JP6812851B2 - 燃料電池システム、及び燃料電池 - Google Patents
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Description
燃料電池は発電効率が高く、クリーンな発電装置であり、負荷の大小に影響されず、コジェネレーションシステムを構築できるため、パーソナルコンピュータ,携帯電話機等のデジタル家電製品、電気自動車、鉄道、携帯電話の基地局、発電所等の種々の用途が検討されている。
スタックは、固体高分子電解質膜を負極と陽極とで両側から挟んで膜電極接合体を形成し、この膜電極接合体の両側に一対のセパレータを配置して平板部状の単位セルを構成し、この単位セルを複数積層してパッケージ化したものである。
スタックを並列に接続した場合、各スタックの発電性能を一致させたとしても、電圧−電流特性の傾きが大きい燃料電池においては、原料ガスの供給量にばらつきが生じることも相まって、各スタックの出力電圧値にばらつきが生じる。この場合、電圧値が高いスタックから低いスタックへ逆電圧が印加される。逆電圧が印加されたスタックにおいては逆の電気分解反応が生じ、燃料電池の構成部品が劣化し、燃料電池の発電性能及び寿命が低下するという問題がある。
図1は、実施の形態に係る燃料電池システム1を示すブロック図である。
燃料電池システム1は、並列に接続した複数の燃料電池2、第1制御部3、及びDCDCコンバータ4を備えており、外部起動電源6及び負荷5に接続されている。外部起動電源6は、例えば商用電源、電池等である。
補機22は、燃料電池2の各構成部の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)、及び燃料電池2の運転プログラムを記憶している記憶部を有する第2制御部23を含む。補機22は、他に、発電により発熱したスタック21を冷却する冷却水を通流させるためのポンプ、及びスタック21で生じた熱を外部へ放出するためのファン等、スタック21の作動に必要な機器を含む。
各燃料電池2のスタック21は、各第1スイッチ25を介して、互いに並列に接続されている。
接続点28と補機用電源回路24との間には三路スイッチである第2スイッチ26が設けられている。第2スイッチ26により、スタック21からと、外部起動電源6からと、供給元を切り替えて補機用電源回路24へ電力を供給するように構成されている。
なお、電力変換装置はDCDCコンバータに限定されるものではなく、負荷5に対応して、例えば直流を交流に変換して、電圧を変換するDCACコンバータ等であってもよい。
図2は、第1制御部3及び第2制御部23による発電開始の制御処理の手順を示すフローチャートである。
まず、第1制御部3は発電を開始するか否かを判定する(S1)。第1制御部3は発電を開始しないと判定した場合(S1:NO)、判定処理を所定の間隔で繰り返す。第1制御部3は、ユーザにより発電開始の指示を受け付けた場合、又は停電時に非常用電源としてスタック21を発電させると判定した場合等において、発電を開始すると判定する。
これにより、燃料電池2の補機22の電源がオンになり、第2制御部23の電源もオンになる。
第2制御部23は発電開始指令を受信したと判定した場合(S11:YES)、スタック21の発電を開始する(S12)。
第2制御部23は第1スイッチ25をオンする(S14)。これにより、各スタック21とDCDCコンバータ4とが接続される。
第2制御部23は、発電開始処理の完了の報告を第1制御部3へ送信し(S15)、発電開始処理を終了する。
第1制御部3は、全ての燃料電池2からは発電開始処理の完了の報告を受信していないと判定した場合(S4:NO)、判定処理を繰り返す。
第1制御部3は、全ての燃料電池2から発電開始処理の完了の報告を受信したと判定した場合(S4:YES)、DCDCコンバータ4の負荷5への出力を開始し、発電開始処理を終了する。
第1制御部3は、スタック21の発電を終了した後、発電を開始する都度、ステップS1からの処理を繰り返す。
時点(1)で、スタック21が停止している状態から発電を開始されたとき、スタック21の出力電圧値は0Vから34Vまで上昇する。この電圧値は、無負荷の開放電圧値(OCV)である。
時点(2)で、第2スイッチ26がスタック21側へ切り替えられたとき、補機用電源回路24へ電流が10A流れ、スタック21の内部抵抗による電圧降下分を差し引いた30Vの電圧が第1スイッチ25側へ出力される。
時点(4)で、DCDCコンバータ4から負荷5へ電力が供給されたとき、スタック21の出力電圧値は20Vになり、出力電流値は50Aになり、DCDCコンバータ4の入力電圧値は20Vになる。
時点(5)で、DCDCコンバータ4から負荷5への電力供給を停止したとき、スタック21の出力電圧値は30Vになり、出力電流値は10Aになり、DCDCコンバータ4の入力電圧値は30Vになる。
燃料電池2において補機用電力を差し引かない場合、DCDCコンバータ4の入力電圧範囲は19VからOCVの34Vまでの範囲である。ここで、下限値は図3のタイミングチャートの下限値20Vに対しマージンを取っている。
本実施形態の場合、補機用電源回路24へ電力が差し引かれるので、DCDCコンバータ4の入力電圧範囲は19V〜30Vになり、狭くなる。従って、DCDCコンバータ4の設計が容易になる。
上述したように、本実施形態においては、各スタック21から補機22用の電力負荷を引いた後で、各スタック21を並列に接続する。従って、スタック21同士がOCVで接続されることがない。
各燃料電池2が補機用電源回路24を備えており、燃料電池システム1が各補機22に供給する電源回路を一つのみ有する場合と異なり、要求される容量等に応じて柔軟に燃料電池2の接続数を決めて燃料電池2を接続することができ、変換効率も良好である。
各燃料電池が補機用の電源回路を備え、燃料電池システムが各補機に供給する電源回路を一つのみ有するものではないので、要求される容量等に応じて柔軟に燃料電池の接続数を決めて燃料電池を接続することができ、変換効率も良好である。
2 燃料電池
21 スタック
22 補機
23 第2制御部
24 補機用電源回路
25 第1スイッチ
26 第2スイッチ
3 第1制御部
4 DCDCコンバータ
5 負荷
6 外部起動電源
Claims (4)
- 各別の第1スイッチに接続されており、該第1スイッチを介し互いに並列に接続され、水素及び酸素を反応させて発電する複数のスタックと、
前記スタックの作動に必要であり、スタック毎に有する補機と、
前記スタックと前記第1スイッチとの間に接続され、前記スタックと、外部の起動電源と、電力の供給元を切り替える三路スイッチである第2スイッチを有し、前記補機に電力を供給する電源回路と、
前記起動電源から所要の補機へ電力を供給するように、対応する第2スイッチを切り替える第1制御部と、
前記第1制御部により前記第2スイッチを切り替えた後、対応するスタックの発電を開始し、前記スタックから前記補機へ電力を供給するように前記第2スイッチを切り替える第2制御部と
を備えることを特徴とする燃料電池システム。 - 前記第2制御部は、前記スタックが発電して前記電源回路に電力を供給した後に、前記第1スイッチを接続することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記第1スイッチより後段に接続された電力変換装置を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
- 水素及び酸素を反応させて発電するスタックと、
該スタックに接続された第1スイッチと、
前記スタックの作動に必要な補機と、
前記スタックと前記第1スイッチとの間に接続され、前記スタックと、外部の起動電源と、電力の供給元を切り替える三路スイッチである第2スイッチを有し、前記補機に電力を供給する電源回路と、
前記起動電源から前記補機へ電力を供給するように前記第2スイッチを切り替えられた場合に、前記スタックの発電を開始し、前記スタックから前記補機へ電力を供給するように前記第2スイッチを切り替える制御部と
を備えることを特徴とする燃料電池。
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