JP6819933B2 - 気密パッケージ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、気密パッケージ及びその製造方法に関し、具体的には、セラミック基体とガラス蓋とが封着材料層を介して気密封着された気密パッケージ及びその製造方法に関する。
圧電振動素子が実装された気密パッケージは、熱伝導性の観点から、基体としてセラミックが使用されると共に、光透過性の観点から、蓋材としてガラスが使用される。圧電振動素子は、周囲環境の酸素や水分により容易に劣化する敏感な素子である。
従来まで、気密パッケージの接着材料として、低温硬化性を有する有機樹脂系接着剤が使用されていた。しかし、有機樹脂系接着剤は、気密パッケージの気密性を経時的に劣化させる虞がある。また、有機樹脂系接着剤の代わりに金錫半田を用いると、気密性の経時劣化を防止することができる。しかし、金錫半田は、材料コストが高いという問題がある。
一方、ガラス粉末と耐火性フィラー粉末を含む複合粉末は、周囲環境の酸素や水分で劣化し難く、材料コストが低いという特長を有している。
しかし、ガラス粉末は、有機樹脂系接着剤よりも軟化温度が高いため、封着時に圧電振動素子を熱劣化させる虞がある。このような事情から、近年、レーザー封着が注目されている。レーザー封着によれば、封着すべき部分のみを局所的に加熱することが可能であり、圧電振動素子を熱劣化させることなく、セラミック基体とガラス蓋を気密封着することができる。
特開2013−239609号公報 特開2014−236202号公報
ところで、小型プロジェクター等に用いる気密パッケージ内には、圧電振動素子で動く光反射部材が収容されている。この光反射部材は、外部から入射した光を所定の方向に反射させることにより、映像を投影させる機能を有している。
しかし、この用途の気密パッケージでは、外部から入射した光の一部がガラス蓋の表面で反射し、その反射光が、光反射部材で反射された光と同時に投影されて、映像が不鮮明になるという問題が生じる。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、その技術的課題は、気密信頼性が高く、且つガラス蓋の表面で反射した光が映像として投影され難い気密パッケージを創案することである。
本発明者等は、基部と基部上に設けられた枠部とを有するセラミック基体を用い、その枠部に傾斜面を形成することにより、上記技術的課題を解決し得ることを見出し、本発明として提案するものである。すなわち、本発明の気密パッケージは、セラミック基体とガラス蓋とが封着材料層を介して気密封着された気密パッケージにおいて、セラミック基体が、基部と基部上に設けられた枠部とを有し、セラミック基体の枠部の頂部とガラス蓋の間に封着材料層が配されており、且つセラミック基体の枠部の頂部側に、封着材料層を介してガラス蓋が配されると共に、セラミック基体の枠部の頂部におけるガラス蓋が配される領域の表面の全部又は一部が、セラミック基体の底面に対して、1°以上、且つ45°以下の角度に傾いていることを特徴とする。
本発明の気密パッケージは、基部と基部上に設けられた枠部とを有するセラミック基体を有する。このようにすれば、気密パッケージ内に圧電振動素子等を収容し易くなる。
また、本発明の気密パッケージは、セラミック基体の枠部の頂部におけるガラス蓋が配される領域の表面の全部又は一部が、セラミック基体の底面に対して、1°以上、且つ45°以下の角度に傾いている。これにより、ガラス蓋の表面(上面及び下面)で反射した光が、光反射部材で反射された光と異なる方向に進行するため、両者の光が同時に投影され難くなり、結果として、鮮明な映像を得ることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明を説明する。図1は、本発明の一実施形態を説明するための斜視概略図である。気密パッケージ1は、セラミック基体10とガラス蓋11を備えている。セラミック基体10は基部12を有し、更に基部12の外周端縁上に枠部13を有している。また、セラミック基体10の枠部13内には、圧電振動素子14が収容されている。そして、この枠部13の頂部15の表面全体は、枠部13の底面から見て約10°傾いており、その表面粗さRaが1.0μm未満になっている。なお、セラミック基体10内には、圧電振動素子14と外部を電気的に接続する電気配線(図示されていない)が形成されている。
ガラス蓋11の表面には、額縁状の封着材料層16が形成されている。封着材料層16は、ビスマス系ガラスと耐火性フィラー粉末を含んでいるが、実質的にレーザー吸収材を含んでいない。そして、封着材料層16の幅は、セラミック基体10の枠部13の頂部15の幅よりも若干小さくなっている。更に封着材料層16の平均厚みは8.0μm未満なっている。
レーザー照射装置17から出射したレーザー光Lは、ガラス蓋11側から封着材料層16に沿って照射される。これにより、封着材料層16が軟化流動し、セラミック基体10の表層と反応することで、酸化アルミニウム基体10とガラス蓋11が気密一体化されて、気密パッケージ1の気密構造が形成される。
図2は、気密パッケージにおける光の反射方向を説明するための断面概略図である。図2(a)から分かるように、セラミック基体10xの枠部13xの頂部15xが傾いていないと、ガラス蓋11xの表面で反射した光Rx1は、光反射部材(圧電振動素子)14xで反射された光Rx2と同じ方向に進行するため、両者の光Rx1,Rx2が同時に投影されてしまい、映像が不鮮明になる。一方、図2(b)から分かるように、セラミック基体10の枠部13の頂部15が傾いていると、ガラス蓋11の表面で反射した光R1は、光反射部材(圧電振動素子)14で反射された光R2と異なる方向に進行するため、両者の光R1,R2が同時に投影されず、映像が鮮明になる。
第二に、本発明の気密パッケージは、セラミック基体の枠部の頂部における封着材料層が配される表面の表面粗さRaが1.0μm未満であることが好ましい。ここで、「表面粗さRa」は、例えば、触針式又は非接触式のレーザー膜厚計や表面粗さ計により測定することができる。
第三に、本発明の気密パッケージは、封着材料層が、少なくともビスマス系ガラス粉末と耐火性フィラー粉末を含む複合粉末の焼結体であることが好ましい。ビスマス系ガラスは、他のガラス系と比較して、レーザー封着時にセラミック基体の表層に反応層を形成し易いという特長を有する。また、耐火性フィラー粉末は、封着材料層の熱膨張係数を低下させつつ、封着材料層の機械的強度を高めることができる。なお、「ビスマス系ガラス」とは、Biを主成分とするガラスを指し、具体的にはガラス組成中にBiを25モル%以上含むガラスを指す。
第四に、本発明の気密パッケージは、封着材料層の厚み方向の波長808nmにおける全光線透過率が5%以上、且つ80%以下であることが好ましい。ここで、「全光線透過率」は、市販の透過率測定装置により測定可能である。
第五に、本発明の気密パッケージは、封着材料層が実質的にレーザー吸収材を含んでいないことが好ましい。ここで、「実質的にレーザー吸収材を含んでいない」とは、封着材料層中のレーザー吸収材の含有量が0.1体積%以下の場合を指す。
第六に、本発明の気密パッケージは、封着材料層の平均厚みが8.0μm未満であることが好ましい。このようにすれば、気密パッケージ内での残留応力が小さくなるため、気密パッケージの気密信頼性を高めることができる。
第七に、本発明の気密パッケージは、セラミック基体の熱伝導率が100W/(m・K)以上であることが好ましい。セラミック基体の熱伝導率が高いと、セラミック基体が放熱し易くなるため、デバイスが過度に発熱する事態を防止することができる。
第八に、本発明の気密パッケージは、セラミック基体が、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、ガラスセラミックの何れかであることが好ましい。
第九に、本発明の気密パッケージは、ガラス蓋の片面又は両面に反射防止膜が形成されていることが好ましい。
第十に、本発明の気密パッケージは、セラミック基体の枠部内に、圧電振動素子が収容されていることが好ましい。
第十一に、本発明の気密パッケージは、セラミック基体が、照射すべきレーザー光を吸収する性質を有することが好ましい。
第十二に、本発明の気密パッケージは、セラミック基体とガラス蓋とが封着材料層を介して気密封着された気密パッケージにおいて、セラミック基体が、基部と基部上に設けられた枠部とを有し、セラミック基体の枠部の頂部とガラス蓋の間に封着材料層が配されており、且つセラミック基体の枠部の頂部側に、封着材料層を介してガラス蓋が配されると共に、ガラス蓋の外側表面の全部又は一部が、セラミック基体の底面に対して、1°以上、且つ45°以下の角度に傾いていることを特徴とする。
第十三に、本発明の気密パッケージは、ガラス蓋の内側表面の全部又は一部が、セラミック基体の底面に対して、1°以上、且つ45°以下の角度に傾いていることが好ましい。
第十四に、本発明の気密パッケージの製造方法は、ガラス蓋を用意する工程と、基部と基部上に設けられた枠部とを有するセラミック基体を用意する工程と、セラミック基体の枠部の頂部におけるガラス蓋が配されるべき領域の表面の全部又は一部をセラミック基体の底面に対して、1°以上、且つ45°以下の角度に傾斜させる工程と、セラミック基体の枠部の頂部上又はガラス蓋上に封着材料層を形成する工程と、封着材料層を介して、ガラス蓋とセラミック基体とを積層配置する工程と、ガラス蓋側から封着材料層に向けてレーザー光を照射し、封着材料層を軟化変形させることにより、セラミック基体とガラス蓋とを気密封着して、気密パッケージを得る工程と、を備えることを特徴とする。
第十五に、本発明の気密パッケージの製造方法は、物理研磨により、セラミック基体の枠部の頂部におけるガラス蓋が配されるべき領域の表面の全部又は一部をセラミック基体の底面に対して、1°以上、且つ45°以下の角度に傾斜させることが好ましい。
本発明の一実施形態を説明するための斜視概略図である。 気密パッケージにおける光の反射方向を説明するための断面概略図である。 マクロ型DTA装置で測定した時の複合粉末の軟化点を示す模式図である。
本発明の気密パッケージは、上記の通り、セラミック基体とガラス蓋とが封着材料層を介して気密封着された気密パッケージにおいて、セラミック基体が、基部と基部上に設けられた枠部とを有し、セラミック基体の枠部の頂部とガラス蓋の間に封着材料層が配されており、且つセラミック基体の枠部の頂部の上方にガラス蓋が配されると共に、セラミック基体の枠部の頂部におけるガラス蓋が配される領域の表面の全部又は一部が、セラミック基体の底面に対して、1°以上、且つ45°以下の角度に傾いていることを特徴とする。
本発明の気密パッケージにおいて、セラミック基体は、基部と基部上に設けられた枠部とを有する。このようにすれば、セラミック基体の枠部内に圧電振動素子等を収容し易くなる。
セラミック基体の枠部は、セラミック基体の外周端縁領域に沿って、額縁状に形成されていることが好ましい。このようにすれば、デバイスとして機能する有効面積を広げることができる。また圧電振動素子等をセラミック基体の枠部内に収容し易くなる。
本発明の気密パッケージにおいて、セラミック基体の枠部の頂部におけるガラス蓋が配される領域の表面は、セラミック基体の底面に対して、1°以上、且つ45°以下の角度に傾いており、好ましくは3°以上、且つ30°以下の角度に傾いており、より好ましくは5°以上、且つ25°以下の角度に傾いており、更に好ましくは7°以上、且つ20°以下の角度に傾いている。この傾斜角度が小さいと、ガラス蓋の表面で反射した光が映像として投影され易くなる。一方、この傾斜角度が大きいと、セラミック基体の枠部の壁面により、光反射部材で反射された光が映像として投影され難くなる。
セラミック基体の枠部の頂部の表面において、セラミック基体の底面に対して傾斜している表面の面積割合は、好ましくは40%以上、60%以上、80%以上、90%以上、特に好ましくは100%、つまり枠部の頂部の表面全体が傾斜面である。上記傾斜面の面積割合が小さいと、ガラス蓋を枠部の頂部上に固定し難くなる。
セラミック基体の枠部の頂部における封着材料層が配される表面の表面粗さRaが1.0μm未満であることが好ましい。この表面の表面粗さRaが大きくなると、レーザー封着の精度が低下し易くなる。
セラミック基体は、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、ガラスセラミックの何れかであることが好ましい。窒化アルミニウムと酸化アルミニウムは、放熱性が良好であるため、気密パッケージが過度に発熱する事態を適正に防止することができる。また、ガラスセラミックは、サーマルビアを容易に形成し得るため、気密パッケージが過度に発熱する事態を適正に防止することができる。
セラミック基体の熱伝導率は100W/(m・K)以上、150W/(m・K)以上、特に200W/(m・K)以上が好ましい。セラミック基体の熱伝導率が高いと、セラミック基体が放熱し易くなるため、レーザー封着時にセラミック基体と封着材料層の界面で封着材料層の温度が上がり難くなる。
セラミック基体は、黒色顔料が分散されている(黒色顔料が分散された状態で焼結されてなる)ことが好ましい。このようにすれば、セラミック基体が、封着材料層を透過したレーザー光を吸収することができる。その結果、レーザー封着時にセラミック基体が加熱されるため、封着材料層とセラミック基体の界面で反応層の形成を促進することができる。
セラミック基体は、照射すべきレーザー光を吸収する性質を有すること、つまり厚み0.5mm、照射すべきレーザー光の波長における全光線透過率が10%以下(望ましくは5%以下)であることが好ましい。同様にして、セラミック基体は、厚み0.5mm、波長808nmにおける全光線透過率が10%以下(望ましくは5%以下)であることが好ましい。このようにすれば、セラミック基体と封着材料層の界面で封着材料層の温度が上がり易くなる。
セラミック基体は、レーザー吸収材(例えば黒色顔料)を含んだ状態で焼結されていることが好ましい。このようにすれば、セラミック基体に対して、照射すべきレーザー光を吸収する性質を付与することができる。
セラミック基体の基部の厚みは0.1〜2.5mm、特に0.2〜1.5mmが好ましい。これにより、気密パッケージの薄型化を図ることができる。
封着材料層は、レーザー封着時に軟化変形して、セラミック基体の表層に反応層を形成するものである。
封着材料層の平均厚みは、8.0μm未満、特に6.0μm未満が好ましい。封着材料層の平均厚みが小さい程、封着材料層とガラス蓋の熱膨張係数が不整合である時に、レーザー封着後に封着部分に残留する応力を低減することができる。またレーザー封着の精度を高めることもできる。なお、上記のように封着材料層の平均厚みを規制する方法としては、複合粉末ペーストを薄く塗布する方法、封着材料層の表面を研磨処理する方法が挙げられる。
封着材料層の表面粗さRaは0.5μm未満、0.2μm以下、特に0.01〜0.15μmが好ましい。また、封着材料層の表面粗さRMSは1.0μm未満、0.5μm以下、特に0.05〜0.3μmが好ましい。このようにすれば、セラミック基体と封着材料層の密着性が向上し、レーザー封着の精度が向上する。なお、上記のように封着材料層の表面粗さRa、RMSを規制する方法としては、封着材料層の表面を研磨処理する方法、耐火性フィラー粉末の粒度を小さくする方法が挙げられる。なお、「表面粗さRMS」は、例えば、触針式又は非接触式のレーザー膜厚計や表面粗さ計により測定することができる。
封着材料層の線幅は、好ましくは350μm以下、300μm以下、250μm以下、特に200μm以下が好ましい。封着材料層の線幅が大き過ぎると、気密パッケージに残留する応力が大きくなり易い。
封着材料層の厚み方向の波長808nmにおける全光線透過率は、好ましくは5%以上、10%以上、15%以上、20%以上、特に25%以上である。封着材料層の厚み方向の波長808nmにおける全光線透過率が低過ぎると、ガラス蓋側から封着材料層に向けてレーザー光を照射した場合に、封着材料層のガラス蓋側の領域が優先的に軟化流動してしまい、セラミック基体と封着材料層の界面で温度が上昇し難くなって、セラミック基体の表層で反応層が形成され難くなる。一方、封着材料層の厚み方向の波長808nmにおける全光線透過率は、好ましくは80%以下、60%以下、50%以下、45%以下、特に40%以下である。封着材料層の厚み方向の波長808nmにおける全光線透過率が高過ぎると、ガラス蓋側から封着材料層に向けてレーザー光を照射しても、封着材料層がレーザー光を的確に吸収せず、封着材料層の温度が上がり難くなり、セラミック基体の表層で反応層が形成され難くなる。
封着材料層は、少なくともガラス粉末と耐火性フィラー粉末を含む複合粉末の焼結体が好ましい。複合粉末として、種々の材料が使用可能である。その中でも、封着強度を高める観点から、ビスマス系ガラス粉末と耐火性フィラー粉末を含む複合粉末を用いることが好ましい。特に、複合粉末として、55〜95体積%のビスマス系ガラスと5〜45体積%の耐火性フィラー粉末を含有する複合粉末を用いることが好ましく、60〜85体積%のビスマス系ガラスと15〜40体積%の耐火性フィラー粉末を含有する複合粉末を用いることが更に好ましく、60〜80体積%のビスマス系ガラスと20〜40体積%の耐火性フィラー粉末を含有する複合粉末を用いることが特に好ましい。耐火性フィラー粉末を添加すれば、封着材料層の熱膨張係数が、ガラス蓋とセラミック基体の熱膨張係数に整合し易くなる。その結果、レーザー封着後に封着部分に不当な応力が残留する事態を防止し易くなる。一方、耐火性フィラー粉末の含有量が多過ぎると、ビスマス系ガラス粉末の含有量が相対的に少なくなるため、封着材料層の表面平滑性が低下して、レーザー封着の精度が低下し易くなる。
複合粉末の軟化点は、好ましくは500℃以下、480℃以下、特に450℃以下である。複合粉末の軟化点が高過ぎると、封着材料層の表面平滑性を高め難くなる。複合粉末の軟化点の下限は特に設定されないが、ガラス粉末の熱的安定性を考慮すれば、複合粉末の軟化点は350℃以上が好ましい。ここで、「軟化点」は、マクロ型DTA装置で測定した際の第四変曲点であり、図3中のTsに相当する。
ビスマス系ガラスは、ガラス組成として、モル%で、Bi 28〜60%、B 15〜37%、ZnO 1〜30%含有することが好ましい。各成分の含有範囲を上記のように限定した理由を以下に説明する。なお、ガラス組成範囲の説明において、%表示はモル%を指す。
Biは、軟化点を低下させるための主要成分であり、その含有量は28〜60%、33〜55%、特に35〜45%が好ましい。Biの含有量が少な過ぎると、軟化点が高くなり過ぎて、流動性が低下し易くなる。一方、Biの含有量が多過ぎると、レーザー封着時にガラスが失透し易くなり、この失透に起因して、流動性が低下し易くなる。
は、ガラス形成成分として必須の成分であり、その含有量は15〜37%、19〜33%、特に22〜30%が好ましい。Bの含有量が少な過ぎると、ガラスネットワークが形成され難くなるため、レーザー封着時にガラスが失透し易くなる。一方、Bの含有量が多過ぎると、ガラスの粘性が高くなり、流動性が低下し易くなる。
ZnOは、耐失透性を高める成分であり、その含有量は1〜30%、3〜25%、5〜22%、特に7〜20%が好ましい。ZnOの含有量が上記範囲外になると、ガラス組成の成分バランスが損なわれて、耐失透性が低下し易くなる。
上記成分以外にも、例えば、以下の成分を添加してもよい。
SiOは、耐水性を高める成分であり、その含有量は0〜5%、0〜3%、0〜2%、特に0〜1%が好ましい。SiOの含有量が多過ぎると、軟化点が不当に上昇する。またレーザー封着時にガラスが失透し易くなる。
Alは、耐水性を高める成分であり、その含有量は0〜10%、0.1〜5%、特に0.5〜3%が好ましい。Alの含有量が多過ぎると、軟化点が不当に上昇する虞がある。
LiO、NaO及びKOは、耐失透性を低下させる成分である。よって、LiO、NaO及びKOの含有量は、それぞれ0〜5%、0〜3%、特に0〜1%未満である。
MgO、CaO、SrO及びBaOは、耐失透性を高める成分であるが、軟化点を上昇させる成分である。よって、MgO、CaO、SrO及びBaOの含有量は、それぞれ0〜20%、0〜10%、特に0〜5%である。
ビスマス系ガラスの軟化点を下げるためには、ガラス組成中にBiを多量に導入する必要があるが、Biの含有量を増加させると、レーザー封着時にガラスが失透し易くなり、この失透に起因して流動性が低下し易くなる。特に、Biの含有量が30%以上になると、その傾向が顕著になる。この対策として、CuOを添加すれば、Biの含有量が30%以上であっても、ガラスの失透を効果的に抑制することができる。更にCuOを添加すれば、レーザー封着時のレーザー吸収特性を高めることができる。CuOの含有量は0〜40%、5〜35%、10〜30%、特に13〜25%が好ましい。CuOの含有量が多過ぎると、ガラス組成の成分バランスが損なわれて、逆に耐失透性が低下し易くなる。また封着材料層の全光線透過率が低くなり過ぎる。
Feは、耐失透性とレーザー吸収特性を高める成分であり、その含有量は0〜10%、0.1〜5%、特に0.4〜2%が好ましい。Feの含有量が多過ぎると、ガラス組成の成分バランスが損なわれて、逆に耐失透性が低下し易くなる。
MnOは、レーザー吸収特性を高める成分であり、その含有量は0〜25%、特に5〜15%が好ましい。MnOの含有量が多過ぎると、ガラス組成の成分バランスが損なわれて、耐失透性が低下し易くなる。
Sbは、耐失透性を高める成分であり、その含有量は0〜5%、特に0〜2%が好ましい。Sbの含有量が多過ぎると、ガラス組成の成分バランスが損なわれて、逆に耐失透性が低下し易くなる。
ガラス粉末の平均粒径D50は15μm未満、0.5〜10μm、特に1〜5μmが好ましい。ガラス粉末の平均粒径D50が小さい程、ガラス粉末の軟化点が低下する。
耐火性フィラー粉末として、コーディエライト、ジルコン、酸化錫、酸化ニオブ、リン酸ジルコニウム系セラミック、ウイレマイト、β−ユークリプタイト、β−石英固溶体から選ばれる一種又は二種以上を用いることが好ましく、特にβ−ユークリプタイト又はコーディエライトが好ましい。これらの耐火性フィラー粉末は、熱膨張係数が低いことに加えて、機械的強度が高く、しかもビスマス系ガラスとの適合性が良好である。
耐火性フィラー粉末の平均粒径D50は、好ましくは2μm未満、特に1.5μm未満である。耐火性フィラー粉末の平均粒径D50が2μm未満であると、封着材料層の表面平滑性が向上すると共に、封着材料層の平均厚みを8.0μm未満に規制し易くなり、結果として、レーザー封着の精度を高めることができる。
耐火性フィラー粉末の99%粒径D99は、好ましくは5μm未満、4μm以下、特に3μm以下である。耐火性フィラー粉末の99%粒径D99が5μm未満であると、封着材料層の表面平滑性が向上すると共に、封着材料層の平均厚みを8.0μm未満に規制し易くなり、結果として、レーザー封着の精度を高めることができる。ここで、「平均粒径D50」と「99%粒径D99」は、レーザー回折法により体積基準で測定した値を指す。
封着材料層は、光吸収特性を高めるために、更にレーザー吸収材を含んでもよいが、レーザー吸収材は、封着材料層の光吸収特性を過剰に高めると共に、ビスマス系ガラスの失透を助長する作用を有する。よって、封着材料層中のレーザー吸収材の含有量は、好ましくは10体積%以下、5体積%以下、1体積%以下、0.5体積%以下、特に実質的に含有しないことが好ましい。なお、レーザー吸収材として、Cu系酸化物、Fe系酸化物、Cr系酸化物、Mn系酸化物及びこれらのスピネル型複合酸化物等が使用可能である。
封着材料層の熱膨張係数は、好ましくは60×10−7〜95×10−7/℃、65×10−7〜82×10−7/℃、特に68×10−7〜76×10−7/℃である。このようにすれば、封着材料層の熱膨張係数がガラス蓋やセラミック基体の熱膨張係数に整合して、封着部分に残留する応力が小さくなる。なお、「熱膨張係数」は、30〜300℃の温度範囲において、TMA(押棒式熱膨張係数測定)装置で測定した値である。
封着材料層は、種々の方法により形成可能であるが、その中でも、複合粉末ペーストの塗布、焼結により形成することが好ましい。そして、複合粉末ペーストの塗布は、ディスペンサーやスクリーン印刷機等の塗布機を用いることが好ましい。このようにすれば、封着材料層の寸法精度を高めることができる。ここで、複合粉末ペーストは、複合粉末とビークルの混合物である。そして、ビークルは、通常、溶媒と樹脂を含む。樹脂は、ペーストの粘性を調整する目的で添加される。また、必要に応じて、界面活性剤、増粘剤等を添加することもできる。
複合粉末ペーストは、セラミック基体の枠部の頂部上に塗布してもよいが、ガラス蓋の外周端縁領域に沿って、額縁状に塗布することが好ましい。このようにすれば、圧電振動素子の熱劣化を抑制しつつ、圧電振動素子等から反射される光を広範囲に投影することができる。
複合粉末ペーストは、通常、三本ローラー等により、複合粉末とビークルを混練することにより作製される。ビークルは、通常、樹脂と溶剤を含む。ビークルに用いる樹脂として、アクリル酸エステル(アクリル樹脂)、エチルセルロース、ポリエチレングリコール誘導体、ニトロセルロース、ポリメチルスチレン、ポリエチレンカーボネート、ポリプロピレンカーボネート、メタクリル酸エステル等が使用可能である。ビークルに用いる溶剤として、N、N’−ジメチルホルムアミド(DMF)、α−ターピネオール、高級アルコール、γ−ブチルラクトン(γ−BL)、テトラリン、ブチルカルビトールアセテート、酢酸エチル、酢酸イソアミル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ベンジルアルコール、トルエン、3−メトキシ−3−メチルブタノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレンカーボネート、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリドン等が使用可能である。
ガラス蓋として、種々のガラスが使用可能である。例えば、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラスが使用可能である。特に、紫外波長領域の全光線透過率を高めるために、低鉄含有ガラス蓋(ガラス組成中のFeの含有量が0.015質量%以下、特に0.010質量%未満)を用いることが好ましい。
ガラス蓋の片面又は両面に各種機能膜を形成してもよい。特に、ガラス蓋の片面又は両面に反射防止膜が形成されていることが好ましい。これにより、ガラス蓋の表面で反射する光が少なくなり、鮮明な映像を得易くなる。
ガラス蓋の板厚は0.01〜2.0mm、0.1〜1mm、特に0.2〜0.7mmが好ましい。これにより、気密パッケージの薄型化を図ることができる。また紫外波長領域の全光線透過率を高めることができる。
封着材料層とガラス蓋の熱膨張係数差は40×10−7/℃未満、特に25×10−7/℃以下が好ましい。これらの熱膨張係数差が大き過ぎると、封着部分に残留する応力が不当に高くなり、気密パッケージの気密信頼性が低下し易くなる。
本発明の気密パッケージは、セラミック基体とガラス蓋とが封着材料層を介して気密封着された気密パッケージにおいて、セラミック基体が、基部と基部上に設けられた枠部とを有し、セラミック基体の枠部の頂部とガラス蓋の間に封着材料層が配されており、且つセラミック基体の枠部の頂部側に、封着材料層を介してガラス蓋が配されると共に、ガラス蓋の外側表面の全部又は一部が、セラミック基体の底面に対して、1°以上、且つ45°以下の角度に傾いていることを特徴とする。本発明の気密パッケージは、上記の通り、セラミック基体の枠部に傾斜面を形成することにより、ガラス蓋の外側表面をセラミック基体の底面に対して傾斜させているが、それ以外にも、ガラス蓋の外側表面を傾斜させる方法として、例えば、セラミック基体の枠部に傾斜面を形成せずに、ガラス蓋を研磨加工、熱加工等することにより、ガラス蓋の外側表面をセラミック基体の底面に対して傾斜させてもよい。また、セラミック基体の枠部に傾斜面を形成せずに、封着材料層の厚みを調整することにより、ガラス蓋の外側表面をセラミック基体の底面に対して傾斜させてもよい。前者の方法の場合は、セラミック基体の生産効率を高めることができる。後者の方法の場合は、ガラス蓋について別途の加工が不要になり、ガラス蓋の外側表面と内側表面は略同等の傾斜角度になる。
本発明の気密パッケージの製造方法は、ガラス蓋を用意する工程と、基部と基部上に設けられた枠部とを有するセラミック基体を用意する工程と、セラミック基体の枠部の頂部におけるガラス蓋が配されるべき領域の表面の全部又は一部をセラミック基体の底面に対して、1°以上、且つ45°以下の角度に傾斜させる工程と、セラミック基体の枠部の頂部上又はガラス蓋上に封着材料層を形成する工程と、封着材料層を介して、ガラス蓋とセラミック基体とを積層配置する工程と、ガラス蓋側から封着材料層に向けてレーザー光を照射し、封着材料層を軟化変形させることにより、セラミック基体とガラス蓋とを気密封着して、気密パッケージを得る工程と、を備えることを特徴とする。本発明の気密パッケージの製造方法の技術的特徴は、本発明の気密パッケージの技術的特徴と重複している。本明細書では、その重複部分について、便宜上、詳細な説明を省略する。
本発明の気密パッケージの製造方法において、物理研磨により、セラミック基体の枠部の頂部におけるガラス蓋が配されるべき領域の表面の全部又は一部をセラミック基体の底面に対して、1°以上、且つ45°以下の角度に傾斜させることが好ましい。このようにすれば、傾斜表面の寸法精度を高めることができる。なお、物理研磨に用いる研磨粉、研磨装置は、公知の研磨粉、研磨装置を適宜使用することができる。
本発明の気密パッケージの製造方法は、ガラス蓋側から封着材料層に向けてレーザー光を照射し、封着材料層を軟化変形させることにより、セラミック基体とガラス蓋とを気密封着して、気密パッケージを得る工程を有する。この場合、ガラス蓋をセラミック基体の下方に配置してもよいが、レーザー封着の効率の観点から、ガラス蓋をセラミック基体の上方に配置することが好ましい。
レーザーとして、種々のレーザーを使用することができる。特に、半導体レーザー、YAGレーザー、COレーザー、エキシマレーザー、赤外レーザーは、取扱いが容易な点で好ましい。
レーザー封着を行う雰囲気は特に限定されず、大気雰囲気でもよく、窒素雰囲気等の不活性雰囲気でもよい。
レーザー封着を行う際に、(100℃以上、且つセラミック基体内の圧電振動素子等の耐熱温度以下)の温度でガラス蓋を予備加熱すると、サーマルショックによるガラス蓋の割れを抑制することができる。またレーザー封着直後に、ガラス蓋側からアニールレーザーを照射すると、サーマルショックによるガラス蓋の割れを抑制することができる。
ガラス蓋を押圧した状態でレーザー封着を行うことが好ましい。これにより、レーザー封着時に封着材料層の軟化変形を促進することができる。
以下、実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。なお、以下の実施例は、単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
まずビスマス系ガラス粉末と、耐火性フィラー粉末とを表1に記載の割合で混合して、表1に記載の複合粉末を作製した。ここで、ビスマス系ガラス粉末の平均粒径D50は1.0μm、99%粒径D99は2.5μmであった。耐火性フィラー粉末の平均粒径D50は1.0μm、99%粒径D99は2.5μmであった。
得られた複合粉末につき、熱膨張係数を測定した。その結果を表1に示す。なお、熱膨張係数は、押棒式TMA装置で測定した値であり、測定温度範囲は30〜300℃である。
次に、上記複合粉末を用いて、ガラス蓋(縦10mm×横10mm×厚み0.2mm、アルカリホウケイ酸ガラス基板、熱膨張係数66×10−7/℃)の外周端縁上に額縁状の封着材料層を形成した。詳述すると、まず粘度が約100Pa・s(25℃、Shear rate:4)になるように、表1に記載の複合粉末、ビークル及び溶剤を混練した後、更に三本ロールミルで粉末が均一に分散するまで混錬して、ペースト化し、複合粉末ペーストを得た。ビークルにはグリコールエーテル系溶剤にエチルセルロース樹脂を溶解させたものを使用した。次に、ガラス蓋の外周端縁に沿って、スクリーン印刷機により上記の複合粉末ペーストを額縁状に印刷した。更に、大気雰囲気下にて、120℃で10分間乾燥した後、大気雰囲気下にて、500℃で10分間焼成して、5.0μm厚、幅200μmの封着材料層をガラス蓋上に形成した。
また、酸化アルミニウム基体(縦10mm×横10mm×基部厚み0.7mm、熱膨張係数70×10−7/℃)を用意した。枠部は、幅600μm、高さ400μmの額縁状であり、酸化アルミニウム基体の基部の外周端縁上に沿って形成されている。
次に、酸化アルミニウム基体の枠部の頂部の表面全体を研磨して、酸化アルミニウム基体の枠部の頂部の表面全体をセラミック基体の底面に対して表中に記載の角度に傾斜させた。なお、この傾斜表面の表面粗さRaは何れも0.5μmであった。
続いて、酸化アルミニウム基体の枠部内に圧電振動素子を収容した。最後に、酸化アルミニウム基体の枠部の頂部と封着材料層が接触するように、酸化アルミニウム基体とガラス蓋を積層配置した後、ガラス蓋側から封着材料層に向けて波長808nm、7Wの半導体レーザーを照射して、封着材料層を軟化変形させることにより、酸化アルミニウム基体とガラス蓋とを気密封着して、各気密パッケージ(試料No.1〜4)を得た。
得られた気密パッケージについて、封着強度を評価した。詳述すると、得られた気密パッケージから酸化アルミニウム基体を分離した後、酸化アルミニウム基体の枠部の頂部に配された封着材料層を除去し、枠部の頂部の表層を目視観察したところ、反応痕が認められたものを「○」、反応痕が認められなかったものを「×」として、封着強度を評価した。
得られた気密パッケージについて、気密信頼性を評価した。詳述すると、得られた気密パッケージに対して、高温高湿高圧試験:HAST試験(Highly Accelerated Temperature and Humidity Stress test)を行った後、封着材料層の近傍を観察したところ、変質、クラック、剥離等が全く認められなかったものを「○」、変質、クラック、剥離等が認められたものを「×」として気密信頼性を評価した。なお、HAST試験の条件は、121℃、湿度100%、2atm、24時間である。
得られた気密パッケージについて、外部から45°の角度で光を圧電振動素子に向けて入射した時に、ガラス蓋での反射光が映像として投影されなかったものを「○」、映像として投影されたものを「×」として評価した。
表1から明らかなように、試料No.1〜3は、封着強度と気密信頼性の評価が良好であり、更に酸化アルミニウム基体の枠部の頂部が適正に傾いているため、ガラス蓋の表面で反射した光が映像として投影されなかった。一方、試料No.4は、酸化アルミニウム基体の枠部の頂部が傾いていないため、ガラス蓋の表面で反射した光が映像として投影されてしまった。
本発明の気密パッケージは、圧電振動素子が実装された気密パッケージに好適であるが、それ以外にも量子ドットを分散させた樹脂等を収容する気密パッケージ等にも好適に適用可能である。
1 気密パッケージ
10 セラミック基体
11 ガラス蓋
12 基部
13 枠部14 光反射部材(圧電振動素子)
15 枠部の頂部
16 封着材料層
17 レーザー照射装置
L レーザー光

Claims (15)

  1. セラミック基体とガラス蓋とが封着材料層を介して気密封着された気密パッケージにおいて、
    セラミック基体が、基部と基部上に設けられた枠部とを有し、
    セラミック基体の枠部の頂部とガラス蓋の間に封着材料層が配されており、
    封着材料層の厚み方向の波長808nmにおける全光線透過率が5%以上、且つ80%以下であり、
    且つセラミック基体の枠部の頂部側に、封着材料層を介してガラス蓋が配されると共に、セラミック基体の枠部の頂部におけるガラス蓋が配される領域の表面の全部又は一部が、セラミック基体の底面に対して、1°以上、且つ45°以下の角度に傾いていることを特徴とする気密パッケージ。
  2. セラミック基体の枠部の頂部における封着材料層が配される表面の表面粗さRaが1.0μm未満であることを特徴とする請求項1に記載の気密パッケージ。
  3. 封着材料層が、少なくともビスマス系ガラス粉末と耐火性フィラー粉末を含む複合粉末の焼結体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の気密パッケージ。
  4. 封着材料層の厚み方向の波長808nmにおける全光線透過率が10%以上、且つ60%以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の気密パッケージ。
  5. 封着材料層が実質的にレーザー吸収材を含んでいないことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の気密パッケージ。
  6. 封着材料層の平均厚みが8.0μm未満であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の気密パッケージ。
  7. セラミック基体の熱伝導率が100W/(m・K)以上であることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の気密パッケージ。
  8. セラミック基体が、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、ガラスセラミックの何れかであることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の気密パッケージ。
  9. ガラス蓋の片面又は両面に反射防止膜が形成されていることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の気密パッケージ。
  10. セラミック基体の枠部内に、圧電振動素子が収容されていることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の気密パッケージ。
  11. セラミック基体が、照射すべきレーザー光を吸収する性質を有することを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載の気密パッケージ。
  12. セラミック基体とガラス蓋とが封着材料層を介して気密封着された気密パッケージにお
    いて、
    セラミック基体が、基部と基部上に設けられた枠部とを有し、
    セラミック基体の枠部の頂部とガラス蓋の間に封着材料層が配されており、
    且つセラミック基体の枠部の頂部側に、封着材料層を介してガラス蓋が配されると共に、ガラス蓋の外側表面の全部又は一部が、セラミック基体の底面に対して、1°以上、且つ45°以下の角度に傾いていることを特徴とする気密パッケージ。
  13. ガラス蓋の内側表面の全部又は一部が、セラミック基体の底面に対して、1°以上、且つ45°以下の角度に傾いていることを特徴とする請求項1〜12の何れかに記載の気密パッケージ。
  14. ガラス蓋を用意する工程と、
    基部と基部上に設けられた枠部とを有するセラミック基体を用意する工程と、
    セラミック基体の枠部の頂部におけるガラス蓋が配されるべき領域の表面の全部又は一部をセラミック基体の底面に対して、1°以上、且つ45°以下の角度に傾斜させる工程と、
    セラミック基体の枠部の頂部上又はガラス蓋上に封着材料層を形成する工程と、
    封着材料層を介して、ガラス蓋とセラミック基体とを積層配置する工程と、
    ガラス蓋側から封着材料層に向けてレーザー光を照射し、封着材料層を軟化変形させることにより、セラミック基体とガラス蓋とを気密封着して、気密パッケージを得る工程と、を備えることを特徴とする気密パッケージの製造方法。
  15. 物理研磨により、セラミック基体の枠部の頂部におけるガラス蓋が配されるべき領域の表面の全部又は一部をセラミック基体の底面に対して、1°以上、且つ45°以下の角度に傾斜させることを特徴とする請求項14に記載の気密パッケージの製造方法。
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