以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一の又はこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。また、断面図の図面においては、視認性に鑑みて適宜ハッチングを省略している。さらに、明細書全文に示す構成要素の形態は、あくまで例示であってこれらの記載に限定されるものではない。
実施の形態1.
<除湿機100の構成>
図1は、本発明の実施の形態1に係る除湿機100の外観を示す斜視図である。図2は、本発明の実施の形態1に係る除湿機100の内部構造を示す縦断面図である。ここで、図面上では、除湿機100の上方向がUと表され、下方向がDと表され、右方向がRと表され、左方向がLと表され、正面方向がFと表され、背面方向がBと表されている。
図1及び図2に示すように、除湿機100は、筐体1を備える。筐体1は、除湿機100の外殻となる部位である。筐体1は、自立可能な縦長の箱状の形状に形成されている。図2に示すように、除湿機100は、車輪2を備える。車輪2は、筐体1の下面に設けられている。除湿機100は、車輪2を転がすことによって移動可能である。
図1及び図2に示すように、筐体1には、吸込口3が形成されている。吸込口3は、筐体1の内部に空気を取り込む開口である。吸込口3は、筐体1の背面方向Bの背面に形成されている。筐体1には、吹出口4が形成されている。吹出口4は、筐体1の内部から外部に向かって空気を吹き出す開口である。吹出口4は、筐体1の正面方向Fの前面上部に形成されている。吹出口4の形状は、筐体1の左右方向に伸びる長方形状である。
図2に示すように、筐体1の内部には、風路5が形成されている。風路5は、吸込口3から吹出口4へ至る空間である。除湿機100は、送風手段の一例として、送風ファン6a及びファンモータ6を備える。送風ファン6aは、風路5内に、吸込口3から吹出口4へと向かう気流を発生させる。送風ファン6aには、ファンモータ6が接続されている。ファンモータ6は、送風ファン6aを回転させる。
送風ファン6a及びファンモータ6は、筐体1の内部に設けられている。送風ファン6aは、風路5内に配置されている。風路5内では、送風ファン6aによって吸込口3から吹出口4へ向かって空気が流れる。そして、風路5内を流れた空気が吹出口4から吹き出される。ここで、風路5において、吸込口3がある側が上流側と定義され、吹出口4がある側が下流側と定義される。すなわち、吸込口3から吸い込まれた空気は、風路5内を上流側から下流側へ向かって流れる。
除湿機100は、空気中に含まれる水分を除去する除湿手段の一例として、除湿部7を備える。除湿部7は、空気中の水分を凝縮する装置である。除湿部7は、凝縮した水分を排出する。除湿部7は、凝縮した水分を液体である水に変えて下方に滴下する。除湿部7では、空気中の水分が除去される。すなわち、除湿部7では、空気が除湿される。除湿部7によって除湿された空気が吹出口4から吹き出す乾燥空気Qになる。
除湿部7は、ヒートポンプ回路を利用した装置である。除湿部7は、ヒートポンプ回路中の蒸発器によって空気中の水分を凝縮させる。なお、除湿部7は、デシカント方式の装置でも良い。デシカント方式の装置では、空気中の水分を吸着する吸着剤及び熱交換器を有する。吸着剤に吸着された水分は、熱交換器によって凝縮される。
除湿部7は、筐体1の内部に設けられている。除湿部7は、風路5内に配置されている。除湿部7は、吸込口3と送風ファン6aとの間に配置されている。すなわち、除湿部7は、送風ファン6aの上流側に配置されている。吸込口3、除湿部7、送風ファン6a及び吹出口4が上流側から下流側に順に配置されている。
除湿機100は、貯水部8を備える。貯水部8は、除湿部7によって集められた水を貯める部位である。貯水部8は、上部が開口した容器である。貯水部8は、筐体1の内部で除湿部7の下方に設けられている。貯水部8は、筐体1から着脱可能に設けられている。貯水部8は、除湿部7から滴下された水を上部の開口から受けて貯める。
除湿機100は、フィルター9を備える。フィルター9は、筐体1の内部に設けられている。フィルター9は、吸込口3を筐体1の内部から覆って設けられている。フィルター9は、筐体1の内部への塵及び埃の侵入を防止する。
<第1風向変更部10a及び第2風向変更部10b>
図3は、本発明の実施の形態1に係る第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bを示す概略構成図である。
図1〜図3に示すように、除湿機100は、第1風向変更部10aと第2風向変更部10bとを備える。第1風向変更部10aは、吹出口4の左方向Lの左半分の位置に配置されている。第2風向変更部10bは、吹出口4の右方向Rの右半分の位置に配置されている。
第1風向変更部10aと第2風向変更部10bとは、吹出口4から空気が吹き出される方向を調整する部位である。吹出口4から空気が吹き出される方向が吹出方向である。吹出方向は、第1風向変更部10aと第2風向変更部10bとが動くことによって変更される。第1風向変更部10aと第2風向変更部10bとは、吹出口4の近傍に配置されている。第1風向変更部10aは、吹出口4の左半分からの吹出方向を変化させる。第2風向変更部10bは、吹出口4の右半分からの吹出方向を変化させる。
第1風向変更部10aと第2風向変更部10bとは、複数の上下風向調整手段及び複数の左右風向調整手段の一例である。すなわち、第1風向変更部10aと第2風向変更部10bとは、吹出口4に設けられ、除湿部7で水分を除去された乾燥空気の吹き出す上下方向を調整する。ここで、上下風向調整手段が調整する上下方向とは、筐体1の正面方向Fから、上方向Uを経由し、背面方向Bに向かう方向を示し、後述する図6の矢印方向である。第1風向変更部10aと第2風向変更部10bとは、筐体1の左右方向に分けて2つ設けられている。
<上下方向ルーバー11a>
図1及び図3に示すように、第1風向変更部10aは、上下方向ルーバー11aを有する。上下方向ルーバー11aは、吹出口4の形状に合わせた形に形成されている。上下方向ルーバー11aは、筐体1の左右方向に伸びる長方形状の枠状の部位であり、吹出口4の左半分を覆って配置されている。上下方向ルーバー11aは、左右方向に伸びる板状部材を3枚有する。上下方向ルーバー11aは、左右方向に伸びる長方形状の開口を有する。図3に示すように、上下方向ルーバー11aは、上下方向ルーバー11aの左右外側に配置された軸30aを中心にして回動可能に形成されている。上下方向ルーバー11aの回動範囲は、筐体1の前後にわたる上側の範囲であり、主に筐体1の正面方向Fから上方向Uを経由し背面方向Bに向かうまでのおよそ160度の範囲である。
第1風向変更部10aは、上下方向ルーバー11aを動かす第1上下用モータ12aを有する。第1上下用モータ12aは、筐体1の内部に設けられている。第1上下用モータ12aは、図示しない歯車を介して上下方向ルーバー11aを回動させる。上下方向ルーバー11aが回動すると、上下方向ルーバー11aの開口の向きが左右に配置された軸30aに垂直な面内で変更される。これにより、第1風向変更部10aの吹出方向が上下方向に変更される。
<上下方向ルーバー11b>
図1及び図3に示すように、第2風向変更部10bは、上下方向ルーバー11bを有する。上下方向ルーバー11bは、吹出口4の形状に合わせた形に形成されている。上下方向ルーバー11bは、筐体1の左右方向に伸びる長方形状の枠状の部位であり、吹出口4の右半分を覆って配置されている。上下方向ルーバー11bは、左右方向に伸びる板状部材を3枚有する。上下方向ルーバー11bは、左右方向に伸びる長方形状の開口を有する。図3に示すように、上下方向ルーバー11bは、上下方向ルーバー11bの左右外側に配置された軸30bを中心にして回動可能に形成されている。上下方向ルーバー11bの回動範囲は、筐体1の前後にわたる上側の範囲であり、主に筐体1の正面方向Fから上方向Uを経由し背面方向Bに向かうまでのおよそ160度の範囲である。
第2風向変更部10bは、上下方向ルーバー11bを動かす第2上下用モータ12bを有する。第2上下用モータ12bは、筐体1の内部に設けられている。第2上下用モータ12bは、図示しない歯車を介して上下方向ルーバー11bを回動させる。上下方向ルーバー11bが回動すると、上下方向ルーバー11bの開口の向きが左右に配置された軸30bに垂直な面内で変更される。これにより、第2風向変更部10bの吹出方向が上下方向に変更される。
<左右方向ルーバー13a>
図1及び図3に示すように、第1風向変更部10aは、左右方向ルーバー13aを有する。左右方向ルーバー13aは、上下方向に伸びる板状部材を3枚有する。上下方向に伸びる3枚の板状部材は、等間隔に配置されている。左右方向ルーバー13aは、上下の軸を中心にして回動可能である。左右方向ルーバー13aは、上下方向ルーバー11aの内側に配置されている。よって、左右方向ルーバー13aは、上下方向ルーバー11aが動くと、上下方向ルーバー11aと共に動く。
図3に示すように、第1風向変更部10aは、左右方向ルーバー13aを動かす第1左右用モータ14aを有する。第1左右用モータ14aは、筐体1の内部に設けられている。第1風向変更部10aは、リンク15aを有する。リンク15aは、左右方向ルーバー13aの背面方向Bである後部に接続されている。リンク15aは、第1左右用モータ14aに接続されている。すなわち、左右方向ルーバー13aと第1左右用モータ14aとは、リンク15aを介して接続されている。第1左右用モータ14aが駆動されると、リンク15aを介して左右方向ルーバー13aが回動する。左右方向ルーバー13aが上下の軸を中心にして回動することにより、第1風向変更部10aの吹出方向が左右方向に変更される。
<左右方向ルーバー13b>
図1及び図3に示すように、第2風向変更部10bは、左右方向ルーバー13bを有する。左右方向ルーバー13bは、上下方向に伸びる板状部材を3枚有する。上下方向に伸びる3枚の板状部材は、等間隔に配置されている。左右方向ルーバー13bは、上下の軸を中心にして回動可能である。左右方向ルーバー13bは、上下方向ルーバー11bの内側に配置されている。よって、左右方向ルーバー13aは、上下方向ルーバー11aが動くと、上下方向ルーバー11aと共に動く。
図3に示すように、第2風向変更部10bは、左右方向ルーバー13bを動かす第2左右用モータ14bを有する。第2左右用モータ14bは、筐体1の内部に設けられている。第2風向変更部10bは、リンク15bを有する。リンク15bは、左右方向ルーバー13bの背面方向Bである後部に接続されている。リンク15bは、第2左右用モータ14bに接続されている。すなわち、左右方向ルーバー13bと第2左右用モータ14bとは、リンク15bを介して接続されている。第2左右用モータ14bが駆動されると、リンク15bを介して左右方向ルーバー13bが回動する。左右方向ルーバー13bが上下の軸を中心にして回動することにより、第2風向変更部10bの吹出方向が左右方向に変更される。
左右方向ルーバー13aと左右方向ルーバー13bとは、複数の左右風向調整手段の一例である。すなわち、左右方向ルーバー13aと左右方向ルーバー13bとは、吹出口4に設けられ、乾燥空気の吹き出す左右吹出方向を調整する。左右方向ルーバー13aと左右方向ルーバー13bとは、第1風向変更部10aと第2風向変更部10bとのそれぞれに対応して設けられている。左右方向ルーバー13aと左右方向ルーバー13bとは、対応する第1風向変更部10aと第2風向変更部10bとのそれぞれと一緒に連動する。
<制御装置20及び操作部21>
除湿機100は、制御装置20及び操作部21を備える。図2に示すように、制御装置20は、筐体1内の上部に設けられている。図1及び図2に示すように、操作部21は、筐体1の上面の背面方向Bである後側に設けられている。制御装置20と操作部21とは、図示しない通信線を介して電気的に接続されている。
制御装置20は、除湿機100に備えられた各機器に図示しない通信線を介して接続されている。制御装置20は、除湿機100に備えられた各機器を制御する。制御装置20は、ファンモータ6、除湿部7、第1上下用モータ12a、第2上下用モータ12b、第1左右用モータ14a及び第2左右用モータ14bにそれぞれ電気的に接続されている。制御装置20は、ファンモータ6、除湿部7、第1上下用モータ12a、第2上下用モータ12b、第1左右用モータ14a及び第2左右用モータ14bを別々に制御する。
操作部21は、使用者が除湿機100を操作する部位である。図1に示すように、操作部21は、運転ボタン22、左ルーバー設定ボタン23及び右ルーバー設定ボタン24を有する。図1に示すように、運転ボタン22は、除湿機100の運転を開始又は停止させるものである。
図1に示すように、左ルーバー設定ボタン23は、第1風向変更部10aの動作範囲を選択するものである。左ルーバー設定ボタン23は、第1風向変更部10aの上下方向の駆動角度を選択する上下設定ボタン23aと、第1風向変更部10aの左右方向の駆動角度を選択する左右設定ボタン23bと、を有する。
図1に示すように、右ルーバー設定ボタン24は、第2風向変更部10bの動作範囲を選択するものである。右ルーバー設定ボタン24は、第2風向変更部10bの上下方向の駆動角度を選択する上下設定ボタン24aと、第2風向変更部10bの左右方向の駆動角度を選択する左右設定ボタン24bと、を有する。
左ルーバー設定ボタン23と右ルーバー設定ボタン24とは、使用者からの操作に応じた信号を制御装置20に送信する。
<制御装置20の詳細>
図4は、本発明の実施の形態1に係る制御装置20を示すブロック図である。図4に示すように、制御装置20は、動作制御部20a、記憶部20b、温度判定部20c及び設定部20dを有する。動作制御部20aは、除湿機100に備えられた各機器を制御する制御手段の一例である。
記憶部20bは、記憶手段の一例である。記憶部20bには、予め複数の左ルーバー設定角度と右ルーバー設定角度が設定されている。動作制御部20aは、左ルーバー設定ボタン23と右ルーバー設定ボタン24とからの信号に基づいて、記憶部20bに設定された複数の設定角度の中から吹出方向を選択する。動作制御部20aは、選択した第1上下用モータ12a、第2上下用モータ12b、第1左右用モータ14a及び第2左右用モータ14bを別々に制御する。
図5は、本発明の実施の形態1に係る制御装置20のハードウェア構成を示すブロック図である。図5に示すように、制御装置20の動作制御部20a、記憶部20b及び設定部20dの各機能は、処理回路によって実現されている。処理回路は、専用ハードウェア200を備える。処理回路は、プロセッサ201及びメモリ202を備える。ここでは、処理回路は、一部に専用ハードウェア200を構成し、その他にプロセッサ201及びメモリ202を構成している。
一部が少なくとも1つの専用ハードウェア200である処理回路には、たとえば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又はこれらを組み合わせたものが該当する。
処理回路が少なくとも1つのプロセッサ201及び少なくとも1つのメモリ202を備える場合には、制御装置20の動作制御部20a、記憶部20b及び設定部20dの各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現されている。
ソフトウェア及びファームウェアは、プログラムとして記述され、メモリ202に格納されている。プロセッサ201は、メモリ202に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。プロセッサ201は、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータあるいはDSPともいう。メモリ202には、たとえば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、EPROM及びEEPROMなどの不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク及びDVDなどが該当する。
処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって、制御装置20の動作制御部20a、記憶部20b及び設定部20dの各機能を実現している。なお、除湿機100は、単一の制御装置20によって動作が制御される構成に限定されるものではなく、複数の装置が連携することによって動作が制御される構成でも良い。
<除湿機100の動作>
使用者は、除湿機100を室内での洗濯物の乾燥のために使用する。除湿機100は、使用者の運転ボタン22の押下によって、運転を開始する。使用者によって押下された運転ボタン22は、動作制御部20aに信号を送信する。動作制御部20aは、運転ボタン22から信号を受信すると、ファンモータ6及び除湿部7を駆動させる。
ファンモータ6が駆動すると、送風ファン6aが回転する。送風ファン6aは、気流を発生させる。図2に示すように、送風ファン6aが発生させた気流により、室内空気Pが吸込口3から筐体1の内部に取り込まれる。室内空気Pは、除湿部7によって除湿されて、乾燥空気Qになる。乾燥空気Qは、送風ファン6aの発生させた気流によって吹出口4から室内に吹き出される。乾燥空気Qの吹出方向は、第1風向変更部10aと第2風向変更部10bによって決まる。後述するように、乾燥空気Qの吹出方向は、第1風向変更部10aによって吹出方向の調整された乾燥空気Qaと、第2風向変更部10bによって吹出方向の調整された乾燥空気Qbと、にそれぞれ変更できる。上記のようにして、除湿機100が運転を開始する。
<使用者によるルーバー動作の選択及び選択されたルーバー動作>
図6は、本発明の実施の形態1に係る第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bの上下方向動作を示す説明図である。図7は、本発明の実施の形態1に係る第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bの左右方向の動作を示す説明図である。図8は、本発明の実施の形態1に係る第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bの別々の動作を示す説明図である。
図6〜図8に示すように、使用者は、室内で洗濯物に吹出口4からの乾燥空気Qを当てるように、第1風向変更部10aと第2風向変更部10bとのそれぞれの吹出方向を設定する。乾燥空気Qが洗濯物に良く当たると、洗濯物が早く乾く。特に、室内で干された洗濯物は、上の方から乾く。そして、重力の影響によって水分が洗濯物の下の方に溜まり、洗濯物の下の方がより乾き難い特性がある。それゆえ、干された洗濯物を早く乾かすためには、洗濯物の下の方に多く風を常に当てることが望ましい。図8に示すように、干された洗濯物が除湿機100の前後方向に存在する場合には、洗濯物が乾き難かった。
そこで、制御装置20は、第1風向変更部10aと第2風向変更部10bとのそれぞれの吹出方向によって定まる吹出範囲を筐体1の前後にわたる上側の上下方向ルーバー11a及び上下方向ルーバー11bの回動範囲で別々に異ならせて制御する。ここで、上下方向ルーバー11a及び上下方向ルーバー11bは、一定角度に設定されても良い。特に、制御装置20は、第1風向変更部10aと第2風向変更部10bとのそれぞれの吹出範囲である上下方向ルーバー11a及び上下方向ルーバー11bの設定された回動範囲を、この回動範囲を超えた上下方向ルーバー11a及び上下方向ルーバー11bの許容回動範囲内のたとえば乾燥対象物である洗濯物が干された除湿範囲全体のうちの別々の部位で制御する。そして、制御装置20は、左右方向ルーバー13aと左右方向ルーバー13bとを対応する第1風向変更部10aと第2風向変更部10bとのそれぞれと一緒に連動させる。このとき、左右方向ルーバー13aと左右方向ルーバー13bとは、別々の左右方向に回動範囲を有しても良い。第1風向変更部10aと第2風向変更部10bとのそれぞれは、上下方向ルーバー11a及び上下方向ルーバー11bの設定された回動範囲と、左右方向ルーバー13a及び左右方向ルーバー13bの設定された回動範囲と、によって形成された別々の吹出範囲に乾燥空気Qa及び乾燥空気Qbを吹出させても良い。ここでは図8を用い吹出範囲と除湿範囲との関係が示されている。つまり、第1風向変更部10aからの乾燥空気Qaが第1風向変更部10aの吹出範囲に相当する。第2風向変更部10bからの乾燥空気Qbが第2風向変更部10bの吹出範囲に相当する。乾燥空気Qaの範囲と乾燥空気Qbの範囲とを足した範囲が上記吹出範囲を超えた前後方向に広がる除湿範囲に相当する。さらに、乾燥空気Qaが乾燥する洗濯物Caであり、乾燥空気Qbが乾燥する洗濯物Cbであり、洗濯物Caの範囲と洗濯物Cbの範囲とを足した範囲が除湿範囲に相当する。第1風向変更部10aの吹出範囲の上部分と第2風向変更部10bの吹出範囲の下部分とが一部重複している。以下にこの内容を詳述する。
使用者は、運転ボタン22によって除湿機100の運転を開始させた後、左ルーバー設定ボタン23を操作する。図6に示すように、使用者は、左ルーバー設定ボタン23の上下設定ボタン23aを操作し、「前方」、「上方」又は「ワイド」から、1つのモードを選択する。「前方」を選択すると、筐体1の正面方向Fの約80度の上下角度において往復運動を行う。この往復運動の上下角度は、適宜狭くも広くもできる。「上方」を選択すると、筐体1の上方向Uの約80度の上下角度において往復運動を行う。この往復運動の上下角度は、適宜狭くも広くもできる。「ワイド」を選択すると、筐体1の正面方向Fから上方向Uにかけて約160度の上下角度において往復運動を行う。この往復運動の上下角度は、適宜狭くも広くもできる。
図7に示すように、使用者は、左ルーバー設定ボタン23の左右設定ボタン23bを操作し、「中央」、「左」又は「ワイド」から、1つのモードを選択する。「中央」を選択すると、筐体1の中央の約30度の左右角度において往復運動を行う。この往復運動の左右角度は、適宜狭くも広くもできる。「左」を選択すると、筐体1の左方向Lの約30度の左右角度において往復運動を行う。この往復運動の左右角度は、適宜狭くも広くもできる。「ワイド」を選択すると、筐体1の中央から左側にかけて約60度の左右角度において往復運動を行う。この往復運動の左右角度は、適宜狭くも広くもできる。
使用者によって押下された、左ルーバー設定ボタン23の上下設定ボタン23aと左右設定ボタン23bとは、動作制御部20aに信号を送信する。動作制御部20aが上下設定ボタン23aと左右設定ボタン23bとから信号を受信すると、動作制御部20aが第1上下用モータ12a及び第1左右用モータ14aを制御する。第1上下用モータ12aが駆動されると、上下方向ルーバー11aが動く。第1左右用モータ14aが駆動されると、左右方向ルーバー13aが動く。
左ルーバー設定ボタン23の上下設定ボタン23aを操作して「前方」が選択されると、第1上下用モータ12aが動作制御部20aによって上下方向ルーバー11aを筐体1の正面方向Fの約80度の上下角度を往復運動させるように制御される。同様に、「上方」が選択されると、第1上下用モータ12aが動作制御部20aによって上下方向ルーバー11aを筐体1の上方向Uの約80度の上下角度を往復運動させるように制御される。「ワイド」が選択されると、第1上下用モータ12aが動作制御部20aによって上下方向ルーバー11aを筐体1の正面方向Fから上方向Uにかけて約160度の上下角度を往復運動させるように制御される。
左ルーバー設定ボタン23の左右設定ボタン23bを操作して「中央」が選択されると、第1左右用モータ14aが動作制御部20aによって左右方向ルーバー13aを筐体1の中央の約30度の左右角度を往復運動させるように制御される。同様に、「左」が選択されると、第1左右用モータ14aが動作制御部20aによって左右方向ルーバー13aを筐体1の左方向Lの約30度の左右角度を往復運動させるように制御される。「ワイド」が選択されると、第1左右用モータ14aが動作制御部20aによって左右方向ルーバー13aを筐体1の中央から左方向Lにかけて約60度の左右角度を往復運動させるように制御される。
使用者は、左ルーバー設定ボタン23を操作後に、右ルーバー設定ボタン24を操作する。使用者は、右ルーバー設定ボタン24の上下設定ボタン24aを操作し、「前方」、「上方」又は「ワイド」から、1つのモードを選択する。使用者は、右ルーバー設定ボタン24の左右設定ボタン24bを操作し、「中央」、「右」又は「ワイド」から、1つのモードを選択する。
使用者によって押下された、右ルーバー設定ボタン24の上下設定ボタン24aと左右設定ボタン24bとは、動作制御部20aに信号を送信する。動作制御部20aが上下設定ボタン24aと左右設定ボタン24bとから信号を受信すると、動作制御部20aが第2上下用モータ12b及び第2左右用モータ14bを制御する。第2上下用モータ12bが駆動されると、上下方向ルーバー11bが動く。第2左右用モータ14bが駆動されると、左右方向ルーバー13bが動く。
右ルーバー設定ボタン24の上下設定ボタン24aを操作して「前方」が選択されると、第2上下用モータ12bが動作制御部20aによって上下方向ルーバー11bを筐体1の正面方向Fの約80度の上下角度を往復運動させるように制御される。同様に、「上方」が選択されると、第2上下用モータ12bが動作制御部20aによって上下方向ルーバー11bを筐体1の上方向Uの約80度の上下角度を往復運動させるように制御される。「ワイド」が選択されると、第2上下用モータ12bが動作制御部20aによって上下方向ルーバー11bを筐体1の正面方向Fから上方向Uにかけて約160度の上下角度を往復運動させるように制御される。
右ルーバー設定ボタン24の左右設定ボタン24bを操作して「中央」が選択されると、第2左右用モータ14bが動作制御部20aによって左右方向ルーバー13bを筐体1の中央の約30度の左右角度を往復運動させるように制御される。同様に、「右」が選択されると、第2左右用モータ14bが動作制御部20aによって左右方向ルーバー13bを筐体1の右方向Rの約30度の左右角度を往復運動させるように制御される。「ワイド」が選択されると、第2左右用モータ14bが動作制御部20aによって左右方向ルーバー13bを筐体1の中央から右方向Rにかけて約60度の左右角度を往復運動させるように制御される。
図8に示すように、吹出口4に配置された第1風向変更部10aと第2風向変更部10bとのそれぞれの動作範囲が別々に設定されて別々の吹出範囲に乾燥空気Qa及び乾燥空気Qbを吹き出せる。第1風向変更部10aの上下方向ルーバー11aと左右方向ルーバー13aとの動作範囲をそれぞれ設定できる。これにより、乾燥空気Qaの吹出し範囲は、上下角度及び左右角度を別々に設定できる。また、第2風向変更部10bの上下方向ルーバー11bと左右方向ルーバー13bとの動作範囲をそれぞれ設定できる。これにより、乾燥空気Qbの吹出し範囲は、上下角度及び左右角度を別々に設定できる。よって、使用者は、干した洗濯物の範囲に合わせて、多様な送風範囲を選択できる。ここでは、第1風向変更部10aからの風を洗濯物Caに当たるように設定し、第2風向変更部10bからの風を洗濯物Cbに当たるように設定する。そして、第1風向変更部10aと第2風向変更部10bとのそれぞれからの風が、洗濯物Caと洗濯物Cbにあたり、洗濯物が干されていない範囲には送風されず、干された洗濯物の下の方に多く当たり、洗濯物が効率的に早く乾燥させられる。
<実施の形態1の効果>
実施の形態1によれば、除湿機100は、吸込口3と吹出口4とが形成された筐体1を備える。除湿機100は、筐体1の内部に設けられ、空気中の水分を除去する除湿手段としての除湿部7を備える。除湿機100は、吹出口4に設けられ、除湿部7で水分を除去された乾燥空気Qa及び乾燥空気Qbの吹き出す筐体1の上下吹出方向を調整する複数の上下風向調整手段としての第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bを備える。除湿機100は、第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bの吹出範囲を別々に異ならせて制御する制御手段としての制御装置20を備える。
この構成によれば、干した洗濯物に合わせて第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bのそれぞれが多様な送風範囲に選択できる。そして、第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bのそれぞれからの風が、洗濯物Caと洗濯物Cbにあたり、洗濯物が干されていない範囲には送風されず、に干された洗濯物の下の方になるべく常に当たり、洗濯物が効率的に乾燥させられる。したがって、干された洗濯物が早く乾かせられ、洗濯物の乾燥速度が向上でき、電気代が節約できる。また、干された洗濯物が早く乾き、乾いた洗濯物が室内干し特有の臭いを発生させない。
実施の形態1によれば、制御装置20は、第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bの吹出範囲をこの吹出範囲を超えた除湿範囲の別々の部位で制御する。
仮に第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bの吹出範囲をこの吹出範囲を超えた除湿範囲で往復動作させると、除湿範囲を往復動作する第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bからの風が干された一部の洗濯物の下の方に当たらない時間帯ができてしまう。しかしこの構成によれば、第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bのそれぞれが除湿範囲内の別々の部位の吹出範囲で別々に制御される。そして、第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bからの風が洗濯物が干されていない範囲には送風されず、干された洗濯物の下の方に多く当たり、洗濯物が効率的に乾燥させられる。
実施の形態1によれば、除湿機100は、吹出口4に設けられ、乾燥空気Qa及び乾燥空気Qbの吹き出す左右吹出方向を調整する左右風向調整手段としての左右方向ルーバー13a及び左右方向ルーバー13bを備える。
この構成によれば、干した洗濯物に合わせて第1風向変更部10a及び第2風向変更部10b並びに左右方向ルーバー13a及び左右方向ルーバー13bのそれぞれが多様な送風範囲に選択できる。このため、第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bのそれぞれの風の左右幅が限られる場合でも、左右方向ルーバー13a及び左右方向ルーバー13bが第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bのそれぞれの風の左右幅を多様に変更できる。そして、第1風向変更部10a及び第2風向変更部10b並びに左右方向ルーバー13a及び左右方向ルーバー13bのそれぞれからの風が干された洗濯物の下の方に多く当たり、洗濯物が効率的に乾燥させられる。
実施の形態1によれば、左右方向ルーバー13a及び左右方向ルーバー13bは、第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bのそれぞれに対応して複数である2つ設けられている。
この構成によれば、干した洗濯物に合わせて第1風向変更部10a及び第2風向変更部10b並びに左右方向ルーバー13a及び左右方向ルーバー13bのそれぞれが多様な送風範囲に選択できる。このため、第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bのそれぞれの風の左右幅が限られる場合でも、対応する左右方向ルーバー13a及び左右方向ルーバー13bのそれぞれが第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bのそれぞれの風の左右幅を別々に制御自在に変更できる。
実施の形態1によれば、制御装置20は、左右方向ルーバー13a及び左右方向ルーバー13bを対応する第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bのそれぞれと一緒に連動させる。
この構成によれば、干した洗濯物に合わせて第1風向変更部10a及び第2風向変更部10b並びにこれらに対応して一緒に連動した左右方向ルーバー13a及び左右方向ルーバー13bのそれぞれが多様な送風範囲に選択できる。また、第1風向変更部10a及び第2風向変更部10b並びにこれらに対応して一緒に連動した左右方向ルーバー13a及び左右方向ルーバー13bのそれぞれが1組ごとに別々に制御できて制御し易い。
実施の形態1によれば、第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bは、筐体1の左右方向に分けて2つ設けられている。
この構成によれば、筐体1の左右方向に分けて2つ設けられた上下風向調整手段が別々に干された洗濯物を乾燥できる。
実施の形態2.
<左センサ部16a及び右センサ部16b>
図9は、本発明の実施の形態2に係る除湿機100の外観を示す斜視図である。図10は、本発明の実施の形態2に係る左センサ部16a及び右センサ部16bの外観を示す正面図である。図11は、本発明の実施の形態2に係る左センサ部16a及び右センサ部16bの内部構造を図10のC−C断面で示す縦断面図である。図12は、本発明の実施の形態2に係る表面温度検出部18(図11参照)の検出領域を示す説明図である。ここでは、上記実施の形態と同様の事項を省略し、その特徴部分を説明する。図9において、紙面上の上方向は左センサ部16a及び右センサ部16bの上方向Uであり、紙面上の下方向は下方向Dである。
図9に示すように、除湿機100は、左センサ部16a及び右センサ部16bを備える。左センサ部16a及び右センサ部16bは、表面温度検出手段の一例として、表面温度検出部18を有する。図11に示された表面温度検出部18は、対象領域の表面温度を非接触の状態で検出する部位である。表面温度検出部18は、第1風向変更部10aと第2風向変更部10bとのそれぞれに対応し、除湿範囲の表面温度を非接触状態で検出するように2つの左センサ部16aと右センサ部16bとに対応してそれぞれ設けられている。
左センサ部16aは、筐体1の左方向Lの対象領域の表面温度を測定する。左センサ部16aは、第1風向変更部10aの上下方向ルーバー11aの内側に配置されている。左センサ部16aは、上下方向ルーバー11aの左右方向の中央の位置に配置されている。
右センサ部16bは、筐体1の右方向Rの対象領域の表面温度を測定する。右センサ部16bは、第2風向変更部10bの上下方向ルーバー11bの内側に配置されている。右センサ部16bは、上下方向ルーバー11bの左右方向の中央の位置に配置されている。
このように、左センサ部16aと右センサ部16bとは、対応する第1風向変更部10aと第2風向変更部10bとのそれぞれと一緒に配置されている。第1風向変更部10aと第2風向変更部10bとは、左右方向ルーバー13aと左右方向ルーバー13bとをそれぞれ一緒に有する。このため、左センサ部16aと右センサ部16bとは、対応する左右方向ルーバー13a及び左右方向ルーバー13bと、これら左右方向ルーバー13a及び左右方向ルーバー13bのそれぞれに対応した第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bと、一緒に配置されている。
図10及び図11に示すように、左センサ部16a及び右センサ部16bは、センサケース17を有する。センサケース17は、左センサ部16a及び右センサ部16bの外枠となる部位である。センサケース17は、筒状形状のセンサ上ケース17aと、センサ上ケース17aの開口を閉じる蓋形状のセンサ下ケース17bと、で構成されている。センサケース17は、上下の軸及び左右の軸を中心にして回動可能である。左センサ部16a及び右センサ部16bは、同形状である。
左センサ部16aは、上下方向ルーバー11aの左右方向の中央の位置でリンク15aに接続されている。左センサ部16aは、リンク15aを介して左右方向ルーバー13aに接続されている。なお、左センサ部16aは、リンク15aを介さずに左右方向ルーバー13aに直接設けられても良い。
右センサ部16bは、上下方向ルーバー11bの左右方向の中央の位置でリンク15bに接続されている。右センサ部16bは、リンク15bを介して左右方向ルーバー13bに接続されている。なお、右センサ部16bは、リンク15bを介さずに左右方向ルーバー13bに直接設けられても良い。
左センサ部16a及び右センサ部16bは、正面方向が吹出方向に向くように設けられている。左センサ部16aは、左右方向ルーバー13aの動きに合わせて左右方向ルーバー13aと共に動く。左センサ部16aは、左右方向ルーバー13aの動く方向と同じ方向に動く。左センサ部16aの正面方向は、第1風向変更部10aの吹出方向が変更された場合には変更された吹出方向に向く。
右センサ部16bは、左右方向ルーバー13bの動きに合わせて左右方向ルーバー13bと共に動く。右センサ部16bは、左右方向ルーバー13bの動く方向と同じ方向に動く。右センサ部16bの正面方向は、第2風向変更部10bの吹出方向が変更された場合には変更された吹出方向に向く。
図11に示すように、表面温度検出部18は、センサケース17の内部に設けられている。センサケース17は、正面にセンサ窓42を有する。センサ窓42は、センサケース17の開口に取り付けられている。センサ窓42は、赤外線の透過率が高い材料によって形成されている。センサ窓42は、ポリエチレン樹脂の成形部品である。センサ窓42は、吹出口4からの吹き出し空気が当たる領域から放射された赤外線が透過するように形成されている。
表面温度検出部18は、センサ窓42の背面側に配置されている。表面温度検出部18には、熱起電力を利用したものが用いられる。表面温度検出部18は、赤外線吸収膜及びサーミスタを有する。表面温度検出部18の赤外線吸収膜は、センサ窓42を透過する赤外線を吸収する。
赤外線吸収膜は、感熱部分を有する。赤外線吸収膜の感熱部分は、センサ窓42を透過した赤外線を吸収することによって昇温する。赤外線吸収膜の感熱部分は、温接点になる。サーミスタは、冷接点の一例である赤外線吸収膜の感熱部分ではない部位の温度を検出する。表面温度検出部18は、上記の温接点と冷接点との温度差から、赤外線吸収膜に吸収された赤外線を発した領域、すなわち吹出領域の表面温度を検出する。
センサケース17の正面に取り付けられた樹脂シート40は、センサ窓42の部分に開口40cを設けて貼り付けられている。
制御装置20は、温度判定部20cを有し、温度判定部20cが表面温度検出部18に接続されている。表面温度検出部18は、検出した表面温度の情報を電圧などの電気信号に変換する。表面温度検出部18は、変換した電気信号を制御装置20に出力する。制御装置20は、表面温度検出部18からの電気信号に基づいて動作する。
温度判定部20cは、表面温度検出部18によって出力された電気信号に基づいて、表面温度の判定を行う部位である。記憶部20bには、表面温度の基準値の情報が記憶されている。温度判定部20cは、表面温度検出部18からの電気信号と記憶部20bに記憶された基準値の情報とに基づいて、表面温度の判定を行う。
左センサ部16a及び右センサ部16bは、検出する物体の表面温度の差から、乾燥対象物、たとえば濡れた洗濯物の位置、大きさ又は乾燥具合を見分けるために用いられる。左センサ部16aは、第1風向変更部10aに配置され、除湿機100の左方向Lに干された洗濯物の表面温度を検出する。右センサ部16bは、第2風向変更部10bに配置され、除湿機100の右方向Rに干された洗濯物の表面温度を検出する。つまり、図12に示すように、左センサ部16aの検出範囲が図12の左半分範囲であり、右センサ部16bの検出範囲が図12の右半分範囲である。
図12に示すように、左センサ部16a及び右センサ部16bが検出可能な領域は、全走査範囲300になっている。全走査範囲300は、横方向である水平方向と、縦方向である鉛直方向と、に拡がる面状の範囲である。左センサ部16a及び右センサ部16bは、制御装置20によって、全走査範囲300を水平方向と鉛直方向とに対して、複数に分割された分割エリアとなるブロック301毎に表面温度を検出するように制御される。これにより、広範囲の検出可能領域に対して、詳細な温度マップが作成できる。
記憶部20bに記憶された基準温度T0の情報は、濡れた洗濯物の温度を元に予め設定されている。表面温度検出部18からの電気信号と記憶部20bに記憶された基準温度T0の情報とに基づいて乾燥対象物である洗濯物の表面温度の判定が行われ、洗濯物が濡れているか乾いているかが判断される。図12に示すように、吹出領域である全走査範囲300を複数に分割した分割エリアとなるブロック301毎に表面温度が検出され、検出した物体の表面温度と基準温度T0とを比較して濡れた洗濯物などの位置又は大きさが見分けられる。
つまり、第1風向変更部10aに配置された左センサ部16aは、除湿機100の左方向Lの表面温度を検出するように配置されている。このため、除湿機100の左方向Lの濡れた洗濯物が検出でき、制御装置20が第1風向変更部10aを濡れた洗濯物の方向のみに送風するように制御する。
第2風向変更部10bに配置された右センサ部16bは、除湿機100の右方向Rの表面温度を検出するように配置されている。このため、除湿機100の右方向Rの濡れた洗濯物が検出でき、制御装置20が第2風向変更部10bを濡れた洗濯物の方向のみに送風するように制御する。
制御装置20は、左センサ部16a及び右センサ部16bが第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bの吹出範囲を超えた干された洗濯物の広がる除湿範囲を検出した場合に、第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bの吹出範囲を除湿範囲の別々の部位で制御する。より詳しくは、第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bのそれぞれには、左右方向ルーバー13a及び左右方向ルーバー13bのそれぞれが一緒に配置されている。これにより、左センサ部16a及び右センサ部16bが第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bの吹出範囲を超えた干された洗濯物の広がる除湿範囲を検出した場合に、第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bの吹出範囲を除湿範囲の別々の部位で制御する。それと共に、制御装置20は、これら第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bのそれぞれに対応した左右方向ルーバー13a及び左右方向ルーバー13bを別々に制御する。
このように、吹出口4に配置された第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bのそれぞれが動作できる。そして、その他に、第1風向変更部10aに配置された左センサ部16aと第2風向変更部10bに配置された右センサ部16bとのそれぞれが全走査範囲300をブロック301毎に検出する。これにより、広い範囲の濡れた洗濯物が検出でき、第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bのそれぞれを左右方向で別々に送風方向を制御できる。よって、洗濯物が干されていない範囲には送風されず、効率良く早く洗濯物が乾燥させられる。さらに、無駄な電気代が削減される。
<実施の形態2の効果>
実施の形態2によれば、除湿機100は、第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bのそれぞれに対応し、除湿範囲の表面温度を非接触状態で検出する複数の表面温度検出手段としての表面温度検出部18を備える。
この構成によれば、第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bのそれぞれに対応した複数の表面温度検出部18を備えるので、複数の表面温度検出部18のそれぞれの検出した除湿範囲の表面温度に合わせて第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bのそれぞれが多様な送風範囲に選択できる。
実施の形態2によれば、複数の表面温度検出部18は、対応する第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bと一緒に配置されている。
この構成によれば、複数の表面温度検出部18のそれぞれが対応する第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bと一緒に検出範囲を変更でき、複数の表面温度検出部18が効率的に除湿範囲の表面温度を検出できる。
実施の形態2によれば、制御装置20は、複数の表面温度検出部18が第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bの吹出範囲を超えた除湿範囲を検出した場合に、第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bの吹出範囲を除湿範囲の別々の部位で制御する。
仮に第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bの吹出範囲をこの吹出範囲を超えた除湿範囲で往復動作させると、除湿範囲を往復動作する第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bからの風が干された一部の洗濯物の下の方に当たらない時間帯ができてしまう。しかしこの構成によれば、複数の表面温度検出部18が検出した除湿範囲に合わせて第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bのそれぞれが除湿範囲内の別々の部位の吹出範囲で別々に制御される。そして、第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bからの風が洗濯物が干されていない範囲には送風されず、干された洗濯物の下の方になるべく常に当たり、洗濯物が効率的に乾燥させられる。
実施の形態2によれば、複数の表面温度検出部18は、対応する第1風向変更部10a及び第2風向変更部10b並びにこれら第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bのそれぞれに対応した左右方向ルーバー13a及び左右方向ルーバー13bと一緒に配置されている。
この構成によれば、複数の表面温度検出部18の検出した干した洗濯物に合わせて第1風向変更部10a及び第2風向変更部10b並びに左右方向ルーバー13a及び左右方向ルーバー13bのそれぞれが多様な送風範囲に選択できる。このため、第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bのそれぞれの風の左右幅が限られる場合でも、対応する左右方向ルーバー13a及び左右方向ルーバー13bのそれぞれが第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bのそれぞれの風の左右幅を別々に制御自在に変更できる。
実施の形態2によれば、制御装置20は、複数の表面温度検出部18が第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bの吹出範囲を超えた除湿範囲を検出した場合に、第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bの吹出範囲を除湿範囲の別々の部位で制御すると共に、これら第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bのそれぞれに対応した左右方向ルーバー13a及び左右方向ルーバー13bを別々に制御する。
この構成によれば、複数の表面温度検出部18の検出した干した洗濯物に合わせて第1風向変更部10a及び第2風向変更部10b並びにこれらに対応して一緒に連動した左右方向ルーバー13a及び左右方向ルーバー13bのそれぞれが多様な送風範囲に選択できる。また、第1風向変更部10a及び第2風向変更部10b並びにこれらに対応して一緒に連動した左右方向ルーバー13a及び左右方向ルーバー13bのそれぞれが各表面温度検出部18に対して1組ごとに別々に制御できて制御し易い。
実施の形態3.
図13は、本発明の実施の形態3に係る除湿機100の内部構造を示す説明図である。ここでは、上記実施の形態と同様の事項を省略し、その特徴部分を説明する。
筐体1内には、第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bのそれぞれに対応した2つの左風路5a及び右風路5bが形成されている。左風路5a及び右風路5bは、除湿部7(図2参照)の配置された風路5の下流側にて筐体1内で左右方向に2つに分岐されて吹出口4a及び吹出口4bにそれぞれ至っている。
左風路5a及び右風路5bは、乾燥空気を吹出口4a及び吹出口4bに送風する左送風手段60a及び右送風手段60bをそれぞれ有する。左送風手段60aは、送風ファン6a及び図示しないファンモータを有する。右送風手段60bは、送風ファン6b及び図示しないファンモータを有する。左送風手段60aの下流側に形成された吹出口4aには、第1風向変更部10aが配置されている。右送風手段60bの下流側に形成された吹出口4bには、第2風向変更部10bが配置されている。左送風手段60a及び右送風手段60bは、制御装置20によってそれぞれ回転数を別々に制御される。このため、制御装置20は、第1風向変更部10a及び第2風向変更部10b並びに左送風手段60a及び右送風手段60bを別々に制御する。
このように、吹出口4a及び吹出口4bのそれぞれに配置された第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bが別々に動作できる。また、第1風向変更部10aに配置された左センサ部16aと第2風向変更部10bに配置された右センサ部16bとのそれぞれが全走査範囲300のブロック301毎の温度を検出する。これにより、広い範囲の濡れた洗濯物が検出でき、第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bのそれぞれが左右方向別々に送風方向を制御できる。よって、効率良く早く洗濯物が乾燥できる。さらに、左送風手段60a及び右送風手段60bのそれぞれは、制御装置20によって回転数を別々に制御される。これにより、第1風向変更部10aと第2風向変更部10bとからの風量がそれぞれ別々に変更できる。よって、ムラ無く洗濯物が乾燥できる。また、左方向の洗濯物が乾燥したら、制御装置20が左方向に対応する左送風手段60aを停止させるなどの制御により、無駄な電気代が更に削減できる。
<実施の形態3の効果>
実施の形態3によれば、筐体1は、第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bのそれぞれに対応した複数である2つの左風路5a及び右風路5bを有する。2つの左風路5a及び右風路5bは、乾燥空気Qa及び乾燥空気Qbを吹出口4a及び吹出口4bに送風する左送風手段60a及び右送風手段60bをそれぞれ有する。制御装置20は、第1風向変更部10a及び第2風向変更部10b並びに左送風手段60a及び右送風手段60bを別々に制御する。
この構成によれば、第1風向変更部10a及び第2風向変更部10b並びに左送風手段60a及び右送風手段60bが別々に制御され、第1風向変更部10a及び第2風向変更部10bのそれぞれが異なる風量で多様な送風範囲に選択できる。
なお、上記実施の形態は、いずれも可能な限り組み合わせて実施しても良い。