JP6822277B2 - 化粧板の製造方法 - Google Patents

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本発明は、特に外装材として有用な化粧板の製造方法に関する。
従来、建築物の内外装材、造作材、建具等の建築資材、家具什器類、車両内装、その他各種部材の表面化粧の用途として化粧板が用いられている。
化粧板は、一般に樹脂板、金属板、複合板等の各種基材層上に接着剤層を介して所望の意匠を有する化粧シートを積層することにより形成される。
図2に、一般的なラッピング方法により化粧板を作製する工程が示されている。図2に示された工程では、化粧シートのロール状物11から化粧シート15を引き出し、接着剤塗布ロール(アプリケータロール)12により化粧シート15の裏面に接着剤を塗布し、乾燥機13にて接着剤を乾燥後、貼り合わせロール(ラミネートロール)17により化粧シート15の裏面の接着剤層と基材層16とを貼り合わせる。なお、18はバックアップロール、19はガイドロールである。
一般的なラッピング方法では接着剤として水性エマルション型接着剤、溶剤系接着剤又は無溶剤ホットメルト型接着剤が使用されるが、化粧板の化粧シートに熱可塑性樹脂が含まれる場合には次のような問題がある。
例えば、水性エマルション型接着剤を用いる場合は、接着剤中の水分が揮発し難く接着不良が発生し易い。これを改善するために接着剤の乾燥温度を高めると熱可塑性樹脂を含む化粧シートが軟化して凹凸模様が消失する問題がある。他方、乾燥時間を長くすると化粧板の生産効率が低下する。
溶剤系接着剤を用いる場合は、接着剤中の溶剤が揮発し難く化粧シートが膨潤して外観不良に繋がり易い。これを改善するために接着剤の乾燥温度を高めると熱可塑性樹脂を含む化粧シートが軟化して凹凸模様が消失する問題がある。他方、乾燥時間を長くすると化粧板の生産効率が低下し、特に酢酸エチル、メチルエチルケトン、ジクロロメタン等の浸透性の高い溶剤系接着剤を用いる場合には問題が顕著になる。
無溶剤ホットメルト型接着剤を用いる場合は、ホットメルト型であるため塗布時に加熱が必要となり、その熱で熱可塑性樹脂を含む化粧シートが軟化して凹凸模様が消失する問題がある。この点、接着剤の加熱温度を低くすれば化粧シートへの影響は緩和できるが、低温化により接着性が発現されないため根本的な改善にはならない。
上記のように各接着剤には一長一短があるが、これらの中では溶剤系接着剤が接着性の観点で最も優れているため、溶剤系接着剤を用いることを前提として化粧板の製造方法を改善することが求められている。
一般的なラッピング方法に類似する方法として、例えば、特許文献1には、「ポリオレフィン系樹脂層と絵柄模様層と透明ポリプロピレン樹脂層とを少なくともこの順に積層してなる化粧シートのポリオレフィン系樹脂層側に、接着剤を介して鋼鈑基材を貼り合わせてなる鋼鈑化粧板の製造方法において、貼り合わせの際に前記化粧シートを120〜220℃に加熱することを特徴とする、鋼鈑化粧板の製造方法。」が開示されている。
そして、[0033]段落には、具体的に鋼板基材上に塩化メチレン系接着剤を厚み約15μmで塗布し、オーブンで3分間の加熱を行って鋼板を200℃に加熱し、温度が低下するよりも前に前記化粧シートのポリオレフィン系樹脂層側を接着剤側にラミネートし、1秒後に約30℃の水により急冷して鋼板化粧板を得たことが記載されている。
しかしながら、特許文献1の製造方法では、オーブンで3分間の加熱を行って鋼板を200℃に加熱するところ、鋼板基材が金属層単体であれば問題はないが、鋼板基材が鋼板と樹脂層とを有する複合パネルである場合には、複合パネルの樹脂層が加熱により変形するという問題がある。
特開2006−289673号公報
よって、本発明は、基材層上に接着剤層を介して化粧シートを備える化粧板の製造方法であって、基材層が樹脂層と金属板とを有する複合パネル板であり、且つ化粧シートが熱可塑性樹脂を含有する場合でも外観不良を生じることなく効率的に化粧板を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の工程1と工程2とを順に有する製造方法によれば、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の化粧板の製造方法に関する。
1.基材層上に、前記基材層側から順に接着剤層及び化粧シートを備える化粧板の製造方法であって、
(1)前記基材層は、芯材となる樹脂層と、前記樹脂層の両面に備えた金属板とを有する複合パネル板であり、
(2)前記化粧シートは、熱可塑性樹脂を含有し、
(3)離型紙に溶剤系接着剤を塗布し、70℃以上で前記接着剤を乾燥させて接着剤層を形成後、前記化粧シートの裏面を貼り合わせることにより中間積層体を得る工程1と、
前記中間積層体から前記離型紙を剥離し、次いで前記接着剤層を加熱するとともに前記接着剤層と前記基材層とを貼り合わせる工程2と、
を順に有することを特徴とする製造方法。
2.前記基材層は、芯材となるポリオレフィン樹脂層と、前記ポリオレフィン樹脂層の両面に備えたアルミニウム板とを有する複合パネル板である、上記項1に記載の製造方法。
3.前記基材層は、前記アルミニウム板の外側にフッ素樹脂及びポリエステル樹脂の少なくとも一種を含有するコーティング層を有する、上記項2に記載の製造方法。
4.前記溶剤系接着剤は、溶剤系ウレタン2液硬化型接着剤である、上記項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
5.前記接着剤層中の前記溶剤の含有量が7質量%以下である、上記項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
6.前記接着剤層中の前記溶剤の含有量が3質量%以下である、上記項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
7.前記化粧板における前記接着剤層の厚さが25μm以上である、上記項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
8.前記化粧板における前記接着剤層の厚さが30μm以上50μm以下である、上記項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
9.前記熱可塑性樹脂は、オレフィン系熱可塑性樹脂である、上記項1〜8のいずれかに記載の製造方法。
本発明の化粧板の製造方法は、基材層上に接着剤層を介して化粧シートを備える化粧板の製造方法であって、特定の工程1と工程2とを順に有することにより、基材層が樹脂層と金属板とを有する複合パネル板であり、且つ化粧シートが熱可塑性樹脂を含有するが、外観不良を生じることなく効率的に化粧板を製造することができる。
本発明の製造方法により得られる化粧板は、建築物の内外装材、造作材、建具等の建築資材、家具什器類、車両内装、その他各種部材の表面化粧の用途に有用である。
本発明の化粧板の一態様を示す模式図(斜視図)である。 公知のラッピング法による化粧板の作製工程の一例を示す図である。 本発明の化粧板の作製工程をの一例を示す図である。図中の(a)は工程1を示し、(b)は工程2を示す。
本発明の化粧板の製造方法は、基材層上に、前記基材層側から順に接着剤層及び化粧シートを備える化粧板の製造方法であって、
(1)前記基材層は、芯材となる樹脂層と、前記樹脂層の両面に備えた金属板とを有する複合パネル板であり、
(2)前記化粧シートは、熱可塑性樹脂を含有し、
(3)離型紙に溶剤系接着剤を塗布し、70℃以上で前記接着剤を乾燥させて接着剤層を形成後、前記化粧シートの裏面を貼り合わせることにより中間積層体を得る工程1と、
前記中間積層体から前記離型紙を剥離するとともに前記接着剤層を加熱し、次いで前記接着剤層と前記基材層とを貼り合わせる工程2と、
を順に有することを特徴とする。
上記特徴を有する本発明の製造方法は、基材層上に接着剤層を介して化粧シートを備える化粧板の製造方法であって、特定の工程1と工程2とを順に有することにより、基材層が樹脂層と金属板とを有する複合パネル板であり、且つ化粧シートが熱可塑性樹脂を含有するが、外観不良を生じることなく効率的に化粧板を製造することができる。
以下、図1を例示的に参照しながら化粧板を構成する各層について説明するとともに、図3を例示的に参照しながら本発明の化粧板の製造方法について詳細に説明する。
以下では基材層1からみて接着剤層2及び化粧シート3が位置する方向を「上」又は「おもて」と称し、基材層1からみて上記方向と反対側を「下」又は「裏」と称する。
また、数値範囲については、「以上」、「以下」と明記している箇所を除き、「〜」で示される数値範囲は「以上」、「以下」を意味する。例えば、2〜15mmは2mm以上15mm以下を意味する。
≪製造物である化粧板の基本構成≫
製造物である化粧板は、基材層上に、前記基材層側から順に接着剤層及び化粧シートを備えることを基本構成とする。
基材層1
基材層1としては、芯材となる樹脂層と、前記樹脂層の両面に備えた金属板とを有する複合パネル板である。本発明では、基材層1はかかる構成を有する限り従来から建築物の内外装材としての化粧板の基材として利用されているものが幅広く使用できる。
芯材となる樹脂板としては、各種の合成樹脂、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリメタクリル酸エチル樹脂、ポリアクリル酸ブチル樹脂、ナイロン6又はナイロン66等で代表されるポリアミド樹脂、三酢酸セルロース樹脂、セロファン、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂等から形成された樹脂板が挙げられる。本発明では、これらの樹脂板の中でも、熱可塑性樹脂板が好ましく、環境に配慮する観点からポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等を材料とするポリオレフィン樹脂層が好ましい。
なお、樹脂板は発泡剤を用いて発泡させた発泡樹脂板であってもよい。
金属板としては、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレス、銅等の少なくとも一種からなる金属板が挙げられる。なお、これらの金属板の表面には公知の表面処理が施されていてもよい。例えば、金属板の表面にフッ素樹脂及びポリエステル樹脂の少なくとも一種のコーティング層を備えていてもよい。コーティング層を備えることにより化粧板を屋外で使用する場合でも金属板の腐食を抑制することができるとともに、化粧シートの接着性を高めることができる。本発明では、芯材となる樹脂層の両面に備えた金属板の外側(すなわち基材層1の最表面)にコーティング層を有することが好ましい。
基材層1の厚さは限定的ではなく、最終的な化粧板の用途、基材層の材質等により適宜設定できるが、通常1〜30mmが好ましく、2〜20mmがより好ましい。
接着剤層2
図1の化粧板において、接着剤層2は基材層1と化粧シート3とを接着する。
本発明の化粧板における接着剤層2は、溶剤系接着剤により形成されていればよいが、ウレタン系、塩化ビニル−酢酸ビニル系、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)系、ポリエステル系等の溶剤系接着剤の中でも、特に溶剤系ウレタン2液硬化型接着剤の塗膜の硬化物であることが好ましい。接着剤層2の中には、通常若干の溶剤が残存している。
溶剤系ウレタン2液硬化型接着剤は、一般にポリオールを主剤とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とする2液硬化型の接着剤である。
上記ポリオールは、分子中に2個以上の水酸基を有しており、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオール等が挙げられる。これらの中でも、接着性の観点からアクリルポリオール、ポリエステルポリオール及びポリカーボネートポリオールの少なくとも一種が好ましい。
また、上記イソシアネートとしては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネートが用いられる。例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、或いは、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(乃至は脂環式)イソシアネートが挙げられる。その他、上記各種イソシアネートの付加体又は多量体、例えば、トリレンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネート3量体(trimer)等も用いられる。
溶剤系ウレタン2液硬化型接着剤における主剤と硬化剤の質量比は限定的ではないが、主剤100質量部に対して硬化剤は0.5〜50質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましい。
溶剤系ウレタン2液硬化型接着剤の固形分濃度は限定的ではないが、溶剤を含有する点で10〜70質量%が好ましく、40〜60質量%がより好ましい。
溶剤系ウレタン2液硬化型接着剤に含有される溶剤成分は限定的ではないが、例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジクロロメタン等の少なくとも一種が挙げられる。また、当該接着剤の溶剤含有量としては、90〜30質量%が好ましく、60〜40質量%がより好ましい。
溶剤系ウレタン2液硬化型接着剤から形成される接着剤層2(dry)の厚さは限定的ではないが、25μm以上であることが好ましく、特に30μm以上50μm以下であることが好ましい。かかる範囲内であることにより、基材層1と化粧シート3との密着性を長期間にわたり保持し易い。なお、接着剤層2の厚さは測定部位によりバラツクことがあるため測定部位の90%以上で所定の厚さが認められるか否かで判断することができる。
接着剤層2に含有される溶剤量は限定的ではないが、7質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、0.5〜3質量%が最も好ましい。接着剤層の溶剤含有量がかかる範囲内であることにより、接着性を向上させる投錨効果がより付与される。なお、接着剤層2に含有される溶剤の含有量は、次の方法により測定される。つまり、化粧板から基材層と化粧シートを除去して主として接着剤層のみの残分だけにし、当該残分を大気下100℃雰囲気で3日間放置し、放置前後の質量差を溶剤の含有量とする。なお、当該残分には、基材層や化粧シートに塗布されたコーティング層や裏面プライマー等の表面処理塗料が混在する場合もあるが、化粧材の状態でそれらの塗料の厚みが合計3μm以下の場合は無視できるものとする。
化粧シート3
化粧シートとしては、熱可塑性樹脂を含有するものを用いる。例えば、基材シート上に少なくとも絵柄模様層、接着剤層、透明性樹脂層及び透明性表面保護層を有し、透明性表面保護層が最表面層として設けられる構成が好ましい実施形態として挙げられる。また、化粧シートの最表面層には、エンボス加工により凹凸模様が付与されてもよい。更に、化粧シートの裏面には、バッカー層(化粧シートに緩衝性などを付与する合成樹脂層)を設けてもよい。
以下、化粧シート3の代表例として、上述の化粧シートの各層について説明する。
≪基材シート≫
基材シートは、その表面(おもて面)には絵柄模様層等が順次積層される。
基材シートとしては、樹脂製フィルム、紙、樹脂含浸紙等の種々のものを例示することができるが、樹脂製フィルムの中でも熱可塑性樹脂により形成されたものが好適である。具体的には、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル等が挙げられる。上記の中でもポリプロピレン等のポリオレフィンが好ましい。
基材シートは、着色されていてもよい。例えば、熱可塑性樹脂に対して着色剤(顔料又は染料)を添加して着色することができる。着色剤としては、例えば、二酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄等の無機顔料、フタロシアニンブルー等の有機顔料のほか、各種の染料も使用することができる。これらは、1種又は2種以上を選ぶことができる。また、着色剤の添加量も、所望の色合い等に応じて適宜設定すればよい。
基材シートには、必要に応じて、充填剤、艶消し剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤等の各種の添加剤が含まれていてもよい。
基材シートの厚みは、最終製品の用途、使用方法等により適宜設定できるが、一般には50〜250μmが好ましい。
基材シートは、必要に応じて、絵柄模様層を形成するインキの密着性を高めるために表面(おもて面)にコロナ放電処理を施してもよい。コロナ放電処理の方法・条件は、公知の方法に従って実施すればよい。また、必要に応じて、基材シートの裏面にコロナ放電処理を施したり、絵柄模様層(いわゆるバックプリント)を形成したり、裏面プライマー層、後述するバッカー層等を形成したりしてもよい。
≪絵柄模様層(絵柄層)≫
絵柄層は、化粧シートに所望の絵柄(意匠)を付与するものであり、絵柄の種類等は限定的ではない。例えば、木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。
絵柄層の形成方法は特に限定されず、例えば、公知の着色剤(染料又は顔料)を結着材樹脂とともに溶剤(又は分散媒)中に溶解(又は分散)して得られるインキを用いた印刷法により、基材シート表面に形成すればよい。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、チタン白、亜鉛華、弁柄、紺青、カドミウムレッド等の無機顔料;アゾ顔料、レーキ顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、フタロシアニン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料等の有機顔料;アルミニウム粉、ブロンズ粉等の金属粉顔料;酸化チタン被覆雲母、酸化塩化ビスマス等の真珠光沢顔料;蛍光顔料;夜光顔料等が挙げられる。これらの着色剤は、単独又は2種以上を混合して使用できる。これらの着色剤には、シリカ等のフィラー、有機ビーズ等の体質顔料、中和剤、界面活性剤等がさらに配合してもよい。
結着材樹脂としては、ポリエステル系ウレタン樹脂、親水性処理されたポリエステル系ウレタン樹脂のほか、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリビニルアセテート、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリスチレン−アクリレート共重合体、ロジン誘導体、スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルコール付加物、セルロース系樹脂なども併用できる。
より具体的には、例えば、ポリウレタン−ポリアクリル系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂、ポリエチレンオキシド系樹脂、ポリN−ビニルピロリドン系樹脂、水溶性ポリエステル系樹脂、水溶性ポリアミド系樹脂、水溶性アミノ系樹脂、水溶性フェノール系樹脂、その他の水溶性合成樹脂;ポリヌクレオチド、ポリペプチド、多糖類等の水溶性天然高分子;等を使用できる。また、例えば、天然ゴム、合成ゴム、ポリ酢酸ビニル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン−ポリアクリル系樹脂変性又は混合樹脂、その他の樹脂も使用できる。上記結着材樹脂は、単独又は2種以上で使用できる。
絵柄層の形成に用いる印刷法としては、例えば、グラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、静電印刷法、インクジェット印刷法等が挙げられる。また、全面ベタ状の絵柄模様層(これを着色隠蔽層とも言う)を形成する場合には、例えば、グラビアコート法、グラビアリバースコート法、ロールコート法、ナイフコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、キスコート法、フローコート法、ディップコート法等の各種コーティング法も挙げられる。
上記以外にも、例えば、手描き法、墨流し法、写真法、転写法、レーザービーム描画法、電子ビーム描画法、金属等の部分蒸着法、エッチング法などを用いたり、他の形成方法と組み合わせて用いたりしてもよい。
絵柄層の厚みは特に限定されず、製品特性に応じて適宜設定できるが、塗工時の層厚は1〜15μm程度、乾燥後の層厚は0.1〜10μm程度である。
≪接着剤層≫
接着剤層は、絵柄層と透明性樹脂層との間に存在する。接着剤層で使用する接着剤は、絵柄層又は透明性樹脂層を構成する成分等に応じて適宜選択することができる。例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂等を含む各種接着剤を使用できる。また、反応硬化タイプのほか、ホットメルトタイプ、電離放射線硬化タイプ、紫外線硬化タイプ等の接着剤でもよい。
接着剤層は、絵柄層が認識できる限り、透明でも半透明でもよい。
なお、本発明では、必要に応じ、コロナ放電処理、プラズマ処理、脱脂処理、表面粗面化処理等の公知の易接着処理を接着面に施すこともできる。
接着剤層は、例えば、接着剤を絵柄模様層の上に塗布後、一度乾燥し、それから、透明性樹脂を積層することにより形成できる。接着剤の塗布方法は特に限定されず、例えば、ロールコート、カーテンフローコート、ワイヤーバーコート、リバースコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、エアーナイフコート、キスコート、ブレードコート、スムースコート、コンマコート等の方法が採用できる。
接着剤層の厚みは、透明性保護層、使用する接着剤の種類等によって異なるが、一般的には0.1〜30μm程度である。
≪透明性樹脂層≫
透明性樹脂層は、透明である限り着色されていてもよく、絵柄層が視認できる範囲内で半透明であってもよい。
上記樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、ポリメチルペンテン、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル、ポリカーボネート、セルローストリアセテート等が挙げられる。上記の中でも、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂が好ましい。より好ましくは、立体規則性を有するポリオレフィン系樹脂である。ポリオレフィン系樹脂を用いる場合は、溶融ポリオレフィン系樹脂を押し出し法により透明性樹脂層を形成することが望ましい。
透明性樹脂層には、必要に応じて、充填剤、艶消し剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、ラジカル捕捉剤、軟質成分(例えばゴム)等の各種の添加剤が含まれていても良い。
透明性樹脂層の厚みは特に限定されないが、一般的には10〜400μm程度である。
≪透明性表面保護層≫
透明性樹脂層の上には、透明性表面保護層が形成されている。透明性表面保護層は限定的ではないが、樹脂成分として電離放射線硬化型樹脂又は2液硬化型ウレタン系樹脂を含有することが好ましい。実質的には、これらの樹脂から形成されているものが好ましい。電離放射線硬化型樹脂又は2液硬化型ウレタン系樹脂により透明性表面保護層を形成する場合には、化粧シートの耐摩性、耐衝撃性、耐汚染性、耐擦傷性、耐候性等を高め易い。本発明では、これらの中でも最表層が電離放射線硬化型樹脂層であることが好ましい。
電離放射線硬化型樹脂としては特に限定されず、紫外線、電子線等の電離放射線の照射により重合架橋反応可能なラジカル重合性二重結合を分子中に含むプレポリマー(オリゴマーを含む)及び/又はモノマーを主成分とする透明性樹脂が使用できる。これらのプレポリマー又はモノマーは、単体又は複数を混合して使用できる。硬化反応は、通常、架橋硬化反応である。
具体的には、前記プレポリマー又はモノマーとしては、分子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、エポキシ基等のカチオン重合性官能基等を有する化合物が挙げられる。また、ポリエンとポリチオールとの組み合わせによるポリエン/チオール系のプレポリマーも好ましい。ここで、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基の意味である。
ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリマーとしては、例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの分子量としては、通常250〜100000程度が好ましい。
ラジカル重合性不飽和基を有するモノマーとしては、例えば、単官能モノマーとして、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、多官能モノマーとしては、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
カチオン重合性官能基を有するプレポリマーとしては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ化合物等のエポキシ系樹脂、脂肪酸系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル等のビニルエーテル系樹脂のプレポリマーが挙げられる。また、チオールとしては、例えば、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート等のポリチオールが挙げられる。ポリエンとしては、例えば、ジオール及びジイソシアネートによるポリウレタンの両端にアリルアルコールを付加したものが挙げられる。
電離放射線硬化型樹脂を硬化させるために用いる電離放射線としては、電離放射線硬化型樹脂(組成物)中の分子を硬化反応させ得るエネルギーを有する電磁波又は荷電粒子が用いられる。通常は紫外線又は電子線を用いればよいが、可視光線、X線、イオン線等を用いてもよい。
紫外線源としては、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト、メタルハライドランプ等の光源が使用できる。紫外線の波長としては、通常190〜380nmが好ましい。
電子線源としては、例えば、コッククロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、又は直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が使用できる。その中でも、特に100〜1000keV、好ましくは100〜300keVのエネルギーをもつ電子を照射できるものが好ましい。
2液硬化型ウレタン系樹脂としては特に限定されないが、中でも主剤としてOH基を有するポリオール成分(アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、エポキシポリオール等)と、硬化剤成分であるイソシアネート成分(トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メタキシレンジイソシアネート等)とを含むものが使用できる。
透明性表面保護層は、必要に応じて、可塑剤、安定剤、充填剤、分散剤、染料,顔料等の着色剤、溶剤等を含んでもよい。
透明性表面保護層は、例えば、透明性樹脂層の上に電離放射線硬化型樹脂又は2液硬化型ウレタン系樹脂をグラビアコート、ロールコート等の公知の塗工法により塗工後、樹脂を硬化させることにより形成できる。電離放射線硬化型樹脂の場合には、電子線照射により樹脂硬化する。
本発明では、透明性表面保護層中に他の成分が含まれていても良い。例えば、溶剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、分散剤、光安定剤、艶調整剤、ブロッキング防止剤、滑剤等の添加剤を配合できる。
透明性表面保護層の厚さは特に限定されず、最終製品の特性に応じて適宜設定できるが、通常0.1〜50μm、好ましくは1〜20μm程度である。
≪エンボス加工≫
化粧シートは、透明性表面保護層側からエンボス加工が施されていてもよい。
エンボス加工は、化粧シートに木目模様等の所望のテクスチャーを付与するために行う。例えば、透明性保護層を加熱軟化させた後、所望の形の凹凸模様を有するエンボス板で加圧及び賦型し、冷却固定することによりテクスチャーを付与する。エンボス加工は、公知の枚葉又は輪転式エンボス機で行える。
エンボス加工の凹凸模様としては、例えば、木目導管溝、浮造模様(浮出した年輪の凹凸模様)、ヘアライン、砂目、梨地等が挙げられる。
エンボス加工を施した場合には、必要に応じて、エンボス凹部にワイピング加工によりインキを充填してもよい。例えば、エンボス凹部にドクターブレードで表面をかきながらインキを充填する。充填するインキ(ワイピングインキ)としては、通常は2液硬化型のウレタン樹脂をバインダーとするインキを用いることができる。特に木目導管溝凹凸に対してワイピング加工を行うことによって、より実際の木目に近い意匠を表現することにより商品価値を高めることができる。
≪バッカー層(合成樹脂層)≫
化粧シートは、基材シート裏面にバッカー層(合成樹脂層)を設けてもよい。
バッカー層(合成樹脂層)の樹脂成分としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂としてポリエチレン(高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン)、ポリプロピレン等が挙げられる。これらは、一種又は二種以上で用いることができる。ポリプロピレンには、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン等が含まれる。
ポリオレフィン系樹脂以外の樹脂成分としては、例えば、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、メタクリル樹脂、アクリロニトリルスチレン樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアリレート、非晶性ポリエチレンテレフタレート(いわゆるA−PET)〔三菱化学(株):ノバクリアー(商品名)〕、ポリエチレンテレフタレート共重合体(PETG)等が挙げられる。
合成樹脂層中における樹脂成分の含有量は、90〜100重量%が好ましく、95〜100重量%がより好ましい。合成樹脂層の補強のために樹脂成分以外に木粉などを含有することができる。
前記合成樹脂層は、上記樹脂成分等を含む樹脂組成物を、例えば、カレンダー法、インフレーション法、Tダイ押し出し法等により基材シートの上に積層させればよい。また、前記合成樹脂層として既成のフィルムを用いてもよい。
本発明の製造方法
以下の製造方法の説明においては、基材層、接着剤、接着剤層及び化粧シートの説明は前述の通りである。
本発明の化粧板の製造方法では、離型紙に溶剤系接着剤を塗布し、70℃以上で前記接着剤を乾燥させて接着剤層を形成後、前記化粧シートの裏面を貼り合わせることにより中間積層体を得る工程1と、
前記中間積層体から前記離型紙を剥離し、次いで前記接着剤層を加熱するとともに前記接着剤層と前記基材層とを貼り合わせる工程2と、
を順に有することを特徴とする。
(工程1)
工程1では、離型紙に溶剤系接着剤を塗布し、70℃以上で前記接着剤を乾燥させて接着剤層を形成後、前記化粧シートの裏面を貼り合わせることにより中間積層体を得る。
以下、図3(a)を参照しながら工程1を説明する。
上記離型紙は、溶剤系接着剤を塗布し、所定温度で乾燥して接着剤層を形成後、事後的に接着剤層から剥離可能な紙質材料であればよい。
例えば、離型紙としては、離型フィルム、セパレート紙、セパレートフィルム、セパ紙、剥離フィルム、剥離紙等の従来公知のものを好適に使用できる。また、上質紙、コート紙、含浸紙、プラスチックフィルム等の離型紙用基材の片面又は両面に離型層を形成したものを用いてもよい。離型層としては、離型性を有する材料であれば、特に限定されないが、例えば、シリコーン樹脂、有機樹脂変性シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アミノアルキド樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、エマルジョン型、溶剤型又は無溶剤型のいずれもが使用できる。
離形層は、離形層成分を分散及び/又は溶解した塗液を、離型紙用基材フィルムの片面に塗布し、加熱乾燥及び/又は硬化させて形成する。塗液の塗布方法としては、公知で任意の塗布法が適用でき、例えば、ロールコート、グラビアコート、スプレーコートなどである。また、離形層は、必要に応じて、基材フィルムの少なくとも片面の、全面又は一部に形成してもよい。離型紙の厚さは特に限定されないが、50〜250mm程度である。
図3(a)では離型紙のロール状物21から離型紙を引き出して接着剤塗布装置(コンマコーター)22により接着剤を塗布している。ここで、接着剤の塗布はコンマコートに限定されず、例えば、ロールコート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、ロッドコ−ト、ブレードコート、バーコート、ワイヤーバーコート、ダイコート、リップコート、ディップコート等に変形することは可能である。接着剤の塗布量は、製造物である化粧板における接着剤層の所望の厚さ(25μm以上が好ましく、30μm以上50μm以下がより好ましい。)に応じて適宜設定することができる。
接着剤を塗布した後、70℃以上で接着剤を乾燥させて接着剤層を形成する。接着剤の乾燥はインラインの乾燥機23を用いればよく、乾燥温度は70℃以上であればよいが、70〜150℃が好ましく、80〜100℃がより好ましい。
接着剤を乾燥させた後、化粧シートのロール状物24から引き出した化粧シート27の裏面と接着剤層26とを貼り合わせロール(ラミネートロール)により貼り合わせて中間積層体を得る。中間積層体はそのまま後続の工程2に搬送してもよいが、後続の工程2に搬送するまでロール状物28として保管することができる。なお、32はバックアップロールである。
(工程2)
工程2では、前記中間積層体から前記離型紙を剥離し、次いで前記接着剤層を加熱するとともに前記接着剤層と前記基材層とを貼り合わせる。
以下、図3(b)を参照しながら工程2を説明する。
図3(b)では、中間積層体のロール状物28から中間積層体を引き出し、更に離型紙を剥離し、貼り合わせロール(ラミネートロール)30を用いて接着剤層26と基材層31とを貼り合わせている。このとき、接着剤層を加熱するが、この加熱は接着剤層の接着力の再活性化を目的とするものであり、例えば、貼り合わせロールを加熱しておき、その熱で接着剤層26を再活性化させて基材層31と貼り合わせることが好ましい。この加熱の温度は再活性化が可能な範囲であればよく、150℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましい。なお、32はバックアップロールであり、33はガイドロールである。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
(化粧シートの作製)
実施例及び比較例で使用する化粧シートは、下記の手順で作製した。
両面にコロナ放電処理を施した60μm厚さのポリプロピレン系着色シートの一方の面にアクリルウレタン系樹脂からなる印刷インキで2μm厚さの絵柄印刷層を形成した後、他方の面に、ウレタン−硝化綿混合樹脂100重量部にヘキサメチレンジイソシアネート5重量部を添加してなるプライマーを塗布して2μm厚さの裏面プライマー層を形成した。
次に、絵柄印刷層上に、アクリルポリオール−ウレタン混合樹脂100重量部にヘキサメチレンジイソシアネート11重量部を添加してなる接着剤を塗布して3μm厚さの透明接着剤層を形成した。
次に、透明接着剤層上に、Tダイ押出機でポリプロピレン系熱可塑性エラストマーを加熱溶融押出しして80μm厚さの透明樹脂層を形成した後、透明樹脂層上にアクリルポリオール−ウレタン混合樹脂100重量部にヘキサメチレンジイソシアネート6重量部を添加してなるプライマーを塗布して2μm厚さの表面保護層用プライマー層を形成した。
次に、表面保護層用プライマー層上に、アクリレート系電子線硬化型樹脂100質量部に平均粒径5μmのシリカ粒子20質量部及び紫外線吸収剤(チバスペシャリティケミカルズ製、商品名「チヌビン479」)3質量部を加えたものをグラビアコート法により固形分が5g/mとなるように塗布・乾燥し、更に電子線を照射して電子線硬化型樹脂からなる表面保護層を形成した。
次に、表面保護層側からエンボス加工を施して木目導管柄の凹凸模様を形成することにより合成樹脂製の化粧シートを作製した。
(化粧板の作製)
実施例1(本発明の製造方法による化粧板の作製)
(工程1)
事前に準備した離型紙のロール状物から離型紙を引き出し、離型紙の離型剤側に溶剤系ウレタン2液硬化型接着剤を塗布した。接着剤は下記の通りである。
主剤:「5211」ノーテープ工業株式会社製、ウレタン樹脂系
硬化剤:「U−5」ノーテープ工業株式会社製、イソシアネート系
配合比:主剤:硬化剤=100:5(質量比)
接着剤の固形分:61.0質量%
溶剤含有量:39.0質量%
塗布した接着剤を乾燥機(85℃)で乾燥し、接着剤中の溶剤を殆ど揮発させて接着剤層を形成した。
事前に準備した化粧シートのロール状物から化粧シートを引き出し、化粧シートの裏面側と接着剤層とを貼り合わせた。これにより中間積層体を得た。
(工程2)
中間積層体のロール状物から中間積層体を引き出すとともに離型紙のみを剥離した。
離型紙を剥離することにより露出した接着剤層と基材層とを貼り合わせた。貼り合わせの条件は、ラミネートロール温度が70℃、プレス圧20kgf/cmとした。
基材層としては、市販のアルミ樹脂複合板(積水樹脂プラメタル製「プラメタルPA」)を用いた。
工程1のライン速度は20m/分であり、工程2のライン速度は10m/分であった。
実施例1の製造方法であれば、事前に接着剤を離型紙に塗布することで、接着剤が離型紙を多少膨潤させても問題がない。また、離型紙は大半が紙質であり、加熱しても熱による軟化や膨張等伸縮しない。更に、化粧シートと離型紙をラミネートする時には既に接着剤の溶剤分は殆ど揮発している。これにより、公知のラミネート法による化粧板の作製と比べて生産効率を各段に高めることができた。
比較例1(公知のラミネート法による化粧板の作製)
事前に準備した化粧シートのロール状物から化粧シートを引き出し、化粧シートの裏面側に実施例1と同じ接着剤を35μm/dryとなるように塗布した。
塗布した接着剤を乾燥機(60℃)で乾燥し、接着剤中の溶剤を殆ど揮発させて接着剤層を形成した。
化粧シート裏面の接着剤層と実施例1と同じ基材層を貼り合わせた。貼り合わせの条件は、ラミネートロール温度が70℃、プレス圧20kgf/cmとした。
ライン速度は2m/分であった。
1.基材層(複合パネル板)
2.接着剤層
3.化粧シート
11.化粧シートのロール状物
12.接着剤塗布ロール(アプリケータロール)
13.乾燥機
14.接着剤層
15.化粧シート
16.基材層
17.貼り合わせロール(ラミネートロール)
18.バックアップロール
19.ガイドロール
21.離型紙のロール状物
22.接着剤塗布装置(コンマコーター)
23.乾燥機
24.化粧シートのロール状物
25.貼り合わせロール(ラミネートロール)
26.接着剤層
27.化粧シート
28.中間積層体のロール状物
29.離型紙のロール状物
30.貼り合わせロール(ラミネートロール)
31.基材層(複合パネル板)
32.バックアップロール
33.ガイドロール

Claims (9)

  1. 基材層上に、前記基材層側から順に接着剤層及び化粧シートを備える化粧板の製造方法であって、
    (1)前記基材層は、芯材となる樹脂層と、前記樹脂層の両面に備えた金属板とを有する複合パネル板であり、
    (2)前記化粧シートは、熱可塑性樹脂を含有し、
    (3)離型紙に溶剤系接着剤を塗布し、70℃以上で前記接着剤を乾燥させて接着剤層を形成後、前記化粧シートの裏面を貼り合わせることにより中間積層体を得る工程1と、
    前記中間積層体から前記離型紙を剥離し、次いで前記接着剤層を加熱するとともに前記接着剤層と前記基材層とを貼り合わせる工程2と、
    を順に有することを特徴とする製造方法。
  2. 前記基材層は、芯材となるポリオレフィン樹脂層と、前記ポリオレフィン樹脂層の両面に備えたアルミニウム板とを有する複合パネル板である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記基材層は、前記アルミニウム板の外側にフッ素樹脂及びポリエステル樹脂の少なくとも一種を含有するコーティング層を有する、請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記溶剤系接着剤は、溶剤系ウレタン2液硬化型接着剤である、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記接着剤層中の前記溶剤の含有量が7質量%以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 前記接着剤層中の前記溶剤の含有量が3質量%以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  7. 前記化粧板における前記接着剤層の厚さが25μm以上である、請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 前記化粧板における前記接着剤層の厚さが30μm以上50μm以下である、請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
  9. 前記熱可塑性樹脂は、オレフィン系熱可塑性樹脂である、請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法。
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