以下、本発明の一実施形態に係る画像形成装置について図面に基づいて説明する。なお、以下では、方向関係についてはXYZ直交座標軸を用いて説明する。X方向が左右方向(+Xが右、−Xが左)、Y方向が前後方向(+Yが前、−Yが後)、Z方向が上下方向(+Zが上、−Zが下)に各々相当する。また、以下の説明において、「シート」との用語は、コピー用紙、コート紙、OHPシート、厚紙、葉書、トレーシングペーパーや画像形成処理を受ける他のシート材料或いは画像形成処理以外の任意の処理を受けるシート材料を意味する。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の内部構造を概略的に示す図である。画像形成装置1は、シートSに画像を形成する電子写真方式の装置である。ここでは、画像形成装置1としてモノクロプリンターを例示するが、画像形成装置1は、複写機、ファクシミリ装置、或いは、これらの機能を備えた複合機であってもよく、またカラー画像を形成するものであってもよい。
画像形成装置1は、シートSに画像を形成するための様々な装置を収容する本体ハウジング10を備える。本体ハウジング10は、略直方体の形状を有し、その+Y側(前側)の面に手差しトレイ11を、+Z側(上側)の面に排紙トレイ12をそれぞれ備えている。手差しトレイ11は、ユーザーが手差しでシートSをセットするためのトレイである。排紙トレイ12は、本体ハウジング10から排出される、画像形成処理後のシートSを受け取るトレイである。
また、画像形成装置1は、本体ハウジング10内に収容される画像形成部40と定着部50とを備える。そして、本体ハウジング10は、その内部に形成される、画像形成部40及び定着部50を経由して排紙トレイ12までシートSを搬送させる主搬送路P1を有する。更に、本体ハウジング10の下部には、主搬送路P1に向けて給送されるシートSを収容可能な給紙カセット20が、所定の引き出し方向に引き出し可能に装着されている。給紙カセット20の本体ハウジング10に対する引き出し方向は、−Y側(後側)から+Y側(前側)に向かう方向である。
画像形成部40は、シートSに画像形成処理を施す。画像形成部40は、感光体ドラム41と、この感光体ドラム41の周囲に配置された、帯電装置42、露光装置43、現像装置44、転写ローラー45及びクリーニング装置46とを含む。感光体ドラム41は、その軸回りに回転し、静電潜像及びトナー像が形成される周面を有する。帯電装置42は、感光体ドラム41の前記周面を均一に帯電する。露光装置43は、静電潜像を形成するために、感光体ドラム41の前記周面にレーザー光を照射する。現像装置44は、感光体ドラム41上に形成された静電潜像を現像するために、感光体ドラム41の周面にトナーを供給する。転写ローラー45は、感光体ドラム41と転写ニップ部を形成し、感光体ドラム41上のトナー像をシートSに転写する。クリーニング装置46は、トナー像転写後の感光体ドラム41の周面を清掃する。
定着部50は、シートSにトナー像を定着させる処理を施す。定着部50は、熱源が内蔵された定着ローラー51と、定着ローラー51と共に定着ニップ部を形成する加圧ローラー52とを含む。定着部50は、前記転写ニップ部においてトナー像が転写されたシートSを、前記定着ニップ部において加熱及び加圧することにより、定着処理を施す。
本体ハウジング10内に形成された主搬送路P1は、本体ハウジング10の前方付近に位置する湾曲搬送路P1Aと、後方の上端付近に位置する垂直搬送路P1Bと、湾曲搬送路P1Aと垂直搬送路P1Bとの間に配置される水平搬送路P1Cとを含む。湾曲搬送路P1Aは、主搬送路P1における上流側の搬送路であり、上下方向(Z方向)に湾曲して延びる。垂直搬送路P1Bは、主搬送路P1における下流側の搬送路であり、上下方向(Z方向)に略垂直に延びる。水平搬送路P1Cは、主搬送路P1の中間部分の搬送路であり、Y方向(前後方向)に略水平に延びる。主搬送路P1の、画像形成部40よりも上流側には、手差し給紙ローラー111、及びレジストローラー対14が、また定着部50よりも下流側には、搬送ローラー対15及び排出ローラー対16が、それぞれ配置されている。
手差し給紙ローラー111は、手差しトレイ11に載置されたシートSをレジストローラー対14に送り込む。レジストローラー対14は、シートSのスキュー補正を行うと共に、所定のタイミングでシートSを前記転写ニップ部に送り出す。搬送ローラー対15は、定着処理後のシートSを排出ローラー対16に向けて搬送する。排出ローラー対16は、シートSを本体ハウジング10内から排紙トレイ12へ排出する。
また、本体ハウジング10内において、給紙カセット20の前端上部付近には、給紙ユニット30が配置されている。給紙ユニット30は、ピックアップローラー31と給紙ローラー32とを含む。ピックアップローラー31は、給紙カセット20に収容されたシート束の最上層のシートSを1枚ずつ繰り出すローラーである。給紙ローラー32は、ピックアップローラー31により繰り出されたシートSを所定のシート給送方向H1に給送し、レジストローラー対14まで搬送するローラーである。なお、シート給送方向H1は、−Y側(後側)から+Y側(前側)に向かう方向である。また、湾曲搬送路P1Aには、案内ローラー13が設けられている。この案内ローラー13は、給紙ローラー32からシートSをレジストローラー対14まで搬送する際の搬送負荷を低減するためのローラーである。
給紙カセット20は、下方に、シートSを収容可能な増設カセット20Aが装着可能に構成されている。この給紙カセット20は、カセットハウジング200と、そのカセットハウジング200に配置されたシート収容部210、シート給送路220、搬送ガイド221、及び防振部223と、を備える。シート収容部210は、カセットハウジング200内において、シートSを収容する部分である。
シート給送路220は、シート収容部210に対してシート給送方向H1下流側(+Y側、前側)に配置され、カセットハウジング200を貫通する、シートSの給送路である。本実施形態では、シート給送路220は、増設カセット20Aから主搬送路P1の湾曲搬送路P1Aに向かって上下方向(Z方向)に延び、増設カセット20Aから給送されるシートSが通過する。
搬送ガイド221は、カセットハウジング200においてシート収容部210とシート給送路220との間に配置される。すなわち、搬送ガイド221は、シート収容部210のシート給送方向H1下流側(+Y側、前側)であり、且つ、シート給送路220のシート給送方向H1上流側(−Y側、後側)に配置される。搬送ガイド221は、給紙ローラー32によりシート収容部210から給送されるシートSを下流側へ案内するガイド板である。この搬送ガイド221上には、リタードローラー33が配置されている。リタードローラー33は、給紙ローラー32と給紙ニップ部を形成し、その給紙ニップ部において、シート収容部210からのシートSを、湾曲搬送路P1Aに設けられた案内ローラー13を介してレジストローラー対14まで搬送する。
防振部223は、カセットハウジング200においてシート給送路220のシート給送方向H1下流側(+Y側、前側)に配置され、シート給送路220におけるシートSの給送時、並びに、搬送ガイド221を介したシート収容部210からのシートSの給送時に発生するカセットハウジング200の振動を抑制する。
次に、図1に加えて図2及び図3を参照して、給紙カセット20について詳細に説明する。図2は、画像形成装置1に備えられる給紙カセット20の斜視図である。図3は、リフト板211を取り外した状態の給紙カセットの斜視図である。
給紙カセット20のカセットハウジング200は、第1側壁部22Aと、第2側壁部22Bと、天壁部22Cと、前壁部22Dとを含む。第1側壁部22Aと第2側壁部22Bとは、X方向(左右方向)に間隔をおいて互いに対向して配置され、カセットハウジング200のX方向(左右方向)の側面を構成する。カセットハウジング200において、第1側壁部22Aが−X側(左側)の側面を構成し、第2側壁部22Bが+X側(右側)の側面を構成する。天壁部22Cは、第1側壁部22A及び第2側壁部22Bの上端縁同士を接続し、カセットハウジング200の上面を構成する。前壁部22Dは、カセットハウジング200におけるシート給送方向H1の最下流の面であって、+Y側(前側)の前面を構成する。前壁部22Dには、図2に示すように、カバー部材22Eが取り付けられている。カバー部材22Eは、画像形成装置1の外装部分における前面側の一部を構成する。なお、図3には、カバー部材22Eを取り外した状態の給紙カセット20が示されている。
搬送ガイド221は、カセットハウジング200におけるシート給送方向H1の最上流の面であって、−Y側(後側)の後面を構成する。搬送ガイド221は、下端縁から上端縁に向かって、−Y側(後側)から+Y側(前側)に斜め上方向に湾曲して延びる湾曲ガイド板である。給紙ローラー32によりシート収容部210から給送されるシートSは、搬送ガイド221の下端縁から上端縁に向かって搬送されて、当該搬送ガイド221により案内される。搬送ガイド221の上端縁は、天壁部22Cから−Y側(後側)に離間している。この搬送ガイド221の上端縁と天壁部22Cとの間の隙間部分が、シート給送路220の下流端となる。また、搬送ガイド221において、−X側(左側)の側端縁は第1側壁部22Aに接続され、+X側(右側)の側端縁は第2側壁部22Bに接続されている。
カセットハウジング200において、搬送ガイド221に対してシート給送方向H1上流側(−Y側、後側)にシート収容部210が配置される。すなわち、シート収容部210は、カセットハウジング200において、搬送ガイド221、第1側壁部22A及び第2側壁部22Bによって画定される。シート収容部210には、リフト板211(図2)と、第1カーソル212(図2、図3)と、第2カーソル213(図2、図3)と、後端カーソル214(図2)と、第1移動用ラック215(図3)と、第2移動用ラック216(図3)と、ピニオンギア217(図3)と、後端カーソル固定用ラック218(図2)と、が配置されている。
リフト板211は、シート収容部210においてシートSの前端を上方に持ち上げるようにシートSを支持する。後端カーソル固定用ラック218は、シート給送方向H1と平行なY方向(前後方向)に延びるようにシート収容部210に配置され、後述の後端カーソル214を固定するためのラックである。
第1カーソル212は、シート給送方向H1と交差するシート幅方向H2(X方向)に移動可能に設けられ、シート収容部210内においてシートSの+X側(右側)の端縁に当接するカーソルである。第2カーソル213は、第1カーソル212に対して−X側(左側)に対向して配置されるカーソルである。第2カーソル213は、シート幅方向H2(X方向)に移動可能であり、シート収容部210内においてシートSの−X側(左側)の端縁に当接する。第1カーソル212及び第2カーソル213は、シート収容部210内におけるシートSのX方向(左右方向)の位置決めを行う。
第1移動用ラック215は、第1カーソル212から−X側(左側)に延び、第1カーソル212を移動させるためのラックである。第2移動用ラック216は、第2カーソル213から+X側(右側)に延び、第2カーソル213を移動させるためのラックである。ピニオンギア217は、第1カーソル212と第2カーソル213との間においてシート収容部210に回転可能に配置される。ピニオンギア217には、第1移動用ラック215と第2移動用ラック216とが係合されている。これにより、第1カーソル212及び第2カーソル213の各々は、ピニオンギア217の回転に連動して、シート幅方向H2(X方向)に移動する。すなわち、第1カーソル212は、ピニオンギア217の回転による第1移動用ラック215のシート幅方向H2(X方向)への移動に連動してシート幅方向H2に移動する。そして、第2カーソル213は、ピニオンギア217の回転による第2移動用ラック216のシート幅方向H2(X方向)への移動に連動して、第1カーソル212の移動方向とは反対の方向に移動する。
後端カーソル214は、後端カーソル固定用ラック218に沿ってY方向(前後方向)に移動可能に設けられ、シート収容部210内においてシートSのシート給送方向H1の後端側の端縁に当接するカーソルである。後端カーソル214は、シート収容部210内におけるシートSのY方向(前後方向)の位置決めを行う。
カセットハウジング200を貫通して設けられたシート給送路220は、前述したように、搬送ガイド221に対してシート給送方向H1下流側(+Y側、前側)に配置され、増設カセット20Aから主搬送路P1の湾曲搬送路P1Aに向かって上下方向(Z方向)に延びている(図1参照)。図4及び図5は、給紙カセット20のカセットハウジング200を裏面側から見た斜視図である。なお、図4及び図5には、防振部223に備えられる後述の防振部材を取り外した状態のカセットハウジング200が示されている。
シート給送路220において、シート給送方向H1上流側(−Y側、後側)の面は、搬送ガイド221の裏面(+Y側の面)に突設された複数のガイドリブ222によって画定される。すなわち、給紙ローラー32により給送されるシートSの搬送ガイド221に沿った案内経路と、カセットハウジング200を貫通して設けられたシート給送路220とは、搬送ガイド221を挟んでY方向(前後方向)に隣接している。複数のガイドリブ222は、シート幅方向H2(X方向)に間隔をおいて並んでいる。複数のガイドリブ222は、シート給送路220を給送される増設カセット20AからのシートSをガイドする機能を有するとともに、搬送ガイド221を補強する機能を有する。
また、シート給送路220において、シート給送方向H1下流側(+Y側、前側)の面は、防振部223に備えられる後述の隔壁凹部224のシート給送方向H1上流側(−Y側、後側)を画定する隔壁2241によって画定される。すなわち、シート給送路220は、隔壁2241を挟んで防振部223と隣接している。
また、シート給送路220は、搬送ガイド221のシート給送方向H1下流側(+Y側、前側)で合流する。より詳しくは、シート給送路220の下流端(+Z側の端部)における開口縁のシート給送方向H1上流側(−Y側、後側)の端縁は、搬送ガイド221の上端縁(+Z側の端縁)によって画定される。
カセットハウジング200に配置された防振部223は、前述したように、シート給送路220に対してシート給送方向H1下流側(+Y側、前側)に配置され、シート給送路220におけるシートSの給送時、並びに、搬送ガイド221を介したシート収容部210からのシートSの給送時に発生するカセットハウジング200の振動を抑制する。この防振部223について、図4及び図5に加えて図6乃至図9を参照して説明する。図6は、防振部223に備えられる防振部材225の斜視図である。図7及び図8は、給紙カセット20のカセットハウジング200を裏面側から見た斜視図であって、防振部材225が取り付けられた状態のカセットハウジング200を示す図である。図9は、図8のカセットハウジング200を切断面線A−Aから見た断面図である。
防振部223は、カセットハウジング200において前壁部22Dとシート給送路220との間に配置された隔壁凹部224と、隔壁凹部224内に収納される防振部材225とを含む。
隔壁凹部224は、下方側(−Z側)が開放された、シート幅方向H2(X方向)に長尺の箱形に形成される。隔壁凹部224は、シート幅方向H2(X方向)に延びる一対の隔壁2241と、第1側壁部22Aと、第2側壁部22Bと、天壁部22Cとによって区画されている。隔壁凹部224において、Y方向(前後方向)両端面が一対の隔壁2241によって画定され、−X側(左側)端面が第1側壁部22Aによって画定され、+X側(右側)端面が第2側壁部22Bによって画定され、+Z側(上側)端面が天壁部22Cによって画定される。一対の隔壁2241は、シート給送方向H1(Y方向、前後方向)に間隔をおいて互いに対向して配置される。一対の隔壁2241のうち、シート給送方向H1上流側(−Y側)の隔壁2241は、シート給送路220のシート給送方向H1下流側を画定し、Y方向(前後方向)において隔壁凹部224とシート給送路220とを区画する境界面となる。一方、一対の隔壁2241のうち、シート給送方向H1下流側(+Y側)の隔壁2241は、Y方向(前後方向)において隔壁凹部224と前壁部22Dとを区画する境界面となる。
また、隔壁凹部224内には、シート幅方向H2(X方向)に間隔をおいて複数のリブ2242が、互いに対向するように並設されている(図4及び図5参照)。複数のリブ2242は、シート給送方向H1に延びる略矩形板状に形成されている。複数のリブ2242の各々において、Z方向(上下方向)の長さは隔壁凹部224の深さと略同一であり、Y方向(前後方向)の長さは一対の隔壁2241のY方向に関する離間距離と略同一である。複数のリブ2242の各々において、上端面は天壁部22Cに当接し、側端面は一対の隔壁2241にそれぞれ当接している。複数のリブ2242は、一対の隔壁2241の成型時における変形を防止し、一対の隔壁2241を補強する機能を有する。また、複数のリブ2242は、本体ハウジング10から給紙カセット20が引き出されるとき、あるいは、本体ハウジング10に給紙カセット20が装着されるとき等における、ユーザーの操作力による一対の隔壁2241のY方向(前後方向)への撓み変形を防止する機能も有する。これにより、隔壁凹部224の形状が維持される。
防振部材225は、複数のリブ2242の各々を挟み込むようにして、隔壁凹部224内に固定されている。防振部材225は、良好な防振性を有すると共に、良好な吸音性又は遮音性等、良好な防音特性を有する材料により構成され、弾性変形可能な部材である。防振部材225を構成する材料としては、例えば、内部に複数の細孔を有するスポンジ等の多孔質材や、複数の繊維が絡み合うことにより形成された不織布等が挙げられる。防振部材225は、弾性変形した状態で隔壁凹部224内に収納されている。これにより、隔壁凹部224内は防振部材225によって隙間なく閉塞される。
防振部材225は、図6に示すように、シート幅方向H2(X方向)に長尺の直方体の形状に形成されている。そして、防振部材225は、複数のリブ2242の各々が挿入される複数の切り込み部2251を有する。防振部材225において、複数の切り込み部2251は、シート幅方向H2(X方向)に対応した長手方向に間隔をおいて形成されている。防振部材225の切り込む部2251に隔壁凹部224のリブ2242が挿入されることにより、防振部材225によって複数のリブ2242の各々が挟み込まれた構造とすることができる。切り込み部2251がリブ2242の下端面に当接した状態で、防振部材225を上方側(+Z側)に向かってその上面225Aが天壁部22Cに当接するまで押し込むことにより、複数のリブ2242の各々を挟み込むように防振部材225を、隔壁凹部224内に収納させることができる。
また、図4及び図5に示すように、複数のリブ2242の各々は、係止爪2243を有する。係止爪2243は、各リブ2242の下端面に設けられている。係止爪2243は、図7乃至図9に示すように、隔壁凹部224内に収納された防振部材225の下面225Bを係止する。これにより、防振部材225は、隔壁凹部224内に収納された状態で固定されて、抜け止めされる。なお、隔壁凹部224内での防振部材225の固定方式は、防振部材225の弾性を利用して係止爪2243にて当該防振部材225を係止することにより固定する、スナップフィット方式である。
複数のリブ2242の各々に設けられた係止爪2243により防振部材225を係止する構成とすることによって、隔壁凹部224内からの防振部材225の抜け止めを行うために、両面テープ等の抜け止め部材を用いる必要がなくなる。このため、両面テープ等の抜け止め部材の削減に伴うコストダウンを図ることができるとともに、給紙カセット20における防振部223の組立時において、抜け止め部材を用いた防振部材225の隔壁凹部224に対する固定作業の工数削減を図ることができる。
以上説明したように、本実施形態に係る画像形成装置1に備えられる給紙カセット20は、シート給送路220のシート給送方向H1下流側(+Y側、前側)に隔壁凹部224が配置され、この隔壁凹部224に防振部材225が配置されている。ここで、隔壁凹部224は、シート給送路220のシート給送方向H1下流側(+Y側、前側)を画定する隔壁2241を含み、内部に複数のリブ2242が並設された補強構造を有する。そして、防振部材225は、複数のリブ2242の各々を挟み込むようにして、隔壁凹部224内に固定されている。これにより、搬送ガイド221を介したシート収容部210からのシートSの給送時、並びにシート給送路220を介したシートSの給送時における、複数のリブ2242の振動を抑制することができる。このため、複数のリブ2242の振動に起因して発生する振動音を抑制することができる。
また、本実施形態に係る給紙カセット20においては、前述の如く、カセットハウジング200を貫通して設けられるシート給送路220が、シート収容部210から給紙ローラー32により給送されるシートSを案内する搬送ガイド221のシート給送方向H1下流側(+Y側、前側)で合流する構成とされる。このような構成では、シート給送路220のシート給送方向H1下流側(+Y側、前側)に配置される隔壁凹部224に並設された複数のリブ2242は、シート給送路220におけるシートSの通過時のみならず、搬送ガイド221上におけるシートSの通過時にも、振動し易くなる。ここで、隔壁凹部224に並設された複数のリブ2242は、前述の如く、防振部材225によって挟み込まれているので、上記のような構成であっても、その振動が抑制される。このため、複数のリブ2242の振動に起因して発生する振動音を抑制することができる。
更に、本実施形態に係る給紙カセット20においては、前述の如く、シート給送路220のシート給送方向H1上流側(−Y側、後側)の面は、搬送ガイド221の裏面(+Y側の面)に突設されたガイドリブ222によって画定され、シート給送方向H1下流側(+Y側、前側)の面は、隔壁凹部224のシート給送方向H1上流側(−Y側、後側)を区画する隔壁2241によって画定される。
換言すると、カセットハウジング200を貫通し、増設カセット20Aから給送されるシートSが通過するシート給送路220は、隔壁凹部224のシート給送方向H1上流側(−Y側、後側)を区画する隔壁2241を挟んで防振部223と隣接している。これにより、シート給送路220を介した増設カセット20AからのシートSの給送時における、複数のリブ2242の振動に起因して発生する振動音を、防振部223によって、より確実に抑制することができる。更に、給紙ローラー32により給送されるシートSの搬送ガイド221に沿った案内経路は、防振部223に隣接したシート給送路220に対して、搬送ガイド221を挟んで隣接している。このため、搬送ガイド221を介したシート収容部210からのシートSの給送時における、複数のリブ2242の振動に起因して発生する振動音を、防振部223によって、より確実に抑制することができる。