JP4443253B2 - 無段変速機 - Google Patents

無段変速機 Download PDF

Info

Publication number
JP4443253B2
JP4443253B2 JP2004033212A JP2004033212A JP4443253B2 JP 4443253 B2 JP4443253 B2 JP 4443253B2 JP 2004033212 A JP2004033212 A JP 2004033212A JP 2004033212 A JP2004033212 A JP 2004033212A JP 4443253 B2 JP4443253 B2 JP 4443253B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piston rod
tensioner arm
transmission member
arc surface
belt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004033212A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005226662A (ja
Inventor
章裕 中尾
好太郎 菊輪
裕之 谷尻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daihatsu Motor Co Ltd
Original Assignee
Daihatsu Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daihatsu Motor Co Ltd filed Critical Daihatsu Motor Co Ltd
Priority to JP2004033212A priority Critical patent/JP4443253B2/ja
Publication of JP2005226662A publication Critical patent/JP2005226662A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4443253B2 publication Critical patent/JP4443253B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H7/00Gearings for conveying rotary motion by endless flexible members
    • F16H7/08Means for varying tension of belts, ropes, or chains
    • F16H2007/0802Actuators for final output members
    • F16H2007/0812Fluid pressure

Landscapes

  • Devices For Conveying Motion By Means Of Endless Flexible Members (AREA)
  • Transmissions By Endless Flexible Members (AREA)

Description

本発明は無段変速機、特にVベルト式無段変速機におけるベルト張力の制御装置に関するものである。
特許文献1には、駆動プーリと従動プーリとの間にベルトを巻き掛け、両プーリのプーリ溝幅を互いに逆方向に変化させて変速比を無段階に可変とする変速比可変機構を設けるとともに、ベルトの緩み側にテンションローラを押し付けてベルト張力を得るテンショナ装置を設けた無段変速機が提案されている。
テンショナ装置としては、テンションローラを支持するテンショナアームを回動付勢するスプリングとアシストモータとの組み合わせや、ダイヤフラム構造のアクチュエータとスプリングとの組み合わせ、さらには油圧シリンダとスプリングとの組み合わせなどが知られている。
また、油圧を利用したオートテンショナの例として、特許文献2,3に記載のものがある。
特許文献2に記載のオートテンショナは、テンショナアームの一端部を固定部に揺動自在に支承し、他端部にテンションローラを取り付けるとともに、テンショナアームの中間部側面に油圧シリンダのピストンロッドを圧接させたものである。
特許文献3に記載のオートテンショナは、テンショナアームの一端部にテンションローラを取り付け、テンショナアームの中間部を固定部に揺動自在に支承し、テンショナアームの他端部に油圧シリンダを連結している。
いずれの場合も、油圧シリンダの作用によってテンショナアームを揺動させ、テンションローラをベルトに押し付けることで、ベルトの緩みを吸収し、適度な張力を与えるものである。
上記オートテンショナの場合、基本的にはテンションローラの位置はほぼ一定しており、テンショナアームの揺動角度は非常に小さい。しかし、無段変速機に用いられるテンショナ装置の場合には、変速比によってベルトの位置が大きく変化するため、テンショナアームの揺動角度も大きくなる。しかも、変速比は頻繁に変化するので、テンショナアームも素早く揺動する必要がある。その結果、テンショナアームを付勢するアクチュエータとして油圧シリンダを用いた無段変速機では、種々の問題が発生する。
図7,図8にテンショナ装置のアクチュエータとして油圧シリンダを用いた無段変速機の2つの例を示す。
図7は、特許文献2と同様に油圧シリンダ100のピストンロッド101をテンショナアーム102の背面に当接させたものである。
図8は、油圧シリンダ100のピストンロッド101とテンショナアーム102とをリンク108を介して連結したものである。
なお、103はテンションローラ、104はベルト、105は駆動プーリ、106は従動プーリである。
図7および図8のいずれの場合も、テンショナアーム102が揺動すると、テンショナアーム102とピストンロッド101との間で力の伝達効率が悪化するとともに、ピストンロッド101をガイドしている軸受部107に対する偏荷重が増大するという問題がある。その理由は、テンショナアーム102の揺動に伴ってピストンロッド101に対する反力の方向が変化し、軸受部107から外部へ突出したピストンロッド101の突出端部に斜め方向の力が加わるため、ピストンロッド101に対し軸方向力だけでなく曲げモーメントも作用するからである。その結果、ピストンロッド101とテンショナアーム102の間で力の伝達効率が悪化し、軸受部107に摩耗や油漏れが発生する可能性がある。
特開2001−330099号公報 特開平10−184825号公報 特開2000−274502号公報
そこで、本発明の目的は、テンショナアームとピストンロッドとの間の力の伝達効率を改善するとともに、ピストンロッドの軸受部に対する偏荷重を低減できるテンショナ装置を備えた無段変速機を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、駆動プーリと従動プーリとの間にベルトを巻き掛け、両プーリのプーリ溝幅を互いに逆方向に変化させて変速比を可変とする変速比可変機構を設けるとともに、上記ベルトを押圧してベルト張力を得るテンショナ装置を設けた無段変速機において、上記テンショナ装置は、上記ベルトの緩み側に圧接するテンションローラと、一端部が固定部に揺動可能に支持され、他端部に上記テンションローラが取り付けられたテンショナアームと、流体圧によって直進移動するとともに、一端側に開口した中空部を有するピストンロッドと、このピストンロッドを摺動自在にガイドする一定の軸長を持つ軸受部とを有する流体圧シリンダと、上記ピストンロッドと上記テンショナアームとの間で力を伝達する伝達部材とを備え、上記伝達部材の一端部は上記ピストンロッドの中空部に隙間をもって挿入され、かつその先端が上記中空部の内部で角度変化自在に支持されており、上記伝達部材の他端部は上記テンショナアームに枢着されており、上記伝達部材と上記ピストンロッドとの支持部は、上記ピストンロッドの全ストローク範囲において上記軸受部の軸長範囲内に配置されていることを特徴とする無段変速機を提供する。
テンショナアームから伝達部材に対して加わる反力は、伝達部材とピストンロッドとの支持部を介してピストンロッドに伝達される。テンショナアームは変速比の変化に伴って揺動するので、伝達部材はピストンロッドに対して傾く。しかし、伝達部材の端部はピストンロッドの中空部に隙間をもって挿入されているので、伝達部材の傾きを許容できる。また、テンショナアームから伝達部材に対する反力はピストンロッドに対して斜め方向の力となり、軸受部に対する偏荷重になる可能性がある。しかし、伝達部材とピストンロッドとの支持部が軸受部の軸長範囲内に配置されているので、伝達部材を介して加わる反力はピストンロッドに対して曲げモーメントとして働かず、力の伝達効率が改善されるとともに、軸受部に対する偏荷重を軽減できる。そのため、軸受部とピストンロッドとの間の摩耗や油漏れを防止できる。
なお、本発明の流体圧シリンダは、油圧シリンダに限らず、エアーシリンダであってもよい。
図7,図8と比較して説明すると、図7,図8の例では、テンショナアームの揺動に伴って、軸受部から外部へ突出したピストンロッドの突出端部に斜め方向の力が加わるため、ピストンロッドに曲げモーメントが作用するのに対し、本発明では軸受部によって支持されたピストンロッドの中間部に斜め方向の力が加わるので、ピストンロッドに曲げモーメントがほとんど作用しない。そのため、ピストンロッドとテンショナアームとの間の力の伝達効率が良好となり、軸受部にかかる偏荷重を少なくできる。
請求項2のように、ピストンロッドの中空部の底面には凹状の円弧面が形成され、伝達部材の一端部先端には凸状の円弧面が形成され、伝達部材の円弧面がピストンロッドの円弧面に対してブッシュを介して当接するのがよい。
伝達部材とピストンロッドとの連結方法として、軸を介して回動自在に連結する方法もあるが、軸をピストンロッドの中空部内に配置しなければならず、軸の組み付けが困難になる。
これに対し、伝達部材の端部をピストンロッドの中空部の底面に当接させる方式であれば、軸で連結する必要がなく、伝達部材の端部をピストンロッドの中空部に挿入するだけでよいので、組み付けが簡単になる。また、当接面が円弧面でかつブッシュを介して当接しているので、伝達部材とピストンロッドとの角度が変化しても、円滑に力を伝達できる。
なお、円弧面とは円筒面のほか球面を含む。また、凸円弧面と凹円弧面は曲率半径が同一の場合に限らず、凹円弧面の曲率半径が凸円弧面より大きくてもよい。
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、テンショナアームと流体圧シリンダのピストンロッドとを連結するために、ピストンロッドに一端側に開口した中空部を設け、この中空部に伝達部材の一端部を隙間をもって挿入し、中空部の内部で伝達部材の先端を角度変化自在に支持するとともに、伝達部材とピストンロッドとの支持部を、ピストンロッドの全ストローク範囲において軸受部の軸長範囲内に配置したので、力の伝達効率が向上し、ピストンロッドの軸受部に対する偏荷重を低減できる。その結果、ピストンロッドが円滑に作動できるとともに、軸受部とピストンロッドとの間の摩耗や油漏れを防止できる。
また、伝達部材の端部がピストンロッドの中に挿入されるので、流体圧シリンダからテンショナアームまでの全長を短くでき、小型のテンショナ装置を実現できる。
以下に、本発明の実施の形態を、実施例を参照して説明する。
図1〜図6は本発明にかかる無段変速機の一例を示す。
この実施例の無段変速機はFF横置き式の自動車用変速機であり、大略、エンジン出力軸1によりトーショナルダンパ2を介して駆動される入力軸3、駆動プーリ11を支持する駆動軸10、従動プーリ21を支持する従動軸20、駆動プーリ11と従動プーリ21に巻き掛けられた乾式のVベルト15、第1減速軸30、第2減速軸31、車輪と連結された出力軸32、変速用モータ40(図2,図3参照)、テンショナ装置50などで構成されている。入力軸3,駆動軸10,従動軸20,第1減速軸30、第2減速軸31および出力軸32はいずれも非同軸で、かつ平行に配置されている。図1では駆動プーリ11が従動プーリ21より上方に描かれているが、実際には図2に示すように駆動プーリ11が従動プーリ21より下方に配置されている。
この実施例で用いられるVベルト15は、一対の無端状張力帯と、これら張力帯に長さ方向に係止された多数のブロックとで構成された公知の乾式複合ベルトである。
入力軸3は軸受を介して変速機のハウジング6によって回転自在に支持され、入力軸3には、駆動軸10のエンジン側端部に設けられたギヤ10aに噛み合う入力ギヤ3aが一体に形成されている。入力ギヤ3aとギヤ10aとの減速比を適切に設定することで、ベルト駆動に適した減速比で駆動軸10を回転させることができる。
駆動プーリ11は、駆動軸10上に固定された固定シーブ11aと、駆動軸10上に軸方向移動自在に支持された可動シーブ11bと、可動シーブ11bの背後に設けられたストローク機構12とを備え、可動シーブ11bおよびストローク機構12はVベルト15よりエンジン側に配置されている。この実施例のストローク機構12は、変速用モータ40による回転入力によって可動シーブ11bを軸方向に移動させるボールネジ機構であり、可動シーブ11bに軸受12aを介して相対回転自在に支持された雌ねじ部材12bと、ハウジング6に固定された雄ねじ部材12cとを備え、雌ねじ部材12bの外周部には変速ギヤ13が固定されている。
従動プーリ21は、従動軸20上に固定された固定シーブ21aと、従動軸20上に軸方向移動自在に支持された可動シーブ21bと、可動シーブ21bの背後に設けられたストローク機構22とを備え、可動シーブ21bとストローク機構22はVベルト15より反エンジン側に配置されている。このストローク機構22も駆動プーリ11のストローク機構12と同様の構成を有するボールネジ機構であり、可動シーブ21bに軸受22aを介して相対回転自在に支持された雌ねじ部材22bと、ハウジング6に固定された雄ねじ部材22cとを備え、雌ねじ部材22bの外周部には変速ギヤ23が固定されている。
従動軸20の従動プーリ21よりエンジン側の部位には、前後進切替機構24が設けられ、その両側には前進用ギヤ25と後進用ギヤ26とが回転自在に支持されている。前後進切替機構24を図3の左側へシフトすると前進(D)位置になり、右側へシフトすると後進(R)位置となる。従動軸20のエンジン側の軸端部には発進クラッチ27が設けられ、発進クラッチ27は前後進切替機構24のハブ24aを従動軸20に対して断接する。前進用ギヤ25は第1減速軸30のギヤ30aに噛み合い、第1減速軸30のギヤ30bは第2減速軸31のギヤ31aに噛み合い、さらに第2減速軸31のギヤ31bは差動装置33のリングギヤ33aに噛み合っている。また、後進用ギヤ26はアイドラギヤ28を介して第1減速軸30のギヤ30bに噛み合っている。そして、差動装置33を介して車輪に連結された出力軸32を駆動している。
上記入力軸3の入力ギヤ3a、駆動軸10のギヤ10a、前後進切替機構24、前進用ギヤ25、後進用ギヤ26、発進クラッチ27、第1減速軸30(ギヤ30a,30b)、第2減速軸31(ギヤ31a,31b)および差動装置33は、ハウジング6のエンジン側に形成されたギヤ室6a内に収容されている。このギヤ室6aは油で潤滑されている。
一方、駆動プーリ11と従動プーリ21は、ギヤ室6aと隔壁6cで仕切られたハウジング6のプーリ室6b内に配置されている。プーリ室6bは無潤滑空間であり、空冷されている。
ハウジング6の外側部に変速用モータ40(図2参照)が取り付けられている。変速用モータ40の出力ギヤ41は第1変速軸45の一端に設けられた減速ギヤ45aに噛み合っている。第1変速軸45はプーリ室6b内に架け渡して設けられている。第1変速軸45の他端部に設けられたギヤ45bは従動プーリ21の可動シーブ21bの移動ストローク分の長さを有する平歯車であり、従動プーリ21に設けられた変速ギヤ23と噛み合っている。第1変速軸45のギヤ45bを回転させると、変速ギヤ23が追随回転することでボールネジ機構22の作用により、可動シーブ21bを軸方向へ移動させることができる。つまり、変速用モータ40によって従動プーリ21のプーリ溝幅(ベルト巻き掛け径)を連続的に変化させることができる。
従動プーリ21の変速ギヤ23は、ハウジング6に架け渡して設けられた第2変速軸46の第1アイドラギヤ46aとも噛み合い、さらに第2変速軸46の第2アイドラギヤ46bは駆動プーリ11の変速ギヤ13と噛み合っている。これらアイドラギヤ46a,46bも、第1変速軸45のギヤ45bと同様に、可動シーブ11b,21bの移動ストローク分の長さを有する平歯車で構成されている。第2変速軸46は、図2に示すように、駆動プーリ11と従動プーリ21との間であって、かつVベルト15の周回内に配置されている。変速用モータ40の回転力は、第1変速軸45,従動プーリ21の変速ギヤ23,第2変速軸46を介して駆動プーリ11の変速ギヤ13へと伝達される。そのため、駆動プーリ11の可動シーブ11aと従動プーリ21の可動シーブ21aは互いに同期し、かつ互いにプーリ溝幅(ベルト巻き掛け径)を逆方向に変化させながら軸方向へ移動することができる。
上記のように変速用モータ40、駆動プーリ11のストローク機構12、従動プーリ21のストローク機構22、第1変速軸45および第2変速軸46などによって、変速比可変機構が構成される。
次に、Vベルト15にベルト張力を与える機構、すなわちテンショナ装置50について説明する。
上記のようにプーリ11,21のプーリ溝幅(ベルト巻き掛け径)は変速用モータ40によって相反方向に可変されるが、それだけでは伝達トルクによってVベルト15とプーリ11,21との間に滑りが発生してしまう。そこで、Vベルト15に滑りを発生させないだけのベルト張力を与えるため、図2,図4〜図6に示されるようなテンショナ装置50が設けられている。テンショナ装置50はVベルト15の緩み側を内側に向かって押圧するテンションローラ51と、このテンションローラ51をリンク52を介して支持する揺動自在なテンショナアーム53とを備えている。このように外側から内側に向かってVベルト15を押圧することで、所定のベルト張力を得るとともに、プーリ11,21に対するVベルト15の巻き付け長さを長くし、伝達効率を高めている。
ここでは、テンションローラ51をリンク52を介してテンショナアーム53に取り付けたが、テンションローラ51をテンショナアーム53に直接取り付けてもよいことは勿論である。
また、テンションローラ51はVベルト15に対して外側から圧接するものに限らず、内側から圧接するものでもよい。
テンショナアーム53の基端部、すなわちテンションローラ51を取り付けた端部とは反対側の端部は、軸53aを介して変速機ケース6に揺動自在に取り付けられている。テンショナアーム53の中間部には、軸54を介して伝達部材の一例であるピン55の基端部(他端部)が回転自在に取り付けられている。なお、軸54に摩耗防止用のブッシュを介装してもよい。ピン55の棒状の先端部(一端部)55aは、後述するピストンロッド64の中空部64aに挿入されている。
プーリ室6bの下部であって、テンショナアーム53の背面と対応する部位には、油圧シリンダ60が設けられている。この油圧シリンダ60は、低圧室61と高圧室62とを仕切るピストン63と、ピストン63に固定されたピストンロッド64と、ピストンロッド64を摺動自在にガイドする軸受部65とを備えている。低圧室61はドレーン用タンク68と接続され、高圧室62には図4に示す油圧制御装置70から制御油圧が供給される。高圧室62の油圧を調整することで、テンショナアーム53の回動付勢力を制御し、ベルト駆動に適した最適なベルト張力に調整することができる。なお、高圧室62には圧縮バネ66が配置されており、この圧縮バネ66によってピストン63は低圧室方向に押される。そのため、圧縮バネ66のばね力によって、テンションローラ51がVベルト15の緩み側を内側に向かって押圧する方向にテンショナアーム53は回動付勢される。圧縮バネ66のばね力は、たとえ高圧室62の油圧がフェールした場合でも、走行に必要な最低限のベルト張力を付与できるばね力に設定されている。
ピストンロッド64の軸心部には中空部64aが形成されており、この中空部64aは軸受部65から外部へ突出するピストンロッド64の突出側端部に開口している。中空部64aの底面には、摩耗を少なくするため凹曲面状のブッシュ67が嵌着されている。中空部67に挿入された上記ピン55の他端部55aは凸円弧面で形成されており、この凸円弧面がブッシュ67の凹円弧面に当接している。ここでは、ブッシュ67および端部55aを円弧面で形成したが、球面であってもよい。上記ピン55の他端部55aは中空部64aの内径より細く、ピン55と中空部64aとの間には所定の隙間が設けられている。そのため、ピン55がピストンロッド64に対して傾いても、その傾きを許容できる。また、ピン55の凸円弧面状の端部55aが凹円弧面状のブッシュ67に当接することで、ピン55とピストンロッド64との間で円滑に力を伝達することができる。ピン55とブッシュ67との接触部は、ピストンロッド64の全ストローク範囲において軸受部65の軸方向範囲(図5,図6にLで示す)内に配置されている。
油圧制御装置70は、図4に示すようにオイルポンプ71で発生した油圧を調圧弁72で一定圧に調圧し、この一定圧を電磁弁73で調整して油圧シリンダ60の高圧室62に供給することで、テンショナアーム53の回動付勢力を調整している。
なお、低圧室61と接続されるドレーン用タンク68を低圧室61より上方に配置し、低圧室61とタンク68とを繋ぐ配管の端部を常にタンク68の油中に浸漬しておくのがよい。その理由は、ピストン63が作動によって低圧室61が容積変化した時、その呼吸作用によりタンク68から油を吸込み、低圧室61を常に油で満たしておくためである。そのため、軸受部65に設けられたシール部材69を常時油で潤滑できる。
この実施例では、ベルト15に最低限の張力を付与するため、油圧シリンダ60の内部に圧縮バネ66を配置したが、特許文献1に記載のように、テンショナアーム53を揺動付勢するためのバネを別に配置してもよい。この場合、バネとしては圧縮ばね以外に、引張バネや捩りバネを用いてもよい。
変速用モータ40および電磁弁73は電子回路で構成されたコントローラ80によって制御される。コントローラ80には、車両の運転信号(エンジン回転数,スロットル開度,車速,シフトポジション信号,入力軸3の回転数、出力軸32の回転数など)が入力される。コントローラ80には、変速マップや張力制御マップが予め設定されており、入力信号とこれら制御マップとに応じて変速用モータ40および電磁弁73を制御している。
ここで、テンショナ装置50の作動、特に油圧シリンダ60のピストンロッド64とテンショナアーム53との関係について説明する。
図5はピストンロッド64が始端位置にある状態、図6はピストンロッド64が終端位置にある状態を示す。ピストンロッド64とテンショナアーム53とは追従して動作するが、このようなテンショナアーム53の揺動は、無段変速機の変速比によって起こる。すなわち、高速比状態あるいは低速比状態の場合、両方のプーリ11,21に巻き掛けられたベルト15の弛みが少なく、テンションローラ51の両プーリ11,21間への落ち込み量が少ない。そのため、図5のようにテンショナアーム53は油圧シリンダ60に近い位置にある。これに対し、中間変速比状態では、ベルト15の弛みが大きくなり、テンションローラ51の両プーリ11,21間への落ち込み量が大きくなる。そのため、図6のようにテンショナアーム53が油圧シリンダ60から離れた位置へ揺動する。
走行中、無段変速機の変速比は頻繁に変化するため、テンショナアーム53も図5と図6の位置の間で頻繁に揺動し、油圧シリンダ60もテンショナアーム53の揺動につれて素早く作動する必要がある。その際、高圧室62に供給された油圧により、ピストン63が押され、ピストンロッド64はテンショナアーム53方向へ動く。そのため、円弧面でピストンロッド64と接触しているピン55が押され、軸54を介してテンショナアーム53に回動付勢力が与えられる。そのため、油圧に比例した所定のベルト張力が付与される。
テンショナアーム53にはベルト張力による反力が作用するので、その反力はピン55を介してピストンロッド64に伝えられる。つまり、円弧面で接しているピン55とピストンロッド64のブッシュ67との間で力が伝達される。ピン55はピストンロッド64の中空部64aに隙間をもって挿入されているので、テンショナアーム53の揺動につれてピン55とピストンロッド64との間に角度変化があっても、ピン55と中空部64aの内壁とが干渉しない。しかも、ピン55とピストンロッド64(ブッシュ67)との接触点が、常に軸受部65の軸方向範囲L内に位置しているので、ピン55の軸方向の力がピストンロッド64に効率よく伝えられ、ピストンロッド64には曲げモーメントが殆ど作用しない。その結果、軸受部65に対する偏荷重が少なくなり、軸受部65およびピストンロッド64の摩耗や油漏れを解消できるとともに、力の伝達効率が向上する。
本発明は上記実施例に限定されるものではない。
上記実施例では、ピン55とピストンロッド64との連結構造として、ピストンロッド64の中空部64aの底面に凹円弧面を、ピン55の端部55aに凸円弧面を設けたが、凹凸関係を逆にしてもよいし、円弧面に代えて曲率が一定でない曲面を設けてもよい。
また、ピン55とピストンロッド64とを軸を介して回転自在に連結してもよい。
さらに、ピン55とテンショナアーム53とを軸54を介して連結したが、凹凸部をもって枢着または当接させてもよい。特に、ピン55とピストンロッド64とを軸を介して連結した場合は有効である。
上記実施例では、流体圧シリンダとして油圧シリンダ60を用いたが、エアーシリンダであってもよい。
上記実施例では、テンショナアームの揺動支点をプーリの外周側の変速機ケースに設定したが、特許文献1の図16に示すようにいずれかのプーリの軸と同軸に設定してもよい。したがって、ピンとテンショナアームとの連結部も、テンショナアームの中間部である必要はなく、テンショナアームの一方の端部であってもよい。
本発明にかかる無段変速機の一例の展開断面図である。 図1の無段変速機のプーリ室の断面図である。 図1の無段変速機のスケルトン図である。 テンショナ装置の制御系を示す概略図である。 テンショナ装置の要部の拡大図である。 テンショナ装置の作動時における要部の拡大図である。 テンショナ装置の比較例の概略図である。 テンショナ装置の他の比較例の概略図である。
符号の説明
3 入力軸
11 駆動プーリ
15 ベルト
21 従動プーリ
32 出力軸
40 変速用モータ
50 テンショナ装置
51 テンションローラ
53 テンショナアーム
55 ピン(伝達部材)
55a 凸円弧面状の端部
60 油圧シリンダ
64 ピストンロッド
64a 中空部
65 軸受部
66 スプリング
67 凹円弧面状のブッシュ

Claims (2)

  1. 駆動プーリと従動プーリとの間にベルトを巻き掛け、両プーリのプーリ溝幅を互いに逆方向に変化させて変速比を可変とする変速比可変機構を設けるとともに、上記ベルトを押圧してベルト張力を得るテンショナ装置を設けた無段変速機において、
    上記テンショナ装置は、
    上記ベルトの緩み側に圧接するテンションローラと、
    一端部が固定部に揺動可能に支持され、他端部に上記テンションローラが取り付けられたテンショナアームと、
    流体圧によって直進移動するとともに、一端側に開口した中空部を有するピストンロッドと、このピストンロッドを摺動自在にガイドする一定の軸長を持つ軸受部とを有する流体圧シリンダと、
    上記ピストンロッドと上記テンショナアームとの間で力を伝達する伝達部材とを備え、
    上記伝達部材の一端部は上記ピストンロッドの中空部に隙間をもって挿入され、かつその先端が上記中空部の内部で角度変化自在に支持されており、
    上記伝達部材の他端部は上記テンショナアームに枢着されており、
    上記伝達部材と上記ピストンロッドとの支持部は、上記ピストンロッドの全ストローク範囲において上記軸受部の軸長範囲内に配置されていることを特徴とする無段変速機。
  2. 上記ピストンロッドの中空部の底面には凹状の円弧面が形成され、
    上記伝達部材の一端部先端には上記円弧面に対応する凸状の円弧面が形成され、
    上記伝達部材の円弧面は上記ピストンロッドの円弧面に対してブッシュを介して当接していることを特徴とする請求項1に記載の無段変速機。
JP2004033212A 2004-02-10 2004-02-10 無段変速機 Expired - Fee Related JP4443253B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004033212A JP4443253B2 (ja) 2004-02-10 2004-02-10 無段変速機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004033212A JP4443253B2 (ja) 2004-02-10 2004-02-10 無段変速機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005226662A JP2005226662A (ja) 2005-08-25
JP4443253B2 true JP4443253B2 (ja) 2010-03-31

Family

ID=35001548

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004033212A Expired - Fee Related JP4443253B2 (ja) 2004-02-10 2004-02-10 無段変速機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4443253B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
IN2015MU01507A (ja) 2015-04-10 2015-09-11 Ranade Atul
JP6479573B2 (ja) * 2015-05-28 2019-03-06 ジヤトコ株式会社 変速機
CN107355520A (zh) * 2017-08-08 2017-11-17 重庆通用航空产业集团有限公司 张紧装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005226662A (ja) 2005-08-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6159126A (en) Toroidal continuously variable transmission
US6902502B2 (en) Continuously variable transmission
US6884191B2 (en) Stepless speed change unit
JP7339909B2 (ja) 従動プーリ装置
JP4656856B2 (ja) Vベルト式自動変速機
JP2008509358A (ja) 複合チェーン駆動ガイド
JP4443253B2 (ja) 無段変速機
KR20030046390A (ko) 벨트 구동 링 무단 변속기 커플러
US7077780B2 (en) Toroidal type continuously variable transmission
JP4882965B2 (ja) トロイダル式無段変速機
JP2000346157A (ja) 補機駆動装置
JP2010065709A (ja) 無段自動変速機構及び、それを備えた自走可能な模型車両
JP2006029504A (ja) 小型車両用のvベルト式無段変速機
JP2007155095A (ja) 伝動リング式無段変速機
JP3116036B2 (ja) 田植機における無段変速装置
JP2002174309A (ja) ベルト式無段変速機
JP2918878B1 (ja) 自動車用無段変速機
JP3290647B1 (ja) 無段変速機
JP4683620B2 (ja) ベルト伝動装置
JP2001330099A (ja) 無段変速機
JP3464909B2 (ja) 変速機のニュートラル保持装置
JPH11236953A (ja) ベルト式無段変速システム
KR100428197B1 (ko) 오토 텐셔너
KR200207525Y1 (ko) 무단변속기
JP2001330093A (ja) 無段変速機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061208

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090907

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090915

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091104

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100112

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100112

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130122

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130122

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees