以下、添付の図面を参照して、各実施の形態について説明する。各図における同一部分または相当部分には、同一の符号を付して、重複する説明を簡略化または省略する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1の除湿機100の外観を示す斜視図である。図2は、実施の形態1の除湿機100の構造を示す縦断面図である。ここで、図2における紙面上の左右方向を、除湿機100の前後方向とする。なお、図2における紙面上の上下方向を、除湿機100の上下方向とする。すなわち図2において、紙面の手前方向が除湿機100の左方向に、紙面の奥方向が除湿機100の右方向となる。
除湿機100は、筐体1を備える。筐体1は除湿機100の外殻となる部位である。筐体1は、例えば自立可能な縦長の箱状の形状に形成されている。また、除湿機100は、例えば車輪2を備えてもよい。車輪2は、例えば図2に示すように、筐体1の底に設けられる。この車輪2によって除湿機100は移動可能となる。
筐体1には、吸込口3が形成される。吸込口3は、筐体1の内部に空気を取り込むための開口である。吸込口3は、例えば筐体1の後面に形成される。また、筐体1には吹出口4が形成される。吹出口4は、筐体1の内部から外部に向かって空気を吹き出すための開口である。吹出口4は、例えば筐体1の前面の上部に形成される。吹出口4の形状は、例えば筐体1の左右方向に伸びる長方形状である。
筐体1の内部には、風路5が形成される。風路5は、吸込口3から吹出口4へ至る空間である。また、除湿機100は、吹出手段の一例として、送風ファン6及びファン モーター6aを備える。送風ファン6は、風路5内に、吸込口3から吹出口4へと向かう気流を発生させるファンである。送風ファン6には、ファン モーター6aが接続される。ファン モーター6aは、送風ファン6を回転させる モーターである。
送風ファン6及びファン モーター6aは、例えば図2に示すように、筐体1の内部に設けられる。また、送風ファン6は、風路5内に配置される。実施の形態1の風路5内には、送風ファン6によって、吸込口3から吹出口4へ向かって空気が流れる。送風ファン6によって、吹出口4から空気が吹き出される。ここで、風路5において、吸込口3がある側を上流側、吹出口4がある側を下流側とする。すなわち、実施の形態1において空気は、風路5内を上流側から下流側へと向かって流れる。
除湿機100は、空気中に含まれる水分を除去する除湿手段の一例として、除湿部7を備える。除湿部7は、例えば空気中の水分を凝縮する装置である。除湿部7は、凝縮した水分を排出する。一例として、除湿部7は、凝縮した水分を、液体の水として下方に滴下する。除湿部7によって、空気中の水分が除去、すなわち、空気が除湿される。除湿部7によって除湿された空気は、乾燥した空気となる。
除湿部7は、例えばヒートポンプ回路を利用した装置である。除湿部7は、例えばヒートポンプ回路中の蒸発器によって、空気中の水分を凝縮させる。また、除湿部7は、例えばデシカント方式の装置であってもよい。デシカント方式の装置は、空気中の水分を吸着する吸着剤及び熱交換器を有する。吸着剤に吸着された水分は、熱交換器によって凝縮される。
除湿部7は、例えば筐体1の内部に設けられる。除湿部7は、風路5内に配置される。除湿部7は、一例として、吸込口3と送風ファン6との間に配置される。すなわち、実施の形態1の除湿部7は、送風ファン6の上流側に配置される。実施の形態1では、吸込口3、除湿部7、送風ファン6及び吹出口4が、上流側から下流側へ順に配置される。
除湿機100は、貯水部8を備える。貯水部8は、除湿部7によって排出された水を貯める部位である。貯水部8は、例えば図2に示すように、上部が開口した容器である。貯水部8は、筐体1の内部で、除湿部7の下方に設けられる。また、貯水部8は、例えば筐体1から着脱可能に設けられる。貯水部8は、除湿部7から滴下された水を、上部の開口から受けて貯める。
また、除湿機100は、フィルター9を備えてもよい。フィルター9は、例えば筐体1の内部に設けられる。フィルター9は、吸込口3を筐体1の内部から覆うように設けられる。フィルター9は、筐体1の内部への塵及び埃の侵入を防止する。
また、除湿機100は、温度センサー50と湿度センサー60を備える。温度 センサー50及び湿度センサー60は、例えば筐体1の内部に設けられ、除湿機100が置かれる環境の室温、湿度を計測し後述の制御装置20に計測した情報を伝達する。
除湿機100は、風向変更部10を備える。図3は、実施の形態1の風向変更部10の構成を示す断面図である。図3の紙面上の上下左右方向は、実施の形態1の除湿機100の上下左右方向に対応する。
風向変更部10は、吹出口4から乾燥空気が吹き出される方向を決める部位である。吹出口4から空気が吹き出される方向を、以下では吹出方向と呼称する。風向変更部10が駆動されることにより、吹出方向が変更される。風向変更部10は、例えば吹出口4の近傍に配置される。風向変更部10は、風向変更手段の一例である。
風向変更部10は、例えば図1及び図3に示すように、第1変更部の一例として上下方向ルーバー11を有する。上下方向ルーバー11は、例えば吹出口4の形状に合わせた形に形成される。実施の形態1の上下方向ルーバー11は、筐体1の左右方向に伸びる長方形状の枠状の部位である。上下方向ルーバー11は、一例として図3に示すように、左右方向に伸びる板状の部位を3枚有する。上下方向ルーバー11は、例えば左右方向に伸びる長方形状の開口を有する。上下方向ルーバー11は、左右方向の軸を中心にして回動可能に形成される。
風向変更部10は、上下方向ルーバー11を動かすための第1 モーター12を有する。第1 モーター12は、例えば筐体1の内部に設けられる。第1 モーター12は、例えば図示しない歯車を介して、上下方向ルーバー11を回動させる。上下方向ルーバー11が回動すると、上下方向ルーバー11の開口の向きは、左右方向の軸に垂直な面内で変更される。これにより、吹出方向が上下方向に変更される。
また、風向変更部10は、例えば図1及び図3に示すように、第2変更部の一例として左右方向ルーバー13を有する。左右方向ルーバー13は、上下方向に伸びる板状の部位を有する。左右方向ルーバー13は、一例として上下方向に伸びる板状の部位を6枚有する。上下方向に伸びる6枚の板状の部位は、例えば等間隔に配置される。左右方向ルーバー13は、上下方向の軸を中心にして回動可能に形成される。左右方向ルーバー13は、例えば上下方向ルーバー11の内側に配置される。上下方向ルーバー11と左右方向ルーバー13とは、例えば左右方向の中央の位置が一致するように配置される。
風向変更部10は、左右方向ルーバー13を動かすための第2 モーター14を有する。第2 モーター14は、例えば筐体1の内部に設けられる。また風向変更部10はリンク15を有する。リンク15は、例えば左右方向ルーバー13の後部に接続される。リンク15は、第2 モーター14に接続される。すなわち、左右方向ルーバー13と第2 モーター14とは、リンク15を介して接続される。第2 モーター14が駆動すると、リンク15を介して左右方向ルーバー13が回動する。左右方向ルーバー13が上下方向の軸を中心にして回動することにより、吹出方向が左右方向に変更される。
また、左右方向ルーバー13は、左右方向の軸を中心にして回動可能に形成される。リンク15は、上下方向ルーバー11に接続される。リンク15は、上下方向ルーバー11が動くと、上下方向ルーバー11と共に動く。リンク15が動くと、リンク15と共に左右方向ルーバー13が動く。すなわち左右方向ルーバー13は、上下方向ルーバー11が動くと、上下方向ルーバー11と共に動く。左右方向ルーバー13は、上下方向ルーバー11が動く方向と同じ方向へ動く。
除湿機100は、照射部19を備える。照射部19は、例えば上下方向ルーバー11の内側に配置される。照射部19は、例えば上下方向ルーバー11の左右方向の中央の位置に配置される。照射部19は、照射手段の一例である。
図4は、実施の形態1の照射部19を正面から見た図である。図5は、実施の形態1の照射部19の構造を示す断面図である。図4の紙面の手前方向を、照射部19の正面方向とする。図4の紙面上の上下方向を、照射部19の上下方向とする。図5において、紙面上の左方向は照射部19の正面方向、紙面上の右方向は照射部19の背面方向である。図5の紙面上の上下方向は、照射部19の上下方向である。
照射部19は、例えば図1、図3、図4及び図5に示すように、照射ケース17を有する。照射ケース17は、照射部19の外枠となる部位である。照射ケース17は、例えば、筒状の形状の照射上ケース17aと照射上ケース17aの開口を閉じる蓋形状の照射下ケース17bとで構成される。照射ケース17は、上下方向の軸及び左右方向の軸を中心にして回動可能に形成される。
照射ケース17は、例えば上下方向ルーバー11の左右方向の中央の位置で、リンク15に接続される。照射ケース17は、リンク15を介して、左右方向ルーバー13に接続される。なお照射ケース17は、例えばリンク15を介さずに左右方向ルーバー13に直接設けられてもよい。
照射ケース17は、正面方向が吹出方向に向くように設けられる。照射ケース17は、左右方向ルーバー13が動くと、左右方向ルーバー13と共に動く。照射ケース17は、左右方向ルーバー13が動く方向と同じ方向へ動く。照射ケース17の正面方向は、吹出方向が変更された場合においても、変更された吹出方向へ向く。
照射部19は、光源19a及び集光レンズ19bを有する。光源19aと集光レンズ19bとは、光源19aの前方に集光レンズ19bを光軸が一致するように、照射ケース17の内部に設けられる。照射ケース17には、光源19aと集光レンズ19bの光軸が一致する位置に照射窓41が設けられている。例えば照射窓41は、照射ケース17に形成された円形状の穴である。
光源19aは、可視光を照射するものである。光源19aは、例えばLEDである。なお、光源19aは、例えばレーザーダイオードでもよい。光源19aには、例えば光度が1000mcd以上のものが用いられる。光源19aは、例えば緑色の可視光を照射する。なお光源19aによって照射される可視光は、緑色以外、例えば橙色等であってもよい。
集光レンズ19bは、光源19aが照射した可視光を集光するものである。集光レンズ19bは、例えばアクリル樹脂の両凸レンズである。なお集光レンズ19bの材質は、例えばポリカーボネイト樹脂あるいはガラスでもよい。また集光レンズ19bは、フレネルレンズでもよい。
照射ケース17内で、光源19aと集光レンズ19bとの間は空間を有する。光源19aと集光レンズ19bは、両者の距離が、集光レンズ19bの焦点距離とほぼ一致する距離に配置される。光源19aによって照射される可視光は、集光レンズ19bへ照射される。例えば、両凸レンズの焦点距離は、レンズ材質の屈折率とレンズの曲率半径とレンズの厚さで決まる値である。
集光レンズ19bによって集光された可視光は、例えば室内で容易に視認される状態となる。光源19a及び集光レンズ19bは、集光レンズ19bによって集光された可視光が照射ケース17の正面方向に照射されるように設けられる。すなわち、集光レンズ19bによって集光された可視光は、吹出方向へ照射される。
集光レンズ19bによって集光された可視光は、筐体1の外部へ照射される。ここで、集光レンズ19bによって集光された可視光が照射される領域を、照射領域30とする。光源19a及び集光レンズ19bは、例えば筐体1から1m離れた位置での照射領域30が直径200mmの円となるように設けられる。
光源19aと集光レンズ19bは、両者の距離が、集光レンズ19bの焦点距離とほぼ一致する距離に配置することにより、照射領域30は、くっきりとした輪郭をもった明るい円形とすることができる。照射領域30の大きさは、光源19aと集光レンズ19bとの間の空間に絞り19cを入れることで調整が可能である。このとき、照射領域30よりも送風領域のほうが大きくなるように調整すると良い。これにより、少なくとも照射領域30には確実に送風できる。
照射ケース17の正面には、樹脂シート40が配置される。例えば、0.2mmのポリエステルシートが貼り付けられる。樹脂シート40は不透明で、配置された状態で、照射ケース17の照射窓41の位置に対応する部分は、透明領域40aとする。これにより、光源19aからの可視光が照射ケース17の外部に放射できるとともの、水や異物が内部へ侵入することを防止できる。
集光レンズ19bの後方に光源19aが配置されているので、使用者が集光レンズ19bを覗き込むと、光源19bが拡大して見える。光源19aが発光しているときは、とても眩しく感じられることとなる。ここでは、透明領域40aの内側には、不透明領域40bが設けられる。すなわち、2重円形状となっている。例えば、透明領域40aの直径10mmで、不透明領域40bの直径5mmである。例えば、光源19aは直径5mmの砲弾形LEDを使用しているので、不透明領域40bのため、まぶしく発光しているLED部分が見づらくなる。このため、覗き込んだ時の眩しさを低減することができる。
また、除湿機100は、制御装置20及び操作部21を備える。制御装置20は、例えば図2に示すように、筐体1の内部に設けられる。操作部21は、例えば図1及び図2に示すように、筐体1の上面の後面側に設けられる。制御装置20と操作部21とは接続される。
制御装置20は、除湿機100に備えられる各機器に接続される。制御装置20は、除湿機100に備えられる各機器を制御する。制御装置20は、例えばファン モーター6a、除湿部7、第1 モーター12、第2 モーター14及び照射部19に接続される。制御装置20は、例えばファン モーター6a、除湿部7、第1 モーター12、第2 モーター14及び照射部19を制御する。
操作部21は、使用者が除湿機100を操作するための部位である。操作部21は、例えば運転ボタン21a、モード選択ボタン21b、設定ボタン21c及び操作キー21dを有する。運転ボタン21aは、除湿機100の運転を開始及び停止させるためのものである。
また、操作部21は、表示ランプ22を有する。表示ランプ22は除湿機100の設定状態や運転状態を示すものであり、例えば複数のLEDランプで構成される。また表示ランプ22の代わりに液晶ディスプレイ(図示せず)を用いた表示としてもよい。
モード選択ボタン21bは、除湿機100の運転モードを選択するためのものである。モード選択ボタン21bは、例えば使用者からの操作に応じた信号を制御装置20へ送信する。また設定ボタン21cは、除湿機100の設定を行うためのものである。設定ボタン21cは、例えば使用者からの操作に応じて信号を制御装置20へ送信する。
操作キー21dは、操作指示を送信する操作手段の一例である。操作キー21dは、風向変更部10を動かして乾燥空気の吹出方向を変更するものであり、風向変更指示手段の一例である。操作キー21dは、例えば十字キーである。操作キー21dは、使用者からの操作に応じた操作指示を制御装置20へ送信する。制御装置20は、操作指示を受信すると、受信した操作指示に基づいて動作する。なお、操作キー21dは、十字キー以外のものでもよい。
図6は、実施の形態1の制御装置20を示す図である。図6(a)は、制御装置20の構成の一例を示す図である。一例として制御装置20は、動作制御部20a、記憶部20b、温度判定部20c、設定部20d及びタイマー部20eを有する。動作制御部20aを含む制御装置20は制御手段の一例である。制御装置20は、除湿機100に備えられた各機器であるファンモーター6a、除湿部7、第1モーター12、第2モーター14、照射部19、後述する表面温度検出部18を制御する。制御装置20の動作制御部20aは、例えば操作キー21dからの操作指示に基づいて、第1モーター12及び第2モーター14を制御する。
記憶部20bは、記憶手段の一例である。記憶部20bには、例えば予め複数の運転モードが設定されている。動作制御部20aは、例えばモード選択ボタン21bからの信号に基づいて、記憶部20bに設定された複数の運転モードの中から1つの運転モードを選択する。動作制御部20aは、例えば選択した運転モードに基づいて、ファン モーター6a、除湿部7、第1 モーター12、第2 モーター14及び照射部19を制御する。
実施の形態1の記憶部20bには、複数の運転モードのうちの1つとして寝具モードが記憶されている。寝具モードは、例えば除湿機100によって布団やベッド等の寝具31を乾燥させる時に使用される運転モードである。また床に置かれた絨毯や畳等にも応用できるものである。
設定部20dは、設定ボタン21cからの信号に応じて、記憶部20bに設定方向を設定する部位である。設定ボタン21cは、例えば照射部19によって可視光が照射されている時に押されると、設定部20dへ信号を送信する。設定部20dは、設定ボタン21cから信号を受信すると、照射部19によって可視光が照射されている方向を設定方向として記憶部20bに設定する。設定ボタン21c及び設定部20dは、設定方向を設定する設定手段の一例である。
また、図6(b)は、制御装置20の構成の一例を示すハードウェア構成図である。制御装置20の動作制御部20a、記憶部20b、設定部20d及びタイマー部20eの各機能は、例えば処理回路により実現される。処理回路は、専用ハードウェア200であってもよい。処理回路は、プロセッサ201及びメモリ202を備えていてもよい。処理回路は、一部が専用ハードウェア200として形成され、更にプロセッサ201及びメモリ202を備えていてもよい。図6(b)は、処理回路が、その一部が専用ハードウェア200として形成され、プロセッサ201及びメモリ202を備えている場合の例を示している。
一部が少なくとも1つの専用ハードウェア200である処理回路には、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又はこれらを組み合わせたものが該当する。
処理回路が少なくとも1つのプロセッサ201及び少なくとも1つのメモリ202を備える場合、制御装置20の動作制御部20a、記憶部20b、設定部20d及びタイマー部20eの各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。
ソフトウェア及びファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ202に格納される。プロセッサ201は、メモリ202に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。プロセッサ201は、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータあるいはDSPともいう。メモリ202には、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、EPROM及びEEPROM等の不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、又は磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク及びDVD等が該当する。
このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって、制御装置20の動作制御部20a、記憶部20b、設定部20d及びタイマー部20eの各機能を実現することができる。また除湿機100は、単一の制御装置20により動作が制御される構成に限定されるものではなく、複数の装置が連携することにより動作が制御される構成でも良い。
次に、除湿機100の動作の例について説明する。除湿機100は、例えば室内で使用される。除湿機100は、例えば運転ボタン21aが押されることによって、運転を開始する。使用者によって押された運転ボタン21aは、動作制御部20aへ信号を送信する。動作制御部20aは、運転ボタン21aから信号を受信すると、ファン モーター6a及び除湿部7を駆動させる。
ファン モーター6aが駆動すると、送風ファン6が回転する。送風ファン6は、気流を発生させる。送風ファン6が発生させた気流によって、例えば図2に示すように、室内空気Pが吸込口3から筐体1の内部へ取り込まれる。室内空気Pは、除湿部7によって除湿されて、乾燥空気Qとなる。乾燥空気Qは、送風ファン6が発生させた気流によって、吹出口4から室内へ吹き出される。乾燥空気Qの吹出方向は、風向変更部10によって決まる。上記のようにして、除湿機100は運転を開始する。
使用者は、例えば運転ボタン21aによって除湿機100の運転を開始させた後、モード選択ボタン21bを操作する。以下では、除湿機100の動作の一例として、使用者によって寝具モードが選択された場合の動作について説明する。
図7は、実施の形態1の除湿機と乾燥対象物の位置関係を示す平面図である。乾燥対象物として、寝具31を例にとり説明する。使用者は寝具31に対して除湿機100を設置する必要があるが、寝具31の長手方向略中央部に合わせ、距離d(例えば約50cm)を離して除湿機100を設置する。すなわち、乾燥対象物である寝具31は、除湿機100に対し所定の位置に水平方向に延びるように配置される。なお、推奨の設置位置等については取扱説明書等で使用者に対して案内するものである。
図8は、実施の形態1の除湿機の風向変更部動作決定の動作を示すフローチャートである。S101[寝具モード運転開始](以降、[]はフローチャートにおける各ステップ内の記載内容を示す。)において、使用者によって寝具モードが選択されると、動作制御部20aはモード選択ボタン21bからの信号に基づいて、寝具モードに設定する。動作制御部20aは、寝具モードに設定すると、照射部19の光源19aに可視光を照射させる。可視光は、集光レンズ19bにより集光される。集光レンズ19bに集光された可視光は、乾燥空気Qの吹出方向へ照射される。また、S102[時間計測開始]において、タイマー部20eにより、除湿運転時間の計時が開始される。
図9は、実施の形態1の除湿機に対する乾燥対象物の初期位置の方向設定を示す側面図である。図9に示すように、乾燥空気Qの吹出方向へ照射された可視光は、照射領域30を照らす。使用者は、照射部19が照射する可視光を指標として、照射領域30を見ながら操作キー21dを操作する。制御装置20は、操作キー21dにより、使用者からの操作に基づいた操作指示を動作制御部20aへ送信する。動作制御部20aは、受信した操作指示に基づいて、第1 モーター12及び第2 モーター14を駆動するように制御する。これにより、上下方向ルーバー11及び左右方向ルーバー13が動き、それぞれの姿勢が変化する。上下方向ルーバー11及び左右方向ルーバー13が動くことにより、吹出方向が変更される。ここで、第1 モーター12及び第2 モーター14は、例えばステッピングモーターにより構成する。
上下方向ルーバー11及び左右方向ルーバー13が動くと、照射ケース17も共に動く。また、照射ケース17に設けられた照射部19も動く。照射部19は、変更された吹出方向へ光を照射するように動く。照射領域30は、吹出方向の変更に合わせて動く。このようにして使用者が設定した、乾燥対象物である寝具31の初期位置である初期照射位置をPs、乾燥空気Qの吹出方向を表す可視光の照射方向が、基準方向である水平方向となす初期角度をθsとする。初期照射位置Psは、図9における照射領域30の示す位置である。
図8のS103[前回ルーバー位置指定操作あり?]において、制御装置20は前回除湿機を使用した際に、操作キー21dを操作することにより上下方向ルーバー11及び左右方向ルーバー13の位置指定操作がされていたかが記憶部20bに記憶されているかを判定する。位置指定操作がされていた場合S105に移行し、前回の指定位置に上下方向ルーバー11及び左右方向ルーバー13を移動するよう動作制御部20aは第1 モーター12及び第2 モーター14を制御する。
S103において、前回の除湿機の使用時に位置指定操作がされていない場合にはS104[ルーバーデフォルト位置に移動]に移行し、動作制御部20aは、あらかじめ記憶部20b内に設定された初期位置に上下方向ルーバー11及び左右方向ルーバー13を駆動するよう第1 モーター12及び第2 モーター14を制御する。
続いて、S106では、S104及びS105[ルーバー前回指定位置に移動]の後に使用者が操作キー21dを操作することにより上下方向ルーバー11及び左右方向ルーバー13の位置指定操作がされているかを判定する。判定の結果、位置指定操作がされている場合は、S110へ移行する。 制御装置20は、位置指定操作がされていない場合、S107においてタイマー部20eによる計測時間が所定時間経過(例えば10秒)したか否かを判定する。S107において、所定時間経過した場合はS107に移行し、所定時間経過していない場合はS106[ルーバー位置操作あり?]の判定を繰り返し行う。ここで、この所定時間経過の計時は、S104の場合はルーバーがデフォルト位置に移動してから開始し、S105の場合はルーバーが前回指定位置に移動してから開始する。また、所定時間の経過を待つことにより、使用者は、ルーバーの移動に伴って、照射部19の光源19aから照射される可視光の移動が完了したか否かを確認できる。使用者が可視光の照射領域30を見て、除湿機100の位置が適当でない場合には、除湿機100の位置を調整することができる。
S108[ルーバー位置布団対応で確定]において、上下方向ルーバー11の姿勢は、例えば、高さが250mm以下の比較的高さの低い寝具31(例えば布団)を対象として確定し、S109[ルーバー動作範囲 上下ルーバー:上θBU1、下θBUL1 左右ルーバー:全範囲]へ移行する。S109において、上下方向ルーバー11の動作角度範囲(後述)を決定する。なお、実施の形態1において、左右方向ルーバー13は可動可能な全範囲で動作するようにしているが、可動範囲を狭めて設定しても良い。
S110[上下ルーバー位置(角度)検知]において、動作制御部20aは、記憶部20b内にあらかじめ記憶された風向変更部10の角度情報と比較し、位置指定後の風向変更部10の上下方向の初期角度θsを検知する。ここで、風向変更部10の上下方向の角度は、例えば、上下方向ルーバー11を動かす第1 モーター12を構成するステッピングモーターの位置合わせ原点を基準として出力されるパルス数で検知する。そして、S111[対水平 θs1以上?]、S112[対水平 θs2以上 θs1未満]、S113[対水平 θs3以上 θs2未満]、S114[対水平 θs4以上 θs3未満]、S115[対水平 θs4未満~背面]において、初期角度θsが含まれる角度範囲を判定する。
次に、S116[所定時間経過?]、S117[所定時間経過?]、S118[所定時間経過?]、S119[所定時間経過?]、S120[所定時間経過?]において、 制御装置20は、タイマー部20eによる計測時間が所定時間経過(例えば10秒)したか否かを判定する。それぞれS116~S120において、所定時間経過した場合は、それぞれS121[ルーバー位置 布団・低ベッド対応で確定]、S122[ルーバー位置 低ベッド対応で確定]、S123[ルーバー位置 中ベッド対応で確定]、S124[ルーバー位置 高ベッド対応で確定]、S125[ルーバー位置 高ベッド対応で確定]に移行し、所定時間経過していない場合は、S110の初期角度θs検知を行い、S111~S115の判定を繰り返し行う。ここで、この所定時間経過の計時は、S107[所定時間経過?]の計時開始と同様に、S104の場合はルーバーがデフォルト位置に移動してから開始し、S105の場合はルーバーが前回指定位置に移動してから開始する。
S121~S125において、乾燥空気の吹出方向を表す照射部19の可視光の照射方向と水平方向とのなす角である初期角度θsにより、それぞれの寝具高さを確定する。つまり、除湿機100の吹出口4の床面からの高さと、除湿機100と寝具31の初期位置との距離dが決まっているため、初期角度θsにより寝具高さが定まる。そして、S121~S125の処理を実行後、それぞれ、S126~S130へ移行する。
S126[ルーバー動作範囲 上下ルーバー:上θBU1、下θBL1 左右ルーバー:全範囲]、S127[ルーバー動作範囲 上下ルーバー:上θBU2、下θBL2 左右ルーバー:全範囲]、S128[ルーバー動作範囲 上下ルーバー:上θBU3、下θBL3 左右ルーバー:全範囲]、S129[ルーバー動作範囲 上下ルーバー:上θBU4で固定 左右ルーバー:全範囲]、S130[ルーバー動作範囲 上下ルーバー:設定位置(±0)で固定 左右ルーバー:全範囲]において、上下方向ルーバー11の動作角度範囲(後述)を決定する。なお、実施の形態1では左右方向ルーバー13は可動可能な全範囲で動作するようにしているが、可動範囲を狭めて設定しても良い。
図10は、実施の形態1の除湿機の風向変更部10の上下動作範囲を示す側面図である。以上のように決定される上下方向ルーバー11の動作角度範囲は、初期角度θsに対して上側の動作角度θBU、下側の動作角度θBLに分けて設定される。動作角度範囲において乾燥空気が送風される寝具31の範囲が乾燥対象範囲である。動作角度範囲設定の際には、寝具31のサイズ違い(シングル、ダブル)に対して、少なくともダブルサイズまでは乾燥空気を届けられるように配慮し、かつ、乾燥対象とする寝具31の高さの違いに応じて、寝具31の乾燥対象範囲にまんべんなく乾燥空気が届くように配慮する。
図11は、実施の形態1の除湿機に対する乾燥対象物の初期位置の方向を表す初期角度θsと動作角度範囲(上側の動作角度θBU、下側の動作角度θBL)の関係の一例を示す表である。ここで、寝具31はダブルサイズの大きさを想定している。このように、対象とする寝具31の高さに応じて、上下方向ルーバー11の上側動作角度θBU、下側動作角度θBLを設定し、風向変更部10は両者の角度の範囲内で乾燥空気の吹出方法を上下方向に変更する動作を行う。
図12は、実施の形態1の除湿機の乾燥運転の動作を示すフローチャートである。図8におけるS126~S130までに風向変更部10の動作角度範囲を決定した後、S131に移行して、除湿機100は乾燥運転に移行する。
S131[10分毎に室温・湿度計測]において、 制御装置20は、所定時間(例えば10分)毎に温度センサー50、湿度センサー60にて室温、湿度の計測を開始する。この所定時間の計時開始は、図8のS102による。そして、S132に移行する。S132[10分経過?]では、 制御装置20は、タイマー部20eが計時する時間により、所定時間(例えば10分)が経過したか否かを判定し、経過した場合にはS133に移行する。S133[室温低温判定]において、 制御装置20は、室温が低温(例えば15℃未満)か否かを判定する。室温が低温と判定された場合、S134に移行する。S134[運転上限時間まで運転]では、寝具31が乾燥するにはより長い乾燥時間が必要となるため、運転上限時間(例えば12時間)まで運転してS135に移行する。S135[寝具モード運転終了]では、寝具モードの乾燥運転を終了する。
S133において、 制御装置20は、室温が低温と判定されなかった場合にはS136に移行する。S136[コアタイム(300分)経過]では、乾燥運転開始後、図8のS102の計時開始からタイマー部20eが計時する時間により、コアタイムA(例えば300分)が経過したか否かを判定する。コアタイムAが経過したと判定された場合、S137に移行する。S137[室温高温判定]では、 制御装置20は、温度センサー50で計測した室温が高温かどうか(例えば35℃以上)を判定する。夏場などの高温の場合には乾燥が促進されるため、運転時間は比較的短時間で良い。S137において、高温判定となった場合、S138に移行する。S138[湿度50%以下]では、 制御装置20は、湿度センサー60で湿度を計測し、再吸湿の心配が無いように周囲環境(湿度センサー60の周囲の相対湿度RH)が50%RH以下と判定した時点でS139[寝具モード運転終了]に移行し、寝具モードの乾燥運転を終了する。
また、S137において、 制御装置20は、室温が高温と判定されなかった場合にはS140に移行する。S140[コアタイムB(420分)経過]では、図8のS102の計時開始からタイマー部20eが計時する時間により、コアタイムB(例えば420分)が経過した否かを判定する。ここでは高温時と比較して室温が低くなる分、運転時間を長めに設定し乾燥を促している。S140では、コアタイムBが経過したと判定した場合、S141に移行する。S141[湿度50%以下]では、 制御装置20は、湿度センサー60で湿度を計測し、再吸湿の心配が無いように周囲環境が50%RH以下と判定した時点でS142[寝具モード運転終了]に移行し、寝具モードの乾燥運転を終了する。
S141において、周囲環境が50%RH以下にならない場合はS143に移行する。S143[運転上限時間経過]では、 制御装置20は、図8のS102の計時開始からタイマー部20eが計時する時間により、運転上限時間(例えば12時間)が経過したか否かを判定する。運転上限時間を経過していない場合はS141の判定を繰り返す。周囲環境が50%RH以下と判定した時点でS142に移行し、寝具モード運転を終了する。周囲環境が50%RH以下にならないまま運転上限時間を経過した場合は、S144[寝具モード運転終了]に移行し、寝具モード運転を終了する。
このように、実施の形態1の除湿機によれば、吹出口が形成された筐体と、空気中の水分を除去する除湿手段と、除湿手段によって水分が除去された乾燥空気を前記吹出口から吹き出させる吹出手段と、吹出口から乾燥空気が吹き出される吹出方向を決める風向変更手段と、風向変更手段の吹出方向の変更を指示する風向変更指示手段と、吹出方向へ可視光を照射する照射手段と、制御手段と、を備える除湿機において、照射手段が照射する可視光を指標として用いて、風向変更指示手段を用いて使用者により風向変更手段が操作されて、除湿機に対し所定の位置に水平方向に延びるように配置された乾燥対象物の初期位置の方向が設定され、制御手段が初期位置の方向から風向変更手段の動作角度範囲を決定して、風向変更手段を駆動することにより乾燥対象物に乾燥空気を送風する乾燥運転を行うので、乾燥対象物の高さが変化しても、乾燥対象物に乾燥空気を送風できる、使い勝手のよい除湿機が得られる。
なお、実施の形態1においては寝具を乾燥させる動作を一例として示したが、乾燥空気が吹き出される対象は寝具に限られない。例えば、乾燥対象物として、床に置かれた絨毯や畳等にも応用できるものである。
また、風向変更手段はルーバーの姿勢を変更することにより吹出方向を決めるものであり、制御手段は、照射手段が照射する可視光を指標として用いて設定された乾燥対象物の初期位置の方向と基準方向とのなす角度を検知し、乾燥運転時の風向変更手段の姿勢の動作角度範囲を決定するので、風向変更手段の構成が容易となる。
実施の形態2.
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態2の除湿機の構成は、実施の形態1と同様に、図1から図6によって示される。実施の形態2の除湿機は、乾燥対象範囲における乾燥対象物の表面温度を検出する表面温度検出手段をさらに設けたものである。なお、実施の形態1と同様の構成及び動作については、説明を省略する。
実施の形態2の除湿機100は、照射部19とともに センサー部16を設ける。センサー部16は、表面温度検出手段の一例として、表面温度検出部18を有する。表面温度検出部18は、対象領域における対象物の表面温度を、非接触の状態で検出する部位である。センサー部16は、センサー部16の表面温度の検知方向が、照射手段である照射部19の照射方向と連動して変化するように配置される。
表面温度検出部18は、照射ケース17の内部に、光源19aと集光レンズ19bよりも上方に設けられる。照射ケース17には、正面にセンサー窓42を有する。センサー窓42は、照射ケース17の開口に取り付けられる。センサー窓42は、赤外線の透過率が高い材料によって形成され、例えばポリエチレン樹脂の成形部品により構成される。センサー窓42は、吹出口4から吹き出された乾燥空気が当たる領域から放射される赤外線が透過するように形成される。
表面温度検出部18は、センサー窓42の背面側に配置される。表面温度検出部18には、例えば熱起電力を利用したものが用いられる。表面温度検出部18は、例えば赤外線吸収膜及びサーミスタを有する。表面温度検出部18の赤外線吸収膜は、センサー窓42を透過する赤外線を吸収する。
赤外線吸収膜は感熱部分を有する。赤外線吸収膜の感熱部分は、センサー窓17aを透過した赤外線を吸収することによって昇温する。赤外線吸収膜の感熱部分は、温接点となる。またサーミスタは、冷接点の一例である赤外線吸収膜の感熱部分ではない部位の温度を検出する。表面温度検出部18は、温接点と冷接点との温度差から、赤外線吸収膜に吸収された赤外線を発した領域、すなわち吹出領域の表面温度を検出する。
表面温度検出部18は、表面温度を検出する対象物が配置される範囲である対象領域が照射領域30と一致あるいは近くなるように形成される。これにより、照射領域30で設定した場所の温度を確実に測定することができる。照射ケース17の正面に取り付けられた樹脂シート40には、センサー窓42の部分は開口40cが設けられ貼り付けられる。
制御装置20は、温度判定部20cを有し、例えば表面温度検出部18に接続される。表面温度検出部18は、検出した表面温度の情報を、電圧等の電気信号に変換する。表面温度検出部18は、変換した電気信号を、制御装置20へ出力する。制御装置20は、例えば表面温度検出部18からの電気信号に基づいて動作する。
温度判定部20cは、表面温度検出部18によって出力された電気信号に基づいて、表面温度の判定を行う部位である。記憶部20bには、例えば表面温度の基準値の情報が記憶されている。温度判定部20cは、例えば表面温度検出部18からの電気信号と記憶部20bに記憶された基準値の情報とに基づいて、表面温度の判定を行う。
図13は、実施の形態2の除湿機の風向変更部動作決定の動作を示すフローチャートである。ここでの動作については、既に説明した図8に示す実施の形態1の除湿機の風向変更部動作決定の動作を示すフローチャートに準ずるものであり、各ステップ番号の下2桁のステップが該当している。よってS201[寝具モード運転開始]、S202[時間計測開始]、S203[前回ルーバー位置指定操作あり?]、S204[ルーバーデフォルト位置に移動]、S205[ルーバー前回指定位置に移動]、S206[ルーバー位置操作あり?]、S207[10秒経過?]、S208[ルーバー位置 布団対応で確定]、S209[ルーバー動作範囲 上下ルーバー:上θBU1、下θBL1 左右ルーバー:全範囲]、S210[上下ルーバー位置(角度)検知]、S211[対水平 θs1以上?]、S212[対水平 θs2以上 θs1未満]、S213[対水平 θs3以上 θs2未満]、S214[対水平 θs4以上 θs3未満]、S215[対水平 θs4未満~背面]、S216[10秒経過?]、S216[10秒経過?]、S217[10秒経過?]、S218[10秒経過?]、S220[10秒経過?]、S221[ルーバー位置 布団・低ベッド対応で確定]、S222[ルーバー位置 低ベッド対応で確定]、S223[ルーバー位置 中ベッド対応で確定]、S224[ルーバー位置 高ベッド対応で確定]、S225[ルーバー位置 高ベッド対応で確定]、S226[ルーバー動作範囲 上下ルーバー:上θBU1、下θBL1 左右ルーバー:全範囲]、S227[ルーバー動作範囲 上下ルーバー:上θBU2、下θBL2 左右ルーバー:全範囲]、S228[ルーバー動作範囲 上下ルーバー:上θBU3、下θBL3 左右ルーバー:全範囲]、S229[ルーバー動作範囲 上下ルーバー:上θBU4で固定 左右ルーバー:全範囲]、S230[ルーバー動作範囲 上下ルーバー:設定位置(±0)で固定 左右ルーバー:全範囲]については詳細の説明を省略する。
実施の形態1との相違点は、表面温度検出部18による表面温度判定を適用するか否かであり、乾燥対象である寝具31が、S224により「高いベッド」もしくはS225により「高いベッド以上」と判定された場合には、寝具31と表面温度検出部18が水平近い状態に位置し、表面温度検出部18により乾燥対象物の表面温度が測定しにくくなる。このため、表面温度検知の適用は無しとしている。一方、S221~S223に移行した場合には、表面温度検知の適用を有りとしている。
表面温度検知の適用が無しとなった場合は、図14の除湿機の乾燥運転(表面温度検知適用なし)の動作を示すフローチャートに基づき動作する。ここでの動作は図12に示す実施の形態1の除湿機の乾燥運転の動作を示すフローチャートに準ずるものであり、各ステップ番号の下2桁のステップが該当している。よってS231[10分毎に室温・湿度計測]、S232[10分経過?]、S233[室温低温判定]、S234[運転上限運転まで運転]、S235[寝具モード運転終了]、S236[コアタイムC(360分)経過]、S237[室温恒温判定]、S238[湿度50%以下]、S239[寝具モード運転終了]、S240[コアタイムD(480分)経過]、S241[湿度50%以下]、S242[寝具モード運転終了]、S243[運転上限時間経過]、S244[寝具モード運転終了]の詳細の説明は省略するが、S236及びS240でのコアタイムはそれぞれコアタイムC、コアタイムDとし、実施の形態1でのコアタイムA、コアタイムBに対し例えば60分長く運転するように設定している。これは表面温度検知の適用をしない代わりにあらかじめ長めに乾燥運転を行い、より乾燥を促す目的がある。
表面温度検知の適用が有りとなった場合は、図15の除湿機の乾燥運転(表面温度検知適用あり)の動作を示すフローチャートに基づき動作する。図13のS226~S230において風向変更部10の動作角度範囲を決定した後、除湿機100は乾燥運転に移行する。図15のS244[10分毎に室温・湿度計測]において、所定時間(例えば10分)毎に温度センサー50、湿度センサー60にて室温、湿度の計測を開始し、S245に移行する。S245[10分経過?]では、 制御装置20は、タイマー部20eが計時する経過時間により、所定時間(例えば10分)が経過したか否かを判定する。所定時間経過した場合にはS246[室温低温判定]に移行し、 制御装置20は、室温が低温(例えば15℃未満)か否かを判定する。低温と判定された場合には、より長い乾燥時間が必要となるためS247に移行する。S247[運転上限時間まで運転]では、運転上限時間(例えば12時間)まで寝具モードの乾燥運転を行い、S248に移行する。S248[寝具モード運転終了]では、寝具モードの乾燥運転を終了する。
S246において、低温と判定されなかった場合には、S249[寝具表面温度計測し開始時平均温度Ts算出]に移行する。表面温度検出部18は、表面温度を検出する対象領域が照射領域30と一致あるいは近くなるように形成されるため、風向変更部10が動作することにより、照射部19が照射する可視光の照射領域30となっている寝具31の表面温度を検知することが可能となる。図16は、実施の形態2の除湿機の乾燥運転時における風向変更部の動作による照射領域の概略走査軌道を示した平面図である。S249では、 制御装置20は、図16に示す走査軌道32にて例えば一往復分の表面温度を検知し、乾燥運転の開始時平均温度Tsを算出して記憶部20bに記憶する。
次に、S250[コアタイムA(300分)経過]に移行する。ここでは、制御装置20は、タイマー部20eが計時する経過時間を用いて、乾燥運転開始後コアタイムA(例えば300分)が経過したか否かを判定する。コアタイムAが経過したと判定された場合、S251に移行する。S251[室温恒温判定]では、制御装置20は、温度センサー50が計測した室温が高温かどうか(例えば35℃以上)を判定する。夏場などの高温の場合には乾燥が促進されるため、運転時間は比較的短時間で良い。S251において高温判定となったらS252に移行する。S252[湿度50%以下]で、湿度センサー60で湿度を計測し、再吸湿の心配が無いように周囲環境が50%RH以下と判定した時点でS253に移行する。
S253[寝具表面温度計測し終了時平均温度Te算出]では、図16に示す走査軌道32に沿って、例えば一往復分の表面温度を検知し、一往復分の表面温度測定の終了時平均温度Teを算出する。次に、S254[Ts<Te]にて、乾燥運転の開始時平均温度Tsと終了時平均温度Teを比較する。ここでTs<Teとなっていれば乾燥終了と判定し、S255[寝具運転モード終了]にて寝具モード運転終了となる。またTs>Teとなった場合には、より乾燥を促すため、S256[60分運転延長]にて、例えば60分の運転延長を行った後、S257[寝具モード運転終了]にて寝具モードの乾燥運転を終了する。
また、S251にて、室温が高温と判定されなかった場合には、S258[コアタイムB(420分)経過]に移行する。ここでは、制御装置20は、タイマー部20eが計時する経過時間を用いて、乾燥運転開始後コアタイムB(例えば420分)が経過した否かを判定する。ここでは、運転時間は、室温が高温時に対して室温が下がる分長めに設定し乾燥を促している。S258にてコアタイムBが経過したと判定した場合はS259[湿度50%以下]に移行する。湿度センサー60で湿度を計測し、再吸湿の心配が無いように周囲環境が50%RH以下と判定した時点でS260に移行する。
S260[寝具表面温度計測し終了時平均温度Te算出]では、図16に示す走査軌道32にて例えば一往復分の表面温度を検知し、終了時平均温度Teを算出する。次にS261[Ts<Te]にて開始時平均温度Tsと終了時平均温度Teを比較する。ここでTs<Teとなっていれば乾燥終了と判定しS262[寝具モード運転終了]にて寝具モード運転終了となる。またTs>Teとなった場合には、より乾燥を促すため、S263[60分運転延長]にて例えば60分の運転延長を行った後、S264[寝具モード運転終了]にて、寝具モードの乾燥運転を終了する。
S259において、周囲環境が50%RH以下にならない場合は、S265に移行する。S265[運転上限時間経過]ではタイマー部20eにて運転上限時間(例えば12時間)になったかどうかを判定している。運転上限時間になっていない場合はS259の判定を繰り返し、周囲環境が50%RH以下と判定した時点でS260に移行し、前述のS261~S264の動作を行う。周囲環境が50%RH以下にならないまま運転上限時間を経過した場合は、S266[寝具モード運転終了]に移行し、寝具モードの乾燥運転を終了する。
このように、実施の形態2の除湿機によれば、吹出口が形成された筐体と、空気中の水分を除去する除湿手段と、除湿手段によって水分が除去された乾燥空気を前記吹出口から吹き出させる吹出手段と、吹出口から乾燥空気が吹き出される吹出方向を決める風向変更手段と、風向変更手段の吹出方向の変更を指示する風向変更指示手段と、吹出方向へ可視光を照射する照射手段と、制御手段と、を備える除湿機において、照射手段が照射する可視光を指標として用いて、風向変更指示手段を用いて使用者により風向変更手段が操作されて、除湿機に対し所定の位置に水平方向に延びるように配置された乾燥対象物の初期位置の方向が設定され、制御手段が初期位置の方向から風向変更手段の動作角度範囲を決定して、風向変更手段を駆動することにより乾燥対象物に乾燥空気を送風する乾燥運転を行うので、乾燥対象物の高さが変化しても、乾燥対象物に乾燥空気を送風する、使い勝手のよい除湿機が得られる。
また、乾燥対象範囲における乾燥対象物の表面温度を検出する表面温度検出手段をさらに備え、表面温度検出手段を照射手段と連動して配置し、制御手段は、表面温度検出手段により乾燥運転開始時と乾燥運転終了時の乾燥対象物の表面温度を検出し、乾燥運転終了時に両者の表面温度に基づき乾燥運転を運転終了とするか運転延長とするかを決定するので、乾燥運転を行う際に乾燥対象物の表面温度を検知し、より精度の高い乾燥判定を行うことが可能な除湿機100が得られる。また、床に置かれた絨毯や畳等にも応用できるものである。
なお、実施の形態2においては寝具31を乾燥させる動作を一例として示したが、乾燥空気Qが吹き出される対象は寝具31に限られない。例えば、乾燥対象物として、床に置かれた絨毯や畳等にも応用できるものである。
実施の形態3.
図17は、実施の形態3の除湿機の運転モード選択の際のランプ表示の一例を示した図である。図8及び図13に示す実施の形態1(及び実施の形態2)の風向変更部動作決定の動作を示すフローチャートにおいて、S101[寝具モード運転開始](及びS201[寝具モード運転開始])の寝具モードの乾燥運転開始の際に、寝具31のサイズ選択を可能にするものである。制御装置20は、乾燥対象物のサイズ情報を選択可能に受け付ける。使用者は、例えばモード選択ボタン21bを操作することにより、ランプ1の22a、ランプ2の22bの表示が切り換わり、寝具31のサイズ選択が可能となる。なお、実施の形態3の除湿機では、ランプ1及びランプ2をLEDランプで構成しているが、LEDランプの代わりに液晶ディスプレイ(図示せず)を用いた表示としてもよい。
実施の形態3の除湿機において、寝具31のサイズを選択した後の動作については実施の形態1(及び2)の動作に準ずるものとし詳細の説明については省略する。ここで、図18は、実施の形態3の除湿機の風向変更部10の上下方向における動作角度範囲を示す側面図である。寝具31のシングル、ダブルのサイズ別に風向変更部10の動作角度範囲を設定することが可能となり、寝具31のサイズに応じた、より無駄のない乾燥運転が可能となる。
また、図19は、実施の形態3の除湿機の風向変更部10の別の一例の動作範囲を示す平面図である。図19に示すように、寝具31の短辺方向の略中央部に除湿機100を設置した際には、風向変更部10の左右方向の動作角度範囲を寝具サイズに応じて変化させても良い。
このように、実施の形態3の除湿機によれば、制御手段は、乾燥対象物のサイズ情報を選択可能に受け付けるので、寝具のシングル、ダブルのサイズ別に風向変更部の動作角度範囲を設定することが可能となる。すなわち、照射手段が照射する可視光を指標として用いて、風向変更指示手段を用いて使用者により風向変更手段が操作されて、除湿機に対し所定の位置に水平方向に延びるように配置された乾燥対象物の初期位置の方向が設定され、制御手段が初期位置の方向と乾燥対象物のサイズ情報とから風向変更手段の動作角度範囲を決定して、風向変更手段を駆動することにより、乾燥対象物に効率的に乾燥空気を送風することができる、使い勝手のよい除湿機が得られる。
実施の形態4.
図20は、実施の形態4の除湿機の風向変更部の初期位置設定を示す平面図である。図8及び図13に示す実施の形態1(及び2)の風向変更部動作決定の動作を示すフローチャートにおいてS106[ルーバー位置操作あり?](及びS206[ルーバー位置操作あり?])の寝具のサイズ設定を可能にする一例を示している。制御装置20は、初期位置の方向を複数設定することにより風向変更手段の動作角度範囲を決定して、風向変更手段を駆動することにより乾燥対象物に乾燥空気を送風する乾燥運転を行うものである。使用者は照射領域30の位置を操作キー21dで動かし、まず寝具31の手前側の角Ps1の位置で設定ボタン21cを押すことにより、乾燥対象物の第1の初期位置を指定する。次に、シングルサイズの場合には、対角側の角Ps2の位置まで照射領域30を操作キー21dで移動し、再度設定ボタン21cを押すことにより乾燥対象物の第2の初期位置を指定する。なお、ダブルサイズの場合はPs2‘を指定すれば良い。乾燥対象物における第1の初期位置及び第2の初期位置から風向変更手段の動作角度範囲を決定する。
このように、実施の形態4の除湿機によれば、使用者により複数設定された初期位置の方向に対して、制御手段は風向変更手段の動作角度範囲を決定して、風向変更手段を駆動することにより乾燥対象物に乾燥空気を送風する乾燥運転を行うので、シングルサイズ、ダブルサイズはもとより、他のサイズの寝具に対しても風向変更手段の動作角度範囲を決定するため、さまざまなサイズの寝具に対し乾燥空気を送風できる、使い勝手のよい除湿機が得られる。