JP6175117B2 - ヒアルロニダーゼ阻害剤及びその用途 - Google Patents

ヒアルロニダーゼ阻害剤及びその用途 Download PDF

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本発明は、ヒアルロニダーゼ阻害剤及びその用途に関する。
ヒアルロニダーゼは、ヒアルロン酸の加水分解酵素であり、動物組織に広く分布している。ヒアルロニダーゼの基質となるヒアルロン酸は、皮膚、関節液等の組織に多く存在するムコ多糖の一種であり、細胞の保護、栄養の運搬、組織水分の保持、柔軟性の維持、潤滑性の保持等において重要な役割を担っている。
生体中のヒアルロン酸量は、老化、病的状態等により減少する。生体中におけるヒアルロン酸量の減少は、細胞の保湿力を低下させて、乾燥、肌荒れ、シミ、皺等の症状を引き起こす原因となる。そのため、ヒアルロニダーゼによるヒアルロン酸の分解を抑制するヒアルロニダーゼ阻害剤は、生体内のヒアルロン酸量を維持して、上記症状を予防又は改善する効果が期待できる。
また、ヒアルロニダーゼは、炎症、アレルギー反応等にも関与していることが知られている。具体的には、炎症時において、ヒアルロニダーゼはタンパク質−ヒアルロン酸複合組織の破壊による血管の透過性の亢進に関与しているものと考えられている。また、I型アレルギーにおいて、ヒアルロニダーゼは肥満細胞からのヒスタミン遊離の過程に関与しているものと考えられている。そのため、ヒアルロニダーゼ阻害剤には、抗炎症剤又は抗アレルギー剤としての効果も期待できる。実際、抗炎症剤又は抗アレルギー剤であるアスピリン、インドメタシン、クロモグリク酸ナトリウム等には、高いヒアルロニダーゼ阻害活性が認められている。
近年、生体に対する安全性の観点から、天然物由来のヒアルロニダーゼ阻害剤が注目されている。例えば、特許文献1には、ロスマリン酸を有効成分とする植物由来のヒアルロニダーゼ阻害剤が開示されている。
一方、クロモジ(Lindera umbellata)は、クスノキ科クロモジ属に属する落葉低木であり、枝は高級楊枝の材料として用いられる。しかし、クロモジの精油成分が、ヒアルロニダーゼ阻害活性を有することは、これまでに報告例はない。
特開平9−67251号公報
本発明は、植物の精油を有効成分とする新規なヒアルロニダーゼ阻害剤及びその用途を提供することを目的とする。
本発明者は、熊野産クロモジの精油、及び該精油に含まれる成分が、ヒアルロニダーゼ阻害活性を示すことを見出し、さらにこれに検討を加えて、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下のヒアルロニダーゼ阻害剤等を提供する。
項1.熊野産クロモジの精油を有効成分として含有するヒアルロニダーゼ阻害剤。
項2.前記精油が、カルボン、シス−ジヒドロカルボン、トランス−ジヒドロカルボン、及びβ−セスキフェランドレンからなる群から選択される少なくとも1種を含む、上記項1に記載のヒアルロニダーゼ阻害剤。
項3.β−セスキフェランドレンとカルボンとを重量比として1:1の割合で含有する、上記項2に記載のヒアルロニダーゼ阻害剤。
項4.上記項1〜3のいずれかに記載のヒアルロニダーゼ阻害剤を含有する抗炎症剤。
項5.上記項1〜3のいずれかに記載のヒアルロニダーゼ阻害剤を含有する抗アレルギー剤。
項6.上記項1〜3のいずれかに記載のヒアルロニダーゼ阻害剤を含有する皮膚外用剤。
熊野産クロモジの精油及び該精油に含まれるカルボン、シス−ジヒドロカルボン、トランス−ジヒドロカルボン、及びβ−セスキフェランドレンは、ヒアルロニダーゼ阻害活性を有していることから、ヒアルロニダーゼ阻害剤として有用である。また、熊野産クロモジの精油又は該精油に含まれる上記化合物を含むヒアルロニダーゼ阻害剤は、抗炎症剤、抗アレルギー剤、皮膚外用剤等としても使用することができる。
カルボン、シス−ジヒドロカルボン、トランス−ジヒドロカルボン、及びβ−セスキフェランドレンの構造式である。 実施例1における熊野産クロモジ精油、及び該精油の特徴成分のヒアルロニダーゼ阻害活性試験の結果を示す図である。 実施例1におけるβ−セスキフェランドレン、カルボン、及びβ−セスキフェランドレンとカルボンとの1:1(重量比)混合物のヒアルロニダーゼ阻害活性試験の結果を示す図である。 実施例1におけるβ−セスキフェランドレンのヒアルロニダーゼ阻害活性試験から導かれるDixon plotの結果を示す図である。 実施例1におけるカルボンのヒアルロニダーゼ阻害活性から導かれるDixon plotの結果を示す図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のヒアルロニダーゼ阻害剤は、熊野産クロモジからの抽出物である精油を有効成分として含有する。
クロモジ(Lindera umbellata)は、クスノキ科クロモジ属に属する落葉低木であり、本州、四国、九州等に広く分布している。本発明では、クロモジのなかでも、特に、和歌山県新宮市(紀南)の熊野地方に自生するクロモジ(熊野産クロモジ)を使用する。
本発明の熊野産クロモジの精油は、熊野産クロモジから抽出される成分を意味し、その樹木から抽出されたものであればよく、特に枝葉から抽出したものが好ましい。熊野産クロモジは、枝葉等をそのまま抽出に供することができる。あるいは、乾燥した後粉砕したうえで抽出に供してもよい。
熊野産クロモジの精油の抽出方法としては、精油成分の沸点が低いことから、水蒸気蒸留法、圧搾法、溶剤抽出法、油脂吸収法、揮発性溶剤抽出法、超臨界流体抽出法等の公知の方法が用いられる。中でも、水蒸気蒸留法が好ましく採用される。
上記した方法によって熊野産クロモジから精油を得た後、本発明では得られた抽出液をそのままヒアルロニダーゼ阻害剤として用いることが可能である。或いは、必要に応じて、濾過、遠心分離等の常法によって残渣と固液分離することによって、精油を得ることができる。
更に、必要に応じて、アルミナカラムクロマトグラフィー、シリカゲルクロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー等の適当な分離精製手段を1種若しくは2種以上組み合わせて、ヒアルロニダーゼ阻害活性のある画分又は化合物を取り出して、ヒアルロニダーゼ阻害剤とすることができる。溶出溶媒は、公知のものを用いればよいが、沸点が低い無極性有機溶媒を主成分とするのが好適である。これにより、少量の精油で優れた活性を発揮させることができる。
熊野産クロモジの精油は、それ自身でヒアルロニダーゼ阻害活性を有している。該精油には、主要成分として、カルボン(carvone)、シス−ジヒドロカルボン(cis−dihydrocarvone)、トランス−ジヒドロカルボン(trans−dihydrocarvone)、及びβ−セスキフェランドレン(β−sesquiphellandrene)が含まれており、これらの化合物もヒアルロニダーゼ阻害活性を有している。図1に、上記化合物の構造式を示す。これらの成分は、他の地域に自生するクロモジに通常含まれる成分(リモネン、リナロールタイプの成分、1,8−シネオールタイプの成分等)と異なる。
上記化合部の中でも、カルボン及びβ−セスキフェランドレンは、熊野産クロモジ精油よりも強いヒアルロニダーゼ阻害活性を有している。また、β−セスキフェランドレンとカルボンとの重量比として1:1の割合で配合した混合物は、より強いヒアルロニダーゼ阻害活性を有している。
上記の熊野産クロモジの精油及びその活性化合物であるカルボン、シス−ジヒドロカルボン、トランス−ジヒドロカルボン、及びβ−セスキフェランドレンは、ヒアルロニダーゼ阻害活性を有するため、広くヒアルロニダーゼ阻害剤として用いることができる。
熊野産クロモジの精油又はその活性化合物を有効成分として含有するヒアルロニダーゼ阻害剤を、例えば、医薬品(医薬品及び医薬部外品を含む)として用いることができる。上記医薬品は、ヒトに用いることもできるし、ヒト以外の哺乳動物に用いることも可能である。本発明のヒアルロニダーゼ阻害剤を医薬品として用いる場合、抗炎症剤、抗アレルギー剤等として用いられる。抗アレルギー剤の対象となるアレルギーの種類は特に限定されず、例えば、アトピー性皮膚炎、花粉症、気管支喘息、食物アレルギー等が挙げられる。
本発明のヒアルロニダーゼ阻害剤は、慣用されている方法により錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、被覆錠剤、カプセル剤、シロップ剤、トローチ剤、吸入剤、坐剤、注射剤、軟膏剤、眼軟膏剤、点眼剤、点鼻剤、点耳剤、パップ剤、ローション剤等の剤に製剤化することができる。
製剤化には通常用いられる賦形剤、結合剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤や、および必要により安定化剤、乳化剤、吸収促進剤、界面活性剤、pH調整剤、防腐剤、抗酸化剤などを使用することができ、一般に医薬品製剤の原料として用いられる成分及び配合量を適宜選択して常法により製剤化される。
本発明の医薬製剤を投与する場合、その形態は特に限定されず、通常用いられる方法であればよく、経口投与でも非経口投与でもよい。本発明にかかる医薬の投与量は、症状の程度、年齢、性別、体重、投与形態・塩の種類、疾患の具体的な種類等に応じて、製剤学的な有効量を適宜選ぶことができる。例えば、経口又は粘膜吸収により投与される場合には、熊野産クロモジの精油、又はカルボン、シス−ジヒドロカルボン、トランス−ジヒドロカルボン、及びβ−セスキフェランドレンからなる群から選択される少なくとも1種は、通常0.001〜10重量%程度(好ましくは、0.01〜5.0重量%程度)、非経口投与による場合は、通常0.001〜20重量%(好ましくは、0.01〜10.0重量%程度)含有していればよい。
本発明のヒアルロニダーゼ阻害剤は、皮膚外用剤(化粧品、医薬品及び医薬部外品を含む)として用いることができる。本発明のヒアルロニダーゼ阻害剤は、皮膚外用剤として用いても、ヒアルロニダーゼ阻害作用、抗炎症作用、抗アレルギー作用等を期待することができる。なお、上記皮膚外用剤は、ヒトに用いることもできるし、ヒト以外の哺乳動物に用いることも可能である。本発明のヒアルロニダーゼ阻害剤を配合し得る皮膚外用剤の形態として、例えば、乳液、石鹸、洗顔料、入浴剤、クリーム、化粧水、オーデコロン、ひげ剃り用クリーム、ひげ剃り用ローション、化粧油、日焼け又は日焼け止めローション、おしろいパウダー、ファンデーション、アイシャドー、マスカラ、アイライナー、口紅、リップクリーム、シャンプー、リンス、染毛料、分散液、洗浄料等が挙げられる。また、本発明のヒアルロニダーゼ阻害剤を配合し得る医薬品又は医薬部外品の形態として、例えば、軟膏剤、クリーム剤、外用液等が挙げられる。
上記形態の皮膚外用剤には、本発明のヒアルロニダーゼ阻害剤の他に、そのヒアルロニダーゼ阻害作用、抗炎症作用、又は抗アレルギー作用を損なわない範囲で、化粧品、医薬部外品等の皮膚外用剤に広く配合される成分、油分、高級アルコール、脂肪酸、紫外線吸収剤、粉体、顔料、界面活性剤、多価アルコール、糖、高分子、生理活性成分、溶媒、酸化防止剤、香料、防腐剤等を配合することができる。
また、熊野産クロモジの精油、又はカルボン、シス−ジヒドロカルボン、トランス−ジヒドロカルボン、及びβ−セスキフェランドレンは経口摂取することができるため、例えば、清涼飲料、乳製品(加工乳、ヨーグルト)、菓子類(ゼリー、チョコレート、ビスケット、ガム、錠菓)等の各種飲食品に配合することもできる。その配合量はとくに限定はないが、通常0.01〜10重量%程度であればよい。
次に、本発明を実施例を用いて具体的に説明するが、本発明がこれに限定されるものではない。
実施例1
熊野産クロモジ精油は、和歌山県新宮市熊野川町西の峯の東側、和歌山県新宮市熊野川町滝本付近の山林に自生しているクロモジの枝葉を採取し、水蒸気蒸留することにより得た。
カルボン、シス−ジヒドロカルボン及びトランス−ジヒドロカルボンは、いずれもシグマ−アルドリッチ社(Sigma-Aldrich Corporation)製のものを使用した。
β−セスキフェランドレンは、上記の熊野産クロモジ精油から、分取GCシステムに連結された分取キャピラリーガスクロマトグラフィー(pcGC)で精製することにより単離した。なお、pcGCには、ガスクロマトグラフィー(6890N, Agilent Technologies, Santa Clara, U.S.A.)、水素炎イオン化検出器(FID, Agilent Technologies)、及びガーステルフラクションコレクター(PFC, Gerstel, Muhlhelm, Germany)を用いた。pcGCは、5%フェニルメチルポリシロキサン−溶融シリカキャピラリーカラム(HP-5MS, 30 m x 0.32 mm I.D., 0.5 mm, Agilent Technologies)を使用し、キャリアーガスとしてヘリウムガス(2ml/分)を用いて行った。注入量は1μlであり、カラムオーブン温度を40℃〜230℃まで4℃/分で昇温して分取した。
ヒアルロニダーゼ阻害試験は、以下のようにして行った。
(試薬の調製)
(0.1M酢酸緩衝液(pH4.0))
0.2M酢酸ナトリウム溶液を0.2M酢酸に82:18の体積比で混合し、さらに2倍に希釈して調製した。
(酵素ヒアルロニダーゼ溶液)
ヒアルロニダーゼ(Type-4s from Bovine testes、シグマ社製)を6mg秤量し、1.5mlの0.1M酢酸緩衝液(pH4.0)に溶解し、4mg/ml(最終濃度0.8mg/ml)となるように調整した。
(酵素活性化剤Compound48/80)
Compound48/80(シグマ社製)を2.5mg秤量し、5mlの0.1M酢酸緩衝液(pH4.0)に溶解し、0.8mg/ml(最終濃度0.16mg/ml)となるように調整した。
(基質ヒアルロン酸ナトリウム溶液)
ヒアルロン酸ナトリウムを10mg秤量し、12.5mlの0.1M酢酸緩衝液(pH4.0)に溶解し、0.8mg/ml(最終濃度0.16mg/ml)となるように調整した。
(p−ジメチルアミノベンズアルデヒド溶液)
p−ジメチルアミノベンズアルデヒド5gを10N塩酸6ml及び酢酸44mlに溶解して調製した。使用時には、この溶液を氷酢酸で10倍希釈して用いた。
(1Mホウ酸溶液)
61.83gのホウ酸(和光純薬(株)製)を蒸留水に溶解して1Lに定溶して調製した。
(測定方法)
試験管に試料液を100μl加え、さらに酵素ヒアルロニダーゼ溶液を50μl加え、37℃で20分間インキュベートした。その後酵素活性化剤Compound48/80溶液を100μl加えてから、37℃で20分間さらにインキュベートし、基質ヒアルロン酸ナトリウム溶液を250μl加え、アルミキャップをして37℃で40分間反応させた。
0.4M水酸化ナトリウム溶液100μlを加えて反応を停止させた後、1Mホウ酸溶液を100μl添加して3分間煮沸処理をした。反応液を室温まで冷却した後、氷酢酸で10倍希釈したp−ジメチルアミノベンズアルデヒド溶液を3ml添加し、再度37℃で20分間インキュベートした後、マイクロプレートに移し、585nmにおける吸光度をマイクロプレートリーダー(Bio-Rad社製)で測定した。
コントロールとして、酵素ヒアルロニダーゼ溶液の代わりに0.1M酢酸緩衝液(pH4.0)を添加したもの、試料液の代わりに試料溶媒を添加したものを同様に処理し、吸光度を測定した。
ポジティブコントロールとして、ヒアルロニダーゼ阻害活性を有するロスマリン酸を0.5mg/ml(最終濃度100ppm)の濃度で用いた。
得られた結果から、下式に従ってヒアルロニダーゼ阻害活性率を算出した。
阻害活性率(%)={1−(S−SB)/(C−CB)}×100
[式中、
S:試料液を加えた時の吸光度(試験吸光度)
SB:酵素ヒアルロニダーゼ溶液の代わりに0.1M酢酸緩衝液(pH4.0)を添加した時の吸光度(試料吸光度)
C:試料液の代わりに試料を溶解した溶媒を加えた時の吸光度(最大吸光度)
CB:酵素ヒアルロニダーゼ溶液の代わりに0.1M酢酸緩衝液(pH4.0)を加え、試料液の代わりに試料を溶解した溶媒を加えた時の吸光度(試料溶媒吸光度)]
各サンプルについて少なくとも3回測定を行い、その平均値を示した。その結果を表1〜2、及び図2〜3に示す。
熊野産クロモジの精油はヒアルロニダーゼ阻害活性を示し、熊野産クロモジの精油に含まれるカルボン、シス−ジヒドロカルボン、トランス−ジヒドロカルボン、及びβ−セスキフェランドレンもヒアルロニダーゼ阻害活性を示した(表1及び図2)。
β−セスキフェランドレン及びカルボンは、熊野産クロモジ精油より強い活性を示し、IC50値はそれぞれ1088.3±1.3mM及び1415.5±2.2mMであった(表1及び図2)。ポジティブコントロールであるロスマリン酸のIC50値が1360mMであることから、β−セスキフェランドレンは、ロスマリン酸よりも強い活性を有していることがわかる。
β−セスキフェランドレンとカルボンとの1:1(重量比)混合物は、IC50値が924.7±0.7mMであり、それぞれの化合物を単独で用いるよりも強い活性を有していることがわかった(表2及び図3)。
次に、β−セスキフェランドレン及びカルボンの酵素阻害形式を検討した。方法は、速度論法に汎用される、Dixon plot法を用いた。Dixon plot法は、基質濃度を固定し、阻害剤濃度に対し反応速度の逆数をプロットするものである。β−セスキフェランドレンの結果を図4に、カルボンの結果を図5に示す。図4及び5の結果は、それぞれの基質濃度に対するDixonプロットが第2象限において交差したことから、β−セスキフェランドレン及びカルボンが拮抗阻害剤であることを示した。
以上のように、熊野産クロモジの精油は、ヒアルロニダーゼ阻害活性を示した。前記精油に含まれるβ−セスキフェランドレン及びカルボン、及びβ−セスキフェランドレンとカルボンとの1:1(重量比)混合物は、前記精油よりも強い活性を示した。また、β−セスキフェランドレン及びカルボンは拮抗型の阻害形式であることが明らかとなった。

Claims (4)

  1. β−セスキフェランドレンとカルボンとを重量比として1:1の割合で含有する、ヒアルロニダーゼ阻害剤。
  2. 請求項1に記載のヒアルロニダーゼ阻害剤を含有する抗炎症剤。
  3. 請求項1に記載のヒアルロニダーゼ阻害剤を含有する抗アレルギー剤。
  4. 請求項1に記載のヒアルロニダーゼ阻害剤を含有する皮膚外用剤。
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