JP6802579B1 - 扇片およびそれを備えた扇子 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1に開示されている扇子では、個々の紙製の扇葉をそれぞれ共通する諸元とし、個々の扇葉に、円弧状のスライド溝とクリップ片とが設けられている。個々の扇葉において、スライド溝が、扇葉の一側辺の近傍位置から、扇葉の他側辺の近傍位置まで延びている。そして、扇葉のスライド溝には、一方側に隣接する扇葉のクリップ片が係合し、扇葉のクリップ片は、他方側に隣接する扇葉のスライド溝に係合する。
そこで、この発明の目的は、扇部を構成する複数の扇片に共通して用いることが可能で、かつ、扇子を閉じた状態で一側辺および他側辺が揃うことが可能な扇片を提供することである。
請求項3に記載の発明は、前記第1の扇板および前記第2の扇板が紙を用いて形成されている、請求項1または2に記載の扇片である。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の扇片を複数設けて構成される扇部と、複数の前記扇片の基部同士を結合する要と、を含み、前記扇片の前記係合片が隣り合う前記扇片の前記スライド凹条に係合することにより、隣り合う扇片同士が連結されている、扇子である。
これにより、扇部を構成する複数の扇片に共通して用いることが可能で、かつ、扇子を閉じた状態で一側辺および他側辺が揃うことが可能な扇片を提供できる。また、複数の扇片を共通の諸元にすることが可能で、かつ、閉じた状態で複数の扇片の一側辺および他側辺を揃えることが可能な扇子を提供できる。
図1(a)および図1(b)は、本発明の一実施形態に係る扇子1の、扇部2を開いた状態を示す図である。図1(a)は、扇子1の正面図であり、図1(b)は、扇子1の背面図である。図2は、扇子1に含まれる個々の扇片3の図である。図2(a)は、扇子1の正面図であり、図2(b)は、扇子1の背面図である。
扇子1は、扇子1の扇部2を構成する複数(この実施形態では、たとえば6つ)の扇片3と、複数の扇片3の基端部3aを互いに連結する要4と、を含む。扇子1には、骨部材が用いられていない。扇子1に、文字、絵画等の装飾を付す場合には、この装飾は、個々の扇片3のたとえば前面に配置される。複数の扇片3は、互いに同一の諸元を有している。
個々の扇片3の前面(図1(a)の手前側の面)には、要4側に向けて延びる係合片5が形成されている。係合片5は、次に述べるスライド凹条6と前後に重なるような位置に設定されている。
図3は、扇子1の、扇部2を閉じた状態を示す斜視図である。
図3に示すように、個々の扇片3は、複数枚(この実施形態では、3枚)の板(紙の板)を重ね合わせることによって設けられている。個々の扇片3は、扇片3の前面を構成する前面板として機能する第1の扇板7と、扇片3の背面を構成する背面板として機能する第2の扇板8と、第1の扇板7を第2の扇板8に結合させるための結合板として機能し、かつ補強板として機能する第3の扇板9と、を含む。第1の扇板7と、第2の扇板8と、第3は、互いに結合されている。係合片5は、第1の扇板7に形成されている。スライド凹条6は、第2の扇板8に形成されている。
板紙ブランク10は、紙器用板紙である。個々の扇片3は、図5に示す板紙ブランク10が折り畳まれることにより形成される。板紙ブランク10は、平板状の紙板を、プレス打ち抜き装置によって所定の形状に打ち抜き、かつ、所定位置に罫線を付すことにより形成される。図5においては、山折り線を破線で示す。この実施形態では、板紙ブランク10は、扇片3が有する強度(剛性)との兼ね合いから、270g/m2以上400g/m2以下のコート紙であることが好ましい。
第1の板紙11は、板紙ブランク10が扇片3に組み立てられた状態で、扇片3の第1の扇板7を構成する。第1の板紙11は、扇片3に整合する形状である。第1の板紙11の長辺である側辺11aから入り込んだ切り込みによって、第1の板紙11に、係合片5が形成されている。第1の板紙11の長手方向の基端部には、挿通穴11hが形成されている。
ゆえに、扇部2を構成する複数の扇片3に共通して用いることが可能で、かつ、扇子を閉じた状態で一側辺3cおよび他側辺3dが揃うことが可能な扇片3を提供できる。また、複数の扇片3を共通の諸元にすることが可能で、かつ、閉じた状態で複数の扇片3の一側辺3cおよび他側辺3dを揃えることが可能な扇子1を提供できる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、扇片3を、3枚の扇板7,8,9を重ねて構成するのでなく、4枚以上の扇板を重ねて構成するようにしてもよい。扇板の枚数の増大により、扇片3の剛性および強度を増大させることができる。
そして、扇子1に含まれる扇片3の個数を比較的多く設ける場合には、扇部2を開いた状態で扇子1が略半円状をなしてもよいし、略全円状をなしてもよい。
各扇片3の寸法およびサイズは、適宜変更可能である。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能で
ある。
2 :扇部
3 :扇片
4 :要
5 :係合片
6 :スライド凹条
7 :第1の扇板
8 :第2の扇板
10 :板紙ブランク
Claims (4)
- 扇子の扇部の一部を構成する扇片であって、
係合片を有する第1の扇板と、
前記扇子の要を中心とする円弧状のスライド凹条であって、前記扇片の一側辺から前記扇片の他側辺まで連続して延びるスライド凹条を有し、前記第1の扇板に重なって当該第1の扇板に結合された第2の扇板と、を含み、
個々の前記扇片の前記係合片が、当該扇片の一方側に隣接する扇片のスライド凹条に係合可能であり、
個々の前記扇片の前記スライド凹条に、当該扇片の他方側に隣接する扇片の係合片が係合可能である、扇片。 - 前記第1の扇板および前記第2の扇板が、一つの板を折り畳んで形成されている、請求項1に記載の扇片。
- 前記第1の扇板および前記第2の扇板が紙を用いて形成されている、請求項1または2に記載の扇片。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の扇片を複数設けて構成される扇部と、
複数の前記扇片の基部同士を結合する要と、を含み、
前記扇片の前記係合片が隣り合う前記扇片の前記スライド凹条に係合することにより、隣り合う扇片同士が連結されている、扇子。
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JP2019152265A JP6802579B1 (ja) | 2019-08-22 | 2019-08-22 | 扇片およびそれを備えた扇子 |
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