JP6391515B2 - 基板収納容器及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は基板収納容器及びその製造方法に関する。
基板収納容器は、半導体ウェーハからなる複数枚の基板を整列収納する、開口を有する容器本体と、半導体ウェーハを保持するフロントリテーナを有しこの容器本体の開口正面部に着脱自在に嵌入される蓋体と、を備えて構成されている。この基板収納容器は、半導体部品の量産工程で半導体ウェーハの加工装置にセットされ、クリーン化の要求に鑑み、蓋体が加工装置の蓋体開閉装置により自動的に開閉される。
容器本体の開口の両側の内側壁には、それぞれ、支持部が設けられていて、蓋体を取り付けていない状態の容器本体では、半導体ウェーハの表裏面が水平で、等間隔となるように支持されている。これら支持部の奥側には半導体ウェーハの周辺の一部を係止する溝(例えば、V字状溝)等が形成され、これにより容器本体に蓋体を取り付けた時に、半導体ウェーハは、蓋体のフロントリテーナの保持溝と、前記係止する溝との間に挟持されることになる。このとき、半導体ウェーハは、支持部から上方に持ち上げられるように移動し、この係止する溝にて保持されることになる。容器本体から蓋体を取り除くと、基板は挟持された状態から解放されて、再び支持部に水平に支持される状態となり、ハンドリング装置によってアクセス可能となる。(特許文献1)
一方、容器本体の成形の際に、容器本体の内部に支持部を形成する必要があり、容器本体の成形とは、別に成形することが一般的である。このような別部材(別成形品)としての支持部材(即ち、容器本体とともに成形されて支持部を構成する部材)を、容器本体に接続する方法としては、物理的嵌合や、インサート成形がある。
支持部材をインサート成形する場合において、基板を収容した際に接触する部分の背面側において、支持部材(即ち、1次成形品)と2次成形品(即ち、支持部材と一体化された容器本体)の接着性の向上、及び、第2の材料(即ち、容器本体を形成する材料)の収縮を助けるとともに、支持部材の反りを軽減するために、第2の材料のための流路を設け、第2の材料を流す方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、第2の材料を流す際、第2の材料(例えば、300℃程度の溶融樹脂)の熱と、インサート成形における金型の型締め力が2次成形後の支持部材(1次成形品)の形状、品質に影響を及ぼすことが懸念される。特に、支持部材のウェーハ接触部(主に、ポケットエンド部;ポケットエンド部については後述する)については、2次成形時に、できるだけ1次成形品の形状、品質を維持することが必要とされている。それは、上記したウェーハの移動や、フロントリテーナとの間でウェーハをばらつきなく安定的に挟持したり、ウェーハを支持部材で精度よく支持したりすることに影響するからである。すなわち、ウェーハを挟持したときの形状や位置が変わると、ウェーハの輸送時にウェーハを安定的に保持することができなくなる。また、蓋体を取り外してウェーハの挟持状態を解放したときに、支持部材の所定の位置にウェーハが存在しないと、半導体の加工工程におけるハンドリング装置においてウェーハハンドリングの不具合が発生する可能性がある。
特開2005−64275号公報 特開2003−68839号公報
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、支持部を構成する別部品としての支持部材の基板接触部(主に、ポケットエンド部)の裏側(背面側)を、第2の材料(例えば、溶融樹脂)を流さない形状にすることで、2次成形時における熱や圧力などによるポケットエンド部への影響を少なくして、精度を上げることができる基板収納容器の製造方法および基板収納容器を提供することにある。
本発明は、以下の構成によって把握される。
(1)本発明の基板収納容器は、少なくとも一端に開口部を有する容器本体と、前記容器本体の内側面の一部として形成されて基板を支持する支持部と、前記容器本体の前記開口部を閉鎖する蓋体と、を備え、前記支持部は、前記容器本体とは別部材として第1の材料で形成され、前記容器本体は、第2の材料が前記別部材の裏側に接合されて前記別部材と一体化して形成され、前記別部材は、前記基板を支持するように一定の間隔で形成された複数の水平棚部と、前記水平棚部それぞれの一端部近傍を連結するとともに前記容器本体の内側面として露呈する接続部と、を有し、前記複数の水平棚部は、それぞれ前記基板と接触して該基板を支持する平面を有し、前記接続部における前記複数の水平棚部のうち隣り合う水平棚部の間には溝が形成され、前記溝は2つの溝部分からなり、そして、少なくとも前記別部材における前記2つの溝部分のうち前記平面に接続された一方の溝部分の裏側には、前記容器本体が形成される時に前記第2の材料の流れを妨げる突出部が設けられていることを特徴とする。
(2)本発明の基板収納容器は、(1)の構成において、前記接続部の肉厚が、前記容器本体の肉厚よりも薄いことを特徴とする。
(3)本発明の基板収納容器は、(1)又は(2)の構成において、前記突出部が、前記容器本体が形成される時に、前記第2の材料の流れを完全に妨げる部分と、前記第2の材料の流れを部分的に妨げる部分と、を有することを特徴とする。
(4)本発明の基板収納容器は、(3)の構成において、前記別部材における前記2つの溝部分のうち前記平面に接続された一方の溝部分の裏側には、前記第2の材料の流れを完全に妨げる部分が配置されていることを特徴とする。
(5)本発明の基板収納容器は、(1)〜(4)のいずれかの構成において、前記突出部が、断面台形であることを特徴とする。
(6)本発明の基板収納容器の製造方法は、少なくとも一端に開口部を有する容器本体と、前記容器本体の内側面の一部として形成されて基板を支持する支持部と、前記容器本体の前記開口部を閉鎖する蓋体と、を備えた基板収納容器の製造方法あって、(A)前記支持部を、第1の材料で構成された、前記容器本体とは別部材として用意するステップと、(B)前記別部材を金型内に配置させるステップと、(C)第2の材料を前記別部材の裏側と前記金型との間に注入して前記別部材に接合させて、前記別部材と一体化した前記容器本体を形成するステップと、を含み、前記ステップ(A)において、前記別部材を、前記基板を支持するように一定の間隔で形成された複数の水平棚部と、前記水平棚部それぞれの一端部近傍を連結するとともに前記容器本体の内側面として露呈する接続部と、を有するように形成し、前記複数の水平棚部を、それぞれ前記基板と接触して該基板を支持する平面を有するように形成し、前記接続部における前記複数の水平棚部のうち隣り合う水平棚部間には溝を形成し、前記溝は2つの溝部分からなり、かつ、少なくとも前記別部材における前記2つの溝部分のうち前記平面に接続された一方の溝部分の裏側には、前記第2の材料の流れを妨げる突出部を形成し、そして、前記(C)のステップにおいて、前記第2の材料を、前記別部材の裏側と前記金型間のキャビティにおいて前記突出部以外の領域に分布させることを特徴とする。
(7)本発明の基板収納容器の製造方法は、(6)の構成において、前記突出部が、断面台形であることを特徴とする。
本発明によれば、2次成形時に、別部材としての支持部材における基板の位置精度に重要な基板接触部(ポケットエンド部)の裏側(背面側)を第2の材料(例えば、溶融樹脂)が流れない形状にすることで、第2の材料の熱などから基板接触部を保護して、基板接続部への影響を少なくすることができる。
基板収納容器の一般的に構成を示す斜視図である。 別部材として形成される支持部材(外表面側)の一実施形態の部分斜視図である。実線で囲んだ部分はポケットエンド部に相当する。 別部材として形成される支持部材の一実施形態を裏側からみた斜視図である。本発明における改良は、主に実線で囲んだ部分にある。 図3の部分拡大図である。 図3に示す支持部材を容器本体と一体化する容器本体形成用金型の型締め状態を示す断面図である。 図5の部分拡大図である。 図4の透視図である。裏側(背面側)の構造を点線にて表しているが、実線で囲まれた部分がポケットエンド部に相当する。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
基板収納容器の一般的に構成を図1に示す。基板収納容器10は、図1に示すように、前面に開口部を有するいわゆるフロントオープンボックスタイプの容器本体1と、この容器本体1の開口部を塞ぐ蓋体2と、蓋体2に設けられるフロントリテーナ3とを備える。
容器本体1の側壁には、基板Wの周縁部を水平に支持する一対の支持部4(図1では片側の支持部のみを示す)が、垂直方向に一定間隔で形成されている。支持部4は容器本体1から内方に突出する棚状の部材であり、容器本体1の開口部が開いた状態では、基板Wは支持部4によって水平に支持されている。
蓋体2にはフロントリテーナ3が取り付けられ、蓋体2とフロントリテーナ3が一体となって、容器本体1に取り付けまたは取り外しが行われる。フロントリテーナ3は、矩形状の枠体31と、この枠体31から短冊状に分岐されて基板W側に張り出す片持ち状の弾性片32とを備えている。
容器本体1は、内部に収納する基板Wを目視可能に透明材料から形成することが好ましい。一方、支持部4は、基板Wとの接触の際に摩耗紛を発生しないような耐摩耗性が良好で、静電気による埃の付着が少ない静電気消散性があり、なおかつ容器本体1と相溶性の良好な材料で形成することが好ましい。
容器本体1を成形する材料(即ち、第2の材料)としては、ポリカーボネート、環状オレフィン樹脂、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂があり、容器本体1とは別部材として形成する支持部4の材料(即ち、第1の材料)としては、容器本体1の材料(即ち、第2の材料)とは異なるポリブチレンテレフタレート樹脂、フッ素樹脂等が添加され耐摩耗性が向上したポリカーボネート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、あるいはこれらの樹脂にカーボンフィラーやカーボンブラックなどの導電材料や帯電防止材料が添加されたり前記熱可塑性樹脂をアロイ化して帯電防止性能が付与されたり、した樹脂がある。
以下、蓋体2により閉鎖される容器本体側を、容器本体1と、それと別部材の支持部材40(インサート成形後に支持部4を構成する)とで構成されるとして説明する。
図2は、容器本体1とは別部品(即ち、インサート成形品)として形成される支持部材40の、インサート成形後に容器本体1の内側の少なくとも一部を構成する部分(以下、支持部材40の外表面という)を示す部分斜視図である。また、図3は、容器本体1を形成するために第2の材料を注入する際にその第2の材料と接合される支持部材40の裏側(背面側)を示す。この支持部材40の裏側の凹部が(本発明では、部分的に)第2の材料の流路を形成する。図4は、図3の部分拡大図である。図2、図3及び図4に示された別部品としての支持部材40の構成要素(符号41、42、43)については、図5及び図6に基づいて説明する。なお、本明細書を通して説明する部分は主に図3における実線で囲まれた部分である。
図5は、図3に示す支持部材を容器本体と一体化する容器本体形成用金型の型締め状態を示す断面図であり、図6は、その部分拡大図である。図5に容器本体1とは別部品としての支持部材40の構造が分かりやすく示されているので、図5に基づいて別部品としての支持部材40の各構成要素を説明する。支持部材40は、基板Wと接触して該基板Wをほぼ水平に支持する平面41aを有して一定の間隔で設けられた複数の水平棚部41と、水平棚部41同士をその一端部近傍で連結する接続部42とを有する。要するに、水平棚部41において基板Wと直接的に接触して支持する部分は、平面41aといえる。接続部42は、容器本体1の内側面として露呈し、概して板状となっている。(後述する溝が形成される前の)接続部42は、前記水平棚部41の平面41aに対してほぼ直角をなして(即ち、垂直方向に)延びている。
接続部42の肉厚(T)は容器本体1の壁部11の肉厚(T)より薄く形成され得る。支持部材40と一体化される容器本体1の壁部11の肉厚(T)は、3.5mm〜5mmに設定される。これに対して接続部42の肉厚(T)は、壁部11の肉厚(T)より薄く、壁部11の平均肉厚を4mmとするとこの値の10〜75%の範囲になる0.4mm〜3mmに設定され、好ましくは、壁部11の肉厚(T)の20〜50%の範囲となる0.8mm〜2.0mmに設定される。より好ましくは、壁部11の肉厚(T)の25〜37.5%の範囲となる1.0mm〜1.5mmに設定される。接続部42の肉厚(T)が壁部11の肉厚(T)の75%を超えると、支持部材40を成形するときに変形し易くなり、前記肉厚が壁部11の肉厚(T)の10%未満では、剛性がなくなり、金型にインサートするときに精度良く位置規制ができず、自動化が難しくなるので好ましくない。
図5および図6に示すように、接続部42における複数の水平棚部41のうち隣り合う水平棚部41の間に、水平棚部41の長手方向に沿って(即ち、水平棚部41の平面41aに平行して)一定の長さで溝G(この例においては、V字状溝)が形成されている。溝G(V字状溝)の例示的形状は図2にも示されている。しかし、溝Gの形状はV字状に限定されず、例えば、U字状であっても良い。このように、概して板状の接続部42に溝G(この例では、V字状溝G)を設けているので、溝Gを設けている接続部42の部分の肉厚は溝Gを設けていない接続部42の部分の肉厚より薄くなっている。よって、溝Gを設けている部分についていえば、接続部42は概して板状でなくなる。隣り合う水平棚部41の間には溝Gが形成されるので、水平棚部41の数に応じて溝Gの数も変わる。図5および図6において、V字状溝Gの上側の溝部分(「傾斜面」とも呼ぶ)を42A、V字状溝Gの下側の溝部分(「傾斜面」とも呼ぶ)を42Bと定義する。より詳細に、一方の溝部分42Aは、それら2つの隣り合う水平棚部41のうち一方の水平棚部41の平面41aに対向する面41bに接続されているが、他方の溝部分42Bは、それら2つの隣り合う水平棚部41のうち他方の水平棚部41の平面41aに接続されている。2つの溝部分(傾斜面)42A,42Bは対称的に形成され得る。しかし、ここにいう方向はあくまで相対的であり、絶対的なものではないことは当業者に十分理解できるだろう。
一方で、容器本体1に接続される支持部材40(特に、接続部42)の裏側(即ち、水平棚部41が設けられた外表面側とは反対側)には複数の突出部43が一定の間隔で設けられている。このような突出部43が設けられた部分又は領域では、接続部42の肉厚が、突出部43が設けられていない部分又は領域よりも大きいので、「肉厚部」と呼ぶ。それに対して、裏側に突出部43が設けられていない接続部42の部分又は領域を「肉薄部」と呼ぶ。ここで、肉厚部、及び、肉薄部の基準となるのは、支持部材40の外表面側の構造(溝等)ではなく、支持部材40の裏側の構造(突出部43の有無)である。
肉厚部を形成する複数の突出部43は、図5および図6に示すように、断面台形であり得る。しかしながら、突出部43の形状はこれに限定されず、肉厚部を形成できるものであれば様々な形状のものを採用することができる。図5および図6に示された台形の平行な一対の底辺(上底、下底)のうち、下底43Aは接続部42に面している。下底43Aは、例えば、2つの隣り合う水平棚部41間のV字状溝Gの真ん中(最も深く凹んだところ)からそれらの2つの隣り合う水平棚部41のうち一方の水平棚部41(即ち、下方に配置された水平棚部41)の平面41aに対向する面41b(傾斜面42Aが始まるところ)までの垂直方向に沿った距離に相当する。また、突出部43の上底43Bは、例えば、2つの隣り合う水平棚部41間のV字状溝Gの真ん中(最も深く凹んだところ)からそれらの2つの隣り合う水平棚部41のうち一方の水平棚部41(即ち、下方に配置された水平棚部41)の平面41aまで(即ち、V字状溝Gの真ん中から傾斜面42Bが終わるところまで)の垂直方向に沿った距離(図6、d)に相当する。しかし、図5及び図6に示すように、別の断面台形突出部43の別の上底43Bは「d」より大きいものであっても良いので、「d」以上と定めることができる。要するに、2つの隣り合う水平棚部41間に設けられた溝Gを構成する2つの溝部分42A,42Bのうち一方の水平棚部41の平面41aに接続された溝部分42Bの裏側には必ず突出部(この例においては、断面台形)が形成される。しかし、この突出部43は、傾斜面42Bの裏側において第2の材料の流れを(好ましくは、完全に)妨げる形状となっていれば十分であり、それ以外の部分については適宜変更可能である。また、突出部の形状によっては第2の材料の流れを完全に妨げる部分Rと、部分的に妨げる部分Rが存在し得る(図6)。
すると、肉厚部は、図5及び図6に示すように、少なくとも接続部42における傾斜面42Bが設けられた肉厚方向の領域を含むことになるが、下の溝部分を形成する傾斜面42Bと平面41aは基板と接触する部分で、基板の移動や、基板を支持する位置精度に重要である。この傾斜面42Bの部分が「ポケットエンド部」と呼ばれる部分である。なお、ポケットエンド部は、図2及び図7において実線で囲まれた部分である。この実施形態では、傾斜面42B(ポケットエンド部)の裏側に肉薄部が設けられていない。その理由は次のとおりである。肉薄部は、容器本体1の成形時に第2の材料が流れる流路となる部分である。第2の材料を別部品としての支持部材40の裏側に流すと、第2の材料(例えば、溶融樹脂)の熱と、インサート成形における金型の方締め力が支持部材40にかかることになる。図6に示す矢印が熱と圧力がかかる方向を表す。前述したように、支持部材40のポケットエンド部(傾斜面42B)は基板と接触してそれを保持する際に基板の滑り下がりに重要な役割をする部分であるから、そこに熱と圧力がかかると最終成形品に影響する可能性がある。そこで、ポケットエンド部の裏側に肉薄部(第2の材料の流路)を設けないことで、そこに第2の材料(例えば、溶融樹脂)を流さない形状にしたものである。肉薄部は、第2の材料の流路となり、肉厚方向で容器本体1を形成する第2の材料と接合される。肉薄部は、例えば、傾斜面42Aの裏側となり得る。この場合、少なくとも接続部42における傾斜面42Bの裏側には突出部43が設けられていない。
次に、本発明による基板収納容器の製造方法の実施形態について簡単に説明する。別成形品又は1次成形品として用意された支持部材40を容器本体形成用の金型50、51内の所定の位置に挿入する。支持部材40の構成については前述した通りである。接続部42についてその外表面側には水平棚部41を、その裏側(背面側)には突出部43を設けてあるので、支持部材40は容器本体成形金型が型締めされる時に、相対する2つの金型50(移動金型)および金型51(固定金型)の間に挟まれて、容器本体形成用のキャビティ(第2の材料を流すと容器本体1の壁部11を形成する部分)でしっかりと保持される。よって、樹脂圧等で動いたりすることが防止される。言い換えれば、金型50、51の間において、別部材としての支持部材40は、水平棚部41と、その水平棚部41とは反対側(裏側)に設けられた突出部43によって位置決められる。
また、必要に応じて、支持部材40に位置決め突起を任意の位置に設けることもできる。例えば、支持部材40に、幅方向と高さ方向の位置決めをする位置決め突起(図示せず)を適当な間隔で設けても良い。また、容器本体1を形成する金型51の支持部材40のインサート部には、該位置決め突起と嵌り合う嵌合用の溝を設けると、前記嵌合用の溝と位置決め突起とが嵌合し、支持部材40が金型内の所定の位置に精度良く挿入される。固定金型51には、支持部材40の水平棚部41に対応し、これを収納する空間部Cを所定の間隔で設けられている。
以上のように、容器本体1とは別の材料(即ち、第1の材料)からなる支持部材40が、金型50,51内にインサートされて型締めが完了した後に、金型のキャビティ(空間部)である容器本体形成用キャビティに、容器本体1を形成する溶融した第2の材料を充填して、容器本体1を形成すると共に、金型にインサートしておいた支持部材40を容器本体1と一体化させる。尚、支持部材40と容器本体1との境界面は、後から充填される溶融樹脂(第2の材料)の熱によって支持部材40が溶かされて、熱融着により一体化する。前述したように、2次成形時において、第2の材料は、前記別部品としての支持部材40の裏側と金型50間のキャビティにおいて突出部43が設けられていない領域や、突出部43が形成されていても第2の材料の流れを部分的に妨げる領域に分布される。よって、少なくとも傾斜面42B(ポケットエンド部)の裏側には溶融樹脂が流れなくなるので、傾斜面42Bの裏側に突出部を設けていないものに比べて、ポケットエンド部に対する第2の材料の熱(例えば、300℃程度の溶融樹脂)や圧力からの影響は少ない。
一体成形においては、成形後に、接続部42の基板Wを支持する側の表面(即ち、支持部材40の外表面)を容器本体1の内側面として露呈させるようにする。
支持部材40と容器本体1との一体化ばかりでなく、他の機能部材、例えば、フロントリテーナ3、リアリテーナ(図示せず)、位置決め突起(図示せず)を容器本体1とは異なる材料の別部材として形成し、これと容器本体1あるいは蓋体2と一体化するのに用いることができる。
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。例えば、隣り合う水平棚部41の間に形成される溝Gを上側の溝部分42Aと、下側の溝部分42Bとから形成し、これらを上下対称に形成することを記載したが、これに限らず、下側の溝部分と上側の溝部分の傾斜角度を変更したり、下側の溝部分と上側の溝部分の交点である最深部を上下どちらかに偏在するようにしたりして、これらを上下非対称に形成することもできる。また、その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
10 基板収納容器
1 容器本体
2 蓋体
3 フロントリテーナ
4 支持部
W 基板
11 容器本体の壁部
40 支持部材
41 水平棚部
41a 平面
42 接続部
42A 傾斜面(上側の溝部分)
42B 傾斜面(下側の溝部分又はポケットエンド部)
43 突出部
50 金型(移動金型)
51 金型(固定金型)
C 空間部
G 溝

Claims (7)

  1. 少なくとも一端に開口部を有する容器本体と、
    前記容器本体の内側面の一部として形成されて基板を支持する支持部と、
    前記容器本体の前記開口部を閉鎖する蓋体と、
    を備えた基板収納容器であって、
    前記支持部は、前記容器本体とは別部材として第1の材料で形成され、
    前記容器本体は、第2の材料が前記別部材の裏側に接合されて前記別部材と一体化して形成され、
    前記別部材は、前記基板を支持するように一定の間隔で形成された複数の水平棚部と、前記水平棚部それぞれの一端部近傍を連結するとともに前記容器本体の内側面として露呈する接続部と、を有し、
    前記複数の水平棚部は、それぞれ前記基板と接触して該基板を支持する平面を有し、
    前記接続部における前記複数の水平棚部のうち隣り合う水平棚部の間には溝が形成され、
    前記溝は2つの溝部分からなり、そして、
    少なくとも前記別部材における前記2つの溝部分のうち前記平面に接続された一方の溝部分の裏側には、前記容器本体が形成される時に前記第2の材料の流れを妨げる突出部が設けられている、基板収納容器。
  2. 前記接続部の肉厚が、前記容器本体の肉厚よりも薄い、請求項1に記載の基板収納容器。
  3. 前記突出部が、前記容器本体が形成される時に、前記第2の材料の流れを完全に妨げる部分と、前記第2の材料の流れを部分的に妨げる部分と、を有する、請求項1又は2に記載の基板収納容器。
  4. 前記別部材における前記2つの溝部分のうち前記平面に接続された一方の溝部分の裏側には、前記第2の材料の流れを完全に妨げる部分が配置されている、請求項3に記載の基板収納容器。
  5. 前記突出部が、断面台形である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板収納容器。
  6. 少なくとも一端に開口部を有する容器本体と、
    前記容器本体の内側面の一部として形成されて基板を支持する支持部と、
    前記容器本体の前記開口部を閉鎖する蓋体と、
    を備えた基板収納容器の製造方法あって、
    (A)前記支持部を、第1の材料で構成された、前記容器本体とは別部材として用意するステップと、
    (B)前記別部材を金型内に配置させるステップと、
    (C)第2の材料を前記別部材の裏側と前記金型との間に注入して前記別部材に接合させて、前記別部材と一体化した前記容器本体を形成するステップと、
    を含み、
    前記ステップ(A)において、前記別部材を、前記基板を支持するように一定の間隔で形成された複数の水平棚部と、前記水平棚部それぞれの一端部近傍を連結するとともに前記容器本体の内側面として露呈する接続部と、を有するように形成し、前記複数の水平棚部を、それぞれ前記基板と接触して該基板を支持する平面を有するように形成し、前記接続部における前記複数の水平棚部のうち隣り合う水平棚部間には溝を形成し、前記溝は2つの溝部分からなり、かつ、少なくとも前記別部材における前記2つの溝部分のうち前記平面に接続された一方の溝部分の裏側には、前記第2の材料の流れを妨げる突出部を形成し、そして、
    前記(C)のステップにおいて、前記第2の材料を、前記別部材の裏側と前記金型間のキャビティにおいて前記突出部以外の領域に分布させる、製造方法。
  7. 前記突出部が、断面台形である、請求項6に記載の製造方法。
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