JP3974344B2 - 精密基板収納容器及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコンウェーハやマスクガラス等の精密基板の収納、貯蔵、保管、工程内搬送あるいは各種自動機に対して位置決め接続して用いられる精密基板収納容器及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
シリコンウェーハなどの精密基板は、微小な粉塵による汚染を避けるために、輸送・保管する工程にはクリーンな環境が要求され、また作業者による発塵、汚染を避けるために自動化された装置により取り扱われる。そのため、精密基板収納容器には、前記装置にセットした時に正規の位置に固定されるための位置決め部材が必要とされる。
【0003】
精密基板の加工装置における一般的な位置決め機構としては、凹部材と凸部材の嵌合を利用するものがある。例えば、精密基板収納容器の容器本体底部に位置決め部材であるV字状をした凹部材を複数ヶ所設け、加工装置側には凸部材である位置決めピンを設けて、それぞれの凹凸部材を相互に嵌合させることにより、精密基板収納容器と加工装置の位置関係を定めるものがある。精密基板収納容器に当該凹部材を設ける方法としては、別部品として製作した凹部材を接着やねじ止め等により精密基板収納容器に取り付ける方法と当該凹部材を精密基板収納容器と一体で射出成形する方法、及び特開平11−168136号公報に記載されている方法、即ち、図7に示す位置決め機構における位置決めピンへの誘導面となるV字状の相対する傾斜面85を複数ヶ所(ここでは3箇所)に形成した板状部材のボトムプレート83を、精密基板収納容器の容器本体81の底面82に形成されている位置決め部84に係合させて取り付ける方法がある。この場合、傾斜面85を有するV字状の傾斜溝が前記位置決めピンの誘導部になる。
【0004】
加工装置の位置決めピンと精密基板収納容器の位置決め部材においては、精密基板の垂直方向の収納位置精度を出すために高い精度が要求され、更に、精密基板の生産性を高めるための高速アクセスには、特に高い位置精度が必要とされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記加工装置との位置決め機構として用いられる精密基板収納容器側の位置決め部材を別部材として精密基板収納容器に取り付ける場合、ねじ止め、接着等により固定するため、取り付け、組立誤差により正確な位置精度を保持することが困難であるので、精密基板の出し入れの際に精密基板を破損する可能性があった。
【0006】
一方、前記位置決めピンを前記位置決め部に誘導する誘導部を含む形態の位置決め部材を射出成形等で一体成形する方法では、成形及び金型において問題が生じる。成形における問題として、誘導部を含めて一体成形することにより肉厚部ができてしまうため、成形収縮によるひけが生じて寸法精度が出難くなる。この問題を回避するために、厚肉部を避ける形状の金型にすると、金型からの離型が困難になる、あるいは金型構造が複雑化し、生産性が低下するという問題が生じる。また、位置決め部材が精密基板収納容器と同材料であるため、加工装置側のピンを誘導する誘導部の滑り性を向上させることが困難であった。
【0007】
また、前記誘導部を含まない形態の位置決め部材を射出成形等で一体成形する方法では、誘導部のみ別部材として成形するため、高い位置精度が得られ、成形及び金型における前記問題を解消できるが、前記誘導部を容器本体底部に嵌合させる必要があるため、工程によっては前記誘導部と前記容器本体の摩擦による粉塵が発生しクリーンな環境に影響を及ぼしたり、容器本体底部に嵌合された前記誘導部が衝撃により位置ずれを起こす可能性があるという問題があった。
【0008】
また、図7に示す容器本体底部に位置決め部を形成し、傾斜溝からなる誘導部を形成したボトムプレートを前記容器本体底部に取り付ける場合、容器本体は透明性の良好なポリカーボネート樹脂から形成されるため、位置決め部の滑り性が悪く、傾斜溝の途中で位置決めピンが引っ掛かって止まるという問題があった。
【0009】
更に、精密基板収納容器は、前記ボトムプレートがクランプされて加工装置に固定されるので、ボトムプレートの容器本体底部への取り付けが十分強固でなく、使用中にボトムプレートが垂直方向にずれたりすると、容器本体に収納した精密基板の水平精度が悪化したり、基準面からの高さが狂ったりして、精密基板の正確なローディングができなかったり、精密基板と取出しロボットのアタッチメントが接触して精密基板が破損するなどの事故が発生した。こうした事故を防ぐため、ボトムプレートは複数本のねじによって取り付けられていた。
【0010】
しかしながら、ボトムプレートを複数本のねじにより固定する方法では、容器本体の洗浄の際にボトムプレートを取外して、再び取付けるといった作業が大変煩雑になるという問題があった。一方、ボトムプレートを取外さずに容器本体を洗浄する場合は、ねじ溝に入り込んだ洗浄液の除去が困難であるという問題があった。
【0011】
本発明は、前記問題点を解決するためになされたもので、容器本体の成形性を損ねることがなく、誘導部と位置決め部との段差が無く、使用中に摩耗して粉塵を発生させることなく、加工装置に精密基板収納容器を高い位置精度で搭載でき、精密基板の高精度なロ−ディング、アンローディングを行うことができる精密基板収納容器及びその製造方法を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、精密基板を収納する容器本体と、該容器本体に設けられた開口部を閉塞する蓋体と、該容器本体の底面に取り付けられ前記精密基板を加工するための加工装置との係合に用いる位置決め部材とを備えた精密基板収納容器であって、
前記位置決め部材が、前記精密基板収納容器を前記加工装置に位置決めするための誘導部と、該容器本体の底面の肉厚と等しくなるように形成され、かつ該容器本体との接触面積を大きくする縦あるいは横方向に密着強化リブとを備え、該位置決め部材を前記容器本体と異なる静止摩擦係数が0.12〜0.2である樹脂を含有する材料から形成するとともに、該位置決め部材を該容器本体と樹脂成形で一体化したものである
【0013】
また、本発明は、精密基板を収納する容器本体と、該容器本体に設けられた開口部を閉塞する蓋体と、該容器本体の底面に取り付けられ前記精密基板を加工するための加工装置との係合に用いる位置決め部材とを備えた精密基板収納容器の製造方法であって、前記位置決め部材が、前記精密基板収納容器を前記加工装置に位置決めするための誘導部と、該容器本体の底面の肉厚と等しくなるように形成され、かつ該容器本体との接触面積を大きくする縦あるいは横方向に密着強化リブとを備え、該位置決め部材を前記容器本体と異なる静止摩擦係数が0.12〜0.2である樹脂を含有する位置決め部材から形成するとともに、該位置決め部材を該容器本体と樹脂成形で一体化する(請求項)。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の一実施形態について説明する。図1は、本発明による精密基板収納容器の第1実施形態を示し、(a)は容器本体と蓋部の斜視図、(b)は容器本体の底面の斜視図である。図2は、図1に示す容器本体の底面図である。図3は、図1の精密基板収納容器を加工装置に搭載した時の図2におけるA−A線断面図である。図4は、本発明による精密基板収納容器の製造方法の第1実施形態を示し、(a)は射出成形機に取り付けられた容器本体形成用金型が型締めされている状態を示す断面図、(b)は容器本体成形用金型がパーティングラインより開かれ固定型と移動型とに分割された状態を示す断面図、(c)は容器本体成形用金型に位置決め部材を取り付けた状態を示す断面図、(d)は容器本体成形用金型に樹脂が射出成形機により充填された状態を示す断面図である。図5は、本発明による精密基板収納容器の第2実施形態を示し、位置決め部材近傍の容器本体及び加工装置の断面図である。図6は、本発明による精密基板収納容器の製造方法の第2実施形態を示し、(a)は射出成形機に取り付けられた位置決め部材形成用金型が型締めされている状態を示す断面図、(b)は位置決め部材形成用金型がパーティングラインより開かれ固定型と移動型とに分割された状態を示す断面図、(c)は型締めされた位置決め部材形成用金型に樹脂が射出成形機により充填された状態を示す断面図である。
【0015】
図1に示すように、本発明の第1実施形態の精密基板収納容器10は、精密基板を収納する容器本体11と、容器本体11に設けられた開口部を閉塞する蓋体12と、容器本体11の底面13に取り付けられ前記精密基板を加工するための加工装置(図示せず)との係合に用いる部材である位置決め部材14a、14b、14cを備えた精密基板収納容器10であって、前記位置決め部材14a、14b、14cを容器本体11と異なる材料から形成するとともに、容器本体11と一体化したものである。尚、前記加工装置との係合に用いる部材は、位置決め部材ばかりでなく、係合のために必要に応じて設けられる部材を示す。
【0016】
容器本体11の底面13に設けられる位置決め部材14a、14b、14cは、例えば図2に示すように、底面13の3箇所に略Y字形をなすように配置される。
【0017】
容器本体11の相対する内壁には、精密基板を水平状態で整列させて収納するための精密基板支持リブ15が一定間隔で形成されている。容器本体11の開口部の周縁には、蓋体12を容器本体11に係止するための蓋体係止部16が少なくとも一対形成されている。また、容器本体11の外壁には、自動搬送用のロボティックハンドルや手動搬送用のハンドルが必要に応じて取り付けられている。
【0018】
蓋体12の側壁には、容器本体11の蓋体係止部16と嵌合する係止部分を有する一対の係止手段17が軸止されている。蓋体12が容器本体11に係止されるときに容器本体11の内側と相対する面には、容器本体11の開口部内周の段差部に嵌り込む凸部が形成されていて、前記凸部の周囲には、精密基板収納容器10の密封性を維持するエンドレス形状をしたシール部材18が取り付けられている。
【0019】
更に、蓋体12内面には、精密基板と当接してこれを保持するためのリテーナ19が取り付けられている。リテーナ19先端の当接部には、V字状又はU字状をした溝が形成されていて、精密基板を正しい位置で保持する。
【0020】
尚、容器本体11と蓋体12は、成形性が良好で、機械的特性に優れ、汚染性が小さなポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルフォン、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂から形成され、透明性の良好な、ポリカーボネート樹脂、ノルボルネン系の樹脂、アクリル樹脂などの熱可塑性樹脂が好ましい。また必要に応じて、帯電防止性能や導電性を付与するための帯電防止剤や導電材料の添加剤を前記樹脂に添加したものであってもよい。
【0021】
位置決め部材14a、14b、14cは、耐摩耗性並びに滑り性の良好な静止摩擦係数が0.12〜0.2のポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂やポリブチレンテレフタレートを3〜30%含有するポリカーボネート樹脂を用いて別部材として形成され、これらをポリカーボネート等からなる容器本体11と一体化させるものが好適である。
【0022】
尚、位置決め部材14a、14b、14cを形成する材料は、この他にも、耐摩耗性の良好なポリエチレンテレフタレートやポリエーテルエチルケトン、ポリエーテルイミド、あるいは炭素繊維、ガラス繊維、シリコーン、マイカ等を含有するポリカーボネート等の熱可塑性樹脂であっても良い。
【0023】
また、容器本体11の中央部には容器本体11を加工装置(図示せず)に固定するために使われる貫通穴を有するクランピングフューチャー20が別途取り付けられる。
【0024】
位置決め部材14a、14b、14cは、例えば図3に示すように、容器本体11底面13の内壁の一部として一体化されており、加工装置31のステージ上に配置された複数本(この場合3本)の位置決めピン32に係合される。位置決めピン32はSUS等により形成され、先端は半球状やR形状に加工されている。尚、位置決め部材14a、14bについても同様である。
【0025】
精密基板収納容器10は、図3に示すように、位置決めピン32上に搭載された時に、位置決めピン32と当接する位置決め部材14cが、相対する傾斜面を有するV字状の傾斜溝の最深部の位置まで自動求心することによって、加工装置31と容器本体11、即ち、精密基板収納容器10の位置決めが高精度になされる。尚、前記傾斜面を有するV字状の傾斜溝が、位置決めピン32の誘導部である。
【0026】
位置決め部材14a、14b、14cは、容器本体11を形成する成形金型へ挿入するときの位置合わせリブ21を一対具備しており、これにより容器本体11の所定の位置に位置決め部材14a、14b、14cを精度良く設けることができる。また、位置決めピン32の前記誘導部を有する位置決め部材14a、14b、14cは、容器本体11とは別材料で形成できるため、滑り性や耐摩耗性を著しく高めることが可能である。図中、33は精密基板である。
【0027】
尚、位置決め部材14a、14b、14cには、縦あるいは横方向に密着強化リブ22を設けることで容器本体11との接触面積を大きくして密着度を高めることが好ましい。
【0028】
次に、本発明の第1実施形態の精密基板収納容器の製造方法、即ち、位置決め部材14a、14b、14cを一体化してなる精密基板収納容器10の形成方法を図4を用いて説明する。図4(a)〜(d)は、容器本体11と位置決め部材14a、14b、14c(以下、位置決め部材14とする)とをインサート成形方法を用いて一体化する工程を簡略して示している。
【0029】
先ず、位置決め部材14を、これを形成する専用の金型を用いて、滑り性の良いフッ素含有のポリカーボネート樹脂やポリブチレンテレフタレートあるいはポリカーボネートとポリブチレンテレフタレートの混合樹脂等から形成する。次に、形成された位置決め部材14を容器本体形成用金型40の所定位置に挿入(インサート)する(図4(c))。
【0030】
尚、図4(a)は、射出成形機に取り付けられた容器本体形成用金型40が型締めされている状態を示し、図4(b)は、容器本体成形用金型40がパーティングライン41より開かれ、固定型42と移動型43(スライドブロック43aとスライドコア43bとからなる)とに分割された状態を示す。製品取り出し時に抵抗になるアンダーカット部分を回避するために、移動型43の側壁にスライドブロック43aが埋め込まれており、スライドコア43bは、アンギュラーピンとスプリング、油圧、空圧等のスライド機構によって、アンダーカット部分を回避可能となるように、型開きと共に容器本体成形用金型40の中心から外方向に移動可能となっている。
【0031】
位置決め部材14の表面に形成された一対の位置合わせ部である位置合わせリブ21を、スライドブロック43aに形成された凹部44に挿入することで、位置決め部材14はスライドブロック43aの所定の位置に精度良く位置決めされる。位置決め部材14がスライドブロック43a内で動かないように、固定又は可動可能な固定ピンなどで位置決め部材14を固定すると良い。好ましくは、製品上に前記固定ピンの跡である凹部が形成されないように、樹脂圧で可動可能なピンを設けておくと良い。
【0032】
位置決め部材14が位置決め部材挿入部分47に挿入された(図4(c))容器本体形成用金型40は、図4(d)に示すように、型締めがなされ、容器本体11を形成するキャビティ45が形成された後、射出成形機によって溶融状態とされたポリカーボネート樹脂が、射出成形機のノズルから容器本体形成用金型40に設けられた注入口46を通ってキャビティ45内に充填される。この時、位置決め部材14の容器本体11との境界面は、新たに充填された樹脂の熱により溶かされて熱融着される。このようにして、容器本体11と位置決め部材14とは高精度に一体成形される。
【0033】
図5に示す本発明による精密基板収納容器の第2実施形態における位置決め部材54も、図4で説明した方法と同様にして、容器本体51の底面53に形成される。この場合、位置決め部材54の肉厚が容器本体51の底面53の肉厚と等しくなるように形成されるので、容器本体形成用金型を型締めした時に、挿入された位置決め部材54がキャビティ内の金型面により直接保持されるので、前記したような固定ピンを設ける必要がない。
【0034】
位置決め部材を容器本体とは異なる材料で別部材として形成する場合、必ずしも前記したような射出成形によって一体化するとは限らず、容器本体の所定の位置に超音波溶着や熱溶着等によって一体化することもできる。この場合、容器本体との接合面に溶着リブを形成しこれを融着させることで一体化できる。
【0035】
また、この場合も前記と同様に、位置決め部材の表面に形成された一対の位置合わせリブ56を、容器本体に形成された凹部に挿入することで、位置決め部材が容器本体の所定の位置に精度良く位置決めされる。
【0036】
次に、本発明の第2実施形態の精密基板収納容器の製造方法を図6に示す。この製造方法は、図4で説明した方法とは逆に、容器本体61を先に形成し、次に位置決め部材64を形成する方法である。先ず、専用の金型を用いて容器本体61を形成する。尚、容器本体61はポリカーボネート樹脂などから形成される。次に、形成された容器本体61を図6に示す位置決め部材形成用金型60の所定位置に挿入する。
【0037】
ここで図6(a)は、射出成形機に取り付けられた位置決め部材形成用金型60が型締めされている状態を示し、図6(b)は、位置決め部材形成用金型60がパーティングライン65より開かれ固定型67と移動型66とに分割された状態を示す。
【0038】
容器本体61の内表面に形成された位置合わせリブ68が、固定型67に形成された凹部69に挿入されるので、容器本体61が固定型67の所定の位置に精度良く位置決めされる。
【0039】
位置決め部材形成用金型60の型締めがなされると、容器本体61は位置決め部材形成用金型60のキャビティ70内に挟まれてしっかりと固定される。この状態で、図6(c)に示すように、溶融状態のフッ素含有のポリカーボネート樹脂が射出成形機により注入口71を通って充填される。容器本体61の位置決め部材64との境界面は、新たに充填された樹脂熱により溶かされて熱融着される。このようにして、容器本体61と位置決め部材64とが高精度に一体成形される。尚、容器本体61の位置決め部材形成部に凹凸72を形成して接触面積を大きくすると、位置決め部材64が容器本体61により強固に融着されるので好ましい。
【0040】
また、容器本体を先に形成する場合、容器本体を形成する金型に位置決め部材形成用のスライドコアを埋め込んでおき、2色成形機を用いて容器本体の底面に連続的に位置決め部材を形成することもできる。
【0041】
前記形成方法を用いることで、金型のアンダーカット構造、製品を厚肉にするために生じるひけ等の成形不良を回避することが可能となり、且つ位置決め部材が一体成形品で滑り性の良好な材料から形成されるため、接合部の摩耗、嵌合による位置ずれを生じることなく、位置決め部材と容器本体とを一体成形することが可能となる。
【0042】
また、前記形成方法は位置決め部材を形成するだけではなく、図1(b)に示すような容器本体11の底面13に取り付けられる各種センシングパッド23、加工機への固定に使用される部材であるクランピングフューチャ20等の形成にも利用できる。尚、クランピングフューチャ20は、炭素繊維入りポリカーボネート樹脂やポリエーテルエーテルケトンのような高剛性の材料から形成されるのが好ましい。
【0043】
以上示したように、精密基板の加工装置との係合に用いられる容器本体の底面に取り付けられる各種の部材を、その特性に合わせて好適な材料を選択し一体成形することで、位置精度良く形成できる。
【0044】
尚、本発明の実施形態に示した加工装置は、精密基板に各種の処理や加工を行う加工装置だけに止まらず、カセット等の工程内搬送容器と輸送用の精密基板収納容器との間で精密基板を移し替える作業に使われる精密基板の移載装置等も含むものである。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、容器本体と位置決め部材とを分割したために厚肉部を回避できるので、成形収縮によるヒケが防止される。また、予め成形した位置決め部材を容器本体成形時に一体として成形するため、位置決め部材の取り付け、組み立てによる寸法誤差を防止でき、位置決め部材と精密基板支持リブとの間で高い位置精度が得られる。また、容器本体と位置決め部材が一体に形成されているので、位置決めのときに位置決めピンは継ぎ目のない誘導部である位置決め用のV字状の傾斜溝と当接し、なおかつ位置決め部材及び誘導部が摺動性の良好な材料から形成されるので、接触による摩耗を著しく低減でき、なおかつ洗浄の際には位置決め部材を取外さなくてもそのまま洗浄でき、また洗浄液が貯まる隙間がないので、精密基板収納容器並びに基板の汚染を防止できる。更に、位置決め部材における誘導部を別工程で成形するため、金型構造の複雑化を回避できるので、金型費用を削減できることに加え、製品の離型不良を回避でき、それにより成形効率が良くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による精密基板収納容器の第1実施形態を示し、(a)は容器本体と蓋部の斜視図、(b)は容器本体の底面の斜視図である。
【図2】図1に示す容器本体の底面図である。
【図3】図1の精密基板収納容器を加工装置に搭載した場合の図2におけるA−A線断面図である。
【図4】本発明による精密基板収納容器の製造方法の第1実施形態を示し、(a)は射出成形機に取り付けられた容器本体形成用金型が型締めされている状態を示す断面図、(b)は容器本体成形用金型がパーティングラインより開かれ固定型と移動型とに分割された状態を示す断面図、(c)は容器本体成形用金型に位置決め部材を取り付けた状態を示す断面図、(d)は容器本体成形用金型に樹脂が射出成形機により充填された状態を示す断面図である。
【図5】本発明による精密基板収納容器の第2実施形態を示し、位置決め部材近傍の容器本体及び加工装置の断面図である。
【図6】本発明による精密基板収納容器の製造方法の第2実施形態を示し、(a)は射出成形機に取り付けられた位置決め部材形成用金型が型締めされている状態を示す断面図、(b)は位置決め部材形成用金型がパーティングラインより開かれ固定型と移動型とに分割された状態を示す断面図、(c)は型締めされた位置決め部材形成用金型に樹脂が射出成形機により充填された状態を示す断面図である。
【図7】従来の精密基板収納容器を示し、(a)は容器本体底面の斜視図、(b)は(a)におけるB−B線断面図である。
【符号の説明】
10 精密基板収納容器
11、51、61、81 容器本体
12 蓋体
13、53、82 底面
14、14a、14b、14c、54、64 位置決め部材
15、55 精密基板支持リブ
16 蓋体係止部
17 係止手段
18 シール部材
19 リテーナ
20 クランピングフューチャー
21、56、68 位置合わせリブ
22 密着強化リブ
23 センシングパッド
31 加工装置
32 位置決めピン
33 精密基板
40、60 容器本体形成用金型
41、65 パーティングライン
42、67 固定型
43、66 移動型
43a スライドブロック
43b スライドコア
44、69 凹部
45、70 キャビティ
46、71 注入口
47 位置決め部材挿入部分
72 凹凸
83 ボトムプレート
84 位置決め部
85 傾斜面

Claims (2)

  1. 精密基板を収納する容器本体と、該容器本体に設けられた開口部を閉塞する蓋体と、該容器本体の底面に取り付けられ前記精密基板を加工するための加工装置との係合に用いる位置決め部材とを備えた精密基板収納容器であって、
    前記位置決め部材が、前記精密基板収納容器を前記加工装置に位置決めするための誘導部と、該容器本体の底面の肉厚と等しくなるように形成され、かつ該容器本体との接触面積を大きくする縦あるいは横方向に密着強化リブとを備え、該前記位置決め部材を前記容器本体と異なる静止摩擦係数が0.12〜0.2である樹脂を含有する材料から形成するとともに、該位置決め部材を該容器本体と樹脂成形で一体化したことを特徴とする精密基板収納容器。
  2. 精密基板を収納する容器本体と、該容器本体に設けられた開口部を閉塞する蓋体と、該容器本体の底面に取り付けられ前記精密基板を加工するための加工装置との係合に用いる位置決め部材とを備えた精密基板収納容器の製造方法であって、
    前記位置決め部材が、前記精密基板収納容器を前記加工装置に位置決めするための誘導部と、該容器本体の底面の肉厚と等しくなるように形成され、かつ該容器本体との接触面積を大きくする縦あるいは横方向に密着強化リブとを備え、該位置決め部材を前記容器本体と異なる静止摩擦係数が0.12〜0.2である樹脂を含有する材料から形成するとともに、該位置決め部材を該容器本体と樹脂成形で一体化することを特徴とする精密基板収納容器の製造方法
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