以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1Aは、車両における測距センサの設置位置の例を示す説明図であって、車両の上方から見た状態を示す説明図である。図1Bは、車両における測距センサの設置位置の例を示す説明図であって、車両の後方から見た状態を示す説明図である。図1を参照して、車両1における測距センサ2の設置位置等について説明する。
図1に示す如く、車両1に複数個の測距センサ2が設けられている。より具体的には、車両1の後端部に4個の測距センサ2rol,2ror,2ril,2rirが設けられている。個々の測距センサ2は、例えば、超音波センサ又はミリ波センサにより構成されている。
以下、これらの測距センサ2による送受信の対象となる超音波又は電波などを「探索波」と総称する。また、車両1外の障害物Oにより探索波が反射された場合における当該反射された探索波を「反射波」ということがある。また、いずれかの測距センサ2が探索波を送信して、この測距センサ2が反射波を受信した場合における当該探索波及び当該反射波を「直接波」ということがある。また、いずれかの測距センサ2が探索波を送信して、他の測距センサ2が反射波を受信した場合における当該探索波及び当該反射波を「間接波」ということがある。
また、障害物Oの高さが車両1のバンパ部に接触し得る程度に高いものである場合、この障害物Oを「走行障害物」という。走行障害物は、例えば、壁又はポールである。また、障害物Oの高さが、車両1のバンパ部に接触し得ない程度に低いものであり、かつ、車両1による乗り越えが困難な程度に高いものである場合、この障害物Oを「路上障害物」という。路上障害物は、例えば、縁石又は輪止めである。また、障害物Oの高さが、車両1のバンパ部に接触し得ない程度に低いものであり、かつ、車両1による乗り越えが容易な程度に低いものである場合、この障害物Oを「路面障害物」という。路面障害物は、例えば、段差である。
図中X軸は、車両1に対する前後方向に沿う仮想的な軸である。図中Y軸は、車両1に対する左右方向に沿う仮想的な軸である。図中Z軸は、車両1に対する上下方向に沿う仮想的な軸である。以下、車両1に対する前後方向、すなわちX軸に沿う方向を「車長方向」又は「X方向」という。また、車両1に対する左右方向、すなわちY軸に沿う方向を「車幅方向」又は「Y方向」という。また、車両1に対する上下方向、すなわちZ軸に沿う方向を「車高方向」又は「Z方向」という。
また、X軸に対して平行であり、かつ、Y軸に対して平行である仮想的な平面を「XY平面」という。また、XY平面に対応する2次元の座標系を「XY座標系」という。すなわち、XY座標系における個々の点P(x,y)はX座標値(x)及びY座標値(y)を有するものであり、かつ、Z座標値(z)を有しないものである。X座標値(x)は車長方向に対する座標値であり、Y座標値(y)は車幅方向に対する座標値である。
また、X軸に対して平行であり、かつ、Z軸に対して平行である仮想的な平面を「XZ平面」という。また、XZ平面に対応する2次元の座標系を「XZ座標系」という。すなわち、XZ座標系における個々の点P(x,z)はX座標値(x)及びZ座標値(z)を有するものであり、かつ、Y座標値(y)を有しないものである。X座標値(x)は車長方向に対する座標値であり、Z座標値(z)は車高方向に対する座標値である。
図1Bに示す如く、4個の測距センサ2rol,2ror,2ril,2rirのうちの一部の測距センサ2rol,2rorと残余の測距センサ2ril,2rirとは、車高方向(すなわちZ方向)に対する設置位置が互いに異なるものである。また、図1Aに示す如く、車長方向(すなわちX方向)に対する設置位置が互いに異なるものであっても良い。図中Hrolは、車両1における測距センサ2rolの設置高さを示している。図中Hrorは、車両1における測距センサ2rorの設置高さを示している。図中Hrilは、車両1における測距センサ2rilの設置高さを示している。図中Hrirは、車両1における測距センサ2rirの設置高さを示している。
なお、図中Piは、車両1における2個の測距センサ2rol,2rorの設置間隔(以下「センサピッチ」という。)を示している。図中Rlは、X方向に対する範囲であって、車両1の車長に対応する範囲(以下「車長範囲」という。)を示している。図中Rwは、Y方向に対する範囲であって、車両1の車幅に対応する範囲(以下「車幅範囲」という。)を示している。図中Rhは、Z方向に対する範囲であって、車両1の車高に対応する範囲(以下「車高範囲」という。)を示している。
図2は、実施の形態1に係る運転支援装置を含む制御装置の要部を示すブロック図である。図2を参照して、実施の形態1の運転支援装置100について説明する。
なお、制御装置200は、CAN(Controller Area Network)等の車両1内のコンピュータネットワークに接続されており、当該コンピュータネットワークから種々の情報を適宜取得可能である。具体的には、例えば、制御装置200は、車両1におけるシフトポジションを示す情報(以下「シフトポジション情報」という。)、車両1の走行速度Vを示す情報(以下「車速情報」という。)、車両1のステアリング角度θを示す情報(以下「操舵角情報」という。)、及び車両1の位置を示す情報(以下「自車位置情報」という。)などを適宜取得可能である。
制御装置200は、シフトポジション情報及び車速情報などを用いて、車両1が後退中であるか否かを判定する機能を有している。制御装置200は、車両1が後退中であると判定された場合、操舵角情報を用いて、ステアリング角度θが所定範囲Δθ(例えば−7°〜+7°)内の値であるか否かを判定する機能を有している。
距離情報生成部11は、ステアリング角度θが所定範囲Δθ内の値であると判定された場合、順次駆動している複数個の測距センサ2の探索波から距離情報を生成するものである。具体的には、例えば、距離情報生成部11は、4個の測距センサ2rol,2ror,2ril,2rirが所定の時間間隔(例えば60ミリ秒間隔)にて順次送信している探索波から距離情報を生成するものである。
すなわち、距離情報生成部11は、個々の測距センサ2が探索波を送信した場合において、複数個の測距センサ2のうちの1個以上の測距センサ2により反射波が受信されたとき、いわゆる「TOF(Time of Flight)法」により当該1個以上の測距センサ2の各々に対応する距離値を算出する。TOF法による個々の距離値の算出方法は公知であるため、詳細な説明は省略する。
例えば、測距センサ2rolが探索波を送信したとき、測距センサ2rolにより直接波Wrol_rolが受信されて、直接波Wrol_rolの往復伝搬時間が得られたものとする。この場合、距離情報生成部11は、この伝搬時間に基づき、測距センサ2rolに対応する距離値Drolを算出する。
または、例えば、測距センサ2rolが探索波を送信したとき、測距センサ2rolにより直接波Wrol_rolが受信されるとともに測距センサ2rorにより間接波Wror_rolが受信されて、直接波Wrol_rolの往復伝搬時間及び間接波Wror_rolの往復伝搬時間が得られたものとする。この場合、距離情報生成部11は、これらの伝搬時間に基づき、測距センサ2rolに対応する距離値Drol及び測距センサ2rorに対応する距離値Drorを算出する。
または、例えば、測距センサ2rolが探索波を送信したとき、測距センサ2rolにより直接波Wrol_rolが受信されるとともに測距センサ2rilにより間接波Wril_rolが受信されて、直接波Wrol_rolの往復伝搬時間及び間接波Wril_rolの往復伝搬時間が得られたものとする。この場合、距離情報生成部11は、これらの伝搬時間に基づき、測距センサ2rolに対応する距離値Drol及び測距センサ2rilに対応する距離値Drilを算出する。
または、例えば、測距センサ2rolが探索波を送信したとき、測距センサ2rolにより直接波Wrol_rolが受信されるとともに測距センサ2rirにより間接波Wrir_rolが受信されて、直接波Wrol_rolの往復伝搬時間及び間接波Wrir_rolの往復伝搬時間が得られたものとする。この場合、距離情報生成部11は、これらの伝搬時間に基づき、測距センサ2rolに対応する距離値Drol及び測距センサ2rirに対応する距離値Drirを算出する。
すなわち、まず、測距センサ2rolが探索波を送信したとき、直接波Wrol_rolが受信された場合は距離値Drolが算出される。これに加えて、間接波Wror_rolが受信された場合は距離値Drorも算出されて、間接波Wril_rolが受信された場合は距離値Drilも算出されて、間接波Wrir_rolが受信された場合は距離値Drirも算出される。
次いで、測距センサ2rorが探索波を送信したとき、直接波Wror_rorが受信された場合は距離値Drorが算出される。これに加えて、間接波Wrol_rorが受信された場合は距離値Drolも算出されて、間接波Wril_rorが受信された場合は距離値Drilも算出されて、間接波Wrir_rorが受信された場合は距離値Wrirも算出される。
次いで、測距センサ2rilが探索波を送信したとき、直接波Wril_rilが受信された場合は距離値Drilが算出される。これに加えて、間接波Wrol_rilが受信された場合は距離値Drolも算出されて、間接波Wror_rilが受信された場合は距離値Drorも算出されて、間接波Wrir_rilが受信された場合は距離値Drirも算出される。
次いで、測距センサ2rirが探索波を送信したとき、直接波Wrir_rirが受信された場合は距離値Drirが算出される。これに加えて、間接波Wrol_rirが受信された場合は距離値Drolも算出されて、間接波Wror_rirが受信された場合は距離値Drorも算出されて、間接波Wril_rirが受信された場合は距離値Drilも算出される。
距離情報生成部11は、これらの方法より1個以上の距離値が算出された場合、当該算出された距離値を含む情報、すなわち距離情報を生成するものである。距離情報生成部11は、当該生成された距離情報を座標検出部21に出力するものである。なお、距離情報は、個々の距離値を示す情報に加えて、個々の距離値がいずれの測距センサ2に対応するものであるのかを示す情報、個々の距離値の算出に係る探索波を送信した測距センサ2を示す情報、この測距センサ2による探索波の送信時刻を示す情報、及び個々の距離値の算出に係る反射波を受信した測距センサ2を示す情報などを含むものであっても良い。
なお、距離情報生成部11は、測距センサ2を駆動する毎に、その旨を検出確率演算部22に通知するものであっても良い。検出確率演算部22は、距離情報生成部11による通知に基づき、距離情報生成部11が測距センサ2を駆動した回数をカウントするものであっても良い。図2において、この場合における距離情報生成部11と検出確率演算部22間の接続線は図示を省略している。
座標検出部21は、距離情報生成部11により出力された距離情報を用いて、いわゆる「2円交点処理」を実行することにより、2円交点の座標値を検出するものである。
より具体的には、座標検出部21は、XY座標系において、距離値Drol,Drorを用いた2円交点処理、距離値Drol,Drilを用いた2円交点処理、距離値Drol,Drirを用いた2円交点処理、距離値Dror,Drilを用いた2円交点処理、距離値Dror,Drirを用いた2円交点処理、及び距離値Dril,Drirを用いた2円交点処理のうちの1個以上の2円交点処理を実行するものである。座標検出部21は、これらの2円交点処理により、XY座標系における1個以上の2円交点P(x,y)の各々のX座標値(x)及びY座標値(y)を検出するものである。
また、座標検出部21は、XZ座標系において、距離値Drol,Drilを用いた2円交点処理、距離値Drol,Drirを用いた2円交点処理、距離値Dror,Drilを用いた2円交点処理、及び距離値Dror,Drirを用いた2円交点処理のうちの1個以上の2円交点処理を実行するものである。座標検出部21は、これらの2円交点処理により、XZ座標系における1個以上の2円交点P(x,z)の各々のX座標値(x)及びZ座標値(z)を検出するものである。
ここで、図3を参照して、距離値Drol,Drilを用いた2円交点処理の具体例について説明する。例えば、測距センサ2rolによる探索波の送信時刻を示す情報と、直接波Wrol_rolの伝搬時間及び間接波Wril_rolの伝搬時間に基づく距離値Drol,Drilを示す情報とが距離情報に含まれているものとする。この場合、まず、座標検出部21は、自車位置情報等を用いて、測距センサ2rolによる探索波の送信時刻における測距センサ2rolの位置を算出するとともに、当該時刻における測距センサ2rilの位置を算出する。
次いで、座標検出部21は、XY座標系における、当該算出された測距センサ2rolの位置に対応する点P1(x1,y1)のX座標値(x1)及びY座標値(y1)を算出する。また、座標検出部21は、XY座標系における、当該算出された測距センサ2rilの位置に対応する点P2(x2,y2)のX座標値(x2)及びY座標値(y2)を算出する。次いで、座標検出部21は、図3Aに示す如く、XY座標系における2円交点処理を実行する。すなわち、座標検出部21は、点P1(x1,y1)を中心として距離値Drolに対応する半径を有する円弧A1と点P2(x2,y2)を中心として距離値Drilに対応する半径を有する円弧A2との交点P3(x3,y3)のX座標値(x3)及びY座標値(y3)を検出する。上記のとおり、これらの点P1〜P3はZ座標値を有しないものである。また、円弧A1,A2はXY座標系における円弧である。
同様に、座標検出部21は、XZ座標系における、当該算出された測距センサ2rolの位置に対応する点P4(x4,z4)のX座標値(x4)及びZ座標値(z4)を算出する。また、座標検出部21は、XZ座標系における、当該算出された測距センサ2rilの位置に対応する点P5(x5,z5)のX座標値(x5)及びZ座標値(z5)を算出する。次いで、座標検出部21は、図3Bに示す如く、XZ座標系における2円交点処理を実行する。すなわち、座標検出部21は、点P4(x4,z4)を中心として距離値Drolに対応する半径を有する円弧A3と点P5(x5,z5)を中心として距離値Drilに対応する半径を有する円弧A4との交点P6(x6,z6)のX座標値(x6)及びZ座標値(z6)を検出する。上記のとおり、これらの点P4〜P6はY座標値を有しないものである。また、円弧A3,A4はXZ座標系における円弧である。
なお、図1に示す如く、2個の測距センサ2rol,2rilはXY平面上に配置されているものではなく、XZ平面上に配置されているものでもない。また、特許文献1に記載されているように、障害物Oによる反射波の伝搬経路(いわゆる「パス」)は複数存在するものである。
このため、XY座標系における距離値Drol,Drilによる個々の2円交点P(x,y)のX座標値(x)及びY座標値(y)は、必ずしも、障害物Oにより探索波が反射された地点(以下「反射点」という。)のX座標値及びY座標値と一致した値になるとは限らない。ただし、図3Aにおいては、交点P3(x3,y3)のX座標値(x3)及びY座標値(y3)が反射点のX座標値及びY座標値と一致した場合の例を示している。すなわち、図3Aにおいては、交点P3が障害物Oに接する位置に表されている。
同様に、XZ座標系における距離値Drol,Drilによる個々の2円交点P(x,z)のX座標値(x)及びZ座標値(z)は、必ずしも、反射点のX座標値及びZ座標値と一致した値になるとは限らない。ただし、図3Bにおいては、交点P6(x6,z6)のX座標値(x6)及びZ座標値(z6)が反射点のX座標値及びZ座標値と一致した場合の例を示している。すなわち、図3Bにおいては、交点P6が障害物Oに接する位置に表されている。
座標検出部21は、これらの2円交点処理により1個以上の座標値が検出された場合、当該検出された座標値を含む情報(以下「座標情報」という。)を生成するものである。座標検出部21は、当該生成された座標情報を検出確率演算部22に出力するものである。なお、座標情報は、個々の座標値を示す情報に加えて、個々の座標値の算出に用いられた2個の距離値の各々がいずれの測距センサ2に対応するものであるのかを示す情報、当該2個の距離値の各々の算出に係る探索波を送信した測距センサ2を示す情報、及び当該2個の距離値の各々の算出に係る反射波を受信した測距センサ2を示す情報などを含むものであっても良い。すなわち、座標情報は、当該2個の距離値の各々に関する距離情報を含むものであっても良い。
検出確率演算部22は、座標検出部21により出力された座標情報を蓄積して記憶するものである。検出確率演算部22は、当該蓄積された座標情報等を用いて、距離情報生成部11が測距センサ2を駆動した回数に対する座標検出部21により座標値が検出された回数(又は座標検出部21により検出された座標値の個数)を示す値、すなわち座標検出部21による座標値の検出確率を示す値(以下「検出確率値」という。)を演算するものである。より具体的には、検出確率演算部22は、XY座標系における2円交点処理によるX座標値の検出確率、XY座標系における2円交点処理によるY座標値の検出確率、又はXZ座標系における2円交点処理によるX座標値の検出確率を示す値(以下「第1検出確率値」という。)と、XZ座標系における2円交点処理によるZ座標値の検出確率を示す値(以下「第2検出確率値」という。)とを演算するものである。
ここで、検出確率演算部22は、所定区間I毎に座標情報を蓄積して、所定区間I毎に検出確率値を演算するものであっても良い。個々の所定区間Iは距離的な区間であっても良く、又は時間的な区間であっても良い。
例えば、制御装置200においては、複数個の測距センサ2による各回の送信周期にて距離情報生成部11により算出された距離値Dril,Drirの平均値Daveが、当該送信周期における車両1と障害物O間の距離Dであると擬制されるものとする。検出確率演算部22は、車両1の後退中に、当該擬制された距離Dに基づき、D=5.0〜4.0メートルの区間I1における座標情報が蓄積済みであるか否かを判定する。検出確率演算部22は、区間I1における座標情報が蓄積済みであると判定された場合、これらの座標情報を用いて区間I1における検出確率値を演算する。
以下同様に、検出確率演算部22は、D=4.9〜3.9メートルの区間I2における検出確率値、D=4.8〜3.8メートルの区間I3における検出確率値、D=4.7〜3.7メートルの区間I4における検出確率値、D=4.6〜3.6メートルの区間I5における検出確率値、及びD=4.5〜3.5メートルの区間I6における検出確率値を順次演算する。すなわち、検出確率演算部22は、合計6個の第1検出確率値及び合計6個の第2検出確率値による合計6組の検出確率値を演算する。
図4Aは、この場合における所定区間I1〜I6を示している。図4Aに示す如く、この場合における所定区間I1〜I6は、10センチメートル毎に更新される1メートルの距離的な区間である。
または、例えば、検出確率演算部22は、所定の時刻t1(例えばD=5.0メートルに対応する時刻)から2.4秒間の区間I1における座標情報が蓄積済みであるか否かを判定する。検出確率演算部22は、区間I1における座標情報が蓄積済みであると判定された場合、これらの座標情報を用いて区間I1における検出確率値を演算する。
以下同様に、検出確率演算部22は、時刻t1に対する240ミリ秒後の時刻t2から2.4秒間の区間I2における検出確率値、時刻t2に対する240ミリ秒後の時刻t3から2.4秒間の区間I3における検出確率値、時刻t3に対する240ミリ秒後の時刻t4から2.4秒間の区間I4における検出確率値、時刻t4に対する240ミリ秒後の時刻t5から2.4秒間の区間I5における検出確率値、及び時刻t5に対する240ミリ秒後の時刻t6から2.4秒間の区間I6における検出確率値を順次算出する。すなわち、検出確率演算部22は、合計6個の第1検出確率値及び合計6個の第2検出確率値による合計6組の検出確率値を演算する。
図4Bは、この場合における所定区間I1〜I6を示している。図4Bに示す如く、この場合における所定区間I1〜I6は、240ミリ秒毎に更新される2.4秒間の時間的な区間である。なお、4個の測距センサ2rol,2ror,2ril,2rirが60ミリ秒間隔にて探索波を順次送信するものである場合、これらの測距センサ2による1回分の送信周期の長さは240ミリ秒である。図4Bに示す例においては、所定区間I1〜I6の各々が10回分の送信周期に対応する区間となっている。
なお、検出確率演算部22は、車速情報を用いて、個々の所定区間Iの長さを走行速度Vに応じて異なる値に設定するものであっても良い。例えば、検出確率演算部22は、走行速度Vが高いほど個々の所定区間Iの長さを小さい値に設定するものであっても良い。
以下、第1検出確率値に対応する第1軸及び第2検出確率値に対応する第2軸を有する2次元マップを「検出確率マップ」という。高さ判別部23は、検出確率演算部22により演算された各組の検出確率値を検出確率マップにプロットするものである。高さ判別部23は、検出確率マップにおける複数組(例えば6組)の検出確率値の分布に基づき、障害物Oの高さを判別するものである。より具体的は、高さ判別部23は、障害物Oが走行障害物、路上障害物又は路面障害物のうちのいずれであるのかを判別するものである。
通常、障害物Oの高さが高いほど、障害物Oにおける探索波を反射する部位(以下「反射面部」という。)の面積が大きくなる。また、障害物Oの高さが高いほど、反射波の伝搬経路(いわゆる「パス」)の本数が多くなる。このため、障害物Oの高さが高いほど、個々の測距センサ2により反射波が受信される確率が高くなる。この結果、障害物Oの高さが高いほど、距離情報生成部11により距離値が算出される確率が高くなり、座標検出部21により座標値が検出される確率も高くなる。この傾向は、X座標値、Y座標値及びZ座標値のいずれについても表れる傾向である。
この傾向に基づき、検出確率演算部22により演算された各組の検出確率値が検出確率マップにプロットされるときは、図5Aに示す特性線CLに対する近傍の位置であって、障害物Oの高さが高いほど検出確率マップにおける右上の位置に、障害物Oの高さが低いほど検出確率マップにおける左下の位置にプロットされる。図中R1は、障害物Oが走行障害物である場合における、複数組の検出確率値が分布する領域の例を示している。図中R2は、障害物Oが路上障害物である場合における、複数組の検出確率値が分布する領域の例を示している。図中R3は、障害物Oが路面障害物である場合における、複数組の検出確率値が分布する領域の例を示している。
そこで、高さ判別部23には、検出確率マップにおける閾値Th1であって、領域R1,R2を識別可能な閾値Th1が予め設定されている。また、高さ判別部23には、検出確率マップにおける閾値Th2であって、領域R2,R3を識別可能な閾値Th2が予め設定されている。図5Bは、これらの閾値Th1,Th2の例を示している。
高さ判別部23は、検出確率マップにおいて、プロットされた複数組(例えば6組)の検出確率値が閾値Th1よりも右上の領域に分布している場合、障害物Oが走行障害物であると判別する。また、高さ判別部23は、検出確率マップにおいて、プロットされた複数組(例えば6組)の検出確率値が閾値Th1,Th2間の領域に分布している場合、障害物Oが路上障害物であると判別する。また、高さ判別部23は、検出確率マップにおいて、プロットされた複数組(例えば6組)の検出確率値が閾値Th2よりも左下の領域に分布している場合、障害物Oが路面障害物であると判別する。
出力部24は、高さ判別部23による判別結果に応じた信号を警告出力装置3に出力するものである。
具体的には、例えば、高さ判別部23により障害物Oが走行障害物であると判別された場合、出力部24は、車両1の後方に走行障害物が存在することを示す信号を出力する。また、高さ判別部23により障害物Oが路上障害物であると判別された場合、出力部24は、車両1の後方に路上障害物が存在することを示す信号を出力する。また、高さ判別部23により障害物Oが路面障害物であると判別された場合、出力部24は、車両1の後方に走行障害物も路上障害物も存在しないことを示す信号を出力する。
座標検出部21、検出確率演算部22、高さ判別部23及び出力部24により、運転支援装置100の要部が構成されている。距離情報生成部11及び運転支援装置100により、制御装置200の要部が構成されている。
警告出力装置3は、車両1の後方に走行障害物が存在することを示す信号が出力部24により出力されたとき、所定の警告を出力するものである。警告出力装置3は、例えば、ディスプレイ又はスピーカにより構成されている。警告出力装置3がディスプレイにより構成されている場合、警告出力装置3による警告は画像表示によるものである。警告出力装置3がスピーカにより構成されている場合、警告出力装置3による警告は音声出力によるものである。または、警告出力装置3の出力をブレーキの制御に使用しても良い。
このように、高さ判別部23により障害物Oが走行障害物であると判別された場合、すなわち障害物Oの高さが所定の高さ以上であると判別された場合における出力部24による出力信号は、警告出力装置3に警告の出力を指示する信号でもある。以下、この場合における出力部24による出力信号を「警告信号」という。
次に、図6を参照して、制御装置200の要部のハードウェア構成について説明する。
図6Aに示す如く、制御装置200はプロセッサ31及びメモリ32を有している。メモリ32には、距離情報生成部11、座標検出部21、検出確率演算部22、高さ判別部23及び出力部24の機能を実現するためのプログラムが記憶されている。メモリ32に記憶されているプログラムをプロセッサ31が読み出して実行することにより、距離情報生成部11、座標検出部21、検出確率演算部22、高さ判別部23及び出力部24の機能が実現される。
または、図6Bに示す如く、制御装置200は処理回路33を有するものであっても良い。この場合、距離情報生成部11、座標検出部21、検出確率演算部22、高さ判別部23及び出力部24の機能が専用の処理回路33により実現されるものであっても良い。
または、制御装置200はプロセッサ31、メモリ32及び処理回路33を有するものであっても良い(不図示)。この場合、距離情報生成部11、座標検出部21、検出確率演算部22、高さ判別部23及び出力部24の機能のうちの一部の機能がプロセッサ31及びメモリ32により実現されて、残余の機能が専用の処理回路33により実現されるものであっても良い。
プロセッサ31は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ又はDSP(Digital Signal Processor)のうちの少なくとも一つを用いたものである。
メモリ32は、例えば、半導体メモリ又は磁気ディスクのうちの少なくとも一方を用いたものである。より具体的には、メモリ32は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)、SSD(Solid State Drive)又はHDD(Hard Disk Drive)のうちの少なくとも一つを用いたものである。
処理回路33は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)、SoC(System−on−a−Chip)又はシステムLSI(Large−Scale Integration)のうちの少なくとも一つを用いたものである。
次に、図7のフローチャートを参照して、制御装置200の動作について、運転支援装置100の動作を中心に説明する。なお、車両1は後退中であるものとする。
まず、ステップST1にて、制御装置200は、操舵角情報を用いて、ステアリング角度θが所定範囲Δθ(例えば−7°〜+7°)内の値であるか否かを判定する。
ステアリング角度θが所定範囲Δθ内の値であると判定された場合(ステップST1“YES”)、ステップST2にて、距離情報生成部11は、順次送信している複数個の測距センサ2の探索波から、反射波の受信結果に応じて距離情報を生成する。距離情報生成部11は、当該生成された距離情報を座標検出部21に出力する。
次いで、ステップST3にて、座標検出部21は、距離情報生成部11により出力された距離情報を用いて2円交点処理を実行することにより、2円交点の座標値を検出する。すなわち、座標検出部21は、XY座標系における2円交点処理を実行することにより、XY座標系における1個以上の2円交点P(x,y)の各々のX座標値(x)及びY座標値(y)を検出する。また、座標検出部21は、XZ座標系における2円交点処理を実行することにより、XZ座標系における1個以上の2円交点P(x,z)の各々のX座標値(x)及びZ座標値(z)を検出する。座標検出部21は、これらの2円交点処理の結果に応じて座標情報を生成する。座標検出部21は、当該生成された座標情報を検出確率演算部22に出力する。
次いで、ステップST4にて、検出確率演算部22は、直近の所定区間Iにおける座標情報が蓄積済みであるか否かを判定する。直近の所定区間Iにおける座標情報が未蓄積であると判定された場合(ステップST4“NO”)、制御装置200の処理はステップST2に戻る。他方、直近の所定区間Iにおける座標情報が蓄積済みであると判定された場合(ステップST4“YES”)、制御装置200の処理はステップST5に進む。
次いで、ステップST5にて、検出確率演算部22は、直近の所定区間Iにおける座標情報を用いて、直近の所定区間Iにおける検出確率値を演算する。このとき、検出確率演算部22は、1個の第1検出確率値及び1個の第2検出確率値による1組の検出確率値を演算する。次いで、ステップST6にて、高さ判別部23は、当該演算された1組の検出確率値を検出確率マップにプロットする。
次いで、ステップST7にて、検出確率演算部22は、制御装置200において擬制された距離Dが所定距離Dth(例えば3.5メートル)以下であるか否かを判定する。すなわち、例えば、検出確率演算部22は、直近の所定区間Iにおける最後の送信周期にて算出された距離値Dril,Drirの平均値Daveが所定値Dth以下であるか否かを判定する。
距離Dが所定距離Dthよりも大きいと判定された場合(ステップST7“NO”)、制御装置200の処理はステップST2に戻る。他方、距離Dが所定距離Dth以下であると判定された場合(ステップST7“YES”)、制御装置200の処理はステップST8に進む。すなわち、ステップST8の処理が開始される時点において、検出確率マップには、複数個(例えば6個)の第1検出確率値及び複数個(例えば6個)の第2検出確率値による複数組(例えば6組)の検出確率値がプロットされている。
次いで、ステップST8にて、高さ判別部23は、検出確率マップにおける複数組の検出確率値の分布に基づき、障害物Oの高さを判別する。より具体的には、高さ判別部23は、これらの検出確率値が分布する領域を閾値Th1,Th2と比較することにより、障害物Oが走行障害物、路上障害物又は路面障害物のうちのいずれであるのかを判別する。
次いで、ステップST9にて、出力部24は、高さ判別部23による判別結果に応じた信号を警告出力装置3に出力する。ここで、高さ判別部23により障害物Oが走行障害物であると判別された場合、すなわち障害物Oの高さが所定の高さ以上であると判別された場合における出力部24による出力信号は、警告信号となる。
このように、検出確率マップにおける複数組の検出確率値の分布に基づき障害物Oの高さを判別することにより、障害物Oの高さを精度良く判別することができる。特に、特許文献1等に記載されている従来技術に比して、車両1と障害物O間の距離Dが大きい状態(例えば距離Dが3メートル以上である状態)における判別精度を向上することができる。この結果、例えば、車両1の後退中に車両1の後方に走行障害物が存在する旨の警告を早期に出力することができる。また、この場合における誤警報の発生を抑制することができる。
また、複数個の測距センサ2のうちの一部の測距センサ2の設置高さ(例えばHrol,Hror)と残余の測距センサ2の設置高さ(例えばHril,Hrir)との差分値にかかわらず、障害物Oの高さを判別することができる。すなわち、当該差分値を所定の高さに対する2倍の値に設定することが不要である。この結果、特開2014−215283号公報等に記載されている従来技術に比して、車両1における測距センサ2の設置位置の自由度を向上することができる。
次に、実施の形態1の運転支援装置100に係る変形例について説明する。
まず、第1検出確率値がY座標値の検出確率を示すものである場合、検出確率演算部22は、個々の所定区間Iにおける座標情報に含まれる複数個のY座標値のうち、車幅範囲Rw外のY座標値を第1検出確率値の演算対象から除外するものであっても良い。また、検出確率演算部22は、個々の所定区間Iにおける座標情報に含まれる複数個のZ座標値のうち、車高範囲Rh外のZ座標値を第2検出確率値の演算対象から除外するものであっても良い。
図8に、この場合のフローチャートを示す。図8に示す如く、ステップST4“YES”と判定された場合、ステップST11にて、検出確率演算部22は、車幅範囲Rw外のY座標値を第1検出確率値の演算対象から除外する。また、ステップST12にて、検出確率演算部22は、車高範囲Rh外のZ座標値を第2検出確率値の演算対象から除外する。次いで、ステップST5にて、検出確率演算部22は、残余のY座標値に基づき第1検出確率値を演算するとともに、残余のZ座標値に基づき第2検出確率値を演算する。なお、検出確率演算部22は、ステップST11の処理又はステップST12の処理のうちのいずれか一方のみを実行するものであっても良い。
また、座標検出部21は、2次元の座標系(すなわちXY座標系及びXZ座標系)における2円交点処理に代えて、3次元の座標系(以下「XYZ座標系」という。)における2円交点処理を実行するものであっても良い。この場合、X軸に対して平行であり、かつ、各2個の測距センサ2の位置を含む仮想的な平面を「センサ平面」という。
座標検出部21は、XYZ座標系において、距離値Drol,Drorを用いた2円交点処理であって測距センサ2rol,2rorに対応するセンサ平面に沿う2円交点処理、距離値Drol,Drilを用いた2円交点処理であって測距センサ2rol,2rilに対応するセンサ平面に沿う2円交点処理、距離値Drol,Drirを用いた2円交点処理であって測距センサ2rol,2rirに対応するセンサ平面に沿う2円交点処理、距離値Dror,Drilを用いた2円交点処理であって測距センサ2ror,2rilに対応するセンサ平面に沿う2円交点処理、距離値Dror,Drirを用いた2円交点処理であって測距センサ2ror,2rirに対応するセンサ平面に沿う2円交点処理、及び距離値Dril,Drirを用いた2円交点処理であって測距センサ2ril,2rirに対応するセンサ平面に沿う2円交点処理のうちの1個以上の2円交点処理を実行する。座標検出部21は、これらの2円交点処理により、XYZ座標系における1個以上の交点P(x,y,z)の各々のX座標値(x)、Y座標値(y)及びZ座標値(z)を検出する。
XYZ座標系における2円交点処理、すなわち対応するセンサ平面に沿う2円交点処理を実行することにより、個々の2円交点P(x,y,z)のX座標値(x)、Y座標値(y)及びZ座標値(z)を反射点のX座標値、Y座標値及びZ座標値に近づけることができる。これにより、例えば、仮に、座標検出部21により検出されたX座標値(x)及びY座標値(y)に基づき車両1に対する障害物Oの位置を検知する障害物検知部(不図示)が運転支援装置100に設けられている場合における、障害物検知部による検知精度を向上することができる。
座標検出部21がXYZ座標系における2円交点処理を実行するものである場合、第1検出確率値は、XYZ座標系における2円交点処理によるX座標値の検出確率、又はXYZ座標系における2円交点処理によるY座標値の検出確率を示す値であっても良い。また、この場合、第2検出確率値は、XYZ座標系における2円交点処理によるZ座標値の検出確率を示す値であっても良い。
また、障害物Oの高さによっては、検出確率マップにおいて、複数組の検出確率値のうちの一部の検出確率値が閾値Th1よりも右上の領域内にプロットされて、残余の検出確率値が閾値Th1,Th2間の領域内にプロットされる可能性がある。または、一部の検出確率値が閾値Th1,Th2間の領域内にプロットされて、残余の検出確率値が閾値Th2よりも左下の領域内にプロットされる可能性もある。
このような場合、例えば、高さ判別部23は、各領域内にプロットされた検出確率値の個数をカウントして、当該カウントされた個数が最も多い領域に基づき、障害物Oの高さを判別する。
または、例えば、高さ判別部23は、障害物Oの高さの判別において、より小さい距離Dに対応する検出確率値がより大きい距離Dに対応する検出確率値に比して優先的に用いられるようにする。すなわち、高さ判別部23は、各検出確率値が演算されたときの距離Dの値に基づき、対応する距離Dの値が小さいほど高い点数を各検出確率値に付与する。高さ判別部23は、各領域内にプロットされた検出確率値が有する点数の合計値を算出して、当該算出された合計値が最も大きい領域に基づき、障害物Oの高さを判別する。または、高さ判別部23は、最も高い点数を有する検出確率値がプロットされた領域に基づき、障害物Oの高さを判別する。
または、例えば、複数組の検出確率値のうちの一部の検出確率値が閾値Th1よりも右上の領域内にプロットされて、残余の検出確率値が閾値Th1,Th2間の領域内にプロットされた場合、高さ判別部23は、障害物Oが走行障害物であると判別する。また、複数組の検出確率値のうちの一部の検出確率値が閾値Th1,Th2間の領域内にプロットされて、残余の検出確率値が閾値Th2よりも左下の領域内にプロットされた場合、高さ判別部23は、障害物Oが路上障害物であると判別する。
また、検出確率マップにおける閾値Thの個数は1個以上であれば良く、2個に限定されるものではない。すなわち、高さ判別部23による高さの判別は2段階以上の判別であれば良く、3段階の判別(すなわち障害物Oが走行障害物、路上障害物又は路面障害物のうちのいずれであるかの判別)に限定されるものではない。例えば、1個の閾値Th1のみが検出確率マップに設定されているものであっても良い。この場合、高さ判別部23は、障害物Oが走行障害物であるか否かを判別するものであっても良い。
また、閾値Thが予め設定されているのに代えて、高さ判別部23が閾値Thを設定するものであっても良い。この場合、高さ判別部23は、車速情報を用いて、車両1の走行速度Vに応じて閾値Thを異ならしめるものであっても良い。
また、車両1の後端部に4個の測距センサ2rol,2ror,2ril,2rirが設けられているのに代えて、車両1の前端部に4個の測距センサ2fol,2for,2fil,2fir(不図示)が設けられているものであっても良い。この場合、制御装置200は、シフトポジション情報及び車速情報などを用いて車両1が前進中であるか否かを判定して、車両1が前進中であると判定された場合、操舵角情報を用いてステアリング角度θが所定範囲Δθ内の値であるか否かを判定するものであっても良い。距離情報生成部11は、車両1が前進中であると判定された場合において、ステアリング角度θが所定範囲Δθ内の値であると判定されたとき、4個の測距センサ2fol,2for,2fil,2firに順次送信させている探索波から距離情報を生成するものであっても良い。すなわち、車両1が前進しているとき、高さ判別部23により、車両1の前方に存在する障害物Oの高さが判別されるものであっても良い。
また、車両1の後端部に4個の測距センサ2rol,2ror,2ril,2rirが設けられているのに加えて、車両1の前端部に4個の測距センサ2fol,2for,2fil,2fir(不図示)が設けられているものであっても良い。すなわち、高さ判別部23により、車両1が後退しているときは車両1の後方に存在する障害物Oの高さが判別されて、車両1が前進しているときは車両1の前方に存在する障害物Oの高さが判別されるものであっても良い。
また、車両1の左側部に2個の測距センサ2fl,2rl(不図示)が設けられているものであっても良い。この場合、制御装置200は、車速情報を用いて、車両1が所定速度Vth(例えば30キロメートル毎時)以下の速度Vにて走行中であるか否かを判定するものであっても良い。距離情報生成部11は、車両1が所定速度Vth以下の速度Vにて走行中であると判定されたとき、2個の測距センサ2fl,2rlに探索波を順次送信させることにより距離情報を生成するものであっても良い。
すなわち、車両1が所定速度Vth以下の速度Vにて走行しているとき(例えば車両1が駐車しようとしているとき)、高さ判別部23により車両1の左方に存在する障害物Oの高さが判別されるものであっても良い。この場合、いわゆる「自動駐車」を実現するための制御を実行する装置(以下「車両制御装置」という。)が車両1に設けられており、高さ判別部23による判別結果が車両制御装置による当該制御に用いられるものであっても良い。車両制御装置は、例えば、ECU(Electronic Control Unit)により構成されている。
また、車両1の右側部に2個の測距センサ2fr,2rr(不図示)が設けられているものであっても良い。この場合、制御装置200は、車速情報を用いて、車両1が所定速度Vth以下の速度Vにて走行中であるか否かを判定するものであっても良い。距離情報生成部11は、車両1が所定速度Vth以下の速度Vにて走行中であると判定されたとき、2個の測距センサ2fr,2rrに探索波を順次送信させることにより距離情報を生成するものであっても良い。
すなわち、車両1が所定速度Vth以下の速度Vにて走行しているとき(例えば車両1が駐車しようとしているとき)、高さ判別部23により車両1の右方に存在する障害物Oの高さが判別されるものであっても良い。この場合、高さ判別部23による判別結果は、車両制御装置による自動駐車を実現するための制御に用いられるものであっても良い。
なお、車両1の左側部に設けられた測距センサ2を用いる場合又は車両1の右側部に設けられた測距センサ2を用いる場合において、第1検出確率値がY座標値の検出確率を示すものであるとき、車幅範囲Rw外のY座標値を第1検出確率値の演算対象から除外する処理、すなわち図8に示すステップST11の処理は不要である。
ただし、車両1の左側部に設けられた測距センサ2を用いる場合又は車両1の右側部に設けられた測距センサ2を用いる場合において、第1検出確率値がX座標値の検出確率を示すものであるとき、検出確率演算部22は、車長範囲Rl外のX座標値を第1検出確率値の演算対象から除外する処理を実行するものであっても良い。この場合における運転支援装置100の動作は、図8のフローチャートを参照して説明したものと同様であるため、図示及び説明を省略する。
また、車両1の後端部における測距センサ2の設置個数は2個以上であれば良く、4個に限定されるものではない。車両1の前端部における測距センサ2の設置個数は2個以上であれば良く、4個に限定されるものではない。車両1の左側部における測距センサ2の設置個数は1個以上であれば良く、2個に限定されるものではない。車両1の右側部における測距センサ2の設置個数は1個以上であれば良く、2個に限定されるものではない。
また、出力部24は、制御装置200内にて運転支援装置100外に設けられたものであっても良い。すなわち、座標検出部21、検出確率演算部22及び高さ判別部23により運転支援装置100の要部が構成されているものであっても良い。
以上のように、実施の形態1の運転支援装置100は、車両1における設置位置が互いに異なる複数個の測距センサ2による距離情報を用いて、2円交点の座標値(X座標値、Y座標値及びZ座標値)を検出する座標検出部21と、車幅方向に対する座標値(Y座標値)の検出確率又は車長方向に対する座標値(X座標値)の検出確率を示す第1検出確率値及び車高方向に対する座標値(Z座標値)の検出確率を示す第2検出確率値を含む検出確率値を演算する検出確率演算部22と、第1検出確率値に対応する第1軸及び第2検出確率値に対応する第2軸を有する検出確率マップにおける検出確率値の分布に基づき、障害物Oの高さを判別する高さ判別部23と、を備える。これにより、障害物Oの高さを精度良く判別することができる。特に、車両1と障害物O間の距離Dが大きい状態(例えば距離Dが3メートル以上である状態)における判別精度を向上することができる。また、車両1における測距センサ2の設置位置の自由度を向上することができる。
また、運転支援装置100は、障害物Oの高さが所定の高さ以上であると判別されたとき、警告信号を出力する出力部24を備える。これにより、例えば、障害物Oが走行障害物であると判別されたとき、車両1の運転者に対する警告を出力することができる。このとき、高さ判別部23による判別精度が高いことにより、誤警報の発生を抑制することができる。
また、高さ判別部23は、検出確率マップに閾値Thを設定することにより、障害物Oの高さが所定の高さ以上であるか否かを判別する。これにより、例えば、1個の閾値Th1を用いて障害物Oが走行障害物であるか否かを判別することができる。
また、高さ判別部23は、検出確率マップに複数個の閾値Thを設定する。これにより、例えば、2個の閾値Th1,Th2を用いて障害物Oが走行障害物、路上障害物又は路面障害物のうちのいずれであるのかを判別することができる。
また、検出確率演算部22は、所定区間Iにて検出された座標値(X座標値、Y座標値及びZ座標値)を含む座標情報が蓄積されたとき、座標情報を用いて所定区間Iにおける検出確率値を演算する。これにより、障害物Oの高さを判別する時点において、所定数以上の検出確率値が検出確率マップにプロットされた状態にすることができる。
また、第1検出確率値は、車幅方向に対する座標値(Y座標値)の検出確率を示す値であり、検出確率演算部22は、車幅方向に対する座標値(Y座標値)のうちの車幅範囲Rw外の座標値(Y座標値)を第1検出確率値の演算対象から除外する。車幅範囲Rw外のY座標値は、車幅範囲Rw外の物体による反射点のY座標値に対応するものであるか、又は異常値である蓋然性が高い。このようなY座標値を第1検出確率値の演算対象から除外することにより、第1検出確率値の演算におけるノイズを低減することができる。この結果、障害物Oの高さの判別精度を更に向上することができる。
また、第1検出確率値は、車長方向に対する座標値(X座標値)の検出確率を示す値であり、検出確率演算部22は、車長方向に対する座標値(X座標値)のうちの車長範囲Rl外の座標値(X座標値)を第1検出確率値の演算対象から除外する。車長範囲Rl外のX座標値は、車長範囲Rl外の物体による反射点のX座標値に対応するものであるか、又は異常値である蓋然性が高い。このようなX座標値を第1検出確率値の演算対象から除外することにより、第1検出確率値の演算におけるノイズを低減することができる。この結果、障害物Oの高さの判別精度を更に向上することができる。
また、検出確率演算部22は、車高方向に対する座標値(Z座標値)のうちの車高範囲Rh外の座標値(Z座標値)を第2検出確率値の演算対象から除外する。車高範囲Rh外のZ座標値は、車高範囲Rh外の物体による反射点のZ座標値に対応するものであるか、又は異常値である蓋然性が高い。このようなZ座標値を第2検出確率値の演算対象から除外することにより、第2検出確率値の演算におけるノイズを低減することができる。この結果、障害物Oの高さの判別精度を更に向上することができる。
実施の形態2.
図9は、実施の形態2に係る運転支援装置を含む制御装置の要部を示すブロック図である。図9を参照して、実施の形態2の運転支援装置100aについて説明する。なお、図9において、図2に示すブロックと同様のブロックには同一符号を付して説明を省略する。
図9に示す如く、運転支援装置100aは障害物判別部25を有している。障害物判別部25は、高さ判別部23による判別結果を示す情報(すなわち障害物Oの高さを示す情報)を高さ判別部23から取得するとともに、座標検出部21により検出されたY座標値を示す情報を座標検出部21から取得するものである。障害物判別部25は、これらの情報を用いて障害物Oを判別するものである。
具体的には、例えば、高さ判別部23により障害物Oが走行障害物であると判別された場合、障害物判別部25は、座標検出部21から取得した情報を用いて、当該情報に含まれる複数個のY座標値の分布長DLを算出する。障害物判別部25は、当該算出された分布長DLを所定値DLthと比較する。障害物判別部25は、分布長DLが所定値DLth以上である場合は障害物Oが壁であると判別して、分布長DLが所定値DLth未満である場合は障害物Oがポールであると判別する。すなわち、この所定値DLthは壁とポールを識別可能な値に設定されている。
出力部24aは、高さ判別部23による判別結果及び障害物判別部25による判別結果に応じた信号を警告出力装置3に出力するものである。
具体的には、例えば、高さ判別部23により障害物Oが走行障害物であると判別された場合において、障害物判別部25により障害物Oが壁であると判別されたとき、出力部24aは、車両1の後方に走行障害物が存在することを示す信号であって、この走行障害物が壁であることを示す信号を出力する。また、この場合において、障害物判別部25により障害物Oがポールであると判別されたとき、出力部24aは、車両1の後方に走行障害物が存在することを示す信号であって、この走行障害物がポールであることを示す信号を出力する。また、高さ判別部23により障害物Oが路上障害物であると判別された場合、出力部24aは、車両1の後方に路上障害物が存在することを示す信号を出力する。また、高さ判別部23により障害物Oが路面障害物であると判別された場合、出力部24aは、車両1の後方に走行障害物も路上障害物も存在しないことを示す信号を出力する。
座標検出部21、検出確率演算部22、高さ判別部23、出力部24a及び障害物判別部25により、運転支援装置100aの要部が構成されている。距離情報生成部11及び運転支援装置100aにより、制御装置200aの要部が構成されている。
制御装置200aの要部のハードウェア構成は、実施の形態1にて図6を参照して説明したものと同様であるため、図示及び説明を省略する。すなわち、距離情報生成部11、座標検出部21、検出確率演算部22、高さ判別部23、出力部24a及び障害物判別部25の各々の機能は、プロセッサ31及びメモリ32により実現されるものであっても良く、又は専用の処理回路33により実現されるものであっても良い。
次に、図10のフローチャートを参照して、制御装置200aの動作について、運転支援装置100aの動作を中心に説明する。なお、車両1は後退中であるものとする。
まず、ステップST1の処理が実行される。ステップST1“YES”と判定された場合、ステップST2の処理が実行されて、次いで、ステップST3の処理が実行されて、次いで、ステップST4の処理が実行される。ステップST4“YES”と判定された場合、ステップST5の処理が実行されて、次いで、ステップST6の処理が実行されて、次いで、ステップST7の処理が実行される。ステップST7“YES”と判定された場合、ステップST8の処理が実行される。ステップST1〜ST8の処理内容は、実施の形態1にて図7を参照して説明したものと同様であるため、再度の説明は省略する。
次いで、ステップST21にて、障害物判別部25は、高さ判別部23による判別結果(すなわちステップST8における判別結果)を示す情報を高さ判別部23から取得するとともに、座標検出部21により検出されたY座標値(すなわちステップST3にて検出されたY座標値)を示す情報を座標検出部21から取得する。障害物判別部25は、これらの情報を用いて障害物Oを判別する。障害物判別部25による判別方法の具体例は上記のとおりであるため、再度の説明は省略する。
次いで、ステップST9aにて、出力部24aは、高さ判別部23による判別結果及び障害物判別部25による判別結果に応じた信号を警告出力装置3に出力する。出力部24aによる出力信号の具体例は上記のとおりであるため、再度の説明は省略する。
なお、障害物判別部25は、高さ判別部23による判別結果を示す情報及び座標検出部21により検出されたY座標値を示す情報を用いて障害物Oを判別するものであれば良い。障害物判別部25による判別の方法及び対象は上記の具体例に限定されるものではない。
また、出力部24aは、高さ判別部23による判別結果及び障害物判別部25による判別結果に応じた信号を出力するものであれば良い。出力部24aによる出力信号は上記の具体例に限定されるものではない。
また、運転支援装置100aは、実施の形態1にて説明したものと同様の種々の変形例、すなわち運転支援装置100と同様の種々の変形例を採用することができる。
以上のように、実施の形態2の運転支援装置100aは、障害物Oの高さを示す情報及び車幅方向に対する座標値(Y座標値)を示す情報を用いて障害物Oを判別する障害物判別部25を備える。これらの情報を用いることにより、例えば、障害物Oが走行障害物であると判別されたとき、この走行障害物が壁であるかポールであるかを判別することができる。
実施の形態3.
図11は、実施の形態3に係る運転支援装置を含む制御装置の要部を示すブロック図である。図11を参照して、実施の形態3の運転支援装置100bについて説明する。なお、図11において、図2に示すブロックと同様のブロックには同一符号を付して説明を省略する。
図11に示す如く、運転支援装置100bは正対度判別部26を有している。正対度判別部26は、検出確率演算部22により個々の所定区間Iにおける検出確率値が演算されたとき、対応する所定区間Iにおける直接波Wrol_rolの伝搬時間に基づく距離値Drolを示す情報、及び対応する所定区間Iにおける直接波Wror_rorの伝搬時間に基づく距離値Drorを示す情報を距離情報生成部11から取得するものである。また、正対度判別部26には、センサピッチPiを示す情報が予め記憶されている。正対度判別部26は、これらの情報を用いて、以下の式(1)により、個々の所定区間Iにおける車両1に対する障害物Oの正対角度φを算出するものである。図12は、正対角度φの例を示している。
φ=tan−1{(Drol−Dror)/Pi} (1)
なお、上記のとおり、障害物Oによる反射波のパスは複数存在するものである。また、障害物Oが路上障害物又は路面障害物である場合、これらのパスはXY平面に対して平行なパスを含まないものである。
このため、直接波Wrol_rolの伝搬時間に基づく距離値Drolは、必ずしも、X方向に対する測距センサ2rolと障害物O間の直線距離に一致する値であるとは限らない。ただし、図12においては、距離値Drolが当該直線距離と一致した場合の例を示している。同様に、直接波Wror_rorの伝搬時間に基づく距離値Drorは、必ずしも、X方向に対する測距センサ2rorと障害物O間の直線距離に一致する値であるとは限らない。ただし、図12においては、距離値Drorが当該直線距離と一致した場合の例を示している。
以下、正対角度φが所定範囲Δφ(例えば−5°〜+5°)内の値である状態、すなわち車両1が障害物Oに対して正対している状態を「正対状態」という。また、正対角度φが所定範囲Δφ外の値である状態、すなわち車両1が障害物Oに対して正対していない状態を「非正対状態」という。正対度判別部26は、式(1)により算出された正対角度φに基づき、車両1が正対状態であるか否かを判別するものである。
高さ判別部23bは、検出確率演算部22により個々の所定区間Iにおける検出確率値が演算されたとき、正対度判別部26による判別結果に応じて、検出確率マップに対する当該検出確率値のプロットの要否を判定するようになっている。より具体的には、高さ判別部23bは、対応する所定区間Iにて車両1が正対状態であると判別された場合は当該検出確率値を検出確率マップにプロットする一方、対応する所定区間Iにて車両1が非正対状態であると判別された場合は当該検出確率値を検出確率マップにプロットしないようになっている。すなわち、高さ判別部23bは、正対状態における検出確率値を障害物Oの高さの判別に用いる一方、非正対状態における検出確率値を障害物Oの高さの判別から除外するようになっている。
座標検出部21、検出確率演算部22、高さ判別部23b、出力部24及び正対度判別部26により、運転支援装置100bの要部が構成されている。距離情報生成部11及び運転支援装置100bにより、制御装置200bの要部が構成されている。
制御装置200bの要部のハードウェア構成は、実施の形態1にて図6を参照して説明したものと同様であるため、図示及び説明を省略する。すなわち、距離情報生成部11、座標検出部21、検出確率演算部22、高さ判別部23b、出力部24及び正対度判別部26の各々の機能は、プロセッサ31及びメモリ32により実現されるものであっても良く、又は専用の処理回路33により実現されるものであっても良い。
次に、図13のフローチャートを参照して、制御装置200bの動作について、運転支援装置100bの動作を中心に説明する。なお、車両1は後退中であるものとする。
まず、ステップST1の処理が実行される。ステップST1“YES”と判定された場合、ステップST2の処理が実行されて、次いで、ステップST3の処理が実行されて、次いで、ステップST4の処理が実行される。ステップST4“YES”と判定された場合、ステップST5の処理が実行される。ステップST1〜ST5の処理内容は、実施の形態1にて図7を参照して説明したものと同様であるため、再度の説明は省略する。
次いで、ステップST31にて、正対度判別部26は、直近の所定区間Iにおける直接波Wrol_rolの伝搬時間に基づく距離値Drolを示す情報及び直近の所定区間Iにおける直接波Wror_rorの伝搬時間に基づく距離値Drorを示す情報を距離情報生成部11から取得して、直近の所定区間Iにおける正対角度φを算出する。次いで、ステップST32にて、正対度判別部26は、当該算出された正対角度φに基づき、車両1が正対状態であるか否かを判別する。すなわち、正対度判別部26は、当該算出された正対角度φが所定範囲Δφ(例えば−5°〜+5°)内の値であるか否かを判別する。
車両1が正対状態であると判別された場合(ステップST32“YES”)、ステップST6にて、高さ判別部23bは、直近の所定区間Iにおける検出確率値を検出確率マップにプロットする。すなわち、高さ判別部23bは、直近のステップST5にて演算された1組の検出確率値を検出確率マップにプロットする。次いで、制御装置200bの処理はステップST7に進む。
他方、車両1が非正対状態であると判別された場合(ステップST32“NO”)、ステップST6の処理はスキップされて、制御装置200bの処理はステップST7に進む。この場合、直近の所定区間Iにおける検出確率値、すなわち直近のステップST5にて演算された1組の検出確率値は検出確率マップにプロットされない。
ステップST7“YES”と判定された場合、ステップST8の処理が実行されて、次いで、ステップST9の処理が実行される。ステップST7〜ST9の処理内容は、実施の形態1にて図7を参照して説明したものと同様であるため、再度の説明は省略する。
このように、非正対状態における検出確率値を障害物Oの高さの判別から除外することにより、当該高さの判別精度を更に向上することができる。
なお、通常、直接波Wrol_rolの送信時刻と直接波Wror_rorの送信時刻との間には時間差がある。例えば、各回の送信周期において4個の測距センサ2rol,2ror,2ril,2rirが60ミリ秒間隔にて探索波を順次送信するものである場合、直接波Wrol_rolの送信時刻に対して直接波Wror_rorの送信時刻が60ミリ秒遅れる。そこで、正対度判別部26は、この60ミリ秒間における車両1の移動距離ΔD、すなわち当該時間における車両1と障害物O間の距離Dの変化量ΔDを算出して、当該算出された値ΔDを距離値Drorに加算することにより距離値Drorを補正して、当該補正された距離値Drorを正対角度φの算出に用いるものであっても良い。
かかるΔDの算出は、車速情報を用いる方法によるものであっても良く、又は自車位置情報を用いる方法によるものであっても良い。これらの情報を用いてΔDを算出する方法は公知であるため、詳細な説明は省略する。
または、各回の送信周期における直接波Wror_rorの送信時刻と当該送信周期に対する次回の送信周期における直接波Wror_rorの送信時刻との間の時間差は240ミリ秒である。そこで、正対度判別部26は、前者の直接波Wror_rorの伝搬時間に基づく距離値Drorと後者の直接波Wror_rorの伝搬時間に基づく距離値Drorとの差分値を算出して、この差分値に対する4分の1の値がΔDであると算出するものであっても良い。
また、個々の所定区間Iが複数回分の送信周期に対応するものである場合、個々の所定区間Iにおいて、直接波Wrol_rolの伝搬時間に基づく距離値Drolが複数回算出されるとともに、直接波Wror_rorの伝搬時間に基づく距離値Drorが複数回算出される場合がある。この場合、正対度判別部26は、これらの距離値Drol,Drorを用いて複数個の正対角度φを算出するものであっても良い。正対度判別部26は、当該算出された複数個の正対角度φの平均値φaveを算出して、当該算出された平均値φaveが所定範囲Δφ内の値であるか否かを判別することにより、車両1が正対状態であるか否かを判別するものであっても良い。
また、運転支援装置100bは、実施の形態1にて説明したものと同様の種々の変形例、すなわち運転支援装置100と同様の種々の変形例を採用することができる。
また、運転支援装置100bは、実施の形態2の運転支援装置100aと同様の障害物判別部25を有するものであっても良い。この場合、障害物判別部25は、正対状態におけるY座標値の分布に基づき障害物Oを判別するものであっても良い。
以上のように、実施の形態3の運転支援装置100bにおいて、高さ判別部23bは、車両1が障害物Oに対する正対状態であるときの検出確率値を障害物Oの高さの判別に用いる。非正対状態における検出確率値を障害物Oの高さの判別から除外することにより、当該高さの判別精度を更に向上することができる。
実施の形態4.
図14は、実施の形態4に係る運転支援装置を含む制御装置の要部を示すブロック図である。図14を参照して、実施の形態4の運転支援装置100cについて説明する。なお、図14において、図11に示すブロックと同様のブロックには同一符号を付して説明を省略する。
高さ判別部23は、正対度判別部26による判別結果にかかわらず、個々の所定区間Iにおける検出確率値を検出確率マップにプロットするようになっている。
出力部24cは、高さ判別部23による判別結果に応じた信号を警告出力装置3に出力するものである。これに加えて、出力部24cは、正対度判別部26により車両1が非正対状態であると判別された場合、すなわち高さ判別部23による判別に非正対状態における検出確率値が用いられた場合、高さ判別部23による判別結果の信頼度が低い状態であることを示す信号を警告出力装置3に出力するものである。
座標検出部21、検出確率演算部22、高さ判別部23、出力部24c及び正対度判別部26により、運転支援装置100cの要部が構成されている。距離情報生成部11及び運転支援装置100cにより、制御装置200cの要部が構成されている。
制御装置200cの要部のハードウェア構成は、実施の形態1にて図6を参照して説明したものと同様であるため、図示及び説明を省略する。すなわち、距離情報生成部11、座標検出部21、検出確率演算部22、高さ判別部23、出力部24c及び正対度判別部26の各々の機能は、プロセッサ31及びメモリ32により実現されるものであっても良く、又は専用の処理回路33により実現されるものであっても良い。
次に、図15のフローチャートを参照して、制御装置200cの動作について、運転支援装置100cの動作を中心に説明する。なお、車両1は後退中であるものとする。
まず、ステップST1の処理が実行される。ステップST1“YES”と判定された場合、ステップST2の処理が実行されて、次いで、ステップST3の処理が実行されて、次いで、ステップST4の処理が実行される。ステップST4“YES”と判定された場合、ステップST5の処理が実行される。ステップST1〜ST5の処理内容は、実施の形態1にて図7を参照して説明したものと同様であるため、再度の説明は省略する。
次いで、ステップST41にて、正対度判別部26は、直近の所定区間Iにおける直接波Wrol_rolの伝搬時間に基づく距離値Drolを示す情報及び直近の所定区間Iにおける直接波Wror_rorの伝搬時間に基づく距離値Drorを示す情報を距離情報生成部11から取得して、直近の所定区間Iにおける正対角度φを算出する。次いで、ステップST42にて、正対度判別部26は、当該算出された正対角度φに基づき、車両1が正対状態であるか否かを判別する。正対度判別部26は、当該判別の結果を出力部24cに通知する。
次いで、ステップST6の処理が実行されて、次いで、ステップST7の処理が実行される。ステップST7“YES”と判定された場合、ステップST8の処理が実行されて、次いで、ステップST9の処理が実行される。ステップST6〜ST9の処理内容は、実施の形態1にて図7を参照して説明したものと同様であるため、再度の説明は省略する。
ここで、少なくとも1回のステップST42にて車両1が非正対状態であると判別された場合、すなわちステップST8の判別に非正対状態における検出確率値が用いられた場合、ステップST43の処理が実行される。すなわち、出力部24cは、高さ判別部23による判別結果の信頼度が低い状態であることを示す信号を警告出力装置3に出力する。
なお、運転支援装置100cは、実施の形態1にて説明したものと同様の種々の変形例、すなわち運転支援装置100と同様の種々の変形例を採用することができる。
また、運転支援装置100cは、実施の形態2の運転支援装置100aと同様の障害物判別部25を有するものであっても良い。
また、運転支援装置100cは、実施の形態3にて説明したものと同様の種々の変形例、すなわち運転支援装置100bと同様の種々の変形例を採用することができる。
実施の形態5.
図16は、実施の形態5に係る運転支援装置を含む制御装置の要部を示すブロック図である。図16を参照して、実施の形態5の運転支援装置100dについて説明する。なお、図16において、図2に示すブロックと同様のブロックには同一符号を付して説明を省略する。
グループ化部27は、XY座標系における2円交点処理により交点P(x,y)のX座標値(x)及びY座標値(y)が検出されたとき、このX座標値(x)及びY座標値(y)を示す情報を座標検出部21から取得するものである。グループ化部27は、当該取得した情報を用いて、XY座標系における複数個の2円交点P(x,y)をグルーピングすることにより、1個以上のグループ(以下「交点グループ」という。)Gを設定するものである。このグルーピングは、例えば、XY座標系における互いに隣接する各2個の交点P(x,y)間のY座標値の差分値が所定値以下である場合、これらの交点P(x,y)を互いに同一の交点グループGに含めるものである。
すなわち、グループ化部27によるグルーピングは、座標検出部21により検出された複数個のY座標値が1個の障害物Oに対応するものであるのか複数個の障害物Oに対応するものであるのかを判別するものである。例えば、車両1の後方に1個の障害物Oが存在する場合、グループ化部27によるグルーピングにより、当該1個の障害物に対応する1個の交点グループGが設定される(図17A参照)。また、車両1の後方に2個の障害物Oが存在する場合、グループ化部27によるグルーピングにより、当該2個の障害物Oと一対一に対応する2個の交点グループGが設定される(図17B参照)。なお、図17における個々の白丸(○)は、XY座標系における個々の2円交点P(x,y)に対応している。
検出確率演算部22dは、グループ化部27により1個のグループGが設定された場合、すなわち複数個のY座標値が1個の障害物Oに対応するものであると判別された場合、実施の形態1の運転支援装置100における検出確率演算部22と同様の第1検出確率値及び第2検出確率値を演算するものである。
他方、グループ化部27により複数個のグループGが設定された場合、すなわち複数個のY座標値が複数個の障害物Oに対応するものであると判別された場合、検出確率演算部22dは、グループ化部27によるグルーピングの結果に応じて、複数個の測距センサ2を車幅方向に(すなわちY方向に)グルーピングするものである。検出確率演算部22dは、当該グルーピングにより設定された複数個のグループ(以下「センサグループ」という。)の各々に対応する第1検出確率値及び第2検出確率値を演算するものである。
例えば、グループ化部27により左右2個の交点グループが設定された場合(図17B参照)、検出確率演算部22dは、4個の測距センサ2rol,2ror,2ril,2rirを左右2個にグルーピングすることにより、測距センサ2rol,2rilを含むセンサグループ(以下「左センサグループ」という。)と測距センサ2ror,2rirを含むセンサグループ(以下「右センサグループ」という。)とを設定する。
検出確率演算部22dは、左センサグループ内の測距センサ2により送受信された探索波(すなわち直接波Wrol_rol、間接波Wril_rol、直接波Wrol_rol及び間接波Wrol_ril)の伝搬時間に基づく距離値Drol,Drilを用いて算出された2円交点の座標値について、第1検出確率値(以下「左第1検出確率値」ということがある。)及び第2検出確率値(以下「左第2検出確率値」ということがある。)を演算する。また、検出確率演算部22は、右センサグループ内の測距センサ2により送受信された探索波(すなわち直接波Wror_ror、間接波Wrir_ror、直接波Wror_ror及び間接波Wror_rir)の伝搬時間に基づく距離値Dror,Drirを用いて算出された2円交点の座標値について、第1検出確率値(以下「右第1検出確率値」ということがある。)及び第2検出確率値(以下「右第2検出確率値」ということがある。)を演算する。
高さ判別部23dは、検出確率演算部22dにより演算された各組の検出確率値を検出確率マップにプロットするものである。高さ判別部23dは、検出確率マップにおいて、複数組の検出確率値が分布する領域を閾値Th1,Th2と比較することにより、障害物Oの高さを判別するものである。
ここで、車両1の後方に2個の障害物Oが存在する場合(図17B参照)、複数個の左第1検出確率値及び複数個の左第2検出確率値による複数組の検出確率値(以下「左検出確率値」ということがある。)と、複数個の右第1検出確率値及び複数個の右第2検出確率値による複数組の検出確率値(以下「右検出確率値」ということがある。)とが検出確率マップにプロットされる。高さ判別部23dは、検出確率マップにおいて、当該複数組の左検出確率値が分布する領域を閾値Th1,Th2と比較するとともに、当該複数組の右検出確率値が分布する領域を閾値Th1,Th2と比較することにより、当該2個の障害物Oの各々の高さを判別するものである。
出力部24dは、高さ判別部23dによる判別結果に応じた信号を警告出力装置3に出力する。具体的には、例えば、出力部24dは、車両1の後方に1個の障害物Oが存在する場合において高さ判別部23dにより当該1個の障害物Oが走行障害物であると判別されたとき、又は車両1の後方に複数個の障害物Oが存在する場合において高さ判別部23dにより当該複数個の障害物Oのうちの少なくとも1個の障害物Oが走行障害物であると判別されたとき、警告信号を出力するものである。
座標検出部21、検出確率演算部22d、高さ判別部23d、出力部24d及びグループ化部27により、運転支援装置100dの要部が構成されている。距離情報生成部11及び運転支援装置100dにより、制御装置200dの要部が構成されている。
制御装置200dの要部のハードウェア構成は、実施の形態1にて図6を参照して説明したものと同様であるため、図示及び説明を省略する。すなわち、距離情報生成部11、座標検出部21、検出確率演算部22d、高さ判別部23d、出力部24d及びグループ化部27の各々の機能は、プロセッサ31及びメモリ32により実現されるものであっても良く、又は専用の処理回路33により実現されるものであっても良い。
次に、図18のフローチャートを参照して、制御装置200dの動作について、運転支援装置100dの動作を中心に説明する。なお、車両1は後退中であるものとする。
まず、ステップST1の処理が実行される。ステップST1“YES”と判定された場合、ステップST2の処理が実行されて、次いで、ステップST3の処理が実行されて、次いで、ステップST4の処理が実行される。ステップST1〜ST4の処理内容は、実施の形態1にて図7を参照して説明したものと同様であるため、再度の説明は省略する。
ステップST4“YES”と判定された場合、ステップST51にて、グループ化部27は、直近の所定区間Iにおける複数個の2円交点P(x,y)をグルーピングすることにより、1個以上の交点グループGを設定する。これにより、直近の所定区間Iにて座標検出部21により検出された複数個のY座標値が、1個の障害物Oに対応するものであるのか複数個の障害物Oに対応するものであるのかが判別される(ステップST52)。
グループ化部27により1個の交点グループGが設定された場合、すなわち複数個のY座標値が1個の障害物Oに対応するものであると判別された場合(ステップST52“NO”)、ステップST5にて、検出確率演算部22dは、直近の所定区間Iにおける検出確率値を演算する。このとき、検出確率演算部22dは、1個の第1検出確率値及び1個の第2検出確率値による1組の検出確率値を演算する。
他方、グループ化部27により複数個の交点グループGが設定された場合、すなわち複数個のY座標値が複数個の障害物Oに対応するものであると判別された場合(ステップST52“YES”)、ステップST53にて、検出確率演算部22dは、グループ化部27によるグルーピングの結果に応じて複数個の測距センサ2を車幅方向にグルーピングすることにより、複数個のセンサグループを設定する。例えば、検出確率演算部22dは、左センサグループ及び右センサグループを設定する。
次いで、ステップST54にて、検出確率演算部22dは、直近の所定区間Iにおける検出確率値であって、複数個のセンサグループの各々に対応する検出確率値を演算する。例えば、検出確率演算部22dは、1個の左第1検出確率値及び1個の左第2検出確率値による1組の左検出確率値と、1個の右第1検出確率値及び1個の右第2検出確率値による1組の右検出確率値とを演算する。すなわち、検出確率演算部22dは、合計2組の検出確率値を演算する。
次いで、ステップST6dにて、高さ判別部23dは、検出確率演算部22dにより演算された検出確率値を検出確率マップにプロットする。すなわち、高さ判別部23dは、ステップST5にて演算された1組の検出確率値を検出確率マップにプロットするか、又はステップST54にて演算された複数組の検出確率値の各々を検出確率マップにプロットする。
次いで、ステップST7の処理が実行される。ステップST7の処理内容は、実施の形態1にて図7を参照して説明したものと同様であるため、再度の説明は省略する。
ステップST7“YES”と判定された場合、ステップST8dにて、高さ判別部23dは、検出確率マップにおいて、複数組の検出確率値が分布する領域を閾値Th1,Th2と比較することにより、障害物Oの高さを判別する。
ここで、複数回のステップST5の処理により複数組の検出確率値が演算されたものである場合、高さ判別部23dは、当該複数組の検出確率値が分布する領域を閾値Th1,Th2と比較することにより、1個の障害物Oの高さを判別する。
他方、複数回のステップST54の処理により各センサグループに対応する複数組の検出確率値が演算されたものである場合、高さ判別部23dは、各センサグループに対応する複数組の検出確率値が分布する領域を閾値Th1,Th2と比較することにより、複数個の障害物Oの各々の高さを判別する。具体的には、例えば、高さ判別部23dは、複数組の左検出確率値が分布する領域を閾値Th1,Th2と比較するとともに、複数組の右検出確率値が分布する領域を閾値Th1,Th2と比較することにより、2個の障害物Oの各々の高さを判別する。
次いで、ステップST9dにて、出力部24dは、高さ判別部23dによる判別結果に応じた信号を警告出力装置3に出力する。具体的には、例えば、車両1の後方に1個の障害物Oが存在する場合において高さ判別部23dにより当該1個の障害物Oが走行障害物であると判別されたとき、又は車両1の後方に複数個の障害物Oが存在する場合において高さ判別部23dにより当該複数個の障害物Oのうちの少なくとも1個の障害物Oが走行障害物であると判別されたとき、出力部24dは警告信号を出力する。
このように、グループ化部27によるグルーピングの結果に応じて複数個の測距センサ2をグルーピングすることにより、複数個の障害物Oの各々の高さを判別することができる。また、例えば2個の障害物Oが存在する場合において、一方の障害物Oに対応する検出確率値が他方の障害物Oの高さの判別に用いられるのを抑制することができる。この結果、個々の障害物Oの高さの判別におけるノイズを低減することができるため、個々の障害物Oの高さの判別精度を更に向上することができる。
なお、運転支援装置100dは、実施の形態1にて説明したものと同様の種々の変形例、すなわち運転支援装置100と同様の種々の変形例を採用することができる。ただし、車両1の左側部に設けられた測距センサ2を用いる場合又は車両1の右側部に設けられた測距センサ2を用いる場合において、上記のようなセンサグループの設定、すなわち車幅方向に対する測距センサ2のグルーピングは不要である。
これに対して、車両1の左側部に設けられた複数個の測距センサ2を用いる場合又は車両1の右側部に設けられた複数個の測距センサ2を用いる場合においては、車長方向に対する測距センサ2のグルーピングが実行されるものであっても良い。
すなわち、この場合におけるグループ化部27によるグルーピングは、例えば、XY座標系における互いに隣接する各2個の交点P(x,y)間のX座標値の差分値が所定値以下である場合、これらの交点P(x,y)を互いに同一の交点グループGに含めるものである。このグルーピングは、座標検出部21により検出された複数個のX座標値が1個の障害物Oに対応するものであるのか複数個の障害物Oに対応するものであるのかを判別するものである。
グループ化部27により複数個のグループGが設定された場合、すなわち複数個のX座標値が複数個の障害物Oに対応するものであると判別された場合、検出確率演算部22dは、グループ化部27によるグルーピングの結果に応じて、複数個の測距センサ2を車長方向に(すなわちX方向に)グルーピングする。検出確率演算部22dは、当該グルーピングにより設定された複数個のセンサグループの各々に対応する第1検出確率値及び第2検出確率値を演算する。
これらの検出確率値を用いることにより、高さ判別部23dは、車両1の左方に存在する複数個の障害物Oの各々の高さ、又は車両1の右方に存在する複数個の障害物Oの各々の高さを判別することができる。また、これらの障害物Oの各々の高さの判別精度を向上することができる。
また、運転支援装置100dは、実施の形態2の運転支援装置100aと同様の障害物判別部25を有するものであっても良い。障害物判別部25は、グループ化部27により複数個の交点グループGが設定された場合、複数個の障害物Oの各々の高さを示す情報を高さ判別部23dから取得するとともに、個々の交点グループGに含まれる複数個の2円交点のY座標値を示す情報を座標検出部21から取得するものであっても良い。障害物判別部25は、これらの情報を用いて、複数個の障害物Oの各々を判別するものであっても良い。
また、運転支援装置100dは、実施の形態3の運転支援装置100bと同様の正対度判別部26を有するものであっても良い。
以上のように、実施の形態5の運転支援装置100dにおいて、検出確率演算部22dは、車幅方向に対する座標値(Y座標値)が複数個の障害物Oに対応するものであると判別されたとき、複数個の測距センサ2を車幅方向(Y方向)にグルーピングして、各グループに対応する検出確率値を演算する。これにより、車両1の前方又は後方に複数個の障害物Oが存在するとき、これらの障害物Oの各々の高さを判別することができる。また、個々の障害物Oの高さの判別精度を更に向上することができる。
また、検出確率演算部22dは、車長方向に対する座標値(X座標値)が複数個の障害物Oに対応するものであると判別されたとき、複数個の測距センサ2を車長方向(X方向)にグルーピングして、各グループに対応する検出確率値を演算する。これにより、車両1の左方又は右方に複数個の障害物Oが存在するとき、これらの障害物Oの各々の高さを判別することができる。また、個々の障害物Oの高さの判別精度を更に向上することができる。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。