JP6797548B2 - 遮熱膜、遮熱塗料、および光学機器 - Google Patents

遮熱膜、遮熱塗料、および光学機器 Download PDF

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Description

本発明は、屋外で用いる可能性のある遮熱膜、遮熱塗料およびそのような遮熱膜を有する光学機器に関する。
遮熱膜とは、屋外で使用した際に太陽光による部材の温度上昇を抑制する機能を有する膜である。従来、太陽光による部材の温度上昇を抑制する方法としては、図1に示すように太陽による入射光1を赤外線反射膜4で反射光2として反射する方法が知られている。入射光1に対する反射光2の比率を大きくすることで、透過光3による発熱を抑制することが出来る。その他の遮熱方法としては赤外線反射膜4の替わりに熱伝導率が低い断熱層を設けたり、熱を外部に放出するための放熱層を設けたり、それらを組み合わせたりする方法がある。
一方、遮熱膜は人手に触れる可能性がある部材であるため、温度上昇を抑制する機能に加えて外部からの接触に耐えるための耐摩耗性が必要になる。加えて、光学機器に用いる場合にはピントを調整する必要があるため位置精度が重要となる。例えば、図2に示すように光学機器のレンズ鏡筒はレンズ6およびそのレンズ鏡筒8等から成っており、ピント調整のための摺動する嵌合部分7が設けられている。基材5の表層に遮熱膜9を設けることにより、光学機器が太陽光に暴露されても太陽光による光学機器の温度上昇を抑制し、焦点等の位置精度を保持することが出来る。よって、光学機器等のような精密機器には塗膜の膜厚ばらつきを制御する必要がある。
特許文献1には、レンズ鏡筒用の遮熱膜において、着色層、赤外線反射層、および断熱層からなる膜が開示されている。特許文献1では、赤外線反射層だけでなく、膜厚が500μmから2000μmの断熱層を設けることにより遮熱効果を高めている。
特許文献2には、合成樹脂エマルジョンに粒径が0.1〜0.4mmのセルベンを加えることで耐摩耗性を向上させた遮熱膜が開示されている。
特開2009−139856号公報 特開2015−81303号公報
しかしながら、特許文献1のように膜厚が500μmから2000μmの断熱層を設けると膜厚が厚くなり、摺動する嵌合部分の位置精度を十分に出すことが困難である。
また、特許文献2のように粒径が大きいセルベンを加えると表面に大きく凹凸が出来るため膜厚精度を出すことが困難である。
本発明は、この様な背景技術に鑑みてなされたものであり、薄膜でも反射率が高く太陽光による温度上昇が少なく、膜厚精度が高く、且つ耐摩耗性が高い遮熱膜、遮熱塗料、およびそのような遮熱膜を有する光学機器を提供するものである。
本発明の光学機器は、レンズと、前記レンズを鏡筒の内部に備えたレンズ鏡筒を有する光学機器であって、
前記レンズ鏡筒の外周表面の少なくとも一部に遮熱膜を有し、
前記遮熱膜は、樹脂マトリックスにd線屈折率が2.5以上3.2以下の高屈折率粒子が分散している遮熱膜であって、該樹脂マトリックスはウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂およびこれらの組合せから選択される樹脂中に平均粒径が100nm以下の空孔含有粒子を含んでなり、該高屈折率粒子の平均粒径が2μm以上5μm以下であることを特徴とする。
本発明の遮熱膜は、樹脂マトリックスにd線屈折率が2.5以上3.2以下の高屈折率粒子が分散している遮熱膜であって、該樹脂マトリックスはウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂およびこれらの組合せから選択される樹脂中に平均粒径が100nm以下の空孔含有粒子を含んでなり、該高屈折率粒子の平均粒径が2μm以上5μm以下であるであることを特徴とする。
本発明の遮熱塗料は、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂およびこれらの組合せから選択される樹脂を溶剤に溶解した溶液中に、平均粒径が100nm以下の空孔含有粒子と、d線屈折率が2.5以上3.2以下で平均粒径が2μm以上5μm以下である高屈折率粒子とを含む遮熱塗料とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、薄膜でも反射率が高く太陽光による温度上昇が少なく、膜厚精度が高く、且つ耐摩耗性が高い遮熱膜、遮熱塗料、そのような遮熱膜を有する光学機器を提供することが出来る。
基材の上面に赤外線反射膜を形成した際の太陽光の反射および吸収の状態を示す断面模式図である。 レンズ鏡筒の断面模式図である。 粒子と樹脂界面の反射を示す断面模式図である。 分光光度計による反射率の測定形態模式図である。 温度の評価方法を示す模式図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
まず、太陽光の反射率向上のメカニズムを説明する。次に、太陽光の反射率を向上するための本発明の遮熱塗料、遮熱膜、およびそのような遮熱膜を有する光学機器について説明する。
本発明の光学機器は、レンズと、前記レンズを鏡筒の内部に備えたレンズ鏡筒を有する光学機器であって、前記レンズ鏡筒の外周表面の少なくとも一部に遮熱膜を有する。
なお、本発明において、「樹脂マトリックス」とは、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂およびこれらの組合せから選択される樹脂中に平均粒径が100nm以下の空孔含有粒子を含んでなるものを意味し、「空孔含有粒子」とは、中空構造または多孔質構造を含む粒子をいう。「高屈折率粒子」とは、d線屈折率が2.5以上3.2以下の粒子を意味する。
本発明において、「粒径」とは、粒子の体積より換算した直径であり、レーザー回折式粒度分布計により求められる。
また、本発明における「平均粒径」には、メジアン径を用いた。
[太陽光の反射率向上のメカニズム]
太陽光の波長は約0.3μmから約3μmの範囲であり、これらの波長の光が図1に示すように透過光3となると熱エネルギーに変換され、基材5が発熱する。よって、断熱層なしに太陽光による発熱を抑制するためには、入射光1に対する反射光2の比率を出来るだけ上げて内部への光の透過による発熱を抑制する必要がある。
太陽光の波長である0.3μmから3μmの範囲は粒径が数μmの粒子に対してはMie散乱の領域であり、Mie散乱の計算を行うと粒径が約1μm付近において、太陽光の反射率が最も高くなる。このため、太陽光の反射粒子の粒径は1μm付近であるのが一般的である。尚、Mie散乱の計算についてはLight Scattering Theory(Department of Mechanical and Aerospace Engineering University of Florida; David W. Hahn)の式を用いた。
本発明者は、反射率を更に向上させるため鋭意検討したところ、粒子の粒径および屈折率並びに樹脂の屈折率を適正な範囲とすることで、大きく反射率を向上させることが出来ることを見出した。
まず、d線屈折率が2.5以上3.2以下で平均粒径が2μm以上の粒子を用いると反射率が高くなることを見出した。この粒径はMie散乱の計算値の最適解である1μmより大きい。一般的なMie散乱の計算は入射光に対して、360°全ての方位の散乱の合計を計算する。しかし、入射光に対して実際に反射して膜外に出る光は後方散乱のみである。よって、粒径が大きい方が遮蔽効果が大きく前方散乱が少ないため、実際に反射率を向上するためには粒径が2μm以上である必要がある。また、平均粒径が5μmを超えると膜の凹凸が大きくなり膜厚精度が悪化する。従って、本願発明における上記粒子の平均粒径は2μm以上5μm以下となる。
更に、樹脂マトリックスの屈折率と粒子の屈折率の間には相関があり、粒子のd線屈折率が2.5以上3.2以下に対して樹脂マトリックスのd線屈折率が1.32以上1.42以下で最も反射率が高くなることを見出した。図3に示すように樹脂11の屈折率が高いと中空粒子10との屈折率差が小さくなり入射光1に対する反射光2の量が減少する。しかし、樹脂11の屈折率が低くなりすぎると中空粒子10との屈折率差が広がりすぎて中空粒子10内に入った光が粒子内での反射12を繰り返す。これにより、樹脂11側に出ることが出来ずに光が閉じ込められて逆に反射率が低下すると推測される。よって、粒子のd線屈折率が2.5以上3.2以下に対して樹脂マトリックスの1.32以上1.42以下で反射率を向上させて温度低減効果を高めることが出来る。
[光学機器用の遮熱塗料]
以下に、本発明の遮熱塗料の材料構成および本発明の遮熱塗料の製造方法について説明する。
《材料構成》
本発明の光学機器用遮熱塗料は、樹脂を溶剤に溶解した溶液中に、平均粒径が100nm以下の空孔含有粒子と、d線屈折率が2.5以上3.2以下の高屈折率粒子を含む。
(d線屈折率が2.5以上3.2以下の粒子(高屈折率粒子))
まず、本発明におけるd線屈折率が2.5以上3.2以下の高屈折率粒子について説明する。
本発明における高屈折率粒子には、最も好適な材料としてルチル型酸化チタン、アナターゼ型酸化チタンを用いることが出来る。また、色を調整する必要がある場合は、可視光領域に吸収を持つ酸化クロム、チタン、酸化銅、タングステン、白金、酸化鉄、ヘマタイト等の無機顔料やアゾ系の有機顔料を用いることができる。ただし、可視光から赤外領域での消衰係数が低い酸化チタンと比較して、特に可視光領域の消衰係数が高い材料は太陽光の反射率がやや低下する傾向にあるが、本発明の範囲に粒径を調整することでより高い太陽光の反射率を得ることが出来る。高屈折率粒子は1種類を単独で用いても複数を混合してもよい。
本発明における高屈折率粒子は、平均粒径が2μm以上5μm以下である。平均粒径が2μm未満になると太陽光の反射率が低下する。また、平均粒径が5μmを超えると膜の凹凸が大きくなり膜厚精度が悪化する。
また、本発明における高屈折率粒子はその粒子の表面が任意の有機材料や無機材料で被覆されていても構わない。また、形状は不定形であっても球形であっても燐片状であっても中空であっても構わないが、より好ましくは表面の凹凸が少ない形状である。
本発明における高屈折率粒子と空孔含有粒子を合わせた全粒子の含有量は、遮熱塗料に対して10重量%以上90重量%以下であることが好ましい。粒子の含有量が10重量%未満になると、基材まで到達する光が増加するため太陽光による反射率が低下する。また、粒子の含有量が90重量%を超えると塗膜の脆性が悪化する。
(平均粒径が100nm以下の空孔含有粒子)
次に、本発明における平均粒径が100nm以下の粒子について説明する。
本発明においては、上記したように、樹脂中に平均粒径が100nm以下の空孔含有粒子を含んで樹脂マトリックスを構成する。
本発明における平均粒径が100nm以下の空孔含有粒子は、樹脂の屈折率を下げる目的で用いられるため屈折率が低い材料が好ましい。一例としては、シリカ、MgF2、有機樹脂を用いることが出来る。好ましくは、中空シリカを用いることが出来る。
本発明における平均粒径が100nm以下の空孔含有粒子の形状は、中空になっていれば、多孔質構造が含まれていても構わない。
本発明における平均粒径が100nm以下の空孔含有粒子は球状であっても不定形であっても、楕円形であっても構わない。
中空粒子にはスルーリア(日揮)、シリナックス(日鉄鉱業)のいずれかを用いることができる。
本発明における空孔含有粒子の平均粒径は5nm以上100nm以下であることが好ましい。中空粒子の平均粒径を5nm未満に調整することは技術的に困難である。また、平均粒径が100nmを超えると、樹脂と中空粒子の界面で散乱が発生して反射率が低下する。
本発明における平均粒径が100nm以下の空孔含有粒子と樹脂から成る樹脂マトリックスのd線屈折率は1.32以上1.42以下であることが好ましい。d線屈折率の範囲については前述したとおりであるが、本発明における平均粒径が100nm以下の空孔含有粒子と樹脂から成る樹脂マトリックスのd線屈折率が1.32未満になると樹脂と高屈折率粒子の屈折率差が大きいために反射率が低下する。また、本発明の平均粒径が100nm以下の空孔含有粒子と樹脂から成る樹脂マトリックスのd線屈折率が1.42を超えると樹脂と高屈折率粒子の屈折率差が小さいために反射率が低下する。
本発明における平均粒径が100nm以下の空孔含有粒子の空孔率は10体積%以上90体積%以下であることが好ましい。空孔率が10体積%未満になると樹脂マトリックスのd線屈折率を1.42以下に下げることが困難になる。空孔率が90体積%を超えると粒子の強度が低下する。
本発明における平均粒径が100nm以下の空孔含有粒子の含有量は溶剤を除く遮熱塗料の全成分に対して、5体積%以上50体積%以下であることが好ましい。含有量が5体積%未満になると塗膜の屈折率を低下させることが困難である。また、含有量が50体積%を超えると塗膜の耐摩耗性が悪化する。
(樹脂)
次に、本発明の樹脂について説明する。
本発明における樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂およびこれらの組合せから選択される樹脂であり、好ましくはウレタンアクリレート樹脂が好ましい。
アクリル樹脂としては、アルマテックス784(三井化学)、アルマテックス785-5(三井化学)、アルマテックス748-5M(三井化学)、メタルロック(セメダイン)、ボンコート40-418-EF(DIC)、ボンコートCE-6400(DIC)のいずれかを用いることが出来る。
ウレタン樹脂としては、アデカポリエーテルBPX-21(ADECA)、アデカポリエーテルEDP-300(アデカ)、アデカニューエースV14-90(ADECA)のいずれかを用いることができる。また、ウレタン樹脂硬化剤としてはタケネートD110N(三井化学)、D160N(三井化学)、D120N(三井化学)、D140N(三井化学)のいずれかを用いることが出来る。ウレタン樹脂と硬化剤としてのイソシアネートは当量比が1:1になるように混合して用いることが出来る。
エポキシ樹脂としては、jER828(三菱化学)、jER1001(三菱化学)、834X90(三菱化学)、EP-4100(アデカ)、EP-5100-75X(アデカ)のいずれかを用いることが出来る。また、エポキシ樹脂硬化剤としては、アデカハードナーH30(アデカ)、アデカハードナー6019(アデカ)、アデカハードナーEH-551CH(アデカ)のいずれかを用いることが出来る。エポキシ樹脂と硬化剤については当量比が1:1になるように混合して用いることが出来る。
ウレタンアクリレート樹脂としては、オレスターQ164(三井化学)、オレスターQ691(三井化学)、オレスターQ723(三井化学)、オレスターQ628(三井化学)、AH-600(共栄社化学)、8965(ユピカ)のいずれかを用いることが出来る。また、ウレタンアクリレート用硬化剤としてはウレタン結合を含むタケネートD110N(三井化学)、D160N(三井化学)、D120N(三井化学)、D140N(三井化学)のいずれかを用いることが出来る。アクリル樹脂と硬化剤は当量比が1:1になるように混合して用いることが出来る。
また、樹脂の鉛筆硬度はH以上5H以下であることが好ましく、より好ましくは1H以上3H以下である。鉛筆硬度がH未満になると耐摩耗性が悪化する。また、鉛筆硬度が5Hを超えると熱衝撃に弱くなる。また、本発明の樹脂の含有量は遮熱塗料に対して5重量%以上50重量%以下であることが好ましく、より好ましくは7重量%以上35重量%以下である。本発明における樹脂の含有量が5重量%未満になると基材との密着性が悪化する。また、本発明における樹脂の含有量が50重量%を超えると、太陽光の反射率が悪化する。
(溶剤)
次に、溶剤について説明する。
溶剤としては、任意の材料を用いて良い。溶剤の一例としては、水、シンナー、エタノール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、トルエン、キシレン、アセトン、セロソルブ類、グリコールエーテル類、エーテル類等が挙げられる。これらの溶媒は、1種類を用いても複数の種類を混合して用いても良い。
遮熱塗料の好ましい粘度は、10mPa・s以上10000mPa・s以下である。遮熱塗料の粘度が10mPa・s未満になると塗布後の遮熱膜の膜厚が薄くなる箇所が生じる場合がある。また、10000mPa・sより大きくなると、遮熱塗料の塗工性が低下する。
(添加剤)
本発明の遮熱塗料は、その他の任意の添加剤を含んでいてもよい。その一例としては、分散剤、硬化剤、硬化触媒、可塑剤、チキソ性付与剤、レベリング剤、赤外線透過型有機着色剤、赤外線透過型無機着色剤、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、カップリング剤、d線屈折率が2.5以下の無機粒子および有機粒子、d線屈折率が3.2以上の無機粒子等が挙げられる。
分散剤は、DISPERBYK-118(ビックケミージャパン)、DISPERBYK-110(ビックケミージャパン)、DISPERBYK-111(ビックケミージャパン)、DISPERBYK-102(ビックケミージャパン)、DISPERBYK-190(ビックケミージャパン)、DISPERBYK-106(ビックケミージャパン)、DISPERBYK-180(ビックケミージャパン)、DISPERBYK-108(ビックケミージャパン)、デモールEP(花王)の中のいずれかを用いることができる。
《遮熱塗料の製造方法》
以下に本発明の遮熱塗料の製造方法について説明する。
本発明の遮熱塗料の製造方法としては本発明のd線屈折率が2.5以上3.2以下の高屈折率粒子および平均粒径が100nm以下の空孔含有粒子を塗料中に分散出来れば任意の方法を用いることが出来る。一例としては、ビーズミル、ボールミル、ジェットミル、三本ローラー、遊星回転装置、ミキサー、超音波分散機等が挙げられる。
[光学機器用の遮熱膜]
以下に本発明の遮熱膜の材料構成および膜構成について説明する。
《材料構成》
以下に本発明の光学機器用の遮熱膜の材料構成について説明する。
本発明の遮熱膜は、d線屈折率が2.5以上3.2以下の高屈折率粒子と、平均粒径が100nm以下の空孔含有粒子と、樹脂を含む。
(d線屈折率が2.5以上3.2以下の高屈折率粒子)
上記遮熱塗料を塗布して形成された遮熱膜において、本発明におけるd線屈折率が2.5以上3.2以下の高屈折率粒子の含有量は、遮熱膜に対して20体積%以上60体積%以下の割合であることが好ましい。高屈折率粒子の含有量が20体積%未満になると、基材まで到達する光が増加するため太陽光による反射率が低下する。また、高屈折率粒子の含有量が60体積%を超えると塗膜の脆性が悪化する。
(平均粒径が100nm以下の空孔含有粒子)
上記した本発明における平均粒径が100nm以下の空孔含有粒子の遮熱膜に対する含有量は、5体積%以上50体積%以下であることが好ましい。含有量が5体積%未満になると塗膜の屈折率を低下させることが困難である。また、含有量が50体積%を超えると塗膜の耐摩耗性が悪化する。
(樹脂)
上記樹脂の遮熱膜に対する含有量は10体積%以上75体積%以下であることが好ましく、より好ましくは20体積%以上70体積%以下である。本発明における樹脂の含有量が10体積%未満になると基材との密着性が悪化する。また、本発明における樹脂の含有量が78体積%を超えると、太陽光の反射率が悪化する。
(添加剤)
本発明の遮熱塗料は、樹脂マトリックスのd線屈折率が1.32以上1.42以下の範囲で収まる限り、樹脂マトリックスの一部としてその他の任意の添加剤を含んでいてもよい。その一例としては、分散剤、硬化剤、硬化触媒、可塑剤、チキソ性付与剤、レベリング剤、赤外線透過型有機着色剤、赤外線透過型無機着色剤、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、カップリング剤、d線屈折率が2.5以下の無機粒子および有機粒子、d線屈折率が3.2以上の無機粒子等が挙げられる。
《膜構成》
本発明の遮熱膜9は少なくとも基材5より外側に形成される。その形態としては、基材5と密着していてもよいし、基材5と遮熱膜9の間に密着性を向上させるプライマー層が設けられていてもよい。
(基材)
基材としては、任意の材料を用いることが出来るが、金属やプラスチックが好ましい。金属材料としては、アルミニウム、チタン、ステンレス、マグネシウム合金等が挙げられる。プラスチック材料の一例としては、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
また、基材の膜厚としては任意の厚みを持つことが出来るが、0.5mm以上5mm以下、より好ましくは0.5mm以上2mm以下であることが好ましい。膜厚が0.5mm未満になるとレンズ鏡筒の形状を保持することが困難である。また、膜厚が5mmを超えると部材のコストが高くなる。
(プライマー層)
プライマー層には、任意の材料を用いることが出来るが、一例としてはエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。また、プライマー層には本発明の粒子や本発明以外の粒子、着色剤、分散剤、硬化剤、硬化触媒、可塑剤、チキソ性付与剤、レベリング剤、有機着色剤、無機着色剤、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、カップリング剤、溶媒の残渣が含まれていても構わない。
また、プライマー層の膜厚としては2μm以上30μm以下が好ましく、5μm以上20μm以下がより好ましい。膜厚が2μm未満では膜の密着性が低下することがあり、30μmを超えると膜厚精度に悪影響をおよぼすことがある。
(本発明の遮熱膜の膜厚)
本発明の遮熱膜の平均膜厚は10μm以上70μm以下であることが好ましい。膜厚が10μm未満になると、基材側に光が透過して太陽光の反射率が悪化する。膜厚が70μmを超えると膜厚精度が悪化する。平均膜厚は、規格値に対して±10μmであることが好ましい。
《本発明の遮熱膜の形成方法》
本発明の遮熱膜は、好ましくは10μm以上70μm以下の平均膜厚となるように本発明の遮熱塗料を均一に塗布出来れば任意の塗布方法および効果方法を用いることが出来る。
本発明の光学機器用の遮熱膜の塗布方法の一例としては、ハケ塗り、スプレー塗布、ディップコーティング、転写等が挙げられる。また、遮熱膜は1層塗りであっても、多層塗りであっても構わないし、意匠性を出すためにシボ加工されていても良い。
また、本発明の光学機器用の遮熱膜の硬化方法としては室温放置しても構わないし、任意の熱により硬化を促進しても、紫外線を与えても構わない。熱を与えて硬化させる方法としては、加熱炉、ヒーター、赤外線加熱等が挙げられる。硬化温度としては、室温から400℃が好ましく更に好ましくは、室温から200℃である。
[実施例]
以下に、本発明における好適な実施例について説明する。
実施例1から13における遮熱塗料の調製、遮熱膜の作製、反射率の評価、温度の評価、鉛筆硬度、膜厚精度の評価は下記のように行った。
〈反射率の測定方法〉
反射率は図4に示すように、分光光度計(U-4000;日立ハイテク)を用いて測定した。
測定用のサンプルには30mm角で厚みが1mmの金属板に本発明の遮熱膜を形成して用いた。金属板には、ステンレス、アルミニウム、チタン、マグネシウム合金等の中のいずれかを用いた。また、金属板の表面にスピンコーターで所望の膜厚になるように本発明の遮熱膜を塗布し、焼成した。
次に、反射率の測定方法を説明する。図4に示すように積分球13に対して波長400nm〜2600nmの入射光1を入射させた。まず、入射光1に対して入射角を5°傾けた試験片を試験片取り付け部14に100%反射が起こるアルミナ焼結体のブランクを設置し、ベースライン測定を行った。続いて、試験片取り付け部14にブランクの替わりに本発明の遮光膜を形成した試験片を設置し、400nm〜2600nmの光を入射させ、検出器15で検出して反射率を測定した。また、反射率は400nm〜2600nmにおいて1nmおきの平均反射率の値を記載した。反射率は温度の評価結果と相関があり、90%以上で下記の温度評価結果において良好な値を示した。このことより、反射率が90%以上であれば良好な遮熱膜であると言える。
〈温度低減効果の評価方法〉
図5は温度の評価方法を示す模式図である。図5に示すように、温度測定には、ランプ16、温度測定用治具19および温度評価用の試験片17を用いた。
温度評価用の試験片17には、100mm角で厚みが1mmの金属板に本発明の遮熱膜を形成して用いた。金属板には、ステンレス、アルミニウム、チタン、マグネシウム合金等の中のいずれかを用いた。また、金属板の表面にスピンコーターで所望の膜厚になるように本発明の遮熱膜を塗布し、焼成した。温度測定用治具19には、表面が白色で120mm×120mm×120mmの段ボールを用い、温度評価用の試験片17取り付け部分に90mm×90mm角の窓部を設けた。
また、ランプ16にはハイラックスMT150FD6500K(岩崎電気)を用いた。
次に、温度測定用治具19に温度評価用の試験片17を取り付け、温度評価用の試験片17の裏面に熱電対を取り付けた。温度評価用の試験片17が取り付けられた温度測定用治具19をランプ16との距離が100mmになるように設置した。次にランプ16を60分間照射し、60分後の温度を測定した。
温度低減効果は、温度評価用の試験片17の表面に黒色のブランクを形成して温度測定し、実施例の遮熱膜の温度測定結果との差分を計算して温度遮熱効果とした。
黒色のブランクとしてはカーボンブラック(MA100;三菱化学)20g、エポキシ樹脂(jER828;三菱化学)100g、アミン硬化剤(ST11;三菱化学)70g、シンナー20gを遊星回転装置で混合した塗料を温度評価用の試験片17の表面に塗布し、焼成して作製した。
温度低減効果が10℃以上であれば良好(下記表:良)な遮熱膜であると評価した。また、温度低減効果が10℃未満になると、良好な遮熱膜ではない(下記表:不良)。
〈膜厚精度の評価方法〉
以下に、膜厚精度の評価方法について説明する。光学機器は位置精度が厳しいが、膜厚精度がばらつくと位置精度が悪化する。膜厚精度評価用のサンプルには30mm角で厚みが1mmの金属板に本発明の遮熱膜を所望の膜厚になるようにスプレーで本発明の遮熱膜を塗布し、焼成した。評価用のサンプルは20枚用意し、1枚につきマイクロメーターで5か所の膜厚を測定してその平均値を算出し膜厚とした。また20枚の試験片の膜厚の平均値を算出し、平均値からの最大ズレ量を膜厚ばらつきの値とした。尚、最大ズレ量とは20枚の試験片×5か所で合計100か所についての最大ズレ量とした。
膜厚ばらつきが±10μm以内の精度であれば良好(下記表:良)な遮熱膜と評価した。膜厚ばらつきが±10μmを超えると、位置精度が悪化するので光学機器として使用することが困難(下記表:不良)になる。
〈鉛筆硬度の評価方法〉
以下に鉛筆硬度の評価方法について説明する。膜厚精度評価用のサンプルには30mm角で厚みが1mmの金属板に本発明の遮熱膜を所望の膜厚になるようにスプレーで塗布し、焼成した。鉛筆硬度についてはH以上あれば良好な遮熱膜と言える。よって、試験用の鉛筆には三菱鉛筆ハイユニHを用い、♯400サンドペーパーで垂直に芯出しを行った。鉛筆の押し当て角度は45°で、10Nの圧力をかけて10mmの距離を移動させた。試験回数は5回とし、全て傷が無い遮熱膜を(下記表:良(鉛筆硬度H以上))とし、傷や剥がれが見られる膜を(下記表:不良(鉛筆硬度H未満))とした。
(実施例1)
<遮熱塗料の調製>
実施例1は、以下の方法で遮熱塗料を作製した。酸化チタン(HT0210(東邦チタニウム;平均粒径2μm))210g、アクリル樹脂35g(アルマテックス784(三井化学))、中空シリカ100g(スルーシア(日揮):50%空孔率)、分散剤2.4g(DISPERBYK-180(ビックケミージャパン))、溶剤30g(酢酸ブチル)を秤量し、遊星回転装置(泡取練太郎;シンキー)にて10分間撹拌して、実施例1の遮熱塗料を得た。
<遮熱膜の作製>
実施例1では、表1に記載される材料および条件の下、以下の方法で遮熱膜を作製した。上記の遮熱塗料を反射率測定用の試験片、温度評価用の試験片17、膜厚精度評価用の試験片に膜厚が40μmになるように塗布し、130℃で1時間硬化させ、実施例1の遮熱膜を得た。
(実施例2〜13)
実施例2〜13では、表1〜3の材料および条件にする以外は実施例1と同様にして、遮熱膜を作製した。
酸化チタン、中空シリカ、ウレタンアクリレートについては、全ての実施例および比較例において同一のものを用いた。
平均粒径が5μmの酸化チタンについては、粒径が80nmの酸化チタンを、ロータリーキルンで低温で乾燥させた後に、1100℃の温度で2時間焼成、粉砕して作製した。平均粒径が1μmの粒子としてはJR-1000(テイカ)を用いた。
Figure 0006797548
Figure 0006797548
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〈評価結果〉
上記の方法により、実施例1から13の遮熱膜の反射率および温度低減効果を評価した結果を、表4〜6に記す。
測定結果としては、遮熱膜の反射率は90%以上であることが好ましい。また、温度低減効果はブランクとの差分が10℃以上あることが好ましい。また、鉛筆硬度はH以上であることが好ましい。また、膜厚精度は±10μm以内であることが好ましい。
実施例1では、平均粒径が2μmの酸化チタンとアクリル樹脂と中空シリカを用い、アクリル樹脂と中空シリカから成る樹脂マトリックスの屈折率が1.41になるように調整した。得られた遮熱膜の反射率と温度低減効果、鉛筆硬度、膜厚精度を評価した結果を表4に示す。反射率の評価結果は、97%であり良好であった。また、温度低減効果は10℃以上あり良好であった。また、鉛筆硬度はH以上であり良好であった。また、膜厚精度の評価結果は±10μm以内であり、良好であった。
実施例2では、実施例1に対し、ウレタン樹脂(アデカポリエーテルBPX-21(アデカ))を用いた。得られた遮熱膜の反射率と温度低減効果、鉛筆硬度、膜厚精度を評価した結果を表4に示す。反射率の評価結果は、97%であり良好であった。また、温度低減効果は10℃以上あり良好であった。また、鉛筆硬度はH以上であり良好であった。また、膜厚精度の評価結果は±10μm以内であり、良好であった。
実施例3では、実施例1に対し、エポキシ樹脂(iER828(三菱化学))を用いた。得られた遮熱膜の反射率と温度低減効果、鉛筆硬度、膜厚精度を評価した結果を表4に示す。反射率の評価結果は、95%であり良好であった。また、温度低減効果は10℃以上あり良好であった。また、鉛筆硬度はH以上であり良好であった。また、膜厚精度の評価結果は±10μm以内であり、良好であった。
実施例4では、実施例1に対し、ウレタンアクリレート(オレスターQ691(三菱化学))を用いた。得られた遮熱膜の反射率と温度低減効果、鉛筆硬度、膜厚精度を評価した結果を表4に示す。反射率の評価結果は、98%であり良好であった。また、温度低減効果は10℃以上あり良好であった。また、鉛筆硬度はH以上であり良好であった。また、膜厚精度の評価結果は±10μm以内であり、良好であった。
実施例5では、実施例1に対し、ウレタンアクリレート(オレスターQ691(三菱化学))を用い、更に樹脂マトリックスのd線屈折率を1.32に調整した遮熱膜を用いた。得られた遮熱膜の反射率と温度低減効果、鉛筆硬度、膜厚精度を評価した結果を表4に示す。反射率の評価結果は、94%であり良好であった。また、温度低減効果は10℃以上あり良好であった。また、鉛筆硬度はH以上であり良好であった。また、膜厚精度の評価結果は±10μm以内であり、良好であった。
実施例6では、実施例1に対し、ウレタンアクリレート(オレスターQ691(三菱化学))を用い、更に樹脂マトリックスのd線屈折率を1.30に調整した遮熱膜を用いた。得られた遮熱膜の反射率と温度低減効果、鉛筆硬度、膜厚精度を評価した結果を表5に示す。反射率の評価結果は、94%であり良好であった。また、温度低減効果は10℃以上あり良好であった。また、鉛筆硬度はH以上であり良好であった。また、膜厚精度の評価結果は±10μm以内であり、良好であった。ただし、膜厚を200μm以上にして、温度衝撃を加えると膜割れが生じることがあった。
実施例7では、実施例1に対し、ウレタンアクリレート(オレスターQ691(三菱化学))を用い、更に樹脂マトリックスのd線屈折率を1.48に調整した遮熱膜を用いた。得られた遮熱膜の反射率と温度低減効果、鉛筆硬度、膜厚精度を評価した結果を表5に示す。反射率の評価結果は、91%であり若干劣るものの良好であった。また、温度低減効果は10℃以上あり良好であった。また、鉛筆硬度はH以上であり良好であった。また、膜厚精度の評価結果は±10μm以内であり、良好であった。
実施例8では、実施例1に対し、平均粒径が5μmの酸化チタンを用い、ウレタンアクリレート(オレスターQ691(三菱化学))を用い、樹脂マトリックスのd線屈折率を1.39に調整した。得られた遮熱膜の反射率と温度低減効果、鉛筆硬度、膜厚精度を評価した結果を表5に示す。反射率の評価結果は、95%であり良好であった。また、温度低減効果は10℃以上あり良好であった。また、鉛筆硬度はH以上であり良好であった。また、表面に多少の凹凸が発生したものの膜厚精度の評価結果は±10μm以内であり、良好であった。
実施例9では、実施例1に対し、平均粒径が1μmの酸化チタンと平均粒径が2μmの酸化チタンを併用し、ウレタンアクリレート(オレスターQ691(三菱化学))を用い、樹脂マトリックスのd線屈折率を1.39に調整した。得られた遮熱膜の反射率と温度低減効果、鉛筆硬度、膜厚精度を評価した結果を表5に示す。反射率の評価結果は、95%であり良好であった。また、温度低減効果は10℃以上あり良好であった。また、鉛筆硬度はH以上であり良好であった。また、膜厚精度の評価結果は±10μm以内であり、良好であった。
実施例10では、実施例1に対し、平均粒径が2μmの酸化チタンの含有量を22体積%に調整し、ウレタンアクリレート(オレスターQ691(三菱化学))を用い、樹脂マトリックスのd線屈折率を1.39に調整した。得られた遮熱膜の反射率と温度低減効果、鉛筆硬度、膜厚精度を評価した結果を表5に示す。反射率の評価結果は、95%であり良好であった。また、温度低減効果は10℃以上あり良好であった。また、鉛筆硬度はH以上であり良好であった。また、膜厚精度の評価結果は±10μm以内であり、良好であった。
実施例11では、実施例1に対し、平均粒径が2μmの酸化チタンの含有量を59体積%に調整し、ウレタンアクリレート(オレスターQ691(三菱化学))を用い、樹脂マトリックスのd線屈折率を1.39に調整した。得られた遮熱膜の反射率と温度低減効果、鉛筆硬度、膜厚精度を評価した結果を表6に示す。反射率の評価結果は、98%であり良好であった。また、温度低減効果は10℃以上あり良好であった。また、鉛筆硬度はH以上であり良好であった。また、膜厚精度の評価結果は±10μm以内であり、良好であった。
実施例12では、実施例1に対し、平均粒径が2μmの酸化チタンの含有量を20体積%に調整し、ウレタンアクリレート(オレスターQ691(三菱化学))を用い、樹脂マトリックスのd線屈折率を1.39に調整した。得られた遮熱膜の反射率と温度低減効果、鉛筆硬度、膜厚精度を評価した結果を表6に示す。反射率の評価結果は、94%であり良好であった。また、温度低減効果は10℃以上あり良好であった。また、鉛筆硬度はH以上であり良好であった。また、膜厚精度の評価結果は±10μm以内であり、良好であった。
実施例13では、実施例1に対し、平均粒径が2μmの酸化チタンの含有量を60体積%に調整し、ウレタンアクリレート(オレスターQ691(三菱化学))を用い、樹脂マトリックスのd線屈折率を1.39に調整した。得られた遮熱膜の反射率と温度低減効果、鉛筆硬度、膜厚精度を評価した結果を表6に示す。反射率の評価結果は、98%であり良好であった。また、温度低減効果は10℃以上あり良好であった。また、鉛筆硬度はH以上であり良好であった。また、膜厚精度の評価結果は±10μm以下であり、良好であった。ただし、膜厚を200μm以上にして温度衝撃を与えると酸化チタンの無機顔料分が多いため膜割れが生じることがあった。
Figure 0006797548
Figure 0006797548
Figure 0006797548
[比較例1〜7]
比較のための遮熱塗料の調整、遮熱膜の作製、反射率の評価、温度低減効果の評価、膜厚精度の評価、鉛筆硬度の評価は、前述の実施例1〜13と同様に行った。実施例1〜13と異なる点について以下に示す。
フッソ系樹脂としては、Poly(2,2,3,3-tetrafluoropropyl methacrylate)(アルドリッチ)、Poly(2,2,3,3-tetrafluoropropyl acrylate)(アルドリッチ)、Poly(2,2,2-trifluoroethyl methacrylate)(アルドリッチ)、ゼッフル(ダイキン)のいずれかを用いることが出来る。
酸化亜鉛としては、平均粒径が3.8μmの酸化亜鉛粒子♯F(堺化学)を用いた。
シリコン粒子としては、平均粒径が5μmのシリコンSIE23PB(高純度化学)を用いた。
平均粒径が7μmの酸化チタンについては、粒径が80nmの酸化チタンを、ロータリーキルンで低温で乾燥させた後に、1100℃の温度で2時間焼成、粉砕して作製した。
平均粒径が100nm以上の中空粒子としては架橋スチレンアクリル中空粒子(1次粒径300nm;安達新産業)を用いた。
表7、8に比較例1〜7の遮熱膜を構成する材料および添加量を示す。
表9、10に比較例1〜7の遮熱膜を用いて評価した結果をそれぞれ示す。
比較例1では、実施例1に対して塗膜硬度の低いフッ素樹脂(ゼッフル(ダイキン))を用いた。得られた遮熱膜の反射率と温度低減効果、鉛筆硬度、膜厚精度を評価した結果を表9に示す。反射率の評価結果は、95%であり良好であった。また、温度低減効果は10℃以上あり良好であった。鉛筆硬度はH未満であり硬度が不足していた。また、膜厚精度の評価結果は±10μm以内であり、良好であった。
比較例2では、実施例1に対し、平均粒径が1μmと粒径の小さな酸化チタンを用いた。得られた遮熱膜の反射率と温度低減効果、鉛筆硬度、膜厚精度を評価した結果を表9に示す。反射率の評価結果は、83%であり反射率90%に満たなかった。また、温度低減効果は10℃未満であり効果が低かった。鉛筆硬度はH以上であり良好であった。また、膜厚精度の評価結果は±10μm以内であり、良好であった。
比較例3では、実施例1に対し、d線屈折率が2と屈折率が低い酸化亜鉛用いた。得られた遮熱膜の反射率と温度低減効果、鉛筆硬度、膜厚精度を評価した結果を表9に示す。反射率の評価結果は、78%であり反射率90%に満たなかった。また、温度低減効果は10℃未満であり効果が低かった。鉛筆硬度はH以上であり良好であった。また、膜厚精度の評価結果は±10μm以内であり、良好であった。
比較例4では、実施例1に対し、d線屈折率が4と屈折率が高いシリコンを用いた。得られた遮熱膜の反射率と温度低減効果、鉛筆硬度、膜厚精度を評価した結果を表9に示す。反射率の評価結果は、75%であり反射率90%に満たなかった。また、温度低減効果は10℃未満であり効果が低かった。鉛筆硬度はH以上であり良好であった。また、膜厚精度の評価結果は±10μm以内であり、良好であった。
比較例5では、実施例1に対し、平均粒径が7μmで粒径の大きな酸化チタンを用いた。得られた遮熱膜の反射率と温度低減効果、鉛筆硬度、膜厚精度を評価した結果を表9に示す。反射率の評価結果は、94%であり良好であった。また、温度低減効果は10℃以上であり良好であった。鉛筆硬度はH以上であり良好であった。ただし、膜厚精度の評価結果は±10μmを超えており、悪かった。
なお、比較例6では、実施例1に対し、平均粒径が100nm以上の中空粒子(架橋スチレンアクリル中空粒子(1次粒径300nm;安達新産業))を用いた。得られた遮熱膜の反射率と温度低減効果、鉛筆硬度、膜厚精度を評価した結果を表10に示す。反射率の評価結果は、88%であり反射率90%に満たなかった。また、温度低減効果は10℃未満であり効果が低かった。鉛筆硬度はH以上であり良好であった。また、膜厚精度の評価結果は±10μm未満であり、良好であった。
比較例7では、実施例1に対し、平均粒径が100nm以下の粒子として中実粒子を用いた。得られた遮熱膜の反射率と温度低減効果、鉛筆硬度、膜厚精度を評価した結果を表10に示す。反射率の評価結果は、83%であり反射率90%に満たなかった。また、温度低減効果は10℃未満であり効果が低かった。鉛筆硬度はH以上であり良好であった。また、膜厚精度の評価結果は±10μm以内であり、良好であった。
Figure 0006797548
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Figure 0006797548
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本発明の光学機器用の遮光膜は、屋外で使用される部材や精密機器に利用することができる。
1.入射光
2.反射光
3.透過光
4.赤外線反射膜
5.基材
6.レンズ
7.嵌合部分
8.レンズ鏡筒
9.遮熱膜
10.粒子
11.樹脂
12.粒子内の反射
13.積分球
14.試験片取り付け部
15.検出器
16.ランプ
17.温度評価用の試験片
18.温度測定箇所
19.温度測定用治具

Claims (25)

  1. レンズと、前記レンズを鏡筒の内部に備えたレンズ鏡筒を有する光学機器であって、
    前記レンズ鏡筒の外周表面の少なくとも一部に遮熱膜を有し、
    前記遮熱膜は、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、およびこれらの組合せ、の中から選択される樹脂中に、d線屈折率が2.5以上3.2以下であって平均粒径が2μm以上5μm以下である第1の粒子と、平均粒径が5nm以上100nm以下であって、空孔を含有する第2の粒子とを含んでいることを特徴とする光学機器。
  2. 前記第1の粒子を前記遮熱膜に対して20体積%以上60体積%以下の割合で含む請求項1に記載の光学機器。
  3. 前記第1の粒子が酸化チタンからなる請求項1または2に記載の光学機器。
  4. 前記第2の粒子が中空粒子である請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学機器。
  5. 前記第2の粒子がシリカである請求項4に記載の光学機器。
  6. 前記第2の粒子が前記遮熱膜に対して5体積%以上50体積%以下の割合で含まれる請求項1〜のいずれか一項に記載の光学機器。
  7. 前記樹脂の鉛筆硬度がH以上5H以下である請求項1〜のいずれか一項に記載の光学機器。
  8. 前記遮熱膜が10μm以上70μm以下の平均膜厚を有する請求項1〜のいずれか一項に記載の光学機器。
  9. ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、およびこれらの組合せ、の中から選択される樹脂中に、d線屈折率が2.5以上3.2以下であり平均粒径が2μm以上5μm以下である第1の粒子と、平均粒径が5nm以上100nm以下であって、空孔を含有する第2の粒子を含むことを特徴とする遮熱膜。
  10. 前記第1の粒子を前記遮熱膜に対して20体積%以上60体積%以下の割合で含む請求項に記載の遮熱膜。
  11. 前記第1の粒子が酸化チタンからなる請求項または10に記載の遮熱膜。
  12. 前記第2の粒子が中空粒子である請求項11のいずれか一項に記載の遮熱膜。
  13. 前記第2の粒子がシリカである請求項12に記載の遮熱膜。
  14. 前記第2の粒子が前記遮熱膜に対して5体積%以上50体積%以下の割合で含まれる請求項13のいずれか一項に記載の遮熱膜。
  15. 前記樹脂の鉛筆硬度がH以上5H以下である請求項14のいずれか一項に記載の遮熱膜。
  16. 10μm以上70μm以下の平均膜厚を有する請求項15のいずれか一項に記載の遮熱膜。
  17. ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、およびこれらの組合せ、の中から選択される樹脂を溶剤に溶解した溶液中に、d線屈折率が2.5以上3.2以下で平均粒径が2μm以上5μm以下である第1の粒子と、平均粒径が5nm以上100nm以下であって、空孔を含有する第2の粒子と、を含む遮熱塗料。
  18. ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、およびこれらの組合せ、の中から選択される樹脂を溶剤に溶解した溶液中に、d線屈折率が2.5以上3.2以下で平均粒径が2μm以上5μm以下である第1の粒子と、平均粒径が5nm以上100nm以下であって、空孔を含有する第2の粒子と、を含む遮熱塗料を塗布し遮熱膜を形成する工程を有することを特徴とする光学機器の製造方法。
  19. 前記第1の粒子を前記遮熱膜に対して20体積%以上60体積%以下の割合で含む請求項18に記載の光学機器の製造方法。
  20. 前記第1の粒子が酸化チタンからなる請求項18または19に記載の光学機器の製造方法。
  21. 前記第2の粒子が中空粒子である請求項18〜20のいずれか一項に記載の光学機器の製造方法。
  22. 前記第2の粒子がシリカである請求項21に記載の光学機器の製造方法。
  23. 前記第2の粒子が前記遮熱膜に対して5体積%以上50体積%以下の割合で含まれる請求項18〜22のいずれか一項に記載の光学機器の製造方法。
  24. 前記樹脂の鉛筆硬度がH以上5H以下である請求項18〜23のいずれか一項に記載の光学機器の製造方法。
  25. 前記遮熱膜が10μm以上70μm以下の平均膜厚を有する請求項18〜24のいずれか一項に記載の光学機器の製造方法。
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