JP6814619B2 - 洗面器 - Google Patents

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Description

本発明は、洗面器に関する。
従来、カウンター等の支持部材に周縁部を載置した状態で設置されるベッセル式の洗面器として、例えば特許文献1に示すような洗面ボウル部と、この洗面ボウル部の外周部に連設されるとともに、下端部で支持部材に載置される外側部と、を備えた構成のものが知られている。
例えば図15(a)、(b)に示すように、特許文献1に記載されるようなベッセル式の洗面器100では、カウンター101とカウンター101に載置される外側部100Aとの間に、洗面器の使用時における水の浸入を防ぐために例えばシリコン製のコーキング材102を塗布することによりコーキング処理が施されている。
特開2005−87647号公報
しかしながら、上述したベッセル式の洗面器では、以下のような問題があった。
すなわち、図15(a)に示すように、外側部100Aにおけるカウンター101との境界部分に設けられるコーキング処理跡やコーキング材102の経年汚れが目立つという問題があった。
しかも、洗面器100が陶器製の場合には、洗面器100の外周面に釉薬が被覆されるが、製造過程における焼成時に自重により釉薬が下方に流れ、外側部100Aのカウンター載置部付近に釉溜り103が生じていた。さらに、図15(b)に示すように、陶器製の洗面器の場合には、焼成時に外側部100Aのカウンター載置部に焼残りが生じてしまい、この焼残り部104によって外側部100Aが跳ね上がった状態で載置されるおそれがあった。このように、コーキング処理部、釉溜り103、及び焼残り部104等によって外観が悪くなることから、その点で改善の余地があった。
また、従来の洗面器では、コーキング処理部がある外側部100Aとカウンター101との境界部分に水が溜まり易く、汚れやすい部分となるため、この境界部分を容易に掃除できる十分なスペースを確保する必要があるため、コーキング処理部を完全に覆ってしまうことはできない。そのため、上述したような外観の向上と、洗面器に付着した汚れを容易に清掃できることとをバランスよく達成できる洗面器が求められていた。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、支持部材との境界部分のコーキング処理部等が目立たなくなり、外観品位を向上させることができる洗面器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る洗面器は、支持部材に周縁部を載置した状態で設置される洗面器であって、洗面ボウル部と、前記洗面ボウル部の外周部に連設されるとともに、下端部で前記支持部材に載置される外側部と、を備え、前記外側部の外面と、前記外側部の前記支持部材との載置部の周縁との接続部には、該載置部側が前記外面よりも前記洗面ボウル部の外側面側に向けて凹んだ形状の段部が形成され、前記洗面ボウル部及び前記外側部は、陶器により形成され、前記外側部には中空部が形成され、前記中空部の下端は、前記段部の上端よりも下に位置することを特徴としている。
本発明に係る洗面器によれば、外側部の載置部の周縁と支持部材との境界部分が段部によって形成される凹部の前記洗面ボウル部の外側面側の位置となり、洗面器を使用する人の視線から隠れた位置となる。すなわち、この境界部分にコーキング処理が施されるため、コーキング処理部が目立たなくなり、外観品位を向上させることができる。
また、この場合には、外側部に中空部を設けることで、段部を形成することができる。そして中空部を形成することによりリムが薄くても割れにくくすることができる。
また、本発明に係る洗面器は、前記段部は、前記支持部材側を向く段下面と、前記載置部の外端から上方に向けて延びて前記段下面の内端に連設する段側面と、を有し、前記段側面の高さ寸法が前記段下面の奥行寸法より大きく設定されていることが好ましい。
また、本発明に係る洗面器は、前記段部は、前記支持部材側を向く段下面と、前記載置部の外端から上方に向けて延びて前記段下面の内端に連設する段側面と、を有し、前記段下面と段側面との2面がそれぞれ前記中空部側に凸となるように凹んでいることが好ましい。
また、本発明に係る洗面器は、前記洗面ボウル部及び前記外側部は、陶器により形成されることを特徴としてもよい。
また、本発明に係る洗面器は、前記外側部は、前記中空部を画成する内側面と外面とがそれぞれ上方に向かうに従い近接するとともに、頂部で前記内側面と前記外面とが当接することが好ましい。
本発明では、外側部の形状が頂部に向けて先細りとなるため、よりシャープなデザインを実現することができる。
また、本発明に係る洗面器は、前記段部における前記支持部材側を向く下面には、前記段部の前記洗面ボウル部の外側面側に向けて下り勾配となる傾斜面が形成されていてもよい。
本発明では、製造時において釉薬が段部の傾斜面を下る方向に伝って、外側部の載置部と段部の傾斜面との間の側面の位置であって、人の視線から隠れた位置に釉溜を形成させることができる。
また、本発明に係る洗面器は、支持部材に周縁部を載置した状態で設置される洗面器であって、洗面ボウル部と、前記洗面ボウル部の外周部に連設されるとともに、下端部で前記支持部材に載置される外側部と、を備え、前記外側部の外周面と、前記外側部の前記支持部材との載置部の周縁との接続部には、該載置部側が前記外周面よりも前記洗面ボウル部の外側面側に向けて凹んだ形状の段部が形成され、前記外側部には中空部が形成され、前記中空部の下端は、前記段部の上端よりも下に位置し、前記洗面ボウル部にはオーバーフロー穴が形成され、前記洗面ボウル部の底面部の排水口には排水路が形成され、前記オーバーフロー穴から前記排水路に接続する流路の内面全面が釉薬で被覆されていることを特徴としている。
本発明では、オーバーフロー穴から排水路に接続する流路の内面に被覆された釉薬によって滑らかに仕上げられているので、この流路内面に汚れが付着しにくくなる。そのうえ、釉薬が被覆された流路内面の清掃性が高まり、付着した汚れを簡単に落とすことが可能となるので、汚れが目立ちにくくなる。
本発明の洗面器によれば、支持部材との境界部分のコーキング処理等が目立たなくなり、外観品位を向上させることができる。
本発明の実施形態による洗面器を支持部材に設置した状態を示す斜視図である。 図1に示す洗面器の全体構造を示す斜視図である。 図2に示す洗面器の平面図である。 図1に示す洗面器の底面構造を示す斜視図である。 図1に示す洗面器の底面構造を示す斜視図であって、図4とは別の角度から見た図である。 洗面器を手前側から見た側面図である。 に示すA−A線断面図である。 図1に示す支持部材に設置した状態の洗面器を手前側から見た側面図である。 図7に示す外側部の構成を示す要部拡大図である。 図8に示す外側部の段部の構成を示す要部拡大図である。 図3に示すB−B線断面図である。 図4に示すC−C線断面図である。 変形例による円形状の洗面器の底面構造を示す平面図である。 変形例による円形状の洗面器の側断面図であって、図7に対応する図である。 (a)、(b)は、従来の洗面器の載置部分を示す要部拡大図である。
以下、本発明の実施形態による洗面器について、図面を参照しながら説明する。
図1〜図3に示すように、本実施形態による洗面器10は、周縁部がカウンターなどからなる支持部材20に載置された状態で支持されて構成されている。
なお、本実施形態においては、使用者が洗面器10の前に位置した際に使用者に近い側を手前側とし、反対側の遠い側を奥側とする。また、洗面器10の手前側と奥側との間に連なる部分を側方とする。また、洗面器10を手前側から見たときの左右方向を幅方向X1といい、手前側と奥側の方向を前後方向X2という。
洗面器10は、洗面ボウル部11と、洗面ボウル部11の手前側及び両側方側に連設された外側部12と、洗面ボウル部11の奥側、即ち、鏡やキャビネットなどが配される壁13側に設けられて支持部材20との固定部15が形成された奥部14と、を有している。洗面器10は陶器製であり、洗面ボウル部11、外側部12、奥部14は一体に形成されている。
洗面ボウル部11は、平面視で略四角形状に形成されている。また、図4に示すように、底面部11a及び周縁部11bが連続して形成され、洗面ボウル部11の内側面11cが連続した凹形状に形成されている。周縁部11bは四方に急勾配に立ち上がるように形成され、周縁部11bの頂部11dが略一定高さに、かつ、環状に連続形成されている。底面部11aには、排水口11eが形成され、周縁部11bから排水口11eまでが下り勾配に形成されている。洗面ボウル部11の内側面11cの奥側で幅方向X1の中央部には、オーバーフロー穴11gが形成されている。
また、図5に示すように、洗面ボウル部11の底面部11aの排水口11eには排水路11hが形成され、この排水路11hにはオーバーフロー穴11gから延びるオーバーフロー流路11iが接続されている。
なお、洗面器10は、洗面ボウル部11、外側部12、及び奥部14の陶器製の表面が釉薬で被覆されている。さらに本実施形態では、洗面ボウル部11における排水口11e、オーバーフロー穴11g、排水路11h、及びオーバーフロー流路11iのそれぞれの内面全面にも釉薬で被覆されている。なお、排水路11h内であって、オーバーフロー穴11gの上方部分も釉薬により被覆されている。
この場合の釉薬の被覆方法としては、例えば排水口11eを閉塞して、オーバーフロー穴11gから排水路11hに釉薬を満水にさせて、オーバーフロー流路11iの流路内面の全面にわたって被覆することができる。
外側部12は、図2、図3、及び図6に示すように、洗面ボウル部11の手前側及び両側方側に連続して設けられており、洗面器10の縁部を構成している。外側部12の頂部12dは、洗面ボウル部11の周縁部11bの頂部11dと同じ位置として構成されているとともに、外側部12の内側面12eは、洗面ボウル部11の周縁部11b(内側面11c)と同じ位置として構成されている。外側部12の外周面12cは、洗面器10を支持部材20に設置したときに略鉛直面となるように形成されている。外側部12の内側面12eと外周面12cとの間には、中空部12fが形成されている。なお、外側部12の外周面12cは鉛直方向に形成されていても、鉛直方向に対して正負何れかに勾配を有していてもよい。そして、外側部12における中空部12fを画成する内側面12eと外周面12cとは、それぞれ上方に向かうに従い近接するとともに頂部12dで当接され、外側部12の全体が連続して形成されている。
ここで、洗面ボウル部11の周縁であって、洗面ボウル部11の頂部11d(12d)、周縁部11bの上部、および外側部12の外周面12cの上部で構成される箇所がリム30に相当する。
図4、図5、及び図7に示すように、外側部12の下端には、洗面ボウル部11の外側面11fと連結一体化された連結部12aが形成されている。連結部12aには、支持部材20に載置される載置部12bが形成されている。載置部12bは、連結部12aから若干下方に突出した平坦面として形成されている。載置部12bは、支持部材20に直接当接して載置されてもよく、パッキンやコーキング剤等を介して載置されてもよい。なお、支持部材20の上面における載置部12bに対向する位置に凹部を形成し、該凹部に載置部12bを嵌合するようにして載置してもよい。
図6及び図7に示すように、外側部12は、載置部12bが支持部材20に載置された状態で、支持部材20上に配置された洗面ボウル部11の外側面11fを外部から視認不能に覆うように形成されている。そして、外側部12には、外周面12cと載置部12bの周縁との接続部において、載置部12b側が外周面12cよりも洗面ボウル部11の外側面11f側に向けて凹んだ形状の段部12Aが形成されている。段部12Aは、図8〜図10に示すように、洗面器10が支持部材20に載置された状態で支持部材20側を向く段下面12gと、載置部12bの外端から上方に向けて延びて段下面12gの内端に連設する段側面12hと、を有している。なお、段下面12gは、水平面であってもよいし、段部12Aの洗面ボウル部11の外側面11f側に向けて下り勾配となる傾斜面となっていてもよい。
段部12Aの段側面12hと支持部材20との境界部分には、止水を目的としたシリコン等のコーキング材が塗布されたコーキング処理部23が設けられている。そして、段側面12hと支持部材20との境界部分、及び段側面12hは、外側部12の外周面12cよりも奥まった位置であり、かつ通常、洗面器を使用する使用者の視線よりも下に位置するので、隠れた目立ちにくい部位となっている。つまり、上記の境界部分に設けられるコーキング処理部23も使用者から見えにくい箇所となっている。
段部12Aの凹みの寸法(段下面12gの奥行と段側面12hの高さ)は、支持部材20との間で例えば指やヘラ等が進入可能な大きさで、指等で塗布したコーキング材を仕上げるコーキング作業が可能な大きさに設定されている。段下面12gの奥行は例えば10mm、段側面12hの高さは15mm(最低で13mm)に設定することができる。
本実施形態では、載置部12bが外側部12に沿って洗面ボウル部11の手前側及び両側方側に連続して幅細に形成されている。ここで、載置部12bの幅は例えば15mm以下に設定されている。
図2〜図5に示すように、奥部14は、洗面ボウル部11の周縁部11bの頂部11dから連設するように一体に形成され、頂部11dの高さで奥側、即ち壁13側に延びる上面部14aと、上面部14aの奥側端部から下方に延びる背面部14bと、背面部14bの下端から略水平方向に延びる連結部14dと、を有している。
図1、図2に示すように、奥部14の上面部14aには、幅方向の略中間部分に各種の水栓や排水弁操作部などが配置される水栓設置部14cが設けられている。水栓設置部14cは後述する両側方側の固定部15,15間に設けられている。
背面部14bは、図4、図5及び図11に示すように、洗面ボウル部11の両側方側にそれぞれ形成されている。各背面部14bの下端には、洗面ボウル部11の外側面11fと連結一体化された連結部14dが連設されている。
連結部14dは、略水平方向に延出した板状に形成されている。連結部14dには、支持部材20に載置される載置部14eと、載置部14eより上方に位置しボルト等の固定具(図示省略)が装着される固定部15と、が形成されている。載置部14e及び固定部15は洗面ボウル部11の外側面11fよりも奥側に設けられている。載置部14eは、外側部12の載置部12bと面一になるように形成されている。また、奥部14の両側方側の端面14fは、外側部12の外周面12cと面一に形成されている。
固定部15は、載置部14eを支持部材20に載置させた状態で支持部材20の上面と若干離間した位置に平板状に形成されており、この平面の略中心に長孔15bが形成されている。
また、図4及び図5に示すように、本実施形態の洗面器10の下面側には、洗面ボウル部11の外周部に連設される周縁部と、洗面ボウル部11との境界部に凹溝16A、16Bが形成されている。
第1凹溝16Aは、外側部12の載置部12bと、洗面ボウル部11の外側面11fと、の境界部に形成され、洗面ボウル部11の手前から幅方向X1の両側方にわたって下面視でコの字状に連続して延在している。第2凹溝16Bは、奥部14の幅方向X1の両側に位置する載置部14eと、洗面ボウル部11の外側面11fのうち奥側部分と、の境界部に形成されている。なお、第1凹溝16Aは、外側部12の連結部12aと同じ位置として構成されている。ここで、洗面器10において、奥部14は水栓取付部をなしており、水栓取付部の裏面14Aは、載置部14e、水栓設置部14cの裏面14g、及び連結部14dにより構成されている。
第1凹溝16A及び第2凹溝16Bは、図12に示すように、溝の延在方向から見た断面視で全体が湾曲しており、さらに洗面ボウル部11、及び載置部12b、14eに湾曲面16aを介して連設されている(図11参照)。
そして、本実施形態では、第2凹溝16Bの溝幅及び溝深さが第1凹溝16Aよりも大きくなるように設定されている。
図7に示すように、支持部材20には、洗面器10を設置するための取付開口部21が形成されている。取付開口部21は、所定位置に装着された洗面器10により上方から覆われる大きさの形状を有している。取付開口部21は、水栓設置部14cに配置される水栓の配管などが挿通される奥側開口部21aと、奥側開口部21aよりも幅広に形成されて洗面ボウル部11が配置される手前側開口部21bと、を有している。
支持部材20の上面における手前側開口部21bの手前側及び両側方側の周縁には、洗面器10の外側部12の下端に設けられた載置部12bを載置する設置面22aが設けられている。設置面22aは平坦に連続して設けられている。
さらに、支持部材20における洗面器10の固定部15に対向する位置には、取付面22bが形成されている。取付面22bは、取付開口部21の両側方側から互いの方向に向かって突出する略平坦面に形成されている。換言すれば、取付面22bは、手前側開口部21bの両側方側の端部よりも内側に突出するように形成されている。
このような支持部材20を用いて洗面器10を設置するには、取付開口部21に対して上側から洗面器10を配置し、手前側開口部21bに洗面ボウル部11を対向配置(一部挿入)すると共に、奥側開口部21a上に奥部14の水栓設置部14cを配置する。洗面ボウル部11の手前側及び両側方側の外側部12の下端に設けられた載置部12bを、手前側開口部21bの周縁の設置面22aに載置する。また、洗面ボウル部11の奥側における幅方向両側に設けられた固定部15が、取付面22bに対向するように載置する。そして、図示しない固定具を用いて洗面器10と支持部材20とを強固に支持固定することで、洗面器10を支持部材20に支持することができる。さらにその後、段部12Aの内側における外側部12の段部12Aの段側面12hと支持部材20との境界部分にコーキング材を塗布し、その塗布したコーキング材に対して指やヘラを使用して均すようにして仕上げる。
次に、本実施形態による洗面器10の作用について説明する。
本実施形態の洗面器10では、図1〜図5に示すように、外側部12の載置部12bの周縁と支持部材20との境界部分が段部12Aによって形成される凹部の洗面ボウル部11の外側面11f側の位置となり、洗面器10を使用する人の視線から隠れた位置となる。すなわち、この境界部分にコーキング処理が施されるため、コーキング処理部23が目立たなくなり、外観品位を向上させることができる。
また、焼成時に生じる釉溜りや焼残し部も段部12Aの内側に位置することとなるので、外から目立たなくなる利点がある。
また、本実施形態では、段部12Aによって凹部が形成された構成であるので、この凹部のスペースを使用して内部の汚れを掃除することが可能となる。
しかも、段部12Aを設けることで、焼成時の熱変形による焼残りの広がりを抑えることが可能となり、外側部12の載置部12bの変形を防止することができ、外観品位の向上を図ることができる。
また、本実施形態の洗面器10では、段部12Aが支持部材20との間でコーキング作業が可能な大きさであるから、段部12Aにおける外側部12と支持部材20との境界にコーキング処理を行う際に、段部12Aによって形成される凹部に例えば指やヘラを進入させてコーキング作業を行うことができる。
さらに、本実施形態では、洗面ボウル部11及び外側部12は、陶器により形成され、さらに外側部12には中空部12fが形成されているので、段部12Aを形成することができる。そして中空部12fを形成することによりリム30が薄くても割れにくくすることができる。
また、本実施形態の洗面器は、外側部12が中空部12fを画成する内側面12eと外周面12cとがそれぞれ上方に向かうに従い近接するとともに、頂部12dで内側面12eと外周面12cとが当接し、頂部12dに向けて先細りの形状となるため、よりシャープなデザインを実現することができる。
なお、本実施形態の洗面器10において、段部12Aの段下面12gが段部12Aの洗面ボウル部11の外側面11f側に向けて下り勾配となる傾斜面が形成されている場合には、製造時において釉薬が段部12Aの段下面12gを下る方向に伝って、外側部12の載置部12bと段下面12gとの間の段側面12hの位置であって、人の視線から隠れた位置に釉溜を形成させることができる。
さらに本実施形態では、洗面ボウル部11のオーバーフロー穴11gから排水路11hに接続するオーバーフロー流路11iの内面に被覆された釉薬によって滑らかに仕上げられているので、このオーバーフロー流路11iの内面に汚れが付着しにくくなる。そのうえ、釉薬が被覆された流路内面の清掃性が高まり、付着した汚れを簡単に落とすことが可能となるので、汚れが目立ちにくくなる。
このように本実施形態の洗面器10によれば、支持部材20との境界部分のコーキング処理部23等が目立たなくなり、外観品位を向上させることができる。
以上、本発明による洗面器の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では洗面ボウル部11を平面視略四角形状の例について説明したが、特に限定されるものではなく、例えば平面視で円形、半円形状、多角形形状などであっても本発明を同様に適用可能である。
例えば図13及び図14に示す変形例による洗面器10Aは、平面視で円形をなし、略半円状の洗面ボウル部11Aと、洗面ボウル部11Aの奥側に水栓取付部14Aを有する奥部14が設けられている。この変形例による洗面器10Aは、壁に当接しないタイプであり、中空部12fを有する外側部12の外周面12cにおいて全周にわたって段部12Aが形成されている。また、本変形例の洗面器10Aの下面側には、洗面ボウル部11Aの外周部に連設される周縁部(外側部12の載置部12b)と、洗面ボウル部11との境界部に凹溝16A(凹部)が形成されている。
本実施形態では、第1凹溝16Aが洗面ボウル部11の外側面11fにおいて連続して設けられているが、部分的に設けられていてもよい。さらに、本実施形態では、第1凹溝16Aと第2凹溝16Bの両方を設ける構成としているが、いずれか一方であってもかまわない。さらにまた、凹溝16A、16Bを設けない構造であってもかまわない。
また、洗面器10の材料として本実施形態のように陶器製であることに限定されることはなく、樹脂製の洗面器であってもよい。なお、樹脂製の洗面器とする場合には、中空部12fを有さない外側部12にすることができ、よりシャープなデザインを実現することができる。
さらに、本実施形態では、カウンター等の支持部材20に周縁部を支持させた洗面器10を対象としているが、支持部材20に載置させずに鉛直面を有する壁に対して背面部14bを取り付ける構造の洗面器であってもよい。この場合には、外側部12に形成される段部12Aが支持部材20に接することがなく、上述したようなコーキング処理部が目立たなくなるような効果はないが、段部を容易に清掃することができる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
10 洗面器
11 洗面ボウル部
11b 周縁部
11c 内側面
11f 外側面
12 外側部
12A 段部
12a 連結部
12b 載置部
12c 外周面
12g 段下面
12h 段側面
14 奥部
14c 水栓設置部
14d 連結部
14e 載置部
15 固定部
16A 第1凹溝
16B 第2凹溝
20 支持部材
23 コーキング処理部
30 リム

Claims (7)

  1. 支持部材に周縁部を載置した状態で設置される洗面器であって、
    洗面ボウル部と、
    前記洗面ボウル部の外周部に連設されるとともに、下端部で前記支持部材に載置される外側部と、を備え、
    前記外側部の外面と、前記外側部の前記支持部材との載置部の周縁との接続部には、該載置部側が前記外面よりも前記洗面ボウル部の外側面側に向けて凹んだ形状の段部が形成され
    前記外側部には中空部が形成され、
    前記中空部の下端は、前記段部の上端よりも下に位置することを特徴とする洗面器。
  2. 前記外側部は、前記中空部を画成する内側面と外面とがそれぞれ上方に向かうに従い近接するとともに、頂部で前記内側面と前記外面とが当接する請求項に記載の洗面器。
  3. 前記段部における前記支持部材側を向く下面には、前記段部における前記洗面ボウル部の外側面側に向けて下り勾配となる傾斜面が形成されている請求項1又は2に記載の洗面器。
  4. 前記段部は、前記支持部材側を向く段下面と、前記載置部の外端から上方に向けて延びて前記段下面の内端に連設する段側面と、を有し、
    前記段側面の高さ寸法が前記段下面の奥行寸法より大きく設定されている請求項1乃至3のいずれか1項に記載の洗面器。
  5. 前記段部は、前記支持部材側を向く段下面と、前記載置部の外端から上方に向けて延びて前記段下面の内端に連設する段側面と、を有し、
    前記段下面と段側面との2面がそれぞれ前記中空部側に凸となるように凹んでいる請求項1乃至4のいずれか1項に記載の洗面器。
  6. 支持部材に周縁部を載置した状態で設置される洗面器であって、
    洗面ボウル部と、
    前記洗面ボウル部の外周部に連設されるとともに、下端部で前記支持部材に載置される外側部と、を備え、
    前記外側部の外周面と、前記外側部の前記支持部材との載置部の周縁との接続部には、該載置部側が前記外周面よりも前記洗面ボウル部の外側面側に向けて凹んだ形状の段部が形成され、
    前記外側部には中空部が形成され、
    前記中空部の下端は、前記段部の上端よりも下に位置し、
    前記洗面ボウル部にはオーバーフロー穴が形成され、前記洗面ボウル部の底面部の排水口には排水路が形成され、
    前記オーバーフロー穴から前記排水路に接続する流路の内面全面が釉薬で被覆されていることを特徴とする洗面器。
  7. 前記洗面ボウル部及び前記外側部は、陶器により形成される、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の洗面器。
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