JP6802739B2 - 動力伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、動力伝達装置に関する。
従来、一対の回転体と、当該一対の回転体に巻き掛けられる動力伝達部材とを備える動力伝達装置が広く利用されている。例えば、車両に搭載される動力伝達装置として、プライマリプーリ及びセカンダリプーリと、当該プライマリプーリ及び当該セカンダリプーリに巻き掛けられるチェーンとを備えるCVT(Continuously Variable Transmission)と称される無段変速機が広く利用されている。
このような動力伝達装置では、一対の回転体の間において動力伝達部材の弦共振が生じることに起因して騒音が生じ得る。そこで、動力伝達装置には、動力伝達部材の弦振動を抑制するために、動力伝達部材の周面と対向する対向部を有する対向部材が設けられる場合がある。
例えば、特許文献1では、プライマリプーリとセカンダリプーリと、プライマリプーリとセカンダリプーリとに巻き掛けられる駆動チェーンと、駆動チェーンに対向するガイド面を備えるガイド部材と、を有する無段変速機が開示されている。当該無段変速機では、ガイド部材が上記の対向部材に相当する。
特開2016−053399号公報
対向部材が設けられる動力伝達装置では、動力伝達部材の周面が対向部材の対向部と接触し、動力伝達部材の弦振動の腹が押さえられることによって、動力伝達部材の振幅の増大が抑制される。それにより、動力伝達部材の弦振動の抑制が実現される。ゆえに、動力伝達部材と対向部材との間において、摺動抵抗が生じる。
ところで、動力伝達装置では、装置内で生じる摺動抵抗を低減させることが望ましいと考えられる。それにより、動力伝達装置における動力の伝達効率を向上させることができる。ここで、対向部材が設けられる動力伝達装置についての摺動抵抗を低減させるために、対向部材の対向部を縮小することによって、対向部材と動力伝達部材との接触面積を縮小することが考えられる。
しかしながら、動力伝達部材の弦振動の腹の位置は弦共振における振動モードに応じて異なり得るので、対向部材の対向部を縮小した場合、対向部によって動力伝達部材の弦振動の腹を押さえることが困難な振動モードが存在し得る。それにより、動力伝達部材の弦振動を適切に抑制することが困難となり得る。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、動力伝達部材の弦振動を抑制しつつ、摺動抵抗を低減させることが可能な、新規かつ改良された動力伝達装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、一対の回転体と、前記一対の回転体に巻き掛けられ、前記一対の回転体の間で動力を伝達する動力伝達部材と、前記一対の回転体の間において前記動力伝達部材の周面と対向する対向部を有する対向部材と、前記対向部が前記動力伝達部材の弦共振における振動モードの腹の位置に位置するように、前記動力伝達部材の回転数に応じて前記対向部材の位置を調整可能な調整機構と、を備える、動力伝達装置が提供される。
前記振動モードは、1次モード及び2次モードを含み、前記調整機構は、前記動力伝達部材の回転数が前記1次モードと対応する第1回転数であるときに前記対向部が前記1次モードの腹の位置に位置し、前記動力伝達部材の回転数が前記2次モードと対応する第2回転数であるときに前記対向部が前記2次モードの腹の位置に位置するように、前記対向部材の位置を調整してもよい。
前記調整機構は、前記動力伝達部材の回転数が前記第1回転数であるときに、前記対向部が前記一対の回転体の各回転軸を結ぶ直線方向について前記各回転軸の間の中央の位置に位置するように、前記対向部材の位置を調整してもよい。
前記調整機構は、前記動力伝達部材の回転数が前記第2回転数であるときに、前記対向部が前記各回転軸を結ぶ直線方向について前記各回転軸の間の中央から前記各回転軸の間の距離の4分の1だけ離れた位置に位置するように、前記対向部材の位置を調整してもよい。
前記調整機構は、前記対向部材と接続され前記動力伝達部材の移動方向に沿って伸縮可能な弾性部材を含み、前記弾性部材には、前記動力伝達部材の回転数が高くなるにつれて大きくなる前記動力伝達部材と前記対向部材との間の摩擦力が伸縮方向に入力され、前記動力伝達部材の移動方向についての前記対向部材の位置は、前記弾性部材の変形量に応じて調整されてもよい。
前記弾性部材の初張力は、前記動力伝達部材の回転数が前記第1回転数であるときにおける前記摩擦力より大きくてもよい。
前記調整機構は、前記弾性部材の変形量を規制する規制部を含み、前記弾性部材の変形量は、前記動力伝達部材の回転数が前記第2回転数であるときに、前記規制部により規制されてもよい。
前記一対の回転体は、一対のプーリであり、前記動力伝達部材は、前記一対のプーリに巻き掛けられ、前記一対のプーリの間で動力を伝達するチェーンであってもよい。
以上説明したように本発明によれば、動力伝達部材の弦振動を抑制しつつ、摺動抵抗を低減させることが可能となる。
第1の参考例に係る動力伝達装置の概略構成の一例を示す模式図である。 第1の参考例における各振動モードについてのチェーンの弦振動の様子の一例を示す模式図である。 第1の参考例におけるチェーンの回転数とチェーン音の音圧レベルとの関係の一例を示す説明図である。 第2の参考例に係る動力伝達装置の概略構成の一例を示す模式図である。 第2の参考例における各振動モードについてのチェーンの弦振動の様子の一例を示す模式図である。 第2の参考例におけるチェーンの回転数とチェーン音の音圧レベルとの関係の一例を示す説明図である。 第3の参考例に係る動力伝達装置の概略構成の一例を示す模式図である。 第3の参考例における各振動モードについてのチェーンの弦振動の様子の一例を示す模式図である。 第3の参考例におけるチェーンの回転数とチェーン音の音圧レベルとの関係の一例を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る動力伝達装置の概略構成の一例を示す模式図である。 同実施形態における各振動モードについてのチェーンの弦振動の様子の一例を示す模式図である。 同実施形態におけるチェーンの回転数とチェーン音の音圧レベルとの関係の一例を示す説明図である。 変形例に係る動力伝達装置の概略構成の一例を示す模式図である。 変形例における各振動モードについてのチェーンの弦振動の様子の一例を示す模式図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.参考例に係る動力伝達装置>
まず、本発明の意義に対する理解を容易にするために、本発明の実施形態に係る動力伝達装置1の説明に先立って、図1〜図9を参照して、各種参考例における動力伝達装置としてのCVTのチェーンの弦振動について説明する。
[1−1.第1の参考例]
図1は、第1の参考例に係る動力伝達装置7の概略構成の一例を示す模式図である。第1の参考例に係る動力伝達装置7は、車両に搭載されるCVTである。動力伝達装置7は、例えば、図1に示したように、プライマリプーリ11と、セカンダリプーリ12と、チェーン15とを備える。第1の参考例に係る動力伝達装置7には、チェーン15の周面と対向する対向部を有する対向部材は設けられない。
動力伝達装置7において、プライマリ軸A1に設けられるプライマリプーリ11及びセカンダリ軸A2に設けられるセカンダリプーリ12には、チェーン15が巻き掛けられる。チェーン15は、プライマリプーリ11及びセカンダリプーリ12の間で動力を伝達する。各プーリについてのチェーン15の巻き掛け径を変化させることによって、巻き掛け径の比に応じた変速比でのチェーン15を介した動力の伝達が実現されるように構成される。
チェーン15におけるプライマリプーリ11及びセカンダリプーリ12の間の部分は、各プーリと接していないので弦振動しやすい。具体的には、チェーン15におけるプライマリプーリ11と接している部分と接していない部分との境界点P1及びセカンダリプーリ12と接している部分と接していない部分との境界点P2の間の部分は弦振動しやすい。
チェーン15の弦振動は、例えば、チェーン15の一部がチェーン15の回転数に応じた周波数で各プーリと衝突を繰り返すことによって発生する。ゆえに、チェーン15の弦振動の周波数は、チェーン15の回転数が高くなるにつれて高くなる。チェーン15の弦振動の周波数がチェーン15の固有振動数と一致するときに弦共振が生じ、弦共振が生じていない場合と比較して振幅が大きくなる。それにより、チェーン15の弦振動に起因して生じる音(以下、チェーン音とも称する。)の音圧レベルが増大する。
弦共振における振動モードは複数存在し、例えば、1次モード及び2次モードを含む。1次モードは、複数の振動モードのうち最も次数が低いモードである。1次モードの固有振動数は最も低く、波長は最も長い。2次モードは、複数の振動モードのうち1次モードに次いで次数が低いモードである。2次モードの固有振動数は1次モードに次いで低く、波長は1次モードに次いで長い。
具体的には、図2に示したように、チェーン15について1次モードの弦共振が生じる場合、境界点P1及び境界点P2の間の距離が波長の2分の1に相当する。ゆえに、1次モードの腹の位置は、境界点P1及び境界点P2の間の中央となる。一方、チェーン15について2次モードの弦共振が生じる場合、境界点P1及び境界点P2の間の距離が波長に相当する。ゆえに、2次モードの腹の位置は、境界点P1及び境界点P2の間の中央から境界点P1及び境界点P2の間の距離の4分の1だけ離れた位置となる。
第1の参考例では、チェーン15の回転数が、1次モードと対応する第1回転数N1であるときに、チェーン15について1次モードの弦共振が生じる。第1回転数N1は、チェーン15の弦振動の周波数が1次モードの固有振動数と一致するような回転数である。一方、チェーン15の回転数が、2次モードと対応する第2回転数N2であるときに、チェーン15について2次モードの弦共振が生じる。第2回転数N2は、チェーン15の弦振動の周波数が2次モードの固有振動数と一致するような回転数である。
ゆえに、第1の参考例では、図3に示したように、チェーン15の回転数が第1回転数N1であるとき及び第2回転数N2であるときに、チェーン音の音圧レベルは顕著に増大する。このように、第1の参考例に係る動力伝達装置7では、チェーン15の弦共振が1次モード及び2次モードの双方について生じることに起因して騒音が生じ得る。なお、これ以降の説明において参照する図6、図9及び図12では、図3に示した第1の参考例におけるチェーン15の回転数とチェーン音の音圧レベルとの関係が破線によって示されている。
ここで、チェーン15の弦振動を抑制するために、動力伝達装置7にチェーン15の周面と対向する対向部を有する対向部材を設けることが考えられる。
[1−2.第2の参考例]
図4は、第2の参考例に係る動力伝達装置8の概略構成の一例を示す模式図である。第2の参考例に係る動力伝達装置8は、第1の参考例に係る動力伝達装置7と比較して、チェーン15の周面と対向する対向部81を有する対向部材80が設けられる点について異なる。
対向部材80には、チェーン15が挿通される貫通路82が一端側から他端側へ延設される。貫通路82の内周部のうちチェーン15の外周面又は内周面と対向する部分が対向部81に相当する。
また、対向部材80には、プライマリプーリ11、セカンダリプーリ12、チェーン15及び対向部材80を収容するハウジングに固定された支持部材17と係合される係合部83が設けられる。対向部材80は、係合部83が支持部材17と係合されることによって、支持部材17に回動自在に取付けられる。それにより、動力伝達装置8において変速比が変化した場合であっても、チェーン15の軌道に対向部材80の姿勢を追従させることができる。
対向部材80の対向部81は、境界点P1及び境界点P2の間の中央から境界点P1側及び境界点P2側へ向かって、それぞれ少なくとも境界点P1及び境界点P2の間の距離の4分の1以上の長さ延在する。それにより、第2の参考例では、図5に示したように、チェーン15について1次モードの弦共振が生じた場合、チェーン15の弦振動の腹を対向部81の中央側の部分81aで押さえることができる。また、チェーン15について2次モードの弦共振が生じた場合、チェーン15の弦振動の腹を対向部81の各端部側の部分81bで押さえることができる。
ゆえに、第2の参考例では、図6に示したように、チェーン15の回転数が第1回転数N1であるとき及び第2回転数N2であるときに、チェーン15の弦振動を抑制することができるので、チェーン音の音圧レベルの増大を抑制することができる。
ここで、チェーン15と対向部材80との間に生じる摺動抵抗を低減させるために、対向部材80の対向部81を縮小することによって、対向部材80とチェーン15との接触面積を縮小することが考えられる。
[1−3.第3の参考例]
図7は、第3の参考例に係る動力伝達装置9の概略構成の一例を示す模式図である。第3の参考例に係る動力伝達装置9は、第2の参考例に係る動力伝達装置8と比較して、対向部材90の対向部91がチェーン15の移動方向について縮小されている点について異なる。
対向部材90に設けられる貫通路92の長さは、第2の参考例と比較して短い。ゆえに、貫通路92の内周部のうちチェーン15の外周面又は内周面と対向する部分である対向部91のチェーン15の移動方向について長さは、第2の参考例と比較して短い。それにより、対向部材90とチェーン15との接触面積を第2の参考例と比較して縮小することができる。ゆえに、チェーン15と対向部材90との間に生じる摺動抵抗を第2の参考例と比較して低減させることができる。
対向部材90の対向部91は、例えば、境界点P1及び境界点P2の間の中央に位置する。それにより、第3の参考例では、図8に示したように、チェーン15について1次モードの弦共振が生じた場合、チェーン15の弦振動の腹を対向部91で押さえることができる。しかしながら、1次モードの腹の位置と2次モードの腹の位置は異なるので、チェーン15について2次モードの弦共振が生じた場合、チェーン15の弦振動の腹を押さえることが困難となり得る。
ゆえに、第3の参考例では、図9に示したように、チェーン15の回転数が第2回転数N2であるときに、チェーン音の音圧レベルは顕著に増大する。このように、第3の参考例に係る動力伝達装置9では、チェーン15の弦共振が2次モードについて生じることに起因して騒音が生じ得る。
そこで、動力伝達部材の弦振動を抑制しつつ、摺動抵抗を低減させることができる仕組みについて次節にて詳細に説明する。
<2.本実施形態に係る動力伝達装置>
続いて、図10〜図12を参照して、本発明の実施形態に係る動力伝達装置1について説明する。図10は、本実施形態に係る動力伝達装置1の概略構成の一例を示す模式図である。
本実施形態に係る動力伝達装置1は、本発明を車両に搭載されるCVTに適用した例である。動力伝達装置1は、例えば、図10に示したように、プライマリプーリ11と、セカンダリプーリ12と、チェーン15と、対向部材100と、対向部材100の位置を調整可能な調整機構150とを備える。プライマリプーリ11及びセカンダリプーリ12は、本発明に係る一対の回転体の一例に相当する。また、チェーン15は、本発明に係る動力伝達部材の一例に相当する。
プライマリプーリ11は、プライマリ軸A1に設けられる。プライマリ軸A1は、プライマリプーリ11の回転軸に相当する。また、セカンダリプーリ12は、セカンダリ軸A2に設けられる。セカンダリ軸A2は、セカンダリプーリ12の回転軸に相当する。また、チェーン15は、プライマリプーリ11及びセカンダリプーリ12に巻き掛けられ、プライマリプーリ11及びセカンダリプーリ12の間で動力を伝達する。
プライマリプーリ11には、プライマリ軸A1を介して、エンジンから出力される動力が入力される。プライマリプーリ11に入力された動力は、チェーン15を介して、セカンダリプーリ12へ伝達される。セカンダリプーリ12へ伝達された動力は、セカンダリ軸A2を介して駆動輪へ出力される。
プライマリプーリ11及びセカンダリプーリ12の各々は、可動シーブ及び固定シーブを有する。プライマリプーリ11及びセカンダリプーリ12における各固定シーブと各可動シーブとの距離に相当するシーブ幅を変化させることによって、各プーリについてのチェーン15の巻き掛け径を変化させることができる。それにより、プライマリプーリ11の回転数とセカンダリプーリ12の回転数との比である変速比を調整することができる。
対向部材100は、プライマリプーリ11及びセカンダリプーリ12の間においてチェーン15の周面と対向する対向部101を有する。
以下では、理解を容易にするために、動力伝達装置1において対向部材100が1つ設けられる例について説明する。例えば、対向部材100は、図10に示したように、チェーン15のプライマリプーリ11からセカンダリプーリ12へ向けて移動する部分について設けられる。なお、対向部材100は、チェーン15のセカンダリプーリ12からプライマリプーリ11へ向けて移動する部分について設けられてもよい。また、動力伝達装置1において対向部材100が2つ設けられることがチェーン15の弦振動を抑制する観点ではより好ましい。その場合、対向部材100は、チェーン15のプライマリプーリ11及びセカンダリプーリ12の間の互いに対向する部分の各々について設けられる。
例えば、対向部材100には、チェーン15が挿通される貫通路102が設けられる。貫通路102の延在方向は、チェーン15の移動方向と一致する。貫通路102の横断面形状は、チェーン15の横断面形状と対応した形状を有する。貫通路102の内周部のうちチェーン15の外周面又は内周面と対向する部分が対向部101に相当する。
対向部101は、チェーン15の周面と接触し、チェーン15の振幅方向の変位を規制することによってチェーン15の振幅の増大を抑制する。本実施形態に係る動力伝達装置1では、後述する調整機構150によって、対向部101がチェーン15の弦共振における振動モードの腹の位置に位置することが実現される。それにより、チェーン15の弦振動を適切に抑制することができる。
また、対向部101は、チェーン15の外周面と接触し、チェーン15を接触方向に押圧することによってチェーン15へ張力を付与する。ここで、チェーン15には、チェーン15の回転数が高いほど大きな遠心力がかかる。ゆえに、チェーン15の回転数が高くなるにつれてチェーン15と対向部材100との間の摩擦力が大きくなる。
また、対向部材100には、プライマリプーリ11、セカンダリプーリ12、チェーン15及び対向部材100を収容するハウジングに固定された支持部材17が内周部に嵌合され、チェーン15の移動方向に支持部材17と摺接する溝部151が設けられる。それにより、チェーン15と対向部材100との間の摩擦力により溝部151が支持部材17に対して摺動することによって、対向部材100がチェーン15の移動方向に沿って移動する。
支持部材17は、具体的には、プライマリ軸A1及びセカンダリ軸A2と平行に延在し、円柱形状を有する。溝部151は、支持部材17の直径と対応する幅を有し、貫通路102の延在方向と平行に延在する。ゆえに、溝部151の延在方向はチェーン15の移動方向と一致するので、溝部151の支持部材17との摺接方向はチェーン15の移動方向と一致する。
対向部材100は、溝部151が支持部材17と嵌合されることによって、支持部材17に回動自在に取付けられる。それにより、動力伝達装置1において変速比が変化した場合であっても、チェーン15の軌道に対向部材100の姿勢を追従させることができる。
調整機構150は、例えば、溝部151と、バネ153とを含んで構成される。バネ153は、本発明に係る弾性部材の一例に相当する。
バネ153は、対向部材100と接続されチェーン15の移動方向に沿って伸縮可能である。具体的には、溝部151は、チェーン15の移動方向と逆側の端部において開口する開口端部151aを有する。また、溝部151は、チェーン15の移動方向側の端部において閉口する閉口端部151bを有する。バネ153の一端は溝部151の閉口端部151bと接続され、バネ153の他端は支持部材17と接続される。ゆえに、バネ153は、チェーン15の移動方向に沿って延在するので、チェーン15の移動方向に沿って伸縮可能である。
また、バネ153には、チェーン15と対向部材100との間の摩擦力が伸縮方向に入力される。具体的には、対向部材100の対向部101にかかる摩擦力は、溝部151の閉口端部151bを介してバネ153へ入力される。それにより、バネ153は、入力される摩擦力とバネ153の復元力との釣り合いが保たれる伸び量で伸びる。対向部材100は、バネ153が伸びることに伴って、チェーン15の移動方向に沿って移動する。ゆえに、対向部材100の位置は、バネ153の伸び量に応じて調整される。このように、対向部材100の位置は、調整機構150における弾性部材の変形量に応じて調整される。なお、弾性部材の変形量は、伸び量の他に縮み量を含む。
ここで、チェーン15と対向部材100との間の摩擦力は、上述したように、チェーン15の回転数が高くなるにつれて大きくなる。ゆえに、バネ153は、チェーン15の回転数に応じた伸び量で伸びる。よって、対向部材100の位置は、チェーン15の回転数に応じて調整される。このように、本実施形態に係る調整機構150は、チェーン15の回転数に応じて対向部材100の位置を調整可能である。
また、本実施形態に係る調整機構150は、対向部材100の対向部101がチェーン15の弦共振における振動モードの腹の位置に位置するように、チェーン15の回転数に応じて対向部材100の位置を調整可能である。
調整機構150は、具体的には、チェーン15の回転数が1次モードと対応する第1回転数N1であるときに対向部101が1次モードの腹の位置に位置するように、対向部材100の位置を調整する。図10では、実線によって、チェーン15の回転数が第1回転数N1であるときにおける調整後の対向部材100の位置が示されている。
例えば、調整機構150は、チェーン15の回転数が第1回転数N1であるときに、対向部101がプライマリ軸A1及びセカンダリ軸A2を結ぶ直線方向についてプライマリ軸A1及びセカンダリ軸A2の間の中央の位置P10に位置するように、対向部材100の位置を調整する。それにより、本実施形態では、図11に示したように、チェーン15について1次モードの弦共振が生じた場合、チェーン15の弦振動の腹を対向部101で押さえることができる。
チェーン15について1次モードの弦共振が生じた場合、チェーン15の弦振動の腹は、変速比によらず、プライマリ軸A1及びセカンダリ軸A2を結ぶ直線方向についてプライマリ軸A1及びセカンダリ軸A2の間の略中央に位置する。ゆえに、チェーン15の回転数が第1回転数N1であるときに対向部101を位置P10に位置させることによって、変速比によらず、1次モードの腹を対向部101で押さえることができる。
バネ153の初張力は、チェーン15の回転数が第1回転数N1であるときにおけるチェーン15と対向部材100との間の摩擦力より大きくてもよい。バネ153は、具体的には、上記の初張力を有する引っ張りバネである。この場合、チェーン15の回転数が上昇する過程において、チェーン15の回転数が第1回転数N1を超えて上昇した後にバネ153が伸び始める。それにより、チェーン15の回転数が第1回転数N1であるときに、対向部材100の位置を精度良く調整することができる。
具体的には、バネ153が上記の初張力を有する場合、バネ153の伸びが生じないときにおいて対向部101は位置P10に位置する。それにより、調整機構150は、チェーン15の回転数が第1回転数N1であるときに、対向部101が位置P10に位置するように対向部材100の位置を精度良く調整することができる。ゆえに、チェーン15について1次モードの弦共振が生じた場合、チェーン15の弦振動の腹を対向部101でより適切に押さえることができる。
また、調整機構150は、具体的には、チェーン15の回転数が2次モードと対応する第2回転数N2であるときに対向部101が2次モードの腹の位置に位置するように、対向部材100の位置を調整する。図10では、二点鎖線によって、チェーン15の回転数が第2回転数N2であるときにおける調整後の対向部材100の位置が示されている。
例えば、調整機構150は、チェーン15の回転数が第2回転数N2であるときに、対向部101がプライマリ軸A1及びセカンダリ軸A2を結ぶ直線方向についてプライマリ軸A1及びセカンダリ軸A2の間の中央からプライマリ軸A1及びセカンダリ軸A2の間の距離の4分の1だけ離れた位置P20に位置するように、対向部材100の位置を調整する。それにより、本実施形態では、図11に示したように、チェーン15について2次モードの弦共振が生じた場合、チェーン15の弦振動の腹を対向部101で押さえることができる。
チェーン15について2次モードの弦共振が生じた場合、チェーン15の弦振動の腹は、変速比によらず、プライマリ軸A1及びセカンダリ軸A2を結ぶ直線方向についてプライマリ軸A1及びセカンダリ軸A2の間の中央からプライマリ軸A1及びセカンダリ軸A2の間の距離の略4分の1だけ離れて位置する。ゆえに、チェーン15の回転数が第2回転数N2であるときに対向部101を位置P20に位置させることによって、変速比によらず、2次モードの腹を対向部101で押さえることができる。
位置P10と位置P20との間のプライマリ軸A1及びセカンダリ軸A2を結ぶ直線方向についての距離L10は、プライマリ軸A1及びセカンダリ軸A2の間の距離の4分の1に相当する。ゆえに、調整機構150は、チェーン15の回転数が第1回転数N1から第2回転数N2へ変化する場合において、例えば、対向部材100をプライマリ軸A1及びセカンダリ軸A2を結ぶ直線方向について距離L10だけ移動させる。
具体的には、バネ153の伸びが生じないときにおいて対向部101が位置P10に位置する場合、チェーン15の回転数が第2回転数N2であるときにおいてバネ153はプライマリ軸A1及びセカンダリ軸A2を結ぶ直線方向について距離L10だけ伸びる。それにより、調整機構150は、チェーン15の回転数が第2回転数N2であるときに、対向部101が位置P20に位置するように対向部材100の位置を調整することができる。
上記のように、本実施形態に係る動力伝達装置1によれば、チェーン15について弦共振が生じた場合、チェーン15の弦振動の腹を各振動モードについて対向部101で押さえることができる。具体的には、チェーン15について1次モード又は2次モードの弦共振が生じた場合、チェーン15の弦振動の腹を対向部101で押さえることができる。ゆえに、図12に示したように、チェーン15の回転数が第1回転数N1であるとき及び第2回転数N2であるときに、チェーン音の音圧レベルの増大を抑制することができる。
また、対向部材100を各振動モードの腹の位置に亘って延在させることなく各振動モードについてチェーン15の弦振動を抑制することができるので、対向部材100とチェーン15との接触面積を縮小することができる。ゆえに、チェーン15と対向部材100との間に生じる摺動抵抗を低減させることができる。それにより、動力伝達装置1における動力の伝達効率を向上させることができるので、車両における燃費を向上させることができる。
このように、本実施形態に係る動力伝達装置1によれば、動力伝達部材の弦振動を抑制しつつ、摺動抵抗を低減させることができる。
また、調整機構150は、上述したように、具体的には、チェーン15の回転数が第1回転数N1及び第2回転数N2であるときに対向部101がそれぞれ1次モード及び2次モードの腹の位置に位置するように、対向部材100の位置を調整する。それにより、1次モード又は2次モードの弦共振が生じた場合にチェーン音の音圧レベルの増大を抑制することができる。ここで、複数の振動モードのうち1次モード及び2次モードの固有振動数は比較的低いので、1次モード又は2次モードの弦共振が生じた場合におけるチェーン音は騒音として感じられやすい。ゆえに、1次モード及び2次モードについてチェーン音の音圧レベルの増大を抑制することによって、騒音を効果的に抑制することができる。
<3.変形例>
続いて、図13及び図14を参照して、変形例に係る動力伝達装置2について説明する。図13は、変形例に係る動力伝達装置2の概略構成の一例を示す模式図である。変形例に係る動力伝達装置2は、本実施形態に係る動力伝達装置1と比較して、調整機構250に含まれる溝部251の構成が異なる。
動力伝達装置2は、例えば、図13に示したように、プライマリプーリ11と、セカンダリプーリ12と、チェーン15と、対向部材200と、対向部材200の位置を調整可能な調整機構250とを備える。
対向部材200は、上述した動力伝達装置1における対向部材100と同様に、プライマリプーリ11及びセカンダリプーリ12の間においてチェーン15の周面と対向する対向部101を有する。また、対向部材200に設けられチェーン15が挿通される貫通路102の内周部のうちチェーン15の外周面又は内周面と対向する部分が対向部101に相当する。
また、対向部材200には、支持部材17が内周部に嵌合され、チェーン15の移動方向に支持部材17と摺接する溝部251が設けられる。溝部251は、支持部材17の直径と対応する幅を有し、貫通路102の延在方向と平行に延在する。ゆえに、溝部251の延在方向はチェーン15の移動方向と一致するので、溝部251の支持部材17との摺接方向はチェーン15の移動方向と一致する。
対向部材200は、溝部251が支持部材17と嵌合されることによって、支持部材17に回動自在に取付けられる。それにより、動力伝達装置2において変速比が変化した場合であっても、チェーン15の軌道に対向部材200の姿勢を追従させることができる。
調整機構250は、例えば、溝部251と、バネ253とを含んで構成される。バネ253は、本発明に係る弾性部材の一例に相当する。
変形例に係る溝部251は、チェーン15の移動方向と逆側の端部及びチェーン15の移動方向側の端部においてそれぞれ閉口する第1閉口端部251a及び第2閉口端部251bを有する。バネ253の一端は溝部251の第2閉口端部251bと接続され、バネ253の他端は支持部材17と接続される。ゆえに、バネ253は、チェーン15の移動方向に沿って延在するので、チェーン15の移動方向に沿って伸縮可能である。
また、対向部材200の対向部101にかかる摩擦力は、溝部251の第2閉口端部251bを介してバネ253へ入力される。それにより、対向部材200は、バネ253が伸びることに伴って、チェーン15の移動方向に沿って移動する。ここで、チェーン15と対向部材200との間の摩擦力は、上述したように、チェーン15の回転数が高くなるにつれて大きくなる。ゆえに、変形例に係る調整機構250は、チェーン15の回転数に応じて対向部材200の位置を調整可能である。
調整機構250は、具体的には、上述した動力伝達装置1における調整機構150と同様に、チェーン15の回転数が1次モードと対応する第1回転数N1であるときに対向部101が1次モードの腹の位置に位置するように、対向部材200の位置を調整する。図13では、実線によって、チェーン15の回転数が第1回転数N1であるときにおける調整後の対向部材200の位置が示されている。
例えば、調整機構250は、チェーン15の回転数が第1回転数N1であるときに、対向部101が位置P10に位置するように、対向部材200の位置を調整する。それにより、変形例では、図14に示したように、チェーン15について1次モードの弦共振が生じた場合、チェーン15の弦振動の腹を対向部101で押さえることができる。
具体的には、バネ253の初張力は、チェーン15の回転数が第1回転数N1であるときにおけるチェーン15と対向部材200との間の摩擦力より大きく、バネ253の伸びが生じないときにおいて対向部101は位置P10に位置する。それにより、調整機構250は、チェーン15の回転数が第1回転数N1であるときに、対向部101が位置P10に位置するように対向部材200の位置を精度良く調整することができる。
また、調整機構250は、具体的には、上述した動力伝達装置1における調整機構150と同様に、チェーン15の回転数が2次モードと対応する第2回転数N2であるときに対向部101が2次モードの腹の位置に位置するように、対向部材200の位置を調整する。図13では、二点鎖線によって、チェーン15の回転数が第2回転数N2であるときにおける調整後の対向部材200の位置が示されている。
例えば、調整機構250は、チェーン15の回転数が第2回転数N2であるときに、対向部101が位置P20に位置するように、対向部材200の位置を調整する。
ここで、変形例に係る溝部251は、チェーン15の移動方向と逆側の端部において第1閉口端部251aを有するので、バネ253の伸び量が増大することによって、支持部材17と第1閉口端部251aとが当接し得る。支持部材17と第1閉口端部251aとが当接した状態において、バネ253はさらに伸びることはできない。換言すると、支持部材17と第1閉口端部251aとが当接した状態において、バネ253の伸び量は第1閉口端部251aにより規制される。このように、第1閉口端部251aは、調整機構250における弾性部材の変形量(具体的には、バネ253の伸び量)を規制する本発明に係る規制部の一例に相当する。
バネ253の伸び量は、チェーン15の回転数が第2回転数N2であるときに、第1閉口端部251aにより規制される。ゆえに、チェーン15の回転数が上昇する過程において、チェーン15の回転数が第2回転数N2に到達する以前にバネ253の伸び量が規制され得る。それにより、チェーン15の回転数が第2回転数N2であるときに、対向部材200の位置を精度良く調整することができる。このように、調整機構250における弾性部材の変形量は、チェーン15の回転数が第2回転数N2であるときに、規制部により規制される。
具体的には、支持部材17と第1閉口端部251aとが当接し、バネ253の伸び量が第1閉口端部251aにより規制される場合において対向部101が位置P20に位置するように構成され得る。それにより、調整機構250は、チェーン15の回転数が第2回転数N2であるときに、対向部101が位置P20に位置するように対向部材200の位置を精度良く調整することができる。それにより、変形例では、図14に示したように、チェーン15について2次モードの弦共振が生じた場合、チェーン15の弦振動の腹を対向部101でより適切に押さえることができる。
上記のように、変形例に係る動力伝達装置2によれば、上述した動力伝達装置1と同様に、チェーン15について弦共振が生じた場合、チェーン15の弦振動の腹を各振動モードについて対向部101で押さえることができる。具体的には、チェーン15について1次モード又は2次モードの弦共振が生じた場合、チェーン15の弦振動の腹を対向部101で押さえることができる。ゆえに、変形例におけるチェーン15の回転数とチェーン音の音圧レベルとの関係は、例えば、図12に示した関係と同様になる。また、対向部材200を各振動モードの腹の位置に亘って延在させることなく各振動モードについてチェーン15の弦振動を抑制することができるので、対向部材200とチェーン15との接触面積を縮小することができる。ゆえに、動力伝達部材の弦振動を抑制しつつ、摺動抵抗を低減させることができる。
<4.むすび>
以上説明したように、本発明に係る動力伝達装置は、一対の回転体の間において動力伝達部材の周面と対向する対向部を有する対向部材を備える。また、本発明に係る動力伝達装置は、対向部が動力伝達部材の弦共振における振動モードの腹の位置に位置するように、動力伝達部材の回転数に応じて対向部材の位置を調整可能な調整機構を備える。それにより、動力伝達部材について弦共振が生じた場合、動力伝達部材の弦振動の腹を各振動モードについて対向部で押さえることができる。また、対向部材を各振動モードの腹の位置に亘って延在させることなく各振動モードについて動力伝達部材の弦振動を抑制することができるので、対向部材と動力伝達部材との接触面積を縮小することができる。ゆえに、動力伝達部材と対向部材との間に生じる摺動抵抗を低減させることができる。このように、本発明に係る動力伝達装置によれば、動力伝達部材の弦振動を抑制しつつ、摺動抵抗を低減させることができる。
上記では、本発明を車両に搭載されるCVTに適用した例について説明したが、本発明は、他の動力伝達装置に適用されてもよい。例えば、本発明は、クランクシャフトに固定されるスプロケットと、カムシャフトに固定されるスプロケットと、各スプロケットの間に巻き掛けられるチェーンとを備える動力伝達装置に適用されてもよい。
また、上記では、動力伝達装置1が一対の回転体としてプライマリプーリ11及びセカンダリプーリ12を備える例について説明したが、一対の回転体は係る例に限定されない。例えば、一対の回転体は、一対の歯車又は一対のスプロケットであってもよい。
また、上記では、動力伝達装置1が動力伝達部材としてチェーン15を備える例について説明したが、動力伝達部材は係る例に限定されない。例えば、動力伝達部材は、ベルトであってもよい。
また、上記では、動力伝達装置1が弾性部材としてバネ153を備える例について説明したが、弾性部材は係る例に限定されない。例えば、弾性部材は、ゴムであってもよい。
また、上記では、動力伝達装置1が調整機構として溝部151及びバネ153を含む調整機構150を備える例について説明したが、調整機構は係る例に限定されない。調整機構は、チェーン15の回転数に応じて対向部材100の位置を調整可能であればよく、例えば、入力されるエネルギを利用して動力を発生可能なアクチュエータを含む機構であってもよい。アクチュエータは、電力、空圧又は油圧等を利用して動力を発生し得る。調整機構は、アクチュエータの動作を制御する制御装置を含んでもよく、その場合、対向部材100の位置は制御装置によって制御され得る。調整機構は、例えば、チェーン15の回転数が第1回転数N1及び第2回転数N2の間の閾値より低いか否かに応じて対向部材100の位置を調整してもよい。具体的には、調整機構は、チェーン15の回転数が当該閾値より低いときに対向部101が1次モードの腹の位置に位置し、チェーン15の回転数が当該閾値以上であるときに対向部101が2次モードの腹の位置に位置するように、対向部材100の位置を調整してもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は係る例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は応用例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1,2 動力伝達装置
11 プライマリプーリ
12 セカンダリプーリ
15 チェーン
17 支持部材
100,200 対向部材
101 対向部
102 貫通路
150,250 調整機構
151,251 溝部
151a 開口端部
151b 閉口端部
153,253 バネ
251a 第1閉口端部
251b 第2閉口端部

Claims (8)

  1. 一対の回転体と、
    前記一対の回転体に巻き掛けられ、前記一対の回転体の間で動力を伝達する動力伝達部材と、
    前記一対の回転体の間において前記動力伝達部材の周面と対向する対向部を有する対向部材と、
    前記対向部が前記動力伝達部材の弦共振における振動モードの腹の位置に位置するように、前記動力伝達部材の回転数に応じて前記対向部材の位置を調整可能な調整機構と、
    を備える、
    動力伝達装置。
  2. 前記振動モードは、1次モード及び2次モードを含み、
    前記調整機構は、前記動力伝達部材の回転数が前記1次モードと対応する第1回転数であるときに前記対向部が前記1次モードの腹の位置に位置し、前記動力伝達部材の回転数が前記2次モードと対応する第2回転数であるときに前記対向部が前記2次モードの腹の位置に位置するように、前記対向部材の位置を調整する、
    請求項1に記載の動力伝達装置。
  3. 前記調整機構は、前記動力伝達部材の回転数が前記第1回転数であるときに、前記対向部が前記一対の回転体の各回転軸を結ぶ直線方向について前記各回転軸の間の中央の位置に位置するように、前記対向部材の位置を調整する、請求項2に記載の動力伝達装置。
  4. 前記調整機構は、前記動力伝達部材の回転数が前記第2回転数であるときに、前記対向部が前記各回転軸を結ぶ直線方向について前記各回転軸の間の中央から前記各回転軸の間の距離の4分の1だけ離れた位置に位置するように、前記対向部材の位置を調整する、請求項3に記載の動力伝達装置。
  5. 前記調整機構は、前記対向部材と接続され前記動力伝達部材の移動方向に沿って伸縮可能な弾性部材を含み、
    前記弾性部材には、前記動力伝達部材の回転数が高くなるにつれて大きくなる前記動力伝達部材と前記対向部材との間の摩擦力が伸縮方向に入力され、
    前記対向部材の位置は、前記弾性部材の変形量に応じて調整される、
    請求項2〜4のいずれか一項に記載の動力伝達装置。
  6. 前記弾性部材の初張力は、前記動力伝達部材の回転数が前記第1回転数であるときにおける前記摩擦力より大きい、請求項5に記載の動力伝達装置。
  7. 前記調整機構は、前記弾性部材の変形量を規制する規制部を含み、
    前記弾性部材の変形量は、前記動力伝達部材の回転数が前記第2回転数であるときに、前記規制部により規制される、
    請求項5又は6に記載の動力伝達装置。
  8. 前記一対の回転体は、一対のプーリであり、
    前記動力伝達部材は、前記一対のプーリに巻き掛けられ、前記一対のプーリの間で動力を伝達するチェーンである、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の動力伝達装置。
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