JP6819119B2 - ガスバリア性膜を有するポリエチレンテレフタレート製容器 - Google Patents

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Description

本発明は、容器内面にガスバリア性膜を有する小容量のポリエチレンテレフタレート製容器に関する。
飲料や調味料などを収容する容器は、ポリエチレンテレフタレート(PET)製容器が広く普及し、医薬品や工業部品などの容器にも使用されている。
PET製容器は、開口部から収容部まで一体成型できること、容量の大小や多様な形状に適宜合わせて成形できること等の利便性を備えており、射出成形法、1ステップブロー成形法(ホットパリソン法)、2ステップブロー成形法(コールドパリソン法)、ダイレクトブロー法などの各種成形法から、容器の形状、重量や肉厚、材質によって、それぞれ最適な手法が選択され成形されている。
一般的には、500mL程度より大きい大容量容器の場合には、射出成形でパリソンを作製した後にブロー延伸するブロー成形法が用いられ、小容量容器の場合には射出成形の工程までで作製する射出成形法が用いられる。
また、旧来のガラス瓶や金属缶からPET製容器への切替えにあたっては、PET製容器に酸素ガスや水蒸気などのガスバリア性を付与する為に、容器基材の積層化や、容器基材へのガスバリア膜の形成が行われてきている。特に、高いガスバリア性を付与するにはダイアモンドライクカーボン(DLC)膜等のガスバリア性膜が形成されている。
これまで、数100mLから1.8L程度の容量の飲料、アルコール、調味料用のガスバリア性PET容器を得る方法が開発され製品化されてきたが、その技術は、主にDLC膜等の成膜方法や条件の改良技術であった(例えば特許文献1)。
特開2007−50898号公報
本発明者は、数100mL以下のPET容器にガスバリア性膜を形成して、小容量ガスバリア性PET容器を得る検討を行ったが、ガスバリア成膜方法や条件は同じであっても、PET容器基材によってガスバリア性が不十分となることが判った。
そこで、本発明は、良好なガスバリア性PET容器を得る為のPET容器基材を提供することを課題とする。
本発明者は鋭意検討した結果、特定の物性を有する容器によって上記課題を解決することを見出した。すなわち、本発明の主旨は、第一として、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる容積200mL未満の容器であって、容器中央部の樹脂のラマン分光分析におけるC=O伸縮振動に帰属の1725cm−1付近ピークの半値幅が25以下であり、容器内面にガスバリア性膜を有する容器であり、第二として、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる容積200mL未満の容器であって、容器中央部の樹脂の密度が1.340g/cm 以上1.380g/cm 以下であり、容器内面にガスバリア性膜を有する容器、に存する。
本発明によれば、同じガスバリア成膜条件においても、より良好なガスバリア性を有する小容量PET容器を製造できる。
は、本発明の容器の胴部が円筒状の場合の断面概略図である。 は、本発明の容器の胴部の内径が開口部から底部への長さ方向において変化する場合の断面概略図である。 は、容器基材のラマン分光、密度、3次元算術平均表面粗さの分析位置、測定位置を示す概略図である。 は、ラマン分光分析のラマンスペクトル図の例示である。
以下、本発明について説明する。
本発明の容器のプラスチック基材は、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)からなる。PET樹脂の種類は特に限定されず、公知の樹脂を使用でき、例えばボトル用グレードを用いることができる。
ポリエチレンテレフタレートは、単独重合体でもよく、共重合体でもよい。エステル単位は、エチレンテレフタレート単位70モル%以上が好ましく、80モル%以上がより好ましい。結晶性、配向性の向上の観点ではポリエチレンテレフタレート単独重合体が好適であるが、エチレンテレフタレート単位以外のエステル単位を少量含む共重合体体や、他の樹脂を少量含む混合組成でもよい。
エチレンテレフタレート単位以外のエステル単位について、テレフタル酸以外の二塩基酸としては、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸:シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸;コハク酸、アジピン酸、せバチン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸;の1種以上が挙げられる。
また、エチレングリコール以外のジオール成分としては、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,6−へキシレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等の1種以上が挙げられる。
ポリエチレンテレフタレート樹脂と混合する樹脂としては、例えば、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリ(メタキシリレンアジパミド)樹脂などが挙げられる。混合比率は5質量%以下が好ましい。
また、ポリエチレンテレフタレート樹脂に酸素吸収剤(スカベンジャー)を混合し、容器基材そのものの酸素ガスバリア性を向上させても良い。
使用するPET樹脂は、容器成形の点から極限粘度0.75〜0.85dl/g、融点230〜260℃、結晶化温度160〜190℃の種類が好ましく、極限粘度0.78〜0.82、融点245〜255℃、結晶化温度170〜180℃の種類がより好ましい。
本発明の容器の形状は、略同軸上に延在する中空形状の胴部と、胴部の一方の端に開口部と、他方の端に閉塞部を有する。また本発明において、容器の外気側表面を外面、容器の収容部側表面を内面と呼称する。
胴部の断面形状は、特に限定しないが、均質均等な容器基材を得る点、また均質均等なガスバリア成膜を行う観点から、円形状が好ましい。但し、楕円状や多角形状等も可能である。
また、胴部の形状は、開口部側から閉塞部側へ内径が一定でなくとも良く、例えば図2(A)〜(D)の様に、開口部から底部へ向けて縮径または拡径する場合や、開口部側および/または底部側に太径部を有する場合を含む。この場合の内径とは、当該多角形等に内包可能な円の最大直径を云う。
また、本発明の容器の容積は、200mL未満であり、例えば、医薬品・栄養品や工業部品など、少量または小形状であるが高価値であり、酸化、変質、腐敗、腐食を防ぎ長期保管が必要な物品に対し、本発明の容器はそれらの収容に適するものである。更に、それら物品に対し、100mL以下、50mL以下、20mL以下などの小容積容器を提供できる。
本発明の容器基材の肉厚は、特に限定されるものではないが、下限は0.2mm以上が好ましく、0.3mm以上がより好ましい。上限は1.5mm以下が好ましく、1.0mm以下がより好ましい。このような厚みにすることで、十分な容器強度と良好な経済性を兼備でき、また後述のガスバリア成膜も適切に行うことができる。
一般に、卓上調味料やドリンク剤などの200mL以上のPET容器は、生産性、経済性の観点からブロー成形法で製造され、200mL未満の小容量の飲料、調味料、医薬品、工業部品などを収容するPET容器は、製品の寸法安定性の点から射出成形法で製造され、容量が小さい物ほど射出成形法が採用されている。
しかしながら、本発明の課題解決にあたり検討した結果、200mL未満の小容量の容器であっても、ブロー成形し特定の範囲の物性を有することで良好なガスバリア性PET容器を得られることが判明した。
本発明の容器基材の製法は、ブロー成形法が好ましく、ブロー成形法としては、公知の1ステップブロー成形法(ホットパリソン法)、2ステップブロー成形法(コールドパリソン法)が挙げられる。また、ブロー成形した後に、金型内でヒートセット(熱固定)することで、結晶性を増大できる。
例えば、1ステップブロー成形法(ホットパリソン法)、ホットランナー方式の場合は、バレル温度、ブロック温度、ノズル温度は、それぞれ265〜300℃が好ましく、270〜290℃がより好ましい。また、冷却時間は1.5〜5.0秒が好ましく、2.0〜4.0秒がより好ましい。
ヒートセットの条件は、例えば、温度120〜160℃が好ましく、130〜150℃がより好ましい。ヒートセット時間(ブロー時間)は1〜10秒が好ましく、2〜5秒がより好ましい。また、高温下ではヒケが発生し易いため、その防止策として、孔の空いたストレッチロッドを使用し、孔から冷却エアーを1〜4秒間吹き込み、容器内を冷却させる。
ブロー延伸の面倍率は、下限は2倍以上が好ましく、上限は12倍以下が好ましい。略円筒状容器の場合は、例えば、軸方向延伸倍率1.5倍以上4倍以下、周方向延伸倍率1.0倍以上4倍以下が好ましい。
一般には、延伸面倍率が低ければ、射出成形でパリソンを作製後に工程を必要とするブロー法は採用せず、射出成形法を選択するが、本発明においては、2倍以上4倍以下といった低い延伸面倍率の場合であっても、分子を配向させ、結晶性を上げるためブロー成形を行うことが望ましい。
延伸面倍率は、軸方向延伸倍率と周方向延伸倍率との乗算値である。
軸方向延伸倍率は、容器の首下またはキャップ装着部直下から底面までの長さの延伸倍率であり、パリソンに対する成形容器の比率である。また、周方向延伸倍率は、容器の胴部の最大外周長さの延伸倍率であり、パリソンに対する成形容器の比率である。
本発明の容器は、ラマン分光分析におけるPETのC=O伸縮振動に帰属される1725cm−1付近のピークの半値幅が25以下であり、23以下が好ましく、21以下がより好ましい。
ラマン分光分析におけるPETのC=O伸縮振動のピーク半値幅は、結晶化度と負の相関があり、半値幅が小さいほど結晶性が高いことが知られている。本発明の容器は、ピーク半値幅が25以下と、容器基材のPETの結晶性が高いほど、ガスバリア膜を成膜した場合の容器のガスバリア性が向上する。
PET製容器においては、ブロー成形などの延伸処理や、熱処理などにより、容器基材のPETの結晶化度が増大し、また分子配向も進むと考えられ、PET基材自体のガスバリア性が向上する、またガスバリア膜の成膜も緻密化し、容器のガスバリア性が向上するものと考察される。
分析は、容器が小さいので顕微ラマンレーザー分光装置を用いて行う。容器基材のサンプリングは、ガスバリア成膜前の容器基材から行っても良く、成膜後の容器からガスバリア膜を切削や溶剤により除去した容器基材から行っても良い。容器の分析箇所を割断し、容器内面側からレーザー照射を行って分析し、C=O伸縮振動に帰属される1725cm−1付近のピークの半値幅を解析する。
容器基材のラマン分光分析を行う位置は、容器キャップが装着される開口部分を除いた胴部の長さ方向の中央箇所である。容器は成形により各部位によって結晶性は異なるが、胴部の中央箇所は、その平均的な数値が得られると考えられる。尚、胴部の中央箇所とは、キャップ装着される開口部の直下から底部までの長さ方向距離の50%の位置を意味する(図3)。
また、胴部の長さ方向の他箇所、例えば開口部から底部への長さ方向に任意距離の箇所について、容器基材をサンプリングし、上記ラマン分光分析としては容器面積比率が大きいほど、容器のガスバリア性は良好なものとなる。その容器面積比率は50%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。
容器面積比率は、例えば、開口部直下から底部までの長さ方向距離の25%位置、50%位置、75%位置のラマン分光ピーク半値幅値が何れも上記範囲であることによって、容器面積比率50%と見做すことができる。
本発明の容器基材の密度は、1.340g/cm 以上1.380g/cm 以下である。下限は、1.350g/cm 以上が好ましく、1.355g/cm 以上がより好ましい。上限は、耐熱性の点で高い方が好ましいが、用途や使用条件によって1.370g/cm 以下、または1.360g/cm 以下でも本発明のガスバリア性容器として有用である。密度が上記範囲であると、ガスバリア成膜した際の容器のガスバリア性が良好となる。
容器基材の密度の測定方法は、JIS K 7112に準じて密度勾配管法で測定できる。ガスバリア成膜前の容器からサンプリングして測定しても良く、成膜後の容器からガスバリア膜を切削や溶剤により除去した容器基材をサンプリングして測定しても良い。
容器基材の密度の測定位置は、容器キャップが装着される開口部分を除いた胴部の長さ方向の中央箇所である。容器は成形により各部位によって密度は異なるが、胴部の中央箇所は、その平均的な数値が得られると考えられる。尚、胴部の中央箇所とは、キャップ装着される開口部の直下から底部までの長さ方向距離の50%の位置を意味する(図3)。
また、胴部の長さ方向の他箇所、例えば開口部から底部への長さ方向に任意距離の箇所について、容器基材をサンプリングして密度測定し、上記密度範囲である容器面積比率が大きいほど、容器のガスバリア性は良好なものとなる。上記密度範囲である容器面積比率は50%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。
容器面積比率は、例えば、開口部直下から底部までの長さ方向距離の25%位置、50%位置、75%位置の密度測定値が上記範囲であることによって、容器面積比率50%と見做すことができる。
本発明の容器基材は、無色透明である。一般に結晶配向が進み、密度が増大すると、樹脂の白色化が生じるが、本発明の容器基材は、上述の特定範囲のラマン分光ピーク半値幅及び/または密度を有し、かつ無色透明性も有する。例えば、波長600nmの光線透過率(積分球使用)は80%以上が好ましく、85%以上がより好ましい。光線透過率は高いほど良いので上限は特に限定しないが、95%程度である。
本発明の容器は、内面にガスバリア膜を有し、ガスバリア膜の組成は特に限定されないが、例えば、SiC、SiO、SiOC、SiN、SiON、SiONC、Si含有ダイアモンドカーボンなどのSi含有膜、ダイアモンドライクカーボン(Diamond like Carbon、DLC)膜、アルミナ膜が好ましい。中でも、ガスバリア性、化学的安定性、容器細部への成膜性の点から、DLC膜が好ましい。また、ガスバリア性膜は、異なる組成の膜を複数重ねたものでもよい。
DLC膜としては、アモルファスカーボン膜、水素化アモルファスカーボン膜、テトラヘドラルアモルファスカーボン膜、水素化テトラヘドラルアモルファスカーボン膜などを例示できる。DLC膜中には、窒素や酸素が含まれていてもよく、その場合、XPS分析(X線光電子分析)において、炭素原子数100に対する窒素および又は酸素の原子数は好ましくは20以下、より好ましくは15以下である。
ガスバリア膜の厚みは、十分なガスバリア性を得る点から、下限は10nm以上、より好ましくは15nm以上であり、透明性、生産性の点から、上限は好ましくは120nm以下、より好ましくは100nm以下である。
本発明の容器のガスバリア膜表面の3次元算術平均表面粗さは、45nm以下が好ましい。より好ましくは40nm以下、更に好ましくは30nm以下である。ガスバリア性膜の表面粗さが小さいほど、ガスバリア膜が緻密な構造であり、また、微視的にPET容器表面の被覆性が良いと推察され、良好なガスバリア性が得られるものと考えられる。
ガスバリア成膜前の容器内面のPET面の粗さとガスバリア膜表面の粗さとは相関関係にあり、PET面粗さが小さい場合は、ガスバリア膜表面の粗さも小さくなる。PET面の3次元算術平均表面粗さは、55nm以下が好ましく、50nm以下がより好ましく、40nm以下が更に好ましい。PET面粗さを小さくするには、射出成形の金型表面の粗さの低減、ブロー成形などの延伸処理などが有効である。
ガスバリア性膜自体を微細にして表面粗さを低減するには、真空蒸着法成膜の場合は、高真空で成膜する、原料純度を高める、蒸着源から被着体である容器基材表面までの距離を最適化する等、更にプラズマ化学蒸着法の場合は、分子の切断・化合を均等に行う等の条件をもって為すことができる。
3次元算術平均表面粗さは、容器を割断し容器内面について、非接触式光学法を用い、測定面積は500μm角〜1000μm角の範囲で測定する。
ガスバリア膜の表面粗さの測定位置は、容器キャップが装着される開口部分を除いた胴部の長さ方向の中央箇所である。容器は成形や、ガスバリア膜の成膜状態は、微視的各部位によって異なると推察されるが、胴部の中央箇所は、その平均的な数値が得られると考えられる。尚、胴部の中央箇所とは、キャップ装着される開口部の直下から底部までの長さ方向距離の50%の位置を意味する(図3)。
本発明の容器は、PET樹脂を溶融押出してパリソンを成形し、当該パリソンをブロー成形して容器基材を作製する工程、次いで当該容器基材の内面にガスバリア性膜を成膜する工程を経て、形成することができる。ブロー成形による延伸面倍率は2倍以降12倍以下が好ましく、2倍以上4倍以下といった低い延伸面倍率の場合であっても、分子を配向させ、結晶性を上げるためブロー成形を行うことが望ましい。例えば、軸方向延伸倍率1.5倍以上4倍以下、周方向延伸倍率1.0倍以上4倍以下が好ましい。
以下に実施例および比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例および比較例に限定されるものではない。
(実施例1)
PET樹脂として、一般ボトルグレード、極限粘度0.83dl/g、融点240℃、結晶化温度172℃を用い、図3に示すような形状の、水平方向断面が内径20mmの円状であり、開口部直下から底部までの長さ方向距離50mm、胴部肉厚0.5mmの略円筒状の胴部と、略半球状の底部とを有するPET製容器を成形した。
容器の成形は、1ステップブロー成形法(ホットパリソン法)を用いた。その射出条件は、ホットランナー方式、バレル温度275℃、ホットランナーブロック温度275℃、ホットランナーノズル温度270℃、冷却時間2.0秒、チラー設定温度18℃で行い、次工程のブロー条件は、ブロー圧3.0MPa、ブロー時間1.8秒、軸方向延伸倍率2.0倍、周方向延伸倍率1.6倍、延伸面倍率3.2倍で行った。
続いて、空間容積350cm、高周波電源13.56MHz、内部電極φ10mm(ガス導入管を兼用、先端細孔φ1mm)を装備したプラズマ化学蒸着装置内に、成形した容器を設置して真空排気を行い、容器内部圧力が15Paに到達後、高純度アセチレンガスを流量45sccmで導入し、プラズマ発生設定電力100W、成膜時間0.8秒の条件で膜厚40nmのDLC成膜を行い、ガスバリア膜を有するPET製容器を作製した。
(比較例1)
容器の成形に、射出成形法を用い、コールドランナー方式、バレル温度280℃、冷却時間30秒の射出条件で、PET製容器を成形した。その他は、実施例1と同様にして、ガスバリア性膜を有するPET製容器を作製した。
実施例1と比較例1で作製したPET製容器について、ラマン分光分析、密度測定、表面粗さ測定、酸素透過率測定、水蒸気透過率測定を行った。また、ガスバリア膜を有するPET容器について、表面粗さ測定、酸素透過率測定、水蒸気透過率測定を行った。
尚、ラマン分光分析、密度測定、表面粗さ測定は、容器の胴部中央箇所をサンプリングして評価を実施した。
(ラマン分光分析)
堀場製作所製顕微レーザーラマン分光測定装置LabRAM HR機を用い、入射面:容器内面、励起波長:532nm、Grating:1800gr/nm、積算時間:20秒、積算回数:10回、ホール:300、検出器:CCDの条件で分析し、C=O伸縮振動に帰属される1725cm−1ピークの半値幅を解析した。
(密度測定)
密度勾配管法(JIS K 7112)、溶媒:四塩化炭素とn−ヘプタン、温度23±0.5℃の方法および条件で、測定した。
(表面粗さ測定)
ブルカー製Contour GTX機を用い、接眼レンズ倍率1.0、対物レンズ倍率10、測定面積620μm×620μmの条件で測定し、3次元算術平均粗さSa(nm)を解析した。
(酸素透過率(OTR)測定)
MOCON製OX−TRAN2/61機を用い、容器開口部にアダプターヘッドを装着し、23℃ 50RH%の条件において、測定開始後48時間後の容器当たりの酸素透過率(cc/pkg/day)を測定した。
(水蒸気透過率(WTR)測定)
容器内に粒状塩化カルシウム約5g入れ、容器開口部にハンツマン・ジャパン製エポキシ系接着剤を用いてガラス板で封止し、40℃90RH%の条件で、塩化カルシウムの吸湿質量変化を4日おきに経時測定し、16日目と20日目の質量変化率から、容器当たりの水蒸気透過率(g/pkg/day)を算出した。
上記分析および測定結果を表1にまとめ、表1から以下のことが分かった。
尚、表中の「BIF」はBarrier Improvement Factorの略語であり、ガスバリア膜の無/有のガスバリア性改良率である。
ブロー成形品と射出成形品のDLC未成膜容器の酸素透過率は、共に約0.003cc/pkg/24hr・airと同程度であるが、DLC成膜した後の酸素ガスバリア性良化率は、ブロー成形品のみ11倍と高い良化率を示した。
ブロー成形品のDLC未成膜品の水蒸気透過率は、理由は不明ながら射出成形品よりも2倍ほど悪かった。しかしながら、DLC成膜すると、ブロー成型品は射出成形品より良好なほどの水蒸気透過率を示した。
ブロー成形品は、射出成形品に比べ密度が高く、結晶性が高いと推察された。また、ラマン分光分析のC=O結合伸縮振動に帰属される1725cm−1付近のピーク半値幅の解析から、半値幅の数値から射出成形品に比べ、結晶性が高いことが判明した。
尚、ブロー成型品の容器基材(DLC膜無し)は、射出成型品の容器基材(DLC膜無し)と同様に無色透明であり、波長600nmの光線透過率(積分球使用)は85〜95%であった。
ブロー成形品は、射出成形品に比べ、PET容器基材内面の表面粗さが小さかった。射出成形品の容器内面は、金型の表面状態をほぼ転写して反映されるが、ブロー成形品は容器基材が延伸されることによって内面の表面粗さが小さくなるものと考察できる。また、DLC成膜によって表面形状が鞣され、表面粗さ値は低減した。
本発明は、小容量のガスバリア性PET容器において、より良好なガスバリア性を得ることができ、高価値な栄養品・医薬品や工業部品等の収容物の変質防止、長期保管に大いに役立つものである。
1 開口
2 胴部
3 底部

Claims (4)

  1. ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる容積200mL未満のブロー成形容器であって、容器中央部の樹脂のラマン分光分析におけるC=O伸縮振動に帰属の1725cm−1付近ピークの半値幅が25以下であり、
    JIS K7112に準じて密度勾配管法で測定した、容器中央部の樹脂の密度が1.340g/cm 以上1.360g/cm 以下であり、
    前記容器が、延伸面倍率が2倍以上4倍以下のブロー成形容器であり、
    前記ガスバリア性膜が、ダイアモンドライクカーボン膜である、
    容器内面にガスバリア性膜を有する容器。
  2. 非接触式光学法を用いて、測定面積620μm×620μmの条件で測定した、前記容器中央部の前記ガスバリア性膜の3次元算術平均表面粗さが45nm以下である請求項1に記載の容器。
  3. 前記容器の形状が、開口部から底部へ向けて縮径または拡径する形状、あるいは、開口部側および/または底部側に太径部を有する形状である、請求項1または2に記載の容器。
  4. 延伸面倍率が2倍以上倍以下のブロー成形工程を有する請求項1〜の何れかに記載の容器の製造方法。
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