JP2002226718A - プリント基板用材料及びプリント基板 - Google Patents

プリント基板用材料及びプリント基板

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JP2002226718A
JP2002226718A JP2001026878A JP2001026878A JP2002226718A JP 2002226718 A JP2002226718 A JP 2002226718A JP 2001026878 A JP2001026878 A JP 2001026878A JP 2001026878 A JP2001026878 A JP 2001026878A JP 2002226718 A JP2002226718 A JP 2002226718A
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polyimide
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nonwoven fabric
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JP2001026878A
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Mikio Furukawa
幹夫 古川
Katsuyuki Toma
克行 当麻
Yoshihisa Yamada
良尚 山田
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量で耐熱性、誘電特性及び寸法安定性に優
れ、吸湿による問題も生じず、さらに加工性も良好なプ
リント基板用材料を提供する。 【解決手段】 結晶性を有する熱可塑性ポリイミド短繊
維を主な構成成分とするポリイミド不織布20〜70質
量部と、熱硬化性樹脂30〜80質量部とを含んでなる
ことを特徴とするプリント基板用材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプリント基板用材料
及びこれを用いてなるプリント基板に関する。さらに詳
しくは、軽量性、耐熱性、寸法安定性、加工性、誘電特
性等に優れたプリント基板用材料及びこれを用いてなる
プリント基板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器は小型軽量化、多層化、
高密度実装化が進み、これに用いられるプリント基板用
材料に対しても一層の特性向上が求められており、特に
軽量性、加工性、耐熱性、寸法安定性および誘電特性に
優れた絶縁材の必要性がますます重要になってきてい
る。このような特性を改善するために、従来のガラス繊
維織布を基材とし、マトリックス樹脂として、種々特性
を改良した高Tg(ガラス転移温度)エポキシ樹脂や、
ビスマレイミド樹脂、ポリイミド樹脂等を用いたプリン
ト基板が検討されてきた。しかしながら、これらはいず
れもガラス繊維織布を使用しているため、軽量化、低誘
電性などに対する要求に応えるには、不十分なものであ
った。
【0003】これに代わり、芳香族ポリアミド繊維(ア
ラミド繊維)を主体繊維とする不織布を基材とする上記
プリント基板用材料が提案されている(特公平5−65
640号公報、特開平7−290623号公報、特開平
9−228289号公報等。)、アラミド繊維を使用す
る場合、耐熱性に優れるパラ系アラミド繊維を主体繊維
とするが、パラ系繊維単独では不織布が形成できないの
でバインダーを必要とし、このバインダーとして合成樹
脂バインダーやメタ系アラミドのフイブリドが使用され
る。しかし、合成樹脂を用いるとアラミド繊維とバイン
ダー間の接合が不十分で、しばしば耐電食性や反りの問
題が発生し、それを解決するためにメタ系フィブリドを
使用すると、吸湿による耐熱性や誘電特性が低下すると
いうが問題があった。
【0004】また、耐熱性、機械特性および電気的特性
に優れたポリイミド樹脂からなる繊維を用いた例が提案
されており、特開平11−200210号公報にはポリ
イミド短繊維を湿式抄造して得られる不織布をプリント
積層板用基材に用いる発明が見られるが、ここで用いら
れるポリイミドは実質的に熱可塑性かつ非晶性であっ
た。さらに、特開平6−57529号公報や特開平10
−1894号公報には、ポリイミド前駆体溶液を高速攪
拌された貧溶媒中に添加し、析出させることにより得ら
れるポリイミド前駆体フィブリド(高度に枝分かれした
微細繊維)からポリイミド紙を得る発明が見られるが、
これらの発明で得られるポリイミド紙を構成する微細繊
維は、実質的に非熱可塑性かつ非晶性のポリイミドから
なるものであった。ポリイミド繊維を用いた上記の従来
例で見られるポリイミド不織布やポリイミド紙は、不織
布や紙を構成するポリイミド繊維が非晶性で熱膨張が大
きいため、耐熱性には優れているものの、温度による寸
法変化が大きいという問題点を有しており、種々の条件
下で寸法安定性が要求されるプリント基板用材料として
は不十分なものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような状況に鑑
み、本発明は、軽量で耐熱性、誘電特性及び寸法安定性
に優れ、吸湿による問題も生じず、さらに加工性も良好
なプリント基板用材料を提供することを課題とするもの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討を行った結果、結晶性を有する熱可
塑性ポリイミド短繊維を主な構成成分とするポリイミド
不織布と、熱硬化性樹脂とからなる繊維強化複合シート
材が、上記の課題を解決するプリント基板用材料として
好適であることを見出し、本発明に至った。すなわち、
本発明の要旨は、第一に、結晶性を有する熱可塑性ポリ
イミド短繊維を主な構成成分とするポリイミド不織布2
0〜70質量部と、熱硬化性樹脂30〜80質量部とを
含んでなることを特徴とするプリント基板用材料であ
る。第二に、ポリイミドが下記一般式(1)で示される
繰り返し単位を有するポリイミドであることを特徴とす
る、上記のプリント基板用材料である。
【0007】
【化2】 (式中、Rは単環式芳香族、縮合多環式芳香族、芳香環
が直接もしくは架橋員により結合された非縮合多環式芳
香族から選ばれる4価の芳香族残基を表わす。また、X
は直接結合、炭化水素基、カルボニル基、エーテル基、
チオ基もしくはスルホニル基から選ばれる2価の残基を
表わし、Y1〜Y4は水素、アルキル基、アルコキシル基
もしくはハロゲン基から選ばれる1価の残基を表わ
す。)
【0008】第三に、上記いずれかに記載のプリント基
板用材料の片面もしくは両面に導電層を有してなること
を特徴とするプリント基板である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のプリント基板用材料は、ポリイミド不織布と熱
硬化性樹脂とを用いて形成され、不織布による繊維強化
がなされた繊維強化複合材からなるものである。
【0010】本発明に用いられるポリイミド不織布とし
ては、結晶性を有する熱可塑性ポリイミド繊維をカット
した短繊維を主な構成成分とする。結晶性を有する熱可
塑性ポリイミド繊維としては、結晶性を有する熱可塑性
ポリイミドを原料として溶融紡糸等で得られる原糸を加
熱延伸することにより、結晶部の配向を高めて得ること
ができる。高度に配向した結晶性ポリイミド繊維は、加
熱、冷却時の寸法変化が小さく、不織布にした場合の熱
寸法安定性に優れ、また、従来の非晶性ポリイミド繊維
で問題となっていた吸水性についても、吸水性が小さい
という特長を有しているので、吸水による寸法変化や電
気的特性の変化が極めて少ない。なお、ポリイミド繊維
の結晶化度としては、X線回折法により測定した結晶化
度が15%以上であることが好ましく、20%以上がよ
り好ましく、25%以上が特に好ましい。結晶化度が1
5%未満では、熱膨張や吸水性が大きくなる傾向にある
ので好ましくない。
【0011】熱可塑性ポリイミドのガラス転移温度とし
ては、230℃以上が好ましく、融点としては400℃
以下であることが好ましい。ガラス転移点が230℃以
下であると耐熱性に乏しくなるので好ましくなく、一
方、融点が400℃以上であると熱による加工が困難と
なるため好ましくない。
【0012】本発明で用いる結晶性を有する熱可塑性ポ
リイミドの化学構造としては、特に限定されるものでは
ないが、下記一般式(1)で表される化学構造を繰り返
し単位として有するポリイミドが、熱可塑性で熱加工性
に優れると共に耐熱性に優れた結晶性ポリイミドである
ことから特に好ましい。このようなポリイミドの具体的
な例としては、下記式(2)で示される化学構造を繰り
返し単位として有するポリイミドが、例えば、オーラム
(商標名;三井化学)として市販されており、本発明に
好ましく用いることができる。
【0013】
【化3】 (式中、Rは単環式芳香族、縮合多環式芳香族、芳香環
が直接もしくは架橋員により結合された非縮合多環式芳
香族から選ばれる4価の芳香族残基を表わす。また、X
は直接結合、炭化水素基、カルボニル基、エーテル基、
チオ基もしくはスルホニル基から選ばれる2価の残基を
示し、Y1〜Y4は水素、アルキル基、アルコキシル基も
しくはハロゲン基から選ばれる1価の残基を表わす。)
【0014】
【化4】
【0015】また、ポリイミドを繊維化する際には、種
々特性を改善する目的で、色々な化学構造を有するポリ
イミドを共重合もしくはブレンドしてもよく、また、本
発明の効果を損なわない範囲で、ポリアリレート、ポリ
オレフィン、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイ
ド、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素樹脂などの他
のポリマーを配合してもよく、さらには酸化チタン、ア
ルミナ、シリカ、カーボンブラックなどの無機系フィラ
ーを配合してもよい。
【0016】本発明で用いるポリイミド不織布におい
て、ポリイミド繊維は、短くカットされた短繊維の形態
で用いられる。短繊維の繊維長及び繊維径としては、得
られる不織布の地合の均一性を考慮すると、平均繊維長
が1〜15mmであることが好ましく、かつ平均繊維径が3〜
30μmであることが好ましい。ポリイミド不織布の目付
けとしては、特に限定されるものではないが、実用上及
び生産性の観点から、通常15〜200g/m2が好ま
しい。また、ポリイミド不織布の厚みとしては、特に限
定されるものではないが、同様の観点から通常10〜8
00μmが好ましい。なお、ポリイミド不織布における
結晶性を有する熱可塑性ポリイミド短繊維の含有量とし
ては、60質量%以上、さらには90質量%以上が好ま
しい。
【0017】本発明で用いるポリイミド不織布は、上記
したような結晶性を有する熱可塑性ポリイミド短繊維を
主な構成成分とするものであるが、不織布を抄造しやす
くしたり得られる不織布の種々特性を改善する目的で、
他の有機物もしくは無機物からなる短繊維やパルプ状
物、例えばアラミド、ポリエステル、ポリエーテルエー
テルケトン、ポリフェニレンスルフィド、カーボン、ガ
ラス、アルミナ等からなる短繊維もしくはパルプ状物、
さらには、種々の粒子状物(フィラー)が配合されてい
てもよい。また、取り扱い時や、後述するような樹脂ワ
ニスを含浸させる際にポリイミド不織布が破損するのを
防ぐために、強度を付与する等の目的で、ポリイミド不
織布には、例えばポリイミド樹脂もしくはその前駆体や
エポキシ樹脂等が含まれていてもよい。この場合のポリ
イミド樹脂もしくはその前駆体やエポキシ樹脂等は、通
常エマルジョンや溶液の状態で塗布、スプレーもしくは
含浸される。これら、結晶性を有する熱可塑性ポリイミ
ド短繊維以外の構成成分は、本発明の目的を損なわない
範囲で1種もしくは数種配合してもよいが、その乾燥時
の合計質量が本発明の不織布の全質量に対して40質量
%以下にとどめることが好ましい。
【0018】また、ポリイミド不織布を形成する主たる
ポリイミドのガラス転移点以上の温度で加熱加圧するこ
とにより、ポリイミド不織布の強度を向上させることが
でき、本発明において好ましく行われる。このときの加
熱温度としては、そのポリイミドの融点以下の温度が好
ましく、さらには融点より10℃以上低い温度であるこ
とが好ましい。加熱温度がポリイミドの溶融する温度を
超えると、ポリイミドからなる短繊維同士が極度に融着
し、不織布としての性能を発揮できなくなる傾向にある
ので好ましくない。また、加熱加圧する際の加圧圧力と
しては、特に限定されるものではないが、加圧圧力が高
いほど得られるポリイミド不織布の気孔率が減少する傾
向にあり、通常0.05〜10MPa程度の加圧圧力を
採用すればよい。上記のような加熱加圧を行う装置とし
ては、特に限定されるものではなく、従来公知の加熱プ
レス装置等を用いればよいが、長尺の不織布を連続的に
加熱加圧できるという点から、カレンダーロール装置
や、対向する一対の金属製等のベルト間で加熱プレスの
行えるダブルベルトプレス装置等が好ましく用いられ
る。
【0019】このようにして得られるポリイミド不織布
は、既に説明したように耐熱性と熱寸法安定性に優れて
おり、吸水性も小さいので、プリント基板の基材として
好適であり、熱硬化性樹脂と複合することにより優れた
プリント基板用材料とすることができる。本発明に用い
ることのできる熱硬化性樹脂の例としては、エポキシ樹
脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、フェノール
樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、シアナート樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂などが挙げられる。また、
耐熱性、誘電特性、吸水性もしくは燃焼性などを改善す
る目的でこれら化学構造の一部を変性したものや、無機
質もしくは有機質フィラーを適宜配合したものを用いて
もよい。
【0020】本発明のプリント基板用材料における上記
のポリイミド不織布と熱硬化性樹脂の質量割合として
は、ポリイミド不織布70〜20質量部に対し、熱硬化
性樹脂30〜80質量部であることが必要である。熱硬
化性樹脂の質量割合が上記範囲を外れて小さすぎると、
熱硬化性樹脂が不織布内の空隙に十分に行き渡らず、得
られるプリント基板用材料の内部に気孔が残留して性能
が劣化する。一方、ポリイミド不織布の質量割合が上記
範囲を外れて小さすぎると、プリント基板用材料におい
て繊維強化の効果が十分に得られない。なお、上記の質
量割合としては、ポリイミド不織布60〜30質量部に
対し、熱硬化性樹脂40〜70質量部であることが好ま
しい。
【0021】上記したようなポリイミド不織布と熱硬化
性樹脂とを用いて構成される本発明のプリント基板用材
料は、熱寸法安定性に優れている。すなわち、本発明の
プリント基板材料は、熱膨張係数が小さく、その面内方
向の熱膨張係数としては、平均線膨張係数(JIS−C
6481に準じて25〜130℃で測定した値)が0〜
50μm/m・℃の範囲にあることが好ましく、0〜3
0μm/m・℃がより好ましい。また、本発明のプリン
ト基板用材料は、吸水性が小さいという点でも優れてお
り、下記式で示される吸水率(JIS−C6481に準
じて測定される値)としては、1.5%以下であること
が好ましい。
【0022】
【数1】 (式中、W0は吸水前の質量を示し、Wは吸水後の質量
を表わす。)
【0023】なお、本発明のプリント基板用材料の厚み
としては、特に限定されるものではないが、使用上の軽
量性や生産性を考慮すれば、50〜2000μmの範囲
にあることが好ましい。
【0024】次に、上記のポリイミド不織布と熱硬化性
樹脂とから本発明の基板材料を得るための方法について
説明する。まず、ポリイミド不織布と熱硬化性樹脂とを
複合化する。複合化する方法としては、例えば熱硬化性
樹脂溶液(ワニス)を、含浸装置もしくはコーターを用
いてポリイミド不織布に所定量含浸させもしくは塗布し
た後、熱風式や輻射式等の乾燥機を用いて脱溶媒するこ
とにより行なうことができ、これによりポリイミド不織
布と熱硬化性樹脂を複合化したプリプレグが得られる。
この際、適当な乾燥条件を設定することにより、熱硬化
性樹脂を半硬化状態にさせる、いわゆるBステージ化さ
せることができ、プリプレグの取り扱い性が良くなるの
で好ましい。次いで、上記で得られたプリプレグを適宜
必要枚数積層し、公知の装置を用いて加熱加圧すること
により成形し、かつ熱硬化性樹脂を十分に硬化させて、
目的のプリント基板用材料が得られる。この際の加熱加
圧条件としては、使用する熱硬化性樹脂によって条件が
異なるが、例えばエポキシ樹脂を使用する場合の好まし
い条件としては、170℃程度の温度、2MPa程度の圧
力下、60分間程度保持することにより十分に樹脂を硬
化させることができ、優れた性能のプリント基板用材料
が得られる。なお、プリント基板用材料の厚さを調整す
る方法としては、加圧条件によって調整してもよく、所
定の厚さを有する金属製等のスペーサー、あるいは金型
を用いて調整してもよい。スペーサーを用いる場合に
は、成形する材料とその周囲に配置したスぺーサーとを
2枚の金属板間に挟み、金属板ごと加熱加圧することに
より、簡便かつ確実に厚さを調整した成形を行なうこと
ができる。
【0025】次に、第二の発明であるプリント基板につ
いて説明する。本発明のプリント基板は、上記した本発
明のプリント基板材料と、導電層とからなるものであ
り、上記のプリント基板用材料の片面もしくは両面に、
従来公知の方法等で導電層を積層することにより得るこ
とができる。導電層の素材としては、銅、鉄、アルミニ
ウム、銀、金などの金属が好適であり、特に性能および
価格面から銅が好ましい。導電層の厚さは加工性、性能
面からみて5〜50μmとすることが好ましい。
【0026】本発明のプリント基板用材料に導電層を積
層してプリント基板を得るための好ましい方法として
は、熱硬化性樹脂がBステージ化されたプリント基板用
材料のプリプレグを用い、このプリプレグの片面もしく
は両面に金属箔を配し、加熱加圧成形する方法が挙げら
れ、この方法によれば、成形、樹脂の硬化、積層を一度
に行うことができる。このとき、必要に応じて導電層と
プリント基板用材料とを交互に複数層積層してもよい。
また、プリント基板の厚さの調整は、上記したプリント
基板用材料における場合と同様にして行なうことができ
る。なお、上記の方法以外に、本発明のプリント基板用
材料の片面もしくは両面に、無電解めっきや真空蒸着に
より導電層を設ける方法も採用することができる。上記
のようにして得られた本発明のプリント基板には、必要
に応じて導電層に各種エッチング等の処理を施して回路
を形成させたり、穴をあけたりする加工を施したりし
て、電子部品を実装することができる。
【0027】以上説明したように、本発明のプリント基
板用材料及びプリント基板は、上記のポリイミド不織布
を基材として構成されているので、耐熱性や熱寸法安定
性に優れており、従来公知のアラミド繊維で構成されて
いるプリント基板用材料に比べて、誘電特性、熱加工性
や吸湿性に優れている。また、ガラス織布などで構成さ
れているものと比べて、比重が小さい上、厚みを薄くで
きるため軽量化に寄与できる。さらに、基材が短繊維不
織布であるため、切断や穴あけなどの機械加工加工性に
も優れている。したがって、本発明のプリント基板用材
料及びプリント基板は、従来の問題点を解消することの
できるプリント基板用材料及びプリント基板である。
【0028】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明
する。なお、各種の特性は以下の方法で測定又は評価し
た。 (1)プリント基板用材料の比重 30mm角に切断した試験片を用いて、空気中での質量
と水中に完全に浸漬したときの質量とを測定し、アルキ
メデス法により算出した。 (2)プリント基板用材料の吸水率 JIS−C6481規格に準じて測定した。 (3)プリント基板用材料のドリル加工性 φ0.5mmのドリル刃にて穿孔し、穿孔部の状態を光
学顕微鏡で観察して評価した。 (4)平均熱膨張係数 実施例2、比較例2及び比較例4で得られたプリント基
板の導電層をエッチングにより除去したものを試料とし
て、JIS−C6481に準じて、TMA測定装置(T
Aインスツルメント製、「TMA2940」)を用い、2
5〜150℃の範囲で測定した。なお、測定する方向と
しては、基材に用いた不織布もしくはクロスの幅方向と
した。 (5)プリント基板の比誘電率 JIS−C6481規格に準じて常態で測定した。な
お、測定はブリッジ法で周波数1MHzにて行い、主電
極とガードは導電層をエッチングして形成し、対電極は
銀ペーストを用いて形成した。
【0029】実施例1 ポリイミドとしては、熱可塑性を有する結晶性ポリイミ
ド樹脂(三井化学製「オーラムPL450」)を用いた。DS
C測定によるこのポリイミドのガラス転移点は250℃
であり、同じく融点は387℃であった。上記のポリイ
ミドを400℃に加熱して溶融させ、紡糸速度500m
/minで溶融紡糸し、温度300℃、延伸倍率2.5
倍で加熱延伸することにより、繊維径約15μmのポリイ
ミド繊維を得た。このポリイミド繊維の結晶配向度は90
%、結晶化度をX線回折法により測定したところ、結晶
化度は25%(いずれもX線回折法による測定値)あっ
た。このポリイミド繊維を繊維長5mmにカットして、ポ
リイミド短繊維を得た。上記のポリイミド短繊維を水中
に分散させ、乾燥機付き傾斜式連続抄紙機(斎藤鐵工所
製)により巾60cm、目付60g/m2のポリイミド
不織布を抄造した。さらに、このポリイミド不織布の強
度を高めるために、ダブルベルトプレス機(サンドビッ
ク社製)を用いて連続的に加圧しつつ加熱(240℃で2分
間、300℃で5分間)する処理を行なった。これとは別
に、メチルエチルケトン、DMF及びメチルセロソルブか
らなる混合溶媒(混合質量比=15/20/8)43質
量部に、エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、「エ
ピコート5046B80」及び「エピコート154」)を57質量
部(内訳:「エピコート5046B80」を37質量部、「エ
ピコート154」を20質量部)、ジシアンジアミド2質
量部並びに2,4−エチルメチルイミダゾール0.1質
量部を加えて溶解し、熱硬化性樹脂溶液(ワニス)を調
製した。上記のポリイミド不織布を上記の熱硬化性樹脂
溶液中に浸漬して引き上げた後、150℃で4分間熱風
乾燥してプリプレグを得た。このプリプレグを4枚積層
し、バッチ式加熱プレス機を用いて、プリプレグに加圧
しない状態で120℃で1時間保持し、引き続き2MPaの
加圧下、170℃で60分間保持して、成形及び樹脂の
硬化を行なうことにより、厚さ0.5mmのプリント基
板用材料を得た。得られたプリント基板用材料中の熱硬
化性樹脂の質量割合は65質量%であった。
【0030】実施例2 実施例1で使用したプリプレグ1枚と、厚さ18μmの電
解銅箔1枚とを積層し、実施例1と同様の条件で加熱及
び加圧して成形及び樹脂の硬化を行なうことにより、片
面に導電層を有する厚さ0.15mmのプリント基板を
得た。このプリント基板において、導電層(銅箔)は基
板用材料にしっかりと密着して容易に引き剥がすことは
できず、さらに、水中に浸漬して引き上げた後でもその
密着状態が損なわれることはなく、また、表面状態も平
滑で良好なものであった。
【0031】比較例1 不織布を得る際に、ポリイミド繊維を製造して用いる代
わりに、アラミド繊維(東レデュポン社製「ケブラ
ー」、繊維径1.2μm、繊維長6mm)90質量部
と、バインダーとしてのメタアラミドフィブリド(東レ
デュポン社製「ノーメックス」)10質量部とを混合し
て用いる以外は、実施例1と同様にして、厚さ0.5m
mのプリント基板用材料を得た。得られたプリント基板
用材料中の熱硬化性樹脂の質量割合は62質量%であっ
た。
【0032】比較例2 ポリイミド不織布の代わりにガラスクロス(E−ガラス
からなるガラス繊維を平織りしたもの、目付150g/
2)を使用する以外は、実施例1と同様にして、厚さ
1mmのプリント基板用材料を得た。
【0033】実施例1及び比較例1,2で得られたプリ
ント基板用材料の特性を下記表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】比較例3 比較例1において得られたプリプレグを使用する以外は
実施例2と同様にして、片面に導電層を設けた厚さ0.
15mmのプリント基板を得た。
【0036】比較例4 比較例2において得られたプリプレグを使用する以外は
実施例2と同様にして、厚さ0.25mmのプリント基
板を得た。
【0037】実施例2及び比較例3,4で得られたプリ
ント基板の特性を下記表1に示す。
【0038】
【表2】
【0039】以上の実施例及び結果から明らかなよう
に、結晶性を有するポリイミド短繊維を主な構成成分と
するポリイミド不織布を用いた本発明の実施例のプリン
ト基板用材料は、軽量で吸水率が小さく、誘電特性に優
れたプリント基板を得ることができ、そのドリル加工性
も良好であった。これに対して、アラミド繊維を主体と
する不織布を用いた比較例1,3では、吸水率が大き
く、また、ドリル加工性も劣っていた。また、ガラスク
ロスを用いた比較例2,4では、比重が大きくなる点で
不利であった。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のプリント
基板用材料は、軽量で耐熱性、誘電特性及び寸法安定性
に優れ、吸水性が極めて低く、さらに機械加工性、特に
ドリル加工性が良好なので、微細加工が可能であり、各
種の電子機器に使用される高密度実装用のプリント基板
に好適に使用でき、過酷な使用条件に耐え得る信頼性の
高い材料である。また、本発明のプリント基板は、上記
のプリント基板用材料の優れた特性が反映された高性能
のプリント基板である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 1/03 610 H05K 1/03 610U 610P Fターム(参考) 4F100 AK01A AK49A AK49K AR00B AR00C BA03 BA06 BA10B BA10C DG03A DG15A EJ82A GB43 JA11A JB13A JB16A JD15 JG01B JG01C JG05 JJ03 JL01 JL03 JL04 YY00A 4J002 AA02X CC03X CD00X CF21X CH07X CM02X CM04W CM04X FA04W GQ00 4J043 PA02 PC016 PC116 PC136 QB15 QB26 QB31 RA35 SA06 SA47 SA51 SB01 TA22 TA71 UA122 UA151 UA542 UB011 UB121 UB151 UB281 UB291 UB401 VA011 VA051 4L047 AA23 AB02 AB10 BA21 BA23 CA07 CB05 CB10 CC13 CC14 DA00 EA10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶性を有する熱可塑性ポリイミド短繊
    維を主な構成成分とするポリイミド不織布20〜70質
    量部と、熱硬化性樹脂80〜30質量部とを含んでなる
    ことを特徴とするプリント基板用材料。
  2. 【請求項2】 ポリイミドが下記一般式(1)で示され
    る繰り返し単位を有するポリイミドであることを特徴と
    する、請求項1に記載のプリント基板用材料。 【化1】 (式中、Rは単環式芳香族、縮合多環式芳香族、芳香環
    が直接もしくは架橋員により結合された非縮合多環式芳
    香族から選ばれる4価の芳香族残基を表わす。また、X
    は直接結合、炭化水素基、カルボニル基、エーテル基、
    チオ基もしくはスルホニル基から選ばれる2価の残基を
    表わし、Y1〜Y4は水素、アルキル基、アルコキシル基
    もしくはハロゲン基から選ばれる1価の残基を表わ
    す。)
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載のプリント
    基板用材料の片面もしくは両面に導電層を有してなるこ
    とを特徴とするプリント基板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017177479A (ja) * 2016-03-29 2017-10-05 三菱ケミカル株式会社 積層体
US10568233B2 (en) 2012-06-28 2020-02-18 3M Innovative Properties Company Thermally conductive substrate article

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