JP3706094B2 - 土質改良システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、土砂を受け入れて土質改良材と混合し改良土を生成する自走式土質改良機械を備えた土質改良システムに関し、さらに詳しくは、改良土高品質化、システム稼働効率向上、及びスペース効率向上の観点から最適化を図った土質改良システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平9−195265号公報
【0003】
例えば、ガス管等の埋設工事、上下水道工事、及びその他の道路工事・基礎工事等においては、掘削により発生したいわゆる建設発生土をそのまま埋め戻すのが望ましい。しかし、建設発生土が埋め戻しに適さない場合(例えば、岩石・煉瓦片・コンクリート片・金属その他の異物が多量に含まれている場合や、粘性の高い粘土質の土や風化が進行し過ぎた土など、土質そのものが軟弱でそのまま埋め戻すと地盤沈下等が発生するおそれのある場合)には、土質改良プラントに設けた定置式の土質改良システムにおいて建設発生土に例えば石灰やセメント等を主成分とする土質改良材(固化材)を混合して固化させ、再利用可能な良質の土に改良(改質)した後に掘削箇所を埋めることが行われている。
【0004】
このような土質改良システムにおいて、例えば特開平9−195265号公報の図8に記載のように、土質改良システム内に、自力走行可能で機動性に優れた自走式土質改良機械を備えたものが既に提唱されている。
【0005】
この土質改良システムは、土砂を受け入れて土質改良材と混合し、改良土を生成する自走式土質改良機械と、この自走式土質改良機械に土砂を投入する自走式投入機械(油圧ショベル)と、前記自走式土質改良機械から排出される改良土を搬送する定置式コンベア(1次コンベア)と、この搬送された改良土を積み込んで搬出するダンプトラックとから構成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来の土質改良システムでは、自走式投入機械で投入した土砂を自走式土質改良機械で土質改良材と混合して改良土とし、この改良土を定置式コンベアで搬送してダンプトラックに積み込み、搬出するようになっている。
【0007】
しかしながら、上記従来技術には、以下の課題が存在する。
【0008】
(1)高品質化のニーズ
近年、再生資源促進法(いわゆるリサイクル法)の施行(平成3年10月)といった廃棄物再利用促進の背景の下、掘削発生土の土質改良のニーズが高まっており、土質改良の対象となる土砂の性質や状態が極めて多種多様化するようになっている。そのため、原料となる土砂(例えば市街地等で生じた残土)中に、例えば、砂含量が多く粘着度合いが低い砂質土や、粘着性の高い粘土というように、土質そのものが大きく異なったものが含まれるようになっている。さらにそれぞれの中で含水量が異なるものが混在したり、さらに粘土状の土が圧縮されて塊状となったものとが混在する場合もある。
【0009】
一方、上述した廃棄物再利用促進という背景の下、リサイクル品(土砂製品・半製品)である改良土の品質向上に対するニーズも高まっており、上記のような多種多様な性質・状態の発生土から常に高品質(粒度が所定範囲内に揃った)改良土が求められるようになってきている。
【0010】
しかしながら、前記特開平9−195265号公報の図8に記載の従来技術のように自走式土質改良機械のみを用いてリサイクル品としての改良土を生産しようとする場合、機器搭載スペースに制約がある等の理由により、自走式土質改良機械の性能が上記のような近年の傾向に対応するには必ずしも十分ではない可能性がある。そのため、前記のように多種多様な土砂がホッパに投入された場合、自走式土質改良機械の排出コンベア(1次コンベア)で排出されてくる改良土の品質が上記近年の高品質のニーズを満たすのには必ずしも十分でない可能性がある。品質のニーズの一例としては、埋め戻し材の粒度分布の規格として行政側が定めるものとして、例えば、東京都13mm以下、愛知県25mm以下、大阪府20mm以下等があるが、自走式土質改良機械のみで土質改良作業を行う場合、改良土中にこのような粒度上限を超えるものが多数混じった粒度分布となり、規格を満たすことができない可能性がある。このような場合、要求される品質に満たないものはそのまま産業廃棄物として処分することとなるため、廃棄物量の増大を招き、廃棄物再利用促進の機運に逆行することとなる。
【0011】
なお、上記従来技術では、土砂ホッパ上部に、土砂を粒度に基づき選別して土砂ホッパへ供給する篩をさらに設けているが、この篩は異物除去を主目的としており、実質的に上記品質向上にあまり役立つものではない。
【0012】
以上説明したように、上記特開平9−195265号公報の図8に記載の従来技術のように自走式土質改良機械のみを用いて改良土を生産する手法では、リサイクル原料となる土砂の性質や状態が多種多様である場合には、産業廃棄物の増大を招くことなく改良土の高品質化を図るのは困難であり、近年の新たなニーズに応じつつ廃棄物再利用促進を図ることはできない。
【0013】
(2)自走式選別機械
上記(1)のように、産業廃棄物の増大を招くことなく土砂製品の高品質化を図るためには、改良土を粒度に応じて選別する例えば篩い等を備えた選別機械が必要である。
【0014】
【特許文献2】
特開平10−43690号公報
【特許文献3】
特開平8−299907号公報
【0015】
ここで、改良土を選別対象とするものではないが、自走式破砕機によって破砕された破砕物を選別対象とするものとして、例えば、特開平10−43690号公報や特開平8−299907号公報に記載の自走式選別機械が既に提唱されている。
【0016】
特開平10−43690号公報の自走式選別機械は、本体フレームと、この本体フレームの長手方向一方側(この場合、後方側)に設けられ、土砂を導入してその粒度に応じて複数の群に選別する篩い手段と、この篩い手段で選別した複数の土砂の群のうちの1つの群を前記本体フレームの長手方向他方側(この場合、前方側)に排出する排出コンベアと、前記本体フレーム長手方向一方側に設けられ、少なくとも前記排出コンベアを駆動する動力源を備えた動力体(パワーユニット)とを備えており、前記篩い手段の上部及び該篩い手段へ破砕物を導入するためのホッパが、前記動力体の上方にかぶさるように配置されている。
【0017】
特開平8−299907号公報に自走式選別機械は、本体フレームと、この本体フレームの長手方向一方側(この場合、前方側)に設けられ、土砂を導入してその粒度に応じて複数の群に選別する篩い手段と、この篩い手段で選別した複数の土砂の群のうちの1つの群を前記本体フレーム長手方向一方側(前方側)に排出する排出コンベアと、前記本体フレーム長手方向他方側(この場合、後方側)に設けられ、少なくとも前記排出コンベアを駆動する動力源を備えた動力体(パワーユニット)と、前記本体フレームの長手方向側他方側(後方側)から導入した破砕物を前記長手方向一方側(前方側)に位置する前記篩い手段へ搬送する導入コンベアとを備えている。
【0018】
(3)土砂改良システムの最適化
上記(1)のニーズに対応するために、前述の特開平9−195265号公報の図8に開示の土砂改良システムに対し、選別対象は異なるが、上記(2)で述べた特開平10−43690号公報や特開平8−299907号公報に記載の自走式選別機械を組み合わせることが考えられなくもない。
【0019】
この場合、上記特開平9−195265号公報の図8における定置式コンベアとダンプトラックとの間に(あるいは定置式コンベアに代えて)当該自走式選別機械を配置し、定置式コンベアから導入した改良土を選別した後にダンプトラックに排出することになるが、この場合でも、システムとして見た場合に改良の余地がある(最適化が十分でない)という課題が存在する。以下、この課題を詳細に説明する。
【0020】
(3−1)最適化のための第1要素(システム稼働率の向上)
通常、改良対象となる土砂(建設発生土)は主として公共土木工事現場で発生するが、公共土木工事が多いのは主に市街地や人口密集地帯のある都市部及びその近郊であるため、土質改良プラントも都市部やその近郊あるいはそれらになるべく近いところに設けることが望ましい。
【0021】
しかしながら、土木工事現場からは常時一定量の土砂が排出されるのではなく、一時的に大量の土砂が発生することになり、これらの土砂が一度に土質改良プラントに搬入されることになる。また、その土木工事現場では、掘削した土砂の量に概略見合った量の改良土が要求されるが、建設発生土が発生する工程と、改良土を搬入する工程との間に時期的なずれがあり、しかもこのずれは工事の種類や進捗状況等により必ずしも一定ではない。また、当該工事が終了してしまえば、その現場からは発生土の供給もなく、また改良土の需要も全てなくなってしまう。一方、公共工事という性格上、発生土の供給及び改良土の需要の季節変動も大きく、冬場・春先は土砂が比較的多く持ち込まれ(特に年末と年度末に集中する)フル稼働となるものの夏場は土砂が極端に少なくなる。
【0022】
すなわち、大量に発生土が搬入された時には、土質改良システムはフル稼動となるが、土砂の搬入量が減少すると稼動率が低下し、さらに土砂の搬入が途絶えるとシステムの稼働は休止せざるを得ない。また、改良土の貯留スペースが満杯になってしまうと、ある程度改良土が搬出されてその貯留スペースに余裕が生じるまではシステムを休止させなければならない。要するに、プラントにおける土質改良システムの稼動率は、土砂の供給と、改良土の需要との関係で大きく変動することになる。
【0023】
以上のことから、改良対象となる土砂(建設発生土)の土質改良システムへの搬入量及び搬出量の変動を抑制し、システムの稼働率を安定化(向上)するには、できるだけ多数の土木工事現場から土砂を集積するようにし、改良土の供給先も広いエリアに及ぶようにしなければならない。そのため、多数の現場から集積した土砂やそれを改良した改良土を大量にストックしておくストックヤードや貯留スペースが必要となり、比較的広大な面積が必要となるため、土質改良プラントを都市部やその近郊に設置するのは困難になる。また、プラント内への土砂搬入用又は改良土搬出用のダンプトラックの煩雑な入退場や公道への泥引き(タイヤ痕)の発生、あるいはダンプトラックが頻繁に通行することによる交通公害(渋滞、排気ガス汚染等)、作業時にシステムから出る騒音等によって、周辺住民から苦情が発生したり稼働時間が制限されたりする場合もあり、この意味でも都市部やその近郊に設置するのは困難となる。
【0024】
その結果、土砂発生箇所(実際の施工現場)から土質改良プラントまでの運搬距離が遠くなり、改良土の製造コストに占めるトラック輸送コストの割合が高くなり、施工経費が増大する可能性がある。この場合、土質改良を行って再利用するよりも新たな土砂(改良土)を購入するほうが経費節減となる可能性があるため、土質改良システムの処理能力に見合った土砂を集めきれず、結局、システムの稼働率の低下を招く可能性がある。また、改良コストが高いということから、土砂の不法投棄等の頻発を招き、前述の廃棄物再利用促進を図れなくなる可能性もある。
【0025】
以上の点を鑑み、本願発明者等が検討したところによれば、小規模プラントを、都市部やその近郊に近い場所に広域分散設置するのが好ましいことがわかった。
【0026】
すなわち、小規模プラントであれば、設置面積は低減され、作業時の騒音やトラック輸送に伴う問題も低減されることから、都市部やその近郊に近い場所であっても比較的設置しやすい。そこで、このような多数の小規模プラントを広い地域にわたって分散して設置すれば、土木工事現場側でプラントを適宜選択することで発生土及び改良土の輸送距離を著しく短縮でき、前述のコスト高騰による廃棄物再利用低下の問題を解消できる。
【0027】
このとき、前述のように個々のプラントでは建設発生土の供給及び改良土の需要はある程度変動しうるが、それら多数のプラント全体で見れば変動幅は小さい(例えばいずれか1つのプラントには常時建設発生土が搬入され、いずれか1つのプラントからは改良土が搬出されるようにできる)。そこで、小規模プラントの各々に各種機械からなる土質改良システムを設置するのではなく、すべて自走式の機械として機動性を高めた1つの土質改良システムを用意し、これを共通のシステムとして適宜必要なプラントに運搬して使い回すようにすれば、システムを構成する機械を最大限有効に利用し、システムの稼働率を向上することができる。
【0028】
またこの場合、各プラント固有の格別な施設の設置は不要となり、単なるヤードがあれば足りるので、一時的な遊休地であっても土質改良プラント用地として利用できる。
(3−2)最適化のための第2要素(スペース効率の向上)
上記(3−1)にて説明したように、小規模プラントを、都市部やその近郊に近い場所に広域分散設置する場合、土質改良プラントの用地面積は限られたものとなる。その限られたスペースの中で最もスペース効率が高くなる(有効利用できる)のは、土砂のストックヤードや改良土の貯留スペースを設けず、用地スペースのほぼ全域にわたって土質改良システムの各種機械を配置し、例えばシステムの一方側(投入側)にダンプトラックで建設発生土を搬入するとほぼ同時に他方側(排出側)にもダンプトラックを用意して順次改良土を積み込んでいく方式である。
【0029】
しかし、上記(3−1)で述べたように、一般に土木工事現場では、建設発生土が発生する工程と改良土を搬入する工程ととの間に時期的なずれがあるのに対し、上記の方式では建設発生土受け入れと改良土引き渡しを常にほぼ同時に行わなければならなくなるため、稼動の弾力性に欠け、現実的でない。
【0030】
一方、小規模プラントの用地スペース内に、通常の大規模プラントと同様に、建設発生土のストックヤード、土質改良システムの各種機械の配置スペース、改良土の貯留スペースの3つを設定すれば、建設発生土受け入れと改良土引き渡しは同時期に行う必要はなくなり、ある程度稼動の弾力性を確保できる。しかしながら、土質改良作業の開始時には、上記3つのスペースのうち改良土の貯留スペースは遊休空間となり、土質改良作業の終了時には、上記3つのスペースのうち建設発生土のストックヤードが遊休空間となり、これら遊休空間は無駄なスペースとなってしまう。すなわち、スペース効率が低下する。
【0031】
以上の点を鑑み、本願発明者等が検討したところによれば、各小規模プラントにおける土質改良システムの稼働時には、上記したような各種自走式機械の機動性を活かし、移動しながら土質改良作業を行うのが好ましいことがわかった。
【0032】
すなわち、改良対象である土砂の量と、この土砂を改良した改良土の量は大差ないことに着目して、プラント用地の例えば一方側(投入側)に建設発生土のストックヤードを構築しておき、用地の他方側(排出側)に土質改良システムの各種機械を配置し、この状態で土質改良作業を開始する。
【0033】
そして、土質改良作業の進行とともにストックヤードの土砂の一部が投入されてその分のスペースが空いたら、その空いたスペースに向かって(すなわち前記の例では投入側に向かって土質改良システムの各種機械を自走させて移動させる。これによって、その移動した分移動した方向と反対側(前記の例では排出側)に新たにスペースが生まれるので、そのスペースに前記一部の土砂を改良して生成した改良土を積載貯留する。このようにして、土質改良システムを徐々に(前記の例では投入側に)移動させつつ土質改良作業を行う。
【0034】
そして、すべての土質改良作業が終わった状態では、プラント用地の例えば一方側(投入側)に土質改良システムの各種機械が移動完了し、用地の他方側(排出側)に改良土の貯留スペースが構築されることになる。
【0035】
以上のように土質改良システムを移動しながら土質改良作業を行い、土質改良作業開始時に建設発生土のストックヤード用に利用したスペースのうち少なくとも一部を、改良土の貯留スペースに転用し有効活用することにより、前述のように建設発生土のストックヤードと改良土の貯留スペースとの共用化が一切なく互いに作業開始時又は終了時に遊休空間となってしまう場合に比べて、遊休空間を低減することができ、スペース効率を著しく向上できる。
【0036】
なお、岩石・建設廃材等の被破砕物を破砕して破砕物を生産する破砕プラントと異なり、土質改良プラント固有の背景として、その対象は改良前も改良後も土砂であってその量(体積)が膨大となる。そのため、建設発生土や改良土はプラント用地内の比較的広い面積にわたって分布する。そして、自走式投入機械、自走式土質改良機械、自走式選別機械を備えた土質改良システムの稼働中において自走式土質改良機械及び自走式選別機械が移動しないまま作業を行うとすると、自走式投入機械は、前記広い面積にわたって分布する建設発生土のすべてを投入するために、自走式土質改良機械から離れた遠い場所まで走行して土砂をすくいとり、再び自走式土質改良機械まで戻ってくる必要が生じ、この走行時間がロスとなって作業効率が低下する。また、改良土の量が膨大となることから、自走式選別機械で選別され排出コンベアから排出された改良土が排出コンベア下方の空間を短時間で埋めてしまい、作業を中断する必要が生じてこれによっても作業効率が低下する。
【0037】
このような土質改良システム特有の問題に関しても、上記のように土質改良システムを移動しながら土質改良作業を行うことにより解決することができる。
【0038】
(3−3)最適化された土質改良システム
以上(1)、(3−1)、及び(3−2)で説明したように、改良土の高品質化、システムの稼働率向上、及びスペース効率向上の観点から総合的に最適化された土質改良システムは、以下のような使用形態となることがわかった。
(a):小規模プラントが、都市部やその近郊に近い場所に広域分散設置される。
(b):土木工事現場からの建設発生土が、ダンプトラック等により当該現場より最も近い小規模プラントに搬入され、そのプラント用地の投入側にストックヤードが構築される。
(c):全小規模プラント共通の土質改良システムを選別機械を含みすべて自走式機械で構成し、各小規模プラントに適宜運搬して使い回す。
(d):任意のプラントに所定量の土砂が集積したら、土質改良システム
の各種機械を当該プラント用地の一方側に搬入して配置し、他方側に自走移動させつつ土質改良作業を行うことにより、作業開始時に土砂のストックヤードだったスペースの少なくとも一部を、改良土の貯留スペースとして活用する。その後、改良土をプラント用地内の貯留スペースに残したまま、土質改良システムは他の小規模プラントへ運搬される。
(e):後の適宜の時期に、上記貯留スペースの改良土をダンプトラック等により当該プラントから最も近い土木工事現場へと搬出する。
(3−4)従来技術を組み合わせたときの課題
しかしながら、前述の特開平9−195265号公報の図8に開示の土砂改良システムにおいては、改良土を定置式コンベアを介しただちにダンプトラックに積み込むようになっているため、この図8の土砂改良システムに対し特開平10−43690号公報や特開平8−299907号公報に記載の自走式選別機械を組み合わせたとしても、上記近年のニーズに対応して改良土高品質化、システム稼働率向上、及びスペース効率向上の観点から最適化され、上記(a)〜(e)のような形態で用いられる土質改良システムの技術思想とはなり得ない。
【0039】
(4)自走式選別機械単体としての課題
ところで、以上のような土質改良システムにおいての使用を前提とした場合、前述の特開平10−43690号公報や特開平8−299907号公報に記載の自走式選別機械には、以下のような課題が存在する。
【0040】
すなわち、特開平10−43690号公報の自走式選別機械では、動力体と排出コンベアとを互いに本体フレームの反対側に配置している。この結果、投入側と排出側との分離性を確保するために、篩手段を前記動力体と前記排出コンベアとの中間部から動力体の上方にかぶさるように配置するとともにさらに篩手段の上方に導入補助用のホッパを設けている。そのため、動力体越しに篩手段へ選別対象物(土質改良システムへの適用時には例えば改良土)を投入するとき、その投入位置が比較的高くならざるを得ない。
【0041】
したがって、前述のように自走式投入機械及び自走式土質改良機械を備えた土質改良システムに組み合わせて自走式土質改良機械からの改良土を受け入れて選別する場合、自走式土質改良機械の設置面を他の機械の設置面よりも高くする(例えば、プラント用地内に土砂を積上げて高台を作成する)必要がある。そのため、上記(3−2)で説明した土質改良システムの稼働時に移動しながら土質改良作業を行うことが困難となり、スペース効率の向上が困難となる。
【0042】
あるいは、自走式土質改良機械から排出された改良土を一旦地表に堆積させた後、別途設けた自走式選別機械への投入用の他の自走式投入機械にて投入するか、若しくは別途設けた搬送コンベアで自走式土質改良機械から排出された改良土を受け入れ自走式選別機械の前記ホッパへ搬送することも考えられるが、これらの場合、その新たに加わる前記他の自走式投入機械又は前記搬送コンベアの設置スペースが別に必要となるため、同様にスペース効率の向上が困難となる。
【0043】
さらに、動力体にはエンジン及びこれに駆動される油圧ポンプが備えられているが、上述のように土質改良システムへの適用時にはこの動力体越しに改良土を投入することとなるため、改良土から発生する粉塵がエンジン駆動用の吸気やエンジン冷却用の吸気に混入しやすい。そのため、それら吸気通路に通常設けられるフィルタの目詰まりを促進し、フィルタ交換等のメンテナンス周期が早くなる。メンテナンスの頻度が増大することで、実質稼動時間が短くなるため、生産性向上が困難となる。
【0044】
一方、特開平8−299907号公報の自走式選別機械では、動力体と排出コンベアとを互いに本体フレームの反対側に配置するとともに、篩手段をコンベアの上部に配置することで上記特開平10−43690号のような投入位置高さ増大による諸問題を回避している。しかしながら、その際、投入側と排出側との分離性を確保するために、本体フレームの動力体側外方に離れた下方位置で選別対象物(改良土)を導入し動力体上方を通過して本体フレームの反対側にある前記篩い手段へ搬送する長尺の導入コンベアを設置している。この結果、自走式選別機械全体の長さが著しく長くなるため、その分自走式選別機械の設置スペースが広く必要となるため、スペース効率の向上が困難となる。
【0045】
本発明の第1の目的は、改良土高品質化、システム稼働効率向上、及びスペース効率向上の観点から最適化を図った土質改良システムを提供することにある。
【0047】
【課題を解決するための手段】
(1)上記第1の目的を達成するために、本発明の土質改良システムは、土砂を受け入れて土質改良材と混合し、改良土を生成する自走式土質改良機械と、この自走式土質改良機械に土砂を投入する自走式投入機械と、前記自走式土質改良機械の排出コンベアの排出端下方に篩ユニットが位置可能であり、前記自走式土質改良機械によって改良処理された改良土を前記篩ユニットで受け入れて、改良土の粒度に応じて複数の群に選別し、少なくとも1つの群を他の群と異なる位置に排出する自走式選別機械とを有し、 前記自走式選別機械は、前記排出する複数の改良土の群のうち、第1の群若しくは第2の群を該自走式選別機械の幅方向一方側に排出し、第3の群を該自走式選別機械の前後方向一方側に排出するように、前記自走土質改良機械の長手方向に対して略一直線上となるように配置したことを特徴とする。
【0048】
自走式投入機械、自走式土質改良機械に加えて自走式選別機械を設けることにより、リサイクル原料となる土砂の性質や状態が多種多様である場合であっても、その土砂を元に自走式土質改良機械で生成された改良土に対し、粒度に応じた選別を行い複数の群に選り分けて排出することができる。これにより、改良土の高品質化を図ることができ、従来構造のように産業廃棄物の増大を招くこともない。
【0049】
このとき、自走式の選別機械とすることにより、投入機械、土質改良機械、選別機械のすべてが自走可能となり、良好な機動性を確保することができる。したがって、トレーラートラック等に積載しての運搬を容易に行えるので、小規模プラントを都市部やその近郊に近い場所に広域分散設置し、各小規模プラントに前記自走式の投入機械、土質改良機械、選別機械を適宜運搬して使い回すといった使い方が可能となる。これにより、システムを構成する各機械を最大限有効に利用し、システムの稼働率を向上することができる。またこのような分散小規模プラントにおける持ち回り土質改良処理とすることにより、工事現場から最寄りのプラントまでの輸送距離を短縮し輸送コストを低減できるので、各プラントへの土砂集積を促進し、これによってもシステムの稼働率を向上できる。
【0050】
さらに、投入機械、土質改良機械、選別機械のすべてが良好な機動性を有することにより、土質改良システム全体を移動しながら土質改良作業を行い、土質改良作業開始時に建設発生土のストックヤード用に利用したスペースのうち少なくとも一部を、改良土の貯留スペースに転用し有効活用することができる。これにより、建設発生土のストックヤードと改良土の貯留スペースとの共用化が一切なく互いに作業開始時又は終了時に遊休空間となってしまう場合に比べて、遊休空間を低減することができるので、スペース効率を著しく向上できる。
【0051】
(2)上記第1の目的を達成するために、本発明の土質改良システムは、土砂を受け入れて土質改良材と混合し、改良土を生成する自走式土質改良機械と、この自走式土質改良機械に土砂を投入する自走式投入機械と、前記自走式土質改良機械の排出コンベアの排出端下方に篩ユニットが位置可能であり、前記自走式土質改良機械によって改良処理された改良土を前記篩ユニットで受け入れて、改良土の粒度に応じて複数の群に選別し、少なくとも1つの群を他の群と異なる位置に排出する自走式選別機械とを有し、 前記自走式選別機械は、前記排出する複数の改良土の群のうち、第1の群若しくは第2の群を該自走式選別機械の幅方向一方側に排出し、第3の群を該自走式選別機械の前後方向一方側に排出するように、前記自走土質改良機械の長手方向に対して略直角となるように配置したことを特徴とする。
【0056】
(3)上記(1)又は(2)に記載の土質改良システムにおいて、前記自走式選別機械から排出される改良土を搬出する移動式コンベアをさらに有する。
【0057】
(4)上記(3)において、前記移動式コンベアは、前記自走式選別機械から排出された改良土を前記自走式土質改良機械の土砂受け入れ側に搬送するように配置されている。
【0058】
(5)上記(1)又は(2)において、前記自走式選別機械から排出される改良土を解砕する自走式解砕機械をさらに有する。
【0072】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の土質改良システム(粒度管理土質改良システム)の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0073】
図1(a)は、本発明の土質改良システムの一実施の形態の全体配置を表す上面図であり、図1(b)は、本発明の土質改良システムの一実施の形態の全体配置を表す側面図である。
【0074】
これら図1(a)及び図1(b)において、この土質改良システムは、土砂を受け入れて土質改良材と混合し、改良土を生成する自走式土質改良機械(自走式混合機)200と、この自走式土質改良機械200に土砂を投入する自走式投入機械(自走式積み込み機)100と、前記改良土を粒度に応じて複数(この例では3つ)の群に選別し、各群を異なる位置に排出する自走式選別機械(自走式篩い分け機)300とを有する。これら自走式投入機械100、自走式土質改良機械200、及び自走式選別機械300は、図1(a)に示すようにそれぞれの長手方向が略一直線上となるように配置されており、また図1(b)に示すようにそれぞれの設置面が略同一高さとなるように(略同一面上となるように)配置されている。
【0075】
図2(a)は、本発明の土質改良システムの一実施の形態を構成する前記の自走式投入機械100の全体構造を表す平面図であり、図2(b)は、本発明の土質改良システムの一実施の形態を構成する前記の自走式投入機械100の全体構造を表す側面図である。
【0076】
これら図2(a)及び図2(b)において、自走式投入機械100は、掘削動作が可能な油圧ショベルであり、通常の建設現場でごく一般的に用いられる自走式のものである。すなわち、走行手段としての無限軌道履帯101aを備えた走行体101と、この走行体101の上部に旋回装置103を介して360°旋回可能に設けられた旋回体102と、この旋回体102に回動自在に接続された多関節型のフロント装置(=旋回体102に基端部が枢支されたブーム105、このブーム105に回動自在に接続されたアーム107、及びこのアーム107に回動自在に接続されたバケット106)とを備えている。
【0077】
上記ブーム105、アーム107、バケット106、旋回体102、走行体101は、運転室108内の操作レバーの操作に応動して、旋回体102上に配置されたパワーユニット(動力体)104内に設けた動力源(エンジン及びこれに駆動される油圧ポンプ、ともに図示せず)からの圧油が対応する油圧シリンダ(図示せず)や油圧モータ(図示せず)に供給され駆動されることにより、それぞれ動作する。これにより、ブーム105、アーム107、バケット106、及び旋回体102は種々の動作(掘削動作、旋回積み込み動作等)を行うことができ、走行体101は、履帯101aを駆動して土質改良プラントの用地(ヤード)内の移動及び運搬用トレーラヘの搭乗・降車を単独で行えるようになっている。
【0078】
そして以上のような構成により、自走式投入機械100は、予め用地内に積載されていた改良対象の建設発生土HDをバケット106内にすくい込んで、必要に応じて自走して運搬し、土質改良機械200の篩ユニット1(後述)を介し土砂ホッパ2へと投入するようになっている。
【0079】
なお、自走式投入機械100は、上記履帯101aに代えて車輪を備えたホイール式の走行体を有する油圧ショベルとしてもよい。あるいは油圧ショベルにも限られず、バケットを備えたフロントフレームと、運転席を備えたリヤフレームとが屈曲して操舵(進行方向の変更)が行われるいわゆるホイールローダとしてもよい。さらには、油圧式以外の動力で動作する機械を用いてもよい。
【0080】
図3(a)は、本発明の土質改良システムの一実施の形態を構成する前記の自走式土質改良機械200の全体構造を表す平面図であり、図3(b)は、本発明の土質改良システムの一実施の形態を構成する前記の自走式土質改良機械200の全体構造を表す側面図である。また、図4は、本発明の土質改良システムの一実施の形態を構成する前記の自走式土質改良機械200の全体構造を表す側面図であり、図3(b)の詳細拡大図に相当するものである。
【0081】
これら図3(a)、図3(b)、及び図4において、自走式土質改良機械200は、この種のものとして公知のものであり、前記自走式投入機械100により改良対象となる土砂が投入され、その土砂を所定の粒度に選別する(詳細は後述)篩ユニット1、この篩ユニット1で選別された土砂を受け入れ一時的に貯留しておく土砂ホッパ2、この土砂ホッパ2から導入された土砂を所定の土質改良材(固化材)と混合して下方へ排出する混合装置(処理槽)3、土砂ホッパ2に受け入れた土砂を前記混合装置3へと搬送して導入する搬入コンベア4、及び前記土質改良材を供給するための土質改良材供給装置5を搭載した土質改良機本体6と、この土質改良機本体6の下方に設けられた走行体7と、混合装置3で混合され下方へ排出された混合物を受け入れて自走式土質改良機械200の後方側(後述する本体フレーム土質改良機取付け部9Aの長手方向の他方側、図4中右側)に運搬し排出(搬出)する排出コンベア8とを有する。
【0082】
前記の走行体7は、本体フレーム9と、左・右無限軌道履帯10とを備えている。本体フレーム9は、例えば略長方形の枠体によって形成され前記篩ユニット1、前記土砂ホッパ2、前記混合装置3、前記土質改良材供給装置5、及び後述のパワーユニット(機械室)79等を載置する車台を構成する土質改良機取付け部9Aと、この土質改良機取付け部9Aと前記の左・右無限軌道履帯10とを接続するトラックフレーム部9Bとから構成される。また無限軌道履帯10は、前記トラックフレーム部9Bに回転自在に支持された駆動輪11及び従動輪(アイドラ)12の間に掛け渡されており、駆動輪11側に設けられた左・右走行用油圧モータ13によって駆動力が与えられることにより自走式土質改良機械200を走行させるようになっている。
【0083】
前記の篩ユニット1は、上下方向振動を含み揺動可能ないわゆる振動篩であり、前記本体フレーム土質改良機取付け部9Aに立設した支持ポスト14の上に設けた支持部材15に、ばね16を介して弾性的に支持された支持枠体17と、この支持枠体17に装着された格子部材(スクリーン、図示せず)と、このスクリーンの振動軸(図示せず)を内部に挿通した回転ドラム(図示せず)を回転駆動させるための駆動力を発生する加振用油圧モータ(図示せず)とを有している。
そして、加振用油圧モータの駆動力を回転ドラムに伝達して回転させ、スクリーンの振動軸を振動させることにより、スクリーン及び支持枠体17が上下方向に振動するようになっている。
【0084】
前記の搬入コンベア4は、前記本体フレーム土質改良機取付け部9Aの長手方向一方側から他方側へ向かって(自走式土質改良機械200の後方へ向かって)所定角度だけ斜めに立ち上がるように傾斜して設けられている。そしてこの搬入コンベア4は、フレーム22と、このフレーム22に支持され図示しない搬入コンベア用油圧モータで駆動される駆動輪23と従動輪(アイドラ)24との間に巻回して設けられた搬送ベルト25と、この搬送ベルト25における搬送面を支持するためのローラ(キャリアローラ)26と、搬送ベルト25の搬送面の下流側端部において幅方向左右両側に設けられた規制板27とを備えている。
【0085】
前記の土砂ホッパ2は、上端部が前記支持部材15に固定して設けられており、その下端部は搬入コンベア4の傾斜角に応じた角度傾斜している。またこの土砂ホッパ2は、篩ユニット1からの円滑な土砂投入時の便宜のため、上方へ向かって拡径となる無底の箱型形状(言い換えれば略角筒形状あるいは枠体形状)となっており、その上下は開口している。
【0086】
このとき、この土砂ホッパ2の前記枠体を構成する四周の側壁(図示せず)のうち、搬入コンベア4の送り方向の下流側に位置する側壁(図示せず)には、高さが前記規制板27の高さとほぼ同じでありかつ幅方向寸法が前記搬入コンベア4の前記搬送ベルト25の幅より若干小さい図示しない土砂供給用開口部(ゲート)が形成されている。そして、土砂ホッパ2は、前記篩ユニット1より上方開口部を介して投入された土砂を搬入コンベア4の搬送ベルト25上に落下させて下流側へと搬送し、このときその搬送ベルト25上を搬送されていく投入土砂のうち前記供給用開口部を通り抜けたもの(=供給用開口部の高さ分だけの量)だけを土砂ホッパ2外へ導出し(引き出し)、混合装置3へと導く。これにより、搬入コンベア4における搬送ベルト25の搬送速度と、土砂供給用開口部の開口面積とにより定まる所定量(土砂ホッパ2にあふれさせない程度となるように予め設定される)の土砂が、土砂ホッパ2から混合装置3へ供給されるようになっている。
【0087】
前記の土質改良材供給装置5は、本体フレーム土質改良機取付け部9A上に立設した4本(または3本)の支柱32上に設けた例えば略長方形状の台板33に支持されている。このとき、前記の搬入コンベア4は、その下流側端部が、前記支柱32,32間にまで延在されており、このような位置関係において、その搬入コンベア4下流側端部の直上にある土質改良材供給装置5によって、土砂ホッパ2から供給された土砂に対し搬入コンベア4上で所定量の土質改良材が添加されるようになっている。
【0088】
土質改良材供給装置5は、所定量の土質改良材を貯留する貯留タンク(固化材ホッパ)34と、この貯留タンク34の下部に連設され、所定量ずつ土質改良材を供給するフィーダ35とを備えている。なお、土質改良材は、改良対象の土質に適合したものが適宜選択され、例えば石灰が使用される。
【0089】
前記の貯留タンク34は、全体が概略円筒形状で内部に土質改良材を貯留する空間を有するものであり、その高さ寸法が可変(詳細は後述)な構成となっている。すなわち、貯留タンク34は、下部側が前記台板33上に設置され、有底筒形の下部タンク部36と、天板部37と、下部タンク部36と天板部37との間に設けた上部側の容積が可変な上部タンク部としての蛇腹部38とから構成される。
【0090】
前記下部タンク部36の底板(図示せず)には、所定の開口径を有する土質改良材供給開口が設けられ、この開口から土質改良材をフィーダ35へ供給するようになっている。
【0091】
前記フィーダ35はいわゆるロータリーフィーダと称されるものであり、その内部に、図示しないフィーダ用モータによって回転駆動されるロータ(図示せず)が設けられている。このロータには複数の隔壁(図示せず)が放射状に設けられており、ロータが所定角度回転する毎に相隣接する隔壁間の空間に相当する分の土質改良材が分離され、その空間の容積分の土質改良材が定量ずつ供給されるようになっている。これにより、前記フィーダ用モータの回転速度を制御することで、土質改良材の供給量(添加率)を制御し、土砂と土質改良材との混合比を正確に一定にできるようになっている。
具体的には、例えば搬入コンベア4による土砂の搬送量を図示しない検出手段で検出し(あるいは排出コンベア8による土砂・土質改良材混合物の量を検出することで間接的に搬入コンベア4による土砂の搬送量を検出しても良い)、その検出量に応じてフィーダ用油圧モータを駆動制御するようになっている。
なお、前記した貯留タンク34を上下に分けて、上部側に蛇腹部38を設けたのは、貯留タンク34による土質改良材の収容量を多くし、かつ自走式土質改良機械200全体をトレーラ等で輸送する際にその高さ寸法を低くするためである。
【0092】
すなわち、前記天板部37に設けた取付板57に支持杆58が垂設されており、前記台板33の各支持杆58の垂設位置に対応する位置にガイド筒59が立設されている。そして、ガイド筒59に設けたピン挿通孔61に対し支持杆58の下方に設けた挿通孔60を一致させた状態にしてストッパピン(図示せず)を挿通させると、蛇腹部38は伸長した作動状態に保持され(図4の状態)、支持杆58の上方に設けたピン挿通孔60を前記ピン挿通孔61と一致させてストッパピンを挿通させると、蛇腹部38は格納状態に保持されるようになっている。
【0093】
前記の混合装置3は、長手方向(=略水平方向)に配置した長方形状容器からなる混合装置本体62と、前記混合装置本体62の前方側上部に設けられ、前記搬入コンベア4からの土砂及び土質改良材供給装置5からの土質改良材を導入する導入口(図示せず)と、前記混合装置本体62の後方側下部に設けられた排出口(図示せず)と、混合装置本体62内に互いに平行に設けられた偶数本(例えば2本の)のパドルミキサ(図示せず)と、駆動力を発生させる混合用油圧モータ72とを有している。
【0094】
前記パドルミキサは、回転軸(図示せず)に攪拌・移送部材としての羽根(パドル、図示せず)を間欠的(例えば周方向に90°ごと、軸方向に所定ピッチごと)に多数設けた構造であり、前記回転軸の後端部は、伝達ギア(図示せず)を介し混合用油圧モータ72の出力軸に連結されている。そして、混合用油圧モータ72を駆動することで、パドルミキサの両回転軸を同時にかつ相互に反対方向に(両回転軸の対向側が上向き回転となるように)回転駆動させ、前記導入口を介し両パドルミキサ間の中央部に導入された土砂及び土質改良材を攪拌しつつ排出口側に向けて移送し、その移送の間にそれら混合物を解砕(粗解砕)しかつ均一に混合して、改良土を製造するようになっている。そして、このようにして製造された改良土は排出口から自重の作用で前記排出コンベア8上に排出されるようになっている。
【0095】
前記の排出コンベア8は、フレーム80と、このフレーム80に支持され排出コンベア用油圧モータ(図示せず)で駆動される駆動輪74及び従動輪(アイドラ、図示せず)との間に巻回して設けられたベルト75と、このベルト75における搬送面を支持するためのローラ(キャリアローラ)81とを備えており、ベルト75を循環駆動することによって前記混合装置3からベルト75上に落下してきた混合物(改良土)を運搬し、自走式選別機械300(図1(a)及び図1(b)参照)へと投入するようになっている。
【0096】
ここで、上記篩ユニット1、搬入コンベア4、混合装置3、排出コンベア8、及び無限軌道履帯10は、この自走式土質改良機械200に備えられる動力源、すなわち原動機としてのエンジン(図示せず)及びこのエンジンによって駆動される少なくとも1つの油圧ポンプ(図示せず)からの動力によって駆動される。
前記油圧ポンプからの圧油は、当該圧油の方向及び流量を制御するコントロールバルブを備えた制御弁装置(図示せず)を介し、前記篩ユニット1、搬入コンベア4、混合装置3、排出コンベア8、及び無限軌道履帯10にそれぞれ対応する前記加振用油圧モータ、前記搬入コンベア用油圧モータ、前記混合用油圧モータ72、前記排出コンベア用油圧モータ、及び前記左・右走行用油圧モータ13へと供給され、これによって対応する油圧モータが回転駆動する。
【0097】
そして、上記エンジン、油圧ポンプ、及び制御弁装置は、いずれも、前記本体フレーム土質改良機取付け部9Aの長手方向他方側端部の上部にパワーユニット積載部材78を介し搭載されたパワーユニット79内に設けられている。
上記構成の自走式土質改良機械200において、前記自走式投入機械100によって前記篩ユニット1に土砂(建設発生土)HDが投入されると、この篩ユニット1で投入土砂をその粒度に応じて選別し(選別工程)、選別された土砂成分を下方の土砂ホッパ2へと導入して受け入れる(受け入れ工程)。土砂ホッパ2で受け入れられた土砂は、その下方の搬入コンベア4の搬送ベルト25上に載置され、自走式土質改良機械後方へ向かって搬送される。そして、搬入コンベア4の搬送方向下流側端部近傍にて、その搬送土砂の表面に土質改良材供給装置5から所定量の土質改良材が加えられ(固化材供給工程)、これらの混合物が混合装置3へと導入される。混合装置3へ導入された土砂及び土質改良材は、混合装置本体62内のパドルミキサで均一に攪拌混合され、改良土となって排出コンベア8のベルト75上に排出される(混合工程)。そして、改良土は排出コンベア8によってさらに自走式土質改良機械後方へと運搬され、最終的に自走式土質改良機械後部から排出(搬出)され(排出工程)て、自走式選別機械300(図1(a)及び図1(b)参照)へと直接投入される。
【0098】
このとき、以上の土質改良動作については、この自走式土質改良機械200に備えられた制御装置50(図3(a)、図3(b)のにみ概略的に図示)の行う公知の自動制御によって、上記篩いユニット1、搬入コンベア4、土砂改良材供給装置5、混合装置3、及び排出コンベア8等の各機器は、連続・連動の自動運転ができるようになっており、これによって自動運転中には操作者は不要となっている。
【0099】
また、上記走行体7は、無限軌道履帯10を駆動することにより、土質改良プラントの用地内の移動及び運搬用トレーラヘの搭乗・降車を単独で行える。
【0100】
なお、自走式土質改良機械200は、上記無限軌道履帯10に代えて車輪を備えたホイール式の走行体を有するものとしてもよい。さらに、上記攪拌混合方式の混合装置3において、撹枠手段としてのパドルミキサ47を用いたいわゆるミキシング方式で土砂及び土質改良材の混合を行ったが、これに代えて、例えば前述の特開平9−195265号公報のように回転打撃子を用いたいわゆる解砕方式による混合装置でも良い。
【0101】
図5(a)は、本発明の土質改良システムの一実施の形態を構成する前記の自走式選別機械300の全体構造を表す平面図であり、図3(b)は、本発明の土質改良システムの一実施の形態を構成する前記の自走式選別機械300の全体構造を表す側面図である。また、図6は、本発明の土質改良システムの一実施の形態を構成する前記の自走式選別機械300の詳細構造を表す側面図であり、図5(b)の詳細拡大図に相当するものである。
【0102】
これら図3(a)、図3(b)、及び図4において、自走式選別機械300は、前記自走式土質改良機械200の排出コンベア8により改良処理済みの改良土が投入され、その改良土を粒度に応じて複数の群(この例では3つの群)に選別する(詳細は後述)篩い手段としての篩ユニット301(振動選別機械)を搭載した選別機本体307と、この選別機本体307の下方に設けられた走行体302と、前記篩ユニット301で選別された前記3つの群のうち最も粒度の小さいもの(第1の群)をホッパ(シュート)317を介し導入して受け入れ、自走式選別機械300の後方側(後述する本体フレーム選別機取付け部304Aの長手方向の他方側、図6中右側)に運搬し排出(搬出)する排出コンベア303とを有する。
【0103】
前記の走行体302は、本体フレーム304と、左・右無限軌道履帯305とを備えている。本体フレーム304は、例えば略長方形の枠体によって形成され前記篩ユニット301及び後述のパワーユニット(動力体、あるいは機械室)329等を載置する車台を構成する選別機取付け部304Aと、この選別機取付け部304Aと前記の左・右無限軌道履帯305とを接続するトラックフレーム部304Bとから構成される。また無限軌道履帯305は、前記トラックフレーム部304Bに回転自在に支持された駆動輪306a及び従動輪(アイドラ)306bの間に掛け渡されており、駆動輪306a側に設けられた左・右走行用油圧モータ(図示せず)によって駆動力が与えられることにより自走式選別機械300を走行させるようになっている。
【0104】
前記の篩ユニット301は、上下方向振動を含み揺動可能な傾斜型振動篩であり、前記走行体302による走行、登坂、降坂等の動作に支障のないように本体フレーム304の長手方向一方側(前方側、図6中左側)に設けられている。
【0105】
図7は、本発明の土質改良システムの一実施の形態を構成する前記の自走式選別機械300の詳細構造を表す平面図であり、図5(a)の詳細拡大図に相当するものである。また図8は、図7中A方向から見た矢視前面図である。
【0106】
これら図7及び図8において、前記篩いユニット301は、前記本体フレーム選別機取付け部304Aに対し(あるいは本体フレーム選別機取付け部304A上に設けた支持部材312,313に対し)ばね314,314を介して弾性的に支持された支持枠体308と、この支持枠体308内に上・下2段にそれぞれ装着された上部格子部材(上篩い部材、あるいは上スクリーン)309及び下部格子部材(下篩い部材、あるいは下スクリーン)310と、上・下スクリーン309,310の振動軸(図示せず)を内部に挿通した回転ドラム(起振器)318に対し、発生した駆動力をベルト316を介して伝達して回転駆動させる加振用油圧モータ315と、上・下スクリーン309,310上を流れてきた改良土(=前記3つの群のうち最も粒度の大きいもの及び中間の粒度のもの)を導入し、収集してそれぞれ導出する上・下シュート(排出口)311A,311Bと、前記上・下シュート311A,311Bから導入された改良土を導入して受け入れ、自走式選別機械300の幅方向一方側(図7、図8中左側)及び幅方向他方側(図7、図8中右側)に運搬し排出(搬出)する上・下サイドコンベア320,321とを有している。
【0107】
前記の上・下スクリーン309,310はそれぞれ、例えば格子状または網状構造(金網、鋼板打ちぬきや樹脂成型による多孔板、いわゆるハープ型(鉄格子状)等)となっており、自走式選別機械300の長手方向の中間部から長手方向の一端部(図6中左端部)まで、走行体302による走行前後方向において後述のパワーユニット329から離れる方向に(走行前進側、図6中左方に向かって)下り傾斜となるように配置されている。またこれらスクリーン309,310は、その格子状又は網状構造の間にある間隙(図示せず)の寸法に基づき、前記自走式土質改良機械200から導入された改良土を目標粒度以下であるものと目標粒度より大きいものとに選別し(但し目標粒度の設定は上スクリーン309よりも下スクリーン310のほうが小さくなっている)、目標粒度以下であるものを前記間隙から落下させるとともに目標粒度より大きいものを図6中左側へ流下させ排出するようになっている。
【0108】
すなわち、加振用油圧モータ315の駆動力を回転ドラム318に伝達して回転させ、上・下スクリーン309,310の振動軸を振動させることにより、上・下スクリーン309,310及び支持枠体308が上下方向に振動し、上記大小2つの目標粒度に応じて3つの群に篩い分ける選別機能を実行するようになっている。
【0109】
なお、ベルト316を介さず、加振用油圧モータ315を直接回転ドラム318に取りつける構造でも良い。また、上・下スクリーン309,310の代わりに、1枚の(又は複数枚重ねられた)鋸歯状プレートで構成してもよい。この場合、鋸歯間の間隙寸法を上記のように設定すると共に、鋸歯の先端側がサイドコンベア320,321側で根元側がパワーユニット329側となるように配置すればよい。
【0110】
前記支持枠体308は、開閉可能な点検口319を複数備えており、篩いユニット301の動作停止時に、この点検口319を開放することにより、上・下スクリーン309,310(特に下スクリーン310の表面)の清掃が容易に実施できるようになっている。このとき、上・下スクリーン309,310のうち1つを取り去っていずれか片方のみ使用することも可能な構造となっている。この場合、2つの群への篩い分けとなる。逆に、スクリーンをさらに増設して3枚以上とし、これに応じてサイドコンベアあるいは排出コンベアを増設すれば、4つ以上の群にふるい分けできる。いずれにしても、スクリーンの数に応じた(スクリーン数+1)個数の群に選別可能となる。
【0111】
前記サイドコンベア320,321は、自走式選別機械300の幅方向中心部から前記幅方向の一方側(図8中左方側)及び他方側(図8中右方側)へ(言い換えれば、本体フレーム304の短手方向に、あるいは走行前後方向と直角方向に)向かってそれぞれ延設されている。
これらサイドコンベア320,321は、互いにほぼ同一構造であり、左右一対のコンベアフレーム327a,327aと、それらコンベアフレーム327a,327a間に回動自在に設けられた駆動プーリ327b及び従動プーリ327cと、それら駆動プーリ327b及び従動プーリ327cとの間に巻き回されたベルト327dと、前記コンベアフレーム327aに取り付けられ前記駆動プーリ327bを直接駆動するコンベア用油圧モータ327eと、前記従動プーリ327c側に設けられた周知のベルト張力調整機構(図示せず)とを備えており、前記上・下シュート311A,311Bから流下し導入されてきた改良土を図7、図8中左方及び図7、図8中右方へそれぞれ搬送し排出するようになっている。
【0112】
図9(a)は、これら本発明の土質改良システムの一実施の形態を構成する自走式選別機械300における上記サイドコンベア320,321の取り付け部分を表す斜視図である。
【0113】
この図9(a)及び前述の図6において、上記サイドコンベア320,321は、前記フレーム327a,327aに設けた取付け用ブラケット327f,327fが、前記本体フレーム選別機取付け部304Aの前端部にネジ330を介し固定されたブラケット322,323のピン部322a,323aにピン結合されることにより、そのピン部322a,323aを支点に回動可能に取り付けられており、これによって、サイドコンベア320,321の傾斜角度を任意の位置で固定できるようになっている。
【0114】
すなわち、前述の図8において、サイドコンベア320,321は、走行体302による走行時には、図中実線で示されるように地面に対して平行(すなわち略水平)になるような位置に固定され、選別作業(篩い分け作業)時には、図中2点鎖線で示されるように改良土導入側(シュート311A,311B側)を低くして地面に対しある傾斜角度を持たせ、必要とされる改良土排出高さが得られる位置で固定される。
【0115】
なお、上記ブラケット322,323は、ねじ330を外し、互いに取付け位置を入れ替えて上・下サイドコンベア320,321の取り付け位置を逆に入れ替えることにより、上スクリーン309を通過しない改良土と下スクリーン310を通過しない改良土との排出方向を逆にすることができるように(言い換えれば、各サイドコンベア320,321は本体フレーム選別機取付け部304Aの短手方向一方側あるいは他方側に選択的に着脱可能に)なっている。
【0116】
またこのとき、図9(b)に示すように、上記ブラケット322,323に代えて、上記ブラケットピン部322a,323aに相当する2つのピン部331a,331bを備えた両用型ブラケット331,332を用いれば、ネジ330をいちいち外すことなく、上記上・下サイドコンベア320,321の入れ替えが可能となる。
【0117】
図6及び図7に戻り、前記の排出コンベア303は、最初に略水平方向で後方に向け搬送する水平搬送部分303Aと、その後無限軌道履帯305の後端部近辺から斜め上方に向けて搬送する斜め搬送部分303Bとを有しており、それら水平搬送部分303A及び斜め搬送部分303Bがそれぞれ、支持部材(サポート)326,324を介して前記本体フレーム選別機取付け部304A及びパワーユニット329に吊り下げ支持されている。このとき、斜め搬送部分303Bは、必要とされる排出高さが得られるまでの長さを有し、また走行体302による登坂、降坂時に支障のない(例えば接地しない)角度に配設されており、また水平搬送部分303Aは、平地走行時に、ある程度の地面の凹凸や石、草木などに干渉しない高さ(最低地上高)を確保できるように配設されている。なお、構造上可能であれば、水平搬送部分303Aを設けず、斜め搬送部分303Bのみで構成される排出コンベアを用いても良い。
また排出コンベア303は、フレーム325と、このフレーム325に支持された駆動プーリ328b及び従動プーリ(アイドラ、図示せず)と、前記駆動プーリ328bを駆動する排出コンベア用油圧モータ328aと、前記駆動プーリ328b及び従動プーリの間に巻回して設けられたベルト328cと、このベルト328cにおける搬送面を支持するためのローラ(キャリアローラ、図示せず)とを備えており、ベルト328cを循環駆動することによって前記篩いユニット301の下スクリーン310を通過してホッパ317を介しベルト328c上に落下してきた最も小粒(細粒)の改良土を運搬し、自走式選別機械300の後方側(図6中右側)へと搬送し排出するようになっている。
【0118】
前記のホッパ317は、前記篩いユニット301を通過した改良土(最も粒度の小さい前記第1の群)を受け入れて前記排出コンベア303上に誘導するように、前記篩いユニット301と前記排出コンベア303の間に設置される。このホッバ317は本体フレーム選別機取付け部304Aや篩いユニット301のどこかの部位に適宜固定され、高さ方向の寸法がなるべく小さくなるように構成されている。
【0119】
ここで、上記篩ユニット301、サイドコンベア320,321、排出コンベア303、及び無限軌道履帯305は、この自走式選別機械300に備えられる動力源、すなわち原動機としてのエンジン(図示せず)及びこのエンジンによって駆動される少なくとも1つの油圧ポンプ(図示せず)からの動力によって駆動される。前記油圧ポンプからの圧油は、当該圧油の方向及び流量を制御するコントロールバルブを備えた制御弁装置(図示せず)を介し、前記篩ユニット301、サイドコンベア320,321、排出コンベア303、及び無限軌道履帯305にそれぞれ対応する前記加振用油圧モータ315、前記コンベア用油圧モータ327e,327e、前記コンベア用油圧モータ328a、及び前記左・右走行用油圧モータへと供給され、これによって対応する油圧モータが回転駆動する。
【0120】
そして、上記エンジン、油圧ポンプ、及び制御弁装置は、いずれも、前記本体フレーム選別機取付け部304Aの長手方向他方側(図5中右側)端部の上部にパワーユニット積載部材329aを介し搭載されたパワーユニット329(動力体、機械室)内に設けられている。このとき、このパワーユニット329を、本体フレーム選別機取付け部304Aの長手方向他方側(図5中右側)端部、すなわち篩いユニット301と反対側に設けることにより、重量バランスが良好となるように配慮されている。そして、前記排出コンベア303は、前記篩いユニット301の下方から、このパワーユニット329の下方を斜めに立ち上がって、さらにパワーユニット329より外方側(後方側)に向かって延設されている。
【0121】
上記構成の自走式選別機械300において、前記自走式土質改良機械200の排出コンベア8によって前記篩ユニット301に改良土が投入されると、この篩ユニット301で投入改良土をその粒度に応じて選別する。すなわち、投入改良土のうち最も粒度の大きいものは上スクリーン309を通過せずその上部表面を流下し、上シュート311Aを介しサイドコンベア320によって自走式選別機械300の幅方向一方側(図7、図8中左側)に排出され積載される。投入改良土のうち粒度が中間のものは上スクリーン309を通過し下方に落下した後、下スクリーン310を通過せずその上部表面を流下し、下シュート311Bを介しサイドコンベア321によって自走式選別機械300の幅方向他方側(図7、図8中右側)に排出され積載される。そして、投入改良土のうち最も粒度が小さいものは上スクリーン309を通過し下方に落下した後、下スクリーン310も通過してホッパ317を介し排出コンベア303に導入され、排出コンベア303によって自走式選別機械300後方へと運搬され、最終的に自走式選別機械300後部から排出(搬出)され積載される。
【0122】
このとき、前記排出コンベア303やサイドコンベア320,321の排出高さは作業内容に応じて変更しても良い。また、篩ユニット301は上記のような振動方向が円運動となるいわゆるリップルフロー型やタイロック型のものに限らず、その他の公知のタイプ、例えば振動方向が斜め45°となるいわゆるローヘッド型や、振動方向が楕円運動となるエリプテクス型等の振動篩で構成しても良い。
【0123】
また、以上の選別動作については、この自走式選別機械300に備えられた制御装置(図示せず)の行う公知の自動制御によって、上記篩いユニット301、サイドコンベア32,321、及び排出コンベア303等の各機器は、連続・連動の自動運転ができるようになっており、これによって自動運転中には操作者は不要となっている。
【0124】
また、上記走行体302は、無限軌道履帯305を駆動することにより、土質改良プラントの用地内の移動及び運搬用トレーラヘの搭乗・降車を単独で行える。
【0125】
なおこのとき、走行体302は、走行手段として無限軌道履帯305を備えているが、これは改良土が間欠的に投入される場合等を考慮して、改良土投入時の衝撃荷重等により車体全体が不安定になるのを防止するためである。したがって、改良土の投入が定常的に投入される場合にあっては、走行手段として車輪を備えたホイール式の走行体で構成することもできる。
【0126】
以上のように構成した本発明の土質改良システムの一実施の形態の動作を、図10(a)及び図10(b)を用いて以下に説明する。図10(a)は、本発明の土質改良システムの一実施の形態による作業状況の一例を表す平面図であり、図10(b)は本発明の土質改良システムの一実施の形態による作業状況の一例を表す側面図である。
【0127】
これら図10(a)及び図10(b)において、この場合の土質改良システムの稼働現場(プラント用地)は、本発明の土質改良システムの一実施の形態を構成する上記自走式投入機械100、自走式土質改良機械200、自走式選別機械300を使い回すことを前提として、例えば、都市部やその近郊に広域分散配置された多数の小規模プラントの1つとして設けられたものであり、道路または建築物の間等に存在する、比較的狭い幅Wの限られた細長い用地となっている。
【0128】
このようなプラント用地に、このプラント用地から比較的近い、例えば道路構築工事現場やガス・水道管等の埋設工事現場などで生じた建設発生土HDが、予めダンプトラック等によって次々と搬入され、細長い用地の一方側(図10(a)、図10(b)中左側)に設定されたストックヤードに順次集積されて、長手方向に連続して堆積される。
【0129】
ある程度の土砂(予め決められた所定量としてもよい)が集積したら、上記自走式投入機械100、自走式土質改良機械200、自走式選別機械300を輸送用トレーラー等によって前の稼働現場(別の小規模プラント)から運搬し、この用地内に運び込む。このとき、この用地内までトレーラーを乗り入れた後に各自走式機械100,200,300が自走してトレーラーから降車するようにしてもよいし、この用地の近くにてトレーラーから自走降車した後、さらに自走してこの用地内に乗り入れてもよい。
【0130】
そして、搬入した各自走式機械100,200,300を、図示されるようなレイアウトに(自走式投入機械100、自走式土質改良機械200、自走式選別機械300の順で)整列させる。
【0131】
以上のようにして準備が整ったら、このシステムの操作者(後述のように1人である)が、自走式選別機械300、自走式土質改良機械200の順に自動・連続運転(土質改良作業モード及び選別モードでの土質改良運転及び選別運転)を開始する。その後、操作者は、自走式投入機械100の前記運転室108に乗り込んで前記操作レバーを操作し、上記ブーム105、アーム107、バケット106、旋回体102、走行体101を適宜動作させ、発生土HDをすくいこんで運搬し、後方に位置する自走式土質改良機械200の前記篩いユニット1へ投入する。
【0132】
このとき、前述のように自走式土質改良機械200は自動・連続運転をしているので、順次投入された発生土HDを改良し、排出コンベア8からさらに後方に位置する自走式選別機械300の篩いユニット301に直接投入する。自走式選別機械300も前述のように自動・連続運転をしているので、順次投入された改良土を選別して篩い分け、大粒改良土KDdをサイドコンベア320を介して自走式選別機械300の右側(図10(a)中上側)側方に、中粒改良土KDcをサイドコンベア321を介して自走式選別機械300の左側(図10(a)中下側)側方に、小粒改良土KDsを排出コンベア303を介して自走式選別機械300の後方側(図10(a)中右側、自走式選別機械300の幅方向で見ると上記大粒改良土KDdと中粒改良土KDcとの中間)に排出し、堆積する。
【0133】
以上のような作業の進展と共に、建設発生土HDが自走式投入機械100の比較的近傍からなくなる(少し離れた位置となる、2点鎖線参照)と、操作者は以下のような手順で、このシステム全体を投入側(図10(a)、図10(b)中左側)に移動させる。
【0134】
すなわちまず、自走式投入機械100を、矢印aに示すように建設発生土HDの近くまで前進方向に移動させる。
その後、自走式投入機械100の運転室108から降りて自走式土質改良機械200まで移動してその自動・連続運転を停止した後、自走式土質改良機械200の図示しない運転席に搭乗して図示しない走行用操作レバーを操作し、自走式投入機械100が建設発生土HDの投入作業ができるようになる位置まで、自走式土質改良機械200を矢印bに示すように前進方向に移動させる。
そして、自走式土質改良機械200の前記運転席から降りて自走式選別機械300まで移動してその自動・連続運転を停止した後、自走式選別機械300の運転席329Aに搭乗して走行用操作レバー329bを操作し、自走式土質改良機械200が建設発生土HDから生成した改良土を直接篩いユニット301に投入できるようになる位置まで、自走式選別機械300を矢印cに示すように前進方向に移動させる。
【0135】
以上のようにして、少しの距離だけ(図1も参照)自走式投入機械100、自走式土質改良機械200、及び自走式選別機械300の前進移動が完了したら、操作者は、再び自走式選別機械300、自走式土質改良機械200の順に自動・連続運転を開始し、自走式投入機械100を運転して建設発生土HDを自走式土質改良機械200に投入する。
【0136】
これ以降、上記の操作を順次繰り返し行い、このシステム全体(言い換えればシステムを構成する各自走式機械100,200,300)を投入側(図10(a)、図10(b)中左側)に適宜移動させつつ土質改良作業を行っていく。この結果、自走式選別機械300の右側側方に排出される大粒改良土KDd、自走式選別機械300の左側側方に排出される中粒改良土KDc、自走式選別機械300の後方側に排出される小粒改良土KDsはそれぞれシステムの移動方向(図10(a)中左右方向)に列をなして堆積されていき、このプラント用地の他方側(図10(a)、図10(b)中右側)のスペースに集積貯留されていく(貯留スペースを形成していく)。そして、最終的には、それら大粒改良土KDd、中粒改良土KDc、小粒改良土KDsの集積スペースを、少なくとも作業開始当初に建設発生土HDが堆積されていた位置にまで形成する(言い換えれば、ストックヤードだったスペースの少なくとも一部を改良土の貯留スペースとして活用する)。以上のようにして、最小限の用地及び作業機械で土質改良及び選別作業を連続的に行う。
【0137】
なお、自走式土質改良機械200、自走式選別機械300の運転に関し、図示しない公知の遠隔操縦システムを用いて自走式投入機械100内から操作できる場合には、操作者は自走式投入機械100から降りることなく、上記操作を行ってもよい。
また、上記のように自走式土質改良機械200、自走式選別機械300の移動、停止を繰り返して土質改良作業を行っていくのではなく、低速で自走式土質改良機械200、自走式選別機械300を走行させながら(停止させることなく)土質改良作業を進めていくようにしてもよい。
【0138】
以上のようにしてすべての建設発生土HDの土質改良作業が終了したら、各改良土KDd,KDc,KDsの山を貯留スペースに残したまま、上記自走式投入機械100、自走式土質改良機械200、自走式選別機械300からなる土質改良システムを、再び輸送用トレーラー等に搭載して次の稼働現場(さらに別の小規模プラント)へ運搬する。
【0139】
その後、適宜の時期に、上記貯留スペースに残った改良土KDd,KDc,KDsを、このプラント用地から比較的近い改良土の需要先、例えば道路構築工事現場やガス・水道管等の埋設工事現場へと、ダンプトラック等によって次々と搬出する。
【0140】
なお、以上において、大粒改良土KDdが、請求項20記載の粒度に応じて選別された複数の群のうち幅方向一方側に排出された第1の群に相当し、中粒改良土KDcが、請求項20記載の粒度に応じて選別された複数の群のうち幅方向他方側に排出された第2の群に相当する。
【0141】
以上のように構成した本実施の形態の土質改良システム及びこれに用いた自走式選別機械300によれば、以下のような作用効果を得る。
【0142】
(1)土質改良システム全体の作用効果
(1−1)システムの最適化
自走式投入機械100、自走式土質改良機械200に加えて自走式選別機械300を設けることにより、リサイクル原料となる土砂の性質や状態が多種多様である場合であっても、その土砂を元に自走式土質改良機械200で生成された改良土に対し、粒度に応じた選別を行い複数の群(上記の例では大粒改良土KDd、中粒改良土KDc、及び小粒改良土KDsの3つの群)に選り分けて排出することができる。これにより、改良土の高品質化を図ることができ、従来構造のように産業廃棄物の増大を招くこともない。
【0143】
このとき、自走式の選別機械300とすることにより、投入機械100、土質改良機械200、選別機械300のすべてが自走可能となり、良好な機動性を確保することができる。したがって、トレーラー等に積載しての運搬を容易に行えるので、上述のように、小規模プラントを都市部やその近郊に近い場所に広域分散設置し、各小規模プラントにこれら自走式投入機械100、土質改良機械200、選別機械300を適宜運搬して使い回すといった使い方が容易に可能となり、システムを構成する各機械100,200,300を最大限有効に利用し、システムの稼働率を向上することができる。またこのような分散小規模プラントにおける持ち回り土質改良処理とすることにより、工事現場から最寄りのプラントまでの輸送距離を短縮し輸送コストを低減できるので、各プラントへの土砂集積を促進し、これによってもシステムの稼働率を向上できる。
【0144】
さらに、投入機械100、土質改良機械200、選別機械300のすべてが良好な機動性を有することにより、上述のように各稼動現場(プラント用地)内にて土質改良システム全体を移動しながら土質改良作業を行い、土質改良作業開始時に建設発生土HDのストックヤード用に利用したスペースのうち少なくとも一部を、改良土KDd,KDc,KDsの貯留スペースに転用し有効活用することができる。これにより、建設発生土のストックヤードと改良土の貯留スペースとの共用化が一切なく互いに作業開始時又は終了時に遊休空間となってしまう場合に比べて、遊休空間を低減することができるので、スペース効率を著しく向上できる。
【0145】
以上のようにして、本実施の形態の土質改良システムによれば、改良土高品質化、システム稼働率向上、及びスペース効率向上の観点から総合的に最適化を図ることができる。
【0146】
(1−2)その他の効果
(a)上述のように、自走式土質改良機械200及び自走式選別機械300を自動運転するようにすれば、システム全体の操作者として、1名が居れば足りる。
したがって、人員の削減(省力化)を図れる。
【0147】
(b)すべての機械100,200,300が自走式であるため、何らかの事情で機械設置のレイアウトを変更したい場合でも、その変更が容易に行える。また、例えば各機械100,200,300のいずれかに保守・修理を行う必要が生じた場合でも、すべての機械100,200,300が自走式であることから、他の機械が自走して退避でき、狭いプラント用地内でも修理用スペースが確保しやすくなって保守時間の短縮を図れ、この意味でも稼働率の向上を図れる。
【0148】
(2)自走式選別機械単体による作用効果
(2−1)スペース効率の向上
本実施の形態の自走式選別機械300においては、排出コンベア303及びパワーユニット329を本体フレーム304の長手方向他方側(後方側、図6中右側)に集中配置することにより、篩いユニット301をそれらと反対側である本体フレームの304の長手方向一方側(前方側、図6中左側)に配置することで容易に投入側と排出側との分離性を確保することができる。これにより、上記分離性確保のために篩手段を動力体(パワーユニット)の上方にかぶさるように配置する従来構造(特開平10−43690号公報)のように投入位置が高くなるのを防止できる。したがって、自走式土質改良機械の設置面を他の機械の設置面よりも高くしたり、自走式選別機械への投入用の他の自走式投入機械や搬送コンベアを設ける必要がなくなる。
また、上述したように、排出コンベア303及びパワーユニット329と篩ユニット301とを互いに反対側に配置することで投入側・排出側の分離性を確保しつつ投入高さ増大を防止するので、本体フレームの動力体側外方位置から動力体上方を通過し篩い手段に至る長尺の導入コンベアを設ける従来構造(特開平8−299907号公報)のように、自走式選別機械の全長の増大を招くことがない。以上により、上記2つの従来構造よりもスペース効率を向上することができる。
【0149】
(2−2)生産性の向上
篩ユニット301とパワーユニット329とが互いに反対側となるので、それらが同じ側にある従来構造(特開平10−43690号公報)のように改良土の粉塵による吸気通路フィルタの目詰まりを防止できる。したがってメンテナンス頻度増大を防止できるので、実質稼働時間を長くでき、生産性を向上できる。
【0150】
(2−3)その他の効果
(a)篩いユニット301の位置関係による効果
図11に示すように、自走式土質改良機械200の排出コンベア8の直下に、篩いユニット301をもぐり込ませるようにして自走式選別機械300を配置できるため、自走式土質改良機械200と自走式選別機械300とを組み合わせた全長L1を低減でき、この意味でもスペース効率を向上できる。
【0151】
(b)篩いユニット301の配設方向による効果
この効果を図12(a)、図12(b)、及び図12(c)により説明する。
図12(a)は、篩いユニット301をその長手方向が走行前後方向と直角方向となるように配設した比較例による自走式選別機械300′と、上記本発明の一実施の形態における自走式選別機械300とを対比させて表す上面図である。図12(b)は、上記本発明の一実施の形態における自走式選別機械300が運搬時に搭載される輸送用トレーラーの一例を表す上面図であり、図12(c)は、上記本発明の一実施の形態における自走式選別機械300が運搬時に搭載される輸送用トレーラーの一例を表す側面図である。
【0152】
一般に、スクリーン等の篩い部材は長方形形状になっており、篩い分けによる被篩い分け物の進行方向が長方形形状の長辺方向となっている。これは篩い部材上部における滞留時間(移動時間)を長くすることであり、選別性能をより向上できる(篩い分け精度が向上する)ためである。
【0153】
ここにおいて、図12(a)において、比較例の自走式選別機械300′では、篩いユニット301の配設方向(長手方向)を走行体302による走行前後方向と直交する方向となるように配置しているため、篩いユニット301のみで図12(b)に示すトレーラー333搭載時の輸送制限車幅Woのほとんどを占めてしまい、サイドコンベア320,321がある分、自走式選別機械300′全体では輸送制限車幅Wo内に収まらなくなる。すなわち、選別性能を向上しようとすると輸送性が低下するため、輸送性確保のためには篩いユニット301の長手方向寸法を低減せざるを得ず、その分選別性能が低下する。
【0154】
これに対し、上記本発明の一実施の形態による自走式選別機械300では、篩いユニット301の配設方向(長手方向)が走行体302による走行前後方向となるように配置している。これにより、サイドコンベア320,321を折り畳み機構あるいは伸縮機構によってコンベア長手方向に折り畳み・縮短させるようにする(後述の図21の変形例参照)だけで、図12(a)に示すように、自走式選別機械300全体を容易に輸送制限車幅Wo内に収めることができる。したがって、輸送性を確保しつつ篩いユニット301の長手方向寸法を比較的大きくとることができ、選別性能を向上することができる。
【0155】
(c)サイドコンベア20,21の選択的着脱自在構造による効果
上述したように、各サイドコンベア320,321が本体フレーム選別機取付け部304Aの短手方向一方側あるいは他方側に選択的に着脱可能になっていることにより、サイドコンベア20,21を付け替えて大粒改良土KDdと中粒改良土KDcの排出方向を入れ替えて左右逆にできるので、排出位置の自由度が高くなる。
【0156】
(d)各改良土KDd,KDc,KDsの堆積位置による効果
図10(a)及び図10(b)を用いて上述したように、大粒改良土KDdを自走式選別機械300の右側側方に、中粒改良土KDcを自走式選別機械300の左側側方に、小粒改良土KDsをそれら大粒改良土KDdと中粒改良土KDcとの中間に一列に堆積配置していくので、それらを所望の比率で混合した高品質の改良土製品を製造する場合に、各改良土KDd,KDc,KDsを所望の量ずつ容易に採取することができる。したがって、これによっても、容易に改良土製品の高品質化を図ることができる。
【0157】
なお、以上説明した上記本発明の土質改良システムの一実施の形態においては、図1(a)に示したように、自走式土質投入機械100、自走式土質改良機械200、及び自走式選別機械300をこの順序で略一直線上に配列したが、本発明はこのような機械配置構成に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲で、種々の変形が可能である。以下、この変形例を順次説明する。
【0158】
(A)自走式選別機械300の配置方向を90°変えた場合
図13は、上記本発明の土質改良システムの一実施の形態において、自走式選別機械300の配置方向を90°変えた変形例の全体配置を表す上面図である。
上記本発明の一実施の形態と同等の部分には同一の符号を付している。
【0159】
この図13において、自走式選別機械300は、その長手方向が、自走式投入機械100及び自走式土質改良機械200の長手方向と略直角となるように(略直交するように)配設されている。すなわち、自走式選別機械300の篩いユニット301の側方から、自走式土質改良機械200の排出コンベア8が臨むように配置されている。
【0160】
このような場合も、土質改良作業の進行と共に自走式機械100,200,300を移動させる方向を適宜工夫する(例えば、図13中上方、又は下方、あるいは左斜め下方向に移動させる)ことにより、上記本発明の一実施の形態と同様の効果を得る。このことにより、本発明の土質改良プラントにおいてはプラント用地における自走式選別機械300からの各種改良土KDc,KDd,KDsの排出位置の自由度を比較的高くできることがわかる。
【0161】
なお、前述の本発明の一実施の形態及び本変形例の土質改良システムは、土質改良作業時に移動させることなく使用することも可能であることは言うまでもない。
【0162】
(B)自走式選別機械の排出コンベアで側方に排出する場合
図14(a)は、上記本発明の土質改良システムの一実施の形態において、後方側に排出する排出コンベア303を備えた自走式選別機械300に代えて、幅方向一方側(図14(a)中上方側)へ排出する排出コンベア303Aを設ける(後述の図42に示す変形例も参照)と共に上スクリーン309及び上サイドコンベア320を取り去った自走式選別機械300Aを配置した場合の全体配置を表す上面図である。上記本発明の一実施の形態と同等の部分には同一の符号を付している。
【0163】
この図14(a)において、この自走式選別機械300Aでは、前記自走式土質改良機械200の排出コンベア8によって前記篩ユニット301に改良土が投入されると、投入改良土をその粒度に応じて選別する。比較の明確化のために上記本発明の一実施の形態において3つの群に選別したときと同様の群の区分概念(実際には2つの群にしか分かれない)で説明すると、上スクリーン309が省略されているため、投入改良土のうち最も粒度の大きい大粒改良土KDdと粒度が中間の中粒改良土KDcとが下スクリーン310を通過せずその上部表面を流下し、下シュート311Bを介しサイドコンベア321によって自走式選別機械300の幅方向他方側(図14(a)中下方側)に排出され積載される。そして、投入改良土のうち最も粒度が小さい小粒改良土KDsが下スクリーン310を通過して排出コンベア303Aに導入され、排出コンベア303Aによって自走式選別機械300の幅方向一方側(図14(a)中上方側)へと排出され積載される。
【0164】
この変形例は、特に、以下のような場合に好適である。
【0165】
すなわち、図14(a)において、このシステムは、例えば、幅Wr1の道路等、細長く延在する工事現場の一角をプラント用地として配置されるものであり、この幅Wr1のプラント用地自体の一部(幅Wr2の部分)を土質改良したい場合に適用されるものである。
【0166】
このような場合に、自走式投入機械100、自走式土質改良機械200、自走式選別機械300Aからなる土質改良システムを、図14(a)に示すように、上記幅Wr1のプラント用地のうち土質改良をしない幅Wr3の部分に配置する。
【0167】
土質改良時には、自走式投入機械100は土質改良を必要とする部分Wr2を掘り下げて掘削してその掘削発生土を自走式土質改良機械200に投入し、自走式土質改良機械200は投入された掘削発生土を土質改良し改良土を排出コンベア8で排出し、自走式選別機械300Aは排出された改良土を選別して大粒、中粒改良土KDd,KDcを図14(a)中下方側に積載しかつ小粒改良土KDsを図14(a)中上方側へと積載しながら、それぞれ、順次図14(a)中矢印a方向に向けて移動して行く。
【0168】
このとき、図示のように、自走式選別機械300Aは、自走式投入機械100により掘削され溝状になった土質改良必要部分(幅Wr2の部分)に対して、排出コンベア303Aを介し小粒改良土KDsを直接導入し、排出・堆積させることができる。なお、改良土KDd,KDcについては、サイドコンベア321を介し、土質改良をしない部分(幅Wr3の部分)に排出・堆積させる。
【0169】
以上のように、本変形例においては、掘削により土質改良が必要となる部分(幅Wr2の部分)が細長く延在するような工事現場で、掘削発生土を他のプラントに運び出すことなく、その場で土質改良し、そのまま埋め戻すことができる。
これにより、当該工事現場における工期短縮や、土砂運搬費の低減を図ることができる。
【0170】
なお、上記と同様の考え方で、上記本発明の土質改良システムの一実施の形態において、後方側に排出する排出コンベア303を備えた自走式選別機械300に代えて、幅方向他方側(後述の図14(b)中下方側)へ排出する排出コンベア303Bを設けると共に下スクリーン310及び下サイドコンベア321を取り去った自走式選別機械300A′を配置する場合も考えられる。図14(b)は、この変形例の全体配置を表す上面図である。上記本発明の一実施の形態と同等の部分には同一の符号を付している。
【0171】
図14(b)において、この自走式選別機械300A′では、投入改良土のうち最も粒度の大きい大粒改良土KDdが上スクリーン309を通過せずその上部表面を流下し、上シュート311Aを介しサイドコンベア320によって自走式選別機械300A′の幅方向一方側(図14(b)中上方側)に排出され積載される。そして、投入改良土のうち粒度が中間の中粒改良土KDcと最も粒度が小さい小粒改良土KDsとが上スクリーン309を通過して排出コンベア303Bに導入され、排出コンベア303Bによって自走式選別機械300A′の幅方向他方側(図14(b)中下方側)へと排出され積載される。
【0172】
この変形例は、上記図14(a)の変形例よりも必要とされる改良土の径が大きい場合に好適である。言い換えれば、図14(a)の変形例は埋め戻し後の強度を重視する場合に好適であり、図14(b)の変形例は埋め戻し後の排水性を重視する場合に好適である。
【0173】
(C)リターンコンベアを設け再投入する場合
図15は、上記本発明の土質改良システムの一実施の形態において、サイドコンベア320を介し自走式選別機械300の幅方向一方側(図15中上方側)に排出された大粒改良土KDdを自走式土質改良機械200の土砂受け入れ側(図15中左方側)に搬送するリターンコンベア400を設けた場合の全体配置を表す上面図である。上記本発明の一実施の形態と同等の部分には同一の符号を付している。
【0174】
この図15において、リターンコンベア400は、上記サイドコンベア320の排出側端部近傍から、自走式土質改良機械200の側方に沿うように延設され、その搬送側端部は、前記自走式投入機械100の側方に位置している。
【0175】
図16(a)は、上記変形例のシステムに備えられたリターンコンベア400の全体構造を表す上面図であり、図16(b)は、上記変形例のシステムに備えられたリターンコンベア400の全体構造を表す側面図である。
【0176】
これら図16(a)及び図16(b)において、リターンコンベア400は自走式のコンベアであり、下方に位置する走行旋回装置407と、この走行旋回装置407の上方に配置されたコンベア装置406とを備えている。
【0177】
前記の走行旋回装置407は、走行手段としての無限軌道履帯401aを備えた走行体401と、この走行体101の上部に旋回装置403を介して360°旋回可能に設けられた旋回体402と、この旋回体402の前部(図16(b)中左側)及び後部(図16(b)中右側)に回動自在にそれぞれ接続された(基端部が枢支された)ブーム410及びバー409と、前記旋回体402の前部左側に設けられた運転室405とを備えている。
【0178】
前記のブーム410及びバー409の先端部(上端部)は、前記コンベア装置406の下部にピン結合を介し接続され、これらブーム410及びバー409を回動させることによりコンベア装置406の傾斜が変化するようになっている。
【0179】
また、上記ブーム410、旋回体402、走行体401は、前記運転室405内の操作レバーの操作に応動して、旋回体402上に配置されたパワーユニット(動力体)404内に設けた動力源(エンジン及びこれに駆動される油圧ポンプ、ともに図示せず)からの圧油が対応するブームシリンダ411や旋回用油圧モータ(図示せず)あるいは走行用油圧モータ401bに供給され駆動されることにより、それぞれ動作する。これにより、走行体401は、無限軌道履帯401aにて自力走行することにより土質改良プラント用地内の移動及び運搬用トレーラヘの搭乗・降車を単独で行えるようになっており、ブーム410は仰伏動作、旋回体402は旋回動作を行うことができるようになっている。
【0180】
例えば、走行時はブーム用油圧シリンダ411を伸長させることによりブーム410が起きあがり、それに伴ってコンベア装置406は図16(b)の傾斜状態から図16(b)中矢印ア方向へ回動し地面に対し水平に近い姿勢として走行安全性を確保することができる。逆に、土質改良作業時には、ブーム用油圧シリンダ411を縮短させることによりブーム410を寝かせ、それに伴ってコンベア装置406は図16(b)に示すように傾斜させ、導入側であるホッパ412(後述)を低くしてサイドコンベア320からの確実な導入を図るとともに、排出側(図16(b)中右側)を高くして、大粒改良土KDdの積載可能高さを確保することができる。
【0181】
前記のコンベア装置406は、一対のフレーム406a,406aと、このフレーム406aの一方側(搬送方向上流側、図16(a)及び図16(b)中左側)に設けられたホッパ(土砂受け入れ部)412と、前記フレーム406aに支持された駆動輪406b及び従動輪(アイドラ)406cとの間に巻回して設けられたベルト408と、駆動力を発生しベルト408を介して前記駆動輪406bを駆動するコンベア用油圧モータ406dとを備えており、ベルト408を循環駆動することによって前記サイドコンベア320からホッパ412を介しベルト408上に導入されてきた大粒改良土KDdを運搬し、自走式投入機械100の近傍(例えば旋回範囲内及びその近傍)に排出積載するようになっている。
【0182】
なお、上記のように走行体401と旋回体402とを旋回装置403を介して接続する構造に限られず、旋回装置403を介さず直結した一体型の(旋回しない)構造のものでもよい。また、走行体401は、無限軌道履帯401aの代わりに車輪を備えたホイール式の走行体や、あるいは油圧式以外の動力を用いたものとしてもよい。
【0183】
上記構成において、土質改良時には、自走式投入機械100は建設発生土HDを自走式土質改良機械200に投入し、自走式土質改良機械200は投入された建設発生土HDを土質改良し改良土を排出コンベア8で排出し、自走式選別機械300は排出された改良土を選別して小粒改良土KDsを自走式選別機械300の後方側(図15中右方側)に積載するともに中粒改良土KDcを自走式選別機械300の幅方向他方側(図15中下方側)に積載し、かつ大粒改良土KDdを自走式選別機械300の幅方向一方側(図15中上方側)に排出し、リターンコンベア400はその大粒改良土KDdをホッパ412で受け入れて図15中左側へと搬送し、自走式投入機械100近傍に排出積載する。この積載された大粒改良土KDdは自走式投入機械100のバケット106ですくいこまれて再び自走式土質改良機械200に投入され、同様の手順が繰り返される。
【0184】
これにより、中粒改良土KDcや小粒改良土KDsよりも大きく一旦は要求粒度範囲外となった大粒改良土KDdを、主として自走式土質改良機械200の混合に伴う解砕効果により最終的には中粒改良土KDcまたは小粒改良土KDsとすることができる。
【0185】
この変形例では、例えば、ある量の建設発生土HDについて土質改良処理し、リターンコンベア400により戻ってくるものがほとんどなくなった時点で、自走式投入機械100、自走式土質改良機械200、自走式選別機械300、リターンコンベア400を、それぞれ、順次図15中矢印a1及びa2方向に向けて移動させればよい。
【0186】
なお、この変形例の土質改良システムを、土質改良作業時に移動させることなく使用することも可能であることは言うまでもない。この場合、リターンコンベア400で排出積載された大粒改良土KDdを数日養生することにより、石灰の反応が進み解砕されやすくなる。但し、土によってはこの養生期間無しに自走式土質改良機械に投入できるので、上述のような移動させつつの土質改良作業が可能となる。
【0187】
本変形例においては、比較的小粒の改良土を多めに得たい場合(比較的小粒のものを高い割合で含む改良土を製造したい場合)に特に好適である。
【0188】
また、上述のように再投入後も同様の手順を繰り返すことにより、建設発生土HDから中粒改良土KDcや小粒改良土KDsを得たい場合に、建設発生土HDの全てを要求される粒度まで解砕し中粒改良土KDc又は小粒改良土KDsとすることができる。したがって、常に原料を100%使用して要求される粒度範囲内の製品を生産できる、原料効率の高い無駄のないシステムとすることができる。
【0189】
なお、図17に示すように、リターンコンベア400で搬送されてきた大粒改良土KDdを受け入れて解砕する公知の自走式解砕機械(例えばいわゆるロールクラッシャ等)600を設ければ、常に養生期間が不要になって、移動しながらの土質改良作業を行いやすくなり、また、より短時間で発生土HD全てを解砕し中粒改良土KDc又は小粒改良土KDsとすることができる。
【0190】
また、上記変形例において、自走式のリターンコンベア400に代えて、可搬式のコンベアを用いてもよい(要するに、容易かつ迅速に移動が可能な移動式コンベアであれば足りる)。図18(a)は、上記変形例のシステムに配置可能な可搬式コンベア500の全体構造を表す上面図であり、図18(b)は、上記変形例のシステムに配置可能な可搬式コンベア500の全体構造を表す側面図である。
【0191】
これら図18(a)及び図18(b)において、この可搬式コンベア500は、上記リターンコンベア400のコンベア装置406と同様の、一対のフレーム506a,506a、ホッパ(土砂受け入れ部)504、ベルト501、及びコンベア用油圧モータ505と、フレーム506a,506aの下部に支持部材507,508を介して接続された移動用車輪(タイヤ)503,502を備えている。
【0192】
なお、コンベア用油圧モータ505への供給圧油は、自走式土質改良機械200か自走式選別機械300のパワーユニット79又は329から供給するのが好ましい。また、この可搬式コンベア500を移動させるときには、前記自走式投入機械100等で牽引・移動させて使用しても良い。
【0193】
(D)全体を円弧状に移動させながら土質改良作業を行う場合
図19は、上記本発明の土質改良システムの一実施の形態において、排出コンベア303、サイドコンベア320、サイドコンベア321の搬送方向延長上にそれぞれ上記リターンコンベアと同様のコンベア400を配置するとともに、これらシステム全体を円弧状に移動させながら土質改良作業を行う場合の全体配置を表す上面図である。上記本発明の一実施の形態と同等の部分には同一の符号を付している。
【0194】
図19において、この場合の土質改良システムの稼働現場(プラント用地)YDは、略正方形状をなしており、この正方形状の一のコーナー側(図19中右下側)に、予めこのプラント用地から比較的近い例えば道路構築工事現場やガス・水道管等の埋設工事現場などで生じた(あるいはこのプラント用地内で発生した)建設発生土HDが予め積載され、略円弧状のストックヤードを形成している。
【0195】
そして、上記ストックヤード以外の部分に、前記一のコーナー側からこれに対向するコーナー側(図19中左上側)に向かって、前記自走式投入機械100、前記自走式土質改良機械200、前記自走式選別機械300をこの順序で配置すると共に、さらに、自走式選別機械300の前記排出コンベア303、前記サイドコンベア320、及び前記サイドコンベア321の搬送方向延長上に、それぞれ自走式の上記コンベア400,400,400を配置し、排出コンベア303、サイドコンベア320、及びサイドコンベア321から排出される小粒改良土KDs、大粒改良土KDd、及び中粒改良土KDcをそれぞれホッパ412で受け入れて前記搬送方向延長上に遠く搬送し、その遠く離れた位置で排出積載するようになっている。
【0196】
土質改良時には、自走式投入機械100は建設発生土HDを自走式土質改良機械200に投入し、自走式土質改良機械200は投入された建設発生土HDを土質改良し改良土を排出コンベア8で排出し、自走式選別機械300は排出された改良土を選別して小粒改良土KDs、中粒改良土KDc、大粒改良土KDdをそれぞれ自走式選別機械300の後方側(図19中左上側)、幅方向他方側(図19中右上側)、幅方向一方側(図19中左下側)に排出し、各自走式のコンベア400,400,400はそれら改良土KDs,KDc,KDdをさらに対応する方向へ遠く搬送し、自走式選別機械300から大きく離れた位置に排出積載する。
【0197】
このとき、自走式投入機械100は、前記略円弧状のストックヤードのうち周方向一方側(反時計回り側)部分Xから周方向他方側(時計回り側)Yに向かって順次建設発生土HDを投入していくようにし、かつ所定量の投入→改質→排出積載が終了するごとに、このシステム全体(言い換えればシステムを構成する各自走式機械100,200,300,400)を、自走式選別機械300の排出コンベア303近傍を円中心として、前記周方向他方側に向かって(時計回り方向に)適宜移動させつつ、土質改良作業を行っていく。
【0198】
図20は、このような作業状況を表す平面図であり、上記の移動の結果、前記自走式投入機械100、前記自走式土質改良機械200、前記自走式選別機械300、前記コンベア400,400,400は移動軌跡が円弧状となっている(図20中矢印a,b,c,d,e,f参照)。そして、前記コンベア400,400,400から排出される大粒改良土KDd、中粒改良土KDc、小粒改良土KDsはそれぞれシステムの移動方向(時計回り)に略円弧状に堆積されていき、このプラント用地の外縁側のスペースに集積貯留されていく(貯留スペースを形成していく)。
【0199】
そして、図示のように最終的には、それら大粒改良土KDd、中粒改良土KDc、小粒改良土KDsのうち、中粒改良土KDcの集積スペースを、少なくとも作業開始当初に建設発生土HDが堆積されていた位置(前記のストックヤード周方向一方側部分X)にまで形成する(言い換えれば、ストックヤードだったスペースHDmの少なくとも一部を改良土の貯留スペースとして活用する)。
【0200】
なお、以上において、大粒改良土KDdが、請求項22記載の粒度に応じて選別された複数の群のうち幅方向一方側に排出された第1の群に相当し、中粒改良土KDcが、幅方向他方側に排出された第2の群に相当し、小粒改良土KDsが前後方向に排出された第3の群に相当する。
【0201】
以上のように構成した本変形例の土質改良システムによれば、移動しながら土質改良作業を行うことによって上記本発明の一実施の形態と同様の効果を得るとともに、サイズ分けされた各改良土を遠方に運搬し、必要とされる排出高さで広範囲に渡って改良土の山を作成できる。
【0202】
また、本発明の自走式選別機械は、図5(a)、図5(b)、図6〜図8,図9(a)、図9(b)を用いて説明したような前記自走式選別機械300、あるいは図14(a)及び図14(b)に示した自走式選別機械300A,300A′に限られず、その技術的思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順次説明する。
【0203】
▲1▼サイドコンベアの排出高さを高くする場合
図21は、本変形例の自走式選別機械300Bの全体構造を前方から見た正面図であり、上記本発明の一実施の形態の自走式選別機械300と同等の機能を有する部分に相当する部材には同一の符号を付し、説明を省略する。図21において、本変形例の特徴であるサイドコンベア320A,321Aが、ともに自走式選別機械300B前方側に設けられ、それぞれ可動部(サイドコンベア排出側)320Aa,321Aa、固定部(サイドコンベア受入側)320Ab,321Ab、及び連結部(ピン)320Ac,321Acから構成されている。即ち、サイドコンベア320Aの固定部320Abに対し、可動部320Aaが連結部320Acにより回動可能に連結されており、また同様にサイドコンベア321Aの固定部321Abに対し、可動部321Aaが連結部321Acにより回動可能に連結されている。
【0204】
なお、固定部320Ab,321Abの取付け構造は前述の自走式選別機械300におけるサイドコンベア320,321と同様であり、前記ピン部322a,323aを支点に回動可能に取付けられている。
【0205】
このように、回動可能な可動部320Aa,321Aaを延在して設けたことにより、選別作業時においてサイドコンベア320A,321Aを地面に対し所定の傾斜角度を持たせて固定する場合(図21中二点鎮線で示す320A',321A'参照)に、固定部320Ab,321Abの傾斜よりも可動部320Aa,321Aaの傾斜の方を大きくすることが可能となる。これにより、自走式選別機械300Bのサイドコンベア320A,321Aから排出される2種類の改良土(即ち、上スクリーン309で選別されサイドコンベア320Aにより排出される改良土KDd、及び下スクリーン310で選別されサイドコンベア321Aにより排出される改良土KDc)の排出高さh1,h2を、通常よりも高い排出高さとすることができる。これにより、上記改良土KDd,KDcの積載量を向上でき、作業の連続性を向上できる。また、サイドコンベア320,321から排出される改良土を直接トラック等の運搬装置に積載することも可能となる。
【0206】
また、上記のように、サイドコンベア320A,321Aの可動部320Aa,321Aaを回動可能としたので、走行及び運搬時に(図21中2点差線で示す320A",321A"参照)可動部320Aa,321Aaを折畳むことができる。そしてこのようにして、たとえば走行及び運搬時の輸送制限車幅W内にサイドコンベア320,321を収め、その状態で、可動部320Aa,321Aaのブラケットに設けた穴334a,335aをそれぞれ固定部320Ab,321Abのブラケットの穴336a,337aに合わせ、例えば図示しないピンを通して固定することにより、上記輸送制限車幅Wよりも小さな、走行・運搬姿勢を容易に実現できる。
【0207】
なお、可動部320Aa,321Aaを折畳んだときに、走行及び運搬時の輸送制限車高Hよりも高くなるようであれば、サイドコンベア320A,321Aを例えば3分割構造(図示せず)にして走行及び運搬時の輸送制限車高H内に収まるようにしてもよい。
【0208】
また、可動部320Aa,321Aaの折り畳みは手動で行っても良いし、可動部320Aa,321Aaの重量が大きい場合には、例えばシリンダやモータ等の駆動装置により折畳み動作可能な構造としてもよい。
【0209】
なお、サイドコンベア320A,321Aを長くしたことにより、本変形例の自走式選別機械303Cが不安定になったとしても、前記無限軌道履帯305の幅を広げることにより安定性を維持することができる。
【0210】
▲2▼排出コンベアの排出高さを高くする場合
図22は、折りたたみ可能な排出コンベア303Bを用いた変形例を表す図であり、図5及び図6の自走式選別機械300と同等の機能を有する部分に相当する部材には同一の符号を付し、説明を省略する。図22において、本変形例の特徴である排出コンベア303Bが、本体フレーム選別機取付け部304A下方から自走式選別機械300C後方側に延在するように設けられ、可動部(斜め搬送部分の排出側)303Ba、固定部(斜め搬送部分の排出側と反対側)303Bb、及び連結部(ピン)303Bcから構成されている。即ち、固定部303Bbに対し、可動部303Baが延在して連結部303Bcにより回動可能に連結されている。
【0211】
このように、固定部303Bbに延在して可動部303Baを設けたことにより、自走式選別機械300Cの排出コンベア303Bから排出される改良土(上スクリーン309、下スクリーン310ともに通過した小粒改良土)KDsを通常よりも高い改良土排出高さhで排出することができる。これにより小粒改良土KDsに関し、前述のサイドコンベア320A,321Aと同様の効果を得る。
【0212】
また、上記のように、排出コンベア303Bの可動部303Baを回動可能としたので、可動部303Baを折畳むことができ(図22中2点鎖線で示す303B'参照)、走行及び運搬時には、輸送制限車長L内に排出コンベア303Bを収めることができる。このとき、可動部303Baのブラケットの穴339をパワーユニット329のブラケットの穴340に合わせ、例えば図示しないピンを通して固定することにより、輸送制限車長Lよりも短い、走行・運搬姿勢が容易に実現できる。
【0213】
ここで、排出コンベア303Bの可動部303Baを折畳んだときに、走行及び運搬時の輸送制限車高Hよりも高くなるようであれば、可動部303Baを3分割構造にし、走行及び運搬時の輸送制限車高H内に収まるようにすればよい。
【0214】
また、可動部303Baの折り畳みは手動で行ってもよいし、可動部303Baの重量が大きい場合には、例えばシリンダやモータ等の駆動装置により折畳み動作可能な構造としてもよい。
【0215】
なお、以上のように、可動部303Baを延在して設けたことにより、本変形例の自走式選別機械303Cが不安定になったとしても、前記無限軌道履帯305を自走式選別機械300C前後方向(図22中左右方向)に延長することにより安定性を維持することができる。
【0216】
また、先の図21の変形例と合わせて、サイドコンベア、排出コンベアともに折り畳み可能に構成してもよく、この場合、図21の変形例、及び図22の変形例の効果を併せて得ることができる。
【0217】
▲3▼アウトリガー(可動脚)341を設けた場合
図23は本変形例の自走式選別機械の全体構造を表す側面図であり、図24はその平面図である。これら図23及び図24において、本変形例の自走式選別機械300Dに設けられたアウトリガー341は、本体フレーム選別機取付け部304Aの4隅に位置し、それぞれシリンダ341aと、前部アーム342又は後部アーム343とから構成されている。このうち、自走式選別機械300D前方側(図23及び図24中左側)の2本はシリンダ341aが前部アーム342を介して本体フレーム選別機取付け部304Aに自走式選別機械300D幅方向(図24中上下方向)に張り出すように取り付けられ、また、自走式選別機械300D後方側(図23及び図24中右側)の2本は後部アーム343を介して本体フレーム選別機取付け部304Aに自走式選別機械300D斜め後方(略図24中右方向)に張り出すように取付けられている。
【0218】
また、シリンダ341aは、そのロッド341bの先端に脚部(プレート)341cを有しており、例えば油圧駆動等の動力により、走行時にはシリンダ341aのロッド341bを縮短し、例えば、運搬のためトレーラ等に積載する際の登坂・降坂に支障の無い高さStまで脚部341cを上昇させ、また、選別作業時にはシリンダ341aのロッド341bを伸長させ脚部341cを接地させるようになっている。なお、シリンダ341aに作用させる駆動力(たとえば供給圧油の圧力)は選別作業時に地面からの反力でロッド341bが縮まない程度にすれば足りる。
【0219】
上記において、アウトリガー341が請求項記載の下方に伸長して接地可能な伸縮手段を構成する。
【0220】
これにより、例えば、本発明の土質改良システム及び土質改良方法に用いる自走式選別機械において、車幅・全長の制限等により、その無限軌道履帯305の長さを進行方向(例えば先の図6中左右方向)に長くしたり、幅を広げることができない場合や、ホイール式の走行体を備える自走式選別機械である場合であっても確実に選別作業時の安定性を確保できる。
【0221】
また、特に図示しないが前部アーム342及び後部アーム343を、伸縮または折畳み可能な構造として、走行・輸送時の制限車幅、あるいは全長より外側にシリンダ341aを配置可能とすれば、更に安定性を向上できる。
【0222】
▲4▼篩いユニットから後方に改良土を篩い分ける(排出する)場合
以上においては、篩いユニットとして自走式選別機械前方側(例えば、図6中左側)へ篩い上となる大粒、中粒改良土を排出する篩いユニット(傾斜型振動選別機械)301を用いたが、図25に示すように、上下スクリーン309,310を走行前後方向のうち後進側に向かって下り傾斜となるように配設することにより、自走式選別機械後方側(図25中右方側)へ篩い上となる大粒、中粒改良土を排出する篩いユニット301Aとしても構わない。この場合、図25に示すように、サイドコンベア320,321、あるいは後述のシュート(誘導枠)344,345(後述の図27参照)の位置を篩いユニット301Aの後側(図25右側)に配置すればよい。
【0223】
▲5▼篩いユニットの自走式選別機械の前後方向寸法を伸ばした場合
本変形例は、自走式選別機械300F前後方向(図26中左右方向)にその篩いユニット301Bの長さを延長したものである。一般に、スクリーンの選別機能(篩い効率)は、その長さが長いほど向上する性質があるが、本変形例においては、図26(b)に示すように、スクリーン209,210を走行前後方向に延ばして篩い距離を十分に長くとることにより、図26(a)に示す前述の自走式選別機械300よりもさらに選別機能を向上できるとともに、より大量の改良土を選別処理することができる。
【0224】
▲6▼サイドコンベアの代わりにシュート(誘導枠)を設けた場合
本変形例の自走式選別機械を図27〜図29を用いて説明する。図27は本変形例の自走式選別機械300Gの全体構造を表す側面図であり、図28は本変形例の自走式選別機械300Gの平面図であり、図29は図27に示した自走式選別機械300Gを図27中矢印P方向から見た正面図であり、前述の自走式選別機械300と同等の機能を有する部分に相当する部材には同一の符号を付し、説明を省略する。これら図27〜図29において、本変形例の特徴をなすシュート(サイドシュート誘導枠)344,345は、U字断面を持つ雨樋形状の複合体である。シュート344は、水平部347a及び傾斜部347bからなるシュート本体(誘導枠本体)347と、シュート先端部(誘導枠先端)348とから構成されており、ピン349によりシュート本体347の前記傾斜部347bにシュート先端部348が回動可能に取付けられている。また、シュート本体347の前記水平部347aは本体フレーム選別機取付け部304A上に立設したブラケット350にピン351により取付けられている。そして、前記傾斜部347bは前記水平部347aの内周側に抱きかかえられるようにして図29に示すような左下がりの状態に保持固定されている。同様に、シュート345も、水平部352a及び傾斜部352bからなるシュート本体(誘導枠本体)352と、シュート先端部(誘導枠先端)353とから構成されており、ピン354によりシュート本体352の前記傾斜部352bにシュート先端部353が回動可能に取付けられている。また、シュート本体352の前記水平部352aが本体フレーム選別機取付け部304A上に立設したブラケット350にピン355により取付けられており、この水平部352aに前記傾斜部352bが抱きかかえられて右下がりの状態に保持固定されている。
【0225】
また、シュート344,345は、そのシュート本体347,352がそれぞれ篩いユニット301の前記上・下シュート311A,311Bの下部に設置されてそれらからの改良土を導入するようになっており、シュート先端部348,353は自走式選別機械300G幅方向外側(図29中左右方向外側)に向かって前記傾斜部347b,352bと略一直線上となるように立ち下がっている。
【0226】
シュート344,345は、それぞれ上スクリーン309及び下スクリーン310により選別されて導入された改良土を互いに逆方向に排出するようになっており、また、本体フレーム304Aに取り付けられた前記ブラケット350から取り外し、逆に取り付けることにより、互いの排出方向を入れ替え可能となっている。
【0227】
以上のように、シュート344,345をシュート本体347,352とシュート先端部348,353に分割し、ピン349,354で折畳み可能に連結したことにより、無限軌道履帯305による走行時には、図29に二点鎖線で示したように、輸送制限車幅W内に収まるような位置にシュート先端部348,353を折畳み、選別作業時には図29の実線で示すように、シュート本体347,352の前記傾斜部347b,352bの傾斜角度と同じになるような位置にシュート先端部348,353を固定して使用することができる。
【0228】
なお、本変形例によれば、篩いユニット301の上スクリーン309を通過しない大粒改良土KDd、下スクリーン310を通過しない中粒改良土KDcの排出高さをあまり必要としないときに特に好適である。また、駆動用動力を必要とせず単純構造であるため、安価でほとんど故障が発生しない自走式選別機械とすることができる。
【0229】
▲7▼水平型の篩いユニットを設けた場合
以下に水平型の篩いユニットを備えた自走式選別機械の変形例を図30〜図33を用いて説明する。図30は本変形例の自走式選別機械300Hの全体構造を表す側面図であり、図31はその平面図であり、図32は図30中の矢印Q方向から見た正面図であり、図33は図30中のR−R断面による横断面図である。
前述の自走式選別機械300と同等の機能を有する部分に相当する部材には同一の符号を付し、説明を省略する。これら図30〜図33において、本変形例の特徴をなす篩いユニット301Cは、水平型の篩いユニット(水平型振動選別機械、一般的にはローヘッド型やエリブテックス型等がある)である。また、篩いユニット301Cは、前記本体フレーム選別機取付け部304Aに対し(あるいは本体フレーム選別機取付け部304A上に設けた支持部材362,363に対し)ばね364,364を介して弾性的に支持された支持枠体358と、この支持枠体358内に上・下2段にそれぞれ装着された上部格子部材(上スクリーン)359及び下部格子部材(下スクリーン)360と、偏心した振動軸(図示せず)を内部に挿通した回転ドラム(起振器)368,368に対し、発生した駆動力をベルト366を介して伝達して回転駆動させる加振用油圧モータ365と、上・下スクリーン359,360上を流れてきた改良土(=前記3つの群のうち最も粒度の大きいもの及び中間の粒度のもの)を導入し、収集してそれぞれ導出する上・下シュート(排出口)361A,361Bと、前記上・下シュート361A,361Bから導入された改良土を導入して受け入れ、自走式選別機械300Hの幅方向一方側(図32中左側、図33中右側)及び幅方向他方側(図32中右側、図33中左側)に運搬し排出(搬出)する上・下サイドコンベア320,321とを有している。
【0230】
前記の上・下スクリーン359,360は、それぞれ例えば格子状または網状構造となっており、水平に配置されている。またこれらスクリーン359,360は、その格子状又は網状構造の間にある間隙(図示せず)の寸法に基づき、前記自走式土質改良機械200から導入された改良土を目標粒度以下であるものと目標粒度より大きいものとに選別し(但し目標粒度の設定は上スクリーン359よりも下スクリーン360のほうが小さくなっている)、目標粒度以下であるものを前記間隙から落下させるとともに目標粒度より大きいものを図30中右側へ流下させ排出するようになっている。
【0231】
即ち、上・下スクリーン359,360及び支持枠体358は、加振用油圧モータ365の駆動力が回転ドラム368,368に伝達して前記回転ドラム368,368内の振動軸を振動させることにより振動し、上記大小2つの目標粒度に応じて3つの群に篩い分ける選別機能を実行するようになっている。このとき、前記2つの振動軸は、図30中矢印X方向の振動を打ち消し合い、図30中矢印Y方向に振動するようになっているため、上記のようにそれぞれ選別した改良土は上下スクリーン359,360上を図30中右側へ移動するようになっている。
【0232】
なお、ベルト366を介さず、加振用油圧モータ365を直接一方の回転ドラム368に取りつける構造でも良い。また、上・下スクリーン359,360の代わりに、1枚の(又は複数枚重ねられた)鋸歯状プレートで構成してもよい。
この場合、鋸歯間の間隙寸法を上記のように設定すると共に、鋸歯の先端側がサイドコンベア320,321側で根元側が自走式選別機械300H前方側となるように配置すればよい。
【0233】
なお、前記支持枠体358は、開閉可能な点検口369を複数備えており、篩いユニット301Cの動作停止時に、この点検口369を開放することにより、上・下スクリーン359,360(特に下スクリーン360の表面)の清掃が容易に実施できるようになっている。
【0234】
前記サイドコンベア320,321は、自走式選別機械300Hの幅方向中心部から前記幅方向の一方側(図32中左方側)及び他方側(図32中右方側)へ(言い換えれば、本体フレーム304の短手方向に、あるいは走行前後方向と直角方向に)向かってそれぞれ延設されている。
これらサイドコンベア320,321は、互いにほぼ同一構造であり、左右一対のコンベアフレーム367a,367aと、それらコンベアフレーム367a,367a間に回動自在に設けられた駆動プーリ367b及び従動プーリ367cと、それら駆動プーリ367b及び従動プーリ367cとの間に巻き回されたベルト367dと、前記コンベアフレーム367aに取り付けられ前記駆動プーリ367bを直接駆動するコンベア用油圧モータ367eと、前記従動プーリ367c側に設けられた周知のベルト張力調整機構(図示せず)とを備えており、前記上・下シュート361A,361Bから流下し導入されてきた改良土を図32中左方及び図32中右方へ搬送し排出するようになっている。
【0235】
図34は、本変形例の自走式選別機械300Hにおける上記サイドコンベア320,321の取り付け部分を表す斜視図である。
【0236】
この図34において、上記サイドコンベア320,321は、前記フレーム367a,367aに設けた取付け用ブラケット367f,367fが、前記本体フレーム選別機取付け部304Aの前端部にネジ372を介し固定されたブラケット370,371のピン部322a,323aにピン結合されることにより、そのピン部322a,323aを支点に回動可能に取り付けられており、これによって、サイドコンベア320,321の傾斜角度を任意の位置で固定できるようになっている。
【0237】
すなわち、前述の図33において、サイドコンベア320,321は、走行時には、図中実線で示されるように地面に対して平行(すなわち略水平)になるような位置に固定され、選別作業(篩い分け作業)時には、図中2点鎖線で示されるように改良土導入側(シュート361A,361B側)を低くして地面に対しある傾斜角度を持たせ、必要とされる改良土排出高さが得られる位置で固定される。
【0238】
なお、上記サイドコンベア320,321は、上記ブラケット370,370から外して互いに取付け位置を入れ替えて上・下サイドコンベア320,321の取り付け位置を逆に入れ替えることにより、上スクリーン359を通過しない改良土と下スクリーン360を通過しない改良土との排出方向を逆にすることができるようになっている。
【0239】
以上説明した本変形例によると、篩ユニット301Cとホッパ317と排出コンベア303のみが積層される形で構成されることにより、図35(b)に示すように、図35(a)に示した前記自走式選別機械300を用いた場合よりも、改良土投入高さをHc1からHc2に低くできるという効果がある。
【0240】
なお、篩い分けの対象土として、一般的には前述のように上下スクリーン309,310を走行前後方向いずれかに向かって下り傾斜となるように配設する傾斜型篩いユニットは大・中塊のものの選別に、水平型篩いユニットは小塊のものの選別に適しているので、篩い分けを行う改良土の粒度・性状によって、先の傾斜型の篩いユニット301を備えた自走式選別機械300と、本変形例の自走式選別機械301Cとを使い分けることもできる。
【0241】
▲8▼水平型篩いユニットで前方に改良土を篩い分ける場合
上記図30〜図35の変形例においては、篩いユニットとして自走式選別機械後方側(例えば、図30中右側)に改良土を篩い分ける傾斜型篩いユニット(傾斜型振動選別機械)301Cを用いたが、図36に示すように、自走式選別機械300I前方側(図36中左方側)改良土を篩い分ける篩いユニット301Dとしても構わない。この場合、図36に示すように、サイドコンベア320,321、あるいはシュート(誘導枠)344,345の位置を篩いユニット301D前側(図36中左側)に配置すればよい。
【0242】
▲9▼水平型の篩いユニットにシュート(誘導枠)を設けた場合
先の図30〜図35の変形例において、図27〜図29の変形例と同様に、サイドコンベア320,321の代わりにシュート344,345を設けてもよい。図37はそのような本変形例の自走式選別機械300Jの全体構造を表す側面図であり、図38は本変形例の自走式選別機械300Jの平面図であり、図39は図37に示した自走式選別機械300Jを矢印S方向から見た正面図であり、図40は図37中T−T断面による横断面図である。図5及び図6あるいは図27〜図29の自走式選別機械300等と同等の機能を有する部分に相当する部材には同一の符号を付し、説明を省略する。これら図37〜図40において、シュート344の、シュート本体347が本体フレーム選別機取付け部304Aの後方寄りに立設したブラケット370のピン部322aに取付けられて設置されており、シュート345は、シュート本体352が本体フレーム選別機取付け部304Aの後方寄りに立設したブラケット370にピン部323aに取付けられて設置されている。
【0243】
そして、シュート344,345は、それぞれ上スクリーン359及び下スクリーン360により選別された改良土を互いに逆方向に排出するようになっており、また、本体フレーム304Aに取り付けられた前記ブラケット370から取り外し、逆に取り付けることにより、互いのの排出方向が入れ替わるようになっている。
【0244】
水平型篩いユニット301Cを備えた自走式選別機械300Jにおいて、図27〜図29の変形例と同様の効果を得る。
【0245】
(10)側方排出コンベア(排出補助コンベア)を設けた場合
図41は本変形例の自走式選別機械300Kの全体構造を表す側面図であり、図42はその上面図であり、図43は図41中U方向から見た後面図である。上述の自走式選別機械300と同等の機能を有する部分に相当する部材には同一の符号を付し、説明を省略する。これら図41〜図43において、本変形例の特徴をなす側方排出コンベア375は、前記サイドコンベア320,321とほぼ同等の構造をなすもので、排出コンベア303Cの排出側端部の近傍に位置し、前記排出コンベア303をや寸詰まりとした排出コンベア303Cから排出された改良土を導入し自走式選別機械300Kの幅方向他方側(図42中下側)に搬送排出するようになっている。また、サイドコンベア320,321の取り付け構造と同様に、前記パワーユニット329から張り出した接続部376のピン部376aを支点に回動可能に取り付けられ、その傾斜角度を任意の位置で固定できるように構成されている。
【0246】
これにより、無限軌道履帯305による走行時には、図43において、図中実線で示したように側方排出コンベア375を地面に対して平行になるような位置に側方排出コンベア375を固定し、選別作業時には図中2点鎖線で示したように地面に対して任意の傾斜角度を持たせて固定することで、必要に応じた改良土排出高さが得られるようになっている。
【0247】
また、図42または図43に示すように、接続部376及びそのピン部376aは幅方向(図42中上下方向、図43中左右方向)中心線に対し線対称に設けられており、側方排出コンベア375を前記ピン部376aから取り外し、逆向きに取付けることにより改良土の排出方向が入れ換わるようになっている。
【0248】
また、図44は排出コンベア303Cと側方排出コンベア375の位置関係を示す拡大図で、排出コンベア303C排出側端部には脱着シュート378が設けられており、選別作業時の排出コンベア303Cから排出される小粒改良土KDsを下方の側方排出コンベア375上に確実に誘導するようになっている。なお、脱着シュート378は適宜着脱可能であり、側方排出コンベア375を接続部376のピン376aを支点に回動させるときには脱着シュート376を外すことにより、脱着シュート378と干渉することなく側方排出コンベア375が回動するようになっている。
【0249】
以上の構成としたことにより、排出コンベア303Cから排出される小粒(細粒)改良土KDsの排出方向・排出高さの自由度が増すので、土質改良システムのスペース効率をさらに向上させることができる。
【0250】
【発明の効果】
本発明の土質改良システムによれば、自走式投入機械、自走式土質改良機械に加えて自走式選別機械を設けるので、従来構造のように産業廃棄物の増大を招くこともなく、改良土の高品質化を図ることができる。また、投入機械、土質改良機械、選別機械のすべてが自走可能となるので、広域分散配置した各小規模プラントにシステムを適宜運搬して使い回すことができ、システムの稼働率を向上することができる。さらに、土質改良システム全体を移動しながら土質改良作業を行い、作業開始時に建設発生土のストックヤード用に利用したスペースのうち少なくとも一部を、改良土の貯留スペースに転用し有効活用することができるので、スペース効率を著しく向上できる。以上のようにして、改良土高品質化、システム稼働率向上、及びスペース効率向上の観点から総合的に最適化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の土質改良システムの一実施の形態の全体配置を表す上面図、及び本発明の土質改良システムの一実施の形態の全体配置を表す側面図である。
【図2】本発明の土質改良システムの一実施の形態を構成する自走式投入機械の全体構造を表す平面図、及び本発明の土質改良システムの一実施の形態を構成する自走式投入機械の全体構造を表す側面図である。
【図3】本発明の土質改良システムの一実施の形態を構成する自走式土質改良機械の全体構造を表す平面図、及び本発明の土質改良システムの一実施の形態を構成する自走式土質改良機械の全体構造を表す側面図である。
【図4】本発明の土質改良システムの一実施の形態を構成する自走式土質改良機械の全体構造を表す側面図である。
【図5】本発明の土質改良システムの一実施の形態を構成する自走式選別機械の全体構造を表す平面図、及び本発明の土質改良システムの一実施の形態を構成する前記の自走式選別機械の全体構造を表す側面図である。
【図6】本発明の土質改良システムの一実施の形態を構成する自走式選別機械の詳細構造を表す側面図である。
【図7】本発明の土質改良システムの一実施の形態を構成する自走式選別機械の詳細構造を表す平面図である。
【図8】図7中A方向から見た矢視前面図である。
【図9】本発明の土質改良システムの一実施の形態を構成する自走式選別機械におけるサイドコンベアの取り付け部分を表す斜視図、及びこれを両用型とした変形例を表す斜視図である。
【図10】本発明の土質改良システムの一実施の形態による作業状況の一例を表す平面図、及び本発明の土質改良システムの一実施の形態による作業状況の一例を表す側面図である。
【図11】本発明の土質改良システムに備えられる自走式選別機械の一実施の形態の効果を説明するための側面図である。
【図12】本発明の土質改良システムの一実施の形態に備えられた自走式選別機械と、篩いユニットをその長手方向が走行前後方向と直角方向となるように配設した比較例による自走式選別機械とを対比させて表す上面図、本発明の土質改良システムの一実施の形態に備えられた自走式選別機械が運搬時に搭載される輸送用トレーラーの一例を表す上面図、及び本発明の土質改良システムの一実施の形態に備えられた自走式選別機械が運搬時に搭載される輸送用トレーラーの一例を表す側面図である。
【図13】本発明の土質改良システムの一実施の形態において、自走式選別機械の配置方向を90°変えた変形例の全体配置を表す上面図である。
【図14】本発明の土質改良システムの一実施の形態において、幅方向一方側へ排出する排出コンベアを設けると共に上スクリーン及び上サイドコンベアを取り去った自走式選別機械を配置した変形例の全体配置を表す上面図、及び幅方向他方側へ排出する排出コンベアを設けると共に下スクリーン及び下サイドコンベアを取り去った自走式選別機械を配置した変形例の全体配置を表す上面図である。
【図15】本発明の土質改良システムの一実施の形態において、サイドコンベアを介し自走式選別機械の幅方向一方側に排出された大粒改良土を自走式土質改良機械の土砂受け入れ側に搬送するリターンコンベアを設けた変形例の全体配置を表す上面図である。
【図16】本発明の土質改良システムの一実施の形態において、サイドコンベアを介し自走式選別機械の幅方向一方側に排出された大粒改良土を自走式土質改良機械の土砂受け入れ側に搬送するリターンコンベアを設けた変形例に備えられたリターンコンベアの全体構造を表す上面図、図16(a)に示したリターンコンベアの全体構造を表す側面図である。
【図17】本発明の土質改良システムの一実施の形態において、サイドコンベアを介し自走式選別機械の幅方向一方側に排出された大粒改良土を自走式土質改良機械の土砂受け入れ側に搬送するリターンコンベア及びリターンコンベアで搬送されてきた大粒改良土を受け入れて解砕する自走式解砕機械を設けた変形例の全体配置を表す上面図である。
【図18】本発明の土質改良システムの一実施の形態において、サイドコンベアを介し自走式選別機械の幅方向一方側に排出された大粒改良土を自走式土質改良機械の土砂受け入れ側に搬送する変形例に適用可能な可搬式コンベアの全体構造を表す上面図、及び図18(a)に示した可搬式コンベアの側面図である。図である。
【図19】本発明の土質改良システムの一実施の形態において、排出コンベア及びサイドコンベアの搬送方向延長上にそれぞれ自走式のコンベアを配置するとともに、これらシステム全体を円弧状に移動させながら土質改良作業を行う変形例の全体配置を表す上面図である。
【図20】本発明の土質改良システムの一実施の形態において、排出コンベア及びサイドコンベアの搬送方向延長上にそれぞれ自走式のコンベアを配置するとともにこれらシステム全体を円弧状に移動させながら土質改良作業を行う変形例の作業状況を表す平面図である。
【図21】本発明の土質改良システムに備えられる自走式選別機械の一実施の形態においてサイドコンベアの排出高さを高くした変形例の全体構造を前方から見た側面図である。
【図22】本発明の土質改良システムに備えられる自走式選別機械の一実施の形態において排出コンベアの排出高さを高くした変形例の全体構造を表す側面図である。
【図23】本発明の土質改良システムに備えられる自走式選別機械の一実施の形態においてアウトリガーを設けた変形例の全体構造を表す側面図である。
【図24】本発明の土質改良システムに備えられる自走式選別機械の一実施の形態においてアウトリガーを設けた変形例の全体構造を表す平面図である。
【図25】本発明の土質改良システムに備えられる自走式選別機械の一実施の形態において篩いユニットを後方に設けた変形例の全体構造を表す側面図である。
【図26】本発明の土質改良システムに備えられる自走式選別機械の一実施の形態の構造を表す平面図、及び本発明の土質改良システムに備えられる自走式選別機械の一実施の形態において篩いユニットの前後方向長さを延長した変形例の構造を表す平面図である。
【図27】本発明の土質改良システムに備えられる自走式選別機械の一実施の形態においてサイドコンベアの代わりにシュートを設けた変形例の全体構造を表す正面図である。
【図28】本発明の土質改良システムに備えられる自走式選別機械の一実施の形態においてサイドコンベアの代わりにシュートを設けた変形例の全体構造を表す平面図である。
【図29】図27中矢印P方向からの矢視正面図である。
【図30】本発明の土質改良システムに備えられる自走式選別機械の一実施の形態において水平型の篩いユニットを設けた変形例の全体構造を表す側面図である。
【図31】本発明の土質改良システムに備えられる自走式選別機械の一実施の形態において水平型の篩いユニットを設けた変形例の全体構造を表す平面図である。
【図32】図30中Q方向から見た矢視正面図である。
【図33】図30中のR−R断面による断面図である。
【図34】本発明の土質改良システムに備えられる自走式選別機械の一実施の形態において水平型の篩いユニットを設けた変形例において、サイドコンベアの取り付け部分を表す斜視図である。
【図35】本発明の土質改良システムに備えられる自走式選別機械の一実施の形態の作業状況の一例を表す側面図、及び本発明の土質改良システムに備えられる自走式選別機械の一実施の形態において水平型の篩いユニットを設けた変形例の作業状況の一例を表す側面図である。
【図36】本発明の土質改良システムに備えられる自走式選別機械の一実施の形態において水平型の篩いユニットから前方側に篩い分ける変形例の全体構造を表す側面図である。
【図37】本発明の土質改良システムに備えられる自走式選別機械の一実施の形態において水平型の篩いユニットから後方側のシュートに篩い分ける変形例の全体構造を表す側面図である。
【図38】本発明の土質改良システムに備えられる自走式選別機械の一実施の形態において水平型の篩いユニットから後方側のシュートに篩い分ける変形例の全体構造を表す平面図である。
【図39】図37中矢印S方向から見た矢視正面図である。
【図40】図37中T−T断面による縦断面図である。
【図41】本発明の土質改良システムに備えられる自走式選別機械の一実施の形態において側方排出コンベア(排出補助コンベア)を設けた変形例の全体構造を表す側面図である。
【図42】本発明の土質改良システムに備えられる自走式選別機械の一実施の形態において側方排出コンベア(排出補助コンベア)を設けた変形例の全体構造を表す側面図である。
【図43】図41中U方向から見た矢視後面図である。
【図44】本発明の土質改良システムに備えられる自走式選別機械の一実施の形態において側方排出コンベア(排出補助コンベア)を設けた変形例における、排出コンベアと側方排出コンベアの位置関係を示す拡大斜視図である。
【符号の説明】
100 自走式投入機械
200 自走式土質改良機械
300 自走式選別機械
300A〜K 自走式選別機械
301 篩いユニット(篩い手段)
301A〜D 篩いユニット(篩い手段)
303 排出コンベア
303A〜C 排出コンベア
304 本体フレーム
309 上スクリーン(篩い部材)
310 下スクリーン(篩い部材)
320 サイドコンベア
320A サイドコンベア
321 サイドコンベア
321A サイドコンベア
329 パワーユニット(動力体)
341 アウトリガー(伸縮手段)
344 シュート(サイドシュート)
345 シュート(サイドシュート)
375 側方排出コンベア(排出補助コンベア)
400 自走式のコンベア(移動式コンベア)
500 可搬式のコンベア(移動式コンベア)
600 自走式解砕機械
HD 建設発生土(土砂)
KDc 中粒改良土(改良土の群)
KDd 大粒改良土(改良土の群)
KDs 小粒改良土(改良土の群)
Claims (5)
- 土砂を受け入れて土質改良材と混合し、改良土を生成する自走式土質改良機械と、この自走式土質改良機械に土砂を投入する自走式投入機械と、前記自走式土質改良機械の排出コンベアの排出端下方に篩ユニットが位置可能であり、前記自走式土質改良機械によって改良処理された改良土を前記篩ユニットで受け入れて、改良土の粒度に応じて複数の群に選別し、少なくとも1つの群を他の群と異なる位置に排出する自走式選別機械とを有し、 前記自走式選別機械は、前記排出する複数の改良土の群のうち、第1の群若しくは第2の群を該自走式選別機械の幅方向一方側に排出し、第3の群を該自走式選別機械の前後方向一方側に排出するように、前記自走土質改良機械の長手方向に対して略一直線上となるように配置したことを特徴とする土質改良システム。
- 土砂を受け入れて土質改良材と混合し、改良土を生成する自走式土質改良機械と、この自走式土質改良機械に土砂を投入する自走式投入機械と、前記自走式土質改良機械の排出コンベアの排出端下方に篩ユニットが位置可能であり、前記自走式土質改良機械によって改良処理された改良土を前記篩ユニットで受け入れて、改良土の粒度に応じて複数の群に選別し、少なくとも1つの群を他の群と異なる位置に排出する自走式選別機械とを有し、 前記自走式選別機械は、前記排出する複数の改良土の群のうち、第1の群若しくは第2の群を該自走式選別機械の幅方向一方側に排出し、第3の群を該自走式選別機械の前後方向一方側に排出するように、前記自走土質改良機械の長手方向に対して略直角となるように配置したことを特徴とする土質改良システム。
- 請求項1又は2に記載の土質改良システムにおいて、前記自走式選別機械から排出される改良土を搬出する移動式コンベアをさらに有することを特徴とする土質改良システム。
- 請求項3に記載の土質改良システムにおいて、前記移動式コンベアは、前記自走式選別機械から排出された改良土を前記自走式土質改良機械の土砂受け入れ側に搬送するように配置されていることを特徴とする土質改良システム。
- 請求項1又は2に記載の土質改良システムにおいて、前記自走式選別機械から排出される改良土を解砕する自走式解砕機械をさらに有することを特徴とする土質改良システム。
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