JP6819606B2 - ポリアミド樹脂、成形品およびポリアミド樹脂の製造方法 - Google Patents

ポリアミド樹脂、成形品およびポリアミド樹脂の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリアミド樹脂に関する。また、前記ポリアミド樹脂を用いた成形品、ならびに、ポリアミド樹脂の製造方法に関する。
従来から、メタキシリレンジアミンと、アジピン酸と、イソフタル酸から合成されるポリアミド樹脂が知られている(特許文献1、2)。さらに、特許文献1には、このようなポリアミド樹脂をポリエチレンテレフタレート樹脂に配合してなるシートが、炭酸ガス透過係数が小さいことが記載されている。また、特許文献2には、このようなポリアミド樹脂は、酸素透過率が小さいことが記載されている。
特開昭60−238355号公報 特開平3−103438号公報
上記特許文献1および特許文献2について検討したところ、これらの文献に記載のポリアミド樹脂では、黄色度が高いことが分かった。
ここで、黄色度を低くするには、例えば、ポリアミド樹脂の合成時に、リン含有化合物等の着色防止剤を添加することが考えられる。しかしながら、本発明者が検討したところ、かかる着色防止剤の種類や添加量によっては、透明性が劣る場合があることが分かった。本発明はかかる問題点を解決することを課題とするものであって、黄色度が低く、透明性に優れたポリアミド樹脂を提供することを目的とする。さらに、前記ポリアミド樹脂を用いた成形品、ならびに、黄色度が低く、かつ、透明性に優れたポリアミド樹脂の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題のもと、本発明者が検討を行った結果、メタキシリレンジアミンと、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸と、イソフタル酸とから合成されるポリアミド樹脂において、リン原子を20〜200質量ppmの割合で含み、カルシウム原子をリン原子:カルシウム原子のモル比が1:0.3〜0.7となる割合で添加することにより、上記課題を解決することを見出し、本発明を解決するに至った。
具体的には、下記<1>により、好ましくは<2>〜<13>により、上記課題は解決された。
<1>ジアミン由来の構成単位と、ジカルボン酸由来の構成単位から構成され、前記ジアミン由来の構成単位の70モル%以上がメタキシリレンジアミンに由来し、前記ジカルボン酸由来の構成単位の、30〜60モル%が炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来し、70〜40モル%がイソフタル酸に由来し、リン原子を20〜200質量ppmの割合で含み、カルシウム原子をリン原子:カルシウム原子のモル比が1:0.3〜0.7となる割合で含む、ポリアミド樹脂。
<2>40℃、相対湿度90%の条件下での透湿度が、0.5〜3.0g・mm/m2・dayである、<1>に記載のポリアミド樹脂。
<3>23℃、相対湿度60%の条件下での酸素透過係数(OTC60)が0.05〜0.2cc・mm/m2・day・atmであり、23℃、相対湿度60%の条件下での酸素透過係数(OTC60)に対する23℃、相対湿度90%の条件下での酸素透過係数(OTC90)の比(OTC90/OTC60)が0.5〜2.0倍である、<1>または<2>に記載のポリアミド樹脂。
<4>熱流束示差走査熱量測定法に基づいて、10℃/分の昇温速度で300℃まで昇温したときの、融解に伴う吸熱ピークの熱量が5J/g未満である、<1>〜<3>のいずれかに記載のポリアミド樹脂。
<5>ガラス転移温度が110〜150℃である、<1>〜<4>のいずれかに記載のポリアミド樹脂。
<6>前記ジカルボン酸由来の構成単位の30〜60モル%が、アジピン酸由来の構成単位である、<1>〜<5>のいずれかに記載のポリアミド樹脂。
<7>前記カルシウム原子が、次亜リン酸カルシウムに由来する、<1>〜<6>のいずれかに記載のポリアミド樹脂。
<8><1>〜<7>のいずれかに記載のポリアミド樹脂であって、2mmの厚さに成形した成形品を23℃の水に24時間浸漬した後のヘイズが4.0%以下である、ポリアミド樹脂。
<9><1>〜<8>のいずれかに記載のポリアミド樹脂であって、2mmの厚さに成形した成形品の黄色度(YI値)が10.0以下である、ポリアミド樹脂。
<10><1>〜<9>のいずれかに記載のポリアミド樹脂を含むポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形品。
<11>ジアミンとジカルボン酸を次亜リン酸カルシウムの存在下で重縮合することを含み、前記ジアミンの70モル%以上がメタキシリレンジアミンであり、前記ジカルボン酸の30〜60モル%が炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸であり、70〜40モル%がイソフタル酸である、ポリアミド樹脂の製造方法。
<12>次亜リン酸カルシウムを、ポリアミド樹脂に含まれるリン原子濃度が20〜200質量ppmとなる割合で添加する、<11>に記載のポリアミド樹脂の製造方法。
<13><11>または<12>に記載のポリアミド樹脂の製造方法によって製造されたポリアミド樹脂。
本発明により、黄色度が低く、透明性に優れたポリアミド樹脂を提供可能になった。さらに、前記ポリアミド樹脂を用いた成形品、ならびに、黄色度が低く、透明性に優れたポリアミド樹脂の製造方法を提供可能になった。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本発明のポリアミド樹脂は、ジアミン由来の構成単位と、ジカルボン酸由来の構成単位から構成され、前記ジアミン由来の構成単位の70モル%以上がメタキシリレンジアミンに由来し、前記ジカルボン酸由来の構成単位の、30〜60モル%が炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来し、70〜40モル%がイソフタル酸に由来し、リン原子を20〜200質量ppmの割合で含み、カルシウム原子をリン原子:カルシウム原子のモル比が1:0.3〜0.7となる割合で含むことを特徴とする。
上述の通り、メタキシリレンジアミンと、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸と、イソフタル酸とから合成されるポリアミド樹脂は、黄色度が高くなってしまうことが分かった。そこで、重縮合時に着色防止剤であるリン含有化合物を添加することが考えられる。しかしながら、本発明者が検討を行ったところ、ジカルボン酸由来の構成単位におけるイソフタル酸由来の構成単位の割合が40モル%以上と多くなると、リン含有化合物として一般的に用いられている、次亜リン酸ナトリウム塩を用いた場合、黄色度は改善されるものの透明性が劣る場合があることがわかった。さらに次亜リン酸ナトリウムを用いた場合、得られたポリアミド樹脂は透明であっても、浸水処理等を行うと透明性が急激に悪化することがわかった。さらに、本発明者が検討を行った結果、リン含有化合物として、次亜リン酸カルシウムを添加することにより、黄色度を低下させ、かつ、透明性を向上させ、特に浸水処理後も透明性を向上させることが可能であることを見出した。しかしながら、次亜リン酸カルシウムのようなカルシウム塩は、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸やイソフタル酸に対する溶解性が低く、カルシウム塩の添加量が多くなると白色の異物が発生してしまうことが分かった。本発明は、以上の知見に基づき、リン原子とカルシウム原子の割合を上記のように設定することにより、黄色度が低く、透明性に優れたポリアミド樹脂の提供に成功したものである。
本発明では、ジアミン由来の構成単位の70モル%以上がメタキシリレンジアミンに由来する。ジアミン由来の構成単位は、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、特に好ましくは95モル%以上、一層好ましくは98モル%以上、より一層好ましくは99モル%以上が、メタキシリレンジアミンに由来する。
メタキシリレンジアミン以外のジアミンとしては、パラフェニレンジアミン、パラキシリレンジアミン等の芳香族ジアミン等、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、が例示される。これらの他のジアミンは、1種のみでも2種以上であってもよい。
本発明では、ジカルボン酸由来の構成単位の、30〜60モル%が炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来し、70〜40モル%がイソフタル酸に由来由来する。
ジカルボン酸由来の構成単位を構成する全ジカルボン酸のうち、イソフタル酸の割合の下限値は、41モル%以上が好ましく、43モル%以上がより好ましく、45モル%以上がさらに好ましい。前記イソフタル酸の割合の上限値は、68モル%以下が好ましく、66モル%以下がより好ましい。このような範囲とすることにより、ポリアミド樹脂の透明性がより向上する傾向にあり好ましい。
ジカルボン酸由来の構成単位を構成する全ジカルボン酸のうち、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸の割合の下限値は、32モル%以上が好ましく、34モル%以上がより好ましい。炭素数4〜20の直鎖脂肪族ジカルボン酸の割合の上限値は、59モル%以下が好ましく、57モル%以下がより好ましく、55モル%以下がさらに好ましい。
炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、アジピン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸が例示され、アジピン酸およびセバシン酸が好ましく、アジピン酸がより好ましい。炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸は、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
ジカルボン酸由来の構成単位を構成する全ジカルボン酸のうち、イソフタル酸と炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸の合計の割合は、90モル%以上であることが好ましく、95モル%以上であることが好ましく、98モル%以上であることがさらに好ましく、100モル%であってもよい。このような割合とすることにより、ポリアミド樹脂の透明性がより向上し、黄色度がより低下する傾向にある。
イソフタル酸と炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸以外のジカルボン酸としては、テレフタル酸や2,6−ナフタレンジカルボン酸、炭素数6〜12の脂環式ジカルボン酸等が例示される。これらの具体例としては、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸等が例示される。
尚、本発明のポリアミド樹脂は、ジカルボン酸由来の構成単位とジアミン由来の構成単位から構成されるが、ジカルボン酸由来の構成単位およびジアミン由来の構成単位以外の構成単位や、末端基等の他の部位を含みうる。他の構成単位としては、ε−カプロラクタム、バレロラクタム、ラウロラクタム、ウンデカラクタム等のラクタム、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等のアミノカルボン酸等由来の構成単位が例示できるが、これらに限定されるものではない。さらに、本発明のポリアミド樹脂は、合成に用いた添加剤等の微量成分が含まれる。本発明で用いるポリアミド樹脂は、通常、95質量%以上、好ましくは98質量%以上が、ジカルボン酸由来の構成単位またはジアミン由来の構成単位である。
本発明のポリアミド樹脂は、リン原子を20〜200質量ppmの割合で含み、カルシウム原子をリン原子:カルシウム原子のモル比が1:0.3〜0.7となる割合で含む。
本発明のポリアミド樹脂におけるリン原子濃度は、下限値は、22質量ppm以上が好ましく、50質量ppm以上であってもよく、さらには100質量ppm以上であってもよい。リン原子濃度の上限値は、190質量ppm以下が好ましく、180質量ppm以下がより好ましい。ポリアミド樹脂におけるリン原子濃度が下限値未満である場合、得られるポリアミド樹脂の黄色度が高くなり、色調が悪化する。また、ポリアミド樹脂におけるリン原子濃度が上限値より大きい場合、得られるポリアミド樹脂の透明度が悪化する。
本発明のポリアミド樹脂におけるリン原子:カルシウム原子のモル比は1:0.3〜0.7となる割合であり、1:0.4〜0.6となる割合がより好ましく、1:0.45〜0.55となる割合がさらに好ましく、1:0.48〜0.52であることが特に好ましい。本発明のポリアミド樹脂に含まれるリン原子およびカルシウム原子は、それぞれ、次亜リン酸カルシウムに由来することが好ましい。ポリアミド樹脂におけるリン原子:カルシウム原子のモル比が下限値未満である場合、得られる樹脂のヘイズが悪化する。また、ポリアミド樹脂におけるリン原子:カルシウム原子のモル比が上限値を超える場合、得られるポリアミド樹脂のヘイズが悪化する。
リン原子濃度およびカルシウム原子濃度の測定方法は、それぞれ、後述する実施例に記載の方法に従う。但し、実施例で使用する機器等が廃版等の場合、他の同様の性能を有する機器等を用いることができる。以下、他の測定方法についても同様である。
本発明のポリアミド樹脂の数平均分子量は、6,000〜30,000であることが好ましく、10,000〜25,000であることがより好ましい。
ポリアミド樹脂の数平均分子量(Mn)の測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による標準ポリメチルメタクリレート(PMMA)換算値より求めることができる。
より具体的には、カラムとしては、充填剤として、スチレン系ポリマーを充填したものを2本用い、溶媒にはトリフルオロ酢酸ナトリウム濃度2mmol/lのヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)を用い、樹脂濃度0.02質量%、カラム温度は40℃、流速0.3ml/分、屈折率検出器(RI)にて測定することができる。また、検量線は6水準のPMMAをHFIPに溶解させて測定することができる。
本発明のポリアミド樹脂は、熱流束示差走査熱量測定法に基づいて、10℃/分の昇温速度で300℃まで昇温したときの、融解に伴う吸熱ピークの熱量が5J/g未満であることが好ましい。このように融解に伴う吸熱ピークの熱量が5J/g未満のものは、いわゆる、非晶性樹脂と呼ばれる樹脂である。非晶性樹脂は、また、明確な融点のピークを持たない。
吸熱ピークの熱量および融点の測定方法は、後述する実施例に記載の方法に従う。
本発明のポリアミド樹脂は、ガラス転移温度の下限値が110℃以上であることが好ましく、115℃以上であることがより好ましく、120℃以上であることがさらに好ましい。ガラス転移温度の上限値は特に定めるものではないが、例えば、150℃以下、さらには、145℃以下であってもよい。
ガラス転移温度の測定方法は、後述する実施例に記載の方法に従う。
本発明のポリアミド樹脂は、40℃、相対湿度90%の条件下での透湿度の上限値が、3.0g・mm/m2・day以下であることが好ましく、2.5g・mm/m2・day以下であることがより好ましい。また、40℃、相対湿度90%の条件下での透湿度の下限値は、0.5g・mm/m2・day以上であってもよく、さらには0.7以上であってもよい。
透湿度の測定方法は、後述する実施例に記載の方法に従う。
本発明のポリアミド樹脂は、23℃、相対湿度60%の条件下での酸素透過係数(OTC60)の上限値は、0.2cc・mm/m2・day・atm以下であることが好ましく、0.15cc・mm/m2・day・atm以下であることがより好ましく、0.1cc・mm/m2・day・atm以下であることがさらに好ましい。また、OTC60の下限値は、0cc・mm/m2・day・atmが好ましいが、0.05cc・mm/m2・day・atm以上、さらには0.07cc・mm/m2・day・atm以上であっても実用的価値がある。
本発明のポリアミド樹脂は、23℃、相対湿度90%の条件下での酸素透過係数(OTC90)の上限値は、0.2cc・mm/m2・day・atm以下であることが好ましく、0.15cc・mm/m2・day・atm以下であることがより好ましく、0.1cc・mm/m2・day・atm以下であることがさらに好ましい。また、OTC90の下限値は、0cc・mm/m2・day・atmが好ましいが、0.05cc・mm/m2・day・atm以上であってもよく、さらには0.07cc・mm/m2・day・atm以上であっても実用的価値がある。
本発明のポリアミド樹脂は、23℃、相対湿度60%の条件下での酸素透過係数(OTC60)に対する23℃、相対湿度90%の条件下での酸素透過係数OTC90の比(OTC90/OTC60)の下限値が0.5倍以上であることが好ましく、0.7倍以上であることがより好ましく、0.9倍以上であることがさらに好ましい。またOTC90/OTC60の上限値は、2.0倍以下であり、1.5倍以下が好ましく、1.2倍以下がより好ましく、1.1倍以下がさらに好ましい。
本発明における酸素透過係数の測定方法は、後述する実施例に記載の方法に従う。
本発明のポリアミド樹脂は、2mmの厚さに成形した成形品を23℃の水に24時間浸漬した後のヘイズが4.0%以下であることが好ましく、3.8%以下であることがより好ましい。下限値については、0%が好ましいが、2.0%以上であっても十分な実用的価値がある。
本発明におけるヘイズの測定方法は、後述する実施例に記載の方法に従う。
本発明のポリアミド樹脂は、2mmの厚さに成形した成形品の黄色度(YI値)が10.0以下であることが好ましく、9.0以下であることがより好ましく、8.0以下であってもよい。下限値については、0が好ましいが、2.5以上であっても十分な実用的価値がある。
本発明における黄色度の測定方法は、後述する実施例に記載の方法に従う。
<ポリアミド樹脂の製造方法>
次に、本発明のポリアミド樹脂の製造方法の一例について述べる。本発明のポリアミド樹脂は、以下に述べる方法で製造されたポリアミド樹脂であることが好ましいが、これに限定されるものではないことは言うまでもない。
本発明のポリアミド樹脂の製造方法は、ジアミンとジカルボン酸を次亜リン酸カルシウムの存在下で重縮合することを含み、前記ジアミンの70モル%以上がメタキシリレンジアミンであり、前記ジカルボン酸の30〜60モル%が炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸であり、70〜40モル%がイソフタル酸であることを特徴とする。
このように次亜リン酸カルシウムの存在下で合成することにより、得られるポリアミド樹脂中のリン原子濃度を所定の値とでき、黄色度を低下させることができ、かつ、カルシウム原子濃度を所定範囲とすることができ、透明性を向上させることができる。尚、次亜リン酸カルシウムの一部または全部は、重縮合時や二次加工時の酸化により、亜リン酸カルシウム、リン酸カルシウム、ポリリン酸カルシウム等に変化する。また、その比率は、重縮合条件や重縮合時の酸素濃度等によって変化する。従って、本発明のポリアミド樹脂の製造方法によって得られたポリアミド樹脂に、次亜リン酸カルシウムが全く存在しない場合もあろう。
重縮合は、通常、溶融重縮合法であり、溶融させた原料ジカルボン酸に原料ジアミンを滴下しつつ加圧下で昇温し、縮合水を除きながら重合させる方法、もしくは、原料ジアミンと原料ジカルボン酸から構成される塩を水の存在下で、加圧下で昇温し、加えた水および縮合水を除きながら溶融状態で重合させる方法が好ましい。
本発明では、次亜リン酸カルシウムを、次亜リン酸カルシウムを、ポリアミド樹脂に含まれるリン原子濃度が20〜200質量ppmとなる割合で添加することが好ましい。さらには、ポリアミド樹脂に含まれるリン原子濃度が22質量ppm以上となるように添加することがより好ましく、50質量ppm以上となるように添加してもよく、さらには100質量ppm以上となるように添加してもよい。次亜リン酸カルシウムは、また、リン原子濃度の上限値が、190質量ppm以下となるように添加することが好ましく、180質量ppm以下となるように添加することがより好ましい。
また、重縮合時には、次亜リン酸カルシウムと併用して他のアルカリ金属化合物を添加してもよい。アルカリ金属化合物を添加することにより、アミド化反応速度を調整することが可能になる。アルカリ金属化合物としては、酢酸ナトリウムが例示される。アルカリ金属化合物を配合する場合、アルカリ金属化合物/次亜リン酸カルシウムのモル比は0.5〜2.0であることが好ましい。
その他重合条件については、特開2015−098669号公報や国際公開WO2012/140785号パンフレットの記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
また、ジアミン、ジカルボン酸等の詳細は、上述のポリアミド樹脂の所で述べたものと同義であり、好ましい範囲も同様である。
<ペレット>
本発明のポリアミド樹脂は、ペレットの形態とすることができる。本発明におけるペレットは、ポリアミド樹脂のみからなるペレットであっても、後述するポリアミド樹脂組成物のみからなるペレットであってもよい。ここで、ポリアミド樹脂のみからなるペレットには、ポリアミド樹脂の重縮合反応の際に添加された触媒や酸化防止剤など(例えば、次亜リン酸カルシウムやアルカリ金属化合物)などが含まれていてもよい趣旨である。すなわち、ポリアミド樹脂の重縮合反応系から取り出されたポリアミド樹脂をそのままペレット化したもの(例えば、後述する実施例で製造されたポリアミド樹脂ペレット)も、本発明におけるポリアミド樹脂からなるペレットに該当する。
<成形品>
本発明のポリアミド樹脂は、前記ポリアミド樹脂を含むポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形品として用いることができる。前記ポリアミド樹脂組成物は、本発明のポリアミド樹脂1種または2種以上のみからなってもよいし、他の成分を含んでいても良い。
他の成分としては、本発明のポリアミド樹脂以外の他のポリアミド樹脂、ポリアミド樹脂以外の熱可塑性樹脂、滑剤、充填剤、艶消剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、着色防止剤、ゲル化防止剤等の添加剤を必要に応じて添加することができる。これらの添加剤は、それぞれ、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。添加剤の好ましい一例として、ステアリン酸カルシウムが例示される。
他のポリアミド樹脂としては、具体的には、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46、ポリアミド6/66(ポリアミド6成分およびポリアミド66成分からなる共重合体)、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド11、ポリアミド12が例示される。これらの他のポリアミド樹脂は、それぞれ、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
ポリアミド樹脂以外の熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリエステル樹脂を例示できる。これらのポリアミド樹脂以外の熱可塑性樹脂は、それぞれ、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
ポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形品としては、フィルム、シート、その他の成形品等を含む各種成形品に用いることができる。前記成形品は、薄肉成形品や中空成形品等であってもよい。
成形品の利用分野としては、自動車等輸送機部品、一般機械部品、精密機械部品、電子・電気機器部品、OA機器部品、建材・住設関連部品、医療装置、レジャースポーツ用品、遊戯具、医療品、食品包装用フィルム等の日用品、塗料やオイルの容器、防衛および航空宇宙製品等が挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
<評価方法>
<<透明性>>
ポリアミド樹脂ペレットを乾燥させ、乾燥したポリアミド樹脂ペレットを、射出成形機にて、成形温度270℃、金型温度90℃で射出成形し、厚さ2mmのプレート状の成形品を作製した。得られた成形品について、目視で明らかな白濁や白色異物の有無について観察した。
次いで、上記厚さ2mmの成形品の23℃の水に24時間浸漬し、ヘイズ(Haze)を測定した。
ヘイズの測定は、JIS K−7105に準じて測定した。測定装置は、色彩・濁度測定器(商品名:COH−400A、日本電色工業製)を使用した。ヘイズ値(単位:%)が小さいほど、透明性が高いことを示す。
<<黄色度(YI)>>
上記厚さ2mmの成形品の黄色度を測定した。黄色度は、JIS K7373に準拠して測定した。測定装置は、色彩・濁度測定器(商品名:COH−400A、日本電色工業製)を使用した。
<<酸素透過係数>>
乾燥したポリアミド樹脂ペレットを、押出成形機にて、270℃で溶融押出し、厚み60μmのフィルムを作製した。得られたフィルムの、温度23℃、相対湿度60%における酸素透過係数(OTC60)、および、温度23℃、相対湿度90%における酸素透過係数(OTC90)を以下の方法に従って測定した。
酸素透過率測定装置(MOCON社製、OX−TRAN 2/21)を使用して、JIS K7126−2(ASTM D3985)に従い、成形品の酸素透過率を測定し、下記式より、成形品の酸素透過係数を求めた。
1/OTR=DFT/OTC
OTC=OTR*DFT
ここで、OTR=酸素透過率(cc/m2・day・atm)、DFT=厚み(mm)、OTC=酸素透過係数(cc・mm/m2・day・atm)である。
また、成形品の温度23℃、相対湿度90%における酸素透過係数と、温度23℃、相対湿度60%における酸素透過係数の比(OTC90/OTC60)を求めた。
<<透湿度>>
上記厚み60μmのフィルムの温度40℃、相対湿度90%における透湿度をJIS K7129A(ASTM E398)に従い測定した。測定装置は透湿度測定装置(MOCON社製、PERMATRAN−W 1/50)を使用した。
<<融点(Tm)、吸熱ピークの熱量(HTm)、ガラス転移温度(Tg)>>
熱流束示差走査熱量測定法に基づいて、10℃/分の昇温速度で300℃まで昇温したときの、融点、吸熱ピークの熱量およびガラス転移温度を求めた。
具体的には、ポリアミド樹脂ペレットを砕き、示差走査熱量装置を用い、30℃から300℃の温度まで10℃/分の速度で昇温し、この時の吸熱ピークのピークトップの温度を融点とし、この時の熱量を吸熱ピークの熱量とした。明確な融点が認められなかったポリアミド樹脂については、表1において、NDと示した。この場合の吸熱ピークの熱量は、明らかに5J/g未満であることを確認したため、表1において「<5」と示した。
次いで、溶融後サンプルをドライアイスで冷却し、再度、10℃/分の速度で昇温し、ガラス転移点を求めた。
本実施例では、示差走査熱量計として、島津製作所製DSC−60を用いた。
<リン原子濃度およびカルシウム原子濃度の測定方法>
ポリアミド樹脂0.2gと35%硝酸8mlをTFM(変性PTFE製)容器に入れ、マイルストーンゼネラル製 ETHOS Oneを用いて内部温度230℃で30分間、マイクロウエーブ分解を行った。分解液を超純水で定容し、ICP測定溶液とした。島津製作所製 ICPE−9000を用いて、リン原子濃度およびカルシウム原子濃度を測定した。
<実施例1>
以下の方法に従って表1に示すポリアミド樹脂を合成した。
撹拌機、分縮器、全縮器、温度計、滴下ロート及び窒素導入管、ストランドダイを備えた反応容器に、精秤したアジピン酸6,000g(41.06mol)、イソフタル酸6,821g(41.06mol)、次亜リン酸カルシウム(Ca(H2PO2)2)10.04g(ポリアミド樹脂中のリン原子濃度として175ppm)、酢酸ナトリウム7.26gを入れ、十分に窒素置換した後、窒素を内圧0.4MPaまで充填し、さらに少量の窒素気流下で系内を撹拌しながら190℃まで加熱した。酢酸ナトリウム/次亜リン酸カルシウムのモル比は1.50とした。
これにメタキシリレンジアミン11,185g(82.12mol)を撹拌下に滴下し、生成する縮合水を系外へ除きながら系内を連続的に昇温した。メタキシリレンジアミンの滴下終了後、内温を上昇させ、265℃に達した時点で反応容器内を減圧にし、更に内温を上昇させて270℃で10分間、溶融重縮合反応を継続した。その後、系内を窒素で加圧し、得られた重合物をストランドダイから取り出して、これをペレット化し、約21kgのポリアミド樹脂ペレットを得た。
得られたポリアミド樹脂ペレットを用い、上記評価方法に従って評価した。
<実施例2>
実施例1において、アジピン酸とイソフタル酸のモル比率が36:64となるように調整し、他は同様に行って、実施例2のポリアミド樹脂を得た。
得られたポリアミド樹脂ペレットを用い、上記評価方法に従って評価した。
<実施例3>
実施例1において、次亜リン酸カルシウムの添加量を、表1に示す通りとなるように変更し、他は同様に行って、実施例3のポリアミド樹脂を得た。
得られたポリアミド樹脂ペレットを用い、上記評価方法に従って評価した。
<実施例4>
実施例1において、アジピン酸とイソフタル酸のモル比率が59:41となるように調整し、他は同様に行って、実施例4のポリアミド樹脂を得た。
得られたポリアミド樹脂ペレットを用い、上記評価方法に従って評価した。
<比較例1>
実施例1において、アジピン酸とイソフタル酸のモル比率が100:0となるように調整し、次亜リン酸塩として、次亜リン酸ナトリウムを用い、他は同様に行って、比較例1のポリアミド樹脂を得た。
得られたポリアミド樹脂ペレットを用い、上記評価方法に従って評価した。尚、ヘイズについては、白濁により測定できなかった。
<比較例2>
実施例1において、アジピン酸とイソフタル酸のモル比率を80:20となるように調整し、次亜リン酸塩として、次亜リン酸ナトリウムを用い、他は同様に行って、比較例2のポリアミド樹脂を得た。
得られたポリアミド樹脂ペレットを用い、上記評価方法に従って評価した。
<比較例3>
実施例1において、アジピン酸とイソフタル酸のモル比率を20:80となるように調整し、他は同様に行った。しかしながら、ジカルボン酸を190℃まで昇温しても攪拌翼を廻すことができず、ポリアミド樹脂が得られなかった。
<比較例4>
実施例1において、次亜リン酸塩として、次亜リン酸ナトリウムを用い、他は同様に行って、比較例4のポリアミド樹脂を得た。
得られたポリアミド樹脂ペレットを用い、上記評価方法に従って評価した。
<比較例5>
実施例1において、次亜リン酸カルシウムの添加量を、表1に示す通りとなるように変更し、他は同様に行って、比較例5のポリアミド樹脂を得た。
得られたポリアミド樹脂ペレットを用い、上記評価方法に従って評価した。
<比較例6>
実施例1において、次亜リン酸カルシウムの添加量を、表1に示す通りとなるように変更し、他は同様に行って、比較例6のポリアミド樹脂を得た。
得られたポリアミド樹脂ペレットを用い、上記評価方法に従って評価した。
<比較例7>
実施例1において、アジピン酸とイソフタル酸のモル比率を65:35となるように調整し、他は同様に行って、比較例7のポリアミド樹脂を得た。
得られたポリアミド樹脂ペレットを用い、上記評価方法に従って評価した。
Figure 0006819606
上記の結果から明らかなとおり、本発明のポリアミド樹脂は、透明性に優れ、かつ、黄色度が低いことが分かった。
これに対し、次亜リン酸塩として、ナトリウム塩を用いた場合(比較例1、2、4)、黄色度は低いが、結晶化により白濁したり、水浸漬後のヘイズが高かった。
また、イソフタル酸の割合がジカルボン酸成分の70モル%を超える場合(比較例3)、ポリアミド樹脂が得られなかった。
一方、リン原子濃度が本発明の範囲未満の場合(比較例5)、黄色度が高くなってしまった。逆に、リン原子濃度が本発明の範囲を超える場合(比較例6)、白色異物が発生し、透明性が劣ってしまった。

Claims (10)

  1. ジアミン由来の構成単位と、ジカルボン酸由来の構成単位から構成され、
    前記ジアミン由来の構成単位の70モル%以上がメタキシリレンジアミンに由来し、
    前記ジカルボン酸由来の構成単位の、30〜60モル%が炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来し、70〜40モル%がイソフタル酸に由来し、
    リン原子を20〜200質量ppmの割合で含み、カルシウム原子をリン原子:カルシウム原子のモル比が1:0.3〜0.7となる割合で含み、
    熱流束示差走査熱量測定法に基づいて、10℃/分の昇温速度で300℃まで昇温したときの、融解に伴う吸熱ピークの熱量が5J/g未満である非晶性樹脂である、ポリアミド樹脂。
  2. 40℃、相対湿度90%の条件下での透湿度が、0.5〜3.0g・mm/m2・dayである、請求項1に記載のポリアミド樹脂。
  3. 23℃、相対湿度60%の条件下での酸素透過係数(OTC60)が0.05〜0.2cc・mm/m2・day・atmであり、23℃、相対湿度60%の条件下での酸素透過係数(OTC60)に対する23℃、相対湿度90%の条件下での酸素透過係数(OTC90)の比(OTC90/OTC60)が0.5〜2.0倍である、請求項1または2に記載のポリアミド樹脂。
  4. ガラス転移温度が110〜150℃である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂。
  5. 前記ジカルボン酸由来の構成単位の30〜60モル%が、アジピン酸由来の構成単位である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂。
  6. 前記カルシウム原子が、次亜リン酸カルシウムに由来する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂であって、2mmの厚さに成形した成形品を23℃の水に24時間浸漬した後のヘイズが4.0%以下である、ポリアミド樹脂。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂であって、2mmの厚さに成形した成形品の黄色度(YI値)が10.0以下である、ポリアミド樹脂。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂を含むポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形品。
  10. ジアミンとジカルボン酸を次亜リン酸カルシウムの存在下で重縮合することを含み、
    前記ジアミンの70モル%以上がメタキシリレンジアミンであり、
    前記ジカルボン酸の30〜60モル%が炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸であり、70〜40モル%がイソフタル酸であり、
    次亜リン酸カルシウムを、ポリアミド樹脂に含まれるリン原子濃度が20〜200質量ppmとなる割合で添加することを含み
    熱流束示差走査熱量測定法に基づいて、10℃/分の昇温速度で300℃まで昇温したときの、融解に伴う吸熱ピークの熱量が5J/g未満である非晶性樹脂である、ポリアミド樹脂の製造方法。
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