JP2014056127A - スペーサ、スペーサ集合体、ウェハレベルパッケージ構造体、およびスペーサの製造方法 - Google Patents

スペーサ、スペーサ集合体、ウェハレベルパッケージ構造体、およびスペーサの製造方法 Download PDF

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利久 岡田
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【課題】ウェハレベルパッケージ構造体の側面方向からの光を遮断できるとともに、ウェハレベルパッケージ構造体内部の散乱光による影響を抑制できるスペーサを提供する。
【解決手段】ウェハレベルパッケージ構造体用のスペーサであって、光吸収材料を含有する、ガラス材料以外のセラミックス材料からなるもの。
【選択図】図1

Description

本発明は、スペーサ、スペーサ集合体、ウェハレベルパッケージ構造体、およびスペーサの製造方法に係り、特に、ウェハレベルパッケージ構造体に使用されるスペーサ、該スペーサを有するスペーサ集合体およびウェハレベルパッケージ構造体、ならびに該スペーサの製造方法に関する。
近年、撮像素子やMEMS(Micro Electro Mechanical Systems;マイクロマシン)素子等の電子部品を封止する電子部品パッケージとして、ウェハレベルパッケージが用いられるようになっている。ウェハレベルパッケージは、ウェハレベルで製造が行われるものであり、ダイシング前のウェハレベルで封止工程等が行われる。ウェハレベルパッケージは、単独で実装基板に実装される他、他の構造物が積層された状態で実装基板に実装される。
ウェハレベルパッケージの1種である撮像素子を封止した撮像装置の場合、例えば、その受光面側に複数のレンズエレメントを有するレンズユニットが配置されて、ウェハレベルカメラモジュール(WLCM)として実装基板に実装される。レンズユニットとしては、例えば、複数のレンズエレメントの側方部分を支持して固定するものや、複数のレンズエレメントの間にスペーサを配置して固定するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。スペーサとしては、例えば、ガラスウェハからなるものが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
このうちスペーサを用いたレンズユニットは、例えば以下のようにして製造される。まず、レンズエレメントとなる複数の領域、すなわち撮像装置に対応する複数の領域を有するガラスウェハを用いて、その各領域にプラスチック材料等によりレンズ部を形成してレンズエレメント集合体(レンズエレメントウェハ)を製造する。また、上記ガラスウェハと同様の大きさを有する他のガラスウェハを用いて、上記各領域に対応するように貫通孔を形成してスペーサ集合体(スペーサ用ウェハ)を製造する。これらレンズエレメント集合体とスペーサ集合体とを所定の順序で積層してレンズユニット集合体(レンズユニットウェハ)とする。さらに、レンズユニット集合体をダイシングして、複数のレンズユニットを製造する。その後、撮像装置上にレンズユニットを積層することで、ウェハレベルカメラモジュールを製造する。
特開2010−11230号公報(図3)
Romain Fraux、"OmniVision's VGA wafer-level camera"、[online]、3D packaging、Yole Developpement、FEBRUARY 2012、ISSUE No22、p.26-27、インターネット〈URL:http://www.bluetoad.com/publication/?i=100874>
上記したような撮像装置では、被写体からの光を、レンズによって撮像素子の受光面に収束させるとともに、この受光面上の光量に応じた受光信号に基づき、画像信号を出力する。
しかしながら、このような撮像装置では、被写体からの光をレンズで受光するときに、レンズの正面以外の方向、すなわちレンズユニットの側面から光が漏れこむことがある。この場合、レンズユニット側面からの入射光は、レンズによる収束を受けることなく、レンズユニット内を進行することから、このような入射光が撮像素子の受光面に達すると、撮像画像の鮮明度が損なわれて、画像ぼけ等の不具合が生じることがある。
また、レンズの正面方向から入射する光でも、例えばレンズの受光面に対する入射角が小さい等により、屈折することなくレンズユニット内に入射する場合、またはレンズに微小な歪みがある場合等には、レンズユニット内で散乱光を生じることがある。このような散乱光が撮像素子の受光面に達した場合にも、得られる画像の鮮明度が損なわれる。
このような問題を解決するため、例えば、特許文献1には、固体撮像装置10、レンズユニット20を含むカメラモジュール全体の側面を、金属蒸着膜1で覆うようにしたカメラモジュールが提案されている。
しかしながら、この場合には、カメラモジュール全体の組み立てを行った後、その側面全体に金属蒸着膜等を設ける工程が必要となることから、製造工程が煩雑になる。
また、レンズユニットの孔内部に遮光性を持たせる手法として、スルーホール印刷の要領で孔内部の表面に黒色のペーストや銀ペーストなどを用いて遮光性のある膜を塗布することも可能である。しかし、このような方法は、製造工程が煩雑になるうえ、スルーホール印刷は印刷膜厚の制御が難しく、求められる孔径の公差内で安定的に生産することは困難であるため、遮光性をもつスペーサを作成する方法としての実用化はされていない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、ウェハレベルパッケージ構造体に使用されるスペーサであって、側面からの光を遮断できるとともに、ウェハレベルパッケージ構造体内部の散乱光による影響を抑制できるスペーサの提供を目的とする。
また、本発明は、このようなスペーサの集合体であるスペーサ集合体の提供を目的とする。さらに、本発明は、このようなスペーサを用いたウェハレベルパッケージ構造体の提供を目的としている。また、本発明は、このようなスペーサの製造方法の提供を目的とする。
本発明のスペーサは、ウェハレベルパッケージ構造体用のスペーサであって、光吸収材料を含有する、ガラス材料以外のセラミックス材料からなることを特徴とする。
なお、本発明のスペーサが適用されるウェハレベルパッケージ構造体は、少なくともウェハレベルパッケージを有するものであればよく、ウェハレベルパッケージのみからなるものでもよいし、ウェハレベルパッケージに他のユニットが積層されたものであってもよい。また、本発明のスペーサは、このようなウェハレベルパッケージ構造体のウェハレベルパッケージ部分に用いられるものでもよいし、ユニット部分に用いられるものであってもよい。
本発明のスペーサ集合体は、本発明のスペーサが複数結合されてなることを特徴とする。
本発明のウェハレベルパッケージ構造体は、ウェハレベルパッケージを少なくとも有するとともに、ウェハレベルパッケージの内部または外部に空隙部を形成するスペーサを有するものであって、前記スペーサとして本発明のスペーサを有することを特徴とする。
本発明のスペーサの製造方法は、光吸収材料を含有する、ガラス材料以外のセラミックス材料からなり、かつウェハレベルパッケージ構造体用のスペーサとなる複数の領域を有するセラミックスグリーンシートを製造するシート製造工程と、前記領域に貫通孔を形成する孔部形成工程と、前記セラミックスグリーンシートを焼成してスペーサ集合体とする焼成工程とを有することを特徴とする。
本発明のスペーサは、光吸収材料を含有する、ガラス材料以外のセラミックス材料からなる。本発明のスペーサによれば、側面からの光を遮断するとともに、ウェハレベルパッケージ構造体内部における散乱光を吸収できる。したがって、例えば、レンズユニットを有する撮像装置に適用したときに、レンズによる収束光以外の光の影響を抑制でき、画像ぼけのない鮮明な画像を得ることができる。
また、本発明のスペーサは、光吸収材料を含有する、ガラス材料以外のセラミックス材料からなるものとすることで、例えば黒色部材等の有色部材でスペーサ表面を被覆する工程が不要となるため、ウェハレベルパッケージ構造体を製造するときの作業工程を簡略化できる。
本発明のスペーサ集合体によれば、本発明のスペーサが複数結合されていることから、本発明のスペーサを効率的に製造できる。
本発明のウェハレベルパッケージ構造体によれば、本発明のスペーサを有することから、例えば、ウェハレベルカメラモジュールに適用した場合、側面からの光が遮断されるとともに、ウェハレベルパッケージ構造体内部の散乱光による影響が抑制され、画像ぼけのない鮮明な画像を得ることができる。
本発明の製造方法によれば、所定の工程を有することで、ウェハレベルパッケージ構造体の側面方向からの光を遮断するとともに、ウェハレベルパッケージ構造体内部の散乱光の影響を抑制可能なスペーサとすることができる。
ウェハレベルパッケージ構造体の一実施形態を模式的に示す断面図。 図1のウェハレベルパッケージ構造体に光が入射する状態を示す断面図。 スペーサの一実施形態を模式的に示す断面図。 スペーサの他の実施形態を模式的に示す断面図。 スペーサの製造に用いられるグリーンシートを示す平面図。 貫通孔が設けられたグリーンシートを示す平面図。 円形状に加工されたグリーンシートを示す平面図。 ウェハレベルパッケージ構造体の製造方法の一実施形態を示す断面図。 実施例1のスペーサ集合体の分光反射率を示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
まず、実施形態のスペーサをウェハレベルパッケージ構造体の一実施形態であるウェハレベルカメラモジュールのレンズユニット部分に適用した例について説明する。なお、以下では、ウェハレベルカメラモジュールを単にカメラモジュールと記す。
図1は、カメラモジュール10を示す断面図である。カメラモジュール10は、ウェハレベルパッケージとしての撮像装置11と、この撮像装置11の受光面側に配置されたレンズユニット12とを有する。
撮像装置11は、例えば、素子基板13と、この素子基板13に対向して配置された透明基板等からなる封止基板14と、これらの間に封止された受光素子15とを有するウェハレベルチップサイズパッケージである。素子基板13と封止基板14とは、受光素子15を囲むように配置された接着層16によって貼り合わされている。受光素子15は、素子基板13、封止基板14、および接着層16によって気密に封止されている。
素子基板13の表面には、例えば、受光素子15を囲むように電極パッド17が複数配置されている。受光素子15と電極パッド17との間には、図示しない周辺回路が形成されている。電極パッド17は、受光素子15やその周辺回路へ配線によって接続されており、受光素子15やその周辺回路に電気信号を入力したり、あるいはそれらから出力された電気信号を取り出すための外部接続用のパッドである。
受光素子15は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子である。受光素子15の受光面には、例えば、図示しないカラーフィルタが設けられる。受光素子15では、電極パッド17を通じて入力された電気信号に応じて、露光および受光信号の読み出しが行われ、読み出された受光信号が電極パッド17を通じて外部へ出力されるようになっている。
素子基板13の裏面側には、複数の半田ボール18が配設されている。半田ボール18は、プリント基板等の実装基板に実装するための外部接続端子として機能するものであり、例えばSn−Ag−Cu等の無鉛高融点はんだ等よりなる。半田ボール18の位置は、実装基板側の接合パッドの位置に応じて適宜設定される。これにより、電極パッド17の配列が半田ボール18の配列に変換され、実装基板に直接実装できる。
素子基板13の内部には、電極パッド17に対応する位置に貫通ビア19が設けられている。貫通ビアは、素子基板13の表面から裏面に貫通する。貫通ビア19の裏面側の端部には、その表面を覆うように配線層21が形成される。また、配線層21は、半田ボール18が形成される領域である形成領域に形成される。
レンズユニット12は、例えば、撮像装置11の受光面側に図示しない接着層によって接合されている。レンズユニット12は、例えば、板状のレンズエレメント22と他の板状のレンズエレメント23とがスペーサ24を介して対向配置されている。スペーサ24は、筒状形状を有するものであって、内部が空隙部(以下、空隙部Sと示す。)とされている。このスペーサ24は、実施形態のスペーサからなるものであって、光吸収材料を含有する、ガラス材料以外のセラミックス材料からなるものである。なお、レンズエレメント22とスペーサ24との間、およびレンズエレメント23とスペーサ24との間は、図示しない接着層によって接合されている。
レンズエレメント22は、例えば、ガラス基板等の透明基板221の表面にレンズ部222が形成されたものである。同様に、レンズエレメント23は、例えば、ガラス基板等の透明基板231の表面にレンズ部232が形成されたものである。スペーサ24は、例えば、透明基板221と透明基板231との間であって、レンズ部222およびレンズ部232を囲むように設けられる。レンズユニット12には、さらにガラス基板等の透明基板251の表面に赤外線フィルタ252が形成されたフィルタエレメント25が設けられるとともに、光が入射する一部を除いて遮光部材26が設けられている。
スペーサ24は、上記したようにガラス材料以外のセラミックス材料であって、光吸収材料を含有するものから構成されている。
スペーサ24は、ガラス材料以外のセラミックス材料であって、光吸収材料を含有するものであれば、特に限定されないが、良好な遮光性、光吸収特性を得る観点から、黒色体が好ましい。
スペーサ24を、ガラス材料以外のセラミックス材料であって、光吸収材料を含有するものとすることで、図2に示すように、レンズユニット12側面からレンズユニット12内、すなわち空隙部Sへの光L1の漏れ込みを遮断できる。また、スペーサ24を、光吸収材料を含むものとすることで、図2に示すように、レンズ部232で収束されずに、空隙部Sにおいて散乱光を生じる光L2を、スペーサ24で吸収できる。このため、レンズユニット12の側面からレンズユニット12に向けて出射される光L1や、空隙部Sにおける散乱光が、受光素子15の受光面に到達する量を大幅に低減できる。このため、画像ぼけ等による画像品質の低下を抑制できる。
スペーサ24の可視光反射率は、30%以下であることが好ましい。
スペーサ24の可視光反射率が30%を超えると、空隙部Sにおける散乱光や、レンズ部232を通過することなく空隙部Sに入射した光が、スペーサ24で十分に吸収されず、これら散乱光等が、受光素子15の受光面に達するのを十分に抑制できないおそれがある。スペーサ24の可視光反射率は、より好ましくは25%以下であり、より好ましくは20%以下である。
ガラス材料以外のセラミックス材料としては、例えば、アルミナセラミックス、窒化アルミニウムセラミックス、窒化ケイ素セラミックス、炭化ケイ素セラミックス、ガラスセラミックス等が代表的なものとして挙げられる。
なお、ガラスセラミックスには、ガラス粉末とセラミックス粉末とを混合して焼結させたものが含まれる。
ガラス材料以外のセラミックス材料を用いることで、光吸収材料として例えば後述する黒色顔料と混合したときに、良好な遮光性、光吸収特性を有するスペーサ24とすることができる。
一般的なガラス材料の3点曲げ強度は55MPa程度であるが、ガラス材料以外のセラミックス材料の3点曲げ強度は、これよりも高いことから、スペーサ24、またはこのようなスペーサ24の製造に用いられるスペーサ集合体の損傷を抑制できる。また、図1から分かるようにスペーサは構造体の中で最も断面積が小さいため、スペーサの強度を上げることはパッケージ全体の強度を上げることにも寄与する。
ガラス材料以外のセラミックス材料の中でも特にグリーンシートプロセスを経るセラミックス基板は、焼成前のセラミックスグリーンシートの段階で打ち抜き加工によりスペーサ24の空隙部となる貫通孔を容易に形成できる。また、セラミックスグリーンシートの段階で打ち抜き加工を行うことで、基本的にセラミックスグリーンシートの厚さにかかわらず貫通孔を形成できる。さらに、貫通孔の過度な小径化の発生も抑制しやすく、さらに貫通孔の開口部周辺におけるバリ等の微小な凸部の発生も抑制しやすい。ここで、「小径化」とは、例えばガラスウェハにサンドブラスト加工やエッチング加工を行う方法では貫通孔の深さ方向にかけて孔径が徐々に小さくなることをいう。
ガラス材料以外のセラミックス材料としては、アルミナセラミックス、ガラスセラミックスが生産性等の観点から好ましく、特にガラスセラミックスが生産性等の観点から好ましい。すなわち、ガラスセラミックスは、ガラスマトリックス中にセラミックス粒子が分散されたものであり、アルミナセラミックス等の高温焼成セラミックスに比べて焼成温度を低くできる。また、後述する光吸収材料を含むガラスセラミックスは、例えば250MPa以上の3点曲げ強度が得られることから、一般的なガラス材料に比べて十分に高い強度が得られる。
光吸収材料としては、例えば、ガラス材料以外のセラミックス材料を黒色に着色可能な黒色顔料が使用できる。
黒色顔料としては、例えば、Cr、Co、Ni、Fe、Mn、Cuから選ばれる金属の少なくとも一種を含む金属酸化物顔料もしくは複合金属酸化物顔料、TiOもしくはTiOで表されるチタン系黒色顔料等が挙げられる。
複合金属酸化物顔料としては、具体的には、例えば、Co−Fe−Cr系黒色顔料、Cu−Cr−Mn系黒色顔料、Mn−Bi系黒色顔料、Mn−Y系黒色顔料、Fe−Cr系黒色顔料、Cr−Cu系顔料、Mn−Fe系顔料が使用でき、これらを単独または2種以上を組み合わせて用いることもできる。
これらの中でも、Cu−Cr−Mn系黒色顔料、Cr−Cu系顔料、Mn−Fe系顔料は、黒色度が高く、スペーサ24において、可視光域の光に対し優れた光吸収特性を得られるため好ましい。ここで、黒色度とは「黒み」のことであり、黒の度合いを示す。
光吸収材料の50%粒径(D50)は0.2μm以上15μm以下が好ましい。
光吸収材料の50%粒径(D50)が0.2μm未満であると、光吸収材料がスペーサ24内で均一に分散し難いため、レンズユニット12の側面方向からレンズユニット12に向けて出射される光L1を遮断できず、また空隙部Sにおいて散乱光を生じる光L2を十分に吸収できないおそれがある。このため、レンズ部232、222による収束光以外の光が受光素子15の受光面に達する割合が高まるおそれがある。
一方、光吸収材料の50%粒径(D50)が15μmを超えると、スペーサ24に光吸収材料を緻密に含有させるのが困難となり、スペーサ24において、均一な遮光性、光吸収特性を得難くなる。
光吸収材料の50%粒径(D50)を0.2μm以上15μm以下とすることで、スペーサ24において、十分な遮光性を得られるとともに、空隙部S内の散乱光に対して十分な光吸収特性を得られる。光吸収材料の50%粒径(D50)は、より好ましくは0.3μm以上7.5μm以下である。本明細書において、50%粒径(D50)はレーザ回折・散乱法による粒子径測定装置により得られる値をいう。
以下、ガラスセラミックスについて説明する。ガラスセラミックスは、上記したようにガラスマトリックス中にセラミックス粒子が分散されたものである。
ガラスマトリックスは、例えば、酸化物基準のモル百分率表示で、SiOを57〜65%、Bを13〜18%、CaOを9〜23%、Alを3〜8%、NaOおよびKOのうち少なくとも1種を0.5〜6%含有するものが好ましい。なお、本明細書において「少なくとも1種」とは、1種でもよいし、2種以上の組み合わせでもよいとの意味である。
SiOは、ガラスネットワークフォーマである。SiOが57%未満では安定なガラスを得にくく、また化学的耐久性が低下しやすい。化学的耐久性の向上から、好ましくは58%以上、より好ましくは59%以上、特に好ましくは60%以上である。65%を超えるとガラス溶融温度またはガラス転移点(Tg)が高くなりすぎるおそれがあり、好ましくは64%以下、より好ましくは63%以下である。
は、ガラスのネットワークフォーマである。Bが13%未満ではガラス溶融温度またはTgが高くなりすぎるおそれがあり、好ましくは14%以上、より好ましくは15%以上である。18%を超えると安定なガラスを得にくくなる、または化学的耐久性が低下するおそれがあり、好ましくは17%以下、より好ましくは16%以下である。
CaOは、ガラスの安定化、ガラス溶融温度の低下、焼成時の結晶の析出に寄与する成分であって、ガラスのTgを低下させる場合もある。CaOが9%未満ではガラス溶融温度が高くなりすぎるおそれがあり、好ましくは10%以上である。ガラスを溶融しやすくしたい場合等には、好ましくは12%以上、より好ましくは13%以上、特に好ましくは14%以上である。23%を超えるとガラスが不安定になるおそれがあり、好ましくは22%以下、より好ましくは21%以下、特に好ましくは20%以下、典型的には18%以下である。
Alは、ガラスの安定性、化学的耐久性、強度等を高める成分である。Alが3%未満ではガラスが不安定となりやすく、好ましくは4%以上、より好ましくは5%以上である。8%を超えるとガラス溶融温度またはTgが高くなりすぎ、好ましくは7%以下、より好ましくは6%以下である。
NaOおよびKOはTgを低下させる成分であり、少なくとも一方を含有する。合計量(NaO+KO)が0.5%未満では、ガラス溶融温度またはTgが高くなりすぎるおそれがあり、好ましくは0.8%以上である。合計量が6%を超えると化学的耐久性、特に耐酸性が低下するおそれがある。または焼成体の電気特性等が低下するおそれがあり、好ましくは5%以下、より好ましくは4%以下である。
ガラスマトリックスは本質的に上記成分からなることが好ましいが、本発明の目的を損なわない範囲でその他の成分を含有できる。その他の成分を含有する場合、その含有量は合計で10%以下が好ましい。例えば、ガラス融液の粘性を低下させる目的でTiOを含有でき、その含有量は3%以下が好ましい。また、ガラスの安定性を向上させる目的でZrOを含有でき、その含有量は3%以下が好ましい。また、ガラスの屈折率調整や、耐薬品性向上、結晶化度の調整のためNbを含有させてもよい。その含有量は10%以下が好ましい。なお、鉛酸化物は含有しないことが好ましい。
セラミックス粒子は、典型的にはアルミナ粒子である。アルミナ粒子を含有させることによって強度を高くできる。なお、セラミックス粒子は、アルミナ粒子に限らずSiO、ZrO、TiO、MgO、ムライト、AlN、Si,SiC,フォルステライトなどの他の種類のセラミックス粒子も使用できる。また、目的に応じて複数の種類のフィラーを混合して用いても良い。
セラミックス粒子の50%粒径(D50)は0.1〜5μmが好ましい。D50が0.1μm未満では、例えばガラスマトリックス中にセラミックス粒子が均一に分散されないおそれがある、またはセラミックス粒子が凝集しやすくなって取り扱い性が低下する。D50は、より好ましくは0.3μm以上である。D50が5μmを超えると緻密な焼成体が得にくくなり、3μm以下がより好ましい。
ガラスセラミックスは、体積百分率表示で、ガラスマトリックスを40〜75%、セラミックス粒子を25〜60%含有することが好ましい。
ガラスマトリックスの含有量が40%未満であると焼成によって緻密な焼成体を得られないおそれがあり、またセラミックス粒子の含有量が相対的に多くなることから表面の平滑性が損なわれるおそれがあり、好ましくは45%以上である。また、ガラスマトリックスの含有量が75%を超えると強度が不足するおそれがあり、好ましくは70%以下、より好ましくは65%以下である。
図3は、スペーサ24を拡大して示す断面図である。
スペーサ24は、筒状形状の端面に平行な平面と、この筒状形状の内面とのなす角のうち小さい方の角の角度θが80度以上であることが好ましい。上記角度θが80度未満の場合、過度な小径化が発生していることとなり、この小径化部分による光の遮断が大きくなる。上記角度θは、85度以上がより好ましい。
このような角度θは、セラミックスグリーンシートの製造および焼成によってスペーサ24を製造することで達成できる。具体的には、セラミックスグリーンシートの段階で、スペーサ24の空隙部となる貫通孔の形成を打ち抜き加工により行うことで達成できる。すなわち、従来のガラスウェハにサンドブラスト加工やエッチング加工を行う方法では貫通孔の深さ方向にかけて孔径が徐々に小さくなるが、セラミックスグリーンシートの打ち抜き加工によればこれらに比べて孔径が小さくなることを抑制できる。
ここで、スペーサ24は、複数枚のセラミックスグリーンシートを積層して焼成したものでもよい。この場合、複数枚のセラミックスグリーンシートについて、1枚ずつ貫通孔の打ち抜き加工を行ってから積層して焼成すると、図4に示すように角度θが複数存在することになる(θ〜θ)。このような場合、角度θ(θ〜θ)のうち最も小さい角度が80度以上であることが好ましい。
また、スペーサ24は、筒状形状の開口部周辺におけるバリ等の微小な凸部の高さが15μm以下であることが好ましい。このような凸部の高さについても、セラミックスグリーンシートの製造および焼成によってスペーサ24を製造することで達成できる。具体的には、セラミックスグリーンシートの段階で、スペーサ24の空隙部となる貫通孔の形成を打ち抜き加工により行うことで達成できる。
以下、スペーサ24の製造方法について説明する。
なお、以下では、スペーサ24が、光吸収材料を含有するガラスセラミックスからなるものについて説明する。
まず、グリーンシート用ガラス粉末、グリーンシート用セラミックス粉末、および光吸収材料とからなるグリーンシート用組成物を調製する。
グリーンシート用ガラス粉末は、通常、溶融法によって得られたガラスを粉砕して製造する。このガラスは、上記したようなガラスマトリックスのガラス組成に応じたものとする。粉砕の方法は、乾式粉砕でもよいし湿式粉砕でもよい。湿式粉砕の場合には溶媒として水を用いることが好ましい。また、粉砕には、ロールミル、ボールミル、ジェットミル等の粉砕機を適宜使用できる。ガラスは粉砕後、必要に応じて乾燥し、分級する。
このグリーンシート用ガラス粉末に、アルミナ粉末等の所定のグリーンシート用セラミックス粉末を添加してグリーンシート用ガラスセラミックス組成物とする。
このようなグリーンシート用ガラスセラミックス組成物と上記した光吸収材料とを、例えば、グリーンシート用組成物全体に対する光吸収材料の含有量が、2体積%以上20体積%以下となるように配合、混合して、グリーンシート用組成物を得ることができる。光吸収材料の含有量が2体積%未満であると、スペーサ24において、レンズユニット12の側面からレンズユニット12に向けて出射される光L1を十分に遮断できず、また、空隙部Sにおいて散乱光を生じる光L2を十分に吸収できないおそれがある。
一方、光吸収材料の含有量が20体積%を超えると、グリーンシート用組成物を緻密に焼成し難く、スペーサ24の強度が低下して、外圧による破損等が生じ易くなるおそれがある。グリーンシート用組成物全体に対する光吸収材料の含有量を、2体積%以上20体積%以下とすることで、スペーサ24の強度を維持しつつ、十分な遮光性と、光吸収特性を得ることができる。このため、レンズ部232、222による収束光以外の光の影響が抑制された、鮮明度の高い画像を得ることができる。光吸収材料の含有量は、好ましくは3体積%以上10体積%以下である。
さらに、このグリーンシート用組成物と、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂等の樹脂とを、必要に応じて、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ブチルベンジル等の可塑剤等を添加して混合する。
さらに、トルエン、キシレン、ブタノール等の溶剤を添加してスラリーとし、ポリエチレンテレフタレート等のフィルム上にドクターブレード法等によって、このスラリーをシート状に成形する。このシート状に成形されたものを乾燥させて溶剤を除去し、グリーンシートとする(シート製造工程)。グリーンシートの厚さは適宜変更することができ、1枚のみを用いるか、複数枚を用いるかによっても異なるが、生産性等の観点から、100〜300μmが好ましい。
図5は、グリーンシートの一例を示す平面図である。グリーンシート30は、例えば図示するような四角形状である。通常、グリーンシート30は、焼成後の大きさで、撮像装置11等のウェハレベルパッケージの製造に用いられる各種のウェハと同じか、これよりも大きく製造される。ここで、グリーンシート30のうち、上記ウェハにおける複数のウェハレベルパッケージに対応する部分がスペーサ24となる領域である。このような領域は、図示しないがグリーンシート30の縦横に複数配列されている。
このグリーンシート30には、打ち抜き加工により、スペーサ24となる各領域にスペーサ24の空隙部となる貫通孔を形成する(孔部形成工程)。図6は、貫通孔が形成されたグリーンシート30を示す平面図である。グリーンシート30には、スペーサ24となる各領域に貫通孔31が1つずつ形成される。
なお、グリーンシート30は、1枚のみを用いてもよいし、複数枚を積層するようにして用いてもよい。複数枚を積層するようにして用いる場合、1枚ずつ貫通孔31を形成してから、これらの貫通孔31が形成されたものを位置合わせして積層してもよいし、または貫通孔31が形成されていないものを積層してから、積層されたものの全体に対して一括して貫通孔31を形成してもよい。通常、貫通孔31の位置合わせが不要なことから、複数枚を積層してから貫通孔31を形成することが好ましい。
貫通孔31が形成されたグリーンシート30は、例えば、焼成後の形状がウェハレベルパッケージの製造に用いられるウェハと同じ形状となるように不要部分が切断される。図7は、不要部分が切断されたグリーンシート30の一例を示す平面図である。グリーンシート30は、例えば、撮像装置11等のウェハレベルパッケージの製造に用いられる各種のウェハと同じ形状となるように円形状に切断される。
この後、グリーンシート30は、バインダー等を分解・除去するための脱脂を行った後、焼成を行ってガラスセラミックス組成物を焼結させる(焼成工程)。
脱脂は、例えば500〜600℃の温度で1〜10時間保持することによりできる。脱脂温度が500℃未満または脱脂時間が1時間未満の場合には、バインダー等を十分に分解・除去できないおそれがある。脱脂温度を600℃程度とし、脱脂時間を10時間程度とすれば、十分にバインダー等を除去できるが、この時間を超えるとかえって生産性等が低下するおそれがある。
焼成は、例えば、850〜900℃の温度で20〜60分保持することにより行う。焼成温度が850℃未満であるか、または焼成時間が20分未満の場合には、緻密な焼結体が得られないおそれがある。焼成温度を900℃程度とし、焼成時間を60分程度とすれば、十分に緻密なものが得られる。
このような焼成により、スペーサ24が複数平面的に結合されてなるスペーサ集合体(スペーサ用ウェハ)を製造できる。具体的には、多数のスペーサ24が縦横に配列されたスペーサ集合体を製造できる。
スペーサ集合体の厚さは、必ずしも制限されないが、0.2〜1.5mmが好ましく、0.3〜1.2mmがより好ましい。スペーサ集合体の厚さを上記範囲とすることで、十分な強度を有するとともに、遮光性に優れたスペーサ24を得られる。
スペーサ集合体におけるスペーサ24の個数は、必ずしも制限されないが、1000〜10000個が好ましく、2000〜7000個がより好ましい。さらに、スペーサ集合体における貫通孔の孔径は、必ずしも制限されず、スペーサ集合体におけるスペーサ24の個数によっても異なるが、0.5〜5.0mmが好ましく、1.0〜3.0mmがより好ましい。なお、孔径は、スペーサ集合体の表裏面側で孔径が異なる場合、孔径が大きい方の主面側での孔径とする。
スペーサ集合体は、スペーサ24となる領域間の境界線に沿ってダイシングにより分割することで、スペーサ24とすることができる(分割工程)。分割は、スペーサ集合体の単体で行ってもよいし、他のウェハ等を積層した状態で行ってもよい。
以下、スペーサ集合体を用いたカメラモジュール10の製造方法について説明する。
まず、撮像装置11の集合体である撮像装置集合体(撮像装置ウェハ)を、例えば以下のようにして製造する。すなわち、図8に示すように、素子基板13となる領域を複数有するシリコンウェハ等の素子基板集合体(素子基板用ウェハ)411に受光素子15および電極パッド17が形成された形成基板集合体(形成基板用ウェハ)41と、封止基板14となる領域を複数有するガラスウェハ等の封止基板集合体(封止基板用ウェハ)42とを用意し、これらを封止基板集合体42の表面に設けられた接着層16によって貼り合わせる。
なお、図中、破線は、各領域間の境界線を表す。また、図示しないが、形成基板集合体41には、さらに、貫通ビア19、配線層21、半田ボール18等を形成する。これにより、撮像装置11の集合体である撮像装置集合体(撮像装置ウェハ)を得る。撮像装置接合体は、例えば、隣接する撮像装置11間の境界線でダイシングを行って、個々の撮像装置11に分割する。
一方、レンズユニット12の集合体であるレンズユニット集合体(レンズユニットウェハ)を、例えば以下のようにして製造する。すなわち、図8に示すように、レンズエレメント22となる領域を複数有するレンズエレメント集合体(レンズエレメント用ウェハ)43と、スペーサ24となる領域を複数有するスペーサ集合体(スペーサ用ウェハ)44と、レンズエレメント23となる領域を複数有するレンズエレメント集合体(レンズエレメント用ウェハ)45と、フィルタエレメント25となる領域を複数有するフィルタエレメント集合体(フィルタエレメント用ウェハ)46とを用意する。
レンズエレメント集合体43は、例えば、ガラスウェハ等の透明ウェハ431の表面の所定の領域にプラスチック材料等によりレンズ部222が形成されたものである。同様に、レンズエレメント集合体45は、例えば、ガラスウェハ等の透明ウェハ451の表面の所定の領域にプラスチック材料等によりレンズ部232が形成されたものである。また、フィルタエレメント集合体46は、例えば、ガラスウェハ等の透明ウェハ461の両主面に赤外線フィルタ252が成膜されたものである。
レンズエレメント集合体43、スペーサ集合体44、レンズエレメント集合体45、フィルタエレメント集合体46は、この順に図示しない接着層により貼り合わせる。これにより、複数のレンズユニット12が接合されたレンズユニット集合体(レンズユニットウェハ)を得る。レンズユニット集合体は、隣接するレンズユニット12の領域間の境界線でダイシングを行うことで、個々のレンズユニット12に分割できる。
その後、撮像装置11の受光面側にレンズユニット12を貼り合わせ、必要に応じて、光が入射する一部を除いて遮光部材26をかぶせる。これにより、カメラモジュール10を製造できる。なお、カメラモジュール10の製造方法は、必ずしも上記方法に限られず、例えば、撮像装置集合体とレンズユニット集合体とを貼り合わせてからダイシングを行ってもよく、積層やダイシングの順序は適宜変更できる。
以上、本発明の実施形態について、カメラモジュールとこれに使用されるスペーサを一例に挙げて説明したが、本発明は必ずしもこのようなものに限定されず、必要に応じて、かつ本発明の趣旨に反しない限度において、その構成を適宜変更することができる。
例えば、ウェハレベルパッケージ構造体としては、必ずしもカメラモジュールに限られず、他の種類のモジュールであってもよい。また、ウェハレベルパッケージ構造体は、少なくともウェハレベルパッケージを有するものであればよく、ウェハレベルパッケージのみからなるものでもよい。ウェハレベルパッケージとしては、撮像素子やMEMS素子等の電子部品が封止された電子部品パッケージが挙げられる。
また、実施形態のスペーサは、ウェハレベルパッケージ構造体に使用されるものであればよく、ウェハレベルパッケージに積層される各種のユニット部分に使用されるものでもよいし、ウェハレベルパッケージ部分に使用されるものでもよい。実施形態のスペーサの外形形状および空隙部の大きさ等は、ウェハレベルパッケージの種類等に応じて適宜変更できる。
実施形態のスペーサが適用されるウェハレベルパッケージとしては、上記したように撮像素子やMEMS素子等の電子部品が封止された電子部品パッケージが挙げられる。このようなウェハレベルパッケージとしては、電子部品を表面に有する素子基板と、該素子基板に対向して配置されて該電子部品を封止する封止基板と、これら素子基板と封止基板との間に配置されて電子部品を囲んで気密に封止するスペーサとを有するものが挙げられ、このようなスペーサとして実施形態のスペーサが用いられる。
以下、実施例を参照して本発明を詳細に説明する。
なお、本発明は以下の実施例に限定されない。
(実施例1)
酸化物基準のモル%表示で、SiOが60.4%、Bが15.6%、Alが6%、CaOが15%、KOが1%、NaOが2%となるように原料を配合、混合し、この原料混合物を白金ルツボに入れて1600℃で60分間溶融させた後、溶融状態のガラスを流し出し冷却した。このガラスをアルミナ製ボールミルにより40時間粉砕してガラス粉末を製造した。なお、粉砕時の溶媒にはエチルアルコールを用いた。
次いで、このガラス粉末、アルミナ粉末(昭和電工社製、商品名:AL−45H)、を、ガラス粉末40質量%、アルミナ粉末60質量%の割合となるように配合し、混合して、ガラスセラミックス組成物とした。
次いで、このガラスセラミックス組成物と黒色顔料(Cu−Cr−Mn系のスピネル型酸化物)とを、ガラスセラミックス組成物を91質量%(95.5体積%)、黒色顔料を9質量%(4.5体積%)の割合にて配合し、混合して、グリーンシート用組成物(1)を調整した。
このグリーンシート用組成物(1)50gに、有機溶剤(トルエン、キシレン、2−プロパノール、2−ブタノールを質量比4:2:2:1で混合したもの)15g、可塑剤(フタル酸ジ−2−エチルヘキシル)2.5g、バインダーとしてのポリビニルブチラール(デンカ社製、商品名:PVK#3000K)5g、さらに分散剤(ビックケミー社製、商品名:BYK180)0.5gを配合し、混合してスラリーを調製した。
このスラリーをPETフィルム上にドクターブレード法により塗布し、乾燥させて、図5に示すような形状のグリーンシートを製造した。
このグリーンシートに孔開け機(UHT社製、商品名:MP−8200Z)を用いて打ち抜き加工を行うことにより多数の貫通孔を形成して、図6に示すような貫通孔を有するグリーンシートを製造した。さらに、このグリーンシートの貫通孔が設けられていない周辺部分を切断して、図7に示すような円形状でほぼ全体に貫通孔が設けられたグリーンシート成形体とした。
その後、このグリーンシートを、焼成炉にて550℃で5時間保持することでバインダー樹脂を分解し、除去した後、870℃で1時間保持して焼成を行ってスペーサ集合体(スペーサ用ウェハ)を得た。なお、スペーサ集合体の厚さは、0.530mmとした。また、スペーサ集合体の大きさは直径200mm、貫通孔の個数は4000個、また貫通孔はいずれも1.5mm程度の孔径となるようにした。
(実施例2)
アルミナ粉末(昭和電工社製、商品名:AL−45H)81質量%(81体積%)、焼結助剤(カオリナイト粉末)が10質量%(14.4体積%)となるように配合し、混合することによりセラミックス混合物とした。
次いで、このセラミックス混合物と、黒色顔料としてのFe、CuO、COとを、セラミックス混合物を91質量%(95体積%)、黒色顔料としてそれぞれFeを4質量%(2.9体積%),CuOを2質量%(1.2体積%),COを1.5質量%(0.9体積%)の割合にて配合し、混合して、グリーンシート用組成物(2)を調整した。このグリーンシート用組成物(2)50gに、有機溶剤(トルエン、キシレン、2−プロパノール、2−ブタノールを質量比4:2:2:1で混合したもの)15g、可塑剤(フタル酸ジ−2−エチルヘキシル)2.5g、バインダーとしてのポリビニルブチラール(デンカ社製、商品名:BYK180)を配合し、混合してスラリーを調製した。
このスラリーをPETフィルム上にドクターブレード法により塗布し、乾燥させて、図5に示すような形状のグリーンシートを製造した。
このグリーンシートに孔開け機(UHT社製、商品名:MP−8200Z)を用いて打ち抜き加工を行うことにより多数の貫通孔を形成して、図6に示すような貫通孔を有するグリーンシートを製造し、さらにこのグリーンシートの貫通孔が設けられていない周辺部分を切断して、図7に示すような円形状でほぼ全体に貫通孔が設けられたグリーンシート成形体とした。
その後、この円形状かつ貫通孔を有するグリーンシートを、焼成炉にて550℃で5時間保持することでバインダー樹脂を分解し、除去した後、1450℃で1時間保持して焼成を行ってスペーサ集合体(スペーサ用ウェハ)を得た。なお、スペーサ集合体の厚さは、0.9mmとした。また、スペーサ集合体の大きさは直径200mm、貫通孔の個数は4000個、貫通孔は、1.5mm程度の孔径となるようにした。
(比較例1)
実施例1において、黒色顔料を配合しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、グリーンシート用組成物(3)を調整した。このグリーンシート用組成物(3)を用いて、実施例1と同様にして、グリーンシートを製造し、グリーンシート成形体としたものを、実施例1と同様にして脱脂、焼成を行って、スペーサ集合体(スペーサ用ウェハ)を得た。なお、スペーサ集合体の厚さは、0.530mmとした。また、スペーサ集合体の大きさは直径200mm、貫通孔の個数は4000個、また貫通孔はいずれも1.5mm程度の孔径となるようにした。
次に、上記方法によって作成した実施例1〜2、及び比較例1のスペーサ集合体について、以下の評価を行った。
(反射率)
実施例1〜2及び比較例1のスペーサ集合体に向けて、400〜750nmの波長域の可視光を照射し、その反射率を、分光器「USB2000」(オーシャンオプティクス社製)と小型積分球「ISP−RF」(オーシャンオプティクス社製)を用いて測定した。代表的な反射率測定の結果として、実施例1の反射スペクトルを図9に示す。また、上記のようにして得られた可視光領域の反射率の平均値を、下記の表1に示す。
(3点曲げ強度)
実施例1〜2及び比較例1のスペーサ集合体と同様にして製造した試験片について、3点曲げ強さ試験(JIS C2141準拠)を行った。すなわち、試験片の一辺を2点で支持し、これと対向する辺における上記2点の中間位置に徐々に荷重を加えて、試験片に切断が生じたときの荷重を測定し、これに基づいて3点曲げ強度(MPa)を算出した。当該曲げ強度を30点測定して平均値(平均曲げ強度)を求めた。
表1に、実施例1〜2及び比較例1のスペーサ集合体の強度の測定結果を示す。
Figure 2014056127
図9及び表1から明らかなように、光吸収材料を含有する、ガラス材料以外のセラミックス材料からなる実施例1〜2のスペーサ集合体によれば、可視光領域である400〜800nmの波長域における反射率の平均値が30%以下であることから、十分な遮光性、光吸収特性を得ることができる。一方、表1から明らかなように、光吸収材料を含有しない比較例1のスペーサ集合体は、上記波長域における反射率の平均値が97%と高く、光吸収特性に劣るものであった。
10…ウェハレベルカメラモジュール(ウェハレベルパッケージ構造体)、11…撮像装置(ウェハレベルパッケージ)、12…レンズユニット、13…素子基板、14…封止基板、15…受光素子、16…接着層、17…電極パッド、18…半田ボール、19…貫通ビア、21…配線層、22…レンズエレメント、23…レンズエレメント、24…スペーサ、25…フィルタエレメント、26…遮光部材、30…グリーンシート、31…貫通孔、41…形成基板集合体(形成基板用ウェハ)、42…封止基板集合体(封止基板用ウェハ)、43…レンズエレメント集合体(レンズエレメント用ウェハ)、44…スペーサ集合体(スペーサ用ウェハ)、45…レンズエレメント集合体(レンズエレメント用ウェハ)、46…フィルタエレメント集合体(フィルタエレメント用ウェハ)、221…透明基板、222…レンズ部、231…透明基板、232…レンズ部、251…透明基板、252…赤外線フィルタ、411…素子基板用ウェハ、431…透明ウェハ、451…透明ウェハ、461…透明ウェハ、S…空隙部、L1…レンズユニット12の側面方向からの光、L2…空隙部Sにおいて散乱光を生じる光

Claims (12)

  1. ウェハレベルパッケージ構造体用のスペーサであって、
    光吸収材料を含有する、ガラス材料以外のセラミックス材料からなることを特徴とするスペーサ。
  2. 前記スペーサは、セラミックスグリーンシートの焼成により得られたものである請求項1記載のスペーサ。
  3. 前記混合体における前記光吸収材料の含有量が20体積%以下である請求項1または2記載のスペーサ。
  4. 前記光吸収材料の平均粒子径が15μm以下である請求項1乃至3のいずれか1項記載のスペーサ。
  5. 前記スペーサの可視光反射率が30%以下である請求項1乃至4のいずれか1項記載のスペーサ。
  6. 前記セラミックス材料がガラスセラミックスである請求項1乃至5のいずれか1項記載のスペーサ。
  7. 前記セラミックス材料がアルミナセラミックスである請求項1乃至5のいずれか1項記載のスペーサ。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項記載のスペーサが複数結合されてなることを特徴とするスペーサ集合体。
  9. ウェハレベルパッケージを少なくとも有するとともに、前記ウェハレベルパッケージの内部または外部に空隙部を形成するスペーサを有するウェハレベルパッケージ構造体であって、
    前記スペーサとして請求項1乃至7のいずれか1項記載のスペーサを有することを特徴とするパッケージ構造体。
  10. 前記ウェハレベルパッケージ構造体は、前記ウェハレベルパッケージとしての撮像装置と、前記撮像装置の受光面側に配置されるレンズユニットとを有するウェハレベルカメラモジュールであって、前記レンズユニットに前記スペーサを有する請求項9記載のウェハレベルパッケージ構造体。
  11. 光吸収材料を含有する、ガラス材料以外のセラミックス材料からなり、かつウェハレベルパッケージ構造体用のスペーサとなる複数の領域を有するセラミックスグリーンシートを製造するシート製造工程と、
    前記領域に貫通孔を形成する孔部形成工程と、
    前記セラミックスグリーンシートを焼成してスペーサ集合体とする焼成工程と
    を有することを特徴とするスペーサの製造方法。
  12. さらに、前記スペーサ集合体を前記領域間の境界線において分割して複数のスペーサとする分割工程を有する請求項11記載のスペーサの製造方法。
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