以下、添付の図面を参照して、実施の形態について説明する。各図における同一の符号は、同一の部分または相当する部分を示す。また、本開示では、重複する説明については適宜に簡略化または省略する。なお、本発明は、以下の実施の形態によって開示される構成のあらゆる組み合わせを含み得るものである。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1の除湿機100の斜視図である。図2は、実施の形態1の除湿機の正面図である。図3は、実施の形態1の除湿機100の側面図である。図1、図2および図3は、除湿機100の外観を示す図である。
ここで、本実施の形態における各方向を定義する。図2における紙面上の上下方向を、本実施の形態における上下方向とする。図2における紙面の手前方向を、本実施の形態における前方向とする。図2における紙面の奥方向を、本実施の形態における後方向とする。図2における紙面上の左方向は、本実施の形態における右方向である。図2における紙面上の右方向は、本実施の形態における左方向である。
図3における紙面上の左右方向は、本実施の形態における前後方向である。図3における紙面上の上下方向は、本実施の形態における上下方向である。図3における紙面の手前方向を、本実施の形態における左方向とする。図3における紙面の奥方向を、本実施の形態における右方向とする。
また、図4は、実施の形態1の除湿機100の縦断面図である。図4は、図2におけるA−A位置での除湿機100の断面を示す。図4は、除湿機100の内部の構造を模式的に示す図である。図4における紙面上の上下左右方向は、図3における紙面上の上下左右方向に対応する。
除湿機100は、筐体1を備える。筐体1は、除湿機100の外殻となる部材である。筐体1は、例えば、自立可能な縦長の箱状の形状に形成されている。また、除湿機100は、例えば、車輪2を備えてもよい。車輪2は、筐体1の底に設けられる。車輪2は、使用者が除湿機100を容易に移動させるための部材である。
筐体1には、吸込口3が形成される。吸込口3は、筐体1の内部に空気を取り込むための開口である。吸込口3は、例えば、筐体1の後面に形成される。また、筐体1には、吹出口4が形成される。吹出口4は、筐体1の内部から当該筐体1の外部に向かって空気を吹き出すための開口である。吹出口4は、例えば、筐体1の前面の上部に形成される。吹出口4の形状は、例えば、左右方向に伸びる長方形状である。
筐体1の内部には、風路5が形成される。風路5は、吸込口3から吹出口4へ至る空間である。本実施の形態の除湿機100は、空気を吹出口4から吹き出させる送風手段の一例として、送風ファン6aおよびファンモータ6を備える。送風ファン6aは、風路5内に、吸込口3から吹出口4へと向かう気流を発生させるファンである。送風ファン6aには、ファンモータ6が接続される。ファンモータ6は、送風ファン6aを回転させるモータである。
送風ファン6aおよびファンモータ6は、筐体1の内部に設けられる。送風ファン6aは、風路5内に配置される。送風ファン6aが回転すると、風路5内に、吸込口3から吹出口4へ向かう気流が発生する。これにより、吹出口4から空気が吹き出される。ここで、風路5において、吸込口3がある側を上流側、吹出口4がある側を下流側とする。送風ファン6aが回転すると、空気は、風路5内を上流側から下流側へと向かって流れる。
また、除湿機100は、空気中に含まれる水分を除去する除湿手段の一例として、除湿部7を備える。除湿部7は、空気中の水分を凝縮して排出する機器である。一例として、除湿部7は、凝縮した水分を、液体の水として下方に滴下する。除湿部7は、空気中の水分の除去、すなわち空気の除湿を行う。除湿部7によって除湿された空気は、乾燥した空気となる。
除湿部7は、例えば、ヒートポンプ回路を利用した機器である。ヒートポンプ回路を利用した除湿部7は、ヒートポンプ回路を構成する蒸発器によって、空気中の水分を凝縮する。なお、除湿部7は、例えば、デシカント方式の機器であってもよい。デシカント方式の除湿部7は、空気中の水分を吸着する吸着剤および熱交換器を有する。デシカント方式の除湿部7は、吸着剤によって吸着した水分を、熱交換器によって凝縮する。このように、除湿部7は、任意の方式によって、空気中の水分を凝縮する。
除湿部7は、筐体1の内部に設けられる。除湿部7は、風路5内に配置される。除湿部7は、一例として、吸込口3と送風ファン6aとの間に配置される。本実施の形態において、除湿部7は、送風ファン6aの上流側に配置される。本実施の形態において、吸込口3、除湿部7、送風ファン6aおよび吹出口4は、上流側から下流側へ順に配置される。
また、除湿機100は、貯水部8を備える。貯水部8は、除湿部7によって排出された水を貯めるものである。貯水部8は、例えば、上部が開口した容器状の部材である。貯水部8は、筐体1の内部で、除湿部7の下方に設けられる。貯水部8は、除湿部7から滴下された水を、上部の開口から受けて貯める。この貯水部8は、一例として、筐体1に対して着脱可能に設けられる。
除湿機100は、フィルター9を備えてもよい。フィルター9は、筐体1の内部への塵および埃の侵入を防止する部材である。フィルター9は、例えば、筐体1の内部に設けられる。フィルター9は、吸込口3を覆うように設けられる。
また、本実施の形態の除湿機100は、風向変更部10を備える。図5は、実施の形態1の風向変更部10の構成を示す断面図である。図5は、図3におけるB−B位置での除湿機100の断面の一部を模式的に示している。図5における紙面上の上下左右方向は、図2における紙面上の上下左右方向に対応する。
風向変更部10は、吹出口4から空気が吹き出される方向を決めるためのものである。吹出口4から空気が吹き出される方向を、以下、吹出方向と呼称する。風向変更部10は、吹出口4の近傍に配置される。吹出方向は、風向変更部10が動くことによって変更される。吹出方向は、風向変更部10の状態によって決まる。本実施の形態の風向変更部10は、吹出口から空気が吹き出される方向を決める風向決定手段の一例である。
風向変更部10は、第1変更部の一例として、上下方向ルーバー11を有する。上下方向ルーバー11は、吹出口4の形状に合わせて形成される。本実施の形態の上下方向ルーバー11は、左右方向に伸びる長方形状の枠状の部材である。一例として、上下方向ルーバー11には、図5に示すように、左右方向に伸びる板状の3枚の部材が含まれる。本実施の形態の上下方向ルーバー11は、左右方向に伸びる長方形状の開口を有する。上下方向ルーバー11は、この開口の向きが上下に変更されるよう、回転可能に形成される。上下方向ルーバー11は、左右方向に伸びる軸を介して筐体1に取り付けられる。上下方向ルーバー11は、この軸を中心にして回転可能である。
風向変更部10は、上下方向ルーバー11を動かすための第1モータ12を有する。第1モータ12は、筐体1の内部に設けられる。第1モータ12は、歯車12a、歯車12bおよび歯車12cを介して、上下方向ルーバー11に機械的に接続する。第1モータ12は、歯車12a、歯車12bおよび歯車12cを介して、上下方向ルーバー11を回転させる。上下方向ルーバー11が回転すると、上下方向ルーバー11の開口の向きは、上下方向に変更される。吹出方向は、上下方向ルーバー11の開口の向きが上下方向に変更されることにより、上下方向に変更される。
また、風向変更部10は、第2変更部の一例として、左右方向ルーバー13を有する。左右方向ルーバー13は、上下方向に伸びる部材によって構成される。一例として、左右方向ルーバー13には、上下方向に伸びる板状の部材が6枚含まれる。上下方向に伸びる6枚の板状の部材は、例えば、等間隔に配置される。
左右方向ルーバー13は、枠状の上下方向ルーバー11の内側に配置される。左右方向ルーバー13は、図示しない上下方向に沿った軸を介し、上下方向ルーバー11に取り付けられる。左右方向ルーバー13は、この上下方向に沿った軸を中心にして回転可能である。また、一例として、上下方向ルーバー11および左右方向ルーバー13は、当該上下方向ルーバー11の左右方向の中央と当該左右方向ルーバー13全体の左右方向の中央とが一致するように、配置される。
風向変更部10は左右方向ルーバー13を動かすための第2モータ14を有する。第2モータ14は、筐体1の内部に設けられる。また、風向変更部10は、リンク15を有する。リンク15は、左右方向ルーバー13の後部に機械的に接続される部材である。このリンク15は、第2モータ14にも機械的に接続される。左右方向ルーバー13と第2モータ14とは、リンク15を介して接続される。
第2モータ14が駆動すると、当該第2モータ14に接続されたリンク15が動く。リンク15が動くと、当該リンク15に連動して左右方向ルーバー13が回転する。左右方向ルーバー13は、当該左右方向ルーバー13を上下方向ルーバー11に対して取り付けている上下方向に沿った軸を中心にして、回転する。吹出方向は、左右方向ルーバー13が回転することにより、左右方向に変更される。
また、リンク15は、上下方向ルーバー11と連動するように設けられる。リンク15は、上下方向ルーバー11が動くと、当該上下方向ルーバー11と共に動く。上記したように、リンク15が動くと、当該リンク15に接続された左右方向ルーバー13も動く。すなわち、左右方向ルーバー13は、上下方向ルーバー11が動くと、当該上下方向ルーバー11に連動するリンク15と共に動く。このようにして、左右方向ルーバー13は、上下方向ルーバー11が動く方向と同じ方向へ動く。
上下方向ルーバー11および左右方向ルーバー13は、一定の範囲内で動くことが可能に形成される。吹出方向は、上下方向ルーバー11および左右方向ルーバー13が動くことで、一定の範囲内で変更される。除湿機100は、一定の範囲内に空気を送ることができる。除湿機100が空気を送ることができる一定の範囲を、本開示では、「送風可能範囲」とも称する。また、吹出口4から吹き出された空気が当たる領域を、「送風領域」とも称する。送風領域は、上下方向ルーバー11および左右方向ルーバー13が動くことにより、送風可能範囲内で変更される。送風領域は、吹出方向と共に変更される。
また、本実施の形態の除湿機100は、センサ部16を備える。センサ部16は、可視光を照射する機能と、表面温度を検出する機能とを有するものである。センサ部16は、枠状の上下方向ルーバー11の内側に配置される。一例として、センサ部16は、上下方向ルーバー11の左右方向の中央の位置に配置される。
図6は、実施の形態1のセンサ部16を正面から見た図である。図7は、実施の形態1のセンサ部16の構造を示す断面図である。図7は、図6におけるC−C位置でのセンサ部16の断面を示す。図6の紙面の手前方向を、センサ部16の正面方向とする。図6の紙面上の上下方向を、センサ部16の上下方向とする。また、図7における紙面上の左方向は、センサ部16の正面方向である。図7における紙面上の右方向はセンサ部16の背面方向である。図7の紙面上の上下方向は、センサ部16の上下方向である。
図6および図7に示すように、センサ部16は、センサケース17を有する。センサケース17は、センサ部16の外枠となる部材である。一例として、センサケース17は、筒状に形成される。センサケース17は、例えば、上ケース17aと下ケース17bとによって構成される。上ケース17aは、開口を有する。下ケース17bは、上ケース17aの開口を閉じる蓋状の部材である。上ケース17aと下ケース17bとの内部には、部品を収容するための空間がある。
上記のように構成された、図6に示すセンサケース17は、図示しない上下方向に伸びる軸によって支持される。また、センサケース17は、図示しない左右方向に伸びる軸によって支持される。センサケース17は、これらの軸を中心にして回転可能である。
一例としてセンサケース17は、上下方向ルーバー11の左右方向の中央の位置で、リンク15に機械的に接続される。センサケース17は、リンク15を介して、左右方向ルーバー13に機械的に接続される。なお、センサケース17は、リンク15を介さず、左右方向ルーバー13に直接的に設置されてもよい。
センサケース17は、当該センサケース17の正面が吹出方向を向くように設けられる。上記したように、センサケース17は、リンク15または左右方向ルーバー13に、機械的に接続されている。センサケース17は、左右方向ルーバー13に連動する。センサケース17は、左右方向ルーバー13が動く方向と同じ方向へ動く。
上記したように、左右方向ルーバー13は、上下方向ルーバー11と共に動く。左右方向ルーバー13に連動するセンサケース17は、上下方向ルーバー11が動くと、この上下方向ルーバー11に連動する。センサケース17は、上下方向ルーバー11が動く方向と同じ方向へ動く。このようにして、センサケース17の正面は、吹出方向が変更された場合においても、変更された後の吹出方向を向く。センサケース17の正面が向く方向は、送風可能範囲内で変更される。
センサケース17は、一例として、センサ窓42を有する。センサ窓42は、図7に示すように、センサケース17の正面部分に形成される。センサ窓42は、赤外線の透過率が高い材料によって形成される。赤外線の透過率が高い材料には、例えば、シリコンウエハおよびポリエチレン樹脂等が該当する。センサケース17に対して正面方向にある物から放射された赤外線は、センサ窓42を透過する。吹出口4から空気が送り出されている場合、送風領域から放射された赤外線は、センサ窓42を透過する。センサ窓42は、異物がセンサケース17内に侵入することを防止する機能を有している。なお、センサケース17の正面部分には、センサ窓42ではなく赤外線が通る開口が形成されていてもよい。
上記したように、センサ部16は、表面温度を検出する機能を有するものである。本実施の形態において、センサ部16は、表面温度を検出する表面温度検出手段の一例として、表面温度検出部18を有している。表面温度検出部18は、対象の表面温度を、非接触の状態で検出するものである。
表面温度検出部18は、センサケース17の内部に設けられる。表面温度検出部18は、センサ窓42の背面側に配置される。一例として、表面温度検出部18には、熱起電力を利用したものが用いられる。熱起電力を利用して表面温度を検出する表面温度検出部18は、赤外線吸収膜およびサーミスタを有する。
表面温度検出部18の赤外線吸収膜は、センサ窓42を透過する赤外線を吸収する。赤外線吸収膜は、感熱部分を有する。赤外線吸収膜の感熱部分は、センサ窓42を透過した赤外線を吸収することによって昇温する。赤外線吸収膜の感熱部分は、温接点となる。また、表面温度検出部18のサーミスタは、赤外線吸収膜の感熱部分ではない部分の温度を検出する。赤外線吸収膜の感熱部分ではない上記の部分は、冷接点となる。表面温度検出部18は、上記の温接点と冷接点との温度差から、赤外線吸収膜に吸収された赤外線を発した領域の表面温度を検出する。このようにして表面温度検出部18は、センサケース17に対して正面方向にある物の表面温度を検出する。表面温度検出部18は、吹出口4から送り出された空気が当たっている送風領域の表面温度を検出するように構成される。
上記したように、送風領域は、吹出方向と共に変更される。センサケース17の内部に設けられた表面温度検出部18は、当該センサケース17と共に動く。上記したように、センサケース17は、上下方向ルーバー11および左右方向ルーバー13と共に動く。すなわち、表面温度検出部18は、上下方向ルーバー11および左右方向ルーバー13と共に動く。また、センサケース17の正面部分に形成されたセンサ窓42も、上下方向ルーバー11および左右方向ルーバー13と共に動く。これにより、表面温度検出部18は、送風領域が変更された場合においても、変更された後の送風領域の表面温度を検出することができる。表面温度検出部18は、上下方向ルーバー11および左右方向ルーバー13と共に動くことで、送風可能範囲における表面温度を検出することができる。
また、センサ部16は、上記したように、可視光を照射する機能を有するものである。
本実施の形態において、センサ部16は、可視光を照射する照射手段の一例として、照射部19を有する。照射部19は、光源19aおよびレンズ19bを有する。光源19aおよびレンズ19bは、センサケース17内に収容される。レンズ19bは、光源19aの正面側に配置される。光源19aは、レンズ19bの背面側に配置される。一例として、光源19aおよびレンズ19bは、センサ窓42および表面温度検出部18よりも下方に配置される。
センサケース17の正面側部分には、図7に示すように、照射窓41が形成されている。照射窓41は、センサケース17の内部から外部へ可視光を照射するための開口である。照射窓41は、光源19aの光軸およびレンズ19bの光軸が通る位置に形成される。照射窓41を正面側から見た形状は、例えば、円形である。
一例として、光源19aおよびレンズ19bは、当該光源19aの光軸がレンズ19bの光軸に一致するように配置される。なお、光源19aの光軸とレンズ19bの光軸とは完全に一致していなくてもよい。また、一例として、照射窓41は、光源19aの光軸およびレンズ19bの光軸が当該照射窓41の中心を通るように形成される。以下では、図7に示すように、光源19aの光軸およびレンズ19bの光軸を、軸線Lとも称する。
光源19aは、可視光を発するものである。光源19aは、例えば、LEDまたはレーザーダイオード等である。一例として光源19aは、1000mcd以上の光度の可視光を発する。また、一例として、光源19aは、緑色の可視光を発する。なお、光源19aが発する可視光の色は、例えば橙色等、緑色以外であってもよい。
レンズ19bは、光源19aが発した可視光を集光するためのものである。レンズ19bは、例えば、アクリル樹脂で形成された両凸レンズである。レンズ19bの材質は、ポリカーボネイト樹脂またはガラスでもよい。また、レンズ19bは、フレネルレンズでもよい。
センサケース17のうちの光源19aとレンズ19bとの間の部位は、例えば光源19aによって照射される可視光が透過する部材で形成される。センサケース17内における光源19aとレンズ19bとの間は空間であってもよい。光源19aが発した可視光は、レンズ19bへ到達する。
図7に示すように、光源19aの正面方向端部からレンズ19bの中心までは、距離Fだけ離れている。この距離Fは、レンズ19bの焦点距離と一致している。なお、距離Fとレンズ19bの焦点距離とは、完全に一致していなくてもよい。
光源19aが発した可視光は、レンズ19bを通過することで集光される。レンズ19bによって集光された可視光は、容易に視認される状態となる。レンズ19bによって集光された可視光は、照射窓41を介して、センサケース17の外部へ照射される。光源19aおよびレンズ19bは、レンズ19bによって集光された可視光がセンサケース17の正面方向に照射されるように設けられる。レンズ19bによって集光された可視光は、吹出方向へ照射される。
一例として光源19aおよびレンズ19bは、筐体1から1m離れた位置において可視光が照射されている領域が直径60mmの円となるように、配置および形成される。なお、可視光が照射されている領域の大きさ及び形状は本例に限定されない。可視光が照射されている領域の形状は、例えば、長方形状等であってもよい。
一例として、センサ部16は、図7に示すように、絞り19cを有してもよい。絞り19cは、光源19aとレンズ19bとの間に設けられる。絞り19cは、光源19aから発せられた可視光がレンズ19bを透過する量を調整するためのものである。照射領域30の大きさは、この絞り19cによって調整可能である。一例として、絞り19cの中心軸は、軸線Lに一致する。
上記したように、センサケース17は、上下方向ルーバー11および左右方向ルーバー13と共に動く。センサケース17の正面方向は、吹出方向を向く。光源19aおよびレンズ19bは、このセンサケース17に設けられている。光源19aおよびレンズ19bは、センサケース17と共に動く。このため、レンズ19bによって集光された可視光は、吹出方向が変更された場合においても、変更された後の吹出方向へ照射される。
また、センサケース17の正面部分には、図6および図7に示すように、樹脂シート40が設けられてもよい。樹脂シート40は、樹脂製の板状の部材である。樹脂シート40の材質は、例えば、ポリエステルである。正面視において、樹脂シート40のうち、当該樹脂シート40と照射窓41とが重なっている部分は、透明である。レンズ19bによって集光された可視光は、樹脂シート40を透過して吹出方向へ照射される。この樹脂シート40は、照射窓41を覆う。これにより、水等の異物が照射窓41を介してセンサケース17の内部に侵入することが防止される。
樹脂シート40には、図6に示すように、透明領域40aと不透明領域40bとが形成されていてもよい。透明領域40aは、可視光が透過可能な材料で形成される。不透明領域40bは、透明領域40aに比べて可視光線透過率が低い材料で形成される。透明領域40aは、軸線Lを中心軸とした環状の領域である。不透明領域40bは軸線Lを中心軸とした円状の領域である。不透明領域40bは、透明領域40aの内側に位置する。正面視において、透明領域40aの外径D1は、不透明領域40bの外径D2よりも大きい。正面視において、不透明領域40bは、光源19aと重なっている。これにより、使用者がセンサ部16の正面を覗き込んだ際に当該使用者が感じる眩しさが低減される。また、樹脂シート40のうち、正面視においてセンサ窓42と重なる部分には赤外線が透過する赤外線透過開口40cが形成される。
また、本実施の形態の除湿機100は、制御装置20および操作部21を備える。制御装置20は、除湿機100に備えられる各機器に電気的に接続される。制御装置20は、除湿機100に備えられる各機器を制御する。制御装置20は、筐体1の内部に設けられる。また、操作部21は、使用者が除湿機100を操作するためのものである。操作部21は、例えば、筐体1の上面の後面側に設けられる。制御装置20と操作部21とは、電気的に接続される。
本実施の形態において、制御装置20は、ファンモータ6、除湿部7、第1モータ12、第2モータ14および照射部19に電気的に接続される。制御装置20は、ファンモータ6、除湿部7、第1モータ12、第2モータ14および照射部19を、電気的に制御する。
また、制御装置20は、表面温度検出部18に電気的に接続される。表面温度検出部18は、検出した表面温度の情報を、電圧等の電気信号に変換する。表面温度検出部18は、変換した電気信号を、制御装置20へ出力する。制御装置20は、表面温度検出部18からの電気信号に基づいて動作する。
操作部21は、例えば、運転ボタン21a、モード選択ボタン21b、設定ボタン21cおよび操作キー21dを有する。運転ボタン21aは、除湿機100の運転を開始または停止させるためのものである。
モード選択ボタン21bは、除湿機100の運転モードを選択するためのものである。モード選択ボタン21bは、使用者からの操作に応じた信号を、制御装置20へ送信する。設定ボタン21cは、除湿機100の設定を行うためのものである。設定ボタン21cは、使用者からの操作に応じた信号を、制御装置20へ送信する。
操作キー21dは、操作指示を送信する操作手段の一例である。操作キー21dは、風向変更部10を動かすためのものである。操作キー21dは、例えば、十字キーである。操作キー21dは、使用者からの操作に応じた操作指示を、制御装置20へ送信する。制御装置20は、操作指示を受信すると、受信した操作指示に基づいて動作する。なお、操作キー21dは、十字キー以外のものでもよい。
図8は、実施の形態1の制御装置20の機能を示すブロック図である。本実施の形態の制御装置20は、図8に示すように、動作制御部20a、記憶部20b、温度判定部20cおよび設定部20dを有する。動作制御部20aは、除湿機100に備えられた各機器を制御する制御手段の一例である。例えば、動作制御部20aは、操作キー21dからの操作指示に基づいて、第1モータ12および第2モータ14を制御する。
記憶部20bは、各種の情報等を記憶する記憶手段の一例である。記憶部20bには、例えば、予め複数の運転モードの情報が設定されている。動作制御部20aは、モード選択ボタン21bからの信号に基づいて、記憶部20bに記憶された情報を読み出し、複数の運転モードの中から1つの運転モードの処理を選択的に実行する。ファンモータ6、除湿部7、第1モータ12、第2モータ14および照射部19は、動作制御部20aによって実行された処理に従って動作する。
一例として、記憶部20bには、複数の運転モードのうちの1つとして固定集中モードの情報が記憶されている。固定集中モードは、除湿機100によって少量の対象物を乾燥させる時に使用される運転モードである。この対象物には、例えば、靴および衣類等が含まれる。
温度判定部20cは、表面温度検出部18によって出力された電気信号に基づいて、表面温度の判定を行う。本実施の形態において、記憶部20bには、表面温度の基準値の情報が記憶される。温度判定部20cは、表面温度検出部18からの電気信号に含まれる温度情報と記憶部20bに記憶された基準値の情報とに基づいた判定を行う。温度判定部20cは、各種の判定を行う判定手段の一例である。
設定部20dは、設定ボタン21cからの信号に応じて設定方向Y0を設定し、この設定方向Y0の情報を記憶部20bに記憶させる。設定ボタン21cは、照射部19によって可視光が照射されている時に押されると、設定部20dへ信号を送信する。設定部20dは、設定ボタン21cから信号を受信すると、照射部19によって可視光が照射されている方向を設定方向Y0として設定する。すなわち、設定部20dは、設定ボタン21cから信号を受信すると、その時点での吹出方向を設定方向Y0として設定する。本実施の形態の設定ボタン21cおよび設定部20dは、設定手段の一例である。
また、本実施の形態の設定部20dは、表面温度検出部18によって出力された電気信号に基づいて基準温度T0を設定する機能を有している。設定部20dは、設定ボタン21cから信号を受信すると、その時に表面温度検出部18によって検出された表面温度を基準温度T0として設定する。この基準温度T0の情報は、記憶部20bに記憶される。すなわち、記憶部20bは、除湿機100の筐体1を基準として設定方向Y0に存在する対象物の表面温度を、基準温度T0として記憶する。
制御装置20の動作制御部20a、記憶部20b、温度判定部20c及び設定部20dの各機能は、例えば、処理回路により実現される。図9は、実施の形態1の制御装置20の機能を実現する処理回路の構成の一例を示す図である。処理回路は、専用ハードウェア200として構成されてもよい。処理回路は、プロセッサ201およびメモリ202を備えていてもよい。処理回路の一部が専用ハードウェア200として形成され、当該処理回路は更にプロセッサ201およびメモリ202を備えていてもよい。図9は、処理回路の一部が専用ハードウェア200として形成され、当該処理回路がプロセッサ201およびメモリ202を備えている場合の例を示している。
一部が少なくとも1つの専用ハードウェア200である処理回路には、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらを組み合わせたものが該当する。
処理回路が少なくとも1つのプロセッサ201および少なくとも1つのメモリ202を備える場合、制御装置20の動作制御部20a、記憶部20b、温度判定部20c及び設定部20dの各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。
ソフトウェアおよびファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ202に格納される。プロセッサ201は、メモリ202に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。プロセッサ201は、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータあるいはDSPともいう。メモリ202には、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、EPROMおよびEEPROM等の不揮発性または揮発性の半導体メモリ、または磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスクおよびDVD等が該当する。
このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、制御装置20の動作制御部20a、記憶部20b、温度判定部20cおよび設定部20dの各機能を実現することができる。なお、除湿機100の構成は、単一の制御装置20により動作が制御される構成に限定されるものではない。除湿機100は、複数の装置が連携することにより動作が制御されるように構成されてもよい。
また、図10は、実施の形態1の走査範囲300を模式的に示す図である。図10においては、除湿機100を簡略化して模式的に示している。走査範囲300とは、表面温度検出部18が表面温度の検出を行う範囲である。上記したように、表面温度検出部18は、風向変更部10が動くことで、送風可能範囲における表面温度を検出することができる。本実施の形態では、一例として、走査範囲300は、送風可能範囲と一致する。走査範囲300は、左右方向および上下方向に拡がる面状の範囲となる。
なお、走査範囲300と送風可能範囲とは、必ずしも一致していなくてよい。例えば、走査範囲300は、送風可能範囲に含まれていてもよい。送風可能範囲は、走査範囲300に含まれていてもよい。送風可能範囲と走査可能範囲とは、少なくとも一部が重なり合っていればよい。
走査範囲300は、図10に示すように、左右方向および上下方向に対して複数に分割される。走査範囲300は、複数のブロック301に区切られる。表面温度検出部18は、ブロック301毎における表面温度を検出する。また、温度判定部20cは、表面温度検出部18から出力された電気信号に基づいて、各ブロック301の状態を判定する。本実施の形態において、温度判定部20cは、各ブロック301の表面温度と基準温度T0とを比較して、当該ブロック301に乾燥対象物が存在するか否かを判定する機能を有している。乾燥対象物は、例えば、濡れた洗濯物等である。
次に、本実施の形態の除湿機100の動作の例について説明する。以下では、除湿機100の動作の一例として、固定集中モードの動作について説明する。図11は、実施の形態1の固定集中モードの動作を示すフローチャートである。また、図12は、実施の形態1の動作時の除湿機100を示す図である。
除湿機100は、例えば、リビング等の室内で使用される。除湿機100は、運転ボタン21aが押されることによって、運転を開始する。使用者によって押された運転ボタン21aは、動作制御部20aへ信号を送信する。動作制御部20aは、運転ボタン21aから信号を受信すると、ファンモータ6および除湿部7を駆動させる。ファンモータ6が駆動すると、送風ファン6aが回転する。送風ファン6aは、気流を発生させる。送風ファン6aが発生させた気流によって、図4に示すように、室内空気Pが吸込口3から筐体1の内部へ取り込まれる。室内空気Pは、除湿部7によって除湿されて、乾燥空気Qとなる。乾燥空気Qは、送風ファン6aが発生させた気流によって、吹出口4から室内へ吹き出される。乾燥空気Qの吹出方向は、風向変更部10によって決まる。上記のようにして、除湿機100は運転を開始する(ステップS101)。
使用者は、運転ボタン21aによって除湿機100の運転を開始させた後、モード選択ボタン21bを操作する。上記した通り、本実施の形態において使用者は、固定集中モードを選択するものとする。動作制御部20aは、モード選択ボタン21bからの信号に基づいて、記憶部20bに設定された固定集中モードの処理を実行する(ステップS102)。
固定集中モードの処理が実行されると、光源19aは、可視光を発する。可視光は、レンズ19bによって集光される。レンズ19bによって集光された可視光は、乾燥空気Qの吹出方向へ照射される(ステップS103)。
ここで、レンズ19bによって集光された可視光が照射される領域を、照射領域30とする。図12に示すように、乾燥空気Qの吹出方向へ照射された可視光は、照射領域30を照らす。使用者は、照射領域30を見ながら操作キー21dを操作する。操作キー21dは、使用者からの操作に基づいた操作指示を動作制御部20aへ送信する。
動作制御部20aは、受信した操作指示に基づいて、第1モータ12および第2モータ14を制御する。これにより、上下方向ルーバー11および左右方向ルーバー13が動く。上下方向ルーバー11および左右方向ルーバー13が動くことにより風向変更部10が動き、吹出方向が変更される。
上記したように、上下方向ルーバー11および左右方向ルーバー13が動くと、センサ部16および当該センサ部に設けられた照射部19も共に動く。照射部19は、変更された吹出方向へ光を照射するように動く。可視光が照射されている照射方向および照射領域30は、吹出方向の変更に合わせて動く(ステップS104)。使用者は、照射領域30を見ながら、例えば図12に示すように、予め設置しておいた衣服31が可視光で照らされるように操作キー21dを操作する。これにより、衣服31に乾燥空気Qが集中する。衣服31は、乾燥対象物の一例である。
一例として、表面温度検出部18は、当該表面温度検出部18が表面温度を検出する対象領域が上記の照射領域30と一致するように構成される。これにより、使用者が照射領域30を見ながら設定した吹出方向における対象物の温度が、表面温度検出部18によって検出可能になる。なお、表面温度検出部18が表面温度を検出する対象領域と照射領域30とは、完全に一致していなくてもよい。例えば、表面温度検出部18が表面温度を検出する対象領域と照射領域30とは、大部分が重複する状態であってもよい。また、表面温度検出部18が表面温度を検出する対象領域は、照射領域30に含まれてもよい。
ここで使用者は、衣服31が可視光によって照らされている状態で、設定ボタン21cを押す。使用者によって押された設定ボタン21cは、設定部20dへ信号を送信する。設定部20dは、設定ボタン21cから信号を受信すると、照射部19によって可視光が照射されている方向を設定方向Y0として設定する。設定方向Y0の情報は記憶部20bに記憶される(ステップS105)。
また、上記したように、設定部20dは、設定ボタン21cから信号を受信すると、その時に表面温度検出部18によって検出された表面温度を基準温度T0として設定する。基準温度T0の情報は、記憶部20bに記憶される。記憶部20bには、除湿機100の筐体1を基準として設定方向Y0に存在する対象物の表面温度が基準温度T0として記憶される(ステップS106)。
基準温度T0は、可視光が照射されている衣服31の表面温度である。乾燥対象物の一例である衣服31は、除湿機100が運転を開始した時点では濡れた状態である。また、乾燥対象物の一例である衣服31は、ステップS106の時点でも濡れた状態である。すなわち、基準温度T0は、濡れた衣服31の表面温度である。濡れた衣服31の表面温度である基準温度T0は、室温よりも低い温度となる。
上記したように、表面温度検出部18は、走査範囲300の各ブロック301の表面温度を検出する。図13は、走査範囲300に位置する衣服31の表面温度の検出を説明するイメージ図である。上記のステップS104からステップS106においては、図13において塗りつぶされているブロック301に可視光が照射される。このブロック301は、濡れた衣服31の略中央に位置する。上記のステップS106では、このブロック301の表面温度が基準温度T0として記憶部20bに記憶される。
設定方向Y0および基準温度T0が設定されると、吹出方向および可視光の照射方向がこの設定方向Y0を基準として上方向に変更されるように、風向変更部10が駆動する。上記したように、表面温度検出部18は、風向変更部10と共に動く。表面温度検出部18は、設定方向Y0を基準として、上方向の領域にある各ブロック301の表面温度Tを検出する(ステップS107)。
表面温度Tの情報は、電気信号に変換されて、温度判定部20cへ送信される。温度判定部20cは、受信した電気信号と記憶部20bに記憶された基準温度T0の情報とに基づいて、表面温度の判定を行う。温度判定部20cは、一例として、各ブロック301の表面温度Tが基準温度T0以上であるか判定する。動作制御部20aは、温度判定部20cの判定結果に基づいて、風向変更部10を制御する。風向変更部10は、ブロック301の表面温度Tが基準温度T0以上となるまで駆動する(ステップS108)。表面温度Tが基準温度T0以上になった時点において、当該表面温度Tが検出されたブロック301は、第1基準ブロック302として設定される。
次に、吹出方向および可視光の照射方向が下方向に変更されるように、風向変更部10が駆動する。吹出方向および可視光の照射方向は、設定方向Y0に戻る(ステップS109)。その後、吹出方向および可視光の照射方向が設定方向Y0を基準として下方向に変更されるように、風向変更部10が駆動する。表面温度検出部18は、風向変更部10と共に動く。表面温度検出部18は、設定方向Y0を基準として、下方向の領域にある各ブロック301の表面温度Tを検出する(ステップS110)。
表面温度Tの情報は、電気信号に変換されて、温度判定部20cへ送信される。温度判定部20cは、受信した電気信号と記憶部20bに記憶された基準温度T0の情報とに基づいて、表面温度の判定を行う。温度判定部20cは、一例として、各ブロック301の表面温度Tが基準温度T0以上であるか判定する。動作制御部20aは、温度判定部20cの判定結果に基づいて、風向変更部10を制御する。風向変更部10は、ブロック301の表面温度Tが基準温度T0以上となるまで駆動する(ステップS111)。表面温度Tが基準温度T0以上になった時点において、当該表面温度Tが検出されたブロック301は、第2基準ブロック303として設定される。
上記したように、基準温度T0は、濡れた衣服31の表面温度である。表面温度Tがこの基準温度T0よりも高い領域には、濡れた衣服31等の乾燥対象物がない可能性が高い。そこで、上記の第1基準ブロック302から第2基準ブロック303までの範囲が、対象ブロックとして設定される(ステップS112)。動作制御部20aは、この対象ブロックに乾燥空気Qが送風されるように、風向変更部10を制御する(ステップS113)。一例として、風向変更部10の上下方向ルーバー11および左右方向ルーバー13は、対象ブロック全体に乾燥空気Qが行き渡るようにスイングする。
図14は、実施の形態1の対象ブロックを説明するイメージ図である。図14に示す例においては、第1基準ブロック302から第2基準ブロック303までの4つのブロックが対象ブロックとなる。
図11のフローチャートに示される動作例において、表面温度検出部18は、設定方向Y0を基準として上下方向に位置するブロック301の表面温度を検出し、この検出結果に基いて対象ブロックが設定される。表面温度検出部18は、設定方向Y0を基準として左右方向に位置するブロック301の表面温度を検出し、この検出結果に基づいて対象ブロックが設定されてもよい。また、表面温度検出部18は、設定方向Y0を基準として上下左右方向に位置するブロック301の表面温度を検出し、この検出結果に基づいて対象ブロックが設定されてもよい。本実施の形態において、表面温度検出部18は、設定方向Y0の周辺のみの表面温度を検出するので、対象ブロックの設定までの時間が短縮される。
なお、表面温度検出部18は、走査範囲300全体の表面温度を検出し、この検出結果に基づいて対象ブロックが設定されてもよい。温度判定部20cは、全てのブロック301の表面温度Tと基準温度T0とを比較し、各ブロック301に乾燥対象物が存在するか否かを判定してもよい。
本実施の形態において、表面温度Tと比較される基準温度T0は、実際の乾燥対象物の表面温度である。これにより、乾燥対象物が存在する範囲が精度よく判定される。
なお、温度判定部20cは表面温度Tが基準温度T0以上であるか否かの判定ではなく、表面温度Tが基準温度T0よりも一定温度以上高いか否かの判定を行ってもよい。例えば、温度判定部20cは表面温度Tが基準温度T0よりも1℃以上高いか否かの判定を行ってもよい。
上記の実施の形態の除湿機100の使用者は、照射領域30を見ることによって、乾燥空気Qの吹出方向を容易に認識することができる。また、使用者は、操作キー21dによって乾燥空気Qの吹出方向を任意の方向へ容易に変更することができる。使用者は、乾かしたい衣服31に向けて照射領域30を動かすことによって、乾かしたい衣服31の方向に乾燥空気Qの吹出方向を変更することができる。使用者は、除湿機100に合わせて乾かしたい衣服31を動かすことなく、予め干しておいた衣服31を集中して乾燥させることができる。
除湿機100の使用者は、設定ボタン21cを操作することにより、任意の方向に乾燥空気Qを集中させることができる。乾燥空気Qは、衣服31へ向かって無駄なく確実に送られる。これにより、乾燥させる必要のない物への送風による無駄な電気代が削減される。
また、上記の実施の形態の除湿機100であれば、乾燥対象物の存在する範囲である対象ブロックを自動で検出し、この対象ブロックに集中して乾燥空気Qを送風することができる。すなわち、動作制御部20aは、乾燥対象物が存在すると判定された対象ブロックに向けて乾燥空気Qが吹き出されるように風向変更部10を制御する。これにより、乾燥空気Qは、濡れた衣服31等の乾燥対象物へ向かって無駄なく確実に送られる。本例であれば、例えば乾燥させる必要のない物への送風による無駄な電気代が削減される。
また、温度判定部20cは、例えば、対象ブロックにおける表面温度Tが基準温度T0よりも一定温度以上高いか否かを判定する機能を有していても良い。この機能は、対象ブロックにおける乾燥対象物の乾燥が完了したか否かを判定する機能である。動作制御部20aは、例えば、表面温度検出部18の検出結果に基づいて、対象ブロックにおける表面温度Tが基準温度T0よりも一定温度以上高い場合にはファンモータ6を停止させる。すなわち、対象ブロックにおける乾燥対象物の乾燥が完了した場合には、ファンモータ6が停止する。これにより、無駄な電気代がより削減される。また、動作制御部20aは、対象ブロックにおける表面温度Tが基準温度T0との差に基づいて、ファンモータ6の出力を調整してもよい。
また、除湿機100は、対象ブロックへ乾燥空気Qを一定時間送風した後、対象ブロックの周囲に向けて乾燥空気Qを送風してもよい。これにより、濡れた衣服31等から蒸発した水分による結露が防止される。また、除湿機100は、送風可能範囲全体へ乾燥空気Qを送風しつつ、ブロック301の状態に応じて乾燥空気Qの風量を調節してもよい。例えば、表面温度Tが基準温度T0よりも一定温度以上高いブロック301に乾燥空気Qが送風される場合には、乾燥空気Qの風量が小さくなるように、ファンモータ6が制御される。これにより、乾燥対象物の乾燥および室内全体の除湿を行いつつ、無駄な電気代が削減される。
このように、基準温度T0を記憶する記憶部20bを有する除湿機100であれば、使用者の用途および乾燥対象物の状態等に応じた効率のよい運転を行うことができる。送風手段の一例であるファンモータ6および風向決定手段の一例である風向変更部10の少なくとも一方が基準温度T0に基づいて制御されることで、除湿機100は効率のよい運転を行うことができる。
なお、表面温度検出手段の一例である表面温度検出部18および照射手段の一例である照射部19の構成は、上記の実施の形態で示した例に限られない。表面温度検出部18は、ある範囲における物の表面温度を検出可能に構成されればよい。例えば、表面温度検出部18が設けられたセンサケース17は、左右方向ルーバー13に取り付けられていなくてもよい。表面温度検出部18が設けられたセンサケース17は、上下方向ルーバー11および左右方向ルーバー13から独立して動くことが可能であってもよい。同様に、照射部19も、上下方向ルーバー11および左右方向ルーバー13から独立して動くことが可能であってもよい。照射部19は、吹出口から空気が吹き出される方向へ可視光を照射するものであれば、任意に構成されうる。
上記の実施の形態において照射部19は、固定集中モードが選択されると可視光を照射する。照射部19は、除湿機100の運転が開始すると同時に可視光の照射を開始してもよい。すなわち光源19aは、除湿機100の運転が開始すると同時に可視光を発してもよい。また、光源19aは、設定ボタン21cが押されたと同時に可視光を発し始めてもよい。
また、上記の実施の形態においては衣服31を乾燥させる動作を一例として示したが、乾燥空気Qが吹き出される対象は衣服31に限られない。除湿機100は、浴室の壁および床等の、屋内の濡れた場所を乾燥する際にも使用できる。