JP6811036B2 - はね返り材回収装置および吹付け工法 - Google Patents
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Description
吹付けコンクリートを施工する際には、吹付け材の一部が吹付け対象面(地山面)に付着せずに落下してしまう(以下、単に「リバウンド」という)。そのため、吹付けコンクリートを施工する際には、リバウンドを考慮して、吹付け材を多めに吹付ける必要がある。
例えば、特許文献1では、吹付けコンクリートの初期の付着強度を上げることで吹付け材のリバウンド率を低下させる吹付けコンクリート製造装置が開示されている。
また、特許文献2には、吹付け材の粉体材料を改良することで、吹付け材のリバウンド量の低減化を図った技術が開示されている。
ところが、特許文献1の吹付けコンクリート製造装置や特許文献2の吹付け材を採用した場合であっても、吹付け材のリバウンドは発生する。
リバウンドにより発生したはね返り材を回収し、再生材として使用すれば、材料費の低減化およびCO2排出量の低減化につながる。
そのため、本発明は、土砂等が含有することがないように、かつ、簡易にコンクリート吹付け時のはね返り材を回収することを可能とした、はね返り材回収装置および吹付け工法を提案することを課題とする。
かかるはね返り材回収装置によれば、コンクリート吹付け時に発生するはね返り材を効率的に回収することができる。すなわち、吹付け対象面から落下したはね返り材を直接的に回収シートによって受け止めるため、底面等に落下したはね返り材を回収する場合に比べて簡易、かつ、確実に回収することができる。また、回収したはね返り材には土砂等の不純物が含有されることがないため、再生材として使用する際に、不純物を除去する手間を省略あるいは簡素化することができる。
また、前記はね返り材回収装置は、自走手段を備えているため、施工時の位置決めや、掘削時に退避する際の手間を低減することができる。
かかる吹付け工法によれば、吹付け時に発生するはね返り材が回収シート上に落下するため、地盤に落下したはね返り材を回収する場合に比べて、簡易かつ効率的にはね返り材を回収することができる。また、吹付け対象箇所から落下したはね返り材を直接的に回収するため、はね返り材を再生骨材として使用する際に、土砂等の不純物を除去する手間を省略することができる。
本実施形態のトンネル施工方法は、図2に示すように、掘削工程S1、支保工程S2、回収工程S3、骨材製造工程S4、分離選別工程S5、吸水貯蔵工程S6および材料製造工程S7を備えている。
地山の掘削により発生した掘削ずりは、トンネル坑外へ搬出する。なお、掘削ずりの搬出方法は限定されるものではなく、例えば、ダンプトラックやベルトコンベアを使用すればよい。
吹付けコンクリート21の施工は、図3(a)に示すように、吹付け対象面(切羽11またはトンネル内周面12)と吹付け機4との間に、はね返り材回収装置3(回収シート38)を配置した状態で行う。
はね返り材CHの回収には、はね返り材回収装置3を利用する。はね返り材回収装置3は、吹付け対象面(切羽11またはトンネル内周面12)と吹付け機4との間に回収シート38を配設しておくことにより、吹付けコンクリート21の吹付け時に生じるはね返り材を直接受け止める。
可動式アーム37の基端部は、本体部31に回動可能に取り付けられている。すなわち可動式アーム37は、上下左右へ回動可能である。また、一対の可動式アーム37,37の基端部には回収容器35が配設されている。可動式アーム37は、図5に示すように、複数のアーム部材37a,37b,37cを連結することにより構成されている。アーム部材37a,37b,37c同士は、回転可能に連結されている。すなわち、可動式アーム37は、折り畳み可能に構成されている。可動式アーム37は、はね返り材回収装置の移動時には折り畳んだ状態とし、はね返り材回収時は伸ばした状態で使用する。なお、可動式アーム37を構成するアーム部材の数(折れ点)は限定されるものではない。また、アーム37は、必ずしも可動式である必要はなく、また、必ずしも折り畳み可能に構成されている必要はない。また、可動式アーム37は、伸縮可能に構成されていてもよい。さらに、受部32は、3本以上の可動式アーム37を有していてもよい。
はね返り材CHは、急結剤が含有されているため、互いに付着した状態で大きな塊となっている場合が多い。はね返り材CHの分解とは、モルタルペーストを介して互いに付着した塊を骨材として使用し得る大きさに分解することである。このとき、骨材分(砕石や礫等)が破砕されないように行うのが望ましい。本実施形態では、図3(b)に示すように、はね返り材CHの分解に、バックホウアタッチメント式の破砕装置M2を利用する。仮置き場SYにおいて、バックホウM1(破砕装置M2)によりはね返り材CHをすくった後、破砕装置M2により分解する。なお、はね返り材CHの分解に使用する装置は限定されるものではなく、例えば、コンクリートクラッシャを使用してもよい。
分解された再生骨材G1は、表面にモルタルペーストが付着していてもよいし、モルタルペーストがはがれていてもよい。なお、分解された個々の再生骨材G1には、複数の砂分や礫分等が含まれていてもよい。
本実施形態では、水平型振動ふるいM3によりふるい分けを行い、細粒分G11を分離する。本実施形態では、篩目13.2mm〜4.75mmの範囲内でふるい分けする。なお、篩目は前記の範囲に限定されるものではなく、適宜設定すればよい。
骨材製造工程S4において製造された再生骨材G1を水平型振動ふるいM3に投入し、細粒分G11とその他(以下、「粗粒分」という)G12に分離する。なお、再生骨材G1のふるい分けに使用するふるい機は限定されるものではなく、例えば、傾斜型振動ふるいや横振り式ふるい等を使用してもよい。また、再生骨材G1は、細粒分G11と粗粒分G12の2種類に分級する場合に限定されるものではなく、3つ以上のグループに分級してもよい。分級された再生骨材G11,G12は、それぞれ貯蔵施設に搬送する。
本実施形態では、再生骨材G1に吸水させた状態で貯蔵する。貯蔵施設SSに搬送された再生骨材G1は、細粒分G11と粗粒分G12に分けた状態で貯蔵する。
なお、吸水貯蔵工程S6は、必要に応じて実施すればよい。例えば、骨材製造工程S5において製造された再生骨材G1を、直接ミキサーに投入する場合には、注水貯蔵工程S6は省略してもよい。
必要な量の再生骨材G1を貯蔵施設SSから徴収し(取り出し)、セメント系固化材Cや水W等と混合してセメント系材料(吹付け材のベースコンクリート)を製造する。本実施形態では、ベースコンクリートの骨材使用量のうちの50体積%以下に再生骨材G1を使用する。なお、セメント系材料の配合は限定されるものではなく、適宜設定すればよい。
材料製造工程S7において製造されたセメント系材料は、支保工程S2における鏡吹付けのベースコンクリートとして使用する。なお、セメント系材料は、トンネル内周面12(側壁や天端等)の吹付け材のベースコンクリートに使用してもよい。
以下、掘削工程S1〜材料製造工程S7を繰り返し、所定延長のトンネルを形成する。
はね返り材回収装置3は、本体部31が回転可能に構成されているため、はね返り材回収装置3を移動させることなく、トンネル内周面12に対する吹付け時と、鏡吹付け時とのはね返り材CHの回収に利用することができる。そのため、各設備機器の配置換えや位置決めに要する手間を低減することができる。
例えば、前記実施形態では、トンネル工事においてはね返り材回収装置を使用する場合について説明したが、はね返り材回収装置は、トンネル工事に限らず、あらゆる吹付け工事に使用することができる。例えば、法面吹付けに使用してもよい。
また、回収したはね返り材の用途は、吹付け材(吹付けコンクリート)の骨材に限定されるものではない。例えば、路盤材として使用してもよい。
トンネルの断面形状や断面寸法等は限定されるものではなく、地山状況やトンネルの用途等に応じて適宜決定すればよい。
2 支保工
21 吹付けコンクリート
3 はね返り材回収装置
31 本体部
32 受部
37 アーム
38 回収シート
4 吹付け機
41 吹付けノズル
5 クローラダンプ
Claims (3)
- コンクリート吹付け時のはね返り材を回収するはね返り材回収装置であって、
自走手段と、前記自走手段に固定された本体部と、前記本体部に支持された受部と、を備えており、
前記本体部は、前記自走手段に固定された基部と、前記基部に対して縦軸を中心に回転可能に取り付けられた回転部と、を備えていて、
前記受部は、前記本体部から延びる2本以上のアームと、前記アームに保持された回収シートと、を備えており、
前記アームは、前記回転部から延びていることを特徴とする、はね返り材回収装置。 - 前記アームは、可動式であり、かつ、伸縮または折り畳み可能であることを特徴とする、請求項1に記載のはね返り材回収装置。
- 請求項1または請求項2に記載のはね返り回収装置を利用した吹付け工法であって、
吹付け対象箇所の下部に回収シートを広げる作業と、
前記回収シートの上方に配設された吹付けノズルから前記吹付け対象箇所に吹付け材を吹き付ける作業と、
前記回収シートに落下したはね返り材を回収する作業と、を備えることを特徴とする吹付け工法。
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