JP6804193B2 - 床下空間用機器の設置方法 - Google Patents
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Description
ところが、接続ケーブルを壁内の中空部に配線したとしても、接続ケーブルのうちの床から壁までの間の部分は露出してしまうため見映えが悪い。そこで、露出する部分を例えば巾木やクロス等で遮蔽したり、床仕上げ材で遮蔽したりする作業が行われるが、その作業分の手間が余計にかかる。
床(例えば、床パネル3)の施工を行って当該床の下方に前記床下空間4を形成する工程と、
前記床の上に、内部中空部を有する壁(例えば、壁パネル6)を立設する工程と、
前記床下空間用機器10を、前記床下空間4に設置する工程と、
前記壁の一側面(例えば、面材6d)に、前記内部中空部に連通する入口孔7a(入口7a)を形成する工程と、
前記床下空間4を形成する工程と前記壁を立設する工程よりも後に、前記入口孔7aから挿入した穿孔機Dを、前記壁の前記内部中空部を通過させてから、前記壁の下端部と前記床とを貫通するようにして穿孔することで、前記壁の前記内部中空部から、前記壁の下端部(例えば、框材6a)と前記床を介して、前記床下空間4まで通じる貫通孔7を斜め下向きに一遍に形成する工程と、
前記壁に、前記内部中空部に連通し、かつ前記部屋用機器20を取り付けるための取付孔8を形成する工程と、
前記部屋用機器20は、前記取付孔8を介して前記接続ケーブル30に接続されるものであり、前記接続ケーブル30を、前記取付孔8から前記内部中空部に入れる工程と、
前記取付孔8から前記内部中空部に入れられた前記接続ケーブル30を、前記貫通孔7内に案内しつつ前記床下空間用機器10にかけて配線し、前記接続ケーブル30を前記床下空間4に露出させ、前記床下空間用機器10に接続する工程と、を含むことを特徴とする。
また、壁の一側面に形成された入口孔7aまで至った接続ケーブル30を、貫通孔7に沿って床下空間4までスムーズに通すことができる。
前記部屋1aには、前記壁の前記内部中空部を通じて前記接続ケーブル30を配線可能とされた他の壁が設けられており、
前記他の壁に、前記部屋用機器20を取り付けるための取付孔8を形成する工程と、
前記接続ケーブル30を、前記取付孔8から前記床下空間用機器10にかけて配線する工程と、をさらに含むことを特徴とする。
前記接続ケーブル30の配線に先行して、前記取付孔8から少なくとも前記貫通孔7に至るまでの間に、前記接続ケーブル30が挿通されるケーブル挿通用管31を配管する工程をさらに含むことを特徴とする。
前記床下空間4に露出する前記接続ケーブル30と前記床との境界部分を防蟻処理する工程をさらに含むことを特徴とする。
前記壁の一側面に形成された前記入口孔7aにコンセントボックスを設置する工程をさらに含むことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の床下空間用機器10の設置方法において、
前記床3は基礎2の上に設置され、前記壁6は、前記基礎2の上方に位置しており、
前記壁6の一側面は、前記壁6の厚み方向の一方側に位置し、
前記床下空間用機器10は、前記壁6の厚み方向の他方側に位置し、かつ前記基礎2の側面に設置されており、
前記貫通孔7を形成する工程において、前記貫通孔7を、前記壁6の前記内部中空部から、前記床下空間用機器10が設置された側に向かって斜め下向きに形成することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の床下空間用機器10の設置方法において、
前記床3は、床板(面材3d)の取付下地となる床下地芯材(框材3a、補助桟材3b)を有しており、
前記壁6は、前記壁6の側面を構成する面材6dの取付下地となる壁下地芯材(框材6a、補助桟材6b)を有し、前記壁下地芯材は、前記壁6のうち少なくとも下端部に設けられており、
前記壁6は、前記床下地芯材の上方に位置しており、
前記貫通孔7を形成する工程において、前記貫通孔7を、前記壁6の下端部に設けられた前記壁下地芯材のうち前記壁6の厚み方向中心に位置する部位と、前記床下地芯材の上部と、を通るように形成することを特徴とする。
また、建物1は、地盤に設けられたコンクリート製の基礎2の立ち上がり部2a上に建築されている。基礎2は、本実施形態では布基礎とされているが、立ち上がり部2aを有するものであれば特に限定されるものではない。布基礎である本実施形態の基礎2のフーチング部は地中に埋設されている。基礎2の上面には、基礎2と床(後述する床パネル3)との間に介在する換気孔付きの台輪2bが設けられている。
なお、基礎2は、プレキャストコンクリート製であってもよいし、現場打ちコンクリートによって構成されるものであってもよい。
また、このパネルとは、図示はしないが、縦横の框材が矩形状に組み立てられるとともに、矩形枠の内部に補助桟材が縦横に組み付けられて枠体が構成され、この枠体の両面もしくは片面に、面材が貼設されたものであり、内部中空な構造となっている。さらに、その内部中空な部分には、通常、グラスウールやロックウール等の断熱材が装填されるものである。
すなわち、本実施形態の床は、床パネル3によって構成され、壁は、壁パネル6によって構成されている。
この床パネル3は、矩形枠を形成する框材3aと、矩形枠の内部に組み付けられる補助桟材3bとを有する枠体3cと、枠体3cの上面に貼設された面材3dと、を備える。
面材3dの上面には図示しない床仕上げ材が敷設される。
また、枠体3cにおいて隣り合う框材3aと補助桟材3bとの間や、隣り合う補助桟材3b間には図示しない断熱材が装填される。
さらに、詳細については後述するが、枠体3cの下面には、シロアリ等の害虫を防ぐための防蟻剤(防蟻薬剤)が染み込んだ防蟻シート5が貼り付けられており、これによって、床パネル3の下面に防蟻処理面が設けられている。
この壁パネル6は、矩形枠を形成する框材6aと、矩形枠の内部に組み付けられる補助桟材6bとを有する枠体6cと、枠体6cの両面に貼設された面材6dと、を備える。
図示はしないが、面材6dの表面には、壁パネル6が外壁の場合は外壁材が設けられ、壁パネル6が内壁の場合は石膏ボード等の耐火材およびクロス等の仕上げ材が設けられる。
また、枠体6cにおける内部中空部には図示しない断熱材が装填される。
なお、本実施形態の壁パネル6は、基礎2の上方であって、かつ隣接する床パネル3同士の当接部分の上に立設されている。ただし、これに限られるものではなく、基礎2の無い箇所の上方に立設される場合(図10参照)や、台輪2bを介して基礎2の上面に立設される場合(図11参照)がある。
部屋1aは、建物1の一階だけに限られるものではなく、二階以上の階に設けられる場合もある。
接続ケーブル30は、床下空間用機器10と部屋用機器20とを接続するに当たって、床パネル3を上下方向に貫通し、壁パネル6の内部中空部を通るようにして配線されている。すなわち、少なくとも床パネル3には、壁パネル6の内部中空部から床下空間4まで通じる貫通孔7が形成されている。そして、貫通孔7には接続ケーブル30が通される。
なお、接続ケーブル30が通される位置にある補助桟材6bは、図2に示すように厚みが小さく形成されており、接続ケーブル30が通る隙間が確保されている。
より詳細に説明すると、貫通孔7は、部屋1aの壁を構成する壁パネル6の部屋1a側面を構成する面材6dの下端部から、壁パネル6の内部中空部と、壁パネル6の下端部にある框材6aと、床パネル3の面材3dと、床パネル3の框材3aと、防蟻シート5を貫通するようにして形成されている。
貫通孔7の入口7aには、最終的に、例えばコンセントボックス(図示せず)やその他の機器が設置される場合がある。そのため、コンセントボックス等の機器を設置する場合には、貫通孔7を形成するよりも前の工程で、面材6dに、コンセントボックス等の機器の形状に合う孔(貫通孔7の入口7aになる孔)を形成しておいてもよい。
また、入口7aの孔は、作業員が手を入れて作業を行う場合があるので、貫通孔7自体の径よりも大きく形成してもよい。
一方、壁パネル6の内部中空部には、上述のように断熱材が装填されるため、接続ケーブル30を通しにくい場合がある。そこで、壁パネル6の内部中空部に断熱材を装填する際に、接続ケーブルが挿通されるケーブル挿通用管31(例えばCD管やPF管等を使用)が同時に配管されている。
より詳細には、ケーブル挿通用管31は、壁パネル6の内部中空部のうち、少なくとも部屋用機器20が設けられる位置(後述する取付孔8近傍の位置)から貫通孔7の入口7aまでの間に配管されており、周囲に断熱材が装填されることで位置決めされている。この場合、接続ケーブル30は、部屋用機器20が設けられる位置から床下空間用機器10にかけて、壁パネル6の面材6dに形成された入口孔7a(入口7a)まで配線され、その先は、入口7aから貫通孔7内に案内されつつ配線されることになる。
本実施形態においては、ケーブル挿通用管31は、部屋用機器20が設けられる位置から防蟻シート5の近傍に至るまでの範囲で配管されている。この場合、接続ケーブル30は、部屋用機器20が設けられる位置から床下空間4まで(防蟻シート5の近傍まで)一気に配線されることになる。
なお、図2に示す厚みの小さい補助桟材6bによって形成された隙間に、このケーブル挿通用管31も通されている。
また、接続ケーブル30における床下空間4側に位置する部分のうち、防蟻テープ5aが貼り付けられた箇所と床下空間用機器10との間の箇所に他の防蟻テープ5bが巻き付けられている。これによって、接続ケーブル30を伝ってシロアリ等が移動することを防ぐことができる。
本実施形態においては地震計が採用されており、この地震計10は、図2等に示すように、基礎2における立ち上がり部2aの側面に、ブラケット11を介して取り付けられている。
また、加速度センサー10aは、地震の発生により建物1の基礎2が縦揺れしたときに鉛直方向の加速度が加わると、その加速度に比例した電圧レベルで地震検出信号を出力するようになっている。例えば、鉛直方向をZ方向すると、建物1に作用したZ方向における加速度に比例した電圧レベルで地震検出信号を出力するようになっている。このような加速度センサー10aはケース10eに収容されている。
なお、当該加速度センサー10aでは、地震が発生した際の初期微動(P波:伝播速度 約7km/s)の検知だけでなく、主要動(S波:伝播速度約4km/s)も検知できる。
また、震度算出部10bは、加速度センサー10aからの地震検出信号に基づいて、X方向、Y方向、Z方向におけるそれぞれの最大加速度を算出するようになっている。X方向とY方向は水平面内で直交する方向であり、例えば建物1の平面視において直角に配置された一の外壁と平行な方向をX方向、一の外壁と直角に配置された他の外壁と平行な方向をY方向とする。また、Z方向は鉛直方向とする。
さらに、震度算出部10bは時計機能を有しており、加速度センサー10aからの地震検出信号が入力されたとき、つまり地震が生じたときの時刻、日付を取得できるようになっている。
制御部10dは、震度算出部10b、変形量算出部10cのそれぞれの制御を行うもので、主にCPU(中央演算処理装置)によって構成されている。
すなわち、例えば図4(a),(b)に示すように、平面視において、正方形リング状または角部に凹所を有する略正方形リング状に設けられ、建物1の外周部の外壁が設置された外周の基礎2の中央部に内側の基礎2が設けられている場合、外周の基礎2の一辺を4等分するとともに、この一辺に直角に交わる他辺を4等分すると、中央部に位置する一辺の2分の1の長さの部分と、中央部に位置する他辺の2分の1の長さの部分とが交差する、中央部分(斜線で示す部分)の領域2cに位置する立ち上がり部2aの所望の位置に地震計10が取り付けられている。
最も望ましくは、平面視における基礎2の重心位置またはこの重心位置の近傍に位置する基礎2の立ち上がり部2aに、地震計10が取り付けられている。
部屋用機器20としては、例えば、床下空間用機器10を各種センサーとした場合において、センシングした結果を表示するための表示計や、床下空間用機器10のON・OFFを行うためのスイッチ、床下空間用機器10と外部との間での通信を可能とする光回線終端装置・モデム等の通信機器、床下空間用機器10に電気を供給するための電源等を始め、種々のものが挙げられる。
本実施形態においては、床下空間用機器10として地震計が採用されているため、これに対応して、部屋用機器20としては地震表示計が採用されている。この地震表示計20は、図2等に示すように、壁パネル6に設けられている。
地震計10の加速度センサー10aには、図2に示すように、接続ケーブル30の一端部が接続されており、この接続ケーブル30の他端部は地震表示計20に接続されている。
なお、図示はしないが、地震計10および地震表示計20はいずれも電源ケーブルを介して電源に接続されており、電気の供給を受けている。電源ケーブルについても、接続ケーブル30と同様に配線されるものとする。換言すれば、接続ケーブル30は通信線として機能していることになる。
制御部20aは、データ記憶部20b、表示部20cのそれぞれの制御を行うもので、主にCPU(中央演算処理装置)によって構成されている。
そして、地震計10の加速度センサー10aによって検出された加速度、震度算出部10bによって算出された震度、X方向、Y方向、Z方向におけるそれぞれの最大加速度、取得された時刻、日付等の地震情報は、制御部20aによってデータ記憶部20bに記憶されるとともに表示部20cに表示される。さらに、このデータ記憶部20bには、複数の地震情報が履歴として記憶されるようになっている。
また、このデータ記憶部20bには、表示部20cに情報を表示するために必要な各種データが記憶されている。さらに、データ記憶部20bには、地震計10が初期微動(P波)や主要動(S波)を検知した際に即座に警報を発するための警報発生プログラムが記憶されている。
ケース20dには、各種操作ボタンが設けられており、この操作ボタンをユーザーが操作することによって、制御部20aに指示を出して、この制御部20aが表示部20cに、指定された日付、時刻の地震情報や地震情報の履歴等を表示するようになっている。
接続ケーブル30は、床下空間用機器10と部屋用機器20とを接続するため、壁パネル6の内部中空部に配管されるケーブル挿通用管31の上端部が、取付孔8の付近に配置されている。
ブラケット11は、金属板を折り曲げ加工することによって形成されており、基礎側取付面12と、機器側取付面13と、連結部14は、折り曲げ加工された金属板の各部位または各部位における各面を指している。すなわち、これら基礎側取付面12と、機器側取付面13と、連結部14は一体形成されている。
また、基礎側取付面12には、当該基礎側取付面12を立ち上がり部2aの側面に取り付けるビスやネジ等の固定具を通すための複数の孔12aが四隅に形成されている。
また、機器側取付面13には、当該機器側取付面13を地震計10に取り付けるビスやネジ等の固定具を通すための複数の孔13aが左右両端部に並んで形成されている。
連結部14は、側面視において基礎側取付面12と直交する方向(立ち上がり部2aから離間する方向)に突出しており、その突出方向先端に機器側取付面13が設けられている。
換言すれば、上側の機器側取付面13の上端部は、連結部14よりも上方に位置していることになる。
本実施形態においては、図5に示すように、基礎側取付面12に形成された複数の孔12aが長孔として形成されており、水平調整手段として機能する。
また、壁パネル6の面材6dには貫通孔7の入口7aである孔と取付孔8が予め形成されており、壁パネル6の内部中空部にはケーブル挿通用管31が予め配管されている。
なお、各孔を予め形成する場所は工場でもよいし、建築の現場でもよい。
また、ケーブル挿通用管31は、工場等で予め配管されるが、現場で、取付孔8から貫通孔7の入口7aまでの間に、壁パネル6の内部中空部に装填された断熱材の隙間を縫うようにして、かつ厚みの小さい補助桟材6bによって形成された隙間を通るようにして配管してもよい。また、ケーブル挿通用管31は、壁パネル6の内部中空部に予め工場等で配管される部分と、現場で貫通孔7内に配管される部分とに分けておき、壁パネル6の設置後に、これら管同士を繋ぐようにしてもよい。
また、床パネル3の下面には、予め工場等で、装填された断熱材を覆うようにして防蟻シート5が貼り付けられている。
続いて、建物1の一階の施工を行う。
基礎2の上に床パネル3を設置して固定し、一階の床全体を構築する。このように床の施工を行うことによって当該床の下方に床下空間4を形成することができる。
続いて、床パネル3上に壁パネル6を設置して固定する。建物1の一階空間を囲むようにして、かつ各部屋を仕切るようにして壁パネル6を設置すれば、建物1の一階の施工が完了する。
なお、一階の施工が完了した後の工程とは、一階の施工が完了した直後のタイミングでもよいし、建物1の躯体の施工が一通り完了した後のタイミングでもよい。
床下空間用機器10の設置は、作業員が床下空間4に潜り込んで行う。
まず、図6に示すように、基礎2の立ち上がり部2aの側面にブラケット11をビス等の固定具によって取り付ける。続いて、図7に示すように、床下空間用機器10をネジ等の固定具によってブラケット11に取り付ける。
ブラケット11における基礎側取付面12には、水平調整手段としての長孔である複数の孔12aが形成されているので、これら長孔の範囲内で、床下空間用機器10およびブラケット11の左右の高さを調整し、床下空間用機器10の水平を確保する。
貫通孔7の形成には、ケーブル挿通用管31を挿通させることが可能な孔を形成できる穿孔機Dが用いられる。
すなわち、穿孔機Dを、図8に示すように、壁パネル6の部屋1a側面を構成する面材6dに形成された孔(貫通孔7の入口7a)から挿入し、壁パネル6の内部中空部を通過させてから、壁パネル6の下端部と、床パネル3の面材3dおよび框材3aと、を貫通するようにして穿孔を行う。防蟻シート5にも穿孔機Dによって孔を形成してもよい(防蟻シート5については後工程でカッター等により孔を形成してもよい)。
この穿孔作業の際、穿孔機Dは、壁パネル6の部屋1a側から床下空間4まで斜めに入れられ、貫通孔7は斜め方向に形成される。これによって、壁パネル6の内部中空部から床下空間4まで通じる貫通孔7を形成することができる。
なお、貫通孔7を形成するに際し、貫通孔7を、壁パネル6の内部中空部から床下空間4まで一遍に貫通形成する。すなわち、貫通孔7のうち、壁パネル6側に形成される部分と、床パネル3側に形成される部分とを別々に形成せずに、同時に形成することで、孔のずれが生じないようにしている。
ケーブル挿通用管31に入れられた接続ケーブル30は、ケーブル挿通用管31の下端部における開口から飛び出し、床下空間4に露出するまで繰り出される。すなわち、接続ケーブル30は、ケーブル挿通用管31によって貫通孔7内を案内されるようにして配線される。ただし、ケーブル挿通用管31が貫通孔7の入口7a部分までしか配管されない場合や、ケーブル挿通用管31自体を配管しない場合は、作業員により入口7aから接続ケーブル30を貫通孔7内に案内しつつ配線を行う。
この時点で、防蟻シート5には接続ケーブル30が通される貫通孔7が形成されているので、床下空間4に露出する接続ケーブル30と床パネル3との境界部分(すなわち、防蟻シート5)を防蟻処理する。より詳細に説明すると、図9に示すように、防蟻テープ5aを、接続ケーブル30のうち床下空間4側に位置する部分と防蟻シート5とに跨って、かつ貫通孔7の全周に亘って貼り付けて、貫通孔7を塞ぐようにする。
さらに、接続ケーブル30における床下空間4側に位置する部分のうち、防蟻テープ5aが貼り付けられた箇所と床下空間用機器10との間の箇所に他の防蟻テープ5bを巻き付ける。このようにして床下空間4において防蟻処理が行われる。
なお、図9は、図2や図6〜図8とは異なる方向から見た場合の図であり、かつ壁パネル6は省略したものである。
続いて、壁パネル6の面材6dに形成された貫通孔7の入口7aにコンセントボックスを設置する。
床パネル3や壁パネル6に施される各仕上げ材については、適切なタイミングで施工が行われているものとする。
さらに、機器側取付面13の上端部は、連結部14よりも上方に位置しているので、例えば基礎2が結露を起こした場合等に、水が機器側取付面13側へ流れることを確実に防ぐことができる。これによって、床下空間用機器10が水に濡れることを確実に防ぐことができる。
さらに、連結部14によって基礎側取付面12と機器側取付面13とを離間させることができれば、基礎側取付面12と機器側取付面13との間に空気を通すことができるので、床下空間用機器10の後面(背面)側において乾燥状態を保ちたい場合に好適である。
このような防蟻処理の詳細としては、防蟻テープ5aが、接続ケーブル30のうち床下空間4側に位置する部分と防蟻シート5とに跨って、かつ貫通孔7の全周に亘って貼り付けられているので、防蟻テープ5aを貼り付けるだけで貫通孔7を塞ぐことができる。したがって、床パネル3の下面における防蟻処理を簡易かつ確実に行うことができる。
上記実施形態の変形例について説明する。変形例については、上記実施形態から変更した点の説明をする。変更点以外は上記実施形態の場合と同様であるので、変更点以外の説明を省略する。また、次の各変形例に挙げる変更箇所を可能な限り組み合わせて適用してもよい。
また、各変形例においても建物1はパネル工法で構築されるものとして説明するが、従来の軸組工法、壁式工法、ツーバイフォー工法等で構築されるものとしてもよい。
壁パネル6が、図10に示すように、床パネル3上であって、かつ下方に基礎2の無い箇所に設置されている。また、床パネル3において、この壁パネル6が設置される箇所(貫通孔7が形成される箇所)には、框材3aおよび補助桟材3bが無い。そのため、貫通孔7は、壁パネル6側と床パネル3の面材3dを貫通して形成されている。
このような場合であっても貫通孔7を確実に形成することができ、接続ケーブル30の配線やケーブル挿通用管31の配管を確実に行うことができる。
また、床下空間用機器10は、床パネル3に寄せて設置されてもよい。
壁パネル6が、図11に示すように、台輪2bを介して基礎2の上面に立設されており、壁パネル6に対して床パネル3が取り付けられている。すなわち、壁勝ちの状態になっている。そのため、壁パネル6の下端部が基礎2の上面に近い位置に配置されることになり、貫通孔7が、壁パネル6の框材6aを貫通せずに形成されている。
このような場合であっても貫通孔7を確実に形成することができ、接続ケーブル30の配線やケーブル挿通用管31の配管を確実に行うことができる。
部屋用機器20が設置される部屋1aが、建物1の二階以上の階に設けられている。
建物1の二階以上の階に設けられた部屋1aには、一階に設置された壁パネル6の内部中空部を通じて接続ケーブル30を配線可能とされた他の壁パネル(図示せず)が設けられている。当該他の壁パネルも内部中空部を有しており、接続ケーブル30を配線可能となっている。そして、当該他の壁パネルにも、部屋用機器20を設置するための取付孔8が形成されている。
より詳細に説明すれば、接続ケーブル30については長さについて特に限定されるものではないため、壁パネルの内部中空部や床パネルの内部中空部を介して、建物1の広い範囲に配線できる。ケーブル挿通用管31も同様に配管できる。
換言すれば、接続ケーブル30(およびケーブル挿通用管31)を、建物1の広い範囲に配線(配管)できるので、部屋用機器20の設置位置は、一階の床パネル3よりも上方であって、かつ建物1内および建物1の外面直近までの範囲であれば特に限定されることがない。これにより、部屋用機器20の設置位置の自由度が高まるという利点がある。
図12に示すように、接続ケーブル30における床下空間4側に位置する部分のうち防蟻シート5側の箇所が、防蟻シート5に沿うようにして配置され、当該箇所が防蟻テープ5aによって防蟻シート5に留め付けられている。
より詳細に説明すると、接続ケーブル30は防蟻シート5よりも床下空間4側に飛び出した状態となるが、その飛び出した接続ケーブル30の根元(防蟻シート5側端部)に当たる部分が、防蟻シート5に沿って配置されるとともに、防蟻テープ5aによって防蟻シート5に留め付けられた状態となっている。
これにより、防蟻テープ5aによって接続ケーブル30を防蟻シート5に固定しつつ、貫通孔7を塞ぐことができる。換言すれば、接続ケーブル30が防蟻シート5に沿って配置された状態であれば、防蟻テープ5aを単純に防蟻シート5に貼り付ける動作を行うだけで貫通孔7を塞ぐ作業を進めることができるので、床パネル3の下面における防蟻処理を簡易に行うことができる。
また、防蟻テープ5aによって接続ケーブル30を防蟻シート5に固定すれば、接続ケーブル30が動かない状態となるので、接続ケーブル30が動くことによって貫通孔7の径が広がってしまうことを防ぐことができる。
なお、図12は、図2や図6〜図8とは異なる方向から見た場合の図であり、かつ壁パネル6は省略したものである。
図示はしないが、防蟻処理面は、床パネル3を形成する部材である框材3aと補助桟材3b(面材3dを含んでもよい)に防蟻剤を施すことによって構成されている。
防蟻剤を施す方法としては、框材3aと補助桟材3bの材料である木材の表面に、例えば鑿刃によって適当な間隔で鑿目を予め切り込んでおき、鑿目から薬液を木材内部に浸透させる方法が知られている。木材の表面に鑿目等の微小孔を切り込む加工がインサイジング加工として知られている。
すなわち、床パネル3を形成する部材自体が防蟻処理面を構成しており、床パネル3を形成する部材である以上、小さな力では撓まない程度の剛性を備えている。そのため、防蟻テープ5aを貼り付ける際に、防蟻処理面が小さな力で撓むことがなく、防蟻テープ5aを貼り付けやすくなる。
また、このような変形例の場合、貫通孔7は、床パネル3の框材3a(または面材3d)を貫通すれば床下空間4に抜けた状態となる。つまり、床下空間4で作業する場合に、防蟻シート5が無い分、接続ケーブル30を視認しやすくなるので、作業性の向上を図ることができる。
ブラケット11における基礎側取付面12と機器側取付面13のうち、機器側取付面13が、床下空間用機器10の水平調整を行うための水平調整手段を有する。
水平調整手段は、機器側取付面13における複数の孔13aであり、水平調整手段とされた当該複数の孔13aは、上下方向に長い長孔として形成されている。
このように機器側取付面13が水平調整手段を有するものであれば、床下空間用機器10を適宜調整して水平を確保することができる。より詳細には、水平調整手段とされた複数の孔13aが、上下方向に長い長孔として形成されているので、床下空間用機器10の左右の高さを長孔に沿って調整することによって、床下空間用機器10の水平を確保することができる。その結果、床下空間用機器10を、水平を確保した状態で基礎2に対して取り付けることができる。
ブラケット11における基礎側取付面12と機器側取付面13の双方が、床下空間用機器10の水平調整を行うための水平調整手段を有する。
水平調整手段は、基礎側取付面12における複数の孔12aと、機器側取付面13における複数の孔13aであり、水平調整手段とされた当該複数の孔12a,13aは、上下方向に長い長孔として形成されている。
このように基礎側取付面12と機器側取付面13の双方が水平調整手段を有するものであれば、ブラケット11と床下空間用機器10の双方を適宜調整して床下空間用機器10の水平をより精度の高い状態で確保することができる。より詳細には、水平調整手段とされた複数の孔12a,13aが、ブラケット11および床下空間用機器10の左右の高さを長孔に沿って調整することによって、床下空間用機器10の水平を確保することができる。その結果、床下空間用機器10を、水平を確保した状態で基礎2に対して取り付けることができる。
機器側取付面13が、基礎側取付面12と平面視において直交する方向に配置されている。すなわち、ブラケット11全体としては、平面視においてL字状またはコ字状に形成されており、機器側取付面13は、床下空間用機器10の左右両側面の少なくとも一方に接する。
基礎側取付面12には、水平調整手段が設けられており、床下空間用機器10の左右の高さを揃えて水平を確保できる。
一方、機器側取付面13にも、水平調整手段が設けられており、床下空間用機器10の前後の高さを揃えて水平を確保できる。
これによって、床下空間用機器10を全体的に水平に配置することができる。
具体的には、基礎側取付面12における複数の孔12aが上下方向に長い長孔として形成され、機器側取付面13における複数の孔13aも上下方向に長い長孔として形成されている。そして、基礎側取付面12と機器側取付面13とが、平面視において直交する向きに配置されているので、基礎側取付面12側と機器側取付面13側において、それぞれ異なる方向で床下空間用機器10の水平の確保が行われることになる。特に、立ち上がり部の側面を斜めに形成したタイプの基礎にとって好適である。
なお、このような変形例の場合、連結部14は無い状態か、もしくは基礎側取付面12と機器側取付面13のうちいずれか一方と一体形成された状態となっている。
基礎側取付面12と機器側取付面13が平行して配置されておらず、かつ平面視において連結部14を介して交差方向に配置されている。すなわち、連結部14の形状が平面視において直角(90度)やそれ以外の角度で折れ曲がって構成されているか、湾曲して構成されている。
さらに、基礎側取付面12と機器側取付面13のそれぞれが水平調整手段を有するものとすれば、床下空間用機器10を全体的に水平に配置することができる。
ブラケット11の構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、機器側取付面13は複数ではなく一つでもよい。これに伴って、連結部14も複数ではなく一つでもよい。基礎側取付面12も一つではなく複数でもよい。
また、例えば、機器側取付面13は、基礎側取付面12の左右の両端部側のそれぞれに設けられるものとしてもよい。すなわち、図5に示すブラケット11を90度立て起こした状態に類似する。
また、例えば、水平調整手段として、固定具を通す孔12a,13aを長孔とするだけでなく、床下空間用機器10を軸回転させる構成を採用してもよい。
また、例えば、基礎側取付面12、機器側取付面13、連結部14はそれぞれ板状に形成されているが、これに限られるものではない。連結部14は棒状でもよいし、基礎側取付面12と機器側取付面13と連結部14のいずれもがブロック状でもよい。
また、基礎側取付面12が連結部14よりも上方に設けられていてもよい。ただし、図13に示すように、基礎側取付面12が連結部14よりも上方に位置し、かつ連結部14よりも下方もしくは略等しい高さに機器側取付面13が位置する場合には、例えば基礎2が結露を起こした場合等に、水が機器側取付面13側へ流れることを防ぎにくいため、好ましくない。
1a 部屋
2 基礎
2a 立ち上がり部
3 床(床パネル)
4 床下空間
5 防蟻シート(防蟻処理面)
6 壁(壁パネル)
7 貫通孔
10 床下空間用機器
11 ブラケット
12 基礎側取付面
12a 孔
13 機器側取付面
13a 孔
14 連結部
20 部屋用機器
30 接続ケーブル
31 ケーブル挿通管
D 穿孔機
Claims (7)
- 床下空間用機器を床下空間に設置するとともに、当該床下空間用機器と建物の部屋側に設置される部屋用機器とを接続ケーブルによって接続する床下空間用機器の設置方法であって、
床の施工を行って当該床の下方に前記床下空間を形成する工程と、
前記床の上に、内部中空部を有する壁を立設する工程と、
前記床下空間用機器を、前記床下空間に設置する工程と、
前記壁の一側面に、前記内部中空部に連通する入口孔を形成する工程と、
前記床下空間を形成する工程と前記壁を立設する工程よりも後に、前記入口孔から挿入した穿孔機を、前記壁の前記内部中空部を通過させてから、前記壁の下端部と前記床とを貫通するようにして穿孔することで、前記壁の前記内部中空部から、前記壁の下端部と前記床を介して、前記床下空間まで通じる貫通孔を斜め下向きに一遍に形成する工程と、
前記壁に、前記内部中空部に連通し、かつ前記部屋用機器を取り付けるための取付孔を形成する工程と、
前記部屋用機器は、前記取付孔を介して前記接続ケーブルに接続されるものであり、前記接続ケーブルを、前記取付孔から前記内部中空部に入れる工程と、
前記取付孔から前記内部中空部に入れられた前記接続ケーブルを、前記貫通孔内に案内しつつ前記床下空間用機器にかけて配線し、前記接続ケーブルを前記床下空間に露出させ、前記床下空間用機器に接続する工程と、を含むことを特徴とする床下空間用機器の設置方法。 - 請求項1に記載の床下空間用機器の設置方法において、
前記部屋には、前記壁の前記内部中空部を通じて前記接続ケーブルを配線可能とされた他の壁が設けられており、
前記他の壁に、前記部屋用機器を取り付けるための取付孔を形成する工程と、
前記接続ケーブルを、前記取付孔から前記床下空間用機器にかけて配線する工程と、をさらに含むことを特徴とする床下空間用機器の設置方法。 - 請求項1又は2に記載の床下空間用機器の設置方法において、
前記接続ケーブルの配線に先行して、前記取付孔から少なくとも前記貫通孔に至るまでの間に、前記接続ケーブルが挿通されるケーブル挿通用管を配管する工程をさらに含むことを特徴とする床下空間用機器の設置方法。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の床下空間用機器の設置方法において、
前記床下空間に露出する前記接続ケーブルと前記床との境界部分を防蟻処理する工程をさらに含むことを特徴とする床下空間用機器の設置方法。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の床下空間用機器の設置方法において、
前記壁の一側面に形成された前記入口孔にコンセントボックスを設置する工程をさらに含むことを特徴とする床下空間用機器の設置方法。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の床下空間用機器の設置方法において、
前記床は基礎の上に設置され、前記壁は、前記基礎の上方に位置しており、
前記壁の一側面は、前記壁の厚み方向の一方側に位置し、
前記床下空間用機器は、前記壁の厚み方向の他方側に位置し、かつ前記基礎の側面に設置されており、
前記貫通孔を形成する工程において、前記貫通孔を、前記壁の前記内部中空部から、前記床下空間用機器が設置された側に向かって斜め下向きに形成することを特徴とする床下空間用機器の設置方法。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載の床下空間用機器の設置方法において、
前記床は、床板の取付下地となる床下地芯材を有しており、
前記壁は、前記壁の側面を構成する面材の取付下地となる壁下地芯材を有し、前記壁下地芯材は、前記壁のうち少なくとも下端部に設けられており、
前記壁は、前記床下地芯材の上方に位置しており、
前記貫通孔を形成する工程において、前記貫通孔を、前記壁の下端部に設けられた前記壁下地芯材のうち前記壁の厚み方向中心に位置する部位と、前記床下地芯材の上部と、を通るように形成することを特徴とする床下空間用機器の設置方法。
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