JP6805514B2 - 脱脂米ぬか抽出物を含有する組成物 - Google Patents

脱脂米ぬか抽出物を含有する組成物 Download PDF

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Description

本発明は、脱脂米ぬか抽出物を含有し、かつ該抽出物に起因する経時的な劣化臭が低減された組成物に関する。
米ぬかは、玄米を精米する過程で出る果皮や種皮、胚芽等の部分であり、特有の香りを有し、強力な抗酸化作用を有するフェルラ酸やγ−オリザノールなどの成分を含有することが知られている。しかし、米ぬかから採油した米ぬか油が化粧品や食品等に利用されているものの、搾油した残渣から得られた脱脂米ぬかは、一部の肥料や家畜飼料に使用されている以外、その多くは廃棄されている。
近年、脱脂米ぬかは、抗酸化効果を期待し、微細化処理および加熱処理して化粧品に配合したり(特許文献1)、脱脂米ぬかに含まれる蛋白質を酒類のオリ下げ剤として利用する(特許文献2)ことが開示されている。
脱脂米ぬかには、タンパク質、ビタミン、ミネラル等の栄養素が豊富に含まれ、その抽出物について、活性酸素除去作用、チロシナーゼ抑制作用、免疫賦活作用等が報告されており、脱脂米ぬか抽出物は、皮膚外用剤、化粧品への配合成分として、美白作用や皮膚の老化防止作用等、種々の機能の期待される有用な成分である。
しかし、脱脂米ぬかの抽出物については、米ぬか油の採取時に抗酸化効果を有するフェルラ酸やγ−オリザノールなどの成分も多く取り除かれるため、経時的に酸化されることが懸念される。また、脱脂米ぬかの抽出物は、経時的に香調が劣化するという問題を有するため、それらを低減する方法の開発が望まれていた。
脱脂米ぬか抽出物において、経時的に生じる劣化臭の原因の一つとして酸化が挙げられるが、抗酸化物質として代表的な柿の搾汁液(特許文献3)によっては、劣化臭の十分な低減効果は得られない。それゆえ、脱脂米ぬか抽出物の経時的な劣化臭を低減する有効な方法の提案が求められている。
特開2012−188574号公報 特開2006−204293号公報 特開2005−118230号公報
本発明は、上記事情に鑑み、脱脂米ぬか抽出物を含有し、かつ該抽出物に起因する経時的な劣化臭が低減された組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために研究を重ねたところ、(a)脱脂米ぬか抽出物に対して、(b)ウコン(Curcuma longa L.)抽出物及びペカン(Carya illinoensis)抽出物からなる群より選択される1種以上を組み合わせることによって、脱脂米ぬか抽出物の経時的な劣化臭が良好に低減された組成物が得られることを見出した。
さらに、(c)式[I]で表される1−アシル−2,3−環状ホスファチジン酸またはその塩を含有させることによって、(a)成分と(b)成分を組み合わせた場合よりも、経時的な劣化臭がより低減されることを見出した。
(式中、Rは炭素数10〜22のアシル基を表す。)
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1](a)脱脂米ぬか抽出物、並びに(b)ウコン(Curcuma longa L.)抽出物及びペカン(Carya illinoensis)抽出物からなる群より選択される1種以上を含有する、組成物。
[2]さらに、(c)式[I]で表される1−アシル−2,3−環状ホスファチジン酸又はその塩を含有する、[1]に記載の組成物。
(式中、Rは炭素数10〜22のアシル基を表す。)
[3](a)脱脂米ぬか抽出物の含有量が0.01質量%〜10質量%で、(b)ウコン(Curcuma longa L.)抽出物及びペカン(Carya illinoensis)抽出物からなる群より選択される1種以上の含有量が0.001質量%〜1質量%である、[1]又は[2]に記載の組成物。
[4]1−アシル−2,3−環状ホスファチジン酸又はその塩の含有量が、0.001質量%〜1質量%である、[2]又は[3]に記載の組成物。
[5]皮膚外用剤である、[1]〜[4]のいずれかに記載の組成物。
本発明の脱脂米ぬか抽出物を含有する組成物は、種々の生理機能を有する脱脂米ぬか抽出物を含有し、有用であるとともに、経時的な劣化臭が良好に低減され、品質に優れる。
従って、本発明の脱脂米ぬか抽出物を含有する組成物は、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品等として、好適に提供され得る。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明の脱脂米ぬか抽出物を含有する組成物(以下、本明細書において「本発明の組成物」ともいう)は、下記(a)成分及び(b)成分を含有する。また、さらに(c)成分を含有する。
[(a)脱脂米ぬか抽出物]
本発明に用いられる(a)脱脂米ぬか抽出物は、玄米を精米したときに発生した米ぬかを圧搾し、米ぬか油を搾油した後の残渣を用い、各種溶媒にて抽出して得られる。本発明においては、イネ科イネ属に属するイネ(Oryza sativa)の玄米から得られる米ぬかが原料として用いられ、ジャポニカ種、インディカ種等、あらゆる品種のイネ由来の米ぬかを用いることができる。
抽出に用いられる溶媒としては、ヘキサン、ベンゼン等の炭化水素類、酢酸エチル等のエステル類、アセトン等のケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、クロロホルム、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素類、低級アルコール、多価アルコール等のアルコール類及び水などが挙げられる。中でも好ましくは水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等の低級アルコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン等の多価アルコールであり、更に好ましくは水、エタノール、1,3−ブチレングリコールである。本発明においては、前記抽出溶媒は1種を選択して単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
抽出温度は、使用する抽出溶媒の種類に応じて適宜決定される。例えば抽出溶媒が水である場合には、抽出温度は通常20℃〜120℃程度であり、抽出溶媒が低級アルコールの場合、通常20℃〜50℃程度、好ましくは室温である。
抽出方法としては、脱脂米ぬかに抽出溶媒を加えて1時間以上浸漬した後、ろ過することで抽出物を得ることができる。抽出溶媒に浸漬して撹拌等を行ってもよい。
得られた抽出物は、そのまま用いてもよく、あるいは溶媒留去により濃縮し、必要に応じて、カラムクロマトグラフィーや溶媒分画等の処理により精製し、または乾燥等を行って用いてもよい。
(a)成分の含有量は、本発明の組成物の全量に対して、通常0.01質量%〜10質量%であり、好ましくは0.1質量%〜8質量%、さらに好ましくは1質量%〜5質量%の割合で含有される。(a)成分の含有量が0.01質量%未満である場合は、脱脂米ぬか抽出物に起因する経時的な劣化臭は問題となる程度ではないが、該抽出物の生理機能による好ましい効果が期待できない場合がある。また、(a)成分の含有量が10質量%を超える場合は、脱脂米ぬか抽出物に起因する経時的な劣化臭の低減効果が得られ難くなることがある。
[(b)ウコン抽出物及びペカン抽出物からなる群より選択される1種以上]
本発明の組成物には、(b)成分として、ウコン抽出物およびペカン抽出物からなる群より選択される1種以上が含有される。
本発明において用いられるウコン抽出物は、ショウガ科ウコン属に属する多年草であるウコン(Curcuma longa L.)の根茎の抽出物である。該抽出物は、ウコンの根茎から、各種溶媒にて抽出して得られる。
抽出に用いられる溶媒としては、ヘキサン、ベンゼン等の炭化水素類、酢酸エチル等のエステル類、アセトン等のケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、クロロホルム、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素類、低級アルコール、多価アルコール等のアルコール類及び水などが挙げられる。中でも好ましくは水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等の低級アルコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン等の多価アルコールであり、更に好ましくは水、エタノール、1,3−ブチレングリコールである。本発明においては、前記抽出溶媒は1種を選択して単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
抽出温度は、使用する抽出溶媒の種類に応じて適宜決定される。例えば抽出溶媒が水である場合には、抽出温度は通常20℃〜120℃程度であり、抽出溶媒が低級アルコールの場合、通常20℃〜50℃程度、好ましくは室温である。
抽出方法としては、ウコンの根茎をそのままもしくはスライスしてから乾燥させたものに、抽出溶媒を加えて1時間以上浸漬し、ろ過することで抽出物を得ることができる。抽出溶媒に浸漬して撹拌等を行ってもよい。
得られた抽出物は、そのまま用いてもよく、あるいは溶媒留去により濃縮し、必要に応じて、カラムクロマトグラフィーや溶媒分画等の処理により精製し、または乾燥等を行って用いてもよい。
本発明においては、ウコンの根茎から上記の方法により抽出物を得て用いてもよいが、日油株式会社等各社より商業的に提供されている製品を用いることもできる。
本発明において用いられるペカン抽出物は、クルミ科ペカン属に属する落葉高木であるペカン(ピカンまたはピーカン)(Carya illinoensis)の抽出物である。本発明の目的には、果実、種子等の抽出物が好ましく用いられ、種子または種子殻の抽出物がより好ましく用いられる。
ペカンの抽出物は、種子または種子殻をそのままもしくは乾燥した後に、ヘキサン、ベンゼン等の炭化水素類、酢酸エチル等のエステル類、アセトン等のケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、クロロホルム、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素類、低級アルコール、多価アルコール等のアルコール類及び水等の溶媒の1種または2種以上とともに加熱還流し、あるいは前記溶媒の1種又は2種以上により抽出して得られる。中でも、水及びメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等の低級アルコールから選ばれる1種または2種以上で抽出して得た抽出物が好ましく、水で抽出して得た抽出物がさらに好ましい。
具体的な抽出方法としては、特開2000−072686号公報に記載された以下の方法が挙げられる。
まず、種子または種子殻をそのままあるいは乾燥処理した後破砕し、その重量の5〜100倍量程度の抽出溶媒に浸漬し、又は前記溶媒中で撹拌、破砕等を行うことにより抽出する。抽出温度は、使用する抽出溶媒の種類に応じて適宜決定される。例えば抽出溶媒が水である場合には、抽出温度は通常20℃〜120℃程度であり、抽出溶媒が低級アルコールの場合、通常20℃〜50℃程度、好ましくは室温である。抽出処理後、ろ過、遠心分離などの手段により固液分離して抽出物を得る。
抽出物はそのまま用いてもよく、常法に従って抽出溶媒を留去して濃縮し、必要に応じて精製、乾燥等の処理を行って用いてもよい。また、乾燥した抽出物を、水、エタノール、1,3−ブチレングリコール等の1種または2種以上の溶媒で溶解して用いてもよい。
本発明においては、ペカンから上記の方法により抽出物を得て用いてもよいが、日油株式会社より商業的に提供されている製品を用いることもできる。
本発明においては、上記したウコン抽出物およびペカン抽出物は、1種を選択して単独で用いてもよく、2種以上を選択して、任意の割合で混合して用いてもよい。たとえば、ウコン抽出物の1種又はペカン抽出物の1種を単独で、(b)成分として用いてもよく、調製方法の異なるウコン抽出物を2種以上、又は調製方法の異なるペカン抽出物を2種以上組み合わせて、(b)成分として用いてもよい。あるいは、ウコン抽出物の1種と、ペカン抽出物の1種とを組み合わせて、(b)成分として用いてもよい。
(b)成分の含有量((b)成分として、ウコン抽出物及びペカン抽出物からなる群より選択される2種以上の抽出物を含有する場合は、選択された各抽出物の含有量の合計量である)は、本発明の組成物の全量に対して、通常0.001質量%〜1質量%であり、好ましくは0.01質量%〜0.8質量%、さらに好ましくは0.1質量%〜0.5質量%である。(b)成分の含有量が0.001質量%未満である場合は、(a)成分の脱脂米ぬか抽出物に起因する経時的な劣化臭を低減する効果が得られ難くなることがある。また、(b)成分の含有量が1質量%を超える場合は、(b)成分特有の臭いが本発明の組成物の香調に影響を与えることがある。
本発明の組成物において、(a)成分の脱脂米ぬか抽出物と、(b)成分のウコン(Curcuma longa L.)抽出物及びペカン(Carya illinoensis)抽出物からなる群より選択される1種以上の含有量比[(a):(b)](質量比)は、脱脂米ぬか抽出物に起因する劣化臭の低減効果の観点からは、1:0.01〜1:0.25であることが好ましく、1:0.05〜1:0.2であることがより好ましい。
[(c)1−アシル−2,3−環状ホスファチジン酸またはその塩]
本発明の組成物においては、上記(a)成分の脱脂米ぬか抽出物ならびに(b)成分のウコン抽出物及びペカン抽出物からなる群より選択される1種以上に加えて、さらに(c)成分として、式[I]で表される1−アシル−2,3−環状ホスファチジン酸またはその塩を含有させることにより、脱脂米ぬか抽出物に起因する劣化臭の低減効果が増強される。
(式中、Rは炭素数10〜22のアシル基を表す。)
式[I]中、Rで示される炭素数10〜22のアシル基は、直鎖状もしくは分岐鎖状の飽和又は不飽和アシル基であり、好ましくは、ラウリン酸、ミリスチン酸、イソミリスチン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキジン酸等の炭素数12〜20の直鎖状もしくは分岐鎖状の飽和脂肪酸由来のアシル基、又はオレイン酸、リノール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、アラキドン酸等の直鎖状もしくは分岐鎖状の不飽和脂肪酸より誘導されるアシル基である。中でも好ましくは、大豆リン脂質由来脂肪酸、卵黄リン脂質由来脂肪酸より誘導されるアシル基であり、更に好ましくは、大豆リン脂質由来脂肪酸より誘導されるアシル基である。
また、本発明で用いられる1−アシル−2,3−環状ホスファチジン酸の塩は、下記式[II]で示されるものである。
(式中、Rは炭素数10〜22のアシル基を表し、Mはカチオンを表す。)
式[II]中、Rで示される炭素数10〜22のアシル基については、上記した通りである。
式[II]中、Mで示されるカチオンとしては、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン、ブチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム等の有機アンモニウムイオン等が挙げられる。
本発明において、1−アシル−2,3−環状ホスファチジン酸の塩としては、入手のし易さや溶解性等の観点から、ナトリウム塩及びカリウム塩が好ましい。
なお、本発明で用いられる1−アシル−2,3−環状ホスファチジン酸又はその塩は、例えば、リゾホスファチジルコリンをホスホリパーゼDで酵素処理する方法(特開2014−093953号公報等)、化学合成にて調製する方法(特開平6−228169号公報等)等の公知の方法により製造してもよいが、日油株式会社製「CyPA(登録商標)−ET」、「CyPA(登録商標)−PW」として、商業的に入手することもできる。
(c)成分の含有量は、本発明の組成物の全量に対して、通常0.001質量%〜1質量%であり、好ましくは0.01質量%〜0.8質量%であり、より好ましくは0.05質量%〜0.5質量%である。(c)成分の含有量が0.001質量%〜1質量%であれば、組成物の経時安定性も良好で、(a)成分の脱脂米ぬか抽出物に起因する経時的な劣化臭の低減効果を十分に増強することができる。
本発明の組成物において、(a)成分の米ぬか抽出物と、(c)成分の1−アシル−2,3−環状ホスファチジン酸又はその塩の含有量比[(a):(c)](質量比)は、1:0.001〜1:0.5であることが好ましく、1:0.005〜1:0.1であることがより好ましい。
また、(b)成分のウコン(Curcuma longa L.)抽出物及びペカン(Carya illinoensis)抽出物からなる群より選択される1種以上と、(c)成分の1−アシル−2,3−環状ホスファチジン酸又はその塩の含有量比[(b):(c)](質量比)は、1:0.05〜1:1であることが好ましく、1:0.1〜1:1であることがより好ましい。
本発明の組成物は、液状、乳液状、懸濁液状、ゲル状、クリーム状、カプセル状等の種々の形態とすることができ、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品等として提供することができる。
従って、本発明の組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、基剤、溶剤、溶解補助剤、可溶化剤、懸濁化剤、分散剤、乳化剤、安定化剤、抗酸化剤、粘稠化剤、保存剤、pH調整剤、矯味剤、香料、着色剤等、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品等に通常添加される添加剤や、各種薬効成分、栄養成分等を配合することも可能である。
本発明の組成物は、上記(a)成分及び(b)成分、又はさらに(c)成分を混合し、必要に応じて添加剤や薬効・栄養成分を加えて、医薬品等の一般的な製造方法、たとえば第16改正日本薬局方製剤総則に記載された方法等により、製造することができる。
本発明の組成物は、特に好ましくは皮膚外用剤(以下「本発明の皮膚外用剤」ともいう)として提供することができる。
本発明の皮膚外用剤は、様々な剤形を採ることができ、ローション剤、リニメント剤等の外用液剤;油脂性軟膏剤、水溶性軟膏剤等の軟膏剤;水中油型クリーム剤、油中水型クリーム剤等のクリーム剤;水性ゲル剤、油性ゲル剤等のゲル剤;テープ剤、パップ剤等の貼付剤等とすることができる。
また、本発明の皮膚外用剤は、特に好ましくは皮膚用化粧品とすることができ、例えば、化粧水、美容液、乳液、ジェル、クリーム等、液状、乳状、ゲル状、クリーム状等の種々の剤形の皮膚用化粧品として提供することができる。さらに、不織布等に含浸させた形態のマスク等の形態とすることもできる。
本発明の皮膚外用剤には、本発明の特徴を損なわない範囲で、上記(a)成分〜(c)成分に加えて、上記剤形の皮膚外用剤とするための一般的な添加剤、例えば、動植物性油脂、ロウ、脂肪酸、脂肪族アルコール、エステル油、炭化水素油、シリコーン油といった油性基剤;非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤等の界面活性剤;エタノール等の低級アルコール;グリセリン、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール;カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシセルロース等の粘稠化剤;乳酸およびその塩、クエン酸およびその塩等のpH調整剤;水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、L−アルギニン等の塩基;紫外線吸収剤;防腐剤;香料;色素;タルク、酸化亜鉛等の顔料等を含有させ得る。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1〜6、および比較例1〜4]化粧水
表1に示す処方に従い、下記の製造方法により、皮膚外用剤として化粧水を調製した。
<製造方法>
イオン交換水の一部にメチルパラベンを添加混合後、75℃〜85℃で加熱溶解した。前記水溶液に、ペンチレングリコールとイオン交換水の残部との混合液に溶解した(c)成分を添加し、さらに75℃〜85℃に加熱溶解した。均一に溶解した後、冷却して、(a)成分、(b)成分又は(b’)成分を添加混合することで化粧水を得た。
表1中の各配合成分については、以下の通りである。
(a)成分:脱脂米ぬか抽出物
米ぬか220kgを圧搾して搾油することにより、脱脂米ぬか170kgを得た。その100gに対し、50質量%の1,3−ブチレングリコール水溶液1,000gを加えて50℃で5時間抽出し、5℃で1週間澱だし後、ろ過することにより脱脂米ぬか抽出物700gを得た。この脱脂米ぬか抽出物中の固形分は1.0質量%であった。
(b)成分:ウコン抽出物及びペカン抽出物
ウコン抽出物としては、日油株式会社製「熱帯ウコンエキスBG」を使用した。また、ペカン抽出物としては、日油株式会社製「ピーカンナッツエキスBG」を使用した。
(b')成分:柿の搾汁液、ショウガ根茎抽出物及びクルミ種子殻抽出物
柿の搾汁液としては、リリース科学工業株式会社製「Pancil COS−17」を使用した。ショウガ根茎抽出物としては、一丸ファルコス株式会社製「ファルコレックスショウキョウE」を使用した。また、クルミ種子殻抽出物は、以下の方法で得た。
クルミ科クルミ(Juglans) の種子殻粉砕物100gに蒸留水500mLを加えて110℃で10分間加熱還流した。得られた抽出液の溶媒を減圧留去して得た褐色粉体2.4gに、70質量%の1,3−ブチレングリコール水溶液120mLを加えて60℃で2時間加熱攪拌し、シャープレス型遠心分離機で遠心分離後、ろ過することでクルミ種子殻抽出物(80g)を得た。
(c)成分:1−アシル−2,3−環状ホスファチジン酸
1−アシル−2,3−環状ホスファチジン酸としては、日油株式会社製「CyPA(登録商標)−PW」(上記式[I]中、Rで示されるアシル基が大豆リン脂質由来脂肪酸より誘導されるアシル基である1−アシル−2,3−環状ホスファチジン酸を10質量%、シクロデキストリンを50質量%含有する粉末)を使用した。但し、表1、2に示される「1−アシル−2,3−環状ホスファチジン酸」の濃度は、1−アシル−2,3−環状ホスファチジン酸自体の濃度を表す。
<化粧水の劣化臭の低減効果の評価>
実施例1〜6及び比較例1〜4の各化粧水をそれぞれ透明のガラス容器に密閉して、0℃及び40℃の各温度でそれぞれ6ヶ月間保存した。保存後の各化粧水について、劣化臭を20名の女性パネラー(20歳〜48歳)に官能評価させた。
上記官能評価では、各パネラーに、0℃で保存した化粧水に比べて、40℃で保存した化粧水に劣化臭を感じるかどうかを評価させ、下記の3段階の評価基準により点数化させた。
次いで、20名のパネラーの評価点の合計を求め、下記の判定基準により「◎」、「○」、「△」及び「×」の4段階で判定し、表1に併せて示した。表1において、評価結果欄における括弧内の数字は、評価の合計点を示す。
<評価基準>
2点:全く劣化臭を感じない。
1点:やや劣化臭を感じる。
0点:劣化臭を感じる。
<判定基準>
◎:合計点が35点以上、かつ0点と評価したパネラーが0人である場合;劣化臭を感じない化粧水である。
○:合計点が25点以上で35点未満である場合、または合計点が35点以上、かつ0点と評価したパネラーが1人以上2人以下である場合;ほとんど劣化臭を感じない化粧水である。
△:合計点が15点以上で25点未満である場合;わずかに劣化臭を感じる化粧水である。
×:合計点が15点未満である場合;劣化臭を感じる化粧水である。
実施例1〜6の皮膚外用剤(化粧水)では、脱脂米ぬか抽出物に起因する劣化臭が良好に低減されていた。一方、比較例1〜4の皮膚外用剤(化粧水)では、脱脂米ぬか抽出物に起因する劣化臭は十分には低減されていない。
具体的には、比較例1の化粧水は、(b)成分のウコン根茎抽出物、ペカン種子殻抽出物のいずれも含有しないため、劣化臭が明確に認められると評価された。比較例2の化粧水は、(b)成分の代わりに柿の搾汁液を含有するが、劣化臭は十分には低減されていない。また、比較例3の化粧水は、(b)成分の代わりにウコンと同属のショウガの根茎抽出物を、比較例4の化粧水は、(b)成分の代わりにペカンと同属のクルミの種子殻抽出物を含有するが、劣化臭は十分には低減されなかった。
[実施例7および8]水中油型乳液
表2に示す処方にて、下記製造方法により、実施例7および8の水中油型乳液を調製した。
<製造方法>
まず、表3に示した共通成分A中のペンチレングリコールの一部とイオン交換水の一部の混合液に(c)成分を添加し、溶解した。次に、イオン交換水の残部に、共通成分A中のペンチレングリコールの残部および防腐剤を添加混合後、75℃〜85℃で加熱溶解した(水相成分)。一方、共通成分A中のペンチレングリコール以外の基剤成分と界面活性剤を混合し、75℃〜85℃で加熱溶解した(油相成分)。前記水相成分に油相成分を添加して乳化させた後、共通成分A中の粘稠化剤を添加混合した。次いで冷却し、先に調製した(c)成分の水溶液、共通成分A中のpH調整剤、(a)成分および(b)成分を添加混合して、水中油型乳液を調製した。
なお、表2中の(a)〜(c)成分については、上記実施例1に記載した通りである。
[実施例9および10]水中油型クリーム
表2に示す処方にて、下記製造方法により実施例9および10の水中油型クリームを調製した。
<製造方法>
まず、表4に示した共通成分B中のペンチレングリコール及び防腐剤をイオン交換水に添加混合し、75℃〜85℃で加熱溶解した(水相成分)。一方、(c)成分ならびに、共通成分B中のペンチレングリコール以外の基剤と界面活性剤を混合し、75℃〜85℃で加熱溶解した(油相成分)。前記水相成分に油相成分を添加して乳化した後、冷却して(a)成分および(b)成分を添加混合し、水中油型クリームを調製した。
なお、表2中の(a)〜(c)成分については、上記実施例1に記載した通りである。
実施例7および8の水中油型乳液、ならびに実施例9および10の水中油型クリームについて、実施例1〜6と同様に、20名の女性パネラーによる官能評価を行い、脱脂米ぬか抽出物に起因する劣化臭について4段階の判定を行なった。この評価結果を表2に併せて示した。
表2に示されるように、実施例7〜10の皮膚外用剤(乳液及びクリーム)は、脱脂米ぬか抽出物に起因する劣化臭が良好に低減されていると評価された。
上記にて詳述したように、本発明により、種々の生理機能を有する脱脂米ぬか抽出物を含有しながら、それに起因する劣化臭が良好に低減された組成物を提供することができる。
本発明の組成物は、脱脂米ぬか抽出物の有する生理作用が期待され、経時的な劣化臭の発生についても問題のない医薬品、医薬部外品、化粧品、食品等として提供することができ、好適には、皮膚外用剤、特に好ましくは皮膚用化粧品として提供することができる。

Claims (4)

  1. (a)脱脂米ぬかの水、低級アルコールおよび多価アルコールからなる群より選択される1種以上の抽出溶媒による抽出物、(b)ウコン(Curcuma longa L.)の水、低級アルコールおよび多価アルコールからなる群より選択される1種以上の抽出溶媒による抽出物及びペカン(Carya illinoensis)抽出物からなる群より選択される1種以上、ならびに(c)式[I]で表される1−アシル−2,3−環状ホスファチジン酸またはその塩を含有し、前記(a)成分と(c)成分との含有量比[(a):(c)](質量比)が1:0.001〜1:0.5であり、前記(b)成分と(c)成分との含有量比[(b):(c)](質量比)が1:0.05〜1:1である、組成物。

    (式中、Rは炭素数10〜22のアシル基を表す。)
  2. (a)脱脂米ぬかの水、低級アルコールおよび多価アルコールからなる群より選択される1種以上の抽出溶媒による抽出物の含有量が0.01質量%〜10質量%で、(b)ウコン(Curcuma longa L.)の水、低級アルコールおよび多価アルコールからなる群より選択される1種以上の抽出溶媒による抽出物及びペカン(Carya illinoensis)抽出物からなる群より選択される1種以上の含有量が0.001質量%〜1質量%である、請求項1に記載の組成物。
  3. (c)1−アシル−2,3−環状ホスファチジン酸またはその塩の含有量が0.001質量%〜1質量%である、請求項又はに記載の組成物。
  4. 皮膚外用剤である、請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
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