JP6810894B2 - コネクタ - Google Patents
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Description
k < 360000
であり、
前記他方のコネクタの質量がm[kg]である場合に、
k ≧ (2.0×107)×m
である。
本明細書に開示された技術に係る実施形態の概要について説明する。コネクタの耐振動対策としては、雄コネクタと雌コネクタとの間の相対変位を抑制することが効果的である。その手法の一つとして、雄コネクタと雌コネクタとが嵌合した状態におけるコネクタの剛性を高くすることで、コネクタの共振周波数を高くし、相対変位を抑制する方法が考えられる。
x=a/(2πf)2 (式1)
ω=(k/m)1/2 (式2)
k ≧ (2.0×107)×m
である場合に、コネクタの共振周波数fが1600Hz以上となることが明らかとなった。
本明細書に開示された技術の一実施形態を図1から図14を参照しつつ説明する。本実施形態のコネクタ70は、雄コネクタ10と、雌コネクタ20とを備え、例えば自動車等の車両の電力供給経路に配される。以下では図1のX方向を前方、Y方向を左方、Z方向を上方として説明する。
雄コネクタ10は、図3に示すように、雄端子11(図1〜図3では雄端子11の前方側は省略されている)と、雄端子11を保持する絶縁性の合成樹脂製の雄ハウジング12とを備える。雄ハウジング12は、フード状に開口するフード部13と、フード部13を閉鎖する奥壁部16とを備える。雄端子11は、奥壁部16を貫通し、フード部13内に突出しており、図示しない前方側は、例えばL字状に屈曲されている。
雌コネクタ20は、図7に示すように、複数(本実施形態では3つ)の端子付き電線21と、端子25を保持する絶縁性の合成樹脂製のハウジング40と、ハウジング40の前方に装着されるリテーナ65とを備える。
端子付き電線21は、電線22の端末部に端子25が接続されている。電線22は、導体部23の周囲が絶縁被覆24で覆われた被覆電線とされ、導体部23は、例えば多数の金属素線が撚り合わされた撚り線とされている。
ハウジング40は、端子付き電線21が左右に並んで挿通される複数(本実施形態では3つ)の挿通孔41が前後方向に貫通形成されている。ハウジング40は、端子25が収容される端子収容室42と、端子収容室42から外方に張り出す張出部46と、張出部46からフード部13側に突出してフード部13の先端部を外嵌する外嵌部50と、端子収容室42の後方に配され、電線22が導出される導出部54と、張出部46と導出部54とに接続される複数の補強リブ60A,60Bと、を備える。
電線22の端末部の絶縁被覆24を剥ぎ取り、導体部23を露出させるとともに、露出した導体部23をゴム栓30の電線通し孔31に貫通させ、電線22の絶縁被覆24の外周にゴム栓30を装着する。また、露出した導体部23は、端子25の電線接続部29に圧着する。これにより、端子付き電線21が形成される。
続いて、本明細書に開示された技術の効果を示す実験例について説明する。
サンプル1に係るコネクタの構成を図15〜図26を参照しつつ説明する。サンプル1に係るコネクタ170は、雄コネクタ110と、雌コネクタ120と、を有する。
雄コネクタ110は、図15に示すように、雄端子111と、雄端子111を保持する絶縁性の合成樹脂製の雄ハウジング112とを備える。サンプル1に係るハウジング112は、ポリブチレンテレフタレート製である。雄ハウジング112は、フード状に開口するフード部113と、フード部113を閉鎖する奥壁部116とを備える。雄端子111は、奥壁部116を貫通し、フード部113内に突出している。
雌コネクタ120は、図17に示すように、複数(サンプル1では3つ)の端子付き電線121と、端子125を保持する絶縁性の合成樹脂製のハウジング140と、ハウジング140の前方に装着されるリテーナ165とを備える。サンプル1に係るハウジング140はポリブチレンテレフタレート製である。
端子付き電線121は、電線122の端末部に端子125が接続されている。電線122は、導体部123の周囲が絶縁被覆124で覆われた被覆電線とされ、導体部123は、例えば多数の金属素線が撚り合わされた撚り線とされている。
ハウジング140は、端子付き電線121が左右に並んで挿通される複数(サンプル1では3つ)の挿通孔141が前後方向に貫通形成されている。ハウジング140は、端子125が収容される端子収容室142と、端子収容室142を外方から覆うと共にフード部113側に突出してフード部113を外嵌する外嵌部150と、端子収容室142の後方に配され、電線122が導出される導出部154と、導出部154の左右両側に配された保護壁160A、160Bと、を備える。
次に、サンプル2に係るコネクタ270の構成を図27〜図31を参照しつつ説明する。サンプル1とは、リテーナ265に係る構成が異なるのみなので、同一部材については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
サンプル3に係るコネクタ370の構成を図32〜図36を参照しつつ説明する。サンプル1とは、リテーナ365に係る構成が異なるのみなので、同一部材については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
サンプル4に係るコネクタについては、雌コネクタのハウジングは、ポリブチレンテレフタレート100質量部に対して、ガラスファイバー15質量部を含む材料からなる。上記以外の構成については、サンプル1と同一の構成なので、重複する説明を省略する。
サンプル5に係るコネクタについては、雌コネクタのハウジングは、ポリブチレンテレフタレート100質量部に対して、ガラスファイバー15質量部を含む材料からなる。上記以外の構成については、サンプル3と同一の構成なので、重複する説明を省略する。
サンプル6に係るコネクタ670の構成を図37〜図38を参照しつつ説明する。サンプル6に係るコネクタ670は、サンプル3に係るコネクタ370と、雌コネクタ620のハウジング640について異なる以外は略同一の構成なので、同一部材については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
サンプル7に係るコネクタについては、雌コネクタのハウジングは、ポリブチレンテレフタレート100質量部に対して、ガラスファイバー15質量部を含む材料からなる。上記以外の構成については、サンプル6と同一の構成なので、重複する説明を省略する。
サンプル8に係るコネクタ870の構成を図39〜図41を参照しつつ説明する。サンプル8に係るコネクタ870は、雄コネクタ810と、雌コネクタ820と、を有する。
雄コネクタ810は、図39に示すように、雄端子811と、雄端子811を保持する絶縁性の合成樹脂製の雄ハウジング812とを備える。サンプル8に係るハウジング812は、ポリブチレンテレフタレート製である。雄ハウジング812は、フード状に開口するフード部813と、フード部813を閉鎖する奥壁部816とを備える。雄端子811は、奥壁部816を貫通し、フード部813内に突出している。
雌コネクタ820は、図40に示すように、複数(サンプル8では3つ)の端子付き電線821と、端子825を保持する絶縁性の合成樹脂製のハウジング840と、ハウジング840の前方に装着されるリテーナ865とを備える。サンプル8に係るハウジング840はポリブチレンテレフタレート製である。
端子付き電線821は、電線822の端末部に端子825が接続されている。電線822は、導体部823の周囲が絶縁被覆824で覆われた被覆電線とされ、導体部823は、例えば多数の金属素線が撚り合わされた撚り線とされている。
ハウジング840は、端子付き電線821が左右に並んで挿通される複数(サンプル8では3つ)の挿通孔841が前後方向に貫通形成されている。ハウジング840は、端子825が収容される端子収容室842と、端子収容室842を外方から覆うと共にフード部813側に突出してフード部813を外嵌する外嵌部850と、端子収容室842の後方に配され、電線822が導出される導出部854と、を備える。
サンプル9は、一実施形態として記載したコネクタ70と同一なので、説明を省略する。
1. 共振周波数の測定方法
コネクタの共振周波数は、以下のようにして測定した。嵌合方向に開口する雄フードを有する雄コネクタと、雄コネクタに嵌合するハウジングを有する雌コネクタと、を嵌合方向に沿って嵌合させた。雄コネクタと雌コネクタとが嵌合した状態で、試験温度に調製した恒温室又は恒温槽にて、1時間エージングした。試験温度は、サンプル1〜7、及び9については25℃とし、サンプル8のみ120℃とした。雄コネクタ及び雌コネクタの一方を、加振台に設けられたコネクタ固定部に固定し、他方のコネクタから導出された電線を、加振台に設けられた電線固定部に固定した。加振台を、コネクタの嵌合方向と直交する方向に所定の振動数で振動させることにより、一方のコネクタと、他方のコネクタから導出された電線に振動を与えた。レーザー変位計を用いて、他方のコネクタの変位量を測定した。雄コネクタと雌コネクタとの間の変位応答倍率が2倍以上であり、且つ、加振台によって加えられた振動の位相と、レーザー変位計によって測定された変位の位相とがπ/2ずれた周波数をコネクタ共振周波数とした。所定の振動数としては、500Hzから2000Hzとした。
雄コネクタと雌コネクタとが嵌合した状態におけるコネクタの剛性は、以下のようにして測定した。嵌合方向に開口する雄フードを有する雄コネクタと、雄コネクタに嵌合するハウジングを有する雌コネクタと、を嵌合方向に沿って嵌合させた。雄コネクタと雌コネクタとが嵌合した状態で、試験温度に調製した恒温室又は恒温槽にて、1時間エージングした。試験温度は、サンプル1〜7、及び9については25℃とし、サンプル8のみ120℃とした。雄コネクタ及び雌コネクタの一方を、コネクタ固定部に固定した。他方のコネクタのうち、嵌合方向についてコネクタ固定部と反対側の端部寄りの位置において、ロードセルに配設された治具を、嵌合方向と直交する方向から、所定の試験速度で押圧した。この時に得られた荷重―変位曲線(F−S曲線)の弾性変形領域の傾きから、雄コネクタと雌コネクタとが嵌合した状態におけるコネクタの剛性kを算出した。所定の試験速度としては、1mm/分とした。
サンプル1〜9について、上記した方法により、共振周波数、及び剛性を測定した。測定結果を図42に表としてまとめた。また、図43に、コネクタの質量mに対するコネクタの剛性kの値を、グラフにまとめた。
x=a/(2πf)2 (式1)
ω=(k/m)1/2 (式2)
k = (2.0×107)×m
で表される直線Lよりも、kが大きな値を有していることが分かった。この結果、十分な耐振動性を有するコネクタを得るためには、剛性kと、コネクタの質量mとが、下記の式で表される関係を有していることが必要とされる。
k ≧ (2.0×107)×m
続いて、本実施形態の作用効果について説明する。本実施形態に係るコネクタは、嵌合方向に開口するフード部を有する雄コネクタと、嵌合方向に沿って雄コネクタと嵌合するハウジングを有する雌コネクタと、を備えたコネクタであって、雄コネクタと雌コネクタとが嵌合した状態において、雄コネクタ及び雌コネクタのうち一方のコネクタを固定し、他方のコネクタについて、嵌合方向と交差する方向に試験速度1mm/分で荷重したときの剛性k[N/m]が、
k < 360000
であり、
他方のコネクタの質量がm[kg]である場合に、
k ≧ (2.0×107)×m
である。
k ≧ (2.0×107)×m
上記の構成によれば、雄コネクタと雌コネクタとが嵌合した状態における共振周波数fが、1600Hz以上となるので、十分な耐振動性を有することができる。
本明細書に開示された技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本明細書に開示された技術の技術的範囲に含まれる。
13: フード部
20,120,820: 雌コネクタ
22,122,822: 電線
25,125,825: 端子
30,130,830: ゴム栓
40,140,840: ハウジング
41,141,841: 挿通孔
46: 張出部
47: 厚肉部
50: 外嵌部
54: 導出部
60A,60B: 補強リブ
70,170,270,370,670,870: コネクタ
Claims (3)
- 雄コネクタと、嵌合方向に沿って前記雄コネクタと嵌合するハウジングを有する雌コネクタと、を備えたコネクタであって、
前記雄コネクタと前記雌コネクタとが嵌合した状態において、前記雄コネクタ及び前記雌コネクタのうち一方のコネクタを固定し、他方のコネクタについて、前記嵌合方向と交差する方向に試験速度1mm/分でひずませたときの剛性k[N/m]が、
k < 360000
であり、
前記他方のコネクタの質量がm[kg]である場合に、
k ≧ (2.0×107)×m
である、コネクタ。 - 前記他方のコネクタが前記雌コネクタである、請求項1に記載のコネクタ。
- 前記雄コネクタは前記ハウジングが嵌合するフード部を有しており、
前記ハウジングには電線の端末部に接続される端子が保持されており、
前記ハウジングは、
前記端子に接続された前記電線が外部に導出される導出部と、
前記フード部の先端部に対向するように外方に張り出す張出部と、
前記張出部から前記フード部側に突出して前記フード部の先端部を外嵌し、前記フード部の基端側の外面を露出させる外嵌部と、
前記導出部と前記張出部とに接続される補強リブと、を備える請求項1または請求項2に記載のコネクタ。
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