JP6819285B2 - 切断機 - Google Patents

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本発明は保護カバーを有する切断機に関する。
従来の切断機として、回動可能な保護カバーと保護カバーを付勢するバネを備えた構成が知られている(特許文献1)。
特開2004−223775号公報
従来の切断機では、保護カバーの回動量に対して、バネによる付勢力が線形に上昇した。そのため、ユーザは、バネの付勢力に起因する大きな反力に抗しながら切断機を移動させ、加工作業を進める必要があった。
本発明は、斯かる実情に鑑み、作業時の操作性の良い切断機を提供する。
本発明の一形態では、モータと、前記モータを収容するハウジングと、外縁部を有する切断刃を着脱可能に取付け、前記モータにより回転駆動される出力軸と、前記外縁部の一部を覆う第1位置と前記外縁部の一部を露出する第2位置との間を回動可能に、前記ハウジングに支持される保護カバーと、前記保護カバーに対して前記第2位置から前記第1位置へ回動するように付勢力を与える付勢部材と、を備え、前記付勢力は前記保護カバーの回動量に対して一定であることを特徴とする切断機を提供する。
上記構成によれば、付勢力が保護カバーの回動量に関わらず一定に保持される。そのため、切断機を操作するための荷重が抑制され、作業性が向上する。
前記付勢部材は、前記ハウジングに対して回転可能に支持された内周面と前記保護カバーに接続された外端部とを持つ、長尺状の板材を渦巻状に加工したばねを有することを特徴とする請求項1に記載の切断機が好ましい。
上記構成によれば、簡略な構成によって、切断機を操作するための荷重を抑制し、切断機の作業性を向上させることができる。
前記ハウジングは前記内周面を摺動可能に支持するホルダを有することが好ましい。
前記ホルダは外周部を持つ円筒形状を有し、前記内周面は前記外周部に対して摺動可能であることが好ましい。
上記構成によれば、ばねの内周面をハウジングに対して摺動させることにより、簡略な構成のホルダを用いてばねを支持することできる。
前記ばねは、前記外端部より狭い幅を持つ狭幅部を有することが好ましい。
上記構成によれば、狭幅部におけるばね定数を外端部のばね定数よりも小さくすることができる。そのため、ばねの付勢力を前記保護カバーの回動量に関わらず一定に保持することが可能となり、切断機の作業性が向上する。
前記ばねは、前記外端部より薄肉に形成された薄肉部を有することが好ましい。
上記構成によれば、薄肉部におけるばね定数を外端部のばね定数よりも小さくすることができる。そのため、ばねの付勢力を前記保護カバーの回動量に関わらず一定に保持することが可能となり、切断機の作業性が向上する。
前記切断刃によって加工される被加工材を摺動可能なベースをさらに備え、前記保護カバーは、加工時に前記被加工材と接触する前端部を有し、前記加工時において前記付勢部材が前記前端部を介して前記被加工材に与える押付力に抗して前記加工を継続するための、前記加工にかかる力は、前記被加工材の前記ベースに対する摺動量の増加に対して単調増加することが好ましい。
上記構成によれば、作業時において、切断機を操作するための力の急激な変動や減少を防止できる。そのため、切断機の操作性が向上する。
本発明はさらに、モータと、前記モータを収容するハウジングと、外縁部を有する切断刃を着脱可能に取付け、前記モータにより回転駆動される出力軸と、前記外縁部の一部を覆う第1位置と前記外縁部の一部を露出する第2位置との間を回動可能に、前記ハウジングに支持される保護カバーと、前記保護カバーに対して前記第2位置から前記第1位置へ回動するように付勢力を与える付勢部材と、を備え、前記保護カバーは、切断作業の進行に伴い加工材に当接可能な当接部を有し、前記切断作業の進行方向に対して垂直な端面を有する加工材を切断する場合において、前記当接部の前記加工材との当接箇所は、前記切断作業の進行に応じて変化するとともに、前記保護カバーが前記第1位置から前記第2位置に至る過程における所定位置に位置する場合に前記保護カバーの回転中心に最も近接し、
前記保護カバーが前記所定位置と前記第2位置との間に位置する場合においては、前記付勢力が前記保護カバーの回動量に対して略一定であることを特徴とする切断機を提供している。
上記構成において、前記付勢部材は、前記ハウジングに対して回転可能に支持された内周面と前記保護カバーに接続された外端部とを持つ、長尺状の板材を渦巻状に加工したばねを有することが好ましい。
また、前記ハウジングは前記内周面を摺動可能に支持するホルダを有することが好ましい。
また、前記ホルダは外周部を持つ円筒形状を有し、前記内周面は前記外周部に対して摺動可能であることが好ましい。
また、前記ばねは、前記外端部より狭い幅を持つ狭幅部、または前記外端部より薄肉に形成された薄肉部を有することが好ましい。
本発明はさらに、モータと、前記モータを収容するハウジングと、外縁部を有する切断刃を着脱可能に取付け、前記モータにより回転駆動される出力軸と、前記外縁部の一部を覆う第1位置と前記外縁部の一部を露出する第2位置との間を回動可能に、前記ハウジングに支持される保護カバーと、前記保護カバーに対して前記第2位置から前記第1位置へ回動するように付勢力を与える付勢部材と、を備え、前記付勢部材は、前記ハウジングに対して回転可能に支持された内周面と前記保護カバーに接続された外端部とを持つ、長尺状の板材を渦巻状に加工したばねにより構成され、前記付勢力は前記保護カバーの回動量に対して一定であることを特徴とする切断機を提供している。
本発明はさらに、モータと、前記モータを収容するハウジングと、外縁部を有する切断刃を着脱可能に取付け、前記モータにより回転駆動される出力軸と、前記外縁部の一部を覆う第1位置と前記外縁部の一部を露出する第2位置との間を回動可能に、前記ハウジングに支持される保護カバーと、前記保護カバーに対して前記第2位置から前記第1位置へ回動するように付勢力を与える付勢部材と、前記切断刃によって加工される被加工材を摺動可能なベースと、を備え、前記保護カバーは、加工時に前記被加工材と接触する前端部を有し、前記付勢部材が前記前端部を介して前記被加工材に与える押付力に抗して前記加工を継続するための、前記加工にかかる力は、前記被加工材の前記ベースに対する摺動量の増加に対して単調増加することを特徴とする切断機を提供している。
本発明はさらに、モータと、前記モータを収容するハウジングと、外縁部を有する切断刃を着脱可能に取付け、前記モータにより回転駆動される出力軸と、前記外縁部の一部を覆う第1位置と前記外縁部の一部を露出する第2位置との間を回動可能に、前記ハウジングに支持される保護カバーと、前記保護カバーに対して前記第2位置から前記第1位置へ回動するように付勢力を与える付勢部材と、を備え、前記保護カバーは、切断作業の進行に伴い加工材に当接可能な当接部を有し、前記付勢部材が前記当接部を介して前記加工材に与える押付力に抗して加工を継続するための力を加工力としたとき、前記保護カバーが前記第1位置から前記第2位置まで回動するように加工が進行する過程における前記加工力が、前記保護カバーが前記第2位置に位置している場合の前記加工力を超えないように構成されることを特徴とする切断機を提供している。
上記構成において、前記保護カバーが前記第1位置から前記第2位置まで回動するように加工が進行する過程において、前記加工力が減少することなく増加するように構成されることが好ましい。
上記丸鋸によれば、作業時の操作性の良い切断機を提供できる。
本発明の実施の形態に係る丸鋸の右側面図。 本発明の実施の形態に係る丸鋸の、図1におけるII−II線に沿った断面図。 本発明の実施の形態に係る丸鋸の左側面図。なお、図中において、電池パック及び切断刃の記載を省略する。 本発明の実施の形態における丸鋸における、バネの(a)右側面図及び(b)底面図。 本発明の実施の形態における丸鋸における、ホルダの(a)右側面図、(b)上面図、(c)左側面図、及び(d)前面図。 従来技術に係る丸鋸の右側面図。 本発明の実施の形態に係る丸鋸及び従来技術に係る丸鋸の、(a)保護カバーの回動角度と付勢力との関係、(b)回動角度と押付力との関係、及び(c)摺動距離と加工に必要な力との関係を示す図。 本発明の実施の形態に係る丸鋸の、切断作業の進行の様子を(a)乃至(f)に順次示した図。 従来技術に係る丸鋸の、切断作業の進行の様子を(a)乃至(f)に順次示した図。 本発明の第1の変形例に係る丸鋸における、バネの(a)右側面図及び(b)底面図。 本発明の第2の変形例に係る丸鋸における、バネの(a)右側面図及び(b)底面図。
<実施の形態>
1.全体の構成
以下、本発明の第1の実施の形態による丸鋸1について図1乃至8に基づき、一部従来技術と比較しながら説明する。丸鋸1は、図1及び図2に示されるように、モータ2と、ハウジング3と、ベース4と、調整機構5と、円盤状の切断刃6と、バネ7とを備える。
なお説明の便宜上、丸鋸1のユーザからの視点に基づき、丸鋸1の方向を定める。具体的には、図1のそれぞれの矢印で示す方向に、上下及び前後の方向を定める。図1の紙面手前側を丸鋸1の右側とし、紙面奥側を丸鋸1の左側とする。また、丸鋸1を構成する部品の方向に関しても、原則として、丸鋸1に配置された場合の方向を基準として用いる。
本明細書において、寸法、数値等について言及した場合には、当該寸法及び数値等と完全に一致する寸法及び数値だけでなく、略一致する寸法及び数値等(例えば、製造誤差の範囲内である場合)を含むものとする。「同一」、「直交」、「平行」、「面一」、「一致」、「一定」等についても同様に「略同一」、「略直交」、「略平行」、「略面一」、「略一致」、「略一定」等を含むものとする。
モータ2は、図2に示すように、ハウジング3に収容される。モータ2は左右方向に延びる回転軸2Aを有し、回転軸2Aの右端部に固定されたピニオン21を備える。ピニオン21は、複数のギヤから構成される不図示の減速機構と係合し、この不図示の減速機構は、ピニオン21の下方においてギヤ22と係合する。ギヤ22は左右に延出する出力軸23の左端部に固定され、出力軸23の右端部では、切断刃6が着脱可能に装着される。詳細には、切断刃6はワッシャ24と出力軸23との間に挟持される。またワッシャ24は、出力軸23に螺合するボルト25によって固定される。
上記構成により、モータ2において発生した駆動力は、ピニオン21、不図示の減速機構、ギヤ22、及び出力軸23を介して、切断刃6に伝達される。
ハウジング3は、図1に示すように丸鋸1の外殻を形成し、モータ2等を収容する。ハウジング3は、切断刃6の上部を覆うソーカバー31と、切断刃6の下部を覆う保護カバー32と、ハンドル33と、トリガ34と、ギヤ22と出力軸23を収容するギヤカバー36と、モータ2とピニオン21と不図示の減速機構等を収容するモータ収容部37と、ホルダ38とを有する。また、ハウジング3の後部は電池パックPを着脱可能である。
ソーカバー31は、ハンドル33の右方において、切断刃6の外縁部であって上部を覆うように配置される。保護カバー32は、切断刃6の外縁部後部及び下部を覆うように設けられる。また、保護カバー32は、ソーカバー31の内部に入れ子状に配置され、出力軸23を中心として切断刃6の外縁部に沿うように回動可能である。
保護カバー32とソーカバー31との間に後述するバネ7が介在し、このバネ7は、ソーカバー31に対して保護カバー32を、切断刃6の回転方向へ付勢する。すなわち、保護カバー32は、右側面視において反時計回りに付勢される。非作業時において、保護カバー32は、切断刃6の外縁部下部及び後部を覆うように配置される。作業時において、作業の進行に従って保護カバー32は回動し、切断刃6の外縁部を徐々に露出させる。
ハンドル33は、モータ収容部37の上方に延出した側面視略D型の形状を有する。ハンドル33は、ユーザが把持しやすいように前方から後方に延びる。ハンドル33の下部には、モータ2と電気的に接続し、モータ2の駆動操作及び停止操作に用いられるトリガ34が設けられる。
ギヤカバー36は、モータ収容部37の右方に配置される(図2)。ギヤカバー36の下面は、略平板上に形成される。ギヤカバー36は、主にハウジング3の右面を構成し、ギヤ22と出力軸23とを収容する。ギヤカバー36の右端部からは、出力軸23が右方に突出する。ギヤカバー36の上端部は、側面視で円弧上に形成されてソーカバー31と接続する。
ギヤカバー36の右面には、ホルダ38が右方に突出するように取付けられる。ホルダ38は、図5に示すように、本体部38Aとフランジ部38Bとを備える。本体部38Aは、略円筒状の部材であり、内部には本体部38Aを左右方向に貫通するねじ穴を形成し、ホルダ38は、不図示のネジを介してギヤカバー36に固定される。本体部38Aの右端部には、本体部38Aより大きな径を有する板状のフランジ部38Bが取付けられ、後述するバネ7の左右方向へのずれを防止する。
ベース4は、図1に示すように、丸鋸1の下部において、前後左右方向に延びる略平板状の部材である。ベース4の下部は、被加工部材と当接し摺動可能とするため、略平面状に形成される。ベース4は、傾動軸を中心にしてハウジング3を傾動可能に支持し、切断刃6のベース4に対する角度を調整可能としている。またベース4は、揺動軸3Aを介してソーカバー31の前端部を揺動可能に支持しており(図1)、切断刃6のベース4からの突出量を調整可能としている。ベース4の右部には、前後方向に亘って開口部が形成される。切断刃6は、開口部を介して下方に突出するように配置される(図2)。ベース4の後部上面には、上方に延出するベベルプレート41と調整機構5とが備えられ、前部上面には、上方に延出する接続プレート42とが備えられる。ベベルプレート41は、前面視で略扇形を形成する略平板状の部材である。
接続プレート42は、前面視で略扇形を形成する略平板状の部材である。ベベルプレート41及び接続プレート42には、円弧状の長孔が形成される。ベベルプレート41には蝶ボルト43が前後に挿通され、接続プレート42の長孔には蝶ボルト44が前後に挿通される。ユーザは、これら2つの蝶ボルト43、44を操作することによって、ハウジング3のベース4に対する傾動姿勢を固定することができる。詳細には、ユーザが2つの蝶ボルト43、44を締付けることによってこれら蝶ボルトの頭部がベベルプレート41及び接続プレート42のそれぞれに押圧された状態となり、ハウジング3が固定される。
調整機構5は、側面視において弧状を形成する部材である。調整機構5には、調整機構5を左右方向に貫通し、側面視で弧状を成す長孔5bが形成される(図3)。調整機構5の下端部は、ベース4の上面に回動可能に取付けられる。調整機構5は、ソーカバー31と不図示のネジを介して接続される。詳細には、長孔5bには、不図示のネジが左右方向に挿通され、ソーカバー31の左側面に螺合する。ユーザは、不図示のネジの頂部を調整機構5に押圧させるように締付けることにより、ソーカバー31を調整機構5に係止させることができる。すなわち、調整機構5は、ハウジング3の揺動姿勢を変更し、保持する機能を有する。
バネ7は、ホルダ38の周囲に配置される(図1)。バネ7は、図4に示すように、厚みと幅が一様な板状の長尺金属部材を渦巻状にコイル加工した渦巻ばねである。バネ7の渦巻部分は、内周面71を有する(図4)。内周面71は、本体部38Aの外径よりも大きな径を有する。
バネ7の内端部または左端部は、ホルダ38とは接続されていない。またバネ7は、内周面71が本体部38Aの外周部に対して摺動できるように遊びを持って配置される。そのため、バネ7は、ホルダ38に対して回転可能、または周回可能である。バネ7は、フランジ部38Bとギヤカバー36との間に配置され、左右方向のずれが防止される。バネ7の渦巻状の外端部を形成する前端部72は、保護カバー32の上端部に、S字フックなどの取付部材を介して取付けられる。
バネ7は、前端部72が前方に引き出されると、自身が渦巻状に復元しようとする力を用いて、保護カバー32に対して付勢力を働かせる。バネ7により、保護カバー32は、右側面視で反時計回り方向に回動するように付勢される。なお、非作業時において、バネ7は、前端部72が所定長さだけ引き出された状態で保護カバー32に取付けられており、保護カバー32に対して付勢力を働かせている。なお、前端部72は本発明の外端部に相当する。
ユーザは、ベース4を被加工材Wの上部に押し当て、摺動させることにより、切断作業を行う。ベース4を被加工材Wの上面で摺動させると、保護カバー32の前端部が被加工材Wと当接し、保護カバー32は、付勢力に抗して右側面視時計回りに回動する。
保護カバー32の回動時に、バネ7の前端部72は前方に引き出される。また、保護カバー32の回動量の増加に従い、バネ7の(またはバネ7の前端部72の)引き出し量は増加する。ここで、バネ7は、ホルダ38に対して回転または周回するように配置されているため、引き出し量に関わらず、バネ7が保護カバー32に対して付与する付勢力は略一定に保持される。
2.従来技術による丸鋸及びバネ
図6には、従来技術による丸鋸1Aを示す。なお、実施の形態と同じ部品等には、実施の形態で用いたものと同じ参照符号を付し、説明を省略する。
従来技術による丸鋸1Aでは、コイルバネ7Aを用いて保護カバー32に対して付勢力を付与している。コイルバネ7Aは、後端部がギヤカバー36に固定され、前端部72が保護カバー32に対して固定される。また、保護カバー32の回動角が0(ゼロ)度の状態(図6の状態)において、コイルバネ7Aは所定量だけ引っ張られた状態に保持されている。
保護カバー32の回動時には、バネ7Aは前方に引っ張られる。また、保護カバー32の回動量の増加に従い、バネ7の変形量は増加する。ここで、バネ7の後端部は、ハウジング3に対して固定されているため、引き出し量に対して一定の割合で、バネ7Aが保護カバー32に対して付与する付勢力は増加する。
3.従来技術との比較
(1)回動角度と付勢力の関係
実施の形態によるバネ7及び従来技術によるバネ7Aが保護カバー32に対して付与する付勢力と保護カバー32の回動角度との関係を示すグラフを図7(a)に示す。図中のグラフにおいて、横軸は保護カバー32の回動角度を示し、縦軸はバネ7が保護カバー32に対して付与する付勢力を示す。なお実線は、本実施形態におけるバネ7による特性を示すものであり、点線は、従来技術によるバネ7Aの特性を示す。
上述の如く、実施の形態においては、バネ7の引き出し量に関わらず、バネ7が保護カバー32に対して付与する付勢力は略一定に保持される。そのため、図7(a)に示す如く、保護カバー32の回動角度に関わらず、付勢力は略一定となる。
一方、従来技術によるバネ7Aの場合、バネ7Aが保護カバー32に対して付与する付勢力は、バネ7Aの引っ張り量の増加に対して線形に増加する。そのため、そのため、図7(a)に示す如く、保護カバー32の回動角度の増加に対して、付勢力は一定の割合で増加する。
(2)回動角度と押付力の関係
実施の形態の丸鋸1によるバネ7及び従来技術の丸鋸1Aによるバネ7Aが保護カバー32を介して被加工材Wに対して与える押付力と、保護カバー32の回動角度との関係を示すグラフを図7(b)に示す。図7(b)のグラフでは、横軸に回動角度を示し、縦軸に押付力を示す。また、白抜きのグラフが従来技術の丸鋸1A(バネ7A)に係る押付力を示し、斜線で示されたグラフが実施の形態の丸鋸1(バネ7)に係る押付力を示す。グラフには、回動角度90度近傍における押付力が最も高く、回動角度30度及び120度における押付力が低くなるという傾向が示される。
回動角度90度において、押付力が最も高くなる理由を以下に説明する。実施の形態による丸鋸1における、回動角度0から140度までの保護カバー32の変位を、図8(a)乃至(f)に、順次示す。さらに従来技術による丸鋸1Aにおける、同様の図面を、図9の(a)乃至(f)に示す。各図中において、距離Lは、被加工材Wと保護カバー32との当接箇所と、出力軸23の中心との上下方向距離を示している。なお、出力軸23の中心は、保護カバー32の回動中心と一致する。
被加工材Wに対してベース4が前方に摺動すると、保護カバー32の回動角度は増加する。このとき、保護カバー32と被加工材Wとが当接する。図8及び図9の(a)乃至(f)に示すように、距離Lは、保護カバー32の回動角度に応じて変化する。図8(d)及び図9(d)に示すように、回動角度90度以上の場合において、距離Lは小さくなる。
回動角度が90度を超える場合、図8及び図9の(e)及び(f)に示すように、保護カバー32と被加工材Wは正対しない。そのため、バネ7及びバネ7Aが被加工材Wに対して与える押付力は、回動角度90度の場合よりも低くなる。
ここで、バネ7及びバネ7Aが被加工材Wに対して与える押付力は、支点である出力軸23と、作用点である当接箇所との距離Lに反比例する。そのため押付力は、実施の形態による丸鋸1及び従来技術による丸鋸1Aのいずれにおいても、回動角度90度において最も高くなる。
ここで、図7(a)に示すように、実施の形態のバネ7の付勢力は、従来技術のバネ7Aが発生させる付勢力より小さい。したがって、実施の形態による丸鋸1における押付力の最大値は、従来技術による丸鋸1Aの押付力の最大値よりも、低いものとなる。
また、丸鋸1における押付力の変化量は、丸鋸1Aにおける押付力の変化量よりも、小さいものとなる。
(3)作業時における、摺動距離と丸鋸にかかる力との関係
切断作業時における、丸鋸1及び丸鋸1Aの摺動距離と、丸鋸1及び丸鋸1Aの加工に必要な力との関係を、図7(c)のグラフに示す。図7(c)のグラフにおいて、縦軸は丸鋸1及び丸鋸1Aを摺動させるために必要な力を示し、横軸は丸鋸1及び丸鋸1Aの摺動距離を示す。ここで、摺動距離とは、切断作業時において、ベース4が被加工材Wに対して前方に移動した距離をいう。図中、実線は実施の形態による丸鋸1を示し、点線は従来技術の丸鋸1Aを示す。
丸鋸1及び丸鋸1Aにおいて、加工に必要な力とは、切断刃6を回転させて被加工材Wを切断する作業において、丸鋸1及び丸鋸1Aを前方に移動させるための力をいう。そのため、加工に必要な力には、上述の押付力に加え、ベース4と被加工材Wとの摩擦力、及び切断刃6と被加工材Wとの間に係る荷重などが作用する。グラフに明らかなように、従来技術である丸鋸1Aにおいては、加工に必要な力は一度大きく増加して最大荷重を記録し、その後大きく減少に転じる。一方、実施の形態による丸鋸1においては、加工に必要な力は、摺動距離の増加に対して、減少することなく増加するという特徴を示す。すなわち、丸鋸1の加工に必要な力は、摺動距離に対して単調に増加する。
このような違いが表れる原因として、上述の押付力の違いが大きく作用する。すなわち、従来技術におる丸鋸1Aでは、保護カバー32の回動角度に対して押付力が大きく増減するのに対し、実施の形態による丸鋸1では押付力の増減が少ない(図7(b))。その結果、加工に必要な力についても、実施の形態と従来技術の間で特徴の差異が表れている。
実施の形態による丸鋸1において、加工に必要な力が摺動距離に対して単調に増加する結果、ユーザは丸鋸1の作業を従来に比較してスムーズに行うことが可能である。
詳細には、従来の丸鋸1Aでは、摺動を進めるにしたがって、押付力が大きく増減するため、特に押付力が減少に転じる瞬間に切断速度が大きく変わってしまったり、切断方向が左右に曲がってしまったりするなどの困難が生じていた。しかし、実施の形態による丸鋸1では、加工に必要な力は摺動距離に対して単調に増加するため、加工に必要な力が急激に変動しない。したがって、切断の速度を一定に保つことが容易であるとともに、切断方向を真っ直ぐ保つことが容易である。
<変形例>
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。本実施の形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせ等にいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
第1の変形例によるバネ107を、図10に示す。バネ107は、基本的に実施の形態によるバネ7と同様、一様な厚みを持った板状の長尺金属部材を渦巻状にコイル加工した渦巻ばねである。実施の形態と異なる点として、変形例によるバネ107は、前端部172より幅の狭い狭幅部107Aを有する。狭幅部107Aは幅が狭いため、前端部172よりも剛性が低い。このような区間を設けることによって、バネ107の引出量に関わらず、バネ107が保護カバー32に対して付与する付勢力を調節することが可能である。
特に、大きな押付力が必要となる回動角度90度付近において、上記狭幅部107Aを対応させることが好ましい。この場合、押付力を減少させ、スムーズな加工作業が可能となる。
第2の変形例によるバネ207を、図11に示す。バネ207は、基本的に実施の形態によるバネ7と同様、一様な幅を持った板状の長尺金属部材を渦巻状にコイル加工した渦巻ばねである。実施の形態と異なる点として、第2の変形例によるバネ207は、前端部272より厚みの薄い薄肉部207Aを有する。薄肉部207Aは前端部272より薄いため、前端部272よりも剛性が低い。このような区間を設けることによって、バネ207の引出量に関わらず、バネ207が保護カバー32に対して付与する付勢力を調節できる。なお、図11における二点鎖線は、薄肉部207Aの範囲を示す。
また、上記2つの変形例を組み合わせ、バネの厚みと幅との変化を引き出し量に対して同時に変化させ、任意の区間における剛性を調整することも考えられる。
バネ7、107、及び207の付勢力は、バネ7、107、及び207の径やホルダ38と保護カバー32との相対位置、距離などに応じて適宜調整する必要がある。上記のような変形例は、このような設計上の要請に対して柔軟に対応することを可能とし、設計の自由度を大きく確保するという効果を有する。
上記の実施形態においては、バネ7の付勢力は、引出量及び保護カバー32の回動角度に対して、略一定であった。しかし、第1及び第2の変形例によれば、バネ107、207の付勢力を、押圧力や加工に引出量及び保護カバー32の回動角度に対して、略一定に保持するだけでなく、自由に増減する、いわゆる非線形バネとして設計することも可能となる。すなわち、バネ107、207を用いた場合、押付力や加工に必要な力を、設計上の要請に応じて柔軟に設定することが可能となる。
上記実施の形態及び変形例において、ホルダ38は、ハウジング3またはギヤカバー36に対して回転しない構成であった。しかし、本発明はこの限りではなく、ホルダ38をギヤカバー36に対して回転可能に取付け、バネ7、107、207の内周面71、171、271と共に回転するような構成としても良い。
1 丸鋸
2 モータ
3 ハウジング
4 ベース
3A 揺動軸
5 調整機構
6 切断刃
7、107、207 バネ
38 ホルダ

Claims (9)

  1. モータと、
    前記モータを収容するハウジングと、
    外縁部を有する切断刃を着脱可能に取付け、前記モータにより回転駆動される出力軸と、
    前記外縁部の一部を覆う第1位置と前記外縁部の一部を露出する第2位置との間を回動可能に、前記ハウジングに支持される保護カバーと、
    前記保護カバーに対して前記第2位置から前記第1位置へ回動するように付勢力を与える付勢部材と、を備え、
    前記保護カバーは、切断作業の進行に伴い加工材に当接可能な当接部を有し、
    前記切断作業の進行方向に対して垂直な端面を有する加工材を切断する場合において、前記当接部の前記加工材との当接箇所は、前記切断作業の進行に応じて変化するとともに、前記保護カバーが前記第1位置から前記第2位置に至る過程における所定位置に位置する場合に前記保護カバーの回転中心に最も近接し、
    前記保護カバーが前記所定位置と前記第2位置との間に位置する場合においては、前記付勢力前記保護カバーの回動量に対して一定であることを特徴とする切断機。
  2. 前記付勢部材は、前記ハウジングに対して回転可能に支持された内周面と前記保護カバーに接続された外端部とを持つ、長尺状の板材を渦巻状に加工したばねを有することを特徴とする請求項1に記載の切断機。
  3. 前記ハウジングは前記内周面を摺動可能に支持するホルダを有することを特徴とする請求項2に記載の切断機。
  4. 前記ホルダは外周部を持つ円筒形状を有し、
    前記内周面は前記外周部に対して摺動可能であることを特徴とする請求項3に記載の切断機。
  5. 前記ばねは、前記外端部より狭い幅を持つ狭幅部、または前記外端部より薄肉に形成された薄肉部を有することを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の切断機。
  6. モータと、
    前記モータを収容するハウジングと、
    外縁部を有する切断刃を着脱可能に取付け、前記モータにより回転駆動される出力軸と、
    前記外縁部の一部を覆う第1位置と前記外縁部の一部を露出する第2位置との間を回動可能に、前記ハウジングに支持される保護カバーと、
    前記保護カバーに対して前記第2位置から前記第1位置へ回動するように付勢力を与える付勢部材と、を備え、
    前記付勢部材は、前記ハウジングに対して回転可能に支持された内周面と前記保護カバーに接続された外端部とを持つ、長尺状の板材を渦巻状に加工したばねにより構成され、前記付勢力は前記保護カバーの回動量に対して一定であることを特徴とする切断機。
  7. モータと、
    前記モータを収容するハウジングと、
    外縁部を有する切断刃を着脱可能に取付け、前記モータにより回転駆動される出力軸と、
    前記外縁部の一部を覆う第1位置と前記外縁部の一部を露出する第2位置との間を回動可能に、前記ハウジングに支持される保護カバーと、
    前記保護カバーに対して前記第2位置から前記第1位置へ回動するように付勢力を与える付勢部材と、
    前記切断刃によって加工される被加工材を摺動可能なベースと、を備え、
    前記保護カバーは、加工時に前記被加工材と接触する前端部を有し、
    前記付勢部材が前記前端部を介して前記被加工材に与える押付力に抗して前記加工を継続するための、前記加工にかかる力は、前記被加工材の前記ベースに対する摺動量の増加に対して単調増加することを特徴とする切断機。
  8. モータと、
    前記モータを収容するハウジングと、
    外縁部を有する切断刃を着脱可能に取付け、前記モータにより回転駆動される出力軸と、
    前記外縁部の一部を覆う第1位置と前記外縁部の一部を露出する第2位置との間を回動可能に、前記ハウジングに支持される保護カバーと、
    前記保護カバーに対して前記第2位置から前記第1位置へ回動するように付勢力を与える付勢部材と、を備え、
    前記保護カバーは、切断作業の進行に伴い加工材に当接可能な当接部を有し、
    前記付勢部材が前記当接部を介して前記加工材に与える押付力に抗して加工を継続するための力を加工力としたとき、前記保護カバーが前記第1位置から前記第2位置まで回動するように加工が進行する過程における前記加工力が、前記保護カバーが前記第2位置に位置している場合の前記加工力を超えないように構成されることを特徴とする切断機。
  9. 前記保護カバーが前記第1位置から前記第2位置まで回動するように加工が進行する過程において、前記加工力が減少することなく増加するように構成されることを特徴とする請求項8に記載の切断機。
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