JP6812684B2 - エチレン系重合体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、新規で特有の物性に優れたエチレン系重合体に関し、詳しくは、成形加工特性が格段に優れ、かつ、成形品のべとつきが非常に少なく機械的物性も良好な、エチレン系重合体及びその製造方法に係わるものである。
近年、各種産業分野において、プラスチック製のフィルム、シート、射出成形体、パイプ、押出成形体、中空成形体などが汎用されるようになった。特に安価で軽量であり、成形加工性、剛性、衝撃強度、透明性、耐薬品性、熱安定性、衛生面、及び環境保全問題適合性や資源再利用性などに優れる理由から、ポリエチレン系樹脂(エチレン系重合体)が基幹的産業用資材として広範に用いられている。
一般に、ポリエチレン系樹脂の成形加工は、溶融状態において実施される。しかし、単独のエチレン系重合体の場合、その溶融特性は、例えば、流動性の面で不十分であったり、伸長粘度が不十分であったりして、成形加工性を十分に確保することが困難であり、透明性や剛性などの固体物性が不足したりする場合も少なくない。
例えば、多くの長鎖分岐と広い分子量分布を有する高圧法ポリエチレン(HPLD)は、高い流動性と優れた成形加工性を示すものの、含有する長鎖分岐や低温溶出成分のためにフィルムなどの成形体の衝撃強度が低下したり、該成形体表面がべとつき易くなったりする問題があった。
一方、長鎖分岐構造を生成しない、チーグラー触媒やメタロセン触媒で製造されるエチレン系重合体は、分子量分布も狭いため単独で成形加工を行うには溶融特性が不足する場合が多い。このような場合、HPLDや分子量の異なる他のエチレン系重合体をブレンドして長鎖分岐構造を付与したり、分子量分布を広げることによって溶融特性を改良するが、未だ十分な流動性や成形加工性が得られなかったり、成形体の衝撃強度が低下したり、低温溶出成分が増加してフィルムなどの製品表面がべとつき易くなったり、透明性やゲルが悪化したりするといった問題が派生していた。
こうした状況下で、従来のエチレン系重合体やポリエチレン系樹脂組成物の持つ問題点を解消し、成形加工特性と製品強度の両方に優れたエチレン系重合体の開発に有用な、長鎖分岐構造の制御が可能なメタロセン重合触媒及びそれを用いて得られるエチレン系重合体の研究が継続されている(特許文献1〜6参照)。
これらの方法によれば、従来より長鎖分岐構造の発達したエチレン系重合体が製造可能と報告されているが、未だHPLDの分岐発達度に近づいたとは言えなかったり(特許文献1〜6)、複数錯体の併用や二段重合による方法では、分子量分布や共重合組成分布が広がるにつれて低分子量成分や低密度成分といった低温溶出成分が増加するため、製品表面がべとつき易くなったり、衝撃強度が低下したりするので(特許文献3〜6)、更なる技術改良が求められ改良検討が継続されている。
特開2004−292772号公報 特開2013−227271号公報 特開2004−217924号公報 特開2007−169339号公報 特表2007−520597号公報 特開2009−143901号公報
本発明の課題は、上記した従来技術の問題点を鑑み、成形加工特性が格段に優れ、かつ、べとつきが非常に少なく機械的物性も良好な、エチレン系重合体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決することを目指してエチレン系重合体の成形特性を向上させ成形品のべとつきをなくすために、エチレン系重合体の分子量分布、共重合体の組成、重合用触媒、種々の物性規定などを広く勘案し吟味して検討を重ねることにより、エチレン系重合体の特定の物性を組み合わせ採用することにより、成形加工特性が格段に優れ、かつ、べとつきが非常に少なく機械的物性も良好な、エチレン系重合体を見い出すに至り、本発明を創成することになった。
すなわち、本発明は、基本的な特徴(要件)として、特定のMFRと密度を有し、昇温溶出分別(TREF)における低温溶出成分が少なく、かつ、分岐指数(g’)で特徴付けられる高度に発達した長鎖分岐構造を有するエチレン系重合体である。
かくして、本発明の第1の発明(基本発明)は、下記の条件(1)〜(4)を満足することを特徴とする、エチレン系重合体により構成される。
(1)MFR(190℃・21.18N)が0.001〜100g/10分以下である。
(2)密度が0.895〜0.970g/cmである。
(3)昇温溶出分別(TREF)による0℃以下で溶出する成分の割合(Y)が0.8重量%未満である。
(4)示差屈折計、粘度検出器、及び光散乱検出器を組み合わせたGPC測定装置により測定される分岐指数g’における、分子量10万から100万の間での最低値(g)が0.20〜0.40である。
また、以下における、基本発明の実施態様発明として、本発明の第2の発明は、第1の発明において、更に、下記の条件(5)を満足することを特徴とするエチレン系重合体により構成される。
(5)前記分岐指数g’の分子量10万での値(g)が0.50〜0.75である。
本発明の第3の発明は、第1又は第2の発明において、更に、下記の条件(6)を満足することを特徴とするエチレン系重合体により構成される。
(6)昇温溶出分別(TREF)による85℃以上で溶出する成分の割合(X)が1重量%を超え、70重量%未満である。
本発明の第4の発明は、第1〜3の発明において、更に、下記の条件(7)を満足することを特徴とするエチレン系重合体により構成される。
(7)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量分布Mw/Mnが3.0〜10.0である。
本発明の第5の発明は、第1〜4の発明において、更に、下記の条件(8)を満足することを特徴とするエチレン系重合体により構成される。
(8)GPCにより測定される分子量分布Mz/Mwが2.0〜9.0である。
本発明の第6の発明は、第1〜5の発明において、更に、下記の条件(9)を満足することを特徴とするエチレン系重合体により構成される。
(9)クロス分別クロマトグラフィー(CFC)により測定される積分溶出曲線から求められた溶出量が50wt%となる温度以下で溶出する成分のうち、分子量が重量平均分子量以上の成分の割合(W)、及び積分溶出曲線から求められた溶出量が50wt%となる温度より高い温度で溶出する成分のうち、分子量が重量平均分子量未満の成分の割合(W)の和(W+W)が、40重量%を超え、80重量%未満である。
本発明の第7の発明は、第1〜6の発明において、更に、下記の条件(10)を満足することを特徴とするエチレン系重合体により構成される。
(10)前記W、及びCFCにより測定される積分溶出曲線から求められた溶出量が50wt%となる温度より高温で溶出する成分のうち、分子量が重量平均分子量以上の成分の割合(W)の差(W−W)が、−4重量%を超え、30重量%未満である。
本発明の第8の発明は、第1〜7の発明において、エチレン単独重合体又はエチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体であることを特徴とするエチレン系重合体により構成される。
本発明の第9の発明は、第1〜8のいずれかの発明において、下記の成分(A)、(B
)及び(C)を含むオレフィン重合用触媒によって製造されることを特徴とするエチレン系重合体により構成される。
成分(A):インデニル環上に五員環構造置換基を有する遷移金属元素を含む架橋シクロペンタジエニルインデニル化合物
成分(B):成分(A)の化合物と反応してカチオン性メタロセン化合物を生成させる化合物
成分(C):無機化合物担体
本発明の第10の発明は、第1〜9のいずれかの発明において、エチレンを気相連続重合装置又はスラリー連続重合装置で重合して製造されることを特徴とするエチレン系重合体により構成される。
本発明の第11の発明は、第10の発明において、エチレンの重合は、温度60〜11
0℃の間で、かつエチレン分圧0.2〜1.9MPaの間で行うことを特徴とするエチレン系重合体により構成される。
本発明の第12の発明は、第1の発明において、段落0068の一般式(3−C)で表されるような、インデニル基の4−位に五員環の複素環置換基を有する、架橋型シクロペンタジエニルインデニル金属錯体によるメタロセン触媒を用いて、エチレン系重合体を重合する方法により構成される。
なお、本発明における分岐指数g’は、ポリエチレンの物性値として既に知られているものである(例えば、特開2015−083631号公報参照)が、本発明はこの物性と、他の特定の物性値、特に昇温溶出分別(TREF)による物性値との新規な組み合わせにより、ポリエチレンにおける下記の特異な発明の効果を奏しており、またこの効果は後記する実施例と比較例の対照により実証されている。よって、かかる新規な構成と効果は従来の文献からは見い出すことはできない。
本発明のエチレン系重合体は、成形加工特性に格段に優れ、同時に、べとつきが非常に少なく機械的物性も良好であるという、発明の効果を奏する。
ゲル・パーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で用いられる、クロマトグラムのベースラインと区間を示すグラフである。 GPC−VIS測定(分岐構造解析)から算出する分岐指数(g’)と分子量(M)との関係を示すグラフである。 昇温溶出分別(TREF)による、溶出量の溶出温度分布を示すグラフである。 クロス分別クロマトグラフィー(CFC)法で測定される溶出温度と分子量に関する溶出量を等高線図として示すグラフである。 クロス分別クロマトグラフィー(CFC)法で測定される溶出温度と各溶出温度における溶出割合(wt%)との関係を示すグラフである。 溶融張力(MT)とMFRとの関係をを示すグラフである。 低温溶出成分量(Y)と溶融張力(MT)を示すグラフである。
本発明は、特定のMFRと密度を有し、昇温溶出分別(TREF)による低温溶出成分が少なく、かつ、分岐指数(g’)で特徴付けられる高度に発達した長鎖分岐構造を有する、エチレン系重合体及びその製造方法に係るものである。
以下において、本発明のエチレン系重合体、特に該エチレン系重合体を特徴付ける条件(1)〜(10)、及び該エチレン系重合体の製法、特にその製法に用いられる重合用触媒の各成分やその調製方法、更には重合方法について、項目毎に、詳細に説明する。
1.本発明のエチレン系重合体
本発明のエチレン系重合体は、下記に説明する条件(1)〜(4)を全て満たすことを基本的な特徴とする。
1−1.条件(1)
本発明のエチレン系重合体のメルトフローレート(MFR;190℃・21.18N))は、0.001〜100g/10分、好ましくは0.01〜50g/10分、より好ましくは0.02〜30g/10分、更に好ましくは0.05〜20g/10分、、特に好ましくは0.1〜10g/10分である。
MFRがこの範囲にあると、成形加工性が優れ、べとつきが少ない。一方、MFRが0.001g/10分未満では成形加工性、特に溶融流動性や延展性が悪化したり、更には均一に混ぜることが困難となる惧れがあり、メルトフラクチャーが発生するため、ゲル、ブツ、フィッシュアイ、スジ、シャークスキンといった外観不良が生じたり、衝撃強度や透明性が低下する場合があるので好ましくない。MFRが100g/10分より大きいと、成形体の低温溶出成分量が増加してべとつきが悪化する惧れがあるので好ましくない。また、衝撃強度、引裂強度や引張強度などの機械的強度が悪化する惧れがあるので好ましくない。
なお、本発明では、エチレン重合体及びエチレン・α−オレフィン共重合体のMFRは、JIS K7210の「プラスチック−熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」に準拠して、190℃・21.18N(2.16kg)荷重の条件で測定したときの値をいう。
1−2.条件(2)
本発明のエチレン系重合体の密度は、0.895〜0.970g/cmであり、好ましく0.900〜0.960g/cm、より好ましくは0.900〜0.950g/cm、更に好ましくは0.903〜0.940g/cm、特に好ましくは0.903〜0.930g/cmである。
密度がこの範囲にあると、べとつきが少ない。更には、衝撃強度と剛性のバランス及び透明性が優れる。一方、密度が0.895g/cm未満では低温溶出成分量が増加して、室温においてさえべとつきがひどくて取り扱いが困難となったり、製品べとつきの原因となったり、耐熱性が低下したりする惧れがあるので好ましくない。更には剛性が低下し、製品がフィルムやシートなどの厚さの薄い成形体の場合、製品使用における各種不都合はもちろんのこと、製品巻取工程、表面印刷・貼合などの後加工工程において不都合が生じる惧れがあるので好ましくなく、製品がパイプや各種容器などの肉厚成形体の場合、製品が柔らか過ぎて変形するため、必要以上に肉厚な設計を迫られる惧れがあるので好ましくない。なお、更には、他のポリオレフィン系樹脂とブレンドして使用する場合、相容性が低下し、相分離による衝撃強度や透明性が悪化する可能性が生じる惧れがある。
また、密度が0.970g/cmより大きいと衝撃強度や透明性が損なわれたり、より高温の成形加工温度を要したりする惧れがあるので好ましくない。
なお、本発明では、エチレン系重合体の密度は、以下の方法で測定したときの値をいう。
ペレットを熱プレスして2mm厚のプレスシートを作成し、該シートを1,000ml容量のビーカーに入れ蒸留水を満たし、時計皿で蓋をしてマントルヒーターで加熱した。蒸留水が沸騰してから60分間煮沸後、ビーカーを木製台の上に置き放冷した。この時60分煮沸後の沸騰蒸留水は500mlとし室温になるまでの時間は60分以下にならないように調整した。また、試験シートは、ビーカー及び水面に接しないように水中のほぼ中央部に浸漬した。シートを23℃・湿度50%の条件で、16時間以上24時間以内でアニーリングを行った後、縦横2mmになるように打ち抜き、試験温度23℃で、JIS K7112の「プラスチック−非発泡プラスチックの密度及び比重の測定方法」に準拠して、測定した。
1−3.条件(3)
本発明におけるエチレン系重合体は、上記条件(1)(2)に加えて更に、昇温溶出分別(TREF)による0℃以下で溶出する成分の割合(Y)が0.8重量%未満、好ましくは0.7重量%未満、より好ましくは0.6重量%未満である。なお、、昇温溶出分別(TREF)は、非結晶性と結晶性などに応じてポリマーを分別する慣用手段である。
Y値が0.8重量%以上であると、エチレン系重合体に含まれる低分子量成分や低密度成分が多くなって、フィルムなど成形体表面がべとつき易くなったり、製品が容器や袋の場合、内包物に該成分が混入して内包物を汚染したり、更には衝撃強度などの機械強度が悪化する惧れがあるので好ましくない。なお、Y値は0重量%以上である。
[TREFの測定条件]
試料を140℃でオルトジクロロベンゼン(0.5mg/mLBHT入り)に溶解し溶液とする。これを140℃のTREFカラムに導入した後、8℃/分の降温速度で100
℃まで冷却し、引き続き4℃/分の降温速度で40℃まで冷却し、更に続いて1℃/分の降温速度で−15℃まで冷却し、20分間保持する。
その後、溶媒であるオルトジクロロベンゼン(0.5mg/mLBHT入り)を1mL/分の流速でカラムに流し、TREFカラム中で−15℃のオルトジクロロベンゼンに溶解している成分を10分間溶出させ、次に昇温速度100℃/時間にてカラムを140℃までリニアに昇温し、溶出曲線を得る。この時、85℃から140℃までの間に溶出する成分量をX(単位wt%)とする。
使用装置は、下記のとおりである。
(TREF部)
TREFカラム:4.3mmφ×150mmステンレスカラム カラム充填:100
μm表面不活性処理ガラスビーズ 加熱方式:アルミヒートブロック 冷却方式:ペルチェ素子(ペルチェ素子の冷却は水冷) 温度分布:±0.5 ℃ 温調器:(株
)チノー・デジタルプログラム調節計KP1000(バルブオーブン) 加熱方式:空気浴式オーブン 測定時温度:140℃ 温度分布:±1℃ バルブ:6方バルブ・4方バルブ
(試料注入部)
注入方式:ループ注入方式 注入量:ループサイズ 0.1ml 注入口加熱方式
:アルミヒートブロック 測定時温度:140℃
(検出部)
検出器:波長固定型赤外検出器 FOXBORO社製・MIRAN・1A 検出波長:3.42μm 高温フローセル:LC−IR用ミクロフローセル・光路長1.5mm・窓形状2φ×4mm長丸・合成サファイア窓板 測定時温:140℃
(ポンプ部)
送液ポンプ:センシュウ科学社製・SSC−3461ポンプ
(測定条件)
溶媒:オルトジクロロベンゼン(0.5mg/mLBHT入り) 試料濃度:5mg/mL 試料注入量:0.1mL 溶媒流速:1mL/分
1−4.条件(4)
本発明におけるエチレン系重合体は、上記条件(1)〜(3)に加えて更に、示差屈折計、粘度検出器、及び光散乱検出器を組み合わせたGPC測定装置により測定される分岐指数g’における、分子量10万から100万の間での最低値(g)が、0.20〜0.40、好ましくは0.25以上0.40未満、より好ましくは0.27以上0.40未満、更に好ましくは0.30〜0.39、特に好ましくは0.30〜0.38である。
なお、g’は長鎖分岐の存在度合いの尺度であり、(g)を上記範囲とするには、ある程度の長鎖分岐をエチレン系重合体に導入させることにより達成することができる。
値が0.40より大きいと成形加工性や流動性の改善効果が小さくなる惧れがあるので好ましくない。g値が0.20より小さいと、成形加工性や流動性は向上するが、衝撃強度が低下したり、透明性が悪化したりする惧れがあるので好ましくない。なお、本発明で、エチレン系重合体のg値は、下記のGPC−VIS測定から算出する分子量分布曲線や分岐指数(g’)を用いた長鎖分岐量の評価手法である。
[GPC−VISによる分岐構造解析]
示差屈折計(RI)及び粘度検出器(Viscometer)及び光散乱検出器を装備したGPC装置として、Waters社のAlliance・GPCV2000を用いた。また、光散乱検出器として、多角度レーザー光散乱検出器(MALLS)であるWyatt・Technology社のDAWN−Eを用いた。検出器は、MALLS、RI、Viscometerの順で接続した。移動相溶媒は、1,2,4−trichlorobenzene(酸化防止剤Irganox1076を0.5mg/mLの濃度で添加)である。流量は1mL/分である。カラムは、東ソー社 GMHHR−H(S)・HTを2本連結して用いた。カラム、試料注入部及び各検出器の温度は、140℃である。試料濃度は1mg/mLとした。注入量(サンプルループ容量)は0.2175mLである。
MALLSから得られる絶対分子量(M)、慣性二乗半径(Rg)及びViscometerから得られる極限粘度([η])を求めるにあたっては、MALLS付属のデータ処理ソフトASTRA(version4.73.04)を利用し、以下の文献を参考にして計算を行った。
参考文献:
1.Developments in polymer characterization,vol.4.Essex:Applied Science;1984.Chapter1.
2.Polymer,45,6495−6505(2004)
3.Macromolecules,33,2424−2436(2000)
4.Macromolecules,33,6945−6952(2000)
[分岐指数(g’)などの算出]
分岐指数(g’)は、サンプルを上記Viscometerで測定して得られる極限粘度(ηbranch)と、別途、線形ポリマーを測定して得られる極限粘度(ηlin)との比(ηbranch/ηlin)として算出する。
ポリマー分子に長鎖分岐が導入されると、同じ分子量の線形のポリマー分子と比較して慣性半径が小さくなる。慣性半径が小さくなると極限粘度が小さくなることから、長鎖分岐が導入されるに従い同じ分子量の線形ポリマーの極限粘度(ηlin)に対する分岐ポリマーの極限粘度(ηbranch)の比(ηbranch/ηlin)は小さくなっていく。したがって分岐指数(g’=ηbranch/ηlin)が1より小さい値になる場合には分岐が導入されていることを意味し、その値が小さくなるに従い導入されている長鎖分岐が増大していくことを意味する。特に本発明では、MALLSから得られる絶対分子量として、分子量10万から100万における上記g’の最低値を、gとして算出する。
図2に上記GPC−VISによる解析結果の一例を示した。図2は、MALLSから得られる分子量(M)における分岐指数(g’)を表す。ここで、線形ポリマーとしては、直鎖ポリエチレンStandard Reference Material 1475a(National Institute of Standards & Technology)を用いた。
1−5.条件(5)
本発明におけるエチレン系重合体は、上記の条件(1)〜(4)に加えて更に、前述のgと同様にして測定される分岐指数g’の分子量10万での値(g)が0.50〜0.75、好ましくは0.55以上0.75未満、より好ましくは0.55〜0.73、更に好ましくは0.58〜0.72、特に好ましくは0.60〜0.71である。
この範囲であると、溶融加工性や流動性が更によくなり、従来より低い温度で成形加工が可能となって電力量削減効果が増大するので好適な条件である。g値が0.75より大きいと成形加工性や流動性の改善効果が小さくなるので好ましくない場合がある。g値が0.50より小さいと、成形加工性や流動性は向上するが、衝撃強度が低下したりするので好ましくない場合がある。
1−6.条件(6)
本発明におけるエチレン系重合体は、上記の条件(1)〜(5)に加えて更に、前述のY値と同様に、TREFにより測定される85℃以上で溶出する成分の割合(X)が1重量%を超え、70重量%未満、好ましくは2重量%を超え、50重量%未満、より好ましくは2重量%を超え、36重量%未満、更に好ましくは3重量%を超え、33重量%未満、最も好ましくは3重量%を超え、10重量%未満である。
この範囲であると、成形体の剛性が向上したり、他のポリオレフィン系樹脂へのブレンド時の相容性が向上したりするので好適な条件である。X値が1重量%以下であると、エチレン系重合体の剛性が悪化したり、他のポリオレフィン系樹脂へのブレンド時の相容性が悪くなったりする場合があるので好ましくない。X値が70重量%以上であると、エチレン系重合体に含まれる衝撃強度向上に効果的に作用する低密度成分の割合が減少し、衝撃強度が悪化するので好ましくない場合がある。
1−7.条件(7)
本発明におけるエチレン系重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)の好適な範囲は、3.0〜10.0、好ましくは3.5〜9.0、より好ましくは4.0〜8.0、更に好ましくは4.5〜8.0である。Mw/Mnが3.0未満では、成形加工性、特に溶融流動性の改善効果が小さかったり、他の重合体成分と混ざり難かったり、ESCRが低下したりする惧れがあるので避けるべきである。
Mw/Mnが10.0より大きいと低温溶出成分量が増加してべとつきが酷くなったり、耐衝撃性が悪化したり、透明性が悪化する場合がある。なお、本発明で、エチレン系重合体のMwやMnは、ゲル・パーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定したものをいう。
[GPC法測定]
GPC法により測定保持容量を測定し、測定保持容量から分子量への換算は、予め作成しておいた標準ポリスチレンによる検量線を用いて行う。使用する標準ポリスチレンは、何れも東ソー(株)製の以下の銘柄である。F380、F288、F128、F80、F40、F20、F10、F4、F1、A5000、A2500、A1000。
各々が0.5mg/mLとなるように、ODCB(0.5mg/mLのBHTを含む)に溶解した溶液を0.2mL注入して較正曲線を作成する。較正曲線は、最小二乗法で近似して得られる三次式を用いる。分子量への換算は森定雄著「サイズ排除クロマトグラフィー」(共立出版)を参考に汎用較正曲線を用いる。その際使用する粘度式[η]=K×Mαは以下の数値を用いる。
PS:K=1.38×10−4、α=0.7
PE:K=3.92×10−4、α=0.733
なお、GPCの測定条件は、以下の通りである。
装置:Waters社製GPC(ALC/GPC 150C) 検出器:FOXBORO社製MIRAN・1A・IR検出器(測定波長:3.42μm) カラム:昭和電工社製AD806M/S(3本) 移動相溶媒:o−ジクロロベンゼン 測定温度:140℃ 流速:1.0ml/分 注入量:0.2ml
試料の調製:試料は、ODCB(0.5mg/mLのBHTを含む)を用いて、1mg/mLの溶液を調製し、140℃で約1時間を要して溶解させる。
なお、得られたクロマトグラムのベースラインと区間は、図1に例示されるように行う。
1−8.条件(8)
本発明におけるエチレン系重合体のZ重量平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)の比(Mz/Mw)の好適な範囲は、2.0〜9.0、好ましくは2.0〜8.0、より好ましくは2.5〜7.0、特に好ましくは2.5〜6.0である。
Mz/Mwが2.0未満では、成形加工性、特に溶融流動性の改善が小さかったり、他の重合体成分と混ざり難かったり、ESCRが低下したりする惧れがあるので避けるべきである。 Mz/Mwが9.0より大きいと低温溶出成分量が増加してべとつきが酷くなったり、耐衝撃性が悪化したり、透明性が悪化したり、過剰な高分子量成分によるゲルの発生や成形時の高配向による強度低下が生じたりする惧れがあるので好ましくない。
なお、本発明で、エチレン重合体又はエチレン・α−オレフィン共重合体のMzは、上述のゲル・パーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定したものをいう。
1−9.条件(9)
本発明におけるエチレン系重合体は、上記の条件(1)〜(8)に加えて更に、クロス分別クロマトグラフィー(CFC)により測定される積分溶出曲線から求められた溶出量が50wt%となる温度以下で溶出する成分のうち、分子量が重量平均分子量以上の成分の割合(W)、及び積分溶出曲線から求められた溶出量が50wt%となる温度より高い温度で溶出する成分のうち、分子量が重量平均分子量未満の成分の割合(W)の和(W+W)の好適な範囲が、40重量%を超え、80重量%未満である。好ましくは41重量%を超え、70重量%未満、更に好ましくは41重量%を超え、56重量%未満、特に好ましくは42重量%を超え、50重量%未満である。
+W値が40重量%以下であると、エチレン系重合体に含まれる衝撃強度向上やESCR向上に効果的に作用する低密度高分子量成分の割合が減少したり、剛性向上に効果的に作用する高密度低分子量成分が減少したりして、機械的強度が悪化する場合がある。一方、W+W値が80重量%以上であると、エチレン系重合体に含まれる該高密度低分子量成分と該低密度高分子量成分の含有量のバランスが崩れ、機械的強度が悪化したり、該低密度高分子量成分と該高密度低分子量成分の分散性が悪くなって、透明性の悪化やゲルが発生したりする場合がある。
[CFCの測定]
クロス分別クロマトグラフ(CFC)は、結晶性分別を行う昇温溶出分別(TREF)部と分子量分別を行うゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)部とから成る。
このCFCを用いた分析は、次のようにして行われる。まず、ポリマーサンプルを0.5mg/mLのBHTを含むオルトジクロロベンゼン(ODCB)に140℃で完全に溶解した後、この溶液を装置のサンプルループを経て140℃に保持されたTREFカラム(不活性ガラスビーズ担体が充填されたカラム)に注入し、所定の第1溶出温度まで徐々に冷却し、ポリマーサンプルを結晶化させる。所定の温度で30分保持した後、ODCBをTREFカラムに通液することにより、溶出成分がGPC部に注入されて分子量分別が行われ、赤外検出器(FOXBORO社製MIRAN・1A・IR検出器、測定波長3.42μm)によりクロマトグラムが得られる。その間、TREF部では次の溶出温度に昇温され、第1溶出温度のクロマトグラムが得られた後、第2溶出温度での溶出成分がGPC部に注入される。以下、同様の操作を繰り返すことにより、各溶出温度での溶出成分のクロマトグラムが得られる。
なお、CFCの測定条件は、以下の通りである。
装置:ダイヤインスツルメンツ社製CFC−T102L GPCカラム:昭電工社製AD−806MS(3本を直列に接続) 溶媒:ODCB サンプル濃度:3mg/mL 注入量:0.4mL 結晶化速度:1℃/分 溶媒流速:1mL/分 GPC測定時間:34分 GPC測定後安定時間:5分 溶出温度:0,5,10,15,20,25,30,35,40,45,49,52,55,58,61,64,67,70,73,76,79,82,85,88,91,94,97,100,10
2,120,140
(データ解析)
測定によって得られた各溶出温度における溶出成分のクロマトグラムから、総和が10
0%となるように規格化された溶出量(クロマトグラムの面積に比例)が求められる。更に、図5のような溶出温度に対する積分溶出曲線が計算される。この積分溶出曲線を温度で微分して、微分溶出曲線が求められる。また、各クロマトグラムから、次の手順により分子量分布が求められる。保持容量から分子量への換算は、予め作成しておいた標準ポリスチレンによる検量線を用いて行う。使用する標準ポリスチレンは何れも東ソー(株)製の以下の銘柄である。F380、F288、F128、F80、F40、F20、F10、F4、F1、A5000、A2500、A1000。
各々が0.5mg/mLとなるようにODCB(0.5mg/mLのBHTを含む)に溶解した溶液を0.4mL注入して較正曲線を作成する。較正曲線は最小二乗法で近似して得られる三次式を用いる。
分子量への換算は森定雄著「サイズ排除クロマトグラフィー」(共立出版)を参考に汎用較正曲線を用いる。その際、使用する粘度式[η]=K×Mαは以下の数値を用いる。
PS:K=1.38×10−4、α=0.7
PE:K=3.92×10−4、α=0.733
なお、第1溶出温度でのクロマトグラムでは、溶媒に添加したBHTによるピークと溶出成分の低分子量側とが重なる場合があるが、その際は、図1のようにベースラインを引き分子量分布を求める区間を定める。
更に、下記の表1のように、各溶出温度における溶出割合(表中のwt%)と重量平均分子量(表中のMw)からwhole(全体)の重量平均分子量を求める。
Figure 0006812684
また、各溶出温度における分子量分布及び溶出量から、文献(S.Nakano,Y.Goto,Development of automatic Cross Fractionation:Combination of Crystallizability Fractionation and Molecular Weight Fractionation,J.Appl.Polym.Sci.,vol.26,pp.4217−4231(1981))の方法に従って、図4のように溶出温度と分子量に関する溶出量を等高線として示すグラフ(等高線図)を得る。上記の等高線図を用いて、以下の成分量を求める。
:積分溶出曲線から求められる溶出量が50wt%となる温度以下で溶出する成分のうち分子量が重量平均分子量未満の成分の割合
:積分溶出曲線から求められる溶出量が50wt%となる温度以下で溶出する成分のうち分子量が重量平均分子量以上の成分の割合
:積分溶出曲線から求められる溶出量が50wt%となる温度より高い温度で溶出する成分のうち分子量が重量平均分子量未満の成分の割合
:積分溶出曲線から求められる溶出量が50wt%となる温度より高い温度で溶出する成分のうち分子量が重量平均分子量以上の成分の割合
なお、W+W+W+W=100である。
1−10.条件(10)
本発明におけるエチレン系重合体は、上記の条件(1)〜(9)に加えて更に、1−9.で前記したW及びWの差(W−W)の好適な範囲が、−4重量%を超え、30重量%未満、好ましくは−4重量%を超え、20重量%未満、より好ましくは−4重量%を超え、10重量%未満である。
−Wが−4重量%以下であると、エチレン系重合体に含まれる衝撃強度やESCRの向上に特に効果的に作用する低密度高分子量成分が減少する惧れがあるので好ましくない。一方、W−W値が30重量%以上であると、高密度低分子量成分と低密度高分子量成分の含有量のバランスが崩れ、衝撃強度やESCRが期待通り向上しなかったり、分散性が悪くなって、透明性の悪化やゲルが発生したりする惧れがあるので好ましくない。
1−11.本発明のエチレン系重合体の組成
本発明のエチレン系重合体は、エチレン単独重合体又はエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体であり、好ましくはエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体である。
ここでエチレン単独重合体とは、モノマー原料としてエチレンのみを反応器に供給することによって製造された重合体をいう。また、ここで用いられるコモノマーであるα−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、3−メチルブテン−1、3−メチルペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1、テトラデセン−1、ヘキサデセン−1、オクタデセン−1、エイコセン−1などが挙げられる。更にビニルシクロヘキサン或いはスチレン及びその誘導体などのビニル化合物も使用することができる。また、これらα−オレフィンは1種のみでもよく、また2種以上が併用されていてもよい。
これらのうち、より好ましいα−オレフィンはプロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1などの炭素数3〜10のものであり、更に好ましいα−オレフィンはブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1であり、特に好ましくはヘキセン−1である。
本発明のエチレン系重合体中におけるエチレンとα−オレフィンの割合は、エチレン約70〜100重量%、α−オレフィン0〜約30重量%であり、好ましくはエチレン約80〜99.99重量%、α−オレフィン約0.01〜20重量%であり、より好ましくはエチレン約80〜99.9重量%、α−オレフィン約0.1〜20重量%であり、更に好ましくはエチレン約82〜99.2重量%、α−オレフィン約0.8〜18重量%であり、特に好ましくはエチレン約85〜99重量%、α−オレフィン約1〜15重量%であり、最も好ましくはエチレン約88〜98重量%、α−オレフィン約2〜12重量%である。エチレン含量がこの範囲内であれば、成形加工性が格段に優れ、べとつきも少ない。
共重合は、交互共重合、ランダム共重合、ブロック共重合のいずれであっても差し支えない。もちろん、エチレンやα−オレフィン以外のコモノマーを少量使用することも可能であり、この場合、スチレン、4−メチルスチレン、4−ジメチルアミノスチレンなどのスチレン類、1,4−ブタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどのジエン類、ノルボルネン、シクロペンテンなどの環状化合物、ヘキセノール、ヘキセン酸、オクテン酸メチルなどの含酸素化合物類、などの重合性二重結合を有する化合物を挙げることができる。ただしジエン類を使用する場合は長鎖分岐構造が上記条件(4)を満たす範囲内において使用しなくてはいけないことはいうまでもない。
2.本発明のエチレン系重合体の製法
本発明のエチレン系重合体は、上記条件(1)〜(4)を全て満たすように製造して使用される。その製造は、オレフィン重合用触媒を用いてエチレンなどを重合する方法によって実施される。
オレフィン重合用触媒としては、今日様々な種類のものが知られており、該触媒成分の構成及び重合条件や後処理条件の工夫の範囲内において上記条件を満足するエチレン系重合体が準備可能であれば何ら制限されるものではないが、本発明のエチレン系重合体が有する特定の長鎖分岐構造、組成分布構造、MFR、密度を同時に実現するための好適な製造方法例として、以下に説明する特定の触媒成分(A)、(B)及び(C)を含むオレフィン重合用触媒を用いる方法を挙げることができる。
成分(A):遷移金属元素を含む架橋シクロペンタジエニルインデニル化合物
成分(B):成分(A)の化合物と反応してカチオン性メタロセン化合物を生成させる化合物
成分(C):無機化合物担体
2−1.触媒成分(A)
本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体を製造するのに好ましい触媒成分(A)は、インデニル環上に五員環構造置換基を有する、遷移金属元素を含む架橋シクロペンタジエニルインデニル化合物であり、より好ましくは下記の一般式[1]で表されるメタロセン化合物であり、更に好ましくは下記の一般式[2]で表されるメタロセン化合物である。
本発明においては、特に式[2]更には、(1−c)で表される配位子を重合用触媒成分として使用することにより、本発明の特定のエチレン系重合体を、専らかつ効率よく製造することができる。そして、本発明のエチレン系重合体は、かかる特定の重合用触媒を使用する重合方法によって製造されることを一つの特徴とする。
Figure 0006812684
[但し、式[1]中、MはTi、Zr又はHfのいずれかの遷移金属を示す。Aはシクロペンタジエニル環(共役五員環)構造を有する配位子を、Aは五員環構造置換基の付いたインデニル環構造を有する配位子を、QはAとAを任意の位置で架橋する結合性基を示す。X及びYは、σ結合性基であり、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、酸素原子若しくは窒素原子を含む炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基置換アミノ基又は炭素数1〜20のアルコキシ基を示す。]
Figure 0006812684
[但し、式[2]中、MはTi、Zr又はHfのいずれかの遷移金属を示す。Qはシクロペンタジエニル環とインデニル環を架橋する結合性基を示す。X及びYは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、酸素原子若しくは窒素原子を含む炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基置換アミノ基又は炭素数1〜20のアルコキシ基を示す。10個のRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、ケイ素数1〜6を含む炭素数1〜18のケイ素含有炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基、酸素原子を含む炭素数1〜20の炭化水素基又は炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基を示すが、インデニル環側に付いた少なくとも1個のRは五員環構造を有する。]
本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体を製造するのに特に好ましい触媒成分(A)は、特開2013−227271号公報の段落0007以下に記載された一般式(1c)で表されるメタロセン化合物である。
Figure 0006812684
[但し、式(1c)中、略号の説明は全て特開2013−227271号公報の記載に従う。すなわち、M1cは、Ti、Zr又はHfのいずれかの遷移金属を示す。X1c及びX2cは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、酸素原子若しくは窒素原子を含む炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基置換アミノ基又は炭素数1〜20のアルコキシ基を示す。Q1cとQ2cは、各々独立して、炭素原子、ケイ素原子又はゲルマニウム原子を示す。R1cは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基を示し、4つのR1cのうち少なくとも2つが結合してQ1c及びQ2cと一緒に環を形成していてもよい。mは、0または1であり、mが0の場合、Q1cは、R2cを含む共役5員環と直接結合している。R2c及びR4cは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、ケイ素数1〜6を含む炭素数1〜18のケイ素含有炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基、酸素原子を含む炭素数1〜20の炭化水素基又は炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基を示す。R3cは、下記一般式(1−ac)で示される置換アリール基を示す。]
Figure 0006812684
[但し、式(1−ac)中、Y1cは、周期表14族、15族又は16族の原子を示す。R5c、R6c、R7c、R8c及びR9cは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、酸素若しくは窒素を含む炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素基置換アミノ基、炭素数1〜20のアルコキシ基、ケイ素数1〜6を含む炭素数1〜18のケイ素含有炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基、又は炭素数1〜20の炭化水素基置換シリル基を示し、R5c、R6c、R7c、R8c及びR9cは隣接する基同士で結合して、それらに結合している原子と一緒に環を形成していてもよい。nは、0または1であり、nが0の場合、Y1cに置換基R5cが存在しない。pは、0または1であり、pが0の場合、R7cが結合する炭素原子とR9cが結合する炭素原子は直接結合している。Y1cが炭素原子の場合、R5c、R6c、R7c、R8c、R9cのうち少なくとも1つは水素原子ではない。R2cが五員環構造置換基でない場合、pは0である。]
上記一般式(1c)中の略号の更なる具体的な例示は、以下に特別な説明の無い限りにおいて、全て特開2013−227271号公報の記載に従う。本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体を製造するのに最も好ましい触媒成分(A)は、特開2013−227271号公報の段落0013に記載された一般式(3c)で表されるメタロセン化合物である。
なお、上記のとおり、特開2013−227271号公報には本願発明の実施例に使用する触媒が開示されているが、具体的な製造条件等が異なるために、該特開2013−227271号公報には本願発明の物性、特に要件(4)g’を有するポリマーは開示されていない。すなわち、本願発明は、特定の触媒と特定の製造条件の組み合わせにより達成された、重合体の新規で特異的な物性を顕現していることを特徴とする、新規物性を有するポリマーに関する発明である。
Figure 0006812684
上記の一般式(3c)で示されるメタロセン化合物において、M1c、X1c、X2c、Q1c、R1c、R2c及びR4cは、前述の一般式(1c)で示されるメタロセン化合物の説明で示した原子及び基と同様な構造を好ましい態様も含め選択することができるが、R2cは水素原子、メチル基が最も好ましく、4つのR4cのうち、架橋基Q1cが付いた炭素原子の両隣の炭素に付いた2つのR4cは水素原子が最も好ましく、残りのR4cは水素原子又はメチル基が最も好ましい。また、R12c、R13c及びR14cは、前述の一般式(1c)で示されるメタロセン化合物の説明で示したR5c、R6c、R7c、R8c、R9cの原子及び基と同様な構造を選択することができる。そしてZ1cは、酸素原子又は硫黄原子を示す。
上記のメタロセン化合物の具体例として、特開2013−227271号公報の表1cに記載された化合物のうち、55c〜94c、224c〜303cが好ましいが、これらに限定するものではない。
また、上記に例示した具体的化合物の中にあって、より好ましいものを以下に示す。該表1c中の、55c〜72c、81c〜86c、224c〜231c、などが挙げられる。また、上記の化合物のジルコニウムを、チタニウム又はハフニウムに代えた化合物などが、好ましいものとして挙げられる。
更に、上記に例示した具体的化合物の中にあって、更に好ましいものを以下に示す。該表1c中の、55c〜66c、81c、82c、224c〜227cなどが挙げられる。また、上記の化合物のジルコニウムを、チタニウム又はハフニウムに代えた化合物が、好ましいものとして挙げられる。
上記の具体例の化合物はジルコニウム化合物又はハフニウム化合物であることが好ましく、ジルコニウム化合物であることが更に好ましい。
本発明のエチレン系重合体を製造するのに好ましい触媒成分(A)として、上述の架橋シクロペンタジエニルインデニル化合物を2種以上用いることもできるが、その場合は分子量分布や共重合組成分布が広がり過ぎないように注意することはいうまでもない。
2−2.触媒成分(B)
本発明のエチレン系重合体を製造するのに好ましい触媒成分(B)は、成分(A)の化合物と反応してカチオン性メタロセン化合物を生成させる化合物であり、汎用されている有機アルミニウムオキシ化合物やボラン化合物及びボレート化合物が挙げられる。
より好ましくは特開2013−227271号公報[0064]〜[0083]に記載された成分(B)であり、更に好ましくは同[0065]〜[0069]に記載された有機アルミニウムオキシ化合物である。
2−3.触媒成分(C)
触媒成分(C)としては、汎用されている、無機物担体、粒子状ポリマー担体又はこれらの混合物が挙げられる。無機物担体は、金属、金属酸化物、金属塩化物、金属炭酸塩、炭素質物、又はこれらの混合物が使用可能である。
本発明のエチレン系重合体を製造するのに好ましい触媒成分(C)は、無機化合物担体であり、より好ましくは特開2013−227271号公報[0084]〜[0088]に記載された無機化合物である。この時、無機化合物として好ましいのは該公報[00
85]に記載された金属酸化物である。
2−4.オレフィン重合用触媒の製法
本発明のエチレン系重合体は、上記触媒成分(A)〜(C)を含むオレフィン重合用触媒を用いてエチレンを重合する方法によって好適に製造される。本発明の上記触媒成分(A)〜(C)からオレフィン重合用触媒を得る際の各成分の接触方法は、特に限定されず、例えば、以下に示す(I)〜(III)の方法が任意に採用可能である。
(I)上記の遷移金属元素を含む架橋シクロペンタジエニルインデニル化合物である触媒成分(A)と、上記触媒成分(A)の化合物と反応してカチオン性メタロセン化合物を生成させる化合物である触媒成分(B)とを接触させた後、無機化合物担体である触媒成分(C)を接触させる。
(II)触媒成分(A)と触媒成分(C)とを接触させた後、触媒成分(B)を接触させる。
(III)触媒成分(B)と触媒成分(C)とを接触させた後、触媒成分(A)を接触させる。
これらの接触方法の中で(I)と(III)が好ましく、更に(I)が最も好ましい。いずれの接触方法においても、通常は窒素又はアルゴンなどの不活性雰囲気中、一般にベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素(通常炭素数は6〜12)、ペンタン、ヘプタン、ヘキサン、デカン、ドデカン、シクロヘキサンなどの脂肪族或いは脂環族炭化水素(通常炭素数5〜12)などの液状不活性炭化水素の存在下、撹拌下又は非撹拌下に各成分を接触させる方法が採用される。この接触は、通常−100℃〜200℃、好ましくは−50℃〜100℃、更に好ましくは0℃〜50℃の温度にて、5分〜50時間、好ましくは30分〜24時間、更に好ましくは30分〜12時間で行うことが望ましい。
また、触媒成分(A)、触媒成分(B)及び触媒成分(C)の接触に際しては、上記した通り、ある種の成分が可溶ないしは難溶な芳香族炭化水素溶媒と、ある種の成分が不溶ないしは難溶な脂肪族又は脂環族炭化水素溶媒とがいずれも使用可能である。
各成分同士の接触反応を段階的に行う場合にあっては、前段で用いた溶媒などを除去することなく、これをそのまま後段の接触反応の溶媒に用いてもよい。また、可溶性溶媒を使用した前段の接触反応後、ある種の成分が不溶もしくは難溶な液状不活性炭化水素(例えば、ペンタン、ヘキサン、デカン、ドデカン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素或いは芳香族炭化水素)を添加して、所望生成物を固形物として回収した後に、或いは一旦可溶性溶媒の一部または全部を、乾燥などの手段により除去して所望生成物を固形物として取り出した後に、この所望生成物の後段の接触反応を、上記した不活性炭化水素溶媒のいずれかを使用して実施することもできる。本発明では、各成分の接触反応を複数回行うことを妨げない。
本発明において、触媒成分(A)、触媒成分(B)及び触媒成分(C)の使用割合は、特に限定されないが、以下の範囲が好ましい。
触媒成分(B)として、有機アルミニウムオキシ化合物を用いる場合、触媒成分(A)中の遷移金属(M)に対する有機アルミニウムオキシ化合物のアルミニウムの原子比(Al/M)は、通常、1〜100,000、好ましくは5〜1,000、更に好ましくは50〜500、特に好ましくは100〜400の範囲が望ましく、また、ボラン化合物やボレート化合物を用いる場合、触媒成分(A)中の遷移金属(M)に対する、ホウ素の原子比(B/M)は、通常、0.01〜100、好ましくは0.1〜50、更に好ましくは0.2〜10の範囲で選択することが望ましい。更に、触媒成分(B)として、有機アルミニウムオキシ化合物と、ボラン化合物、ボレート化合物との混合物を用いる場合にあっては、混合物における各化合物について、遷移金属(M)に対して上記と同様な使用割合で選択することが望ましい。
触媒成分(C)の使用量は、触媒成分(A)中の遷移金属0.0001〜5ミリモル当たり、好ましくは0.001〜0.5ミリモル当たり、更に好ましくは0.01〜0.1ミリモル当たり1gである。
また、本発明において、触媒成分(C)1gに対する触媒成分(B)の金属のモル数の割合は、好ましくは、0.001〜0.020(モル/g)、より好ましくは、0.00
3〜0.012(モル/g)、更に好ましくは、0.004〜0.010(モル/g)である。
触媒成分(A)、触媒成分(B)及び触媒成分(C)を、前記した接触方法(I)〜
(III)を適宜選択して相互に接触させ、しかる後、溶媒を除去することで、オレフィン重合用触媒を固体触媒として得ることができる。溶媒の除去は、常圧下又は減圧下、0〜200℃、好ましくは20〜150℃、更に好ましくは20〜100℃で1分〜100時間、好ましくは10分〜50時間、更に好ましくは30分〜20時間で行うことが望ましい。
なお、オレフィン重合用触媒は、以下に示す(IV)、(V)の方法によっても得ることができる。
(IV)触媒成分(A)と触媒成分(C)とを接触させて溶媒を除去し、これを固体触媒成分とし、重合条件下で有機アルミニウムオキシ化合物、ボラン化合物、ボレート化合物又はこれらの混合物と接触させる。
(V)触媒成分(B)である有機アルミニウムオキシ化合物、ボラン化合物、ボレート化合物又はこれらの混合物と触媒成分(C)とを接触させて溶媒を除去し、これを固体触媒成分とし、重合条件下で触媒成分(A)と接触させる。 上記(IV)、(V)の接触方法の場合も、成分比、接触条件及び溶媒除去条件は、前記と同様の条件が使用できる。
また、本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体を得るのに好適なオレフィン重合用触媒として、触媒成分(A)と反応してカチオン性メタロセン化合物を生成させる触媒成分(B)と触媒成分(C)とを兼ねる成分として、特開平05−301917号公報、同08−127613号公報などに記載されてよく知られている層状珪酸塩を用いることもできる。層状珪酸塩とは、イオン結合などによって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造をとる珪酸塩化合物である。大部分の層状珪酸塩は、天然には主に粘土鉱物の主成分として産出するが、これら、層状珪酸塩は特に天然産のものに限らず、人工合成物であってもよい。これらの層状珪酸塩は、酸やアルカリなどによる化学処理を施してもよい。
これらの中では、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト、ベントナイト、テニオライトなどのスメクタイト族、バーミキュライト族、雲母族が好ましい。
触媒成分(A)と層状珪酸塩担体の使用割合は、特に限定されないが、以下の範囲が好ましい。触媒成分(A)の担持量は、層状珪酸塩担体1gあたり、0.0001〜5ミリモル、好ましくは0.001〜0.5ミリモル、更に好ましくは0.01〜0.1ミリモルである。
こうして得られるオレフィン重合用触媒は、必要に応じて、エチレン又は/及び適宜なα−オレフィンモノマーの予備重合を行った後に使用しても差し支えない。
2−5.エチレン系重合体の重合方法
本発明のエチレン系重合体は、好適には上記の2−4.に記載された製法により準備されたオレフィン重合用触媒を用いて、エチレンを重合又はエチレンをα−オレフィンと共重合して製造される。
コモノマーであるα−オレフィンとしては、段落0053〜0055で述べたように、炭素数3〜20のα−オレフィンが使用可能であり、2種類以上のα−オレフィンをエチレンと共重合させることも可能であり、該α−オレフィン以外のコモノマーを少量使用することも可能である。
本発明において、上記の重合反応は、好ましくは気相連続重合装置又はスラリー連続重合装置を使用して行うことができる。連続重合装置とは、触媒、モノマーなど、重合に必要な原料などを連続的に供給可能な装置と生成重合体を連続的に排出可能な装置を有する重合反応装置のことをいう。気相連続重合の場合、実質的に酸素、水などを断った状態で、エチレンやコモノマーのガス流を導入、流通、又は循環した反応器内においてエチレンなどを重合させる。また、スラリー連続重合の場合、イソブタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環族炭化水素などから選ばれる不活性炭化水素溶媒の存在下又は不存在下で、エチレンなどを連続重合させる。また、液状エチレンや液状プロピレンなどの液体モノマーも溶媒として使用できることはいうまでもない。本発明において、更に好ましい重合は、気相連続重合である。
重合温度は通常0〜250℃、好ましくは60〜110℃、更に好ましくは65〜95
℃であり、気相重合やスラリー重合の場合、生成する重合体粒子の流動が軟化や溶融によって妨げられない範囲において、より高い温度で重合を行うことでより小さなg値を有するエチレン系重合体を得ることができる。
また、エチレン分圧は通常、常圧〜10MPa、好ましくは0.2〜1.9MPa、更に好ましくは0.3〜1.8MPa、特に好ましくは0.4〜1.6MPaの範囲にあり、重合時間としては平均滞留時間が通常5分〜20時間、好ましくは1〜15時間、より好ましくは3〜12時間が採用されるのが普通である。
生成共重合体の分子量は、触媒成分(A)や触媒成分(B)の種類、触媒のモル比、重合温度などの重合条件を変えることによってもある程度調節可能であるが、重合反応系に水素を添加することで、より効果的に分子量調節を行うことができる。
また、重合系中に、水分除去を目的とした成分、いわゆるスカベンジャーを加えても何ら支障なく実施することができる。
なお、かかるスカベンジャーとしては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物、有機アルミニウムオキシ化合物、分岐アルキルを含有する変性有機アルミニウム化合物、ジエチル亜鉛、ジブチル亜鉛などの有機亜鉛化合物、ジエチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、エチルブチルマグネシウムなどの有機マグネシウム化合物、エチルマグネシウムクロリド、ブチルマグネシウムクロリドなどのグリニヤ化合物などが使用される。
これらのなかでは、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、エチルブチルマグネシウムが好ましく、トリエチルアルミニウムが特に好ましい。
生成共重合体の長鎖分岐構造(すなわちg、g)やコモノマー共重合組成分布(すなわちX、Y、W〜W)は、触媒成分(A)や触媒成分(B)の種類、触媒のモル比、重合温度や圧力、時間などの重合条件や重合プロセスを変えることによって調節可能である。
長鎖分岐構造を形成しやすい触媒成分種を選択しても、例えば重合温度を下げたりエチレン分圧を上げたりして長鎖分岐構造の少ない重合体を製造することも可能である。また、分子量分布や共重合組成分布の広い触媒成分種を選択しても、例えば触媒成分モル比、重合条件や重合プロセスを変えることによって分子量分布や共重合組成分布の狭い共重合体が製造することがあるので注意を要する。
水素濃度、モノマー量、重合圧力、重合温度などの重合条件が互いに異なる2段階以上の多段階重合方式においても、重合条件を適切に設定するならば、本発明のエチレン系重合体を製造することが可能であり得るだろうが、本発明のエチレン系重合体は、一段階重合反応により製造される場合、複雑な重合運転条件を設定することなく、より経済的に製造できるので好ましい。
以下においては、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明し、本発明の卓越性と有用性及び本発明の構成における合理性と有意性を実証するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例において使用した測定方法は、以下の通りである。また、以下の触媒合成工程及び重合工程は、全て精製窒素雰囲気下で行い、かつ、使用した溶媒は、モレキュラーシーブ4Aで脱水精製したものを用いた。
[溶融張力の測定方法]
溶融張力の測定は、東洋精機製作所製のキャピログラフを用いて、シリンダー温度19
0℃、オリフィスL/D=8.1/2.095(mm)、ピストンスピード10mm/分、引取速度4.0m/分の条件下で行なわれるものである。
〔実施例1〕
(1)架橋シクロペンタジエニルインデニル化合物の合成;
ジメチルシリレン(3−メチル−4−(2−(5−メチル)−フリル)−インデニル
)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドを、特開2013−227271号公報[0159]〜[0165]記載の方法に従い合成した。
(2)オレフィン重合用触媒の合成;
窒素雰囲気下、500ml三口フラスコに400℃で5時間焼成したシリカ30グラムを入れ、150℃のオイルバスで加熱しながら真空ポンプで1時間減圧乾燥した。別途用意した200ml二口フラスコに窒素雰囲気下で、上記(1)で合成したジメチルシリレン(3−メチル−4−(2−(5−メチル)−フリル)−インデニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド369mgを入れ、脱水トルエン80.4mlで溶解した後、更に室温でアルベマール社製の20%メチルアルミノキサン/トルエン溶液51
.6mlを加え30分間撹拌した。真空乾燥済みシリカの入った500ml三口フラスコを40℃のオイルバスで加熱及び撹拌しながら、上記ジルコノセン錯体とメチルアルミノキサンの反応物のトルエン溶液を全量加えた。40℃で1時間撹拌した後、40℃に加熱したままトルエン溶媒を減圧留去することで粉状触媒を得た。
(3)エチレン・1−ヘキセン共重合体の製造;
上記(2)で得た粉状触媒を使用してエチレン・1−ヘキセンの気相連続共重合を行った。すなわち、温度85℃、ヘキセン/エチレンモル比1.57%、水素/エチレンモル比0.32%、窒素濃度を33mol%、エチレン分圧を0.53MPaに準備された気相連続重合装置(内容積100L、流動床直径10cm、流動床種ポリマ−(分散剤)1.8kg)に該粉状触媒を0.46g/時間の速さで間欠的に供給しながらガス組成と温度を一定にして重合を行った。また、系内の清浄性を保つためトリエチルアルミニウム(TEA)のヘキサン稀釈溶液0.03mol/Lを15.7ml/hrでガス循環ラインに供給した。その結果、生成ポリエチレンの平均生成速度は285g/時間となった。累積5kg以上のポリエチレンを生成した後に、エチレン・1−ヘキセン共重合体が得られた。
エチレン・1−ヘキセン共重合体のMFRと密度は各々1.4g/10分、0.921g/cmであった。結果を表2、表3に示した。
〔実施例2〕〜〔実施例7〕
エチレン・1−ヘキセン共重合体の製造;
実施例1(2)で得た粉状触媒を使用して、表2に記載の条件以外は、実施例1(3)と同様にしてエチレン・1−ヘキセン気相連続共重合を行った。結果を表2、表3に示した。
〔比較例1〕
エチレン・1−ヘキセン共重合体の製造;
特開2012−214781号公報の実施例8a(1)に記載のオレフィン重合用触媒及びエチレン系重合体(B−8)の製造方法と同様にしてエチレン・1−ヘキセンの気相連続共重合を行った。結果を表2、表3に示した。
〔比較例2〕
エチレン・1−ヘキセン共重合体の製造;
特開2012−214781号公報の実施例1a(2)に記載のエチレン系重合体(B−1)の製造方法と同様にして、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリドを含む触媒を使用してエチレン・1−ヘキセンの気相連続共重合を行った。結果を表2、表3に示した。
〔比較例3〕
(1)オレフィン重合用触媒の合成;
ジメチルシリレン(4−(4−トリメチルシリル−フェニル)−インデニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドの代わりに、ジメチルシリレンビスインデニルジルコニウムジクロリド338mgを使用した以外は、比較例1と同様にして粉状のオレフィン重合用触媒を得た。
(2)エチレン・1−ヘキセン共重合体の製造;
比較例1の触媒の代わりに、上記(1)で得た粉状触媒を使用して、表2に記載の条件以外は、比較例1と同様にしてエチレン・1−ヘキセンの気相連続共重合を行った。結果を表2、表3に示した。
〔比較例4〕
長鎖分岐を有する市販のエチレン系重合体(住友化学社製CU5001;MFR=0
.3g/10分、密度0.922g/cm)の分析結果を表2、表3に示した。
〔比較例5〕
市販の高圧ラジカル法低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン社製LF240;MFR=0.7g/10分、密度0.924g/cm)の分析結果を表2、表3に示した。
〔比較例6〕
(1)オレフィン重合用触媒の合成;
ジメチルシリレン(4−(4−トリメチルシリル−フェニル)−インデニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドの代わりに、ジメチルシリレン(4−フェニル−インデニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド59mgを使用した以外は、比較例1と同様にして粉状のオレフィン重合用触媒を得た。
(2)エチレン・1−ヘキセン共重合体の製造;
比較例1の触媒の代わりに、上記(1)で得た粉状触媒を使用して、表2に記載の条件以外は、比較例1と同様にしてエチレン・1−ヘキセンの気相連続共重合を行った。結果を表2、表3に示した。
Figure 0006812684
Figure 0006812684
Figure 0006812684
(各実施例と各比較例の結果の対照による考察)
〔成形実験〕
本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体の優れた成形加工特性を確認するために溶融張力の測定を行った。その結果を表3−bに、また溶融張力(MT)とMFRとの関係を図6に示した。図6におけるMFRに対するプロットから明らかなように、本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体である実施例1〜実施例7得られた重合体の溶融張力は、本発明ではない比較例1〜比較例6の重合体に比べて高い溶融張力を有しており、フィルム成形性や中空成形性などに優れることが分かる。
本発明の各実施例は全てにおいて(実施例1〜7)は、本発明の全ての条件の(1)〜(10)を充足しており成形加工性に充分に優れ、べとつきが非常に少ないことが実証されている。また、段落0115に後記したとおりに、本発明の重合体は成形体の強度も高い。
なお、実施例6,7においては、他の実施例に比して、溶融張力がやや低くなっているが、これは実施例6,7のエチレン系重合体のMFRが他の実施例に比して高くなっているためである。このことは、図6のグラフを参照すると明白となる。
比較例1の重合体は、gやgが大き過ぎるので、溶融張力が低く成形加工性に劣っている。
比較例2の重合体は、W≦0°(%)が多過ぎ、gが大き過ぎるので、溶融張力が低く成形加工性に劣っており、べとつきも大きい。
比較例3の重合体は、W≦0°(%)が多過ぎ、gとgが大き過ぎるので、溶融張力が低く成形加工性に劣っており、べとつきも大きい。
また、比較例4の重合体は、本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体と同等の溶融張力を示したが、gやgが大き過ぎ、W≦0°(%)が多過ぎて、べとつきが大きく、本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体の要件である条件(4)や条件(5)も満たさないため、成形体の強度が本発明に比べて劣る。このことを示すため、次のフィルム成形評価を実施した。
すなわち、ほぼ同じMFRと密度を有する実施例1と比較例4の重合体各々30%を市販のエチレン系重合体(日本ポリエチレン社製UF230;MFR=1.1g/10分、密度0.921g/cm。エチレン・1−ブテン共重合体)にブレンドし、上述の条件にてインフレーションフィルム成形を実施した。その結果、実施例1で得られたフィルムのダートドロップインパクト強度(DDI)が285gであったのに対し、比較例4のフィルムは240gと低かった。
更に、比較例5の重合体は、本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体と同等の溶融張力を示したが、W≦0°(%)が多過ぎ、W≧85°(%)が少な過ぎて、本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体の要件である条件(3)、条件(6)や条件(9)、条件(10)を満たさないため、成形体のべとつきが大きい。
また更に、比較例6の重合体は、gが大き過ぎるので、溶融張力が低く成形加工性に劣っている。
以上から、本発明における構成の要件の合理性と有意性、及び本発明の従来技術に対する優越性と有用性が明らかにされている。
以上から明らかなように、本発明のエチレン重合体及びエチレン・α−オレフィン共重合体は、成形加工特性に優れ、べたつきも非常に少なく、同時に、衝撃強度と剛性などの機械的強度にも優れるので、ポリエチレン系産業資材として優れ、特に薄肉化された成形製品を経済的に有利に提供することが可能である。
したがって、このような望ましい特性を有する成形製品を経済的に有利に提供することのできる、本発明のエチレン重合体及びエチレン・α−オレフィン共重合体の工業的価値は極めて大きい。

Claims (12)

  1. 下記の条件(1)〜(4)を満足するエチレン系重合体。
    (1)MFR(190℃・21.18N)が0.001〜100g/10分以下である。
    (2)密度が0.895〜0.970g/cmである。
    (3)昇温溶出分別(TREF)による0℃以下で溶出する成分の割合(Y)が0.8重量%未満である。
    (4)示差屈折計、粘度検出器、及び光散乱検出器を組み合わせたGPC測定装
    置により測定される分岐指数g’における、分子量10万から100万の間での最低値(g)が0.20〜0.40である。
  2. 下記の条件(5)を満足することを特徴とする、請求項1に記載のエチレン系重合体。
    (5)前記分岐指数g’の分子量10万での値(g)が0.50〜0.75である。
  3. 下記の条件(6)を満足することを特徴とする、請求項1又は2に記載のエチレン系重合体。
    (6)昇温溶出分別(TREF)による85℃以上で溶出する成分の割合(X)が1重量%を超え、70重量%未満である。
  4. 下記の条件(7)を満足することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のエチレン系重合体。
    (7)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量分布Mw/Mnが3.0〜10.0である。
  5. 下記の条件(8)を満足することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のエチレン系重合体。
    (8)GPCにより測定される分子量分布Mz/Mwが2.0〜9.0である。
  6. 下記の条件(9)を満足することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のエチレン系重合体。
    (9)クロス分別クロマトグラフィー(CFC)により測定される積分溶出曲線から求められた溶出量が50wt%となる温度以下で溶出する成分のうち、分子量が重量平均分子量以上の成分の割合(W)、及び積分溶出曲線から求められた溶出量が50wt%となる温度より高い温度で溶出する成分のうち、分子量が重量平均分子量未満の成分の割合(W)の和(W+W)が、40重量%を超え、80重量%未満である。
  7. 下記の条件(10)を満足することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のエチレン系重合体。
    (10)クロス分別クロマトグラフィー(CFC)により測定される積分溶出曲線から求められた溶出量が50wt%となる温度以下で溶出する成分のうち、分子量が重量平均分子量以上の成分の割合(W)、及びCFCにより測定される積分溶出曲線から求められた溶出量が50wt%となる温度より高温で溶出する成分のうち分子量が重量平均分子量以上の成分の割合(Wにおいて、W からW を差し引いた数値(W−W)が、−4重量%を超え、30重量%未満である。
  8. エチレン単独重合体又はエチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載のエチレン系重合体。
  9. エチレン系重合体が、成分(A)、(B)及び(C)を含むオレフィン重合用触媒によって製造されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載のエチレン系重合体の製造方法。
    成分(A):インデニル環上に五員環構造置換基を有する、遷移金属元素を含む架橋シクロペンタジエニルインデニル化合物
    成分(B):成分(A)の化合物と反応してカチオン性メタロセン化合物を生成させる化合物
    成分(C):無機化合物担体
  10. エチレン系重合体が、エチレンを気相連続重合装置又はスラリー連続重合装置で重合して製造されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載のエチレン系重合体の製造方法。
  11. エチレンの重合を、温度60〜110℃の間で、かつエチレン分圧0.2〜1.9MPaの間で行うことを特徴とする、請求項10に記載のエチレン系重合体の製造方法。
  12. インデニル基の4−位に五員環の複素環置換基を有する、架橋型ペンタジエニ
    ルインデニル金属錯体によるメタロセン触媒を用いて、請求項1のエチレン系重合体を重合する方法。
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