<1.基礎技術>
各種電子素子は、例えば、ガラスおよび樹脂等によって封止される場合がある。この場合には、例えば、外部からの水分の浸入による各種電子素子の劣化が抑制される。ここで、各種電子素子には、例えば、太陽電池素子、エレクトロクロミック素子、エレクトロルミネッセンス素子および液晶表示素子等が含まれ得る。
電子素子が封止されているモジュール(電子素子モジュール)には、例えば、複数の太陽電池素子からの電気出力を外部に取り出すための配線が、複数の太陽電池素子の裏面を支持している支持材の貫通孔を通過している太陽電池モジュールがある。そして、例えば、支持材の貫通孔に、水蒸気の透過率が低く且つ電気抵抗が高い充填材を配置することで、外部から太陽電池モジュール内への水分の浸入を抑制することが考えられる。これにより、例えば、太陽電池モジュールの耐湿性が向上し、太陽電池モジュールの性能の劣化の抑制によって、太陽電池モジュールの耐用年数が向上することが予想される。ここで、貫通孔に充填される充填材としては、例えば、ポリイソブチレン系樹脂、ウレタン系イソブチレン樹脂およびシリコーン系イソブチレン樹脂のうちの1種類以上の樹脂を用いたものが採用され得る。
しかしながら、水蒸気の透過率が低い樹脂が充填材として貫通孔に配置されていても、ある程度の水分が外部から貫通孔を介して太陽電池モジュール内に浸入するおそれがある。すなわち、太陽電池モジュールの性能の劣化が生じるおそれがある。したがって、太陽電池モジュール等の電子素子モジュールについては、長期間の信頼性を高める点で改善の余地がある。
そこで、本願発明者らは、電子素子モジュールにおける長期間の信頼性を高めることができる技術を創出した。これについて、以下、各実施形態を図面に基づいて説明する。
図面においては同様な構成および機能を有する部分に同じ符号が付されており、下記説明では重複説明が省略される。また、図面は模式的に示されたものである。図1から図8および図10から図26には、右手系のXYZ座標系が付されている。該XYZ座標系では、太陽電池モジュール100の長辺に沿った方向が+X方向とされ、太陽電池モジュール100の短辺に沿った方向が+Y方向とされ、+X方向と+Y方向との両方に直交する方向が+Z方向とされている。
<2.第1実施形態>
<2−1.電子素子モジュールの構成>
第1実施形態に係る電子素子モジュールの一例としての太陽電池モジュール100の構成を、図1から図6に基づいて説明する。図1から図6で示されるように、太陽電池モジュール100は、第1板部1と、第2板部2と、被保護部3と、配線W1と、遮水部材4と、金属部5と、端子ボックス6と、ケーブル7と、を備えている。図1から図6の例では、第1板部1の+Z方向の表面が、主として太陽光等の外光が照射される表面(前面ともいう)100fsとされている。また、第2板部2の−Z方向の側の表面が、前面100fsよりも太陽光等の外光が照射されない表面(裏面ともいう)100bsとされている。
第1板部1は、例えば、特定範囲の波長の光に対する透光性を有している。このため、例えば、前面100fsに照射されて第1板部1を透過した光が、被保護部3に入射される。このとき、被保護部3の太陽電池素子31pにおける光電変換に利用され得る。第1板部1は、例えば、第1面1aおよび該第1面1aとは逆方向を向いている第2面1bを有している。図1から図6の例では、第1面1aが+Z方向を向いており、第2面1bが−Z方向を向いている。
第1板部1の形状は、例えば、平板状である。具体的には、例えば、第1板部1として、長方形等の矩形状の第1面1aおよび第2面1bを有する平板が採用される。第1板部1は、被保護部3の+Z方向の側に位置している。これにより、第1板部1は、例えば、被保護部3を保護することができる。
第1板部1として、例えば、厚さが1mm以上で且つ5mm以下程度のガラスあるいはアクリルまたはポリカーボネート等の樹脂が採用されれば、遮水性を有する第1板部1が実現される。これにより、太陽電池モジュール100の外部から被保護部3への水分の浸入が抑制され得る。このとき、例えば、特定範囲の波長の光に対して透光性を有する第1板部1も実現され得る。ここで、「特定範囲の波長の光に対する透光性」とは、特定範囲の波長の光が透過し得る性質を示す。図1から図6の例では、特定範囲の波長は、太陽電池素子31pが光電変換し得る光の波長を含んでいればよい。
第2板部2は、第1板部1と対向するように位置している。第1板部1と第2板部2との間の領域(間隙領域ともいう)G1には、被保護部3が位置している。このため、第2板部2は、第1板部1とともに被保護部3を保護することができる。第2板部2は、例えば、第1板部1と同様な形状を有している。第2板部2は、第1面2aおよび該第1面2aとは逆方向を向いている第2面2bを有している。図1から図6の例では、第1面2aが+Z方向を向いており、第2面2bが−Z方向を向いている。第2板部2の第1面2aは、第1板部1の第2面1bと対向するように位置している。第1板部1と第2板部2とが間隙領域G1を挟んで離れている距離は、例えば、0.5mm以上で且つ5mm以下程度とされている。
第2板部2の形状は、例えば、第1板部1と同様に平板状である。具体的には、例えば、第2板部2として、長方形等の矩形状の第1面2aおよび第2面2bを有する平板が採用される。図1から図6の例では、第1板部1の第1面1aおよび第2面1bが長方形であり、第2板部2の第1面2aおよび第2面2bが長方形である。このとき、太陽電池モジュール100には、前面100fsと裏面100bsとを接続している4つの側面E1からE4が存在している。ここでは、側面E1は、−X方向を向いている。側面E2は、+Y方向を向いている。側面E3は、+X方向を向いている。側面E4は、−Y方向を向いている。第2板部2は、例えば、特定範囲の波長の光に対する透光性を有していてもよいし、特定範囲の波長の光に対する透光性を有していなくてもよい。
第2板部2として、例えば、厚さが1mm以上で且つ5mm以下程度のガラス、または、透光性アルミナもしくは透光性イットリア等の透光性セラミックス、または、アクリルもしくはポリカーボネート等の樹脂が採用されれば、遮水性を有する第2板部2が実現される。これにより、太陽電池モジュール100の外部から被保護部3への水分の浸入が抑制され得る。このとき、例えば、特定範囲の波長の光に対して透光性を有する第2板部2も実現され得る。これにより、例えば、裏面100bsに照射されて第2板部2を透過した光が、被保護部3に入射され、被保護部3内の太陽電池素子31pにおける光電変換に利用され得る。その結果、例えば、太陽電池モジュール100における出力が向上し得る。裏面100bsに入射される光は、例えば、太陽光の地面等からの反射によって生じ得る。また、第2板部2の素材として、例えば、特定範囲の波長の光に対する透光性を有していないセラミックス等が採用されてもよい。
第2板部2には、貫通孔H1が存在している。該貫通孔H1は、太陽電池素子31pにおいて光電変換によって得られる電荷を太陽電池モジュール100の外部に出力するためのものである。貫通孔H1は、例えば、第2板部2を該第2板部2の厚さ方向に貫通している。貫通孔H1は、第1板部1と第2板部2との間の間隙領域G1側の第1開口Op1と、該第1開口Op1とは逆側の第2開口Op2と、を有している。図1から図6の例では、貫通孔H1は、側面E1から10mm以上で且つ40mm以下程度離れた位置、すなわち側面E1から近い位置に存在している。貫通孔H1は、例えば、穿孔用のドリルまたはジェット水流等によって第2板部2に形成され得る。
図1から図6の例では、第1電極(例えば、正電極)用の貫通孔H1と第2電極(例えば、負電極)の貫通孔H1が存在している。そして、貫通孔H1における第2板部2を貫通している方向(貫通方向ともいう)としての+Z方向に垂直な断面が略真円である。また、貫通孔H1の貫通方向に垂直な断面の形状および大きさは、該貫通方向において略一定とされている。貫通孔H1の径は、例えば、5mm以上でかつ15mm以下程度に設定される。ここで、貫通孔H1の貫通方向に垂直な断面の形状は、例えば、四角形および六角形等の多角形あるいは楕円形等といった真円以外の形状であってもよい。また、例えば、貫通孔H1の貫通方向に垂直な断面の形状および大きさのうちの少なくとも一方が、該貫通方向において若干変化していてもよい。
被保護部3は、例えば、封止対象物31と、第1封止材32と、第2封止材33と、を含んでいる。封止対象物31は、例えば、太陽電池素子31pを含んでいる。具体的には、封止対象物31は、入射される太陽光を電気に変換することが可能なN個(Nは1以上の整数)の太陽電池素子31pを有している。このため、第1板部1と第2板部2との間の間隙領域G1に、太陽電池素子31pが位置している。太陽電池素子31pは、例えば、第2板部2または第1板部1に接するように位置していてもよいし、第1板部1と第2板部2とに挟まれるように位置していてもよい。
太陽電池素子31pとしては、例えば、結晶系の太陽電池素子または薄膜系の太陽電池素子が採用され得る。結晶系の太陽電池素子としては、例えば、単結晶シリコン、多結晶シリコンまたはヘテロ接合型等のシリコン系の太陽電池素子あるいはIII−V族系等の化合物系の太陽電池素子が採用され得る。また、薄膜系の太陽電池素子として、例えば、シリコン系の太陽電池素子、化合物系の太陽電池素子またはその他のタイプの太陽電池素子が採用され得る。薄膜系におけるシリコン系の太陽電池素子には、例えば、アモルファスシリコンおよび薄膜多結晶シリコンを用いた太陽電池素子が含まれ得る。薄膜系における化合物系の太陽電池素子には、例えば、CIS、CIGS、カドミウムテルル(CdTe)またはペロブスカイト構造を有する化合物等の化合物半導体が用いられた太陽電池素子が含まれ得る。薄膜系におけるその他のタイプの太陽電池素子には、例えば、有機薄膜または色素増感等のタイプの太陽電池素子が含まれ得る。ここで、例えば、N個の太陽電池素子が電気的に直列に接続される場合には、Nが大きければ大きい程、太陽電池モジュール100の出力が大きくなり得る。図1および図3の例では、第1板部1上に電気的に直列に接続された6つの薄膜系の太陽電池素子31pが形成されている。
第1封止材32は、第1板部1と第2板部2との間の間隙領域G1のうちの少なくとも封止対象物31を覆う領域に位置している。例えば、第1封止材32は、第1板部1上に位置している封止対象物31の第2板部2側(−Z方向の側)の全面を覆うような領域に位置している。第1封止材32は、封止対象物31を覆うことで、該封止対象物31を封止することができる。また、間隙領域G1の広範囲にわたって、間隙領域G1に第1封止材32が充填されることで、封止対象物31に含まれる太陽電池素子31pに対して外部から水分等が浸入し難くなる。第1封止材32の素材としては、例えば、特定範囲の波長の光に対する透光性が優れたエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、トリアセチルセルロース(TAC)あるいはポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂等が採用され得る。第1封止材32は、例えば、2種類以上の封止材によって構成されていてもよい。また、第1板部1の第2面1b、第2板部2の第1面2aおよび太陽電池素子31p等は、それぞれが第1封止材32により接着されることで、一体化されてもよい。
第2封止材33は、第1板部1と第2板部2との間の間隙領域G1のうちの外周部に配されている。このとき、第2封止材33は、第1封止材32を囲むような環状の領域に位置している。図1から図6の例では、第2封止材33は、第1板部1と第2板部2との間の間隙領域G1のうちの第1封止材32よりも4つの側面E1からE4に近い領域に充填されている状態にある。第2封止材33は、例えば、第1封止材32よりも高い遮水性を有している。第2封止材33の素材としては、例えば、ブチル系の樹脂またはポリイソプロピレン系の樹脂等が採用され得る。
遮水部材4は、遮水性を有している部材である。該遮水部材4は、第2板部2の貫通孔H1を塞くように位置している。ここで、遮水性を有している部材とは、単位時間において水分が通り抜ける量がゼロまたは極めて少ない部材である。遮水部材4は、導電性を有していても、絶縁性を有していてもよい。ここで、遮水部材4としては、例えば、金属製の板または箔、ガラス製の板あるいはセラミックス製の板等を採用することができる。金属製の板または箔には、例えば、銅、アルミニウムまたはステンレス鋼等で構成されている、0.1mm以上で且つ2mm以下程度の厚さを有するものが含まれ得る。ガラス製の板には、ソーダガラス、ホウケイ酸ガラスまたは強化ガラス等で構成されている、0.4mm以上で且つ2mm以下程度の厚さを有するものが含まれ得る。セラミックス製の板には、アルミナまたはジルコニア等で構成されている、0.3mm以上で且つ2mm以下程度の厚さを有するものが含まれ得る。
ところで、例えば、図7で示されるように、遮水部材4が、銅板または銅箔で構成されている遮水部材4Aであれば、遮水性に優れ且つ加工が容易な銅を用いて遮水部材4Aを容易に製作することができる。つまり、遮水部材4Aを容易に取得することができる。また、例えば、図8で示されるように、遮水部材4は、本体部4bdと、該本体部4bdの周囲に被覆された金属層4ctとを有する遮水部材4Bとされてもよい。本体部4bdとしては、例えば、金属製の板または箔、ガラス製の板あるいはセラミックス製の板等を採用することができる。金属層4ctの素材としては、例えば、はんだ等の低融点の合金あるいは低融点の単体の金属等といった低融点の金属を採用することができる。ここでは、例えば、遮水部材4Bでは、銅板または銅箔の少なくとも一部が低融点の金属で覆われていることで、遮水性と耐候性に優れた銅が低融点の金属によってさらに保護される。これにより、例えば、遮水部材4Bの劣化および変質が抑制され得る。ここでは、例えば、厚さが0.1mm以上で且つ0.5mm以下程度の銅箔の略全面に、10μm以上で且つ100μm以下程度の厚さではんだが被覆されたものが、遮水部材4Bとして採用され得る。また、例えば、導電性を有する遮水部材4A,4Bの少なくとも一部を樹脂等の絶縁体で被覆することで、配線W1と遮水部材4A,4Bとの接触箇所を介した漏電の発生が抑制されてもよい。
ここで、はんだは、例えば、日本工業規格(Japan Industrial Standards)のJIS Z 3282:2006で規定される。はんだには、例えば、一般工業用および電気・電子工業用の、鉛を含むはんだ(鉛含有はんだともいう)および鉛を含まないはんだ(鉛フリーはんだともいう)が含まれる。鉛含有はんだは、例えば、固相線温度が450℃未満の溶加材で、鉛を含む。鉛フリーはんだは、例えば、固相線温度が450℃未満の溶加材で、鉛を含まない。該鉛フリーはんだは、例えば、すず、亜鉛、アンチモン、インジウム、銀、ビスマスおよび銅等のうちの少なくとも1種以上の金属元素を含んでおり、鉛の含有率が0.10質量%以下である。ここで、はんだ以外の低融点の合金には、例えば、金とスズとの合金等が含まれ得る。低融点の単体の金属には、例えば、鉛および鉛の融点以下の融点をもつカドミウム、スズおよびインジウム等の単体の金属が含まれる。ここで採用されるはんだは、製造の容易さ、製造に要するコストおよび環境への負荷等に応じて適宜選択され得る。ここでは、例えば、金属層4ctがはんだを含むものであれば、金属層4ctを容易に形成することができる。また、例えば、金属層4ctが鉛フリーはんだで構成されていれば、金属層4ctから鉛が溶け出すことによる環境への悪影響の発生が抑制され得る。
遮水部材4は、第3面4aおよび第4面4bを有している。図5および図6の例では、第3面4aは、+Z方向を向いている。第4面4bは、第3面4aとは逆方向としての−Z方向を向いている。具体的には、遮水部材4は、長方形等の四角形状の第3面4aおよび第4面4bを有する平板である。第3面4aは、+Z方向を向いている。第4面4bは、−Z方向を向いている。ここで、遮水部材4の第3面4aの一辺の長さは、貫通孔H1の径よりも大きい。遮水部材4の第3面4aのサイズは、例えば、貫通孔H1の大きさと、貫通孔H1を介した被保護部3への水分の浸入を長期間抑制するために後述する金属部5が必要とするサイズとを考慮して、実験的に決定され得る。例えば、貫通孔H1の径は、例えば、5mm以上でかつ15mm以下程度であれば、遮水部材4の第3面4aとして、一辺が20mm以上で且つ100mm以下程度である矩形状のものが採用され得る。そして、遮水部材4の第3面4aは、第2板部2の第2面2bと対向するように位置している。このとき、第2板部2の第2面2bと遮水部材4の第3面4aとの間に、隙間G2が存在している。該隙間G2は、例えば、0.1mm以上で且つ1mm以下程度であればよい。換言すれば、遮水部材4の第3面4aは、第2板部2の第2面2bのうちの貫通孔H1の第2開口Op2の周りを囲む環状の領域(第1環状領域ともいう)A1と、隙間G2を挟むように位置している。このとき、遮水部材4は、貫通孔H1の第2開口Op2を−Z方向側から塞ぐような位置に存在している。
金属部5は、遮水部材4と第2板部2との隙間G2を塞ぐように位置している。該金属部5も遮水部材4と同様に遮水性を有している。このため、例えば、遮水性をそれぞれ有する遮水部材4および金属部5によって貫通孔H1が塞がれている。その結果、例えば、太陽電池モジュール100の外部から貫通孔H1を介した第1板部1と第2板部2との間の間隙領域G1に至る水分の浸入が抑制され得る。これにより、太陽電池モジュール100における長期間の信頼性が高まり得る。ここでは、金属部5は、例えば、隙間G2からはみ出している部分を有していてもよい。換言すれば、例えば、金属部5の少なくとも一部が、隙間G2に位置していれば、第2板部2と遮水部材4との間の狭い隙間G2が封止されて遮水性を有する状態となる。これにより、例えば、電子素子モジュールとしての太陽電池モジュール100の外部から貫通孔H1を介して第1板部1と第2板部2との間の間隙領域G1まで水分が浸入する不具合が生じ難くなる。図5および図6の例では、第2板部2の第2面2bのうちの第2開口Op2の周りを囲む環状の第1環状領域A1と、遮水部材4の第3面4aとの隙間G2を埋めるように、金属部5が位置している。
金属部5の素材としては、上記金属層4ctと同様に、例えば、はんだ等の低融点の合金あるいは低融点の単体の金属等といった低融点の金属が採用される。金属部5は、例えば、第2板部2の第2面2bおよび遮水部材4の第3面4aに対して、いわゆる超音波はんだ付け等によって金属が被着されることで形成され得る。超音波はんだ付けは、例えば、温調回路の制御によって昇温される鏝先と、発振回路の出力に応じて超音波を発生させる振動素子とを有する超音波はんだ鏝が用いられることで実現され得る。例えば、まず、第2板部2の第2面2bの第1環状領域A1および遮水部材4の第3面4aのそれぞれに対して超音波はんだ付けによる予備はんだ付けを行う。次に、例えば、予備はんだ付けによって第2板部2の第2面2b上に形成された金属部と遮水部材4の表面上に形成された金属部とが接するように、第2板部2の第2面2b上に遮水部材4を載置する。そして、例えば、超音波はんだ付け、通常の熱ハンダ鏝を用いる方法、フロー方式またはリフロー方式のはんだ付けによって、第2板部2の第2面2bの第1環状領域A1上に遮水部材4が接合される。このとき、第2板部2の第2面2bと遮水部材4との間に金属部5が形成され得る。ここでは、例えば、金属部5がはんだを含むものであれば、第2板部2と遮水部材4との隙間を容易に塞ぐことができる。また、例えば、金属部5が鉛フリーはんだで構成されていれば、金属部5から鉛が溶け出すことによる環境への悪影響の発生が抑制され得る。
ここで、例えば、図8で示したような、本体部4bdの周囲に低融点の金属層4ctを有する遮水部材4Bを用いる場合には、予備はんだ付けを行うことなく、超音波はんだ付けによって、第1環状領域A1に遮水部材4Bを直接はんだ付けしてもよい。このとき、金属部5の厚さは、例えば、金属層4ctの厚さと略同一の10μm以上で且つ100μm以下程度となる。また、本体部4bdの周囲に低融点の金属層4ctを有する遮水部材4Bを用いる場合でも、予備はんだ付けを行えば、金属部5の厚さは、例えば、0.1mm以上で且つ1mm以下程度となる。
配線W1は、封止対象物31に含まれる太陽電池素子31pに電気的に接続されている。該配線W1は、第2板部2に存在している貫通孔H1を介して、第1板部1と第2板部2との間の間隙領域G1の内部と間隙領域G1の外部との間における通電を行うことができる。図1および図3には、間隙領域G1において配線W1が位置している経路が太い破線で示されている。
図1から図6の例では、太陽電池素子31pの第1電極(正電極)に電気的に接続されている第1電極(正電極)用の配線W1と、太陽電池素子31pの第2電極(負電極)に電気的に接続されている第2電極(負電極)用の配線W1と、が存在している。配線W1としては、例えば、帯状のものが採用され得る。配線W1の素材としては、例えば、銅またはアルミニウム等の導電性を有する金属等が採用され得る。ここでは、例えば、配線W1として、0.1mm以上であり且つ0.5mm以下程度の厚さと2mm以上であり且つ5mm以下程度の幅とを有する帯状のものが採用される。ここで、配線W1の幅が数mmである場合には、例えば、貫通孔H1の径が5mm程度であれば、配線W1を貫通孔H1に容易に通すことができる。また、例えば、配線W1の全面に半田が被覆されていれば、配線W1を太陽電池素子31pに対して容易に接合することができる。配線W1は、例えば、はんだ付けによる接合によって、太陽電池素子31pに電気的に接続される。
また、図1から図6の例では、配線W1は、間隙領域G1の内部から隙間G2を通過するように位置している。このとき、配線W1は、例えば、隙間G2に位置している金属部5を貫通するように位置している。そして、配線W1は、遮水部材4を基準として貫通孔H1とは逆方向に位置している外部領域Os1にかけて存在している。このような構成は、例えば、第2板部2の第2面2bに遮水部材4がはんだ付け等によって接合される際に、第2板部2の第2面2bと遮水部材4の第3面4aとの間に配線W1を配しておけば実現され得る。このため、例えば、貫通孔H1を介した配線W1の配置が容易に実現することができる。
端子ボックス6は、第2板部2の第2面2b上に位置している。端子ボックス6は、いわゆるジャンクションボックスと称されるものである。端子ボックス6では、例えば、配線W1が、端子ボックス6の内部の端子部品に接続されている。端子ボックス6は、例えば、シリコンシーラント等の樹脂が用いられて、第2板部2の第2面2bに固定されている。図1および図2の例では、遮水部材4を覆うように、端子ボックス6が位置している。ここで、例えば、端子ボックス6が遮水性の高い樹脂の筐体を有し、該筐体と第2板部2の第2面2bとの間が樹脂等によって塞がれれば、太陽電池モジュール100の外部から貫通孔H1へ向かう水分等の通過が抑制され得る。
ケーブル7は、例えば、太陽電池モジュール100で得られる電気を外部に出力することができる。ここでは、ケーブル7は、端子ボックス6の内部において配線W1と電気的に接続されている。そして、ケーブル7は、端子ボックス6の内部から端子ボックス6の外部に延びるように存在している。
以上のように、本実施形態において、金属部5は、通常では貫通孔H1の外周部の全周に亘り欠損部がない状態で設けられる。これにより、遮水部材4と金属部5とによる貫通孔H1の封止が実現されて、太陽電池モジュール100の長期間の信頼性がより高まり得る。ただし、例えば、太陽電池モジュール100を水上に浮かべて使用するなどの理由で、貫通孔H1から導出した配線W1を遮水部材4または金属部5から電気的に絶縁しなければならない場合等には、貫通孔H1の外周部の一部に金属部5の欠損部を設けて、この金属部5の欠損部から絶縁テープなどで被覆した配線W1を導出して、欠損部を絶縁性樹脂で封止するようにしてもよい。このような場合でも貫通孔H1の外周部の全周を絶縁性樹脂で封止した場合に比べ、金属部5が遮水性に優れているため、太陽電池モジュール100の長期間の信頼性を向上し得る。
<2−2.太陽電池モジュールの製造方法>
太陽電池モジュール100の製造方法の一例を、図9から図13に基づいて説明する。ここでは、図9で示されるステップST1からステップST4の第1工程から第4工程を順に実施することで、太陽電池モジュール100を製造することができる。ここでは、一例として、図8で示された、本体部4bdの周囲に金属層4ctを有する遮水部材4Bが採用され、予備はんだ付けを行う例について説明する。
ステップST1では、積層体LB1を準備する。図10で示されるように、積層体LB1は、第1板部1と、第2板部2と、電子素子としての太陽電池素子31p(図4)と、を含んでいる。ここで、第1板部1は、特定範囲の波長の光に対して透光性を有している。第2板部2は、第1板部1の厚さ方向(+Z方向)において第1板部1に対向しており且つ貫通孔H1を有している。太陽電池素子31pは、第1板部1と第2板部2との間の間隙領域G1に位置している。太陽電池素子31pには、貫通孔H1を介した間隙領域G1の内部と間隙領域G1の外部との間における通電を行うための配線W1が電気的に接続されている。
ここでは、例えば、まず、第1板部1の第2面1b上に、複数の太陽電池素子31pを形成し、該複数の太陽電池素子31pの正電極および負電極にそれぞれ配線W1をはんだ付けで接合する。このとき、例えば、第1板部1の第2面1bの外周に沿った部分に、第2封止材33となる樹脂(ブチル系の樹脂等)を加熱によって溶融させた状態で被着させる。また、例えば、穿孔用のドリルまたはジェット水流等によって貫通孔H1が形成された第2板部2を準備する。また、例えば、第1封止材32となる樹脂(EVA等)製のシートを準備する。次に、第1板部1の第2面1b上に、第1封止材32となる樹脂製のシートと、第2板部2とが積み重ねられる。これにより、積層体SK1が形成される。このとき、各配線W1の太陽電池素子31pに接合されていない端部(自由端部ともいう)を、貫通孔H1を介して第2板部2を基準とした第1板部1とは逆側に位置している空間まで引き出した状態とする。次に、例えば、ラミネート装置(ラミネータ)を用いたラミネート処理によって、積層体SK1を一体化して、積層体LB1を形成する。
ステップST2では、図11および図12で示されるように、第2板部2の第2面2bのうちの第2開口Op2の周りの第1環状領域A1に対して超音波はんだ付けによって予備はんだ付けを行うことで、予備的な金属部(予備金属部ともいう)5prを形成する。予備金属部5prは、例えば、はんだ等の低融点の金属で構成される。
ステップST3では、図13で示されるように、ステップST2で形成された予備金属部5pr上に遮水部材4Bを載置する。これにより、貫通孔H1を塞ぐように、遮水部材4Bが配置される。このとき、配線W1が、予備金属部5prと遮水部材4Bとに挟まれるように配置される。
ステップST4では、超音波はんだ付けによって、第2板部2に対して遮水部材4Bを取り付ける。このとき、第2板部2から遮水部材4Bにかけた領域に、超音波はんだ付けを用いて、金属部5が形成される。図13の例では、遮水部材4Bの金属層4ctと、予備金属部5prとが接合されることで、金属部5が形成される。これにより、例えば、遮水性をそれぞれ有する遮水部材4Bおよび金属部5によって貫通孔H1が塞がれ得る。このため、例えば、太陽電池モジュール100の外部から貫通孔H1を介した第1板部1と第2板部2との間の間隙領域G1に至る水分の浸入が抑制され得る。その結果、太陽電池モジュール100における長期間の信頼性が高まり得る。ここで、例えば、金属層4ctが、はんだで構成された層(はんだ層ともいう)であり、予備金属部5prが、はんだで構成されている部分(予備はんだ部ともいう)であれば、金属部5は、はんだで構成された部分(はんだ部ともいう)となる。
<2−3.第1実施形態のまとめ>
第1実施形態に係る太陽電池モジュール100では、例えば、遮水性をそれぞれ有する遮水部材4,4A,4Bおよび金属部5によって貫通孔H1が塞がれている。このため、例えば、貫通孔H1に充填材としての樹脂が配置されている場合と比較して、太陽電池モジュール100の外部から貫通孔H1を介した第1板部1と第2板部2との間の間隙領域G1に至る水分の浸入が抑制され得る。その結果、太陽電池モジュール100における長期間の信頼性が高まり得る。
<3.他の実施形態>
本開示は上述の第1実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
<3−1.第2実施形態>
上記第1実施形態において、例えば、第2板部2の第2面2bと遮水部材4との隙間G2に存在している金属部5の代わりに、図14および図15で示されるように、第2板部2の第2面2bから遮水部材4の側面4cにかけて金属部5Aが存在していてもよい。
図14および図15の例では、遮水部材4は、第2板部2の第2面2bのうちの貫通孔H1の周りの第1環状領域A1と対向するように位置している環状の部分(環状部ともいう)4Acを有している。図14には、環状部4Acに砂地のハッチングが付されている。また、図14および図15の例では、第2板部2の第2面2bのうちの第1環状領域A1の周りの環状の領域(第2環状領域ともいう)A2Aから、遮水部材4の環状部4Acの外周の側面4cにかけて位置している金属部5Aが存在している。金属部5Aの素材としては、例えば、金属部5の素材と同様なものが採用される。側面4cは、例えば、遮水部材4の第3面4aと第4面4bとを接続する外周面である。また、ここで、例えば、金属部5Aの一部が、第1環状領域A1上にはみ出していてもよい。換言すれば、例えば、金属部5Aの少なくとも一部が、第2板部2の第2面2bのうちの第2環状領域A2Aから、遮水部材4の環状部4Acの外周の側面4cにかけて位置していてもよい。
このような構成では、例えば、外側に直接露出している、第2環状領域A2Aおよび側面4cに対して、超音波はんだ付け等によって金属部5Aを形成することができる。このため、例えば、上記第1実施形態のように第2板部2の第2面2b上に載置された遮水部材4,4A,4Bの上から超音波はんだ付けを行うことで金属部5を形成する場合と比較して、より短時間で金属部5Aを形成することができる。これにより、例えば、第2板部2と遮水部材4との隙間G2を容易に塞ぐことができる。その結果、太陽電池モジュール100の外部から貫通孔H1を介して第1板部1と第2板部2との間の間隙領域G1まで水分が浸入する不具合を容易に生じ難くすることができる。
<3−2.第3実施形態>
上記第1実施形態および上記第2実施形態において、例えば、配線W1が、導電性を有する遮水部材4A,4Bを経由して間隙領域G1の内部と間隙領域G1の外部との間における通電を行うことができるようにしてもよい。このような構成では、例えば、第2板部2と遮水部材4との隙間G2に配線W1を通さなくても、太陽電池モジュール100の外部と太陽電池モジュール100の内部との間における導電性を有する遮水部材4を経由した通電が可能となる。これにより、第2板部2と遮水部材4との隙間G2における遮水性を容易に高めることができる。
図16および図17の例では、配線W1が、遮水部材4Bの貫通孔H1側の部分に接合している第1配線部W11と、遮水部材4Bの外部領域Os1側の部分に接合している第2配線部W12とに分かれている。つまり、配線W1は、第1配線部W11と第2配線部W12とを含んでいる。
遮水部材4Bは、第1表面部WL1と、第2表面部WL2と、第3表面部WL3と、を有している。第1表面部WL1は、金属部5とともに貫通孔H1を塞いでいる。第2表面部WL2は、金属部5が接合されている。第3表面部WL3は、遮水部材4Bの表面のうちの第1表面部WL1および第2表面部WL2以外の残余の部分である。図16および図17の例では、第1表面部WL1は、例えば、+Z方向に平面透視して、遮水部材4Bの第3面4aのうちの貫通孔H1と重なっている部分を含む。第2表面部WL2は、例えば、遮水部材4Bの第3面4aのうちの金属部5に接合されている部分を含む。第3表面部WL3は、遮水部材4Bの第4面4bと、側面4cとを含む。ここで、例えば、上記第2実施形態のように、側面4cに金属部5Aが接合されている場合には、第1表面部WL1は、例えば、遮水部材4Bの第3面4aの略全体を含む。このとき、例えば、第2表面部WL2は、側面4cを含み、第3表面部WL3は、第4面4bを含む。
第1配線部W11は、第1板部1と第2板部2との間の間隙領域G1内から遮水部材4にかけて位置している。そして、該第1配線部W11は、第1表面部WL1に接合されている。例えば、はんだ付け等によって、第1表面部WL1と第1配線部W11とが近接している部分を包含するように接合部B1が形成されることで、第1表面部WL1に第1配線部W11が接合される。第2配線部W12は、第3表面部WL3に接合されている。例えば、はんだ付け等によって、第3表面部WL3と第2配線部W12とが近接している部分を包含するように接合部B2が形成されることで、第3表面部WL3に第2配線部W12が接合される。ここで、接合部B1,B2の素材としては、例えば、上記金属部5の素材と同様なものが採用される。
図16および図17の例は、例えば、次の工程P31から工程P33を順に実行することで製造され得る。
[工程P31]遮水部材4Bの第1表面部WL1となる部分に第1配線部W11を接合するとともに、遮水部材4Bの第3表面部WL3となる部分に第2配線部W12を接合する。
[工程P32]貫通孔H1を塞ぐように第2面2b上に遮水部材4Bを配置する。
[工程P33]はんだ付けによって、第2板部2の第2面2bに遮水部材4Bを接合する。このとき、第2面2bの第1環状領域A1と遮水部材4Bの第2表面部WL2との間に、金属部5を形成する。
ここで、例えば、遮水部材4Bの第1表面部WL1となる部分に第1配線部W11を接合し、遮水部材4Bを、貫通孔H1を塞ぐように第2板部2の第2面2b上に接合した後に、遮水部材4Bの第3表面部WL3となる部分に第2配線部W12を接合してもよい。
<3−3.第4実施形態>
上記第3実施形態において、例えば、導電性を有する遮水部材4A,4Bが、貫通孔H1内に位置している部分を含み且つ導電性を有する遮水部材4Cに変更されてもよい。これにより、例えば、貫通孔H1内において遮水を行うことができる。このため、遮水部材4Cのうちの貫通孔H1の外側に存在している部分を小さくすることができる。その結果、例えば、太陽電池モジュール100の厚さの増大が低減され得る。
図18および図19の例では、遮水部材4Cの全体が、貫通孔H1内に嵌まり込んでいる。つまり、遮水部材4Cの全体が、貫通孔H1内に位置している。ここで、例えば、遮水部材4Cの一部が、貫通孔H1内から外部領域Os1側にはみ出していてもよい。ここでは、遮水部材4Cの素材としては、例えば、上記遮水部材4A(または遮水部材4B)の素材と同様なものが採用される。遮水部材4Cは、+Z方向を向いた第3面4aC、−Z方向を向いた第4面4bCおよび側面4cCを有する。遮水部材4Cの形状は、円柱状である。ここで、遮水部材4Cは、第1表面部WL1Cと、第2表面部WL2Cと、第3表面部WL3Cと、を有している。第1表面部WL1Cは、金属部5とともに貫通孔H1を塞いでいる。第2表面部WL2Cは、金属部5が接合されている。第3表面部WL3Cは、遮水部材4Cの表面のうちの第1表面部WL1Cおよび第2表面部WL2C以外の残余の部分である。第1表面部WL1Cは、例えば、遮水部材4Cの第3面4aCおよび側面4cCを含む。第2表面部WL2Cは、例えば、遮水部材4Cの第4面4bCのうちの金属部5Cに接合されている部分を含む。第3表面部WL3Cは、遮水部材4Cの第4面4bCのうちの金属部5Cが接合されている部分を除く残余の部分を含む。また、遮水部材4Cの側面4cCと第2板部2の貫通孔H1の内壁IW1との間には、隙間G3Cが存在している。このため、遮水部材4Cは、貫通孔H1の少なくとも一部を塞ぐように位置している。
金属部5Cは、第2板部2の第2面2bのうちの貫通孔H1の周りを囲む環状の領域(第3環状領域ともいう)A3Cから、遮水部材4Cの第4面4bのうちの外周部に沿った環状の第2表面部WL2Cにかけて位置している。これにより、金属部5Cは、隙間G3Cを塞いでいる。ここでは、金属部5Cは、第3環状領域A3Cおよび第2表面部WL2Cに接合されている。金属部5Cの素材としては、例えば、上記金属部5,5Aの素材と同様なものが採用される。
また、第1配線部W11は、第1表面部WL1Cに接合されている。例えば、はんだ付け等によって、第1表面部WL1Cと第1配線部W11とが近接している部分を包含するように接合部B1が形成されることで、第1表面部WL1に第1配線部W11が接合される。第2配線部W12は、第3表面部WL3Cに接合されている。例えば、はんだ付け等によって、第3表面部WL3Cと第2配線部W12とが近接している部分を包含するように接合部B2が形成されることで、第3表面部WL3に第2配線部W12が接合される。
図18および図19の例は、例えば、次の工程P41から工程P43を順に実施することで製造され得る。
[工程P41]遮水部材4Cの第1表面部WL1Cとなる部分に第1配線部W11を接合し、且つ遮水部材4Cの第3表面部WL3Cとなる部分に第2配線部W12を接合する。
[工程P42]遮水部材4Cを貫通孔H1内に配置する。
[工程P43]隙間G3Cを塞ぐように、第2板部2の第2面2bの第3環状領域A3Cから遮水部材4Cの環状の第2表面部WL2Cにかけて金属部5Cをはんだ付けで形成する。
ここで、例えば、遮水部材4Cの第1表面部WL1Cとなる部分に第1配線部W11を接合し、遮水部材4Cを貫通孔H1内に配して、隙間G3Cを塞ぐように金属部5Cを形成した後に、遮水部材4Cの第3表面部WL3Cとなる部分に第2配線部W12を接合してもよい。
<3−4.第5実施形態>
上記第3実施形態において、例えば、導電性を有する遮水部材4A,4Bが、貫通孔H1内に突起するように位置している部分を含み且つ導電性を有する遮水部材4Dに変更されてもよい。これにより、例えば、貫通孔H1に対する遮水部材4Dの位置決めが容易となる。また、図18および図19の例のような遮水部材4Cの全てが貫通孔H1に嵌め込まれる場合と比較して、第2板部2に対する遮水部材4Dの接合が容易に可能となる。
図20および図21の例では、遮水部材4Dの素材としては、上記遮水部材4A(または遮水部材4B)の素材と同様なものが採用される。遮水部材4Dは、第1部分41Dと、該第1部分41Dから貫通孔H1内に突起するように位置している第2部分42Dと、を有している。
第1部分41Dは、第2板部2を基準として第1板部1と第2板部2との間の間隙領域G1とは逆側に位置している領域Ao1において、第2板部2と対向するように位置している。第1部分41Dは、例えば、貫通孔H1の径よりも大きな径を有する板状の部分である。第1部分41Dは、+Z方向を向いた第3面4aD、−Z方向を向いた第4面4bDおよび側面4cDを有する。該第1部分41Dとしては、例えば、円盤状のものが採用される。
第2部分42Dは、例えば、第1部分41Dの+Z方向の側の部分の略中央から貫通孔H1内に突起している部分である。該第2部分42Dは、例えば、貫通孔H1の径よりも小さな径を有する柱状の部分である。このとき、第2部分42Dは、+Z方向を向いた先端面4dDおよび外周面4eDを有する。外周面4eDは、例えば、貫通孔H1の内壁IW1に沿った形状を有する。第2部分42Dとしては、例えば、円柱状のものが採用される。
ここで、遮水部材4Dは、第1表面部WL1Dと、第2表面部WL2Dと、第3表面部WL3Dと、を有している。第1表面部WL1Dは、金属部5Dとともに貫通孔H1を塞いでいる。第2表面部WL2Dは、金属部5Dが接合されている。第3表面部WL3Dは、遮水部材4Dの表面のうちの第1表面部WL1Dおよび第2表面部WL2D以外の残余の部分である。第1表面部WL1Dは、例えば、第2部分42Dの先端面4dDおよび外周面4eDと、第1部分41Dの第3面4aDのうちの第2表面部WL2Dよりも内側の部分と、を含む。第2表面部WL2Dは、例えば、遮水部材4Dの第3面4aDのうちの金属部5Dに接合されている部分を含む。第3表面部WL3Dは、例えば、遮水部材4Dの第4面4bDと、側面4cDと、を含む。ここで、例えば、上記第2実施形態のように、側面4cDに金属部5Dが接合されていれば、第1表面部WL1Dは、例えば、遮水部材4Dの第3面4aDの略全体を含む。このとき、第2表面部WL2Dは、例えば、側面4cDを含み、第3表面部WL3Dは、例えば、第4面4bDを含む。このため、第1部分41Dには、例えば、金属部5Dが接合されている第2表面部WL2Dおよび第2配線部W12が接合されている第3表面部WL3Dが含まれている。また、第1部分41Dの第3面4aDと第2板部2との間には、隙間G2Dが存在し、第2部分42Dの外周面4eDと第2板部2の貫通孔H1の内壁IW1との間には、隙間G3Dが存在している。このため、遮水部材4Dは、貫通孔H1の少なくとも一部を塞ぐように位置している。
金属部5Dは、第2板部2の第2面2bのうちの貫通孔H1の周りを囲む環状の第1環状領域A1Dと、第1部分41Dの第3面4aの第2表面部WL2Dとの間に位置している。これにより、金属部5Dは、隙間G2Dおよび隙間G3Dを塞いでいる。ここでは、金属部5Dは、第1環状領域A1Dおよび第2表面部WL2Dに接合されている。金属部5Dの素材としては、例えば、上記金属部5,5Aの素材と同様なものが採用される。
また、第1配線部W11は、第1表面部WL1Dに接合されている。例えば、はんだ付け等によって、第1表面部WL1Dと第1配線部W11とが近接している部分を包含するように接合部B1が形成されることで、第1表面部WL1Dに第1配線部W11が接合される。図21の例では、第2部分42Dの先端面4dD上に、接合部B1によって第1配線部W11が接合されている。ここで、例えば、第2部分42Dの外周面4eD上に、接合部B1によって第1配線部W11が接合されていてもよい。第2配線部W12は、第3表面部WL3Dに接合されている。例えば、はんだ付け等によって、第3表面部WL3Dと第2配線部W12とが近接している部分を包含するように接合部B2が形成されることで、第3表面部WL3Dに第2配線部W12が接合される。
ここで、例えば、貫通孔H1の内部において、遮水部材4D(ここでは、第2部分42D)と貫通孔H1の内壁IW1との間に、封止部材R1Dが存在していてもよい。このとき、例えば、遮水部材4Dと第2板部2との隙間G3Dの閉塞が、金属部5Dだけでなく、封止部材R1Dによっても行われる。このため、例えば、太陽電池モジュール100の外部から貫通孔H1を介した第1板部1と第2板部2との間の間隙領域G1に至る水分の浸入が抑制され得る。封止部材R1Dとしては、例えば、第2部分42Dの外周面4eDと第2板部2の貫通孔H1の内壁IW1との隙間G3Dを封止する環状の弾性部材が採用される。該環状の弾性部材としては、例えば、いわゆるO(オー)リングと称されるブチルゴム等の樹脂によって構成されているリングが採用される。また、封止部材R1Dは、例えば、隙間G3Dを封止する遮水性を有するグリースまたはシリコンシーラント等で構成されていてもよい。
ところで、図20および図21の例において、例えば、封止部材R1Dが存在していない構成が採用されてもよい。この場合には、例えば、第1配線部W11は、第2部分42Dの先端面4dDおよび外周面4eDならびに第1部分41Dの第2表面部WL2Dよりも内側の部分のうちの何れに接合されていてもよい。
<3−5.第6実施形態>
上記第5実施形態において、例えば、遮水部材4Dの第2部分42Dが、第2板部2のうちの貫通孔H1の−Z方向の側の第2開口Op2の内縁部C1Eに接触している、第2部分42Eに変更されてもよい。このとき、第2部分42Dを有する遮水部材4Dが、第2部分42Eを有する遮水部材4Eに変更されてもよい。この場合には、例えば、遮水部材4Eの貫通孔H1内に突起している第2部分42Eと第2板部2との接触によって、太陽電池モジュール100の外部から貫通孔H1を介して第1板部1と第2板部2との間の間隙領域G1に至る水分の浸入が低減され得る。
図22および図23の例では、第2部分42Eは、+Z方向に進むにつれて、径が狭くなっているテーパー状の外周面4eEを有している。ここでは、例えば、第1表面部WL1Dは、遮水部材4Eの第3面4aDの少なくとも一部を含んでいてもよいし、遮水部材4Eの第3面4aDの少なくとも一部を含んでいなくてもよい。第1環状領域A1Dは、例えば、テーパー状の外周面4eEの存在によって、貫通孔H1の第2開口Op2の内縁部C1Eから離れていてもよいし、内縁部C1Eから離れていなくてもよい。
<3−6.第7実施形態>
上記第1実施形態および上記第2実施形態において、例えば、遮水部材4が、配線W1が貫通している間隙部SL1Fを有する遮水部材4Fに変更されてもよい。この場合には、例えば、貫通している間隙部SL1Fを容易に形成可能な薄い金属箔等を遮水部材4Fとして使用することができる。このため、例えば、太陽電池モジュール100の厚さの増大が低減され得る。
図24および図25の例では、遮水部材4Fは、貫通孔H1を介して第1板部1と対向するように位置している領域(第1領域ともいう)Ar1と、該第1領域Ar1とは逆側の方向に向いている領域(第2領域ともいう)Ar2とを有している。遮水部材4Fは、例えば、+Z方向を向いた第3面4aFと、−Z方向を向いた第4面4bFとを有している。第1領域Ar1は、例えば、第3面4aFのうちの貫通孔H1の−Z側に位置している領域である。換言すれば、例えば、遮水部材4Fを+Z方向に平面透視した場合に、第1領域Ar1は、第3面4aFのうちの貫通孔H1と重なる領域である。このとき、第1領域Ar1は、例えば、貫通孔H1の+Z方向に垂直な断面に対応する形状を有している。第2領域Ar2は、例えば、第4面4bFのうちの第1領域Ar1の裏側の領域である。
遮水部材4Fは、さらに、第1領域Ar1から第2領域Ar2にかけて貫通している間隙部SL1Fを有している。間隙部SL1Fは、例えば、配線W1が挿通可能な形状を有している。例えば、配線W1が帯状のものであれば、間隙部SL1Fとして、例えば、+Z方向に平面視してスリット状の貫通している孔部を有するものが採用される。ここでは、例えば、金属箔または金属製の薄板にカッターナイフ等でスリット状の孔部を形成することで遮水部材4Fを製作することができる。金属箔または金属製の薄板は、例えば、銅またはアルミニウム等の遮水性と耐候性に優れた素材によって構成され得る。
配線W1は、間隙部SL1Fを通過するように存在している。ここでは、配線W1は、第1板部1と第2板部2との間の間隙領域G1の内部から、間隙部SL1Fを通過し、さらに、遮水部材4Fを基準として貫通孔H1とは逆方向に位置している外部領域Os1まで位置している。換言すれば、配線W1は、間隙領域G1の内部から間隙部SL1Fを通過して外部領域Os1にかけて存在している。そして、間隙部SL1Fは、金属で塞がれている。これにより、外部領域Os1から間隙部SL1Fを介して貫通孔H1側に水分が浸入し難くなる。図24および図25の例では、遮水部材4Fの第4面4b上に間隙部SL1Fを塞ぐように位置している金属製の閉塞部C1Fが存在している。閉塞部C1Fの素材としては、例えば、上記金属部5の素材と同様なものが採用される。該閉塞部C1Fは、例えば、間隙部SL1Fに配線W1を挿通させた状態で、はんだ付け等によって形成され得る。
図24および図25の例は、例えば、次の工程P71から工程P74を順に実施することで製造され得る。
[工程P71]遮水部材4Fの間隙部SL1Fに配線W1を挿通させる。
[工程P72]間隙部SL1Fに配線W1を挿通させた状態で、はんだ付け等によって閉塞部C1Fを形成する。
[工程P73]貫通孔H1を塞ぐように第2板部2の第2面2b上に遮水部材4Fを配置する。
[工程P74]第2面2bに遮水部材4Fを超音波はんだ付け等によって接合する。
ここで、例えば、遮水部材4Fの間隙部SL1Fに配線W1を挿通させた状態で、貫通孔H1を塞ぐように第2板部2の第2面2b上に遮水部材4Fを接合した後に、閉塞部C1Fを形成してもよい。
<3−7.第8実施形態>
上記各実施形態において、例えば、図26で示されるように、貫通孔H1内にガス吸着剤Ab1Gが存在していてもよい。このとき、例えば、第2板部2と遮水部材4との隙間G2を介して水分が浸入したとしても、水分が第1板部1と第2板部2との間の間隙領域G1に到達する前に、ガス吸着剤Ab1Gによって吸収され得る。また、例えば、間隙領域G1内で各種ガスが発生したとしても、ガス吸着剤Ab1Gによって吸収され得る。その結果、太陽電池モジュール100における長期間の信頼性が高まり得る。
ガス吸着剤Ab1Gとしては、例えば、多孔質の表面を持つ無機物であり、水分あるいは第1封止材32が発生し得る酢酸を含有するガス(酢酸含有ガスともいう)等を物理吸着させるものを採用することができる。ガス吸着剤Ab1Gには、例えば、ゼオライト、シリカゲルおよび活性炭等のうちの一種以上を適用することができる。酢酸含有ガスは、例えば、第1封止材32の素材がEVAである場合に、EVAの加水分解によって発生し得る。ゼオライト、シリカゲルおよび活性炭等は、例えば、不織布の袋等に入れられた状態で、貫通孔H1内に配置することができる。また、例えば、ゼオライト、シリカゲルおよび活性炭等のうちの一種以上を分散させた状態にある、ポリエチレン等の高分子材料またはブチルゴム等の弾性体を、貫通孔H1内に充填させてもよい。
また、ガス吸着剤Ab1Gには、例えば、酸化カルシウム(CaO)、硫酸銅無水塩(CuSO4)、硫酸カルシウム(CaSO4)または水酸化マグネシウムMg(OH)2等といった水分を化学吸着させる塩等を適用してもよい。この場合には、例えば、水分を化学吸着させる塩等を分散させた状態にある、ブチルゴム等の弾性体を、貫通孔H1内に充填させることで、ガス吸着剤Ab1Gを貫通孔H1内に配置することができる。
<3−8.第9実施形態>
上記各実施形態において、例えば、図26で示されるように、貫通孔H1内に絶縁性を有する樹脂(絶縁性樹脂ともいう)FL1Hが充填されるように存在していてもよい。このとき、例えば、第2板部2と遮水部材4との隙間G2を介して貫通孔H1まで水分が浸入したとしても、絶縁性樹脂FL1Hの存在によって、水分が第1板部1と第2板部2との間の間隙領域G1まで到達し難くなる。その結果、太陽電池モジュール100における長期間の信頼性が高まり得る。
絶縁性樹脂FL1Hは、例えば、ブチルゴムまたはエチレンプロピレンゴム等の弾性体であってもよいし、エポキシ樹脂、フェノール樹脂またはシリコンシーラント等のシリコン樹脂等といった樹脂類、発泡体あるいは発泡ゴムであってもよい。絶縁性樹脂FL1Hは、例えば、貫通孔H1に配線W1が挿通された状態で、貫通孔H1内に充填されればよい。ここでは、例えば、貫通孔H1の第1開口Op1から第2開口Op2にかけた少なくとも一部の範囲の領域に、絶縁性樹脂FL1Hが充填されていればよい。例えば、貫通孔H1の第1開口Op1から第2開口Op2にかけた一部の範囲の領域に絶縁性樹脂FL1Hが充填されている場合には、残余の範囲の領域にガス吸着剤Ab1Gが存在していてもよい。
<4.その他>
上記各実施形態において、例えば、貫通孔H1の内周面の形状が、第2開口Op2から第1開口Op1に向けて径が徐々に小さくなっているテーパー状のものであってもよい。この場合には、例えば、上記第4実施形態では、貫通孔H1内で遮水部材4Cが引っ掛かることで、該遮水部材4Cが安定して配置され得る。また、例えば、貫通孔H1の内周面と遮水部材4Cとの接触によって、遮水部材4Cによる貫通孔H1の封止が強固となり得る。テーパー状の内周面を有する貫通孔H1は、例えば、筒体に入れたセラミックスの粉末を超音波による振動によってガラス板に衝突させることで形成することができる。
上記各実施形態において、例えば、遮水部材4,4Aから4Fが、端子ボックス6の一部を構成するものであってもよい。この場合には、例えば、太陽電池モジュール100の製造に要する部品点数を削減することができる。これにより、例えば、素材の使用量の削減、太陽電池モジュール100の小型化および軽量化ならびに太陽電池モジュール100の製造に要する工程の簡略化等が図られ得る。
上記各実施形態において、例えば、第1板部1と第2板部2との間の間隙領域G1のうちの第1封止材32が位置している部分に対して連通するように貫通孔H1が位置していてもよい。
上記各実施形態において、例えば、第1板部1と第2板部2との間の間隙領域G1に、第2封止材33が設けられずに、第1封止材32が充填されていてもよい。例えば、第1封止材32が、第2封止材33の位置まで充填されていてもよい。
上記各実施形態において、例えば、第1板部1と第2板部2との間の間隙領域G1の外周部が、金属箔、金属板および金属部等で封止されてもよい。金属箔および金属板は、例えば、遮水性および耐候性に優れた銅またはアルミニウム等で構成され得る。また、金属部の素材としては、上記金属部5の素材と同様なものが採用される。金属箔および金属板は、例えば、超音波はんだ付け等を用いて、第1板部1の側面から第2板部2の側面にかけて配置され得る。
上記各実施形態において、例えば、太陽電池モジュール100の4つの側面E1からE4には、アルミニウム等で構成されているフレームが適宜取り付けられてもよい。このとき、例えば、フレームと側面E1からE4との間にブチル系の樹脂等の遮水性に優れた樹脂が充填されれば、太陽電池モジュール100の4つの側面E1からE4の側から封止対象物31の側への水分等の浸入が抑制され得る。
上記各実施形態において、例えば、第2板部2の第2面2bが、主として太陽光等の外光が照射される前面100fsBとされ、第1板部1の第1面1aが、裏面100bsBとされてもよい。このとき、第2板部2が、特定範囲の波長の光に対する透光性を有していればよい。また、このとき、第1板部1は、特定範囲の波長の光に対する透光性を有していてもよいし、特定範囲の波長の光に対する透光性を有していなくてもよい。すなわち、第1板部1および第2板部2のうちの少なくとも一方が、特定範囲の波長の光に対する透光性を有していればよい。
上記各実施形態において、例えば、封止対象物31は、太陽電池素子31p以外の電子素子を含んでいてもよい。つまり、第1板部1と第2板部2との間の間隙領域G1に、各種の電子素子が位置していてもよい。この場合、各種の電子素子を含む電子素子モジュールにおける長期間の信頼性が高まり得る。各種の電子素子には、太陽電池素子31p以外に、例えば、液晶素子および有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子等が含まれ得る。すなわち、封止対象物31には、各種の電子素子が含まれ得る。
別の観点から言えば、上記各実施形態においては、電子素子として、第1板部1および第2板部2等を透過する光の入射を利用することが可能な、太陽電池素子31pが採用されたが、これに限られない。上記各実施形態において、例えば、電子素子として、第1板部1および第2板部2における光の透過および出射等を利用することが可能な、液晶素子および有機EL素子等が採用されてもよい。そして、例えば、封止対象物31の構成に応じて、第1板部1および第2板部2のうちの少なくとも一方が、特定範囲の波長の光に対する透光性を有していればよい。ここで、電子素子モジュールが、例えば、電子素子として液晶素子または有機EL素子等を用いた表示装置または照明装置である場合には、特定範囲の波長の光は、例えば、人間が認識可能な可視光線の波長の光を含んでいればよい。このため、特定範囲の波長には、例えば、電子素子において利用される光の波長、あるいは電子素子によって電子素子モジュールの外部に出射される光の波長が含まれ得る。
上記各実施形態および各変形例をそれぞれ構成する全部または一部を、適宜、矛盾しない範囲で組み合わせ可能であることは、言うまでもない。