JP6803803B2 - 電子部品用キャリアテープの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体パッケージ等からなる電子部品の収納、供給、保管、在庫管理、輸送等に用いられる電子部品用キャリアテープの製造方法に関するものである。
表面実装型の半導体パッケージを保管したり、輸送する場合には、電子部品を効率的に取り扱うことのできる電子部品用キャリアテープが使用されている。この電子部品用キャリアテープは、図6ないし図8に示すように、巻取りリールに巻回される樹脂シート20Aと、この樹脂シート20Aの長手方向に並設されて表面実装型の半導体パッケージ10を収納する複数の収納エンボス21Aとを備え、製造メーカで製造された後、製造メーカから部品メーカに輸送されたり、あるいは部品メーカからアッセンブリメーカに輸送される(特許文献1参照)。
表面実装型の半導体パッケージ10は、例えばQFPタイプの場合、図8に部分的に示すように、平面矩形のパッケージ本体11を備え、このパッケージ本体11の前後左右の周面から複数本のリードフレーム12がそれぞれ並んで突出している。各リードフレーム12は、パッケージ本体11の周面から横方向に突出して下方に屈曲しながら伸びるが、この下方に伸びる部分が下降部13とされ、この下降部13の先端が屈曲しながら横方向に突出している。
各収納エンボス21Aは、図6や図7に示すように、樹脂シート20Aに形成される開口22Aと、この開口22Aから樹脂シート20Aの裏面方向に伸びる周壁23Aと、この周壁23Aから開口22Aの中心部方向に伸びる底板24Aと、この底板24Aに接続されて半導体パッケージ10を搭載する台座板25Aとを備えて形成されている。底板24Aと台座板25Aとの間には、半導体パッケージ10の複数本のリードフレーム12に跨がれる位置規制突起26Aが形成され、この位置規制突起26Aが半導体パッケージ10の位置ずれやリードフレーム12の変形を防止する。
ところで、リードフレーム12を用いる表面実装型の半導体パッケージ10は、電気的接続の信頼性や表面実装性に優れるが、近年の実装密度向上の要請に鑑み、パッケージ本体11の周面とリードフレーム12の下方に伸びる下降部13との間の部分、いわゆる股下部分ILが狭小化されるとともに、複数本のリードフレーム12のピッチが狭くなってきており、しかも、各リードフレーム12の益々の小型化が図られている。
特開2016‐120961号公報
従来における電子部品用キャリアテープは、以上のように構成され、収納エンボス21Aの底板24Aと台座板25Aとの間に、幅が略一定の位置規制突起26Aが単に形成されるに止まるので、小型化が図られた近年の半導体パッケージ10の収納や保管に十分に対応することができず、損傷させるおそれがある。
この点について説明すると、収納エンボス21Aに半導体パッケージ10を収納すると、半導体パッケージ10の股下部分ILが狭い関係上、収納エンボス21Aの位置規制突起26Aと半導体パッケージ10のリードフレーム12との間に隙間が存在せず、収納エンボス21の位置規制突起26Aと半導体パッケージ10のリードフレーム12とが圧接する(図8参照)ので、この圧接に伴い、リードフレーム12が簡単に変形して損傷するおそれがある。
本発明は上記に鑑みなされたもので、電子部品の突出部が損傷するおそれを有効に排除することのできる電子部品用キャリアテープの製造方法を提供することを目的としている。
本発明においては上記課題を解決するため、金型の上型と下型とに樹脂シートを挟み、電子部品を収納する収納エンボスを成形してその底板と台座板との間に電子部品の突出部を支持する位置規制突起を介在する電子部品用キャリアテープの製造方法であり、
金型の下型に、位置規制突起用の成形リブを形成してその幅を0.2mm以上樹脂シートの厚さ以下とし、成形リブの先端部をR形状とすることにより、位置規制突起の先端部の肉厚を薄くし、位置規制突起の幅を抑制することを特徴としている。
なお、電子部品を半導体パッケージとし、電子部品の突出部を、半導体パッケージのパッケージ本体の周面の少なくとも一部から屈曲して突出するリードフレームとすることが好ましい。
また、収納エンボスは、樹脂シートに形成される開口と、この開口の周縁部から樹脂シートの裏面方向に伸びる周壁と、この周壁から開口の中心部方向に伸びる底板と、この底板に接続されて半導体パッケージのパッケージ本体に対向する上げ底の台座板とを含み、底板と台座板との間に、半導体パッケージのリードフレームに跨がれる位置規制突起を起立させて形成することができる。
なお、成形リブを先細りに形成し、この成形リブの内側傾斜角を4°以下とすることが好ましい。
また、成形リブを先細りに形成し、この成形リブの外側傾斜角を10°以下とすることができる。
また、成形リブの先端Rを0.1mm以上0.2mm以下とすることができる。
ここで、特許請求の範囲における樹脂シートは、熱可塑性樹脂製のシートが好ましい。この樹脂シートと収納エンボスとは、透明、不透明、半透明を特に問うものではない。また、電子部品は、半導体パッケージの場合、少なくとも表面実装型のQFPタイプ、DIPタイプ、SOPタイプ等が含まれる。位置規制突起の先端部の厚さは、0.1mm以上0.2mm以下が好ましい。
本発明によれば、下型の成形リブの先端部をR形状に形成するので、電子部品用キャリアテープの製造時に、成形リブの先端部に対向する樹脂シートの対向被覆部が成形リブの先端部から根元部方向に移動して薄くなり、収納エンボスの位置規制突起の幅が狭くなる。したがって、収納エンボスの位置規制突起と電子部品の突出部との間に隙間を確保することができ、位置規制突起と突出部との接触に伴い、突出部が変形して損傷するおそれを低減することができる。
本発明によれば、金型の下型に、位置規制突起用の成形リブを形成してその先端部をR形状とするので、例え収納エンボスに電子部品を収納しても、電子部品の突出部が損傷するおそれを有効に排除することができるという効果がある。また、成形リブの幅が0.2mm以上なので、成形リブの強度を確保し、電子部品用キャリアテープの成形時に金型の変形を招くおそれを排除することができる。また、成形リブの幅が樹脂シートの厚さ以下なので、成形リブの先端部を細くし、電子部品用キャリアテープの成形時に樹脂シートの厚みを変化させることが可能となる。
請求項2記載の発明によれば、電子部品が半導体パッケージの場合、収納エンボスの位置規制突起と半導体パッケージのリードフレームとが強く接触することが少ないので、リードフレームが変形して損傷するおそれを低減することができる。
請求項3記載の発明によれば、収納エンボスの位置規制突起と、この位置規制突起を跨ぐ半導体パッケージのリードフレームとの間に隙間を確保することができ、位置規制突起とリードフレームの下方に伸びる部分との接触に伴い、リードフレームが変形して損傷するおそれを低減することができる。
請求項4記載の発明によれば、収納エンボスの位置規制突起の成形性を向上させたり、成形リブの先端部をR形状に容易に形成することが可能となる。
請求項5記載の発明によれば、収納エンボスの位置規制突起の成形性を向上させることが可能となる。
請求項6記載の発明によれば、成形リブの先端部の強度が不足するのを防ぐことができる。
本発明に係る電子部品用キャリアテープの製造方法の実施形態における金型の上型と下型とを模式的に示す全体説明図である。 本発明に係る電子部品用キャリアテープの製造方法の実施形態における金型の成形リブを模式的に示す要部断面説明図である。 本発明に係る電子部品用キャリアテープの製造方法の実施形態における収納エンボスを模式的に示す部分断面説明図である。 図3の収納エンボスの位置規制突起を模式的に示す要部断面説明図である。 本発明に係る電子部品用キャリアテープの製造方法の実施形態における半導体パッケージのリードフレームと位置規制突起との関係を模式的に示す部分断面説明図である。 従来の収納エンボスを示す部分断面説明図である。 図6の位置規制突起を模式的に示す断面説明図である。 半導体パッケージのリードフレームと従来の位置規制突起との関係を示す部分断面説明図である。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明すると、本実施形態における電子部品用キャリアテープの製造方法は、図1ないし図5に示すように、金型1に樹脂シート20を挟持させ、表面実装型の半導体パッケージ10用の収納エンボス21を複数成形してその底板24と台座板25との間に半導体パッケージ10のリードフレーム12を担持する位置規制突起26を介在する製造方法であり、金型1の下型3に、位置規制突起26用の複数の成形リブ30を形成し、各成形リブ30の先端部31を湾曲させることにより、成形時に樹脂シート20を厚さを部分的に変化させて位置規制突起26の幅を抑制するようにしている。
金型1は、図1に示すように、上下方向に相対向する上型2と下型3とを接離可能に備え、上型2が下型3に軟化した長尺の樹脂シート20を挟んで型締めされることにより、電子部品用キャリアテープを熱プレス成形する。これら上型2と下型3とは、例えばアズロールド鋼、プリーハードン鋼、焼入れ・焼戻し鋼等により構成される。
表面実装型の半導体パッケージ10は、図5に部分的に示すように、例えばQFPタイプの場合、平面略正方形の薄いパッケージ本体11を備え、このパッケージ本体11の前後左右の周面から複数本のリードフレーム12がそれぞれ一列に並んで突出しており、各リードフレーム12がガルウイング形(略L字形)に屈曲形成される。
パッケージ本体11は、一般的には1.4mm〜3.8mm程度の厚さに形成される。また、複数本のリードフレーム12は、例えば44〜120のフレーム数とされ、0.5mm、0.4mm、0.3mm等のピッチで配列される。各リードフレーム12は、パッケージ本体11の周面から横方向に突出して下方に屈曲しながら伸びるが、この下方に伸びる部分が下降部13とされ、この下降部13の先端が屈曲しながら横方向に突出する。
樹脂シート20は、図3に示すように、所定の樹脂を含有した成形材料により、一般的には0.2〜0.5mm程度の厚さを有する細長い可撓性の帯形に形成され、長手方向に、複数の収納エンボス21が所定の間隔で熱プレス成形されており、巻取りリールに巻回される。
成形材料の所定の樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えばポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等の熱可塑性樹脂、これらのアロイ、これらの積層物があげられる。この成形材料には、必要に応じ、所定のフィラー、例えば静電気対策用のカーボンブラック、カーボン繊維、ナノファイバー等が適宜配合されたり、上記フィラーが添加された導電樹脂層が積層されたりする。
樹脂シート20の表面には、各種の帯電防止剤、ポリチオフェン、ポリピロール等の導電性高分子塗料等が塗布されたりする。また、樹脂シート20の両側部を除く表面には、収納エンボス21内の半導体パッケージ10を封止するカバーテープが後から貼着される。樹脂シート20の両側部のうち、少なくとも一側部の長手方向には、図示しない送り用の複数のスプロケット孔が所定の間隔をおき並べて穿孔され、各スプロケット孔が平面円形の丸孔に形成される。
各収納エンボス21は、図3や図4に示すように、樹脂シート20に形成される平面略正方形の開口22と、この開口22の周縁部から樹脂シート20の裏面方向(図3の下方向)に伸びる周壁23と、この周壁23の下端部から開口22の中心部方向(図3の右方向)に伸びる底板24と、この底板24に接続されて半導体パッケージ10のパッケージ本体11に対向して搭載する上げ底の台座板25とを備え、背の低い有底角筒形、換言すれば、ポケット形に形成される。
収納エンボス21の周壁23は、図3に示すように、樹脂シート20の表面側から裏面下方向に伸びるに従い、開口22の中心部方向に徐々に僅かに傾斜する。また、底板24は、平面枠形の平坦な板に形成され、巻取りリールの巻回時に巻取りリールの周面に接触する。台座板25は、底板24よりも上方に位置する平面正方形の平板に形成され、平面視で底板24に包囲されており、巻取りリールの巻回時に巻取りリールの周面に接触する。この台座板25の中心部には、丸い貫通孔が穿孔され、この貫通孔が半導体パッケージ10の有無の確認、収納エンボス21からの半導体パッケージ10の取り出し、バキュームを用いた半導体パッケージ10の姿勢制御に利用される。
底板24の内周縁部と台座板25の周縁部との間には図3ないし図5に示すように、半導体パッケージ10の複数本のリードフレーム12に僅かな隙間を介して跨がれる平面枠形の位置規制突起26が起立して形成される。この位置規制突起26は、半導体パッケージ10のパッケージ本体11とリードフレーム12の下降部13との間に僅かな隙間を介して嵌合する断面略逆J字形の中空に形成され、リードフレーム12側に位置する長片27の下端部が底板24の内周縁部に接続されるとともに、パッケージ本体11側に位置する短片28の端部が台座板25の周縁部に接続されて台座板25を包囲しており、半導体パッケージ10の位置ずれやリードフレーム12の変形を防止するよう機能する。
位置規制突起26の湾曲した先端部29の厚さは、位置規制突起26の強度を維持する観点から、0.1mm以上0.2mm以下、好ましくは0.1mm以上0.18mm以下、より好ましくは0.1mm以上0.15mm以下が良い。
複数の成形リブ30は、金型1の下型3のキャビティ4内にそれぞれ起立して突出形成される。各成形リブ30は、図2に示すように、基本的には上方に向かうに従い、徐々に細くなる先細りの二等辺三角形にマニシングセンタ等で加工され、先端部31が僅かに丸いR形状に湾曲形成されており、電子部品用キャリアテープの熱プレス成形時に樹脂シート20を部分的に延伸して位置規制突起26の先端部29の肉厚を薄くし、位置規制突起26の幅を狭くするよう機能する。
成形リブ30の根元部の幅Wは、0.2mm以上樹脂シート20の厚さ以下に設定される。したがって、成形リブ30の幅Wは、樹脂シート20の厚さが0.3mmの場合には、0.2mm以上0.3mm以下とされ、樹脂シート20の厚さが0.5mmの場合には、0.2mm以上0.5mm以下とされる。これは、成形リブ30の幅Wが0.2mm未満の場合には、成形リブ30の強度が不足し、熱プレス成形時に金型1の変形を招くおそれがあるからである。これに対し、成形リブ30の幅Wが樹脂シート20の厚さを越える場合には、成形リブ30の先端部31が太くなり、熱プレス成形による樹脂シート20の延伸時に樹脂シート20の厚みが部分的に変化しなくなるからである。
成形リブ30の内側傾斜角θ1は、位置規制突起26の成形性を向上させたり、成形リブ30の先端部31を容易にR形状に湾曲形成する観点から、4°以下、好ましくは1°以上4°以下、より好ましくは2°以上4°以下、さらに好ましくは3°以上4°以下が良い。また、成形リブ30の外側傾斜角θ2は、位置規制突起26の成形性を向上させる観点から、10°以下が良い。成形リブ30が先細りの二等辺三角形の場合には、10°以下、好ましくは1°以上10°以下、より好ましくは2°以上10°以下、さらに好ましくは4°以上10°以下が良い。
成形リブ30の先端部31の先端Rは、成形リブ30の先端部31の強度不足を解消する観点から、0.1mm以上0.2mm以下、好ましくは0.14mm以上0.2mm以下、より好ましくは0.18mm以上0.2mm以下が良い。また、成形リブ30の高さは、特に限定されるものではなく、半導体パッケージ10やリードフレーム12の形状等に応じて変更される。
上記構成において、電子部品用キャリアテープを製造する場合には、金型1の上型2と下型3とを型開きし、下型3のキャビティ4に、予熱して軟化させた長尺の樹脂シート20をセットして沿わせた後、上型2と下型3とを型締めして圧力を作用させれば、樹脂シート20の延伸・変形により、電子部品用キャリアテープを熱プレス成形することができる。この熱プレス成形の際、成形リブ30の湾曲した先端部31を対向被覆する樹脂シート20の対向被覆部20aは、成形リブ30の先端部31から根元部方向に移動し、薄くなるので、位置規制突起26が細くなる(図4参照)。
上記によれば、成形リブ30の先端部31をフラットに形成するのではなく、R形状に湾曲形成するので、位置規制突起26の幅を狭くして細く形成することができる。したがって、例え半導体パッケージ10の股下部分ILが狭くても、収納エンボス21の位置規制突起26と半導体パッケージ10の小型化が図られたリードフレーム12との間に隙間を確保することができ(図5参照)、位置規制突起26とリードフレーム12の下降部13との圧接に伴い、リードフレーム12が簡単に変形して損傷するおそれを排除することができる。
また、成形リブ30の基本形を先細りの二等辺三角形とすれば、成形リブ30の内外両側に抜き勾配をそれぞれ確保して離型抵抗を減少させることができる。したがって、下型3の成形リブ30から樹脂シート20の位置規制突起26を容易に脱型することができる。
なお、上記実施形態では半導体パッケージ10におけるパッケージ本体11の前後左右の周面から複数本のリードフレーム12をそれぞれ突出させたが、パッケージ本体11の左右両側面から複数本のリードフレーム12をそれぞれ突出させても良い。また、収納エンボス21の台座板25を平面正方形に形成したが、台座板25の周縁部を除く中央部を断面略トレイ形に凹ませて底板24の高さに揃えても良い。さらに、成形リブ30の基本形を先細りの二等辺三角形としたが、先細りの直角三角形としてその先端部31をR形状に湾曲形成しても良い。
も良い。
以下、本発明に係る電子部品用キャリアテープの製造方法の実施例を比較例と共に説明する。
〔実施例1〕
電子部品用キャリアテープを製造するため、金型の上型と下型とを型開きし、下型のキャビティに、加熱して軟化させた樹脂シートをセットして沿わせた後、上型と下型とを型締めして圧力を作用させ、QFPタイプの半導体パッケージを収納エンボスに収納する電子部品用キャリアテープを熱プレス成形した。
下型の成形リブは、内側傾斜角θ1を4°、外側傾斜角θ2を0°、先端Rを0.2mmにそれぞれ設定した。また、樹脂シートは、ポリスチレン樹脂製のシートを使用した。熱プレス成形した収納エンボスの位置規制突起の先端部の厚さを測定したところ、0.15mmであった。
〔実施例2〕
基本的には、実施例1と同様であるが、下型の成形リブの内側傾斜角θ1を4°、外側傾斜角θ2を10°、先端Rを0.2mmにそれぞれ設定した。また、樹脂シートは、ポリスチレン樹脂製のシートを用いた。熱プレス成形した収納エンボスの位置規制突起の先端部の厚さを測定したところ、0.10mmであった。
〔比較例〕
電子部品用キャリアテープを製造するため、金型の上型と下型とを型開きし、下型のキャビティに、加熱して軟化させた樹脂シートをセットして沿わせた後、上型と下型とを型締めして圧力を作用させ、QFPタイプの半導体パッケージを収納エンボスに収納する電子部品用キャリアテープを熱プレス成形した。
下型の成形リブは、内側傾斜角θ1を4°、外側傾斜角θ2を0°、先端Rを0.0mmにそれぞれ設定した。また、樹脂シートは、実施例同様、ポリスチレン樹脂製のシートとした。熱プレス成形した収納エンボスの位置規制突起の先端部の厚さを測定したところ、0.2mmであった。
〔評 価〕
実施例1、2の収納エンボスに半導体パッケージを収納した後、収納エンボスの位置規制突起と半導体パッケージのリードフレームとの接触関係を検査したところ、位置規制突起とリードフレームとの間に隙間が形成されており、リードフレームが変形して損傷するおそれがないことが判明した。
これに対し、比較例の収納エンボスに半導体パッケージを収納した後、収納エンボスの位置規制突起と半導体パッケージのリードフレームとの接触関係を検査したところ、成形リブの先端部がフラットなので、位置規制突起が太く、位置規制突起とリードフレームとが接触した。
本発明に係る電子部品用キャリアテープの製造方法は、電気、電子、半導体の製造分野で使用される。
1 金型
2 上型
3 下型
4 キャビティ
10 半導体パッケージ(電子部品)
11 パッケージ本体
12 リードフレーム(突出部)
13 下降部
20 樹脂シート
20a 対向被覆部
21 収納エンボス
22 開口
23 周壁
24 底板
25 台座板
26 位置規制突起
27 長片
28 短片
29 先端部
30 成形リブ
31 先端部
IL 股下部分
W 成形リブの根元部の幅
θ1 成形リブの内側傾斜角
θ2 成形リブの外側傾斜角

Claims (6)

  1. 金型の上型と下型とに樹脂シートを挟み、電子部品を収納する収納エンボスを成形してその底板と台座板との間に電子部品の突出部を支持する位置規制突起を介在する電子部品用キャリアテープの製造方法であり、
    金型の下型に、位置規制突起用の成形リブを形成してその幅を0.2mm以上樹脂シートの厚さ以下とし、成形リブの先端部をR形状とすることにより、位置規制突起の先端部の肉厚を薄くし、位置規制突起の幅を抑制することを特徴とする電子部品用キャリアテープの製造方法。
  2. 電子部品を半導体パッケージとし、電子部品の突出部を、半導体パッケージのパッケージ本体の周面の少なくとも一部から屈曲して突出するリードフレームとする請求項1記載の電子部品用キャリアテープの製造方法。
  3. 収納エンボスは、樹脂シートに形成される開口と、この開口の周縁部から樹脂シートの裏面方向に伸びる周壁と、この周壁から開口の中心部方向に伸びる底板と、この底板に接続されて半導体パッケージのパッケージ本体に対向する上げ底の台座板とを含み、底板と台座板との間に、半導体パッケージのリードフレームに跨がれる位置規制突起を起立させて形成する請求項2記載の電子部品用キャリアテープの製造方法。
  4. 成形リブを先細りに形成し、この成形リブの内側傾斜角を4°以下とする請求項1、2、又は3記載の電子部品用キャリアテープの製造方法。
  5. 成形リブを先細りに形成し、この成形リブの外側傾斜角を10°以下とする請求項1、2、又は3記載の電子部品用キャリアテープの製造方法。
  6. 成形リブの先端Rを0.1mm以上0.2mm以下とする請求項4又は5記載の電子部品用キャリアテープの製造方法。
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