JP2005059486A - 積層板の製造方法と製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 歪みが小さく、ボイドの発生を実質的に防止することができる積層板の製造方法、並びに、この製造方法を適用できる製造装置を提供する。
【解決手段】 熱硬化性樹脂組成物担持基材と金属箔とを、熱ロールラミネート装置により連続的に貼り合わせる積層板の製造方法であって、熱硬化性樹脂組成物担持基材とその供給搬送装置、金属箔とその供給搬送装置、熱ロールラミネート装置、及び、ロールラミネートされた積層板の搬送装置を含む装置一式を、真空チャンバー内部に格納して真空チャンバー内部を減圧し、該減圧下で熱硬化性樹脂組成物担持基材と金属箔との貼り合わせを行うことを特徴とする、積層板の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、積層板の製造方法と製造装置に関するものである。
熱硬化性樹脂を含有する樹脂組成物を担持した基材を金属箔とともに積層し、一体成形してなる積層板は、特にプリント回路板に多く使用されている。
このような積層板は、多段型の平板プレス装置により製造されることが一般的である。平板プレス装置は、特に近年においては真空プレス装置が多用されており、減圧下で長時間をかけて成形を行えるため、良好な成形性を得やすいが、長時間加圧されるため、積層板に内部歪みが発生しやすいという問題がある。また、生産性を確保するために、平板プレス装置の熱盤間に多数枚数を挿入して加熱加圧成形を行うため、熱盤間における挿入位置の違いにより熱履歴が異なったり、1枚の積層板においてもその表裏で熱履歴が異なったりする。この結果、これに起因する積層板の特性バラツキを避けがたいという問題があった。
このようなバッチ型の装置を用いる方法とは別に、熱硬化性樹脂組成物担持基材と金属箔とを、1対以上の熱ロール間に通して圧着して成形し、これを後加熱により硬化させることにより、積層板を1枚ずつ連続的に製造する方法がある(例えば、特許文献1参照。)。このような方法によれば、積層板に内部歪みを生じにくく、また、熱履歴の違いに起因する特性バラツキを解消することができるという利点がある。
しかし、連続型の装置を用いて成形する場合は、熱硬化性樹脂組成物担持基材と金属箔との層間に存在する空気や、熱ロールにより成形圧力が作用する時点で発生する樹脂溜まりが巻き込む空気を除去することが難しいため、積層板内部に微小なボイドが発生しやすくなるという問題があった。
このような問題に対して、熱硬化性樹脂組成物担持基材と金属箔とをラミネートする際に、例えば複数対のロールを用いて、成形圧力が作用する上流側に減圧可能な閉空間を設ける方法(例えば、特許文献2参照。)があるが、装置の機構が複雑であり、また、被ラミネート材料が出入りするための隙間を設ける必要があるため、この閉空間を充分に減圧できないという問題があった。
特開2002−192615号公報 特開平7−186353号公報
本発明は、特性のバラツキや内部歪みが小さく、微小なボイドの発生を実質的に防止することができる積層板の製造方法、並びに、この製造方法を適用できる製造装置を提供するものである。
このような目的は、以下の本発明(1)〜(3)によって達成される。
(1)熱硬化性樹脂組成物担持基材と金属箔とを、熱ロールラミネート装置により連続的に貼り合わせる積層板の製造方法であって、
上記熱硬化性樹脂組成物担持基材とその供給搬送装置、上記金属箔とその供給搬送装置、熱ロールラミネート装置、及び、ロールラミネートされた積層板の搬送装置を含む装置一式を、真空チャンバー内部に格納して上記真空チャンバー内部を減圧し、該減圧下で上記熱硬化性樹脂組成物担持基材と上記金属箔との貼り合わせを行うことを特徴とする、積層板の製造方法。
(2)上記真空チャンバー内部を、100torr以下に減圧する上記(1)に記載の積層板の製造方法。
(3)熱硬化性樹脂組成物担持基材と金属箔とを熱ロールラミネート装置により連続的に貼り合わせる積層板の製造装置であって、
上記熱硬化性樹脂組成物担持基材の供給搬送装置、上記金属箔の供給搬送装置、熱ロールラミネート装置、及び、ロールラミネートされた積層板の搬送装置を含む装置一式と、上記装置一式を格納する真空チャンバー及び上記真空チャンバー内部を減圧する装置とを有することを特徴とする、積層板の製造装置。
本発明は、熱硬化性樹脂組成物担持基材とその供給搬送装置、金属箔とその供給搬送装置、熱ロールラミネート装置、及び、ロールラミネートされた積層板の搬送装置を含む装置一式を、真空チャンバー内部に格納して真空チャンバー内部を減圧し、該減圧下で熱硬化性樹脂組成物担持基材と金属箔との貼り合わせを行うことを特徴とする積層板の製造方法であり、歪みが小さく、ボイドの発生を実質的に防止することができる積層板を製造することができる。
以下に、本発明の積層板の製造方法と、製造装置について詳細に説明する。
本発明の積層板の製造方法(以下、単に「製造方法」ということがある)は、熱硬化性樹脂組成物担持基材と金属箔とを、熱ロールラミネート装置により連続的に貼り合わせる積層板の製造方法であって、熱硬化性樹脂組成物担持基材とその供給搬送装置、金属箔とその供給搬送装置、熱ロールラミネート装置、及び、ロールラミネートされた積層板の搬送装置を含む装置一式を、真空チャンバー内部に格納して真空チャンバー内部を減圧し、該減圧下で熱硬化性樹脂組成物担持基材と金属箔との貼り合わせを行うことを特徴とする。
また、本発明の積層板の製造装置(以下、単に「製造装置」ということがある)は、上記本発明の製造方法を適用することができる装置であって、熱硬化性樹脂組成物担持基材の供給搬送装置、金属箔の供給搬送装置、熱ロールラミネート装置、及び、ロールラミネートされた積層板の搬送装置を含む装置一式と、装置一式を格納する真空チャンバー及び真空チャンバー内部を減圧する装置とを有することを特徴とする。
まず、本発明の製造方法で用いられる熱硬化性樹脂組成物担持基材と金属箔について説明する。
熱硬化性樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」ということがある)に用いられる熱硬化性樹脂としては特に限定されないが、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂などのフェノール樹脂、シアネート樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂などが挙げられる。これらの中から、単独で使用、あるいは、2種類以上を組み合わせて併用することもできる。
樹脂組成物には、熱硬化性樹脂のほか、熱硬化性樹脂の硬化剤、硬化促進剤、有機充填材、無機充填材、可塑剤、流動性付与材、着色剤、離型剤など各種の添加剤を配合することができる。
硬化剤や硬化促進剤は、熱硬化性樹脂の種類により、各々公知のものを使用することができる。
例えば、熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である場合は、硬化剤として酸無水物化合物、ジシアンジアミドや芳香族アミンなどのアミン化合物、ノボラック型フェノール樹脂などを用いることができる。また、硬化促進剤としては、イミダゾール化合物、第3級アミン化合物などを用いることができる。
また、無機充填材としては特に限定されないが、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、タルク、ウォラストナイト、アルミナ、シリカ、未焼成クレー、焼成クレー、硫酸バリウム等が挙げられる。樹脂組成物に無機充填材を配合することにより、積層板に耐トラッキング性、耐熱性、低熱膨張率等の特性を付与することができる。
樹脂組成物の調製方法としては特に限定されないが、熱硬化性樹脂、硬化剤等の成分を溶解する有機溶剤に溶解し、樹脂組成物ワニスとして用いる方法が挙げられる。また、無機充填材を配合する場合は、この樹脂組成物ワニスに無機充填材を分散混合したものを用いることができる。
このほか、樹脂組成物成分を粉体状に調製したものを用いる方法、あるいは、この粉体状の樹脂組成物を、水などの貧溶媒に分散し、樹脂組成物分散水として用いることもできる。
樹脂組成物担持基材に用いられる基材としては特に限定されないが、通常、シート状の繊維基材が用いられる。このような基材としては例えば、ガラス繊布、ガラス不繊布等のガラス繊維基材、ポリアミド樹脂繊維、芳香族ポリアミド樹脂繊維、全芳香族ポリアミド樹脂繊維等のポリアミド系樹脂繊維、ポリエステル樹脂繊維、芳香族ポリエステル樹脂繊維、全芳香族ポリエステル樹脂繊維等のポリエステル系樹脂繊維、ポリイミド樹脂繊維、フッ素樹脂繊維等を主成分とする織布または不織布で構成される合成繊維基材、クラフト紙、コットンリンター紙、リンターとクラフトパルプの混抄紙等を主成分とする紙基材等の有機繊維基材のほか、金属繊維、カーボン繊維、鉱物繊維等からなる織布、不織布、マット類等の基材が挙げられる。これらの基材の原料繊維は単独又は混合して使用することもできる。
樹脂組成物担持基材は、上記基材に、樹脂組成物を担持させてなるものである。
樹脂組成物を担持させる方法としては特に限定されないが、樹脂組成物を樹脂組成物ワニスや樹脂組成物分散水の形態で用いる場合は、樹脂組成物に基材を浸漬する方法、スプレー装置を用いて基材に樹脂組成物を噴射して塗工する方法、コンマコーター等の各種コーターにより基材に樹脂組成物を塗工する方法、あるいは、リバースコーター等の転写ロールにより基材に樹脂組成物を転写塗工する方法、などが挙げられる。
また、樹脂組成物を粉体の形態で用いる場合は、コンマコーター等の各種コーターにより基材に樹脂組成物を塗工する方法、あるいは、静電塗工により基材に樹脂組成物を塗工する方法、などが挙げられる。
このようにして樹脂組成物を基材に担持させた後、好ましくはこれを加熱することにより、樹脂組成物に有機溶剤や水を用いた場合はこの大半を除去するとともに、熱硬化性樹脂を半硬化させることができ、取り扱い性に優れた樹脂組成物担持基材を製造することができる。
ここで、樹脂組成物を担持させた基材を加熱する方法としては特に限定されないが、例えば、加温した空気により行う方法、加温した輻射パネルからの輻射熱により行う方法、あるいは、遠赤外線ヒーターパネルなどにより行う方法などが挙げられる。
本発明の製造方法で用いられる金属箔としては特に限定されないが、例えば、電解銅、圧延銅などの銅、アルミニウム、ニッケル、真鍮などが挙げられ、これらの合金も使用することができる。
これらの中でも、プリント回路板用としては電解銅、圧延銅からなる銅箔が多用されている。銅箔の厚みは積層板の使用目的に応じて適宜選択されるが、通常、5〜70μm程度の厚みのものが使用される。また、銅箔は表面に他金属のメッキ処理などによって防錆処理、耐熱性向上処理などが施されていてもよいし、樹脂組成物担持基材との接着面側にエポキシ樹脂やフェノール樹脂などからなる接着剤層を有しているものを使用することもできる。
本発明の製造方法は、樹脂組成物担持基材とその供給搬送装置、金属箔とその供給搬送装置、熱ロールラミネート装置、及び、ロールラミネートされた積層板の搬送装置を含む装置一式を、真空チャンバー内部に格納して、この真空チャンバー内部を減圧し、この減圧下において、以上に説明した樹脂担持基材と金属箔とを熱ラミネートロールにより貼り合わせを行うことを特徴とするものである。
ここで用いられる樹脂組成物担持基材及び金属箔の形態としては特に限定されないが、ともにロール形態のものを用いて、これを各々の供給搬送装置を用い、連続的に繰り出すことが好ましい。これにより、積層板の製造効率を向上させることができる。
樹脂組成物担持基材と金属箔との貼り合わせを行う際の熱ラミネートロールの温度は特に限定されず、熱硬化性樹脂の種類などにより適宜最適な温度を設定できる。
一例を挙げると、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いた場合は、130〜200℃、ポリイミド樹脂を用いた場合は、210〜280℃として用いることが好ましい。
熱ラミネートロールに用いられる素材としては特に限定されないが、例えば、ステンレスなどの金属ロール、シリコンゴムなどの耐熱性ゴムなどを用いることができる。また、基体を金属製とし、この表面に耐熱性ゴムを貼り付け施工したものを用いることもできる。
熱ラミネートロールの使用温度が高い場合は、耐熱性の観点から、金属ロールを用いることが好ましい。
熱ラミネートロール対の間隙は、所定のクリアランスが設定され、樹脂組成物担持基材と金属箔とが積層された状態でこの間隙を通過することにより成形が行われる。このとき、熱ラミネートロールの加圧方式としては特に限定されず、油圧、空気圧等により実施することができる。
なお、この熱ラミネートロールは1対もしくは2対以上を並設して用いることができる。
樹脂組成物担持基材は、特に限定されないが、熱ラミネートロールにより金属箔と貼り合わせされる前の段階で、予熱することが好ましい。これにより、樹脂組成物を予め溶融もしくは軟化させることができるので、積層板の成形性を向上させることができる。
金属箔は、両面金属箔積層板を製造する場合は、樹脂組成物担持基材の表裏両側面に貼り合わせる。また、片面金属箔積層板を製造する場合は、金属箔を貼り合わせない側の樹脂組成物担持基材に、金属箔の代わりに離型用の金属箔又はフィルムを用いて、これを貼り合わせ、積層板製造後にこれを剥離することができる。
熱ラミネートロールにより貼り合わせされた積層板は、その後、熱ロール、熱ベルト等を用いて樹脂成分の硬化を進めることもできる。得られた積層板は、ロール形態に巻き取ってもよいし、枚葉状に裁断することもできる。
本発明の製造方法において、上記の装置一式を格納する真空チャンバーは、これらの装置を格納できる大きさを有しており、かつ、内部を真空ポンプ等の減圧装置により減圧することができるものである。
この真空チャンバーの形状としては特に限定されず、直方体形状、球体形状、カプセル形状などのものを用いることができる。
また、真空チャンバーには、大きい断面積を有する側に開口部が設けられていることが好ましい。これにより、樹脂組成物担持基材や金属箔、積層板の入れ替え作業や、装置のメンテナンス等を容易に行うことができる。一例を挙げると、直方体形状の真空チャンバーの場合は、最も大きい断面積を有する側の一面がそのまま移動することで、開口部を形成する機構とすることができる。
真空チャンバー本体と、その内部に格納される装置一式とは、いずれも、固定仕様又は可動仕様とすることができる。
例えば、両方とも固定仕様として、入れ替え作業等は開口部を形成するだけで行えるようにすることができる。あるいは、いずれかもしくは両方を可動仕様として、開口部を形成した後にいずれかもしくは両方を移動させて、入れ替え作業等を行うようにすることもできる。
本発明の製造方法において、積層板を製造する際の真空チャンバー内部の圧力としては特に限定されないが、100Torr以下とすることが好ましい。
熱ロールラミネート装置により連続式で積層板を製造する場合に、得られる積層板の内部に残存するボイドは、主に樹脂組成物担持基材と金属箔とを貼り合わせる際に、両者の層間に存在し除去しきれない空気層に起因するもの、及び、熱ラミネートロールにより成形圧力が作用する時点で生じる樹脂溜まりに取り込まれた空気に起因するものである。
本発明の製造方法においては、装置一式を減圧下に設置して積層板を製造することができるので、このようなボイドの主な原因となりうる空気を除去することができ、成形性に優れた積層板を製造することができる。そして、積層板を1枚ずつ連続的に短時間で加圧成形するので、特性バラツキが小さく、内部歪みも小さい積層板を製造することができる。
次に、以下、本発明の製造装置について、好適な実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の製造装置の一例を示す。本発明の製造装置は、図1に示すように、樹脂組成物担持基材の供給搬送装置1、樹脂組成物担持基材の予熱装置2、金属箔の供給搬送装置3、熱ロールラミネート装置4、積層板の加熱装置5、積層板の搬送装置6、及び、これらの装置一式を格納する真空チャンバー7と真空チャンバー内部を減圧する装置8とを有している。
図1(a)は側断面図、図1(b)は縦断面図である。
図1(a)において、樹脂組成物担持基材はロール形態の担持基材1aを用いている。
担持基材1aは、繰り出しロール11,11によって繰り出され、予熱装置2へ送られる。ここで担持基材1bは予熱装置2の内部に設置された遠赤外線ヒーター21,21により、樹脂成分が軟化もしくは溶融した状態になるまで加熱される。
金属箔31,31は、金属箔供給装置3より各々繰り出され、担持基材1cとともに積層されて、熱ロールラミネート装置4へ送られる。熱ロールラミネート装置4においては、熱ロール41,41により、担持基材1cの表裏両面側に金属箔31,31が貼り合わせられる。
図1(a)においては、さらに、貼り合わせて得られた積層板1dを、積層板の加熱装置5の内部に設置された加熱ベルト51、51により加熱を行う。この後、積層板1eは冷却ロール12、12により冷却されるとともに、積層板の搬送装置6(ここでは巻き取り装置である)へ送られ、ロール形態の積層板1fが得られる。
これらの装置一式は、図2(b)に示したように、真空チャンバー7に格納されている。真空チャンバー7は、コの字型の縦断面形状を有する本体71と、平板形状の前扉72とから構成されている。
本発明の製造装置を適用する場合、積層板の製造時は本体71と前扉72とは一体化しており、真空ポンプ装置8などの減圧化装置により真空チャンバー内部は脱気されている。なお、図示していないが、本体71と前扉72との接合面はシール機能を有したゴムにより減圧状態を保持できるようになっている。
そして、樹脂組成物担持基材1a、金属箔31,31など、原材料の交換、あるいは積層板1fの回収等を行う場合は、真空チャンバー内部を常圧に戻した後、前扉72を上下方向または左右方向に移動させることにより、本体71の前面を開放することができる。この後の作業は、常圧下での通常作業と同様に簡易に行うことができる。
なお、図1においては、樹脂組成物担持基材1aを横方向へ移送する形態を例示したが、本発明の製造方法ならびに製造装置はこのような形態に限定されるものではなく、例えば、樹脂組成物担持基材1aを鉛直方向に移送させる形態を適用することも、何ら問題なく実施することができる。
また、熱ロールラミネート装置の熱ロールは一対のものを図示したが、これを2対以上並設したものを用いることもできる。
このような実施の形態は、装置構成、装置を設置する場所の制約等種々の条件を勘案し、適したものを適宜選択して実施することができる。
このようにして得られた積層板は、そのまま用いることもできるが、熱硬化性樹脂の種類や積層板の用途によっては、さらに加熱装置を用いて熱硬化性樹脂の硬化を進めるアフターキュア処理を行ってもよい。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
<実施例1>
(1)エポキシ樹脂ワニスの調製
エポキシ樹脂(ジャパンエポキシ社製・「エピコート5048」、ビスフェノールA型臭素化エポキシ樹脂、エポキシ当量675)100重量部、硬化剤(ジシアンジアミド)5重量部、硬化促進剤(2−エチル−4−メチルイミダゾール)1重量部を、メチルセロソルブ100重量部に溶解させてエポキシ樹脂ワニスを得た。
(2)樹脂組成物担持基材の製造
上記エポキシ樹脂ワニスに、ガラス織布基材(日東紡製2116)を浸漬し、170℃の乾燥装置で3分間乾燥し、坪量200g/m、樹脂組成物分48重量%の樹脂組成物担持基材を得た。
(3)積層板の製造
図1に示した装置を用いて積層板を製造した。
上記で得られた樹脂組成物担持基材を用い、これを遠赤外線ヒーターで表面温度が160℃になるまで予熱し、この表裏両面側から、厚さ18μmの電解銅箔(古河サーキットフォイル社製・「GTS−MP18」)を積層し、180℃に加熱された一対の金属ロール(間隙0.1mm)で加熱加圧成形した。続いて、250℃の加熱ベルト間を通し、面圧力8kg/cmを1分間作用させ、積層板を製造した。
なお、積層板製造時の真空チャンバー内は、20Torrまで減圧して実施した。
<実施例2>
積層板製造時の真空チャンバー内を、50Torrまで減圧して実施した以外は、実施例1と同様にして行い、積層板を得た。
<実施例3>
積層板製造時に、樹脂組成物担持基材の予熱を実施しなかった以外は、実施例1と同様にして行い、積層板を得た。
<比較例1>
積層板製造時に、真空チャンバー内を常圧として実施した以外は、実施例1と同様にして行い、積層板を得た。
<比較例2>
実施例1で得られた樹脂組成物担持基材と銅箔を用い、同様の構成となるように積層した。これを、20Torrまで減圧した真空プレス装置を用い、165℃の熱盤間に10組挿入して、圧力20kg/cmで90分間加熱加圧成形して積層板を製造した。
実施例及び比較例で得られた積層板について、下記の評価を実施した。評価の結果を表1に示す。
Figure 2005059486
積層板の評価方法
(1)成形性(表面):積層板の両面銅箔をエッチング除去し、表面側のボイドの有無を目視で確認した。
(2)成形性(断面):積層板の断面を研磨し、ガラス繊維の短繊維束(ストランド)内部におけるボイドの有無を電子顕微鏡で確認した。
(3)寸法変化率:積層板を340mm×340mmに裁断し、3枚の試料を作成した。この各々について、300mm×300mmの正方形の4角部に相当する位置に1.0mmφの穴をドリルであけ、基材方向側及び基材直交側方向の各2辺について2点間距離を測定した。次に、この積層板の銅箔を両面全面エッチング除去し、170℃の熱風乾燥機で30分間処理を行った後、2点間距離を再度測定し、初期値に対する変化率(%)を求め、この値の平均値(3枚×2辺=6個のデータ)を算出した。測定には、500mm×500mmまで測定可能で最小目盛が0.005mmの二次元座標測定装置を用いた。
(4)銅箔引剥し強さ:JIS−C6481「プリント配線板用銅張積層板試験方法」に準拠して測定した。
(5)半田耐熱性:JIS−C6481「プリント配線板用銅張積層板試験方法」に準拠して測定した。銅張積層板を50mm×50mmに裁断し、260℃の半田槽に180秒間フロートさせた後の、外観の異常の有無を確認した。膨れのないものを○、膨れが生じたものを×とした。
(6)絶縁抵抗:JIS−C6481「プリント配線板用銅張積層板試験方法」に準拠して測定した。
実施例1〜3はいずれも、熱硬化性樹脂組成物担持基材と金属箔とを、減圧した真空チャンバー内部で熱ロールラミネートにより連続的に貼り合わせる本発明の製造方法により得られた積層板であり、表面及び断面のボイドが実質的に存在せず、歪みの小さい積層板を得ることができた。
比較例1は、常圧下で貼り合わせを実施したものであるが、表面断面ともボイドが観察された。実施例2はバッチ型の真空プレス装置を用いたものであるが、歪みが大きなものとなった。
本発明は、特性のバラツキや内部歪みが小さく、微小なボイドの発生を実質的に防止することができる積層板の製造方法、並びに、この製造方法を適用できる製造装置を提供するものであり、回路基板などに用いられる積層板の製造に好適なものである。
(a)本発明の製造装置の一例の概略側断面図 (b)本発明の製造装置の一例の概略縦断面図
符号の説明
1 樹脂組成物担持基材の供給搬送装置
2 樹脂組成物担持基材の予熱装置
3 金属箔の供給搬送装置
4 熱ロールラミネート装置
5 積層板の加熱装置
6 積層板の搬送装置
7 真空チャンバー
8 真空チャンバー内部を減圧する装置

Claims (3)

  1. 熱硬化性樹脂組成物担持基材と金属箔とを、熱ロールラミネート装置により連続的に貼り合わせる積層板の製造方法であって、
    前記熱硬化性樹脂組成物担持基材とその供給搬送装置、前記金属箔とその供給搬送装置、熱ロールラミネート装置、及び、ロールラミネートされた積層板の搬送装置を含む装置一式を、真空チャンバー内部に格納して前記真空チャンバー内部を減圧し、該減圧下で前記熱硬化性樹脂組成物担持基材と前記金属箔との貼り合わせを行うことを特徴とする、積層板の製造方法。
  2. 前記真空チャンバー内部を、100torr以下に減圧する請求項1に記載の積層板の製造方法。
  3. 熱硬化性樹脂組成物担持基材と金属箔とを熱ロールラミネート装置により連続的に貼り合わせる積層板の製造装置であって、
    前記熱硬化性樹脂組成物担持基材の供給搬送装置、前記金属箔の供給搬送装置、熱ロールラミネート装置、及び、ロールラミネートされた積層板の搬送装置を含む装置一式と、前記装置一式を格納する真空チャンバー及び前記真空チャンバー内部を減圧する装置とを有することを特徴とする、積層板の製造装置。
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