JP6817705B2 - シート加工装置 - Google Patents
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Description
この種の装置として、例えば特許文献1には、カッターローラに刃型を装着し、シート状の部材をアンビルローラとで挟み込むことで、刃型の形状にシート状の部材を切断する装置が開示されている。
即ち、従来のシート加工装置は、シート材の加工を行うための機能に改善の余地があった。
シート状の部材を加工するシート加工装置であって、
装置を支持する支持基台と、
第1のローラと、
前記シート状の部材を加工するために前記第1のローラとで当該シート状の部材を挟み込む第2のローラと、
前記第1のローラの回転軸を回転可能に支持する第1支持部を有し、前記支持基台に固定された第1支持側板部と、
前記第2のローラの回転軸を回転可能に支持し、前記第2のローラを前記第1のローラに対して鉛直方向の位置に配置させる第2支持部を有すると共に、前記支持基台に対して鉛直方向に移動可能に構成された第2支持側板部と、
前記第2支持側板部を鉛直方向に移動させる昇降機構と、
を備えることを特徴とする。
[全体構成]
図1は、本発明の一実施形態に係るシート加工装置1の全体構成を示す模式図である。
また、図2は、シート加工装置1の搬送機構を示す模式図である。
図1及び図2に示すように、シート加工装置1は、第1フィードロール部10と、カットユニット20と、第2フィードロール部30と、第1モータ40と、第2モータ50と、第3モータ60と、第4モータ70と、ダンサローラ部80と、トルク調整用クラッチ90と、制御部100とを含んで構成される。
なお、本実施形態において、シート材Sは、基材Bと、フィルム等からなる製品素材Fとが貼り合わされた構成となっており、不図示の基材巻出しローラ及びフィルム材巻出しローラそれぞれから巻き出された基材Bと製品素材Fとが、第1フィードロール部10において貼り合わされる構成となっている。
第2モータ50は、カットユニット20の受けローラ22の回転軸に連結され、制御部100の制御に従う回転トルク及び回転速度で、受けローラ22を回転駆動する。
第3モータ60は、第2フィードロール部30の下側ローラ32の回転軸に連結され、制御部100の制御に従う回転トルク及び回転速度で、下側ローラ32を回転駆動する。
第4モータ70は、カットユニット20のカッターローラ21の回転軸に連結され、制御部100の制御に従う回転トルク及び回転速度で、カッターローラ21を回転駆動する。
なお、第1モータ40、第2モータ50、第3モータ60及び第4モータ70は、例えばサーボモータ等によって構成することができる。
具体的には、シート加工装置1においては、搬送方向(MD方向)に弾性限界内でシート材Sに応力(張力)を付与する。すると、シート材Sのポアソン比に基づいて幅方向(TD方向)にも一定の弾性変形が生じる。この弾性変形を利用し、シート材Sの幅方向(TD方向)の製品形状が調整される。
弾性変形の範囲内であれば、ポアソン比は材料固有の定数として扱うことができるため、搬送方向(MD方向)に所定の張力を付与した場合の幅方向(TD方向)の変形量(シート材Sの幅の変化量)は、材料に応じた一意の関係として扱うことができる。
なお、シート材Sに搬送方向(MD方向)の張力を付与した場合、搬送方向(MD方向)にも変形を生じるが、この変形については、カッターローラ21の回転速度の調整により、製品の搬送方向(MD方向)の形状を調整する制御と統合して調整することで、目的とする製品形状とすることができる。
次に、カットユニット20の支持構造について説明する。
本実施形態におけるシート加工装置1は、カットユニット20における受けローラ22の回転軸が、シート加工装置1の支持基台における固定された位置で回転可能に支持されていると共に、カッターローラ21の回転軸は、支持基台に対して鉛直方向に移動可能とされている。そして、カッターローラ21の回転軸の位置が鉛直方向に移動されることで、カッターローラ21と受けローラ22との間隔が、シート材Sの厚み及びカット深さに応じた位置関係に調整される。なお、カッターローラ21は、回転軸の部分をエアシリンダによって押圧することにより、受けローラ22側に押し付けられている。このような構成とすることで、カットユニット20においては、ベアラを備えることなく、カッターローラ21と受けローラ22との位置関係を調整することができる。
図3は、カットユニット20の支持構造を示す模式図であり、図3(A)はシート加工装置1の正面(シート材Sの搬送方向)からカットユニット20を見た模式図、図3(B)はシート加工装置1の側面からカットユニット20を見た模式図である。
図3(A)、(B)に示すように、カットユニット20支持構造は、シート加工装置1の支持基台SBに固定された支持側板201と、支持側板201に対して鉛直方向に移動可能な移動側板202と、移動側板202を鉛直下方に押圧するエアシリンダ203と、移動側板202を鉛直方向に昇降する昇降機構204とを含んで構成される。これら支持側板201、移動側板202、エアシリンダ203及び昇降機構204によって、カッターローラ21と受けローラ22との間隔を調整する間隔調整機構を構成している。なお、本実施形態におけるシート加工装置1は、以下で説明する支持構造を左右対称に備えている。
支持側板201は、受けローラ22の回転軸を回転可能に支持するベアリング201aを備えている。ベアリング201aは、ベアリングケース201bに収容されている。また、支持側板201の下端には、後述するようにウォームジャッキによって構成される昇降機構204のウォーム軸を挿通するウォーム軸孔201cが形成されている。さらに、支持側板201のカッターローラ21の回転軸線上の部分には、カッターローラ21の回転軸を挿通する回転軸孔201dが形成されている。回転軸孔201dの直径は、移動側板202の鉛直方向への移動を妨げない大きさに設定されている。
次に、シート加工装置1の作用について説明する。
シート加工装置1において、シート材Sの加工が行われる場合、初めに、カッターローラ21と受けローラ22との間隔が調整される。具体的には、左右の昇降機構204それぞれによって移動側板202を鉛直方向に移動させることにより、シート材Sの厚みと、カッターローラ21に装着された刃型によってシート材Sに切り込むカット深さに応じて、カッターローラ21の受けローラ22に対する距離が調整される。
次に、制御部100の制御により、第2モータ50及び第3モータ60同期して回転されると共に、第4モータ70が回転され、シート材Sが、第1フィードロール部10、カットユニット20及び第2フィードロール部30のローラ間を所定速度で搬送方向(MD方向)に搬送される。
このとき、制御部100により、加工目的に応じてトルク調整用クラッチ90の締結力が制御され、搬送方向(MD方向)の張力が制御される。
これにより、張力が解放された際に形状が復元した場合の幅方向(TD方向)の製品形状が調整される。
これにより、カット時における製品の搬送方向(MD方向)のカット長さが調整される。なお、製品の幅方向(TD方向)の製品形状を調整する目的で搬送方向(MD方向)の張力が付与されることにより、製品の搬送方向(MD方向)の長さに影響が生じる場合には、その影響を解消するように、カッターローラ21の回転速度を制御することができる。
図4(A)に示すように、カッターローラ21の受けローラ22に対する回転速度が遅くなるほど(相対回転速度が大きくなるほど)、シート材Sの搬送方向(MD方向)のカット長さが長くなり、製品形状が長くなる。
また、図4(B)に示すように、搬送方向(MD方向)の張力が大きいほど、シート材Sの張力が解放されて復元した場合の搬送方向(MD方向)の収縮量が大きくなり(即ち、幅方向(TD方向)の拡大量が大きくなり)、製品形状は幅が大きくなる。
また、カッターローラ21の回転速度を受けローラ22に対して変化させることで、カッターローラ21に装着される刃型の形状とは異なる形状で製品をカットすることができるため、異なる形状の製品を製造する毎にカッターローラ21に刃型を装着する作業を軽減でき、作業効率の向上を図ることができる。
また、昇降機構204によって、左右それぞれの移動側板202が昇降され、カッターローラ21の受けローラ22に対する距離が調整されるため、ベアラを使用する場合に比べて、より正確な間隔調整(例えば1μm単位での間隔調整)が可能になる。これにより、製品の加工をより高精度に行うことができる。また、裏打ちフィルムを用いることなく、厚みがより薄いフィルムをハーフカットすることができる。この場合、裏打ちフィルムを用いる場合に比べ、不要な粘着層への刃の切れ込みがなく、製品のエッジの品質低下が発生したり、剥離する必要のない層のフィルム等まで2重剥離したりすることを防ぐことができる。そのため、製品の加工をより高精度に行うことができる。
さらに、ベアラを用いないことから、ベアラによるオイルの飛散を抑制できると共に、給油や清掃等の手間を解消することができる。
また、加圧ネジを用いることに代えて、エアシリンダ203を用いてカッターローラ21を押圧しているため、レギュレータによる数値管理が可能となり、製品の加工をより高精度に行うことができる。
このように、本実施形態に係るシート加工装置1によれば、シート加工装置において、シート材の加工を行うための機能を向上させることが可能となる。
第1実施形態において、カットユニット20の支持構造を、図3(A)、(B)に示すように、支持基台SBに固定された支持側板201で受けローラ22の回転軸を支持すると共に、支持基台SBに対して鉛直方向に移動可能な移動側板202でカッターローラ21の回転軸を支持し、移動側板202を昇降機構204で鉛直下方から押し上げ、鉛直上方からエアシリンダ203で押圧する構成とした。
これに対し、カットユニット20の支持構造を、支持基台SBに固定された支持側板でカッターローラ21の回転軸を支持すると共に、支持基台SBに対して鉛直方向に移動可能な移動側板で受けローラ22の回転軸を支持し、移動側板を昇降機構204で鉛直下方から持ち上げる構成とすることができる。
図5(A)、(B)に示すように、本変形例におけるカットユニット20支持構造は、シート加工装置1の支持基台SBに固定された支持側板301と、支持側板301に対して鉛直方向に移動可能な移動側板302と、移動側板302を鉛直方向に昇降する昇降機構204とを含んで構成される。これら支持側板201、移動側板202及び昇降機構204によって、カッターローラ21と受けローラ22との間隔を調整する間隔調整機構を構成している。なお、シート加工装置1には、本変形例における支持構造が左右対称に備えられる。
図5に示すカットユニットの支持構造は、図3に示すカットユニットの支持構造における支持側板201及び移動側板202の構成が、支持側板301及び移動側板302に置き換えられ、エアシリンダ203が備えられていない点が主として異なっている。
したがって、以下、異なる部分である支持側板301及び移動側板302の構成を説明し、他の部分については、図3の説明を参照することとする。
なお、本変形例においては、第1実施形態と同様に、昇降機構204は、左右の移動側板302を昇降させるために、左右それぞれの移動側板302に独立して設置されている。そのため、左右の移動側板302を鉛直方向の異なる位置に調整することができるため、シート材Sを幅方向(TD方向)で異なる厚みにカットすること等が可能である。
したがって、より少ない部品によって、カッターローラ21と受けローラ22との間隔を調整可能としつつ、移動側板302を支持することが可能となる。
また、シート材Sの加工時に付与する張力について、従来は、製品の張力が解放された場合でも製品の形状に影響を与えない(即ち、製品の加工に可能な限り影響を及ぼさない)ように、所定範囲(以下、「変形抑制範囲」と呼ぶ。)で設定されていたところ、本実施形態においては、張力の開放時に製品の形状が目的とする量で変化するように、変形抑制範囲を超えた張力を付与している。
さらに、シート材Sの加工時に付与する張力について、変形抑制範囲や、弾性変形あるいは塑性変形する具体的な数値は、実験やキャリブレーションにより、実際に加工されるシート材Sの特性に基づいて決定することができる。
例えば、トルク調整用クラッチ90を備えることなく、制御部100が第1モータ40の駆動電流を制御することにより、下側ローラ12に直接伝達される第1モータ40の回転トルクによって、シート材Sの搬送にブレーキをかける構成としてもよい。また、トルク調整用クラッチ90を備えることなく、制御部100が第1モータ40の回転速度を制御することにより、下側ローラ12の回転速度と、カットユニット20及び第2フィードロール部30の各ローラの回転速度とに回転速度差(即ち、円周面の速度差)を付与する制御(ドロー制御)を行って、シート材Sの搬送にブレーキをかける構成としてもよい。この場合、第1モータ40は、第2モータ50及び第3モータ60と同方向に、より低速で回転する。
これにより、簡単な構成でシート材Sの調整を行うことが可能となる。
Claims (3)
- シート状の部材を加工するシート加工装置であって、
装置を支持する支持基台と、
第1のローラと、
前記第1のローラの鉛直上方に配置され、前記シート状の部材を加工するために前記第1のローラとで当該シート状の部材を挟み込む第2のローラと、
前記第1のローラの回転軸を回転可能に支持する第1支持部を有し、前記支持基台に固定された第1支持側板部と、
前記第2のローラの回転軸を回転可能に支持し、前記第2のローラを前記第1のローラに対して鉛直方向の位置に配置させる第2支持部を有すると共に、前記支持基台に対して鉛直方向に移動可能に構成された第2支持側板部と、
前記第1のローラに対して前記第2のローラを前記シート状の部材を挟み込む特定の距離に位置させるために、前記第2支持側板部を鉛直方向に移動させる昇降機構と、
前記第2支持部を鉛直下方に押圧する流体圧シリンダと、
を備えることを特徴とするシート加工装置。 - 前記第1のローラに対する前記第2のローラの前記シート状の部材を挟み込む特定の距離は、前記シート状の部材の厚みと、前記シート状の部材を加工する場合のカット深さとに基づいて設定されていることを特徴とする請求項1に記載のシート加工装置。
- 前記シート状の部材を前記第1のローラ及び前記第2のローラに搬送する第1搬送ローラ部と、
前記第1のローラと前記第2のローラとによって加工された前記シート状の部材を搬送する第2搬送ローラ部と、
前記第1搬送ローラ部と、前記第1のローラ及び前記第2のローラと、前記第2搬送ローラ部とにおける前記シート状の部材の搬送速度を制御すると共に、前記第1搬送ローラ部における搬送トルクまたは搬送速度の少なくともいずれかを制御することにより、前記第1のローラ及び前記第2のローラに搬送される前記シート状の部材の搬送方向における張力を変化させる制御部と、
を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のシート加工装置。
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