屋内外に出入り可能な掃き出し窓が設けられるので、屋外に物干し竿を設置すれば洗濯動線に隣接して屋外の洗濯物干し場とすることができ、効率的な洗濯動線で、洗濯、屋内乾燥、屋外乾燥、衣類畳みなどの家事を行うことができる。そして、上述の通り、各動線が単なる通路ではなく、身支度、洗濯、衣類家事、炊事家事などの役割を有する室となっているので、効率的に家事を行うことができる。
本実施形態の住宅1階水平断面図。 本実施形態の身支度動線及び炊事動線を説明する一部省略拡大断面図。 本実施形態の身支度室の構成を説明する斜視図。 本実施形態の洗濯動線を説明する一部省略拡大断面図。 実施形態の変形例の洗濯動線を説明する一部省略拡大断面図。 実施形態の別の変形例の洗面洗濯室を説明する一部省略拡大断面図。 本実施形態の衣類家事室の構成を説明する斜視図。 本実施形態の屋外洗濯物干し場の構成を説明する鉛直断面図。
以下、本発明の実施形態の住宅1について各図を参照しつつ説明する。本実施形態における住宅1は戸建て住宅であるが、住宅1は例えば共同住宅であってもよい。住宅1は2階建ての住宅1であり、例えば共働き世帯が居住することを想定している。なお、本実施形態においては、発明を構成する身支度動線L1、炊事動線L2、及び洗濯動線L3はいずれも1階に配置される動線である。2階の間取りは本発明の構成に関連しないので、2階以上の階層の具体的な説明は省略する。なお、例えば本発明の住宅1は、2階以上の階層に身支度動線L1、炊事動線L2、及び洗濯動線L3を設ける構成であってもよい。
住宅1は、西側に接道する敷地に建設されており、図1に示すように、北西角に玄関ドア20が設けられた外壁に隣接する玄関土間21が形成され、玄関土間21に隣接して南側に土間収納22が配置されている。玄関土間21の東側には、当該玄関土間21に上がり框23を挟んで隣接する玄関ホール24を備えている。そして、玄関土間21及び玄関ホール24に跨るように北側の外壁に沿って下駄箱25が配置されている。玄関ホール24は東側が廊下3に接続されるとともに、南側が引き込み戸26を挟んでリビング・ダイニングルーム4に接続している。
リビング・ダイニングルーム4は、住宅1の南西側に配置されている。リビング・ダイニングルーム4には、例えば旅行の予約や年賀状の作成などのパソコンを用いて行うデジタル家事に利用するデジタル家事空間41と、テレビ44やソファー45が配置されて居住者が寛ぐリビング空間42と、後述するキッチンに接しており、ダイニングテーブル46が配置されて食事を行うダイニング空間43とが、間仕切り壁のない1つの空間として配置されている。デジタル家事空間41は、例えばパソコン机47によってリビング空間42と区分けされており、パソコン机47に隣接して椅子が設けられ、パソコン机47の上に図示しないプリンタとパソコンとが設置されていればよい。なお、デジタル家事空間41はこれに限定されるものではなく、居住者の好みに応じて趣味空間や書斎空間として利用しても良い。デジタル家事空間41の背後にはリビング収納部48が形成されており、リビング・ダイニングルーム4で使用する掃除道具などが収納されている。
本実施形態におけるリビング・ダイニングルーム4は、本発明における「居室」に相当する。なお、本発明における「居室」はこれに限定されるものではなく、例えばデジタル家事空間41が設けられていなくてもよく、又は、リビングルームとダイニングルームとが空間的に間仕切られていても良い。なお、本実施形態におけるリビング・ダイニングルーム4とキッチン8とは、互いに間仕切られていない一体の空間となっている。
廊下3は、玄関ホール24に接続されて、住宅1の奥行き方向に延びており、階段下収納31、階段32、及びトイレ室33に接続されている。また、廊下3は、身支度室5、キッチンクローク6、及び洗面洗濯室7にも接続される。
身支度室5は、図2及び図3に示すように、居住者が通行可能な通路部51と、居住者が日常的に着替える衣類を保管可能な衣類収納部52と、を有している。身支度室5と廊下3との境界及び身支度室5とリビング・ダイニングルーム4との境界にはそれぞれ間仕切りの引き込み戸53,54が設けられている。通路部51は例えば1m幅の通路であり、廊下3とリビング・ダイニングルーム4とを繋ぐ通路として利用される他、外出時の身支度や帰宅時の着替えを行うことができる。また、衣類収納部52は、通路部51を挟んで両側に配置されている。衣類収納部52は、ハンガーを掛けるハンガーバー55と、衣類やかばんなどを保管可能な収納棚56とを有している。衣類収納部52には外出時に身に付ける小物類、財布、鍵なども保管可能に形成されていても良い。また、身支度室5の衣類収納部52の一部に扉57を形成し、当該扉57に全身ミラー58を固定しておけば、身支度の際に全身ミラー58でチェックすることができる。なお、身支度室5はリビング・ダイニングルーム4に隣接しているので、リビング・ダイニングルーム4に近い収納棚56の一部には、リビング・ダイニングルーム4の用品を収納しておくこともできる。
図1に示すように、廊下3から身支度室5を通ってリビング・ダイニングルーム4に入る動線が身支度動線L1である。このように身支度動線L1は、玄関ホール24に接続された廊下3とリビング・ダイニングルーム4とを繋ぐ動線であり、その動線上に身支度室5が設けられることで、外出時には、リビング・ダイニングルーム4から身支度室5を経て廊下3に入り、玄関ホール24に行くことができ、帰宅時には、玄関ホール24及び廊下3を通って身支度室5を経てリビング・ダイニングルーム4に入ることができるので、外出時の動線及び帰宅時の動線上に身支度室5を配置することができる。したがって、外出時には身支度室5で、部屋着から外出着に着替え、かばんや小物類を身に付けるとともに財布や鍵を持って外出することができる。このとき、脱衣した部屋着等は身支度室5の衣類収納部52に保管することができ、リビング・ダイニングルーム4に衣類などを散在させることを抑制できる。また、帰宅時には身支度室5で、外出着から部屋着に着替え、かばんや小物類、財布や鍵などを身支度室5の衣類収納部52の所定位置に保管してからリビング・ダイニングルーム4に入ることができ、外出着やかばんなどの散在も抑制することができる。
キッチンクローク6は、図2に示すように、居住者が通行可能な通路部61と、通路部61の一方の側面に形成された食品収納部62と、食品収納部62と並んで設けられている冷蔵庫置き場63と、通路部61の他方の側面に形成された調理家電収納部64とを備えている。キッチンクローク6は一方が廊下3に接続され、他方がキッチン8に接続されている。キッチンクローク6と廊下3との境界には引き込み戸65が形成されている。食品収納部62は図示しないが複数の棚又は引き出しが設けられており、常温保存される食材などが収納されている。また、食品収納部62に隣接して配置される冷蔵庫置き場63は、図示しないが冷蔵庫用の電源コンセントが配置されている。調理家電収納部64には、ミキサーやホットプレートなどの日常的に使用するものではない調理家電が収納されている。なお、キッチンクローク6には、日常的に使用される例えばレンジなどの調理家電を設置してもよく、また、ゴミ箱などのキッチン小物を収納してもよい。
このようにキッチンクローク6が、玄関ホール24に接続される廊下3と接続していることで、買い物からの帰宅時に玄関ホール24からリビング・ダイニングルーム4に入ることなく廊下3を通ってキッチンクローク6に入ることができ、キッチンクローク6設けられている食品収納部62及び冷蔵庫に食材を収納することができる。したがって、持ち帰った食材等をリビング・ダイニングルーム4やキッチン8に一時置きすることが抑制され、常に片付いた状態を維持できる。
キッチンクローク6に接続されるキッチン8は、キッチンクローク6の通路部61と連続する通路部81が形成されるとともに、通路部81の一方にガスコンロまたはIHクッキングヒータ82と、調理台83と、シンク84とを備えるシステムキッチン85が形成される。また、キッチン8は、通路部81の他方に食器棚86が配置される。キッチンクローク6とキッチン8との境界は通路部61,81が通過可能に形成されるとともに、通路部61,81を挟んで両側に壁体89がせり出して形成されており、この壁体89に妨げられてリビング・ダイニングルーム4からキッチンクローク6がほとんど視認できないように配置されている。キッチン8は、システムキッチン85側がリビング・ダイニングルーム4のダイニング空間43に隣接しており、システムキッチン85の上がダイニング空間43と連通している。システムキッチン85のダイニング空間43に隣接する縁は、図示しないが、システムキッチン85の天板よりも20から30cmほど高くなった壁部87が形成されており、調理台83に載置された食材等がダイニング空間43側に落ちることを防止できるとともに、システムキッチン85の上をリビング・ダイニングルーム4側から隠している。キッチン8のキッチンクローク6と反対側の端部にはダイニング空間43に繋がるキッチン横通路88が形成されている。
図1に示すように、廊下3からキッチンクローク6及びキッチン8を通ってリビング・ダイニングルーム4に入る動線が炊事動線L2である。炊事動線L2が廊下3とリビング・ダイニングルーム4とにそれぞれ接続されることで、キッチンクローク6又はキッチン8から廊下3側にもリビング・ダイニングルーム4側にも直接アクセスすることができるので、炊事家事を行いながら他の場所に用事がある場合にも直接廊下3から移動することができる。すなわち、キッチン8又はキッチンクローク6に居る場合に、玄関ホール24、トイレ室33、バスルーム10、又は、洗面洗濯室7などに用事がある場合には、廊下3側に向かうことでリビング・ダイニングルーム4を介さない直接的な動線で移動することができ、衣類家事室9やリビング・ダイニングルーム4に用事がある場合には、リビング・ダイニングルーム4側に向かうことで直接的な動線で移動することができる。
洗面洗濯室7は、図1及び図4に示すように、廊下3の東端の突き当たりに配置されており、廊下3と洗面洗濯室7との境界には、開き戸70が設けられている。洗面洗濯室7の北側にはバスルーム10が配置されており、洗面洗濯室7は脱衣室を兼ねている。洗面洗濯室7には、洗面台71と洗濯機置き場72が配置されている。洗面台71は一方の側端が間仕切壁73に当接するとともに、他端が袖壁74に当接している。このように洗面台71の両側端がそれぞれ壁73,74に当接することで、洗面台71の使用者に洗面専用の空間である印象を持たせることができる。洗濯機置き場72は袖壁74を挟んで、洗面台71の反対側に設けられている。洗濯機置き場72は図示しないが洗濯機に水を供給する給水装置と、洗濯機の水を排水する排水装置と、洗濯機に電源を供給するコンセントとを備えている。洗面台71の前に立った居住者は袖壁74が視線を遮って、洗濯機置き場72を視認することができない。本実施形態においては袖壁74が洗面台71から洗濯機置き場72が視認されないように視線を遮る「遮蔽構造物」となっているが、このような遮蔽構造物は、洗面台71の前に立った居住者の視線から洗濯機が完全に視認できなくなるものに限定されるものではない。袖壁74は少なくとも洗面台71の手前側の縁まで突出していればよく、洗濯機は袖壁74の突出した端部よりも奥に載置されていれば良い。なお、本実施形態においては洗面洗濯室7が本発明における「洗濯室」に相当する。
なお、洗面台71及び洗濯機置き場72の配置は、これに限定されるものではない。本実施形態においては洗面洗濯室7は間仕切られない1つの空間であるが、本発明の実施形態の変形例としては、図5に示すように、洗面台71と洗濯機置き場72との間に間仕切壁75及び引き戸76を設けて、洗面室7aと洗濯室7bを分離して構成してもよい。このように洗濯機置き場72を洗面室7aとは別室に配置すると、洗面室を生活感を感じさせにくい優雅な空間とすることができる。なお、この変形例においては間仕切壁75及び引き戸76が、洗面台71から洗濯機置き場72が視認されないように視線を遮る「遮蔽構造物」であり、洗濯室7bが、本発明における「洗濯室」に相当する。
また、別の変形例としては、図6に示すように、洗面台71の背面に隣接させてバスルーム10を配置するとともに、バスルーム10によって隔てられた位置に洗濯機置き場72を配置することで、洗面台71の前に立った居住者の視線から洗濯機置き場72を視認できないように配置してもよい。この別の変形例においてはバスルーム10が、洗面台71から洗濯機置き場72が視認されないように視線を遮る「遮蔽構造物」に相当する。
洗面洗濯室7の南側には衣類家事室9が設けられる。衣類家事室9は、図1に示すように、住宅1の南東角に配置されている。図4及び図7に示すように、衣類家事室9と洗面洗濯室7との境界には片引き戸90が設けられている。衣類家事室9は、物干し竿を吊り下げるリング状に形成された屋内竿掛け部90が天井から吊り下げられており、脱水後の洗濯物を吊り下げることができる。また、衣類家事室9にはカウンタ92が設けられている。カウンタ92は少なくとも洗濯物を畳むことができる奥行き及び幅を有する水平な板状である。カウンタ92は例えば平型のアイロン台を載置できる大きさであることが好ましい。このように構成すれば衣類家事室9で洗濯物の乾燥、アイロン、及び折り畳みを行うことができる。衣類家事室9は、リビング・ダイニングルーム4に接続されるキッチン横通路88に接続される。衣類家事室9とキッチン横通路88との間には、引き込み戸93が形成されている。なお、衣類家事室9の構成は上述のものに限定されるものではない。本発明の衣類家事室9は、少なくとも濡れた洗濯物を干すことができる空間であればよい。
図1に示すように、廊下3から洗面洗濯室7及び衣類家事室9を通って、リビング・ダイニングルーム4に入る動線が洗濯動線L3である。このように洗濯動線L3は、洗面洗濯室7と衣類家事室9とを通るので、洗濯、乾燥、アイロン、折り畳みを短い動線で結ぶことができ、洗濯家事を効率化することができる。したがって、濡れた重い洗濯物を運ぶ距離を短くすることができる。
図4及び図8に示すように、衣類家事室9の南側の外壁には屋外に出入り可能な掃き出し窓94が形成されている。掃き出し窓94の屋外側には1階の床高さと同じ高さのテラス床95が形成されている。掃き出し窓94の屋外側の上方には片持ちのバルコニー96が張り出している。掃き出し窓94とバルコニー96との間の外壁には複数の挿入孔97が設けられた屋外竿掛け部98が突出して形成されており、物干し竿99を挿入孔97に通して架け渡し、ハンガーに吊るした洗濯物を屋外に干すことができる。このバルコニー96とテラス床95との間の空間が屋外洗濯物干し場11である。本実施形態においては2階にバルコニー96が設けられており、バルコニー96の下に物干し竿99を架け渡すことで急な雨に濡れない構成としたが、軒やフラットルーフなどのバルコニー96以外の構成がテラス床95の上方に設けられる構成であってもよく、又は、2階以上に屋内空間を配したピロティであってもよい。なお、本実施形態においては外壁から屋外竿掛け部98が突出する構成としたが、これに限られず、例えばテラス床95に物干スタンドを載置してもよい。
このように衣類家事室9から掃き出し窓94を挟んで屋外側を屋外洗濯物干し場11とすることで、天候や洗濯物の種類に応じて、屋内外の都合のよいほうに洗濯物を干すことができる。
以上のように、本発明の住宅1によると、身支度動線L1、炊事動線L2、及び洗濯動線L3が玄関ホール24に接続される廊下3とリビング・ダイニングルーム4との間にもうけられており、これらの動線L1,L2,L3は互いに交差しない並列に配置されている。したがって、例えば炊事と洗濯とを異なる家族が分担する場合にそれぞれの家事動線が交わることがなく、複数人で家事を効率的に分担することができる。また、それぞれの動線が廊下3及びリビング・ダイニングルーム4に接続されていることで、各動線間の移動や各動線から住宅1の各部への移動距離を短くすることができる。
本発明の実施の形態は上述の形態に限ることなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができることは云うまでもない。例えば、本実施形態においては、東側から順に洗濯動線L3、炊事動線L2、身支度動線L1が並列に並べて配置されているが、これらの動線の配置順はこれに限定されるものではなく、配置順が東西反転していてもよい。また、例えば洗濯動線L3、炊事動線L2、身支度動線L1は互いに隣接するように配置されているが、いずれかの動線が、リビング・ダイニングルーム4を挟んで反対側に配置されていても良い。
本発明に係る住宅1は、例えば共働き世帯が住まう戸建て住宅として好適である。
1 住宅
3 廊下
4 リビング・ダイニングルーム(居室)
5 身支度室
6 キッチンクローク
7 洗面洗濯室
8 キッチン
9 衣類家事室
24 玄関ホール
51 通路部
52 衣類収納部
62 食品収納部
63 冷蔵庫置き場
71 洗濯台
72 洗濯機置き場
74 袖壁(遮蔽構造物)
92 カウンタ
94 掃き出し窓

Claims (7)

  1. 玄関ホール、階段、及びトイレに接続される廊下と、
    前記廊下と、居室と、を繋ぐ動線であり、少なくとも居住者が通行可能な通路部及び衣類を保管可能な衣類収納部を有する身支度室を通る身支度動線と、
    前記廊下と、前記居室と、を繋ぐ動線であり、少なくともキッチンを通る炊事動線と、
    前記廊下と、前記居室と、を繋ぐ動線であり、少なくとも洗濯室を通る洗濯動線と、
    を備え、
    前記身支度動線、前記炊事動線、及び前記洗濯動線は、互いに交差しない並列に配置されることを特徴とする住宅。
  2. 前記身支度室は、外壁から離れた位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載の住宅。
  3. 前記炊事動線は、前記廊下に接続し、少なくとも食品収納部と冷蔵庫置き場とを有するキッチンクロークを通るとともに、当該キッチンクロークに接続して設けられるキッチンを通る動線であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の住宅。
  4. 前記洗濯動線は、少なくとも洗面台及び洗濯機置き場に沿って形成される動線であり、前記洗面台から前記洗濯機置き場が視認されないように、当該洗濯機置き場が配置されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の住宅。
  5. 前記洗濯動線は、衣類家事室を通ることを特徴とする請求項4に記載の住宅。
  6. 前記衣類家事室は、カウンタを有することを特徴とする請求項5に記載の住宅。
  7. 前記衣類家事室は外壁に隣接しており、当該外壁に屋内外に出入り可能な掃き出し窓が設けられることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の住宅。
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