JP6816339B2 - チタン素材の脱酸方法 - Google Patents

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Description

本発明は、純チタン、チタン合金、或いはチタンを主成分の1つとして含有する金属間化合物でなるチタン素材から前記チタン素材中に含有される酸素を除去するチタン素材の脱酸方法に関するものである。
近年、軽量、高耐食性、高比強度といった特性を活かし、特に航空機や自動車などの輸送機用の金属素材として純チタンやチタン合金などのチタンの需要が増加している。
チタンは活性であるため活性金属とも呼ばれ、酸素や窒素などの軽元素と非常に結びつきやすく、一度これら軽元素と結合してしまうと除去が非常に困難となる。前記したようにチタンは優れた特性を有するが、このように一度結合した軽元素の除去が困難という問題、更には従来から汎用されている鉄鋼素材やアルミニウム素材などと比べて高価であるという問題も有しており、市場への普及が進んでいないのが現状である。
そのような現状に鑑みて、低コスト化・省資源化を図るため、チタンスクラップのリサイクルや劣質原料の利用が、過去幾度となく検討されてきたが、チタンスクラップや劣質原料は特に多量の軽元素を含有しており、その中でも含有する酸素(以下、単に含有酸素とも述べる。)が障害となり、未だに工業レベルでの実用化に至っていないという課題がある。
また、最近では、電子ビームやプラズマアークを熱源とし水冷銅鋳型を用いて鋳塊を製造するハース溶解や、粉末を活用した積層造形の適用が盛んに研究開発されている。
純チタン或いはチタン合金などのチタン素材から含有酸素を、水素を用いて除去する方法が記載された技術文献としては、非特許文献1や非特許文献2がある。
非特許文献1には、スポンジチタンやTi−6Al−4V合金をAr−(1〜30)体積%H雰囲気下において、アーク溶解することで酸素を低減し得ることが記載されている。例えば、原料としてスポンジチタンを使用した場合には、酸素濃度が0.04質量%から0.016質量%まで低下することが記載されている。また、原料としてTi−6Al−4Vを使用した場合には、酸素濃度が0.12質量%から0.028質量%まで低下することや、酸素濃度が1.6質量%から0.3質量%まで低下することが記載されている。
また、非特許文献2には、純チタンをAr−20体積%H雰囲気下において、プラズマアーク溶解することで酸素を低減し得ると記載されている。また、酸素濃度は初期酸素濃度0.23質量%から0.09質量%まで低下することが記載されている。
Y.Su et al., "Deoxidation of titanium alloy using hydrogen", Int. J. Hydrogen Energy, 34 (2009) 8958-8963 J.M.Oh et al., "Brief review of removal effect of hydrogen-plasma arc melting on refining of pure titanium and titanium alloys", Int.J.Hydrogen Energy, 41 (2016) 23033-23041
しかしながら、非特許文献1には酸素分析法としてICP分析法を用いることが記載されているが、具体的にどのような実験条件でデータを得たのかが記載されていない。一般にICP分析法では、定量分析用の溶液を作製する際に使用する水分子に含有される酸素原子の存在により試料中の酸素濃度を正確に分析することは困難である。
また、非特許文献2には試料中の酸素濃度の経時変化を示すグラフも記載されているが、記載されたグラフの傾きから、これ以上の酸素低減効果は期待し難い。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたもので、純チタン、チタン合金、或いはチタンを主成分の1つとして含有する金属間化合物でなるチタン素材から含有される酸素を確実に除去することができるチタン素材の脱酸方法を提供することを課題とするものである。
本発明のチタン素材の脱酸方法は、純チタンでなるチタン素材から、前記チタン素材中に含有される酸素を除去するチタン素材の脱酸方法であって、
前記チタン素材を、水素を5〜70体積%含有する希ガス雰囲気下でプラズマアーク溶解により溶解することで、前記チタン素材の融体中に水素を導入する第一溶解工程と、
前記第一溶解工程で水素が導入された前記チタン素材を、希ガス雰囲気下で溶解することで、前記チタン素材が含有する酸素を前記水素と共に前記チタン素材の融体から除去する第二溶解工程と、を有し、
前記第一溶解工程および前記第二溶解工程を、それぞれ1〜複数回実施することを特徴とする。
また、本発明のチタン素材の脱酸方法は、前記第二溶解工程終了後に、真空度が1×10−2〜1×10−4Pa、保持温度が600〜1200℃の条件で、15分以上保持することで、前記チタン素材から水素を除去する熱処理工程を、更に有することが好ましい。
本発明のチタン素材の脱酸方法によると、純チタン、チタン合金、或いはチタンを主成分の1つとして含有する金属間化合物でなるチタン素材から含有される酸素を確実に除去することができる。
本発明者らは、酸素や窒素などの軽元素と非常に結びつきやすいチタンを主成分とするチタン素材から、このチタン素材に含有される軽元素、特に酸素を確実に除去できるチタン素材の脱酸方法を見出すため、鋭意検討を行った。
その結果、水素を一定量含有する希ガス雰囲気下でチタン素材を溶解することで水素を導入する第一溶解工程、続いてそのチタン素材を希ガス雰囲気下で溶解することで前記チタン素材から第一工程で導入された水素と共に含有酸素を除去する第二溶解工程、を実施することで、チタン素材が含有する酸素を確実に除去できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
また、前記第二溶解工程後に、一定の条件で保持する熱処理工程を実施することで、含有酸素を除去するためにチタン素材に導入した水素を確実に除去できることも併せて確認した。この熱処理工程を実施することで、第二溶解工程で除去しきれなかった水素を確実に除去できると考えられる。
第二溶解工程で、チタン素材が含有する酸素を、第一溶解工程で導入した水素と共にチタン素材から除去できる理由は、導入された水素が脱酸剤として機能するためと考えられる。
以下、本発明を実施形態に基づいて更に詳細に説明する。
(チタン素材)
本発明のチタン素材の脱酸方法に用いられるチタン素材は、純チタン、チタン合金、或いはチタンの金属間化合物(チタンを主成分の1つとして含有する金属間化合物)のいずれかを有している。純チタンとしては、JIS1種、JIS2種、JIS3種、JIS4種の工業用純チタンを例示することができ、チタン合金が含有する合金元素としては、Al、V、Mo、Cr、Zr、Sn、Si、Cu、Nb、Fe、Ni、Ta、Ag、Pd、C、Nを例示することができ、また金属間化合物としては、TiAlやNiTiを例示することができる。
これらチタン素材のチタン含有量は45質量%以上であることが好ましい。一般的にチタン素材のチタン含有量の下限はこの程度であり、チタン含有量が少なすぎるとチタン素材ということができなくなる。
(脱酸方法)
本発明のチタンの脱酸方法は、第一溶解工程と、第二溶解工程とを少なくとも有する。第一溶解工程および第二溶解工程は、それぞれ1〜複数回実施される。また、第二溶解工程終了後に、熱処理工程を実施しても良い。以下、第一溶解工程、第二溶解工程、熱処理工程に分け、これら各工程を詳細に説明する。
(第一溶解工程)
第一溶解工程は、チタン素材に水素を導入するための工程であり、チタン素材から酸素を除去するための前処理工程である。尚、先に示した非特許文献1および非特許文献2に示す技術では、この第一溶解工程に相当する工程を実施することで、酸素を低減し得るとされている。
しかし、本発明においてはこの第一溶解工程だけでは、チタン素材から酸素を除去することはできない。後の実施例の欄で比較例として記載するが、この第一溶解工程を実施するだけではチタン素材から酸素を十分に除去することはできない。
第一溶解工程では、例えばプラズマアーク溶解炉を用い、チタン素材を、水素を5〜70体積%含有する希ガス雰囲気下で溶解することで、チタン素材の融体中に水素を導入する。
第一溶解工程での溶解は、プラズマアーク溶解で行うことが望ましい。プラズマアーク溶解でチタン素材の溶解を行うことにより、プラズマガス中に水素を混入しておくことで、加熱と水素導入を同時に行うことができる。尚、プラズマアーク溶解以外の溶解であれば、熱源とは別に水素ガスを導入する装置などが必要となり、製造コストの高騰に繋がる。
また、第一溶解工程の雰囲気を、水素を5〜70体積%(5体積%以上かつ70体積%以下)含有する希ガス雰囲気とした理由は、特にプラズマアーク溶解の場合、水素濃度が70体積%を超えた場合、電離の際に必要なエネルギーが上昇し、電圧上昇に伴うアーク消失が頻発し、プラズマアークの発生が困難となるためである。一方、水素濃度が5体積%未満であれば、チタン融体中に水素を十分に導入できない。
なお、水素の含有量の下限は、好ましくは10体積%以上、より好ましくは15体積%以上であるのが良い。また、水素含有量の上限は、好ましくは60体積%以下、より好ましくは50体積%以下であるのが良い。
また、第一溶解工程の雰囲気は、水素を5〜70体積%含有する希ガス雰囲気としたが、希ガス雰囲気としてはAr雰囲気を例示することができる。また、第一溶解工程の雰囲気が、He雰囲気、Ne雰囲気等であっても原理的に脱酸は可能である。
尚、本発明では第一溶解工程での投入熱量については特に規定しないが、15〜200kW/kg(15kW/kg以上かつ200kW/kg以下)の範囲とすることが好ましい。投入熱量が15kW/kg未満である場合は、チタンの溶解に必要な熱量を確保できない。一方、投入熱量が200kW/kgを超える場合は、チタンの揮発ロスが生じてしまう。
また、第一溶解工程での溶解保持時間についても特に規定しないが、0.3〜3.6ks(5〜60分)の範囲とすることが好ましい。なお、溶解保持時間の下限は0.6ks(10分)、上限は1.8ks(30分)とすることがより好ましい。溶解保持時間が0.3ks(5分)未満である場合は、脱酸のための十分な水素導入ができない。一方、溶解保持時間が3.6ks(60分)を超えても、熱・チタン揮発ともにロスが多くなるだけである。
この第一溶解工程は通常1度のみ実施するが、第二溶解工程実施後に再度実施しても構わない。また、第一溶解工程は連続して2回以上繰り返して実施しても構わない。
(第二溶解工程)
第二溶解工程は、チタン素材中に含有される酸素を、第一溶解工程でチタン素材に導入した水素と共に、チタン素材の融体中から除去する工程である。
第一溶解工程での溶解は、プラズマアーク溶解で行うことが望ましいとしたが、第二溶解工程での溶解も、プラズマアーク溶解で行うことが望ましい。第一溶解工程と同様に、チタン素材のプラズマアーク溶解を行うことにより、融体の温度を他のプロセス以上に上昇させることが可能となる。尚、プラズマアーク溶解以外の溶解であれば、温度低下に伴い脱酸効率が僅かながら低下することが予想される。
また、第二溶解工程での雰囲気は、Ar、He、Neなどの希ガス雰囲気とする。例えば、第一溶解工程での雰囲気を、水素を5〜70体積%含有するAr雰囲気とした場合は、第二溶解工程は第一溶解工程と同種の希ガスを用いたAr雰囲気とすることが効率上好ましい。但し、第二溶解工程での雰囲気も、第一溶解工程と同様にHe、Neなどの他の希ガスを用いても構わない。
第二溶解工程では水素を含有しない希ガス雰囲気とすることで、チタン素材中に含有される酸素を、第一溶解工程でチタン素材に導入した水素と共に、チタン素材の融体中から確実に除去することができる。尚、水素を含有しない希ガス雰囲気と記載したが、チタン素材の融体からの水素と酸素の除去に影響を与えない程度であれば、水素は極微量(5体積%未満)に含有していても構わない。
尚、第二溶解工程での投入熱量も第一溶解工程と同様に15〜200kW/kgの範囲とすることが好ましい。投入熱量が15kW/kg未満である場合は、チタンの溶解に必要な熱量を確保できない。一方、投入熱量が200kW/kgを超える場合は、チタンの揮発ロスが生じてしまう。
また、本発明では第二溶解工程での溶解保持時間についても第一溶解工程での溶解保持時間と同様に特に規定しないが、0.3〜3.6ks(5〜60分)の範囲とすることが好ましく、下限は0.6ks(10分)、上限は1.8ks(30分)とすることがより好ましい。溶解保持時間が0.3ks(5分)未満である場合は、脱酸のための十分な時間が確保できない。一方、溶解保持時間が3.6ks(60分)を超えても、熱・チタン揮発ともにロスが多くなるだけである。
この第二溶解工程も第一溶解工程と同様に通常は1度のみ実施するが、第一溶解工程同様に複数回実施しても構わない。第二溶解工程を複数回実施する場合は、第一溶解工程と組み合わせてセットで複数回繰り返して実施しても構わないし、第一溶解工程終了後に第二溶解工程のみを複数回実施しても構わない。
(熱処理工程)
熱処理工程は、第二溶解工程終了後に、真空度が1×10−2〜1×10−4Pa、保持温度が600〜1200℃の条件で、0.9ks(15分)以上保持することで実施する。
この熱処理工程は必ずしも実施する必要はないが、熱処理工程を実施することで、第二溶解工程で除去しきれなかった水素を確実に除去できる。
熱処理工程は真空熱処理炉などを用いて実施されるが、その際の真空度は1×10−2〜1×10−4Paの範囲とする。真空度の上限を1×10−4Paとした理由は、1×10−4Paを超える真空度とすることは脱水素の目的だけであれば好ましいが、上述した真空度まで排気するのに長時間を有し効率が悪いためである。一方、真空度の下限を1×10−2Paとした理由は、1×10−2Pa未満の真空度ではチタン表面に酸化皮膜が形成されてしまい、その酸化皮膜により水素除去が阻害されてしまうためである。
また、熱処理工程での保持温度は600〜1200℃とする。保持温度の下限を600℃とした理由は、保持温度がそれより低い場合は、固体チタン素材中の水素の拡散速度が遅くなり、脱水素に長時間を有し効率が悪いためである。一方、保持温度の上限を1200℃とした理由は、保持温度がそれより高い場合は、チタン表面における酸化皮膜形成を活発にするとともに、冷却までに要する時間が長くなるためである。
また、熱処理工程での保持時間は0.9ks(15分)以上とする。保持時間が0.9ks(15分)未満であれば、第二溶解工程で除去しきれなかったチタン素材中の水素を除去することができない可能性が高く、保持時間を0.9ks(15分)以上とすることで、第二溶解工程で除去しきれなかったチタン素材中の水素を確実に除去することができる。
尚、保持時間が長いほどより確実にチタン素材中の水素を除去できるが、3.6ks(60分)程度要すればチタン素材中の水素はほぼ全て除去できると考えられる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適宜変更を加えて実施することも可能であり、それらは何れも本発明の技術的範囲に含まれる。
本実施例では、チタン素材(工業用純チタン:CPチタン製の溶解原料)を用い、プラズマアーク溶解炉で第一溶解工程および第二溶解工程を、真空熱処理炉で脱水素工程を、試験条件に応じ順次実施した。チタン素材の溶解に用いるハースは、サイズが直径80mmの半球状の形状とした。このハースに、チタン融体質量(サンプル質量)250gの場合には高さ約25mmとなるようにチタン素材を入れ、またチタン融体質量(サンプル質量)500gの場合には高さ約40mmとなるようにチタン素材を入れた。
また、第一溶解工程でのプラズマアークによる溶解出力は70V、500A、第二溶解工程での溶解出力は50V、450Aであり、第一溶解工程での溶解時間は0.3〜3.6ks(5〜60分)の範囲内、流量は30L/分、第二溶解工程での溶解時間は0.3〜3.6ks(5〜60分)の範囲内、流量は20L/分とした。第一溶解工程および第二溶解工程での投入熱量は114kW/kg、炉内圧力は1atmである。
実施例(発明例)の試験では、前記チタン素材を溶解原料として用い、溶解工程として第一溶解工程および第二溶解工程を順に1〜複数回実施し、必要に応じて熱処理工程を実施した。一方、比較例の試験では、前記チタン素材を溶解原料として用い、溶解工程として第一溶解工程のみを実施し、必要に応じて熱処理工程を実施した。
第一溶解工程の雰囲気は、水素を30体積%混合したAr雰囲気とし、第二溶解工程の雰囲気は、水素を混合していないAr雰囲気(純Ar雰囲気)とした。また、熱処理工程では、Tiシートを敷いたAlボートに、溶解工程を終えた試料を置き、真空ポンプで7.0×10−3Paになるまで真空に引いた。その後、真空状態(7.0×10−3Pa)を保持したまま1023K(750℃)まで昇温し、保持時間3.6ks(60分)の間保持した。
この試験では、試験実施前のチタン素材(試料)の最表面と、最終工程(試験条件により第一溶解工程、第二溶解工程、熱処理工程の場合がある。)を終えた後の試料の最表面からサンプルを採取し、試験実施前の試料の酸素濃度、最終工程を終えた試料の酸素濃度および水素濃度の測定を不活性ガス融解赤外線吸収法により行い、評価を行った。尚、水素分析は半定量法である。試験結果を表1に示す。
本発明の要件を満足する条件でチタン素材の脱酸を行った各実施例(発明例)では、脱酸が順調に進行しているのに対し、各比較例では脱酸が進行していないことが分かる。
この結果から、水素を5〜70体積%含有するAr雰囲気下で溶解することで、チタン素材に水素を導入する溶解工程(第一溶解工程)だけでは、脱酸は十分に進行しないが、第一溶解工程に続いてチタン素材を、水素が含有されないAr雰囲気下で溶解する第二溶解工程を実施することで、脱酸が進行することが分かる。
第一溶解工程でチタン素材中に導入された水素が、第二溶解工程で脱酸剤として機能し、チタン素材が含有する酸素が、その水素と共にチタン素材から除去されるためと考えることができる。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。

Claims (2)

  1. 純チタンでなるチタン素材から、前記チタン素材中に含有される酸素を除去するチタン素材の脱酸方法であって、
    前記チタン素材を、水素を5〜70体積%含有する希ガス雰囲気下でプラズマアーク溶解により溶解することで、前記チタン素材の融体中に水素を導入する第一溶解工程と、
    前記第一溶解工程で水素が導入された前記チタン素材を、希ガス雰囲気下で溶解することで、前記チタン素材が含有する酸素を前記水素と共に前記チタン素材の融体から除去する第二溶解工程と、を有し、
    前記第一溶解工程および前記第二溶解工程を、それぞれ1〜複数回実施することを特徴とするチタン素材の脱酸方法。
  2. 前記第二溶解工程終了後のチタン素材を、真空度が1×10−2〜1×10−4Pa、保持温度が600〜1200℃の条件で、15分以上保持することで、前記チタン素材から水素を除去する熱処理工程を、更に有することを特徴とする請求項1記載のチタン素材の脱酸方法。
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