JP6796791B2 - 金属張積層板、プリント配線板、金属張積層板の製造方法及びプリント配線板の製造方法 - Google Patents

金属張積層板、プリント配線板、金属張積層板の製造方法及びプリント配線板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、金属張積層板、プリント配線板、金属張積層板の製造方法及びプリント配線板の製造方法に関する。
近年、電子機器の高機能化、高密度化に伴い、電子部品は、ますます小型化、高集積化、高速化、多ピン化の傾向にある。これに伴って、プリント配線板も高密度化、小径化、軽量化、薄板化の要求が高まってきている。特に、厚さが薄いプリント配線板は反りが発生しやすい。
厚さが薄くても反りが発生しにくい銅張積層板として、特許文献1,2には、無機充填材を含有するプリプレグを複数枚重ね、その片面又は両面に銅箔を配置し、多段真空プレス法により積層成形して得られる銅張積層板が開示されている。
特開2011−195476号公報 特開2012−052110号公報
しかしながら、特許文献1,2に記載のような多段真空プレス法により得られる銅張積層板では、薄板化の要求に十分に対応できないおそれがあった。
また、多層プリント配線板の製造において、内層基板の導体回路を絶縁層内に埋め込まなければならない。多段真空プレス法により得られる多層プリント配線板では、内層基板の導体回路の絶縁層内への埋め込みが不十分となって絶縁層内に気泡残りが発生することがある。このことが原因となって半田付け実装時に、層間剥離が発生するおそれがあった。従来、この層間剥離の発生を防止するためには、絶縁層を構成する樹脂の量を増加させなければならず、その結果、絶縁層の厚さが増し、多層プリント配線板の薄板化に限界があった。さらに、絶縁層を構成する樹脂の量を増加させたことにより、弾性率が低下し、多層プリント配線板の反りが発生しやすくなるおそれがあった。
そこで、薄板化に十分に対応でき、厚さが薄くても、半田付け実装時に層間剥離が発生しにくく、温度変化による反り量が抑制されたプリント配線板とすることができる金属張積層板、プリント配線板、金属張積層板の製造方法及びプリント配線板の製造方法を提供することを目的とする。
第一の発明に係る金属張積層板は、第一面及び第二面を有する絶縁層と、前記絶縁層の前記第一面上に積層された第一の金属層と、前記絶縁層の前記第二面上に積層された第二の金属層とを備え、前記絶縁層は、補強材と前記補強材に含浸した熱硬化性樹脂組成物の硬化物とを含み、前記第一の金属層と前記第二の金属層との層間厚さTa1と、前記補強材の厚さTb1との関係が、0 ≦ Ta1−Tb1 ≦ 2μm であることを特徴とする。
第二の発明に係る金属張積層板は、第一の絶縁層と、前記第一の絶縁層上に積層された導体回路と、前記第一の絶縁層及び前記導体回路上に積層された第二の絶縁層と、前記第二の絶縁層上に積層された金属層とを備え、前記第二の絶縁層は、補強材と前記補強材に含浸した熱硬化性樹脂組成物の硬化物とを含み、前記導体回路と前記金属層との層間厚さTa2と、前記補強材の厚さTb2との関係が、0 ≦ Ta2−Tb2 ≦ 2μm であることを特徴とする。
第三の発明に係るプリント配線板は、第一の絶縁層と、前記第一の絶縁層上に積層された第一の導体回路と、前記第一の絶縁層及び前記第一の導体回路上に積層された第二の絶縁層と、前記第二の絶縁層上に積層された第二の導体回路とを備え、前記第二の絶縁層は、補強材と前記補強材に含浸した熱硬化性樹脂組成物の硬化物とを含み、前記第一の導体回路と前記第二の導体回路との層間厚さTa3と、前記補強材の厚さTb3との関係が、0 ≦ Ta3−Tb3 ≦ 2μm であることを特徴とする。
第四の発明に係る金属張積層板の製造方法は、両面又は片面に導体回路を備えたコア基板を準備する準備工程と、前記導体回路を備える面上にプリプレグ及び金属箔をこの順に積層することで積層物を作製する積層工程と、回動する一対のエンドレスベルト間に前記積層物を連続的に供給し、前記一対のエンドレスベルト間で、前記積層物を加熱加圧成形する加熱加圧成形工程とを含み、前記プリプレグは、補強材と前記補強材に含浸した熱硬化性樹脂組成物とを含み、加熱加圧成形後の前記導体回路と前記金属箔との層間厚さTa4と、前記補強材の厚さTb4との関係が、0 ≦ Ta4−Tb4 ≦ 2μm であることを特徴とする。
第五の発明に係るプリント配線板の製造方法は、前記金属張積層板の製造方法で金属張積層板を製造し、前記金属箔に配線形成処理を施すことを特徴とする。
本発明によれば、薄板化に十分に対応でき、厚さが薄くても、半田付け実装時に層間剥離が発生しにくく、温度変化による反り量が抑制されたプリント配線板とすることができる。
図1は、本発明の第一実施形態に係る金属張積層板の概略断面図である。 図2は、本発明の第二実施形態に係る金属張積層板の概略断面図である。 図3は、本発明の実施形態に係るプリント配線板の概略断面図である。 図4A〜Dは、本発明の第一実施形態に係る金属張積層板の製造方法を説明するための説明図である。 図5は、ダブルベルトプレス装置の概略図である。 図6A〜Dは、本発明の第二実施形態に係る金属張積層板の製造方法を説明するための説明図である。 図7は、本発明の第三実施形態に係る金属張積層板の概略断面図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。
〔第一実施形態に係る金属張積層板100〕
図1は、本発明の第一実施形態に係る金属張積層板100の概略断面図である。
金属張積層板100は、図1に示すように、第一面10a及び第二面10bを有する絶縁層10と、第一の金属層20と、第二の金属層30とを備える。第一の金属層20は、絶縁層10の第一面10a上に積層されている。第二の金属層30は、絶縁層10の第二面10b上に積層されている。絶縁層10は、補強材11と補強材11に含浸した熱硬化性樹脂組成物の硬化物12とを含む。
第一実施形態において、図1に示すように、第一の金属層20と第二の金属層30との層間厚さTa1と、補強材11の厚さTb1との厚み差(Ta1−Tb1)は、0 ≦ Ta1−Tb1 ≦ 2μm、好ましくは1μm≦ Ta1−Tb1 ≦ 2μmである。厚み差(Ta1−Tb1)が2μmを超えると、プリント配線板の薄板化に十分に対応できないおそれがある。また、厚み差(Ta1−Tb1)の範囲が1μm以上2μm以下であれば、補強材11と第一の金属層20及び第二の金属層30(以下、金属層20,30という場合がある)とが接しにくく、金属張積層板100は電気的信頼性により優れる。
層間厚さTa1、補強材11の厚さTb1は、実施例に記載の方法と同様にして測定することができる。厚み差(Ta1−Tb1)を上記範囲内とするには、例えば、後述するように、加熱温度を急激に上昇できるダブルベルトプレス法により金属張積層板100を作製すればよい。また、絶縁層10が補強材11及び補強材11に含有した熱硬化性樹脂組成物の半硬化物(Bステージ状態)を含むプリプレグを複数枚重ねた積層体を硬化したものである場合、補強材11の厚さTb1は、複数の補強材の厚さと隣接する補強材間の熱硬化性樹脂組成物の硬化物の厚さとの合計を指し、上述した補強材11の厚さTb1と同様に測定すればよい。
金属張積層板100の板厚は、好ましくは14〜90μm、より好ましくは16〜87μmである。第一の金属層20と第二の金属層30との層間厚さTa1は、好ましくは10〜50μm、より好ましくは12〜47μmである。第一の金属層20と補強材11との間の厚さ、及び第二の金属層30と補強材11との間の厚さの関係としては、厚み差(Ta1−Tb1)が上記範囲内であれば特に限定されず、例えば、第一の金属層20と補強材11との間の厚さと、第二の金属層30と補強材11との間の厚さとは同一である場合;第一の金属層20と補強材11との間の厚さが2μmで、第二の金属層30と補強材11との間の厚さが0μmである場合;第一の金属層20と補強材11との間の厚さが0μmで、第二の金属層30と補強材11との間の厚さが2μmである場合などが挙げられる。
金属張積層板100のはんだ耐熱性は、好ましくは260℃以上、より好ましくは288℃以上である。金属張積層板100のはんだ耐熱性が上記範囲内であれば、半田付け実装時に層間剥離がより発生しにくいプリント配線板とすることができる。はんだ耐熱性は、実施例に記載の方法と同様にして測定することができる。
金属張積層板100の反り量は、好ましくは20mm以下、より好ましくは10mm以下である。金属張積層板100の反り量が上記範囲内であれば、温度変化による反り量がより抑制されたプリント配線板とすることができる。反り量は、実施例に記載の方法と同様にして測定することができる。
(絶縁層10)
絶縁層10は、補強材11と、補強材11に含浸した熱硬化性樹脂組成物の硬化物12とを含む。
補強材11としては、例えば、ガラス繊維からなる織布又は不織布;アラミド繊維、PBO(ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール)繊維、PBI(ポリベンゾイミダゾール)繊維、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)繊維、PBZT(ポリパラフェニレンベンゾビスチアゾール)繊維、全芳香族ポリエステル繊維などの有機繊維からなる織布又は不織布;ガラス繊維以外の無機繊維からなる織布又は不織布;などを用いることができる。補強材11の織組織は特に限定されず、例えば平織、綾織などが挙げられる。ガラス繊維のガラス組成としては、例えば、Eガラス、Dガラス、Sガラス、NEガラス、Tガラス、石英などが挙げられる。補強材11は開繊処理を施されたものや、シランカップリング剤等で表面処理が施されたものであってもよい。
熱硬化性樹脂組成物の硬化物12を構成する熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂を含有し、熱硬化性樹脂の他に、硬化剤、硬化促進剤、無機充填材、難燃剤などを含有していてもよい。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂などを用いることができる。硬化剤としては、第1級アミンや第2級アミンなどのジアミン系硬化剤、2官能以上のフェノール系硬化剤、酸無水物系硬化剤、ジシアンジアミド、低分子量ポリフェニレンエーテル化合物などを用いることができる。硬化促進剤としては、例えば、2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4MZ)等のイミダゾール系化合物、第3級アミン系化合物、有機ホスフィン化合物、金属石鹸などを用いることができる。無機充填材としては、例えば、シリカ、三酸化モリブデン等のモリブデン化合物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、タルク、クレー、マイカ等が挙げられる。これらを単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。無機充填材の含有量は、熱硬化性樹脂及び硬化剤の総質量100質量部に対して、好ましくは20〜200質量部である。難燃剤としては、臭素含有化合物等のハロゲン系難燃剤、リン含有化合物及び窒素含有化合物等の非ハロゲン系難燃剤などを用いることができる。
(第一の金属層20、第二の金属層30)
第一の金属層20及び第二の金属層30は、箔状の金属からなる。言い換えると、金属層20,30は、パターン化されていない面状の金属からなる。第一の金属層20と、第二の金属層30とは、同一の構成であってもよいし、互いに異なる構成であってもよい。
金属層20,30を構成する材質としては、例えば、銅、アルミニウム、ステンレスなどを用いることができ、なかでも銅を用いることが好ましい。金属層20,30の材質が銅である場合、電解銅、圧延銅のいずれであってもよい。金属層20,30の厚さは、好ましくは2〜40μm、より好ましくは2〜20μmである。
金属層20,30は少なくとも片面がマット面であるのが好ましい。この場合、金属箔20,30の片面がマット面、金属層20,30の他の面がシャイニー面であってもよいし、金属層20,30の両面がマット面であってもよい。金属層20,30のマット面がプリプレグに向い合うように配置して加熱加圧成形すれば、金属張積層板において、アンカー効果で、第一の金属層20と絶縁層10とのピール強度、第二の金属層30と絶縁層10とのピール強度を向上させることができる。
マット面の十点平均粗さ(RZJIS)は、特に限定されず、好ましくは0.5〜5.0μmである。シャイニー面の十点平均粗さ(RZJIS)は、特に限定されず、好ましくは0.5〜2.5μmである。マット面には、シャイニー面と比較して、より緻密な凹凸がより多く形成されている。
ここで、十点平均粗さ(RZJIS)とは、JIS B 0601−2013に規定されているものであって、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけを抜き取り、この抜取り部分の平均線から縦倍率の方向に測定した、最も高い山頂から5番目までの山頂の標高(Yp)の絶対値の平均値と、最も低い谷底から5番目までの谷底の標高(Yv)の絶対値の平均値との和を求め、この値をマイクロメートル(μm)で表したものをいう。
[第二実施形態に係る金属張積層板101]
図2は、本発明の第二実施形態に係る金属張積層板101の概略断面図である。
金属張積層板101は、図2に示すように、第一の絶縁層40と、導体回路50と、第二の絶縁層60と、金属層21(以下、第一の金属層21)と、金属層31(以下、第二の金属層31)とを備える。導体回路50は、第一の絶縁層40上(以下、第一面40a上)に積層されている。第二の絶縁層60は、第一面40a及び導体回路50上に積層されている。第一の金属層21は第二の絶縁層60上に積層されている。第二の金属層31は第一の絶縁層40の第二面40b上に積層されている。第二の絶縁層60は、補強材61と補強材61に含浸した熱硬化性樹脂の硬化物62とを含む。
第二実施形態において、図2に示すように、導体回路50と第一の金属層21との層間厚さTa2と、補強材61の厚さTb2との厚み差(Ta2−Tb2)は0 ≦ Ta2−Tb2 ≦ 2μm であり、好ましくは 1μm≦ Ta2−Tb2 ≦ 2μm である。厚み差(Ta2−Tb2)が2μmを超えると、プリント配線板の薄板化に十分に対応できないおそれがある。また、厚み差(Ta2−Tb2)が1μm以上2μm以下であれば、補強材61と第一の金属層21及び導体回路50とが接しにくく、金属張積層板101は電気的信頼性により優れる。
層間厚さTa2の測定方法は、層間厚さTa1の測定方法と同様である。補強材61の厚さTb2の測定方法は、補強材11の厚さTb1の測定方法と同様である。
金属張積層板101の板厚は、好ましくは26〜160μm、より好ましくは30〜150μmである。導体回路50と第一の金属層21との層間厚さTa2は、好ましくは10〜50μm、より好ましくは12〜47μmである。導体回路50と第二の金属層31との層間厚さTcは、好ましくは10〜50μm、より好ましくは12〜47μmである。導体回路50と補強材61との間の厚さ、及び第一の金属層21と補強材61との間の厚さの関係としては、厚み差(Ta2−Tb2)が上記範囲内であれば特に限定されず、例えば、導体回路50と補強材61との間の厚さと、第一の金属層21と補強材61との間の厚さとは同一である場合;導体回路50と補強材61との間の厚さが2μmで、第一の金属層21と補強材61との間の厚さが0μmである場合;導体回路50と補強材61との間の厚さが0μmで、第一の金属層21と補強材61との間の厚さが2μmである場合;などが挙げられる。
金属張積層板101のはんだ耐熱性は、好ましくは260℃以上、より好ましくは288℃以上である。金属張積層板101のはんだ耐熱性が上記範囲内であれば、半田付け実装時に層間剥離がより発生しにくいプリント配線板とすることができる。はんだ耐熱性は、実施例に記載の方法と同様にして測定することができる。
金属張積層板101の反り量は、好ましくは20mm以下、より好ましくは10mm以下である。金属張積層板101の反り量が上記範囲内であれば、温度変化による反り量がより抑制されたプリント配線板とすることができる。反り量は、実施例に記載の方法と同様にして測定することができる。反り量は、実施例に記載の方法と同様にして測定することができる。
(第一の絶縁層40、第二の絶縁層60)
第一の絶縁層40は、補強材41と、補強材41に含浸した熱硬化性樹脂組成物の硬化物42とを含む。第二の絶縁層60は、補強材61と、補強材61に含浸した熱硬化性樹脂組成物の硬化物62とを含む。第一の絶縁層40と、第二の絶縁層60とは同一の構成であってもよいし、互いに異なる構成であってもよい。
補強材41,61としては、特に限定されず、例えば、補強材11として例示したものと同様のものを用いることができる。第一の絶縁層40を構成する熱硬化性樹脂組成物及び第二の絶縁層60を構成する熱硬化性樹脂組成物としては、特に限定されず、例えば、絶縁層10を構成する熱硬化性樹脂組成物として例示したものと同様のものを用いることができる。
補強材41の厚さTdは、好ましくは10〜48μm、より好ましくは12〜45μmである。補強材61の厚さTb2は、好ましくは8〜50μm、より好ましくは12〜45μmである。
(導体回路50)
導体回路50は、パターニングされた層であり、内層導体パターン層として機能する。導体回路50としては、パターニングの他は、例えば、金属層20,30として例示したものと同様のものを用いることができる。導体回路50の厚さAは、好ましくは2〜20μmである。導体回路50のパターンは、特に限定されず、プリント配線板の使用用途に応じて適宜調整すればよい。
(第一の金属層21,第二の金属層31)
第一の金属層21及び第二の金属層31(以下、金属層21,31という場合がある)は、箔状の金属からなる。言い換えると、金属層21,31は、パターン化されていない面状の金属からなる。金属層21,31としては、例えば、金属層20,30として例示したものと同様のものを用いることができる。
なお、第二実施形態では、第一の絶縁層40の第二面40b上に積層された第二の金属層31を有するが、本発明はこれに限定されず、本発明の金属張積層板は、例えば、第二の金属層31を有していない他は金属張積層板101と同様の構成の金属張積層板であってもよいし、第二の金属層31を有さず、第二面40b上に導体回路及び絶縁層がこの順で複数層形成されている他は金属張積層板101と同様の構成の金属張積層板であってもよい。また、第二実施形態では、第一の絶縁層40は補強材41を含むが、本発明はこれに限定されず、第一の絶縁層は補強材を含まなくてもよい。
[本実施形態に係るプリント配線板200]
図3は、本発明の実施形態に係るプリント配線板200の概略断面図である。図3において、図2に示した第二実施形態に係る金属張積層板101の構成部材と同一の構成部材には同一符号を付して説明を省略する。
プリント配線板200は、第一の絶縁層40と、第一の導体回路50と、第二の絶縁層60と、第二の導体回路22と、第三の導体回路32とを備える。第一の導体回路50は、第一の絶縁層40上(以下、第一面40a上)に積層されている。第二の絶縁層60は、第一面40a及び第一の導体回路50上に積層されている。第二の導体回路22は第二の絶縁層60上に積層されている。第三の導体回路32は第一の絶縁層40の第二面40b上に積層されている。第二の絶縁層60は、補強材61と補強材61に含浸した熱硬化性樹脂の硬化物62とを含む。
本実施形態において、図3に示すように、導体回路50と第二の導体回路22との層間厚さTa3と、補強材61の厚さTb3との厚み差(Ta3−Tb3)は 0 ≦ Ta3−Tb3 ≦ 2μm であり、好ましくは 1μm≦ Ta3−Tb3 ≦ 2μm である。厚み差(Ta3−Tb3)が2μmを超えると、プリント配線板200の厚さを薄くした場合に、半田付け実装時に層間剥離が発生しやすかったり、温度変化による反り量が大きくなってしまったりするおそれがある。さらに薄板化に十分に対応できないおそれがある。また、厚み差(Ta3−Tb3)が1μm以上2μm以下であれば、補強材61と第一の導体回路50及び第二の導体回路22とが接しにくく、プリント配線板200は電気的信頼性により優れる。層間厚さTa3は層間厚さTa2に対応し、厚さTb3は厚さTb2に対応する。
(第二の導体回路22、第三の導体回路32)
第二の導体回路22及び第三の導体回路32(以下、導体回路22,32という場合がある)は、それぞれパターニングされた層であり、ともに外層導体パターン層として機能する。第二の導体回路22と、第三の導体回路32とは、同一の構成であってもよいし、互いに異なる構成であってもよい。導体回路22,32としては、パターニングの他は、例えば、金属層20,30として例示したものと同様のものを用いることができる。導体回路22,32の厚さは、好ましくは1〜20μmである。導体回路22,32のパターンは、特に限定されず、プリント配線板の使用用途に応じて適宜調整すればよい。
なお、本実施形態では、第一の絶縁層40の第二面40b上に積層された第三の導体層32を有するが、本発明はこれに限定されず、本発明のプリント配線板は、例えば、第三の導体層32を有していない他はプリント配線板200と同様の構成のプリント配線板であってもよいし、第三の導体層32を有さず、第二面40b上に導体回路及び絶縁層がこの順で複数層形成されている他はプリント配線板200と同様の構成のプリント配線板であってもよい。また、本実施形態では、第一の絶縁層40は補強材41を含むが、本発明はこれに限定されず、第一の絶縁層は補強材を含まなくてもよい。
[第一実施形態に係る金属張積層板の製造方法]
図4A〜Dは、本発明の第一実施形態に係る金属張積層板101の製造方法(以下、第一実施形態に係る製造方法)の説明するための説明図である。図5は、ダブルベルトプレス装置300を示す概略図である。図4A〜Dにおいて、図2の第二実施形態に示した構成部材と同一の構成部材には同一符号を付して説明を省略する。
第一実施形態に係る製造方法は、準備工程と、積層工程と、加熱加圧成形工程とを含む。準備工程では、片面40a(以下、第一面40aという場合がある)に導体回路50を備えたコア基板110を準備する。積層工程では、導体回路50を備える第一面40a上にプリプレグ60a及び金属箔21をこの順に積層することで、図4Dに示す構成の積層物101aを作製する。加熱加圧成形工程では、図5に示すように、回動する一対のエンドレスベルト310,310間に積層物101aを連続的に供給し、一対のエンドレスベルト310,310間で、積層物101aを加熱加圧成形する。プリプレグ60aは、補強材61aと補強材61aに含浸した熱硬化性樹脂の半硬化物62a(Bステージ状)とを含む。
加熱加圧成形後の導体回路50と第一の金属層21との層間厚さTa4と、補強材61aの厚さTb4との厚み差(Ta4−Tb4)は0 ≦ Ta4−Tb4 ≦ 2μmであり、好ましくは 1μm≦ Ta4−Tb4 ≦2μm である。第一実施形態に係る製造方法においては、層間厚さTa4は層間厚さTa2に対応し、厚さTb4は厚さTb2に対応する。
(準備工程)
準備工程では、図4Bに示す片面40aに導体回路50を備えたコア基板110を準備する。この準備工程は、具体的に、予備工程と、回路形成工程とを含む。予備工程では、第一の絶縁層40の第一面40aに導体回路形成用金属層50aを、第一の絶縁層40の第一面40aとは反対の面40b(以下、第二面40b)に第二の金属層31をそれぞれ備える、図4Aに示す金属張積層板110aを準備する。回路形成工程では、導体回路形成用金属層50aに配線形成処理を施して、図4Bに示すコア基板110を得る。
予備工程において、金属張積層板110aを準備する方法としては、例えば、導体回路形成用金属層50aに対応する上側金属箔と、第一の絶縁層40に対応するプリプレグと、第二の金属層31に対応する下側金属箔とを積層し、加熱加圧成形すればよい。このプリプレグを構成する材質は、例えば、第一の絶縁層40を構成する材質として例示したものと同様ものを用いることができる。加熱加圧成形する方法としては、後述する加熱加圧成形工程における加熱加圧成形する方法として例示された方法と同様の方法が挙げられる。回路形成工程における配線形成処理の方法としては、特に限定されず、例えば、サブトラクティブ法、セミアディティブ法などの公知の回路形成方法などが挙げられる。
(積層工程)
積層工程では、図4Cに示すように、導体回路50を備える第一面40a上にプリプレグ60a及び金属箔21をこの順に積層することで、図4Dに示す積層物101aを作製する。積層する方法は、後述する加熱加圧成形する方法に応じて適宜調整すればよい。
プリプレグ60aは、補強材61a及び補強材61aに含有した熱硬化性樹脂組成物の半硬化物62aを含む。プリプレグ60aの厚さは、好ましくは10〜50μm、より好ましく12〜47μmである。プリプレグ60aの硬化時間(Geltime)は、好ましくは60〜600秒、より好ましくは60〜300秒である。プリプレグ60aの揮発分(Volatile content)は、好ましくは1.5%以下、より好ましくは1.0%以下である。プリプレグ60aの厚さ、樹脂分、樹脂流れ、硬化時間及び揮発分の測定方法は、JIS 6521に準拠する。なお、硬化時間(Geltime)は170℃で測定した場合である。補強材61aの厚さは、好ましくは10〜50μm、より好ましくは12〜45μmである。補強材61aの厚さの測定方法は、実施例に記載の方法と同様にして測定することができる。
プリプレグ60aを構成する材質は、絶縁層60を構成する材質として例示したものと同様ものを用いることができる。
加熱加圧成形する前に、積層物101aを予備加熱するのが好ましい。予備加熱とは、後述するダブルベルトプレス法において、図5に示すように、繰出機340,350,360側の一組のドラム320,320から熱圧装置330,330に至るまでの間Lの加熱をいう。予備加熱条件は、例えば、加熱温度80〜250℃、加熱時間5〜200sの条件で行えばよい。
(加熱加圧成形工程)
加熱加圧成形工程では、図5に示すように、回動する一対のエンドレスベルト310,310間に積層物101aを連続的に供給し、一対のエンドレスベルト310,310間で、積層物101aを加熱加圧成形する。これにより、金属張積層板101が得られる。
加熱加圧成形は、上述したように、1又は数枚程度の少量の積層物101aをエンドレスベルト310,310間に連続的に供給し、エンドレスベルト310,310によって積層物101aに面圧をかけると共に加熱するダブルベルトプレス法で行う。これにより、厚み差(Ta4−Tb4)を、多段真空プレス法では実現できなかった2μm以下にすることができ、プリント配線板の薄板化に十分に対応できる。なお、多段真空プレス法とは、常温で鏡面板を介して積層物を多段に積み重ねて積層構造物を得、得られる積層構造物を熱板間に挿入し、熱板にて加熱するとともに加圧する方法である。
多段真空プレス法では、積層構造物の外側(熱板側)から積層物の積み重ね方向の中央側へ熱が伝わるには一定の時間を要する。その結果、積層構造物を急激に加熱することができず、緩やかな昇温速度で加熱することになる。積層構造物を加熱して行き、熱硬化性樹脂の溶融温度に達すると熱硬化性樹脂組成物は、溶融して粘度が低下し、さらに加熱すると溶融状態となりさらに粘度が低下する。しかしながら、緩やかな昇温速度で加熱するので、ピーク温度へ至る前の昇温途中においてもプリプレグ中の熱硬化性樹脂は熱硬化反応が進行する。熱硬化性樹脂の熱硬化反応が一定程度進行した後にピーク温度に達すると、ピーク温度における粘度の低下が十分ではない。そのため、例えば、金属張積層板101を多段真空プレス法により作製すると、導体回路50の絶縁層60への埋め込みが不十分となって、半田付け実装時に、層間剥離が発生するおそれがある。このような層間剥離の発生を抑制するには絶縁層60を構成する熱硬化性樹脂組成物の硬化物62の量を増やすことが有効であるが、それでは、プリント配線板の薄板化に十分に対応できない。さらに、多段真空プレス法では、厚さが薄いプリント配線板の反り量の抑制が十分でないおそれがある。
これに対し、ダブルベルトプレス法では、プリプレグ60a中の熱硬化性樹脂組成物の熱硬化反応が進行することなく、積層物101aをピーク温度で加熱することが可能となり、ピーク温度におけるプリプレグ60a中の熱硬化性樹脂の十分な粘度低下を確保することができる。そのため、粘度が十分に低い状態で積層物101aに圧力を掛けることができ、面圧を掛けた積層板101aを、ドラム320,320によりプリプレグ60aの内部に発生したガスをプリプレグ60aの外部に押し出すことができる。その結果、シワ等が発生することなく、絶縁層60内に気泡残りすることなどなく、導体回路50を埋め込んだ金属張積層板101とすることができる。そのため、薄板化に十分に対応でき、厚さが薄くても、半田付け実装時に層間剥離が発生しにくく、温度変化による反り量が抑制されたプリント配線板とすることができる。
<ダブルベルトプレス法>
ダブルベルトプレス法では、ダブルベルトプレス装置300を用いる。ダブルベルトプレス装置300は、図5に示すように、一対のエンドレスベルト310,310と、2組の一対のドラム320,320と、熱圧装置330,330とを備える。さらに、ダブルベルトプレス装置300の材料供給側には、長尺なプリプレグ60aがコイル状に巻回された繰出機340と、長尺な金属箔21がコイル状に巻回された繰出機350と、長尺のコア基板110がコイル状に巻回された繰出機360とが設けられている。ダブルベルトプレス装置300の材料導出側には、長尺な金属張積層板101をコイル状に巻き取る巻取機370が設けられている。
一対のドラム320,320にはエンドレスベルト310が掛架され、ドラム320が回転することによりエンドレスベルト310が回動するように配置されている。2組の一対のドラム320,320は、各エンドレスベルト310,310の間に供給される積層物101aの両面が各エンドレスベルト310,310と面接触して、積層物101aに面圧がかけられるように配置されている。熱圧装置330,330は、エンドレスベルト310を介して各エンドレスベルト310,310の間に供給される積層物101aを加熱できるように各エンドレスベルト310,310の内側に配置されている。繰出機340,350,360は、プリプレグ60a、金属箔21及びコア基板110がそれぞれ連続的に繰り出されるように配置されている。巻取機370は、金属張積層板101を連続的に巻き取れるように配置されている。
ダブルベルトプレス法による加熱加圧成形は、大量の積層物101aを多段式に積み重ねることなく、具体的には、次のようにして、行われる。
まず、各繰出機340,350,360から長尺なプリプレグ60a、金属箔21及びコア基板110を繰り出し、回動するエンドレスベルト310,310間にこれらを連続的に供給する。エンドレスベルト310,310間に供給されたプリプレグ60a、金属箔21及びコア基板110は、図4Cに示すように、コア基板110の導体回路50を備える面40a上にプリプレグ60a及び金属箔21がこの順となるように重ね合わせられ、積層物101aとなる。一対のエンドレスベルト310,310は、プリプレグ60a、金属箔21及びコア基板110の搬送速度と同期した速度で回動する。この際、積層物101aの両面に各エンドレスベルト310,310が面接触して、積層物101aに面圧がかけられる。
次いで、積層板101aは、一対のエンドレスベルト310,310に挟まれた状態で、熱圧装置330が配置された領域(以下、加熱加圧領域)を通過する。この加熱加圧領域を積層板101aが通過する際、積層板101aは、熱圧装置330によりエンドレスベルト310を介して面圧がかけられると共に加熱され、溶融または軟化したプリプレグ60aと、金属箔21及びコア基板110とが熱圧着する。
次いで、ダブルベルトプレス装置300から導出された積層物101aは、冷却され、金属張積層板101となり、巻取機370によってコイル状に巻き取られる。
エンドレスベルト310の材質としては、例えばステンレスなどを用いることができる。熱圧装置330の加圧機構としては、例えば、ダブルベルトプレス装置の加圧機構として一般的に用いられるプレスロール、油圧、摺動加圧プレートによるプレスなどが挙げられる。熱圧装置330の加熱手段としては、例えば、熱媒循環方式、誘導加熱方式などが挙げられる。
ダブルベルトプレス法による加熱加圧条件は、例えば、下記のようにすればよい。加熱温度、加圧力及び加熱加圧時間が下記範囲内であれば、導体回路50を埋め込んだ金属張積層板101としやすくなる。
加熱温度の下限は、好ましくはプリプレグ60aを構成する熱硬化性樹脂の融点温度、より好ましくは熱硬化性樹脂の融点に対して3℃高い温度である。加熱温度の上限は、好ましくは熱硬化性樹脂の融点に対して20℃高い温度、より好ましくは熱硬化性樹脂の融点に対して15℃高い温度である。積層物101aを熱硬化性樹脂の硬化温度まで加熱する際の昇温速度は、好ましくは2℃/s以上、より好ましくは3〜5℃/sである。加圧力の下限は、好ましくは0.49MPa、より好ましくは2MPaである。加圧力の上限は、好ましくは5.9MPa、より好ましくは5MPaである。加熱加圧時間の下限は、好ましくは90秒、より好ましくは120秒である。加熱加圧時間の上限は、好ましくは360秒、より好ましくは240秒である。
なお、第一実施形態に係る製造方法では、第一の絶縁層40の第二面40bに第二の金属層31を備えるコア基板110を用いたが、本発明はこれに限定されず、本発明では、第一の絶縁層40の第二面40bに金属層を備えないコア基板を用いてもよい。
[第二実施形態に係る金属張積層板の製造方法]
図6A〜Dは、本発明の第二実施形態に係る金属張積層板の製造方法(以下、第二実施形態に係る製造方法)の説明するための説明図である。図7は、本発明の第三実施形態に係る金属張積層板102の概略断面図である。図6A〜D、図7において、図4の第一実施形態に係る製造方法に示した構成部材と同一の構成部材には同一符号を付して説明を省略する。
第二実施形態に係る製造方法は、準備工程と、積層工程と、加熱加圧成形工程とを含む。これにより、図7に示す構成の金属張積層板102が得られる。準備工程では、両面40a,40bに第一の導体回路50,第二の導体回路51を備えたコア基板120を準備する。積層工程では、コア基板120の第一面40a上にプリプレグ60a及び第一の金属箔21をこの順に積層し、コア基板120の第二面40b上にプリプレグ70a及び第二の金属箔31をこの順に積層することで、図6Dに示す構成の積層物102aを作製する。加熱加圧成形工程では、積層物102aを加熱加圧成形する。プリプレグ60aは、補強材61aと補強材61aに含浸した熱硬化性樹脂の半硬化物62a(Bステージ状)とを含む。プリプレグ70aは、補強材71aと補強材71aに含浸した熱硬化性樹脂の半硬化物72a(Bステージ状)とを含む。プリプレグ70aと、プリプレグ60aとは同一の構成であってもよいし、互いに異なる構成であってもよい。
金属張積層板102は、図7に示すように、第一の絶縁層40と、第一の導体回路50と、第二の絶縁層60と、第一の金属層21と、第二の導体回路51と、第三の絶縁層70と、第二の金属層31とを備える。導体回路50は、第一の絶縁層40上(以下、第一面40a上)に積層されている。第二の絶縁層60は、第一面40a及び導体回路50上に積層されている。第一の金属層21は第二の絶縁層60上に積層されている。第二の導体回路51は第一の絶縁層40の第二面40b上に積層されている。第三の絶縁層70は、第二面40b及び導体回路51上に積層されている。第二の金属層31は第三の絶縁層70上に積層されている。第二の絶縁層60は、補強材61と補強材61に含浸した熱硬化性樹脂の硬化物62とを含む。第三の絶縁層70は、補強材71と補強材71に含浸した熱硬化性樹脂の硬化物72とを含む。
加熱加圧成形後の第一の導体回路50と第一の金属層21との層間厚さTa5と、補強材61の厚さTb5との厚み差(Ta5−Tb5)は0 ≦ Ta5−Tb5 ≦ 2μmであり、好ましくは 1μm≦ Ta5−Tb5 ≦ 2μm である。また、加熱加圧成形後の第二の導体回路51と第二の金属層31との層間厚さTa6と、補強材71の厚さTb6との厚み差(Ta6−Tb6)は0 ≦ Ta6−Tb6 ≦ 2μmであり、好ましくは 1μm≦ Ta6−Tb6 ≦ 2μm である。第二実施形態に係る製造方法においては、層間厚さTa5は層間厚さTa2に対応し、厚さTb5は厚さTb2に対応する。層間厚さTa6の測定方法は、層間厚さTa1の測定方法と同様である。補強材71の厚さTb6の測定方法は、補強材11の厚さTb1の測定方法と同様である。
(準備工程)
準備工程では、図6Bに示すように、第一面40aに第一の導体回路50を備え、第二面40bに第二の導体回路51を備えたコア基板120を準備する。この準備工程は、具体的に、予備工程と、回路形成工程とを含む。予備工程では、第一の絶縁層40の第一面40aに第一の導体回路形成用金属層50aを,第二面40bに第二の導体回路形成用金属層31をそれぞれ備える、図6Aに示す金属張積層板110aを準備する。回路形成工程では、第一の導体回路形成用金属層50a及び第二の導体回路形成用金属層31にそれぞれ配線形成処理を施して、図6Bに示すコア基板120を得る。
予備工程において、金属張積層板110aを準備する方法としては、例えば、第一の導体回路形成用金属層50aに対応する上側金属箔と、第一の絶縁層40に対応するプリプレグと、第二の導体回路形成用金属層31に対応する下側金属箔とを積層し、加熱加圧成形すればよい。このプリプレグを構成する材質は、例えば、第一の絶縁層40を構成する材質として例示したものと同様ものを用いることができる。加熱加圧成形する方法としては、第一実施形態に係る製造方法の加熱加圧成形工程における加熱加圧成形する方法として例示された方法と同様の方法が挙げられる。回路形成工程において、配線形成処理の方法としては、特に限定されず、例えば、サブトラクティブ法、セミアディティブ法などの公知の回路形成方法などが挙げられる。
(積層工程)
積層工程では、図6Cに示すように、導体回路50を備える第一面40a上にプリプレグ60a及び金属箔21をこの順に積層するとともに、導体回路51を備える第二面40b上にプリプレグ70a及び金属箔31をこの順に積層することで、積層物102aを作製する。積層する方法は、後述する加熱加圧成形する方法に応じて適宜調整すればよい。
プリプレグ60a,70aを構成する材質は、例えば、絶縁層60を構成する材質として例示したものと同様ものを用いることができる。
加熱加圧成形する前に、積層物102aを予備加熱するのが好ましい。予備加熱条件は、例えば、加熱温度80〜250℃、加熱時間5〜200sの条件で行えばよい。
(加熱加圧成形工程)
加熱加圧成形工程では、積層物102aを加熱加圧成形する。これにより、図7に示す金属張積層板102が得られる。
加熱加圧成形する方法としては、例えば、第一実施形態の製造方法において、加熱加圧成形する方法として例示したものと同様のものが挙げられる。
[本実施形態に係るプリント配線板の製造方法]
本実施形態に係るプリント配線板の製造方法は、上述した実施形態に係る金属張積層板の製造方法で金属張積層板101,102を製造し、金属箔21,31に配線形成処理を施す。これにより、プリント配線板が得られる。配線形成処理の方法としては、特に限定されず、例えば、サブトラクティブ法、セミアディティブ法などの公知の配線形成処理の方法などが挙げられる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
[実施例1]
〔準備工程〕
下記の長尺なプリプレグ、長尺な下側金属箔(第二の金属層31に対応)及び長尺な上側金属箔(導体回路形成用金属層50aに対応)を用い、図5に示す製造装置を用いて、図4Aに示す構成の長尺な金属張積層板110aを得た。ダブルベルトプレス装置300における予備加熱条件は、加熱温度100℃、加熱時間30sの条件で行った。ダブルベルトプレス装置300における加熱加圧は、加熱温度300℃、加圧力40MPa及び加熱加圧時間3分の条件で行った。
(長尺なプリプレグ)
パナソニック(株)製の品番「R-1410E」(板厚:12μm)を用いた。「R-1410E」は、板厚が異なっていても、エポキシ樹脂、フェノール系硬化剤及びシリカ等の無機フィラーを含有する樹脂組成物をガラスクロス(ガラス組成:Eガラス)に含浸した後、樹脂組成物を半硬化状態になるまで乾燥させて製造されたものである。無機フィラーの配合割合は、エポキシ樹脂及びフェノール系硬化剤100質量部に対して、100質量部である。
(長尺な下側金属箔)
三井金属鉱業(株)製の品番「3EC-M2S-VLP」(厚さ:12μm)を用いた。
(長尺な上側金属箔)
三井金属鉱業(株)製の品番「MicroThin Ex5」(厚さ:5μm、プリプレグ側の面とは反対の面の表面粗さ(Rzjis):2μm)を用いた。
得られた長尺な金属張積層板110aにおける導体回路形成用金属層50aをエッチングで配線形成処理をして導体回路50を形成し、図4Bに示す構成のコア基板110を得た。この時の残銅率は80%であった。以下、回路パターンは同様の回路で評価した。
〔積層工程・加熱加圧成形工程〕
長尺なコア基板110、下記の長尺なプリプレグ60a、長尺な金属箔(第一の金属層21に対応)を用い、図4C及び図4Dに示す製造工程により、図5に示す製造装置を用いて、図2に示す長尺な金属張積層板101を得た。ダブルベルトプレス装置300における予備加熱条件は、加熱温度230℃、加熱時間30sの条件で行った。ダブルベルトプレス装置300における加熱加圧は、昇温速度3℃/sで200℃から300℃まで加熱した後、加熱温度300℃、加圧力40MPa及び加熱加圧時間3分の条件で行った。
(長尺なプリプレグ60a)
パナソニック(株)製の品番「R-1410E」(板厚:12μm、補強材61aの厚さ:12μm、樹脂分:54%、樹脂流れ:30%、硬化時間:150秒、揮発分:0.5%)を用いた。樹脂分、樹脂流れ、硬化時間及び揮発分の数値はカタログ値であり、以下に示す樹脂分、樹脂流れ、硬化時間及び揮発分の数値についても同様である。
(長尺な金属箔)
三井金属鉱業(株)製の品番「3EC-M2S-VLP」(厚さ:12μm、プリプレグ側の面の表面粗さ(Rzjis):2μm)を用いた。
〔プリント配線板200の作製〕
得られた長尺な金属張積層板101の両面の金属層21,31をエッチングで配線形成処理をして第二の配線導体層22及び第三の配線導体層32を形成し、図3に示す構成の長尺なプリント配線板200を得た。
[実施例2]
〔積層工程・加熱加圧成形工程〕において、長尺なプリプレグ60aとして、パナソニック(株)製の品番「R-1410E」(板厚:14μm、補強材61aの厚さ:12μm、樹脂分:61%、樹脂流れ:30%、硬化時間:150秒、揮発分:0.5%)を用いた他は実施例1と同様にして、図3に示す構成のプリント配線板200を得た。
[実施例3]
〔準備工程〕において、長尺な上側金属箔として、三井金属鉱業(株)製の品番「3EC-M2S-VLP」(厚さ:20μm、プリプレグ側の面とは反対の面の表面粗さ(Rzjis):2μm)を用い、〔積層工程・加熱加圧成形工程〕において、長尺なプリプレグ60aとして、パナソニック(株)製の品番「R-1410E」(板厚:45μm、補強材61aの厚さ:45μm、樹脂分:48%、樹脂流れ:10%、硬化時間:150秒、揮発分:0.5%)を用いた他は実施例1と同様にして、図3に示す構成のプリント配線板200を得た。
[実施例4]
〔積層工程・加熱加圧成形工程〕において、長尺なプリプレグ60aとして、パナソニック(株)製の品番「R-1410E」(板厚:47μm、補強材61aの厚さ:45μm、樹脂分:50%、樹脂流れ:10%、硬化時間:150秒、揮発分:0.5%)を用いた他は実施例3と同様にして、図3に示す構成のプリント配線板200を得た。
[実施例5]
下記の長尺なプリプレグ、長尺な下側金属箔(第二の金属層30に対応)及び長尺な上側金属箔(第一の金属層20に対応)を用い、図5に示す製造装置を用いて、図1に示す構成の金属張積層板100を得た。ダブルベルトプレス装置300における予備加熱条件は、加熱温度100℃、加熱時間30sの条件で行った。ダブルベルトプレス装置300における加熱加圧は、200℃から300℃まで昇温温度3℃/sで加熱した後、加熱温度300℃、加圧力40MPa及び加熱加圧時間3分の条件で行った。
(長尺なプリプレグ)
パナソニック(株)製の品番「R-1410E」(板厚:12μm、補強材11に対応する補強材の厚さ:12μm、樹脂分:54%、樹脂流れ:30%、硬化時間:150秒、揮発分:0.5%)を用いた。
(長尺な下側金属箔,上側金属箔)
三井金属鉱業(株)製の品番「3EC-M2S-VLP」(厚さ:12μm、プリプレグ側の面の表面粗さ(Rzjis):2μm)を用いた。
[実施例6]
長尺なプリプレグとして、パナソニック(株)製の品番「R-1410E」(板厚:14μm、補強材11に対応する補強材の厚さ:12μm、樹脂分:59%、樹脂流れ:30%、硬化時間:150秒、揮発分:0.5%)を用いた他は実施例5と同様にして図1に示す構成の金属張積層板100を得た。
[比較例1]
〔準備工程〕
プリプレグ、下側金属箔(第二の金属層31に対応)及び上側金属箔(導体回路形成用金属層50aに対応)を用い、多段真空プレス法により、図4Aに示す構成の金属張積層板110aを得た。多段真空プレス法おける加熱加圧は、下記の条件で行った。
積層構造物に掛ける単位圧力は、加熱加圧成形の開始から20〜30分間は0.49〜0.98MPa(5〜10kg/cm)(一次圧力)とし、次いで、製品温度が120℃となるまでに昇圧して2.94MPa(30kg/cm)(二次圧力)とした。その後、加熱加圧成形の処理が終わるまで、二次圧力を維持した。
製品温度は、加熱加圧成形の開始から製品温度が160℃になるまで1〜3℃/分の昇温速度で加熱し、その後、製品温度が160℃以上の状態を50分維持した。このときの製品温度の最高温度は170〜180℃であった。その後、2〜6℃/分の冷却速度で、積層板の温度が室温となるまで放冷した。
雰囲気は、製品温度が130〜140℃になるまで13.3kPa(100Torr)以下の雰囲気を維持し、その後、大気開放した。
(プリプレグ)
パナソニック(株)製の品番「R-1410E」(板厚:15μm、樹脂分:61%、樹脂流れ:30%、硬化時間:150秒、揮発分:0.5%秒以下)を用いた。
(下側金属箔)
三井金属鉱業(株)製の品番「3EC-M2S-VLP」(厚さ:12μm)を用いた。
(上側金属箔)
三井金属鉱業(株)製の品番「MicroThinEX5」(厚さ:5μm、プリプレグ側の面とは反対の面の表面粗さ(Rzjis):2μm)を用いた。
得られた金属張積層板110aにおける導体回路形成用金属層50aをエッチングで配線形成処理をして導体回路50を形成し、図4Bに示す構成のコア基板110を得た。
〔積層工程・加熱加圧成形工程〕
コア基板110、下記のプリプレグ60a、金属箔(第一の金属層21に対応)を用い、多段真空プレス法により、図2に示す金属張積層板101を得た。多段真空プレス法における加熱加圧条件は、下記の条件で行った。
積層構造物に掛ける単位圧力は、加熱加圧成形の開始から20〜30分間は0.49〜0.98MPa(5〜10kg/cm)(一次圧力)とし、次いで、製品温度が120℃となるまでに昇圧して2.94MPa(30kg/cm)(二次圧力)とした。その後、加熱加圧成形の処理が終わるまで、二次圧力を維持した。
製品温度は、加熱加圧成形の開始から製品温度が160℃になるまで1〜3℃/分の昇温速度で加熱し、その後、製品温度が160℃以上の状態を50分維持した。このときの製品温度の最高温度は170〜180℃であった。その後、2〜6℃/分の冷却速度で、積層板の温度が室温となるまで放冷した。
雰囲気は、製品温度が130〜140℃になるまで13.3kPa(100Torr)以下の雰囲気を維持し、その後、大気開放した。
(プリプレグ60a)
パナソニック(株)製の品番「R-1410E」(板厚:15μm、補強材61aの厚さ:12μm、樹脂分:63%、樹脂流れ:30%、硬化時間:150秒、揮発分:0.5%)を用いた。
(金属箔)
三井金属鉱業(株)製の品番「3EC-M2S-VLP」(厚さ:12μm、プリプレグ側の面の表面粗さ(Rzjis):2μm)を用いた。
〔プリント配線板200の作製〕
得られた長金属張積層板101の両面の金属層21,31をエッチングで配線形成処理をして第二の配線導体層22及び第三の配線導体層32を形成し、図3に示す構成のプリント配線板200を得た。
[比較例2]
〔積層工程・加熱加圧成形工程〕において、プリプレグ60aとして、パナソニック(株)製の品番「R-1410E」(板厚:17μm、補強材61aの厚さ:12μm、樹脂分:67%、樹脂流れ:30%、硬化時間:150秒、揮発分:0.5%)を用いた他は、比較例1と同様にしてプリント配線板200を得た。
[比較例3]
〔準備工程〕において、上側金属箔として、三井金属鉱業(株)製の品番「3EC-M2S-VLP」(厚さ:20μm、プリプレグ側の面の表面粗さ(Rzjis):2μm)を用い、〔積層工程・加熱加圧成形工程〕において、プリプレグ60aとして、パナソニック(株)製の品番「R-1410E」(板厚:48μm、補強材61aの厚さ:45μm、樹脂分:50%、樹脂流れ:10%、硬化時間:150秒、揮発分:0.5%)を用いた他は実施例1と同様にして、図3に示す構成のプリント配線板200を得た。
[比較例4]
〔積層工程・加熱加圧成形工程〕において、プリプレグ60aとして、パナソニック(株)製の品番「R-1410E」(板厚:55μm、補強材61aの厚さ:45μm、樹脂分:55%、樹脂流れ:10%、硬化時間:150秒、揮発分:0.5%)を用いた他は比較例3と同様にしてプリント配線板200を得た。
[比較例5]
下記のプリプレグ、下側金属箔(第二の金属層30に対応)及び上側金属箔(第一の金属層20に対応)を用い、多段真空プレス法により、図1に示す構成の金属張積層板100を得た。多段真空プレス法おける加熱加圧は、比較例1の〔準備工程〕における加熱加圧条件と同様の条件で行った。
(プリプレグ)
パナソニック(株)製の品番「R-1410E」(板厚:15μm、補強材11に対応する補強材の厚さ:12μm、樹脂分:61%、樹脂流れ:30%、硬化時間:150秒、揮発分:0.5%)を用いた。
(下側金属箔,上側金属箔)
三井金属鉱業(株)製の品番「3EC-M2S-VLP」(厚さ:12μm、プリプレグ側の面の表面粗さ(Rzjis):2μm)を用いた。
〔厚さの測定〕
実施例1〜4及び比較例1〜4で得られた金属張積層板101において、導体回路50と第一の金属層21との層間厚さTaは、デジタルマイクロスコープ(株式会社キーエンス製の「VH-Z500」、以下同じ)で、金属張積層板101の断面観察を行い、図2に示すように、金属張積層板101の厚み方向において、第一の金属層21の第二の絶縁層60側の先端部と、導体回路50の第二の絶縁層60側の先端部との2点間の長さをデジタルマイクロスコープで2000倍に拡大し計測機能により計測して測定した。ここで、第一の金属層21の第二の絶縁層60側の先端部とは、図2に示すように、第一の金属層21の下面で、銅箔凸部3点の平均位置に直線を引き定める位置である。導体回路50の第二の絶縁層60側の先端部とは、図2に示すように、導体回路50の上面で、銅箔凸部3点の平均位置に直線を引き定める位置である。
実施例1〜4及び比較例1〜4で得られた金属張積層板101において、補強材61の厚さTbは、デジタルマイクロスコープで、金属張積層板101の断面観察を行い、図2に示すように、金属張積層板101の厚み方向において、補強材61の第一の金属層21側の先端部と、補強材61の導体回路50側の先端部との2点間の長さをデジタルマイクロスコープ計測機能により計測して測定した。ここで、補強材61の第一の金属層21側の先端部とは、図2に示すように、補強材61の上面で、補強材61を構成する縦糸61aの繊維方向に研磨された最上部61cに直線を引き定める位置である。補強材61の導体回路50側の先端部とは、図2に示すように、補強材61の下面で、補強材61を構成する縦糸61aの繊維方向に研磨された最下部61dに直線を引き定める位置である。補強材61の厚さTbの測定に際し、補強材61を構成する横糸61bではなく縦糸61aを基準に用いたのは、金属張積層板101の断面観察において、図2に示すように、補強材61を構成する横糸61bの断面形状は円形であり、横糸61bと無機フィラーとの区別が困難であったためである。補強材11の厚さTb、補強材61aの厚さ、補強材11に対応する補強材の厚さの測定に際しても同様である。
実施例5,6及び比較例5で得られた金属張積層板100において、第一の金属層20と第二の金属層30との層間厚さTaは、デジタルマイクロスコープで、金属張積層板100の断面観察を行い、図1に示すように、金属張積層板100の厚み方向において、第一の金属層20の絶縁層10側の先端部と、第二の金属層30の絶縁層10側の先端部との2点間の長さをデジタルマイクロスコープで2000倍に拡大し計測機能により計測して測定した。ここで、第一の金属層20の絶縁層10側の先端部とは、図1に示すように、第一の金属層20下面で、銅箔凸部3点の平均位置に直線を引き定める位置である。第二の金属層30の絶縁層10側の先端部とは、図1に示すように、第一の金属層30の上面で、銅箔凸部3点の平均位置に直線を引き定める位置である。
実施例5,6及び比較例5で得られた金属張積層板100において、補強材11の厚さTbは、デジタルマイクロスコープで、金属張積層板100の断面観察を行い、図1に示すように、金属張積層板100の厚み方向において、補強材11の第一の金属層20側の先端部と、補強材11の第二の金属層30側の先端部との2点間の長さをデジタルマイクロスコープで2000倍に拡大し計測機能により計測して測定した。ここで、補強材11の第一の金属層20側の先端部とは、図1に示すように、補強材11の上面で、補強材11を構成する縦糸11aの繊維方向に研磨された最上部11cに直線を引き定める位置である。補強材11の第二の金属層30側の先端部とは、図1に示すように、補強材11の下面で、補強材11を構成する縦糸11bの繊維方向に研磨された最下部11dに直線を引き定める位置である。
実施例1〜4及び比較例1〜4で用いられた補強材61aの厚さは、デジタルマイクロスコープで、プリプレグ61aの断面観察を行い、図6に示すように、補強材61aの厚み方向において、補強材61aの第一の金属層21側の先端部と補強材61aの導体回路50側の先端部との2点間の長さを計測して測定される。ここで、補強材61aの第一の金属層21側の先端部とは、上述した補強材61の厚さTb及び補強材11の厚さTbの測定と同様に、図6C示すように、補強材61aの上面で、補強材61aを構成する縦糸の繊維方向に研磨された最上部に直線を引き定める位置である。補強材61aの導体回路50側の先端部とは、図6C示すように、補強材61aの下面で、補強材61aを構成する縦糸の繊維方向に研磨された最下部に直線を引き定める位置である。
実施例5,6及び比較例5で用いられた補強材11に対応する補強材の厚さは、デジタルマイクロスコープで、プリプレグの断面観察を行い、補強材の厚み方向において、補強材の上側金属箔側の先端部と補強材の下側金属箔側の先端部との2点間の長さを計測して測定される。ここで、補強材の上側金属箔側の先端部とは、上述した補強材61の厚さTb及び補強材11の厚さTbの測定と同様に、補強材の上面で、補強材を構成する縦糸の繊維方向に研磨された最上部に直線を引き定める位置である。補強材の下側金属箔側の先端部とは、上述した補強材61の厚さTb及び補強材11の厚さTbの測定と同様に、補強材の下面で、補強材を構成する縦糸の繊維方向に研磨された最下部に直線を引き定める位置である。
〔はんだ耐熱性〕
各実施例及び比較例で得られた両面金属張積層板を試験片として、JIS C6481に準拠して、下記のようにして、はんだ耐熱性を評価した。溶融はんだの温度を200℃から開始して約10℃ずつ上昇させた。溶融はんだの温度を上昇させる段階において、各温度で60秒間、試験片を溶融はんだ浴上に放置した。その後、溶融はんだ浴から試料片を取り出し、試験片を室温まで冷やした。試験片の膨れ、層間剥離の有無を目視により確認した。膨れ、層間剥離が確認されなかったはんだの最高温度を評価結果とした。
〔反り量評価〕
各実施例及び比較例で得られた金属張積層板を切り出し、平面視寸法20cm×20cmの試験片を得た。この試験片の両面の金属層をエッチングによって全て除去してから、この試験片を200℃で1時間加熱した。
続いて、実施例1〜4及び比較例1〜4で得られた試験片においては、コア基板110に由来する第一の絶縁層40が上方に位置するように試験片を配置した。この状態で、試験片の反り量を測定した。反り量は、試験片に上方に凸状に反りが生じている場合にはプラスの値で規定し、下方に凸状に反りが生じている場合にはマイナスの値で規定した。その結果を表1に示す。
Figure 0006796791
100,101,102,110a 金属張積層板
101a,102a 積層物
110,120 コア基板
200 プリント配線板
10,40,60,70 絶縁層
11,41,61,61a,71,71a 補強材
12,42,62,72 熱硬化性樹脂組成物の硬化物
20,21,30,31,50a 金属層
22,32,50,51 導体回路
60a,70a プリプレグ
62a,72a 熱硬化性樹脂組成物の半硬化物

Claims (6)

  1. 第一面及び第二面を有する絶縁層と、
    前記絶縁層の前記第一面上に積層された第一の金属層と、
    前記絶縁層の前記第二面上に積層された第二の金属層とを備え、
    前記絶縁層は、補強材と前記補強材に含浸した熱硬化性樹脂組成物の硬化物とを含み、
    前記第一の金属層と前記第二の金属層との層間厚さTa1と、前記補強材の厚さTb1との関係が、
    0 ≦ Ta1−Tb1 ≦ 2μm
    であり、
    板厚が14〜90μmであることを特徴とする金属張積層板。
  2. 第一の絶縁層と、
    前記第一の絶縁層上に積層された導体回路と、
    前記第一の絶縁層及び前記導体回路上に積層された第二の絶縁層と、
    前記第二の絶縁層上に積層された金属層とを備え、
    前記第二の絶縁層は、補強材と前記補強材に含浸した熱硬化性樹脂組成物の硬化物とを含み、
    前記導体回路と前記金属層との層間厚さTa2と、前記補強材の厚さTb2との関係が、
    0 ≦ Ta2−Tb2 ≦ 2μm
    であり、
    前記補強材が、織布又は不織布であることを特徴とする金属張積層板。
  3. 第一の絶縁層と、
    前記第一の絶縁層上に積層された第一の導体回路と、
    前記第一の絶縁層及び前記第一の導体回路上に積層された第二の絶縁層と、
    前記第二の絶縁層上に積層された第二の導体回路とを備え、
    前記第二の絶縁層は、補強材と前記補強材に含浸した熱硬化性樹脂組成物の硬化物とを含み、
    前記第一の導体回路と前記第二の導体回路との層間厚さTa3と、前記補強材の厚さTb3との関係が、
    0 ≦ Ta3−Tb3 ≦ 2μm
    であり、
    前記補強材が、織布又は不織布であることを特徴とするプリント配線板。
  4. 両面又は片面に導体回路を備えたコア基板を準備する準備工程と、
    前記導体回路を備える面上にプリプレグ及び金属箔をこの順に積層することで積層物を作製する積層工程と、
    回動する一対のエンドレスベルト間に前記積層物を連続的に供給し、前記一対のエンドレスベルト間で、前記積層物を加熱加圧成形する加熱加圧成形工程とを含み、
    前記プリプレグは、補強材と前記補強材に含浸した熱硬化性樹脂組成物とを含み、
    前記加熱加圧成形工程は、前記積層物を常温から前記熱硬化性樹脂組成物の硬化温度まで、3℃/s以上の昇温速度で加熱し、
    加熱加圧成形後の前記導体回路と前記金属箔との層間厚さTa4と、前記補強材の厚さTb4との関係が、
    0 ≦ Ta4−Tb4 ≦ 2μm
    であり、
    前記補強材が、織布又は不織布であることを特徴とする金属張積層板の製造方法。
  5. 前記加熱加圧成形工程の前に、前記積層物を予備加熱することを特徴とする請求項4に記載の金属張積層板の製造方法。
  6. 請求項4又は5に記載の方法で金属張積層板を製造し、
    前記金属箔に配線形成処理を施すことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
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