JP6814312B1 - 抗ウイルス剤及び物品に抗ウイルス性を付与する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノンエンベロープウイルスに対しても有効な抗ウイルス剤を提供すること。【解決手段】下記式(1)で表される化合物又はその塩を有効成分として含有する、抗ウイルス剤。HOOC−Z1−X−Z2−COOH (1)[式(1)中、Xは、−S−又は−S−S−を表し、Z1及びZ2はそれぞれ独立に、カルボキシ基中の炭素原子とX中の硫黄原子とを1〜2個の炭素原子を介して連結する連結基を表す。]【選択図】なし

Description

本発明は、抗ウイルス剤及び物品に抗ウイルス性を付与する方法に関する。
我々の生活領域には多くの微生物が存在しており、しばしばそれらが衛生上の観点から懸念される。そのため、繊維製品、樹脂製品等の工業製品において、付加価値として抗菌効果、防カビ効果、及び/又は防藻効果の付与を謳った製品が多数現れている。そして、近年では新たな付加価値の創造として、また、新型インフルエンザ及びノロウイルスの蔓延を背景として、抗ウイルス剤が配合された抗ウイルス製品に注目が集まっている。抗ウイルス効果を有する物質としては、これまでにも種々の物質が開示されている(例えば、特許文献1)。
特表平10−504292号公報
ウイルスは、カプシドと呼ばれる外殻タンパク質と遺伝子であるDNA又はRNAと、から構成され、エンベロープと呼ばれる脂質膜の有無によってエンベロープウイルスとノンエンベロープウイルスとに大別される。ノンエンベロープウイルスはエンベロープウイルスよりも薬剤耐性が高いとされており、特にノンエンベロープウイルスに有効な抗ウイルス剤が求められている。また、ウイルスと細菌又は真菌とでは構成成分が異なるため、一般的に抗菌剤、防カビ剤、又は防藻剤として用いられている物質では十分な抗ウイルス効果は得られない。そこで、ウイルス、特にノンエンベロープウイルスに対しても有効な物質を新たに見出すことは非常に重要である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ノンエンベロープウイルスに対しても有効な抗ウイルス剤を提供することを目的とする。本発明はまた、物品に抗ウイルス性を付与する方法を提供することを目的とする。
本発明は、下記式(1)で表される化合物又はその塩を有効成分として含有する、抗ウイルス剤に関する。
HOOC−Z−X−Z−COOH (1)
[式(1)中、
Xは、−S−又は−S−S−を表し、
及びZはそれぞれ独立に、カルボキシ基中の炭素原子とX中の硫黄原子とを1〜2個の炭素原子を介して連結する連結基を表す。]
本発明は、上記化合物を有効成分として含むため、ノンエンベロープウイルスに対しても有効な抗ウイルス剤が提供される。
上記連結基は、置換基を有していてもよいC1−2アルキレン基、置換基を有していてもよいビニレン基(−CH=CH−)、又は、下記式(2)で表される基であってよい。
Figure 0006814312

[式(2)中、環Aは、芳香環を表し、該芳香環は置換基を有していてよい。]
上記化合物は、3,3’−チオジプロピオン酸、2,2’−チオジグリコール酸、3,3’−ジチオジプロピオン酸、2,2’−ジチオジグリコール酸、又は2,2’−ジチオサリチル酸であってよい。
本発明は、物品に抗ウイルス性を付与する方法であって、上述した抗ウイルス剤を、物品に含有させる又は付着させる工程を備える、方法にも関する。
本発明によれば、ノンエンベロープウイルスに対しても有効な抗ウイルス剤を提供することが可能となる。また、本発明によれば、物品に抗ウイルス性を付与する方法を提供することが可能となる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係る抗ウイルス剤は、下記式(1)で表される化合物(以下、「化合物(1)」とも称する。)又はその塩を有効成分として含有する。
HOOC−Z−X−Z−COOH (1)
式(1)中、Xは、−S−又は−S−S−を表し、Z及びZはそれぞれ独立に、カルボキシ基中の炭素原子とX中の硫黄原子とを1〜2個の炭素原子を介して連結する連結基を表す。
本明細書において、「抗ウイルス」は、ウイルスの感染能力を低下させること若しくは失わせることを示す。
本実施形態に係る抗ウイルス剤は、エンベロープウイルス(エンベロープを有するウイルス)及びノンエンベロープウイルスの両方に対して、抗ウイルス効果を有している。本実施形態に係る抗ウイルス剤の対象ウイルスとしては、例えば、オルソミクソウイルス科(Orthomyxoviridae)、パラミクソウイルス科(Paramyxoviridae)、フィロウイルス科(Filoviridae)、ラブドウイルス科(Rhabdoviridae)、ブニヤウイルス科(Bunyaviridae)、アレナウイルス(Arenaviridae)、トガウイルス科(Togaviridae)、コロナウイルス科(Coronaviridae)、フラビウイルス科(Flaviviridae)、レトロウイルス科(Retroviridae)、ヘルペスウイルス科(Herpesviridae)、ヘパドナウイルス科(Hepadnaviridae)、ポックスウイルス科(Poxviridae)等に属するエンベロープウイルス、カリシウイルス科(Caliciviridae)、ピコルナウイルス科(Picornaviridae)、レオウイルス科(Reoviridae)、パルボウイルス科(Parvoviridae)、アデノウイルス科(Adenoviridae)、パピローマウイルス科(Papillomaviridae)等に属するノンエンベロープウイルスを挙げることができる。
オルソミクソウイルス科に属するウイルスとしては、例えば、A型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス、C型インフルエンザウイルス、トゴトウイルス、アイサウイルス等が挙げられる。カリシウイルス科に属するウイルスとしては、ノロウイルス、サポウイルス、ラゴウイルス、ベシウイルス、ネボウイルス等が挙げられる。
及びZで表される連結基は、*−C−*、又は*−C−C−*で表される結合を介して、カルボキシ基(−COOH)中の炭素原子と、−S−又は−S−S−中の硫黄原子とを連結する(*は、カルボキシ基中の炭素原子又はX中の硫黄原子との結合部位を示す。)。
及びZで表される連結基は、例えば、置換基を有していてもよいC1−2アルキレン基、置換基を有していてもよいビニレン基(−CH=CH−)、又は、下記式(2)で表される基であってよい。
Figure 0006814312

式(2)中、環Aは、芳香環を示し、該芳香環は置換基を有していてもよい。
C1−2アルキレン基は、炭素数が1〜2のアルキレン基である、メチレン基(−CH−)又はエチレン基(−CH−CH−)を意味する。連結基としてのC1−2アルキレン基は、置換基を有していてもよく、置換基を有していなくてもよい。すなわち、連結基としてのC1−2アルキレン基中の水素原子の一部が置換基で置換されていてもよく、置換されていなくてもよい。連結基としてのC1−2アルキレン基における置換基としては、例えば、アルキル基、アルキレン基、アリール基、カルボニル基、エステル基、ヒドロキシ基、エーテル基、アミノ基、イミノ基、アミド基、アゾ基、シアノ基、スルホ基、スルフィニル基、スルホニル基、ホスホリル基、ニトロ基、ハロゲン原子等が挙げられる。連結基としてのC1−2アルキレン基が2以上置換基を有する場合には、例えば、置換基同士が互いに結合して環を形成していてもよい。
及びZで表される連結基としてのビニレン基(−CH=CH−)は、置換基を有していてもよく、有していなくてもよい。すなわち、連結基としてのビニレン基中の水素原子は、置換基で置換されていてもよく、置換されていなくてもよい。連結基としてのビニレン基における置換基としては、例えば、アルキル基、アルキレン基、アリール基、カルボニル基、エステル基、ヒドロキシ基、エーテル基、アミノ基、イミノ基、アミド基、アゾ基、シアノ基、スルホ基、スルフィニル基、スルホニル基、ホスホリル基、ニトロ基、ハロゲン原子等が挙げられる。連結基としてのビニレン基は1個水素原子のみが置換基で置換されていてもよく、2個の水素原子が置換基で置換されていてもよい。連結基としてのビニレン基が2個の置換基を有する場合、例えば、置換基同士が互いに結合して環を形成していてもよい。
及びZで表される連結基としての式(2)で表される基において、環Aは、芳香族炭素環又は芳香族複素環であってよい。環Aは、具体的には、例えば、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、イソオキサゾール環、イソチアゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピロリジン環、ピラゾリジン環、イミダゾリジン環、イソオキサゾリジン環、イソチアゾリジン環、ピぺリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、チオモルホリン環等が挙げられる。環Aとしての芳香環は、置換基を有していてもよく、置換基を有していなくてもよい。環Aとしての芳香環における置換基としては、例えば、アルキル基、アルキレン基、アリール基、カルボニル基、エステル基、ヒドロキシ基、エーテル基、アミノ基、イミノ基、アミド基、アゾ基、シアノ基、スルホ基、スルフィニル基、スルホニル基、ホスホリル基、ニトロ基、ハロゲン原子等が挙げられる。式(2)で表される基は、例えば、1,2−フェニレン基であってよい。
及びZで表される連結基は、メチレン基、エチレン基、又は1,2−フェニレン基であることが好ましい。
化合物(1)の分子量は、特に制限されないが、好ましくは、500以下、450以下、400以下、又は350以下であり、例えば、150以上であってよい。分子量が上記範囲内であると、少ない質量でも優れた抗ウイルス効果が得られやすくなり、例えば、物品に対して抗ウイルス性を付与しやすくなる。
化合物(1)は、抗ウイルス効果により一層優れる観点から、3,3’−チオジプロピオン酸、2,2’−チオジグリコール酸、3,3’−ジチオジプロピオン酸、2,2’−ジチオジグリコール酸、又は2,2’−ジチオサリチル酸であることが好ましい。
化合物(1)には、立体異性体、互変異性体等の異性体が存在しうる。それらの異性体も本発明の範囲に包含される。
化合物(1)は、無水物であってもよく、水和物であってもよい。化合物(1)はカルボキシ基を少なくとも2個有するものである。化合物(1)中のカルボキシ基数は、例えば、抗ウイルス効果により一層優れる観点から、2〜5であってよく、2〜3であってよく、2であってよい。
化合物(1)の塩としては、例えば、工業製品用途、日用品用途、化粧品用途等として許容可能なものを使用することができる。化合物(1)の塩の具体例としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、及びカルシウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、及びカルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、銀(I)塩、銅(I)塩、銅(II)塩、亜鉛(II)、鉄(II)塩、鉄(III)塩、及びアンモニウム塩等、並びにこれらの複塩が挙げられる。化合物(1)の塩は、水和物であってもよい。
本実施形態に係る抗ウイルス剤は、化合物(1)及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種のみを含有するものであってもよく、また抗ウイルス剤の形状及び具体的態様に応じて、化合物(1)及びその塩以外のその他の成分を含有するものであってもよい。
本実施形態に係る抗ウイルス剤における、化合物(1)及びその塩の含有量は、特に制限されない。抗ウイルス剤における、化合物(1)及びその塩の含有量は、例えば、抗ウイルス剤を付与する対象となる物品の種類等に応じて、適宜設定してよい。抗ウイルス剤における、化合物(1)及びその塩の含有量は、例えば、抗ウイルス剤の全質量を基準として、10質量%以上、20質量%以上、30質量%以上、40質量%以上、50質量%以上、60質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上、又は95質量%以上であってよく、100質量%以下、95質量%以下、90質量%以下、80質量%以下、70質量%以下、60質量%以下、50質量%以下、40質量%以下、30質量%以下、20質量%以下又は10質量%以下であってよい。
その他成分としては、例えば、防腐剤、殺菌剤、抗菌剤、防カビ剤、防藻剤、抗酸化剤、キレート剤、光安定剤、溶媒、乳化剤、分散剤、増粘剤、消泡剤、担体、賦形剤等を使用することができる。これらの成分は1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。その他の成分の含有量は、例えば、抗ウイルス剤の全質量を基準として、95質量%以下、90質量%以下、80質量%以下、70質量%以下、60質量%以下、50質量%以下、40質量%以下、30質量%以下、20質量%以下、10質量%以下、5質量%以下、3質量%以下、又は1質量%以下であってよく、1質量%以上、3質量%以上、5質量%以上、10質量%以上、20質量%以上、30質量%以上、40質量%以上、50質量%以上、60質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上、又は95質量%以上であってよい。
本実施形態に係る抗ウイルス剤は、固体、液体(溶液及び懸濁液を含む。)、ペースト等のいずれの形状であってもよい。本実施形態に係る抗ウイルス剤の形態は、抗ウイルス性を付与する対象となる物品の種類及び用途等に応じて適宜設定してよい。
本実施形態に係る抗ウイルス剤は、工業製品、日用品、化粧品等の用途の抗ウイルス剤として用いることができる。
本実施形態に係る抗ウイルス剤は、例えば、コーティング剤、洗浄剤、ワックス、塗料、フィルム、ゴムラテックス、壁材、床材、壁紙、接着剤、自動車用部材、家電、インキ、保冷剤、不織布、衣服、化粧品等の製品の一成分として用いることができる。本発明の一実施形態として、化合物(1)又はその塩を含む、物品(製品)が提供される。当該物品(製品)は、化合物(1)又はその塩を含むため、抗ウイルス性が付与されている。
物品における抗ウイルス剤の含有量は、特に制限されないが、有効成分換算で、上記物品の全質量に対して、0.05質量%以上、0.1質量%以上、0.5質量%、又は1.0質量%以上であってよく、20質量%以下、10質量%以下、又は7質量%以下であってよい。
抗ウイルス剤を一成分として含む物品は、例えば、当該製品の製造工程における中間製品に、抗ウイルス剤を添加することにより製造することができる。
本実施形態に係る物品に抗ウイルス性を付与する方法は、上述した抗ウイルス剤を、物品に含有させる又は付着させる工程を備える。物品としては、工業製品、又はこれらの材料等を挙げることができる。物品の具体例としては、例えば、樹脂成形体が挙げられる。
抗ウイルス剤を物品に含有させる方法は、特に制限されず、例えば、物品の製造工程において、物品の材料に抗ウイルス剤を混合する方法であってよい。抗ウイルス剤を物品に付着させる方法は、特に制限されず、物品の表面上に抗ウイルス剤を含むコーティング剤を塗布、又は噴霧する方法、物品を液体状の抗ウイルス剤に浸漬させる方法であってよい。抗ウイルス剤を物品に付着させる方法では、必要に応じて、抗ウイルス剤を物品に付着させた後に、抗ウイルス剤が付着した物品を乾燥させてもよい。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<試験化合物の準備>
試験化合物として、表1〜4に示す化合物を準備した。
試験化合物1〜9、20、及び22は東京化成工業株式社製、試験化合物10及び21は富士フィルム和光純薬社製のものを使用した。
<抗ウイルス試験>
試験には、インフルエンザウイルス又はネコカリシウイルスを用いた。インフルエンザウイルスを用いることにより、エンベロープウイルスに対する試験化合物の抗ウイルス性を評価することができる。ネコカリシウイルスを用いることにより、ノンエンベロープウイルスに対する試験化合物の抗ウイルス性を評価することができる。
アクリル系エマルジョン(商品名:ビニブラン840B、日信化学工業株式会社製)に、試験化合物を添加して、試験液を準備した。試験液において、試験化合物の添加量は、試験液の全質量を基準として、下表に示す量とした。表中の「%」は、「質量%」を意味する。
抗ウイルス試験は、ISO21702を参照して実施した。まず、試験液をポリプロピレン板に8g/m塗布し、120℃で1分間乾固させることで、被験試料を得た。この被験試料表面上の50mm四方の領域に対して、0.4mLのインフルエンザウイルス培養液、又はネコカリシウイルス培養液を接種した。その後、40mm四方のポリエチレンフィルムを、被験試料を塗布した面の上から被せ、25℃、湿度90%以上の条件で、被験試料とウイルスとを接触させた。24時間後、10mLのSCDLP培地にて、ウイルスを洗い出した。その後、洗い出し液の10倍希釈系列を作製し、これを用いてウイルス感染価を測定した。
[ウイルス感染価の測定方法(プラーク法)]
6ウェルプレートに単層培養した細胞を維持培地で洗浄した。培地を抜き取り、各ウェルに洗い出し液の10倍希釈系列をそれぞれ0.1mLずつ接種した。インフルエンザウイルスの場合は34℃、ネコカリシウイルスの場合は37℃で5%CO条件下にて1時間培養した。培養後、維持培地で細胞を洗浄した。洗浄後のウェルに寒天培地を注ぎ、室温で10分間静置して寒天培地を固めた。その後、インフルエンザウイルスの場合は34℃、ネコカリシウイルスの場合は37℃で5%CO条件下にて2−3日間培養した。培養後、3.7%ホルマリン溶液を添加し、1時間静置して細胞を固定した。固定後、ホルマリン溶液と寒天培地を取り除き、メチレンブルー溶液で細胞を染色した。
ウイルスに感染した細胞は染まらずに白抜け(プラーク)するため、そのプラーク数を計測することでウイルス感染価を算出した。ウイルス感染価の算出には下記の式を用いた。
V=(10×C×D×N)/A
V:被験試料1cm当たりのウイルス感染価(PFU/cm
C:プラーク数
D:洗い出し液の希釈倍率
N:SCDLP量
A:被験試料とウイルスとの接触面積(ポリエチレンフィルムの面積)
[抗ウイルス活性値の算出]
以下の式に従い、抗ウイルス活性値を算出した。
抗ウイルス活性値=log(Vb)−log(Vc)
Log(Vb):24時間後の無加工試料1cm当たりのウイルス感染価の常用対数値
Log(Vc):24時間後の抗ウイルス加工試料1cm当たりのウイルス感染値の常用対数値
抗ウイルス活性値が2.0以上の場合、抗ウイルス効果を有していると評価した。
表1〜3は、ネコカリシウイルスを用いた場合の試験結果を示す。表4はインフルエンザウイルスを用いた場合の試験結果を示す。
Figure 0006814312
Figure 0006814312

Figure 0006814312
Figure 0006814312
表1〜3に示すとおり、カルボキシ基を2個と、スルフィド基、又はジスルフィド基と、カルボキシ基中の炭素原子と、硫黄原子とを1〜2個の炭素原子を介して結合する連結基と、を有する化合物が抗ウイルス性を有していることが示された。
表1及び表4に示すとおり、カルボキシ基を2個と、スルフィド基、又はジスルフィド基と、カルボキシ基中の炭素原子と、硫黄原子とを1〜2個の炭素原子を介して結合する連結基と、を有する化合物は、ノンエンベロープウイルスと、エンベロープウイルスの両方に対する抗ウイルス効果を有していることが示された。

Claims (4)

  1. 下記式(1)で表される化合物(但し、シスチンを除く。)又はその塩を有効成分として含有し、
    HOOC−Z−X−Z−COOH (1)
    [式(1)中、
    Xは、−S−又は−S−S−を表し、
    及びZはそれぞれ独立に、カルボキシ基中の炭素原子と、X中の硫黄原子とを1〜2個の炭素原子を介して連結する連結基を表す。]
    対象ウイルスが、オルソミクソウイルス科又はカリシウイルス科に属する、抗ウイルス剤。
  2. 前記連結基が、置換基を有していてもよいC1−2アルキレン基、置換基を有していてもよいビニレン基(−CH=CH−)、又は、下記式(2)で表される基である、請求項1に記載の抗ウイルス剤。
    Figure 0006814312

    [式(2)中、環Aは、芳香環を表し、該芳香環は置換基を有していてよい。]
  3. 前記化合物が、3,3’−チオジプロピオン酸、2,2’−チオジグリコール酸、3,3’−ジチオジプロピオン酸、2,2’−ジチオジグリコール酸、又は2,2’−ジチオサリチル酸である、請求項1又は2に記載の抗ウイルス剤。
  4. 物品に抗ウイルス性を付与する方法であって、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の抗ウイルス剤を、前記物品に含有させる又は付着させる工程を備える、方法。
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