JP6810304B2 - 洗浄液及び高純度イソプロピルアルコールの製造方法 - Google Patents

洗浄液及び高純度イソプロピルアルコールの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、洗浄液及び高純度イソプロピルアルコールの製造方法に関する。
イソプロピルアルコール(2−プロパノールとも称される)は、様々な用途で使用される有機溶媒であり、プロピレンを水和反応させて製造する水和法等により製造されている。
通常、イソプロピルアルコールは、原料となるプロピレンを供給可能な石油化学コンビナートで製造されており、製造後には需要地まで輸送され、貯蔵タンクで保管される。このように、イソプロピルアルコールは、製造されてから使用されるまでに長期間に亘って保存されることが多い。このため、長期保存時におけるイソプロピルアルコール中の不純物の増加は深刻な問題となる。
特に、長期保存によって不純物が増加したイソプロピルアルコールを半導体デバイス等の電子デバイスの洗浄用途に使用すると、洗浄及び乾燥後にイソプロピルアルコール中の不純物に由来する残渣が電子デバイスの表面に残ることがあった。
例えば、特許文献1には、イソプロピルアルコール中に溶解している有機不純物がイソプロピルアルコールの蒸発とともに凝集して比較的大きなパーティクルとなり、それが被処理体に残存して粒子状汚染(粒子状欠陥)を生成することが記載されている。
このように、洗浄及び乾燥後の残渣は電子デバイスの欠陥発生の要因になるため、洗浄液として使用されるイソプロピルアルコール中の有機不純物の濃度、特に処理後の残渣となるイソプロピルアルコールよりも沸点が高い有機不純物の濃度は、できる限り低減することが所望されている。また、イソプロピルアルコールを長期保存したとしても、洗浄及び乾燥後の残渣の原因となる有機不純物が増加しないイソプロピルアルコールが所望されている。
イソプロピルアルコールの保存中の不純物増加に関して、例えば、特許文献2には、イソプロピルアルコールの酸化反応によって生じるペルオキシラジカルに対する電子供与体をイソプロピルアルコール中に存在させることにより、酸化劣化の進行を高度に抑制でき、イソプロピルアルコールの保存中に生成するケトンを著しく低減できることが記載されている。
また、特許文献3には、イソプロピルアルコールを蒸留することにより、イソプロピルアルコールよりも高沸点の不純物を除去することが記載されている。また、特許文献3には、高沸点不純物の除去に組み合わせて、イソプロピルアルコールよりも低沸点の有機不純物を蒸留により除去することが記載されている。また、特許文献3では、これらイソプロピルアルコール中の不純物が、半導体製造作業においてウェハーに残留して欠陥の原因になることが示唆されている。
特開2016−004902号公報 特開2016−179956号公報 国際公開第01/094284号
しかし、特許文献3では、高沸点不純物及び低沸点有機不純物の具体種は何ら明らかにされておらず、これら不純物の如何なるものがどのように作用し合って上記半導体用途での不具合を引き起こすのかは何も示されていない。このため、有機不純物の除去は、イソプロピルアルコールとして一般的な品質を得るレベルに留まっており、通常の工業的プロセスで行われている常圧蒸留しか意識されていない。その結果、有機不純物の総量は、200〜500ppmという多さになっている(段落[0018]を参照)。
本発明者らが検討したところ、ペルオキシラジカルに対する電子供与体をイソプロピルアルコール中に存在させるだけでは、濃度の上昇を抑制することができない不純物があることが分かった。特に、近年、電子工業用のイソプロピルアルコールに要求されている沸点120℃以上の不純物の管理値である、質量基準で50ppb以下の範囲となるように、製造及び出荷時の品質管理を行ったとしても、輸送及び保管中に、有機物由来の不純物の濃度が上昇する場合があることが分かった。
さらに、本発明者らが検討したところ、上述した有機物由来の不純物には、アルデヒド化合物とアルコール化合物との縮合によって生成されるアセタール化合物が存在し、このアセタール化合物が保存中に経時的に増加することが分かった。
本発明は、不純物であるアセタール化合物の濃度が低く、且つ、このアセタール化合物の濃度の経時的な増加が抑制された、長期保存安定性に優れる洗浄液、及び高純度イソプロピルアルコールの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った。その結果、イソプロピルアルコール(組成物)に不純物として含まれるアセタール化合物を直接低減するだけではなく、炭素数1〜6のアルデヒド化合物の濃度を、質量基準で1500ppb以下に制御することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。また、本発明者らは、炭素数3〜6のケトン化合物の濃度を、質量基準で2000ppb以下に制御することにより、アセタール化合物の濃度をより顕著に低減できることを見出した。炭素数1〜6のアルデヒド化合物、又は該アルデヒド化合物及び炭素数3〜6のケトン化合物は、何らかの影響により、保存中にアセタール化合物に変化するものと考えられる。これら不純物を低減することにより、アセタール化合物の経時的な増加を抑制することが可能となり、アセタール化合物の濃度が低濃度に維持されたイソプロピルアルコールが得られる。
従来、アルデヒド化合物及びケトン化合物のうち炭素数1〜6のもの、中でも炭素数1〜3のものは、イソプロピルアルコールよりも沸点が低いものが多く、電子デバイスの洗浄用途に使用した場合であっても、被処理体に残存しないと考えられていた。そのため、それらの含有量は厳密に管理されておらず、通常の工業的プロセスで行われている、低沸点有機不純物を除去するための常圧蒸留で除かれる量しか低減されていないのが実状であった。
このような状況下において、本発明者らは、高沸点有機不純物を高度に除去することにより、アセタール化合物の濃度を質量基準で100ppb以下の低さとするとともに、保存中に該アセタール化合物を生成させる原因物質をも高度に除去して、長期保存を想定した加速試験を経ても、該アセタール化合物の濃度を質量基準で100ppb以下の低さに維持できるイソプロピルアルコールを初めて見出すことに成功した。
上記課題を解決するための具体的な手段には、以下の実施態様が含まれる。
<1> 高純度イソプロピルアルコールからなり、半導体製造工程で使用される洗浄液であって、
水分量が、質量基準で3〜25ppmであり、
炭素数7〜12のアセタール化合物の濃度が、質量基準で100ppb以下であり、
窒素雰囲気下、80℃で4時間加熱する加速試験を行った場合に、前記アセタール化合物の濃度が、該加熱前の値に対して30倍以内の増加量であり、且つ、質量基準で100ppb以下の値に維持される洗浄液
<2> 窒素雰囲気下、120℃で4時間加熱する加速試験を行った場合に、前記アセタール化合物の濃度が、該加熱前の値に対して30倍以内の増加量であり、且つ、質量基準で100ppb以下の値に維持される、<1>に記載の洗浄液
<3> 炭素数1〜6のアルデヒド化合物の濃度が、質量基準で1500ppb以下である、<1>又は<2>に記載の洗浄液
<4> 炭素数3〜6のケトン化合物の濃度が、質量基準で2000ppb以下である、<1>〜<3>のいずれか一項に記載の洗浄液
> 炭素数7〜12のアセタール化合物の濃度が、質量基準で100ppb以下であり、窒素雰囲気下、80℃で4時間加熱する加速試験を行った場合に、前記アセタール化合物の濃度が、該加熱前の値に対して30倍以内の増加量であり、且つ、質量基準で100ppb以下の値に維持される高純度イソプロピルアルコールの製造方法であって、
粗イソプロピルアルコールに対し、
減圧蒸留により低沸分を留去することで、炭素数1〜6のアルデヒド化合物の濃度が、質量基準で1500ppb以下に低減されるまで精製する減圧蒸留工程と、
常圧蒸留により缶出液を除去することで、炭素数7〜12のアセタール化合物の濃度が、質量基準で100ppb以下に低減されるまで精製する常圧蒸留工程と
を組み合わせて実施する、高純度イソプロピルアルコールの製造方法。
> 前記減圧蒸留工程において、炭素数3〜6のケトン化合物の濃度が、質量基準で2000ppb以下に低減されるよう精製する、<>に記載の高純度イソプロピルアルコールの製造方法。
> 前記粗イソプロピルアルコールが、プロピレンの直接水和法により得られたものである、<>又は<>に記載の高純度イソプロピルアルコールの製造方法。
本発明によれば、不純物であるアセタール化合物の濃度が低く、且つ、このアセタール化合物の濃度の経時的な増加が抑制された、長期保存安定性に優れる洗浄液、及び高純度イソプロピルアルコールの製造方法を提供することができる。
アセタール化合物は、イソプロピルアルコールよりも沸点が高いため、アセタール化合物を含むイソプロピルアルコールを洗浄液として使用すると、洗浄及び乾燥後に残渣の原因となる可能性がある。この点、本発明の洗浄液は、炭素数7〜12のアセタール化合物の濃度が、質量基準で100ppb以下に維持されるため、半導体製造工程において好適に使用することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。以下の説明において、濃度を表す「%」、「ppm」、及び「ppb」は、実施例を含めていずれも質量基準である。
<高純度イソプロピルアルコール>
本実施形態に係る高純度イソプロピルアルコールは、炭素数7〜12のアセタール化合物の濃度が100ppb以下であることに加え、窒素雰囲気下、80℃で4時間加熱する加速試験を行った場合に、上記アセタール化合物の濃度が、該加熱前の値に対して30倍以内の増加量であり、且つ、100ppb以下の値に維持されるものである。
ここで、アセタール化合物の濃度(アセタール化合物の合計の濃度)、後述するアルデヒド化合物の濃度(アルデヒド化合物の合計の濃度)、後述するケトン化合物の濃度(ケトン化合物の合計の濃度)、及び後述する水分量は、高純度イソプロピルアルコールの全体を基準とした場合の濃度又は量である。これらの濃度又は量は、後述する測定方法によって測定される。
なお、本実施形態に係る高純度イソプロピルアルコールは、ガスクロマトグラフィーを用いた質量分析(GC/MS)により、水を除いた濃度で示した場合に、イソプロピルアルコールの濃度が99.99%以上、好ましくは99.999%以上であるものを意味する。
(不純物;アセタール化合物)
本実施形態におけるアセタール化合物は、下記式(1)で表される化合物であり、炭素数1〜6のアルデヒド化合物及び炭素数3〜6のケトン化合物が酸触媒下又はアルカリ触媒下でアルコールと縮合して生成される。例えば、炭素数9のアセタール化合物は、プロピオンアルデヒドとイソプロピルアルコールとから生成される。
Figure 0006810304
(式中、R及びRは、それぞれ独立にアルキル基を示す。R及びRは、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基を示す。)
炭素数7〜12のアセタール化合物の具体例としては、アセトンジエチルアセタール、アセトンジイソプロピルアセタール、アセトアルデヒドジイソプロピルアセタール、プロピオンアルデヒドジイソプロピルアセタール、ブチルアルデヒドジイソプロピルアセタール、バレルアルデヒドジイソプロピルアセタール、ヘキサナールジイソプロピルアセタール、アセトンジイソプロピルアセタール、ブタノンジイソプロピルアセタール、2−ペンタノンジイソプロピルアセタール、2−メチル−3−ペンタノンジイソプロピルアセタール等が挙げられる。
本実施形態に係る高純度イソプロピルアルコールは、このようなアセタール化合物の合計の濃度が100ppb以下であり、好ましくは50ppb以下であり、より好ましくは20ppb以下である。本実施形態に係る高純度イソプロピルアルコールを半導体製造工程における洗浄液として使用する場合には、洗浄及び乾燥後の被処理体上に残渣を残らないようにする点から、イソプロピルアルコールよりも沸点が高いアセタール化合物が少なければ少ないほど(すなわち、0ppbに近いほど)好ましい。ただし、イソプロピルアルコールの工業的な製造、保管、及び輸送を考慮すると、アセタール化合物の合計の濃度の下限値は、0.1ppbであることが好ましく、0.5ppbであることがより好ましい。
本実施形態に係る高純度イソプロピルアルコールは、炭素数7〜12のアセタール化合物の濃度が100ppb以下の低さであるだけでなく、その保存中に該アセタール化合物を生成させる原因物質も高度に低減されており、窒素雰囲気下、80℃で4時間加熱する加速試験を行った場合に、上記アセタール化合物の濃度が、該加熱前の値に対して30倍以内の増加量であり、且つ、100ppb以下の値に維持される。ここで、上記加速試験は、イソプロピルアルコールを室温(25℃)下、暗所に6か月間保存した際にイソプロピルアルコールが被る、アセタール化合物の増加作用に対する過酷さにほぼ匹敵する。
また、本実施形態に係る高純度イソプロピルアルコールは、窒素雰囲気下、120℃で4時間加熱する加速試験を行った場合に、上記アセタール化合物の濃度が、該加熱前の値に対して30倍以内の増加量であり、且つ、100ppb以下の値に維持されるものが好ましい。このようなより過酷な条件でもアセタール化合物の増加が抑制された性状は、イソプロピルアルコールが夏期の高温下での物流や長期保管を経ても、上記アセタール化合物が低濃度に抑えられることを意味し、半導体デバイス等の電子デバイスの洗浄用途に使用した際の残渣による不具合を大きく改善できる。
本実施形態において、加速試験後のアセタール化合物の濃度の増加量は、加熱前の値に対して10倍以内であるのが好ましく、5倍以内であるのがより好ましい。
加速試験後のアセタール化合物の濃度は、具体的には以下の方法で測定する。すなわち、高純度イソプロピルアルコールを約20mLのステンレス鋼(SUS)管に10mL入れ、窒素を100mL/minで30分間供給し、脱酸素を行う。脱酸素後、酸素が入らないように密閉し、80℃又は120℃のオイルバスで、上記SUS管を4時間加熱する。そして、加速試験終了後、SUS管中のイソプロピルアルコールについて、アセタール化合物濃度を測定する。
このような過酷な加速試験によってもイソプロピルアルコール中にアセタール化合物を大きく増加させない性状は、炭素数1〜6のアルデヒド化合物、又は該アルデヒド化合物及び炭素数3〜6のケトン化合物を低減させることにより達成される。アセタール化合物は、イソプロピルアルコールの製造時に不可避的に含まれている炭素数1〜6であるアルデヒド化合物、又は該アルデヒド化合物及び炭素数3〜6のケトン化合物により生成され、製造後から経時的に増加するものと考えられる。したがって、これら特定の低沸点有機不純物を高度に低減させることにより、上記加速試験での性状は満足される。
(不純物;アルデヒド化合物及びケトン化合物)
本実施形態において、高純度イソプロピルアルコールに含まれる炭素数1〜6のアルデヒド化合物の合計の濃度は、アセタール化合物の増加を抑制する点から、1500ppb以下であることが好ましく、より好ましくは500ppb以下であり、さらに好ましくは150ppb以下である。また、該アルデヒド化合物の濃度の下限値は、より少なければアセタール化合物の生成を抑制できると考えられるため、0ppbであることが好ましい。ただし、イソプロピルアルコールの工業的生産を考慮すると、下限値は1ppbであることが好ましく、より好ましくは10ppbであり、さらに好ましくは50ppbである。
また、本実施形態において、高純度イソプロピルアルコールに含まれる炭素数3〜6のケトン化合物の合計の濃度は、アセタール化合物の増加を抑制する点から、2000ppb以下であることが好ましく、より好ましくは1000ppb以下であり、さらに好ましくは500ppb以下である。また、該ケトン化合物の濃度の下限値は、より少なければアセタール化合物の生成を抑制できると考えられるため、0ppbであることが好ましい。ただし、イソプロピルアルコールの工業的生産を考慮すると、下限値は10ppbであることが好ましく、より好ましくは50ppbであり、さらに好ましくは100ppbである。なお、ケトン化合物はアルデヒド化合物に比べてアセタール化合物へと変化しにくく、同じ濃度であっても、生成されるアセタール化合物の量は通常1/10以下の低さになる。
本実施形態においては、上記アルデヒド化合物と上記ケトン化合物とが共存しない状態とすることが好ましく、共存する場合であっても両者の濃度が低い方が好ましい。
従来、アルデヒド化合物及びケトン化合物(特に、アルデヒド化合物)がイソプロピルアルコールに含まれていたとしても、これら不純物であるイソプロピルアルコールよりも低沸点のものが多く、洗浄液に使用したとしても、悪影響を及ぼすとは考えられていなかった。しかし、本発明者らの検討によれば、これら化合物、特にアルデヒド化合物の濃度を上記範囲とすれば、アセタール化合物の増加が抑制され、加速試験を行っても該アセタール化合物の濃度を100ppb以下に容易に制御できることが分かった。同様の理由で、ケトン化合物の濃度を上記範囲とすることが好ましい。
上述したとおり、アルデヒド化合物は、ケトン化合物に比べてアセタール化合物を生成し易いため、アルデヒド化合物の濃度範囲を管理することが特に重要である。炭素数1〜6のアルデヒド化合物の具体例としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒト、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、2−メチルブチルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、ヘキサナール等が挙げられる。
また、炭素数3〜6のケトン化合物の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、4−メチル−2−ペンタノン、3−メチル−2−ペンタノン、2−メチル−3−ペンタノン等が挙げられる。
通常、イソプロピルアルコールは、アセトンを還元しイソプロピルアルコールを合成するアセトン還元法、濃硫酸を使用してプロピレンをエステル化した後、加水分解する間接水和法、触媒を利用してプロピレンを直接水和する直接水和法等により製造される。中でも、本実施形態では、アルデヒド化合物が生じ易い方法、原料等を使用して得られるイソプロピルアルコールを対象とすることが好ましい。具体的には、直接水和法で製造されたイソプロピルアルコールを対象とすることが好ましい。
直接水和法で製造されたイソプロピルアルコールは、精製前において、炭素数7〜12のアセタール化合物が100ppbを超えて含有されており、大抵において300ppbを超えて含有されている。また、炭素数1〜6のアルデヒド化合物が、1500ppbを超えて含有されており、大抵において3000ppbを超えて含有されている。さらに、炭素数3〜6のケトン化合物が、2000ppbを超えて含有されており、大抵において4000ppbを超えて含有されている。
炭素数1〜6のアルデヒド化合物、及び/又は炭素数3〜6のケトン化合物がイソプロピルアルコール中に含まれる要因として、「イソプロピルアルコールの原料であるプロピレン/アセトンに含まれている不純物」、「イソプロピルアルコールの合成反応の副生物」、「製造後のイソプロピルアルコールに含まれているアルコール化合物」等を挙げることができる。
これらの要因により、通常、工業的に製造されたイソプロピルアルコールには、炭素数1〜6のアルデヒド化合物及び炭素数3〜6のケトン化合物が不可避的に混入している。
例えば、原料であるプロピレンに不純物として含まれているエチレンが酸化して、エタノールが生成される。エタノールは、イソプロピルアルコールに含まれている溶存酸素の影響により酸化され、アセトアルデヒドに変化し、上記アルデヒド化合物としてイソプロピルアルコール中に含まれるようになると考えられる。また、1−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−2−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノール等のアルコールが反応副生物として不可避に存在し、上記アルコールの酸化反応物としてプロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、4−メチル−2−ペンタノン、3−メチル−2−ペンタノン、2−メチル−3−ペンタノン等が生成されると考えられる。
このように、アルデヒド化合物及びケトン化合物は反応の副生物として、また、反応工程、精製工程、保管中の酸化反応等によって生成する不純物であり、イソプロピルアルコール中に多く含まれているため、これまで、厳密に濃度範囲を管理されていなかった。
しかし、本発明者らの検討によれば、例えば、イソプロピルアルコール中にアルデヒド化合物が含まれていると、イソプロピルアルコールとアルデヒド化合物とが下記反応式のように反応し、アセタール化合物が経時的に増加するものと考えられる。なお、下記反応式は、上記式(1)で表されるアセタール化合物において、R及びRがイソプロピル基となる場合の例示である。
Figure 0006810304
上記反応式によれば、イソプロピルアルコール中に含まれるアセトアルデヒドの濃度を管理することで、炭素数8のアセタール化合物の増加を抑制することができる。
その他、イソプロピルアルコール中には、アセトアルデヒド以外に炭素数が異なるアルデヒド化合物が含まれているため、例えば、炭素数3のプロピオンアルデヒドとイソプロピルアルコールとの反応では、炭素数9のアセタール化合物が経時的に増加することになる。
したがって、イソプロピルアルコール中に含まれる炭素数1〜6であるアルデヒド化合物の濃度を特定の範囲に管理することにより、アセタール化合物の経時的な増加を抑制することができるようになると推定される。上記式(1)におけるR及びRがアルキル基である場合は、原料となる不純物がケトン化合物となるが、この場合も、同じ反応機構でアセタール化合物が当然増加するものと考えられる。
なお、不純物として含まれているアルデヒド化合物同士が縮合し、高沸点の有機物が保存中に生成される場合があり、これらの縮合物も洗浄及び乾燥後の残渣となる可能性がある。したがって、炭素数1〜6のアルデヒド化合物の濃度を特定の範囲に管理することにより、アルデヒド化合物同士の縮合を防ぐこともできる。
(その他の不純物)
本実施形態に係る高純度イソプロピルアルコールは、製造上、不可避的に混入する、その他の不純物を含んでいてもよい。不可避的に混入する不純物としては、水、有機不純物、無機不純物等が挙げられる。そのうち有機不純物は、イソプロピルアルコールを蒸留する工程で分離されず、混入する有機不純物である。
(水)
本実施形態に係る高純度イソプロピルアルコールは、水分量が0.1〜100ppmであることが好ましい。イソプロピルアルコール中の水分は、洗浄及び乾燥後の残渣やウォーターマークの原因となると考えられ、また、触媒として作用する虞もある。そのため、水分量は100ppm以下であることが好ましい。一方、アセタール化合物が生成する反応は脱水反応のため、化学平衡を考慮すると、イソプロピルアルコール中に水分が存在している方がアセタール化合物の生成を抑制できるものと考えられる。そのため、水分量は0.1ppm以上であることが好ましい。高純度イソプロピルアルコールの洗浄液としての使用、及びアセタール化合物の生成抑制という点から、水分量は、1〜50ppmであることがより好ましく、3〜25ppmであることがさらに好ましい。
さらに、本実施形態に係る高純度イソプロピルアルコール中に含まれるアルデヒド化合物及びケトン化合物の全質量と水分量とは、以下の関係を満足することが好ましい。具体的には、下記式(I)で表される比率pが0.001〜1であることが好ましく、0.01〜0.1であることがより好ましい。
p=(アルデヒド化合物及びケトン化合物の全質量)/(水分量)・・・(I)
上述したとおり、アセタール化合物が生成する反応は脱水反応であり、化学平衡を考慮すると、イソプロピルアルコール中に存在する水分により、アセタール化合物の生成を抑制できると考えられる。一方で、イソプロピルアルコール中に存在する水分によって、イソプロピルアルコールが酸化され、アセタール化合物の原料となるアルデヒド化合物やケトン化合物が供給されると考えられる。そのため、上記比率pが1を超えると、水が少なくなり、アセタール化合物の生成が増加する傾向にあるものと考えられる。一方、上記比率pが0.001未満の場合には、アルデヒド化合物が増加する傾向にあり、最終的にアセタール化合物が増加する虞がある。
以上の理由により、本実施形態に係る高純度イソプロピルアルコールにおいて、上記比率pを0.001〜1の範囲に管理することにより、アセタール化合物の生成をさらに抑制できるものと考えられる。
本実施形態に係る高純度イソプロピルアルコールは、水分量をも管理することにより、より一層保存安定性に優れるものとなり、長期間の輸送や貯蔵を行うことが可能となる。そして、例えば、半導体製造工程における洗浄液として好適に使用することができる。
(その他の不純物:遊離酸)
遊離酸は、アセタール化合物の生成に触媒として作用すると推定される。このため、本実施形態に係る高純度イソプロピルアルコール中の有機酸の濃度は、10ppm以下であることが好ましく、より好ましくは100ppb以下であり、さらに好ましくは10ppb以下である。下限値は低ければ低いほど好ましいが、工業的な製造、保管、及び輸送を考慮すると、通常は0.1ppb以上である。
<高純度イソプロピルアルコールの製造方法>
本実施形態に係る高純度イソプロピルアルコールは、上述した性状が満足されるものが得られる限り、如何なる方法で製造されたものであってもよい。好適な製造方法としては、粗イソプロピルアルコールに対し、減圧蒸留により低沸分を留去することで、炭素数1〜6のアルデヒド化合物の濃度が、質量基準で1500ppb以下に低減されるまで精製する減圧蒸留工程と、常圧蒸留により缶出液を除去することで、炭素数7〜12のアセタール化合物の濃度が、質量基準で100ppb以下に低減されるまで精製する常圧蒸留工程とを組み合わせて施すものが挙げられる。
上述したとおり、イソプロピルアルコール中の不純物として炭素数7〜12のアセタール化合物が存在することは、本発明者らによって初めて見出されたものである。イソプロピルアルコールを製造する際に蒸留精製を行うことは、特許文献3等に記載されているとおり公知であるが、除去すべき有害な有機不純物として該アセタール化合物は認識されていないため、このアセタール化合物を通常の蒸留で実施されている程度を超えて微少レベルにまで減少させる操作は行われていない。また、炭素数1〜6のアルデヒド化合物もイソプロピルアルコール中での存在が知られておらず、アセトンを除いて炭素数3〜6のケトン化合物も、イソプロピルアルコール中での存在が知られていない。さらには、これら炭素数1〜6のアルデヒド化合物や炭素数3〜6のケトン化合物がアセタール化合物を生成させる原因物質になることも知られていない。よって、これらの原因物質についても、通常の蒸留で実施されている程度を超えて微少レベルにまで減少させる操作は、やはり行われていない。
而して、上記炭素数1〜6のアルデヒド化合物は、イソプロピルアルコールとの相溶性が高く、常圧下での蒸留では、これを高度には留去し難い。したがって、粗イソプロピルアルコールを繰り返し常圧蒸留しても、該アルデヒド化合物の濃度を1500ppb以下にまで低下させることは困難である。特にブチルアルデヒドは、常圧蒸留ではイソプロピルアルコールとの分離性が著しく悪く、これを低濃度にすることは極めて困難である。同様に、炭素数3〜6のケトン化合物も、イソプロピルアルコールとの相溶性が高く、該ケトン化合物の濃度を常圧蒸留により2000ppb以下にまで低下させることは困難である。特にメチルプロプルケトンは、イソプロピルアルコールとの分離性が著しく悪く、これを低濃度にすることは極めて困難である。
これに対して、イソプロピルアルコールを減圧蒸留する場合には、炭素数1〜6のアルデヒド化合物及び炭素数3〜6のケトン化合物のいずれも、高効率に除去できることが分かった。すなわち、減圧蒸留工程において低沸分を留去することで、炭素数1〜6のアルデヒド化合物及び炭素数3〜6のケトン化合物を、上述した各濃度にまで低減させることが可能になる。
減圧蒸留の圧力は、20kPa以下であることが好ましく、10kPa以下であることがより好ましく、5kPa以下であることがさらに好ましい。圧力の下限は装置の機密性、経済性の観点から1kPa以上であることが好ましく、3kPa以上であることがより好ましい。
減圧蒸留を行うための蒸留塔は、当分野で知られているものを制限なく使用することができ、段塔又は充填塔を好ましいものとして挙げることができる。減圧蒸留は、アセタール化合物を生成させる原因物質(炭素数1〜6のアルデヒド化合物や炭素数3〜6のケトン化合物)の低減が目的であり、常圧及び減圧の蒸留を別に行うことから、少ない段数に設定することができる。段塔の段数、又は段塔に換算した蒸留塔の相当段数に制限はないが、多すぎると蒸留設備の費用が嵩むことから、2〜30段であることが好ましく、3〜20段であることがより好ましく、5〜10段であることがさらに好ましい。
減圧蒸留における還流比に制限はないが、多すぎると蒸留設備の費用が嵩むことから、1〜100であることが好ましく、5〜50であることがより好ましく、10〜20であることがさらに好ましい。段塔としては、十字流トレイ、シャワートレイ等を用いることができる。充填塔を用いる場合における充填物としては、ラシヒリング、レッシングリング等の公知の充填物が挙げられる。塔の材質、充填物の材質に制限はなく、鉄、SUS、ハステロイ、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス、フッ素樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン)等の各種金属、各種樹脂を用いることができる。
また、上述した高純度イソプロピルアルコールの製造方法では、常圧蒸留工程において、缶出液を除去することで、炭素数7〜12のアセタール化合物の濃度を100ppb以下に低減することも必須である。炭素数7〜12のアセタール化合物は、常圧蒸留でなければ高度には除去できない。
蒸留塔における段塔の段数、又は段塔に換算した蒸留塔の相当段数に制限はないが、10〜300であることが好ましい。また、常圧蒸留における環流比に制限はないが、0.5〜50であることが好ましく、1〜10であることがより好ましい。その他、常圧蒸留の諸条件は、減圧蒸留で説明したものと同じである。
減圧蒸留工程と常圧蒸留工程とは、これらを組み合わせて実施する限り、その実施順に制限はなく、先に減圧蒸留工程を実施し、その後に常圧蒸留工程を実施してもよいし、その逆であってもよい。使用される材質の溶出、減圧蒸留時の不純物の混入の観点からは、先に減圧蒸留工程を実施し、その後に常圧蒸留工程を実施するのが好ましい。
なお、減圧蒸留工程では、低沸分を留去することで、炭素数1〜6のアルデヒド化合物(さらには炭素数3〜6のケトン化合物)の濃度を低減させるだけでなく、併せて高沸分の缶出液としての除去を施してもよい。この場合、精製されたイソプロピルアルコールは、蒸留塔側部から取り出せばよい。このように減圧蒸留工程で高沸分の缶出液としての除去を施しても、炭素数7〜12のアセタール化合物は高度には除去できないため、常圧蒸留工程を実施することは必要である。
さらに、常圧蒸留工程では、缶出液を除去することで、炭素数7〜12のアセタール化合物の濃度を低減させるだけでなく、併せて低沸分の留去も施してもよい。この場合、高純度イソプロピルアルコールは蒸留塔側部から取り出せばよい。このように常圧蒸留工程で低沸分の留去を施しても、炭素数1〜6のアルデヒド化合物(さらには炭素数3〜6のケトン化合物)は高度には除去できないため、減圧蒸留工程を実施することは必要である。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
先ず、不純物等の分析及び定量方法について説明する。
(アセタール化合物の測定方法;定性分析)
イソプロピルアルコール中に含まれるアセタール化合物は、GC−MSを使用し、以下に示した測定条件で測定した。
−測定条件−
装置:7890A/5975C(アジレント・テクノロジー株式会社製)
分析カラム:SUPELCO WAX−10(60m×0.25mm、0.25μm)
カラム温度:35℃(2分間保持)→5℃/分で昇温→100℃→10℃/分で昇温→240℃(6分間保持)
キャリアガス:ヘリウム
キャリアガス流量:2mL/分
注入口温度:240℃
試料注入法:パルスドスプリットレス法
注入時パルス圧:90psi(2分)
スプリットベント流量:50mL/分(2分)
ガスセーバー使用:20mL/分(5分)
トランスファーライン温度:240℃
イオン源、四重極温度:230℃、150℃
スキャンイオン:m/Z=25〜250
イソプロピルアルコールを濃縮していない場合、上記の条件に従って得られたチャートにおいてイソプロピルアルコールよりも保持時間が長い領域にピークが検出されなければ、アセタール化合物の濃度が検出下限である500ppb以下であると評価することができる。
(アセタール化合物の測定方法;定量分析)
上記の定性分析の方法に従って得られたチャートにピークが確認された場合は、そのピークのマススペクトルよりライブラリ検索を行い、構造を特定した。次に、その特定されたアセタール化合物の標準物質を準備し、予め定量された標準物質のピーク面積と比較することで、定性分析で検出されたアセタール化合物の濃度を選択イオン検出法(SIM)により定量した。
−SIMモニターイオン−
グループ1 開始時間:12.7分、m/Z:101,131,145(ドゥエル60)
(アルデヒド化合物の測定方法;定性分析)
イソプロピルアルコール中に含まれるアルデヒド化合物は、GC−MSを使用し、以下に示した測定条件で測定した。
−測定条件−
装置:7890A/5975C(アジレント・テクノロジー株式会社製)
分析カラム:SUPELCO WAX−10(60m×0.25mm、0.25μm)
カラム温度:35℃(2分間保持)→5℃/分で昇温→100℃→10℃/分で昇温→240℃(6分間保持)
キャリアガス:ヘリウム
キャリアガス流量:2mL/分
注入口温度:240℃
試料注入法:スプリット法
スプリット比:1対10
トランスファーライン温度:240℃
イオン源、四重極温度:230℃、150℃
スキャンイオン:m/Z=25〜250
イソプロピルアルコールを濃縮していない場合、上記の条件に従って得られたチャートにおいてイソプロピルアルコールよりも保持時間が短い領域にピークが検出されなければ、アルデヒド化合物の濃度が検出下限である5000ppb以下であると評価することができる。
(アルデヒド化合物の測定方法;定量分析)
アセタール化合物の定量分析と同様に、上記の定性分析の方法に従って得られたチャートにピークが確認された場合は、そのピークのマススペクトルよりライブラリ検索を行い、構造を特定した。次に、その特定されたアルデヒド化合物の標準物質を準備し、予め定量された標準物質のピーク面積と比較することで、定性分析で検出されたアルデヒド化合物の濃度を選択イオン検出法(SIM)により定量した。
−SIMモニターイオン−
m/Z:29(アセトアルデヒド分析)
m/Z:58(アセトン、プロピオンアルデヒド分析)
m/Z:72(ブチルアルデヒド、メチルエチルケトン分析)
(水分量の測定方法)
機器:カールフィッシャー水分計 AQ−7(平沼産業株式会社製)
方法:露点−80℃以下のグローボックス中で測定サンプル0.25g、脱水アセトニトリル0.75gを混合する。グローボックス中で充分乾燥したテルモシリンジ(商品名、2.5mL)で混合溶液0.5gを採取し、カールフィッシャー水分計にて測定した。
<実施例1>
株式会社トクヤマの電子工業用イソプロピルアルコール(常圧蒸留により缶出液を除去する操作が施されている)を用意し、下記に示す蒸留操作を行った。
(蒸留操作)
2Lのフラスコを水浴に入れ、長さ2mのガラスビーズの入った充填塔を設置した。フラスコに2Lのイソプロピルアルコールを入れた。5kPaに減圧し、水浴50℃、塔頂温度15〜25℃、冷却器の温度−5〜0℃で蒸留を行った。蒸留操作後、上述したアルデヒド化合物の測定方法に従って測定したところ、アルデヒド化合物として、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、及びブチルアルデヒドが検出された。アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、及びブチルアルデヒドの合計の濃度は100ppb以下であった。アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、及びブチルアルデヒドは、凝縮されず、系外に排出されたと考えられる。
さらに、蒸留操作で精製されたイソプロピルアルコール中に含まれる水分量は、5ppmであった。また、イソプロピルアルコール中に含まれる遊離酸(酢酸として算出)は、2ppmであった。
次に、蒸留操作で精製されたイソプロピルアルコールの保存安定性を確認するため、下記に示す条件で加速試験を行った。
(加速試験)
蒸留により得られた、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、及びブチルアルデヒドの合計の濃度が100ppb以下であるサンプルを約20mLのSUS管に10mL入れ、窒素を100mL/minで30分間供給し、脱酸素を行った。脱酸素後、酸素が入らないように密閉した。120℃のオイルバスでSUS管を4時間加熱した。加速試験終了後、上述したアセタール化合物の測定方法に従って測定したところ、アセタール化合物の濃度は20ppbであった(表1)。
このように、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、及びブチルアルデヒドの合計の濃度を100ppb以下に低減したイソプロピルアルコールは、加速試験後もアセタール化合物の濃度が20ppbであり、優れた長期保存安定性を示していた。
<比較例1>
株式会社トクヤマの工業用イソプロピルアルコールを用意し、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、及びブチルアルデヒドを蒸留しなかった以外は、実施例1と同様の加速試験を行い、アセタール化合物の評価を行った。その結果、アセタール化合物の濃度は2000ppbに上昇していた(表1)。
このように、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、及びブチルアルデヒドの濃度を低減しなかったイソプロピルアルコールは、加速試験の結果、アセタール化合物の濃度が2000ppbとなり、長期保存安定性に劣っていた。
Figure 0006810304
<実施例2>
(粗イソピロピルアルコールの製造)
原料のプロピレンとしては、不純物として39972ppmのプロパン、20ppmのエタン、8ppmのブテン、0.1ppm以下のペンテン、0.1ppm以下のヘキセンが含まれているものを準備した。また、原料の水としては、酸触媒であるリンタングステン酸を添加してpHを3.0に調整したものを準備した。10Lの内容積を持つ反応器に、110℃に加温した水を18.4kg/h(密度920kg/mであるから、20L/h)の供給量で投入するとともに、プロピレンを1.2kg/hの供給量で投入した。
反応器内での反応温度を280℃、反応圧力を250atmとして、プロピレンと水とを反応させてイソプロピルアルコールを得た。生成したイソプロピルアルコールを含む反応生成物を140℃まで冷却し、圧力を18atmへ減圧することにより、反応生成物に含まれる水に溶解しているプロピレンを気体として回収した。回収したプロピレンは、原料として再利用するために、プロピレンの回収ドラムに投入した。このとき、供給したプロピレンの転化率は84.0%、プロピレンのイソプロピルアルコールへの選択率は99.2%であった。
続いて、蒸留により脱水し、イソプロピルアルコールの濃度が99%である粗イソプロピルアルコールを得た。得られた粗イソプロピルアルコールについて、アセタール化合物、アルデヒド化合物、及びケトン化合物の各濃度を測定した結果を表2に示す。
Figure 0006810304
(粗イソプロピルアルコールの精製)
2Lのフラスコを水浴に入れ、長さ2mのガラスビーズの入った充填塔(段塔に換算した相当段数10段)を用意した。フラスコに、2Lの粗イソプロピルアルコールを入れた。減圧蒸留を、圧力:20kPa、還流比:3、水浴温度:70℃、塔頂温度:35〜45℃、冷却器の温度:−5〜0℃の条件で行い、低沸分を留去させた。次いで、上記と同様に、2Lのフラスコを水浴に入れ、長さ3mのガラスビーズの入った充填塔(段塔に換算した相当段数20段)を用意した。フラスコに、上記減圧蒸留により得られたイソプロピルアルコールを入れた。常圧蒸留を、還流比:3、オイルバス温度:120℃、塔頂温度:82℃、冷却器の温度:25℃の条件で行った。留出液のイソプロピルアルコールの濃度をGC/MSにより測定したところ、水を除いた濃度が99.999%以上の高純度であった。得られた高純度イソプロピルアルコールについて、アセタール化合物、アルデヒド化合物、及びケトン化合物の各濃度を測定した結果を表3〜表5に示す。また、得られた高純度イソプロピルアルコールについて、水分量を測定した結果を表3に併せて示す。
(加速試験)
上記により得られた高純度イソプロピルアルコールについて、実施例1と同様にして80℃の加熱温度での加速試験を行い、アセタール化合物の評価を行った。その結果、アセタール化合物の濃度は90ppbであった(表6)。これとは別に、高純度イソプロピルアルコールが収容されたSUS管を室温(25℃)下で6か月間保管し、アセタール化合物を測定したところ85ppbであった。このことから、80℃での加速試験が、室温(25℃)下、暗所に6か月間保管した際にイソプロピルアルコールが被るアセタール化合物の増加作用に対する過酷さにほぼ匹敵することが確認できた。
さらに、同様の加速試験を、SUS管のオイルバスでの加熱温度を120℃に変更して実施したところ、アセタール化合物の濃度は350ppbであった(表7)。
<実施例3>
実施例2の(粗イソプロピルアルコールの精製)における減圧蒸留の条件を、圧力:10kPa、還流比:3、水浴温度:70℃、塔頂温度:28〜38℃、冷却器の温度:−5〜0℃に変更する以外は実施例2と同様にして、水を除いたイソプロピルアルコールの濃度が99.999%以上の高純度イソプロピルアルコールを製造した。得られた高純度イソプロピルアルコールについて、アセタール化合物、アルデヒド化合物、及びケトン化合物の各濃度を測定した結果を表3〜表5に示す。また、得られた高純度イソプロピルアルコールについて、水分量を測定した結果を表3に併せて示す。
(加速試験)
上記により得られた高純度イソプロピルアルコールについて、実施例1と同様にして80℃及び120℃の各温度条件で加速試験を行い、アセタール化合物の評価を行った。その結果、アセタール化合物の濃度は、80℃では40ppbであり(表6)、120℃では85ppbであった(表7)。
<実施例4>
実施例2の(粗イソプロピルアルコールの精製)における減圧蒸留の条件を、圧力:5kPa、還流比:6、水浴温度:50℃、塔頂温度:15〜25℃、冷却器の温度:−5〜0℃に変更する以外は実施例2と同様にして、水を除いたイソプロピルアルコールの濃度が99.999質量%以上の高純度イソプロピルアルコールを製造した。得られた高純度イソプロピルアルコールについて、アセタール化合物、アルデヒド化合物、及びケトン化合物の各濃度を測定した結果を表3〜表5に示す。また、得られた高純度イソプロピルアルコールについて、水分量を測定した結果を表3に併せて示す。
(加速試験)
上記により得られた高純度イソプロピルアルコールについて、実施例1と同様にして80℃及び120℃の各温度条件で加速試験を行い、アセタール化合物の評価を行った。その結果、アセタール化合物の濃度は、80℃では19ppbであり(表6)、120℃では27ppbであった(表7)。
<実施例5>
実施例2の(粗イソプロピルアルコールの精製)における減圧蒸留の条件を、圧力:5kPa、還流比:9、水浴温度:50℃、塔頂温度:15〜25℃、冷却器の温度:−5〜0℃に変更する以外は実施例2と同様にして、水を除いたイソプロピルアルコールの濃度が99.999質量%以上の高純度イソプロピルアルコールを製造した。得られた高純度イソプロピルアルコールについて、アセタール化合物、アルデヒド化合物、及びケトン化合物の各濃度を測定した結果を表3〜表5に示す。また、得られた高純度イソプロピルアルコールについて、水分量を測定した結果を表3に併せて示す。
(加速試験)
上記により得られた高純度イソプロピルアルコールについて、実施例1と同様にして80℃及び120℃の各温度条件で加速試験を行い、アセタール化合物の評価を行った。その結果、アセタール化合物の濃度は、80℃では11ppbであり(表6)、120℃では15ppbであった(表7)。
<実施例6>
実施例2の(粗イソプロピルアルコールの精製)における常圧蒸留の条件を、段数:10段、還流比:1、オイルバス温度:120℃、塔頂温度:82℃、冷却器の温度:25℃に変更する以外は実施例2と同様にして、水を除いたイソプロピルアルコールの濃度が99.999質量%以上の高純度イソプロピルアルコールを製造した。得られた高純度イソプロピルアルコールについて、アセタール化合物、アルデヒド化合物、及びケトン化合物の各濃度を測定した結果を表3〜表5に示す。また、得られた高純度イソプロピルアルコールについて、水分量を測定した結果を表3に併せて示す。
(加速試験)
上記により得られた高純度イソプロピルアルコールについて、実施例1と同様にして80℃及び120℃の各温度条件で加速試験を行い、アセタール化合物の評価を行った。その結果、アセタール化合物の濃度は、80℃では89ppbであり(表6)、120℃では100ppbであった(表7)。
<比較例2>
実施例2の(粗イソプロピルアルコールの精製)における減圧蒸留を、還流比:3、オイルバス温度:120℃、塔頂温度:82℃、冷却器の温度:25℃の条件の常圧蒸留に変更する以外は実施例2と同様にして、水を除いたイソプロピルアルコールの濃度が99.999質量%以上の高純度イソプロピルアルコールを製造した。得られた高純度イソプロピルアルコールについて、アセタール化合物、アルデヒド化合物、及びケトン化合物の各濃度を測定した結果を表3〜表5に示す。また、得られた高純度イソプロピルアルコールについて、水分量を測定した結果を表3に併せて示す。
(加速試験)
上記により得られた高純度イソプロピルアルコールについて、実施例1と同様にして80℃及び120℃の各温度条件で加速試験を行い、アセタール化合物の評価を行った。その結果、アセタール化合物の濃度は、80℃では270ppbであり(表6)、120℃では900ppbであった(表7)。
<比較例3>
実施例2の(粗イソプロピルアルコールの精製)における常圧蒸留を、圧力:20kPa、段数:10段、還流比:3、水浴温度:70℃、塔頂温度:35〜45℃、冷却器の温度:−5〜0℃の条件の減圧蒸留に変更する以外は実施例2と同様にして、水を除いたイソプロピルアルコールの濃度が99.999質量%以上の高純度イソプロピルアルコールを製造した。得られた高純度イソプロピルアルコールについて、アセタール化合物、アルデヒド化合物、及びケトン化合物の各濃度を測定した結果を表3〜表5に示す。また、得られた高純度イソプロピルアルコールについて、水分量を測定した結果を表3に併せて示す。
(加速試験)
上記により得られた高純度イソプロピルアルコールについて、実施例1と同様にして80℃及び120℃の各温度条件で加速試験を行い、アセタール化合物の評価を行った。その結果、アセタール化合物の濃度は、80℃では200ppbであり(表6)、120℃では190ppbであった(表7)。
Figure 0006810304
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2018年10月3日に出願された日本出願2018−188017の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。

Claims (7)

  1. 高純度イソプロピルアルコールからなり、半導体製造工程で使用される洗浄液であって、
    水分量が、質量基準で3〜25ppmであり、
    炭素数7〜12のアセタール化合物の濃度が、質量基準で100ppb以下であり、
    窒素雰囲気下、80℃で4時間加熱する加速試験を行った場合に、前記アセタール化合物の濃度が、該加熱前の値に対して30倍以内の増加量であり、且つ、質量基準で100ppb以下の値に維持される洗浄液。
  2. 窒素雰囲気下、120℃で4時間加熱する加速試験を行った場合に、前記アセタール化合物の濃度が、該加熱前の値に対して30倍以内の増加量であり、且つ、質量基準で100ppb以下の値に維持される、請求項1に記載の洗浄液。
  3. 炭素数1〜6のアルデヒド化合物の濃度が、質量基準で1500ppb以下である、請求項1又は2に記載の洗浄液。
  4. 炭素数3〜6のケトン化合物の濃度が、質量基準で2000ppb以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の洗浄液。
  5. 炭素数7〜12のアセタール化合物の濃度が、質量基準で100ppb以下であり、窒素雰囲気下、80℃で4時間加熱する加速試験を行った場合に、前記アセタール化合物の濃度が、該加熱前の値に対して30倍以内の増加量であり、且つ、質量基準で100ppb以下の値に維持される高純度イソプロピルアルコールの製造方法であって、
    粗イソプロピルアルコールに対し、
    減圧蒸留により低沸分を留去することで、炭素数1〜6のアルデヒド化合物の濃度が、質量基準で1500ppb以下に低減されるまで精製する減圧蒸留工程と、
    常圧蒸留により缶出液を除去することで、炭素数7〜12のアセタール化合物の濃度が、質量基準で100ppb以下に低減されるまで精製する常圧蒸留工程と
    を組み合わせて実施する、高純度イソプロピルアルコールの製造方法。
  6. 前記減圧蒸留工程において、炭素数3〜6のケトン化合物の濃度が、質量基準で2000ppb以下に低減されるよう精製する、請求項に記載の高純度イソプロピルアルコールの製造方法。
  7. 前記粗イソプロピルアルコールが、プロピレンの直接水和法により得られたものである、請求項又はに記載の高純度イソプロピルアルコールの製造方法。
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