JP2005059486A - 積層板の製造方法と製造装置 - Google Patents
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【解決手段】 熱硬化性樹脂組成物担持基材と金属箔とを、熱ロールラミネート装置により連続的に貼り合わせる積層板の製造方法であって、熱硬化性樹脂組成物担持基材とその供給搬送装置、金属箔とその供給搬送装置、熱ロールラミネート装置、及び、ロールラミネートされた積層板の搬送装置を含む装置一式を、真空チャンバー内部に格納して真空チャンバー内部を減圧し、該減圧下で熱硬化性樹脂組成物担持基材と金属箔との貼り合わせを行うことを特徴とする、積層板の製造方法。
【選択図】 なし
Description
このような問題に対して、熱硬化性樹脂組成物担持基材と金属箔とをラミネートする際に、例えば複数対のロールを用いて、成形圧力が作用する上流側に減圧可能な閉空間を設ける方法(例えば、特許文献2参照。)があるが、装置の機構が複雑であり、また、被ラミネート材料が出入りするための隙間を設ける必要があるため、この閉空間を充分に減圧できないという問題があった。
(1)熱硬化性樹脂組成物担持基材と金属箔とを、熱ロールラミネート装置により連続的に貼り合わせる積層板の製造方法であって、
上記熱硬化性樹脂組成物担持基材とその供給搬送装置、上記金属箔とその供給搬送装置、熱ロールラミネート装置、及び、ロールラミネートされた積層板の搬送装置を含む装置一式を、真空チャンバー内部に格納して上記真空チャンバー内部を減圧し、該減圧下で上記熱硬化性樹脂組成物担持基材と上記金属箔との貼り合わせを行うことを特徴とする、積層板の製造方法。
(2)上記真空チャンバー内部を、100torr以下に減圧する上記(1)に記載の積層板の製造方法。
(3)熱硬化性樹脂組成物担持基材と金属箔とを熱ロールラミネート装置により連続的に貼り合わせる積層板の製造装置であって、
上記熱硬化性樹脂組成物担持基材の供給搬送装置、上記金属箔の供給搬送装置、熱ロールラミネート装置、及び、ロールラミネートされた積層板の搬送装置を含む装置一式と、上記装置一式を格納する真空チャンバー及び上記真空チャンバー内部を減圧する装置とを有することを特徴とする、積層板の製造装置。
本発明の積層板の製造方法(以下、単に「製造方法」ということがある)は、熱硬化性樹脂組成物担持基材と金属箔とを、熱ロールラミネート装置により連続的に貼り合わせる積層板の製造方法であって、熱硬化性樹脂組成物担持基材とその供給搬送装置、金属箔とその供給搬送装置、熱ロールラミネート装置、及び、ロールラミネートされた積層板の搬送装置を含む装置一式を、真空チャンバー内部に格納して真空チャンバー内部を減圧し、該減圧下で熱硬化性樹脂組成物担持基材と金属箔との貼り合わせを行うことを特徴とする。
また、本発明の積層板の製造装置(以下、単に「製造装置」ということがある)は、上記本発明の製造方法を適用することができる装置であって、熱硬化性樹脂組成物担持基材の供給搬送装置、金属箔の供給搬送装置、熱ロールラミネート装置、及び、ロールラミネートされた積層板の搬送装置を含む装置一式と、装置一式を格納する真空チャンバー及び真空チャンバー内部を減圧する装置とを有することを特徴とする。
例えば、熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である場合は、硬化剤として酸無水物化合物、ジシアンジアミドや芳香族アミンなどのアミン化合物、ノボラック型フェノール樹脂などを用いることができる。また、硬化促進剤としては、イミダゾール化合物、第3級アミン化合物などを用いることができる。
このほか、樹脂組成物成分を粉体状に調製したものを用いる方法、あるいは、この粉体状の樹脂組成物を、水などの貧溶媒に分散し、樹脂組成物分散水として用いることもできる。
樹脂組成物を担持させる方法としては特に限定されないが、樹脂組成物を樹脂組成物ワニスや樹脂組成物分散水の形態で用いる場合は、樹脂組成物に基材を浸漬する方法、スプレー装置を用いて基材に樹脂組成物を噴射して塗工する方法、コンマコーター等の各種コーターにより基材に樹脂組成物を塗工する方法、あるいは、リバースコーター等の転写ロールにより基材に樹脂組成物を転写塗工する方法、などが挙げられる。
また、樹脂組成物を粉体の形態で用いる場合は、コンマコーター等の各種コーターにより基材に樹脂組成物を塗工する方法、あるいは、静電塗工により基材に樹脂組成物を塗工する方法、などが挙げられる。
ここで、樹脂組成物を担持させた基材を加熱する方法としては特に限定されないが、例えば、加温した空気により行う方法、加温した輻射パネルからの輻射熱により行う方法、あるいは、遠赤外線ヒーターパネルなどにより行う方法などが挙げられる。
これらの中でも、プリント回路板用としては電解銅、圧延銅からなる銅箔が多用されている。銅箔の厚みは積層板の使用目的に応じて適宜選択されるが、通常、5〜70μm程度の厚みのものが使用される。また、銅箔は表面に他金属のメッキ処理などによって防錆処理、耐熱性向上処理などが施されていてもよいし、樹脂組成物担持基材との接着面側にエポキシ樹脂やフェノール樹脂などからなる接着剤層を有しているものを使用することもできる。
一例を挙げると、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いた場合は、130〜200℃、ポリイミド樹脂を用いた場合は、210〜280℃として用いることが好ましい。
熱ラミネートロールの使用温度が高い場合は、耐熱性の観点から、金属ロールを用いることが好ましい。
なお、この熱ラミネートロールは1対もしくは2対以上を並設して用いることができる。
また、真空チャンバーには、大きい断面積を有する側に開口部が設けられていることが好ましい。これにより、樹脂組成物担持基材や金属箔、積層板の入れ替え作業や、装置のメンテナンス等を容易に行うことができる。一例を挙げると、直方体形状の真空チャンバーの場合は、最も大きい断面積を有する側の一面がそのまま移動することで、開口部を形成する機構とすることができる。
例えば、両方とも固定仕様として、入れ替え作業等は開口部を形成するだけで行えるようにすることができる。あるいは、いずれかもしくは両方を可動仕様として、開口部を形成した後にいずれかもしくは両方を移動させて、入れ替え作業等を行うようにすることもできる。
本発明の製造方法においては、装置一式を減圧下に設置して積層板を製造することができるので、このようなボイドの主な原因となりうる空気を除去することができ、成形性に優れた積層板を製造することができる。そして、積層板を1枚ずつ連続的に短時間で加圧成形するので、特性バラツキが小さく、内部歪みも小さい積層板を製造することができる。
図1は、本発明の製造装置の一例を示す。本発明の製造装置は、図1に示すように、樹脂組成物担持基材の供給搬送装置1、樹脂組成物担持基材の予熱装置2、金属箔の供給搬送装置3、熱ロールラミネート装置4、積層板の加熱装置5、積層板の搬送装置6、及び、これらの装置一式を格納する真空チャンバー7と真空チャンバー内部を減圧する装置8とを有している。
図1(a)は側断面図、図1(b)は縦断面図である。
担持基材1aは、繰り出しロール11,11によって繰り出され、予熱装置2へ送られる。ここで担持基材1bは予熱装置2の内部に設置された遠赤外線ヒーター21,21により、樹脂成分が軟化もしくは溶融した状態になるまで加熱される。
金属箔31,31は、金属箔供給装置3より各々繰り出され、担持基材1cとともに積層されて、熱ロールラミネート装置4へ送られる。熱ロールラミネート装置4においては、熱ロール41,41により、担持基材1cの表裏両面側に金属箔31,31が貼り合わせられる。
また、熱ロールラミネート装置の熱ロールは一対のものを図示したが、これを2対以上並設したものを用いることもできる。
このような実施の形態は、装置構成、装置を設置する場所の制約等種々の条件を勘案し、適したものを適宜選択して実施することができる。
(1)エポキシ樹脂ワニスの調製
エポキシ樹脂(ジャパンエポキシ社製・「エピコート5048」、ビスフェノールA型臭素化エポキシ樹脂、エポキシ当量675)100重量部、硬化剤(ジシアンジアミド)5重量部、硬化促進剤(2−エチル−4−メチルイミダゾール)1重量部を、メチルセロソルブ100重量部に溶解させてエポキシ樹脂ワニスを得た。
(2)樹脂組成物担持基材の製造
上記エポキシ樹脂ワニスに、ガラス織布基材(日東紡製2116)を浸漬し、170℃の乾燥装置で3分間乾燥し、坪量200g/m3、樹脂組成物分48重量%の樹脂組成物担持基材を得た。
(3)積層板の製造
図1に示した装置を用いて積層板を製造した。
上記で得られた樹脂組成物担持基材を用い、これを遠赤外線ヒーターで表面温度が160℃になるまで予熱し、この表裏両面側から、厚さ18μmの電解銅箔(古河サーキットフォイル社製・「GTS−MP18」)を積層し、180℃に加熱された一対の金属ロール(間隙0.1mm)で加熱加圧成形した。続いて、250℃の加熱ベルト間を通し、面圧力8kg/cm2を1分間作用させ、積層板を製造した。
なお、積層板製造時の真空チャンバー内は、20Torrまで減圧して実施した。
積層板製造時の真空チャンバー内を、50Torrまで減圧して実施した以外は、実施例1と同様にして行い、積層板を得た。
積層板製造時に、樹脂組成物担持基材の予熱を実施しなかった以外は、実施例1と同様にして行い、積層板を得た。
積層板製造時に、真空チャンバー内を常圧として実施した以外は、実施例1と同様にして行い、積層板を得た。
実施例1で得られた樹脂組成物担持基材と銅箔を用い、同様の構成となるように積層した。これを、20Torrまで減圧した真空プレス装置を用い、165℃の熱盤間に10組挿入して、圧力20kg/cm2で90分間加熱加圧成形して積層板を製造した。
(1)成形性(表面):積層板の両面銅箔をエッチング除去し、表面側のボイドの有無を目視で確認した。
(2)成形性(断面):積層板の断面を研磨し、ガラス繊維の短繊維束(ストランド)内部におけるボイドの有無を電子顕微鏡で確認した。
(3)寸法変化率:積層板を340mm×340mmに裁断し、3枚の試料を作成した。この各々について、300mm×300mmの正方形の4角部に相当する位置に1.0mmφの穴をドリルであけ、基材方向側及び基材直交側方向の各2辺について2点間距離を測定した。次に、この積層板の銅箔を両面全面エッチング除去し、170℃の熱風乾燥機で30分間処理を行った後、2点間距離を再度測定し、初期値に対する変化率(%)を求め、この値の平均値(3枚×2辺=6個のデータ)を算出した。測定には、500mm×500mmまで測定可能で最小目盛が0.005mmの二次元座標測定装置を用いた。
(4)銅箔引剥し強さ:JIS−C6481「プリント配線板用銅張積層板試験方法」に準拠して測定した。
(5)半田耐熱性:JIS−C6481「プリント配線板用銅張積層板試験方法」に準拠して測定した。銅張積層板を50mm×50mmに裁断し、260℃の半田槽に180秒間フロートさせた後の、外観の異常の有無を確認した。膨れのないものを○、膨れが生じたものを×とした。
(6)絶縁抵抗:JIS−C6481「プリント配線板用銅張積層板試験方法」に準拠して測定した。
比較例1は、常圧下で貼り合わせを実施したものであるが、表面断面ともボイドが観察された。実施例2はバッチ型の真空プレス装置を用いたものであるが、歪みが大きなものとなった。
2 樹脂組成物担持基材の予熱装置
3 金属箔の供給搬送装置
4 熱ロールラミネート装置
5 積層板の加熱装置
6 積層板の搬送装置
7 真空チャンバー
8 真空チャンバー内部を減圧する装置
Claims (3)
- 熱硬化性樹脂組成物担持基材と金属箔とを、熱ロールラミネート装置により連続的に貼り合わせる積層板の製造方法であって、
前記熱硬化性樹脂組成物担持基材とその供給搬送装置、前記金属箔とその供給搬送装置、熱ロールラミネート装置、及び、ロールラミネートされた積層板の搬送装置を含む装置一式を、真空チャンバー内部に格納して前記真空チャンバー内部を減圧し、該減圧下で前記熱硬化性樹脂組成物担持基材と前記金属箔との貼り合わせを行うことを特徴とする、積層板の製造方法。 - 前記真空チャンバー内部を、100torr以下に減圧する請求項1に記載の積層板の製造方法。
- 熱硬化性樹脂組成物担持基材と金属箔とを熱ロールラミネート装置により連続的に貼り合わせる積層板の製造装置であって、
前記熱硬化性樹脂組成物担持基材の供給搬送装置、前記金属箔の供給搬送装置、熱ロールラミネート装置、及び、ロールラミネートされた積層板の搬送装置を含む装置一式と、前記装置一式を格納する真空チャンバー及び前記真空チャンバー内部を減圧する装置とを有することを特徴とする、積層板の製造装置。
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-
2003
- 2003-08-19 JP JP2003294769A patent/JP2005059486A/ja active Pending
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