JP6112452B2 - 両面金属張積層板及びその製造方法 - Google Patents

両面金属張積層板及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、多層プリント配線板等の材料として用いられる両面金属張積層板及びその製造方法に関する。
近年、多層プリント配線板等に用いられる両面銅張積層板については、大容量・情報化の流れから、層数増大による薄型化が望まれており、厚みの薄い銅箔が使用される傾向にある。また、両面銅張積層板の表面に形成する回路(導体パターン)をファインパターン化して配線密度を上げる場合にも薄い銅箔が用いられている。また、両面銅張積層板の両面の銅箔間の絶縁層の厚みも薄層化して板厚全体を薄くする傾向にある。
このような状況下において、両面の銅箔の厚みが異なる両面銅張積層板が使用されている。この両面銅張積層板の一方の面にはグラウンド層を形成するために厚い銅箔が用いられ、他方の面には上記のような事情から薄い銅箔が用いられている。
しかし、板厚全体が薄い両面銅張積層板において両面の銅箔の厚みを異ならせると、厚みの薄い銅箔側が凸、厚みの厚い銅箔側が凹となるような反りが発生しやすくなる。そして、このように反りが発生した両面銅張積層板は、プリント配線板の生産ラインの回路形成工程におけるロール等に引っ掛かるなど搬送不良が生じるという問題がある。
ところで、特許文献1には、片面の銅箔をエッチングしたときに発生する反りを小さくすることを目的とした両面銅張積層板の製造方法の発明が記載されている。特許文献1に記載の両面銅張積層板では、一つの態様として、最上側に回路形成用の銅箔を配設し、最下側にアース用の銅箔を配設すると共に、回路形成用の銅箔の厚みをアース用の銅箔の厚みの52%未満とすることによって、エッチング後の反りの発生を抑制している。また他の態様として、最上側に回路形成用の銅箔を配設し、最下側にアース用の銅箔を配設すると共に、プリプレグの最上面の樹脂量を最下面の樹脂量に比較して10重量%以上多く含有することによって、エッチング後の反りの発生を抑制している。
特開平7−22731号公報
しかし、特許文献1に記載の両面銅張積層板の製造方法は、上記のいずれの態様も、エッチング後の反りを想定し、この反りを相殺する方向にあらかじめ両面銅張積層板を反らせておくというものである。このように、特許文献1に記載の両面銅張積層板は、最初から反りが発生しているので、プリント配線板の生産ラインにおいてロール等に引っ掛かるなど搬送不良が生じるという問題がある。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、両面の金属箔の厚みが異なる場合であっても、反りの発生を抑制することができる両面金属張積層板及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る両面金属張積層板は、
第1金属箔と、
樹脂組成物が硬化して形成され、少なくとも1枚以上の繊維基材を内部に含む絶縁層と、
前記第1金属箔の厚みよりも厚みの薄い第2金属箔と、
が積層一体化された両面金属張積層板である。
そして、
前記第1金属箔と、前記第1金属箔に最も近い繊維基材との間に第1樹脂硬化層が存在し、
前記第2金属箔と、前記第2金属箔に最も近い繊維基材との間に第2樹脂硬化層が存在し、
前記第1樹脂硬化層の厚みをR とし、
前記第2樹脂硬化層の厚みをRとしたとき、

の関係式を満たすものである。
また本発明は、
前記第1金属箔の厚みをMとし、
前記第2金属箔の厚みをMとしたとき、
≧1.4M
の関係式を満たしている両面金属張積層板において好適に適用される。
本発明の第一の態様に係る両面金属張積層板の製造方法は、
樹脂組成物を繊維基材に含浸して形成され、前記繊維基材の一方の面に第1樹脂半硬化層が設けられ、前記繊維基材の他方の面に前記第1樹脂半硬化層の厚みよりも厚みの薄い第2樹脂半硬化層が設けられた基材偏在型プリプレグを用い、
前記第1樹脂半硬化層が一方の最外層に配置され、前記第2樹脂半硬化層が他方の最外層に配置されるように、
前記基材偏在型プリプレグを少なくとも1枚以上積層し、
第1金属箔を前記最外層の第1樹脂半硬化層に重ね、
前記第1金属箔の厚みよりも厚みの薄い第2金属箔を前記最外層の第2樹脂半硬化層に重ねて加熱加圧成形することを特徴とする。
本発明の第二の態様に係る両面金属張積層板の製造方法は、
樹脂組成物を繊維基材に含浸して形成され、前記繊維基材の両面に第1樹脂半硬化層が設けられた第1プリプレグと、
樹脂組成物を繊維基材に含浸して形成され、前記繊維基材の両面に前記第1樹脂半硬化層の厚みよりも厚みの薄い第2樹脂半硬化層が設けられた第2プリプレグと、
を用い、
前記第1樹脂半硬化層が一方の最外層に配置され、前記第2樹脂半硬化層が他方の最外層に配置されるように、
前記第1プリプレグ及び前記第2プリプレグのそれぞれを少なくとも1枚以上積層し、
第1金属箔を前記最外層の第1樹脂半硬化層に重ね、
前記第1金属箔の厚みよりも厚みの薄い第2金属箔を前記最外層の第2樹脂半硬化層に重ねて加熱加圧成形することを特徴とする。
本発明によれば、厚みの厚い第1金属箔に厚みの厚い第1樹脂硬化層を隣接させると共に、厚みの薄い第2金属箔に厚みの薄い第2樹脂硬化層を隣接させることによって、両面金属張積層板1の両面において、第1金属箔21と第1樹脂硬化層51との間、及び第2金属箔22と第2樹脂硬化層52との間で生じる応力の不均衡を解消することができる。これにより、両面金属張積層板1の残留応力を緩和することができ、両面金属張積層板の反りの発生を抑制することができる。
本発明に係る両面金属張積層板の製造方法の一例を示し、(a)(b)は概略断面図である。 本発明に係る両面金属張積層板の製造方法の他の一例を示し、(a)(b)は概略断面図である。 本発明に係る両面金属張積層板の製造方法の他の一例を示し、(a)(b)は概略断面図である。 両面金属張積層板の反りの測定方法を示すものであり、(a)(b)は概略断面図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(実施形態1)
図1(b)は本発明に係る両面金属張積層板1の一例を示す。この両面金属張積層板1は、第1金属箔21と、絶縁層4と、第2金属箔22とがこの順に積層一体化されて形成されている。
第1金属箔21としては、材質は特に限定されるものではないが、例えば、銅箔、ステンレス箔、ニッケル箔、ニクロム箔等を用いることができる。第1金属箔21の厚みMは、第2金属箔22の厚みMよりも厚ければ、特に限定されるものではないが、例えば、18〜70μmである。
また絶縁層4は、樹脂組成物が硬化した樹脂硬化物で形成され、少なくとも1枚以上の繊維基材3を内部に含んでいる。樹脂組成物は、例えば、熱硬化性樹脂、硬化剤、硬化促進剤、充填剤、難燃剤等を含有することができる。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂等を用いることができる。硬化剤としては、例えば、フェノール化合物、シアネート化合物、スチレン系化合物、ジアミン化合物、酸無水物、ジシアンジアミド、ポリアミド等を用いることができる。硬化促進剤としては、熱硬化性樹脂の硬化反応に適したものを適宜用いることができ、例えば、イミダゾール系化合物、アミン系化合物、金属石鹸等を用いることができる。充填剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、タルク、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機充填剤、樹脂フィラー等の有機充填剤を用いることができる。難燃剤としては、ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤など公知のものを所望に応じて適宜用いることができる。繊維基材3としては、材質は特に限定されるものではないが、例えば、ガラスクロス(ガラス布)、ガラスペーパ(ガラス不織布)等の無機繊維基材、アラミド(全芳香族ポリアミド)等の織布や不織布等の有機繊維基材を用いることができる。図1(b)に示す両面金属張積層板1においては、絶縁層4が1枚の繊維基材3を内部に含んでいるが、後述の図2(b)や図3(b)に示すように、絶縁層4が2枚以上の繊維基材3を内部に含んでいてもよい。絶縁層4の厚みは、特に限定されるものではないが、30〜300μmである。
また第2金属箔22としては、第1金属箔21と同様の材質のものを用いることができる。第2金属箔22の厚みMは、第1金属箔21の厚みMよりも薄ければ、特に限定されるものではないが、例えば、7〜35μmである。
上記のように、本発明に係る両面金属張積層板1においては、M>Mの関係式を満たしている。厚みの厚い第1金属箔21は、例えば、回路形成層のほか、グラウンド層、接地層、電源層等として用いられる。厚みの薄い第2金属箔22は、例えば、回路形成層、特に比較的緻密な導体パターンが形成される層や多層プリント配線板の内層回路等として用いられる。
本発明において、第1金属箔21の厚みMと第2金属箔22の厚みMとが、特にM≧1.4Mの関係式を満たしている場合、顕著な反り抑制の効果を得ることができる。すなわち、第1金属箔21の厚みMと第2金属箔22の厚みMの厚みとの差が大きいと、両面金属張積層板1の両面における応力差が大きくなるが、後述するように、本発明においては絶縁層4において応力を相殺することによって、反りの発生を抑制することができる。
図1(b)に示すように、第1金属箔21と繊維基材3との間には第1樹脂硬化層51が存在する。後述の図2(b)や図3(b)に示すように、絶縁層4が2枚以上の繊維基材3を内部に含んでいる場合には、第1樹脂硬化層51は、第1金属箔21と、第1金属箔21に最も近い繊維基材3との間に存在する。第1樹脂硬化層51は、図1(a)に示す後述の基材偏在型プリプレグ6の第1樹脂半硬化層81が完全硬化して形成されたものである。
他方、図1(b)に示すように、第2金属箔22と繊維基材3との間には第2樹脂硬化層52が存在する。後述の図2(b)や図3(b)に示すように、絶縁層4が2枚以上の繊維基材3を内部に含んでいる場合には、第2樹脂硬化層52は、第2金属箔22と、第2金属箔22に最も近い繊維基材3との間に存在する。第2樹脂硬化層52は、図1(a)に示す後述の基材偏在型プリプレグ6の第2樹脂半硬化層82が完全硬化して形成されたものである。
そして、本発明に係る両面金属張積層板1においては、第1樹脂硬化層51の厚みをRとし、第2樹脂硬化層52の厚みをRとしたとき、R≧2Rの関係式を満たしている。ここで、第1樹脂硬化層51及び第2樹脂硬化層52を構成する樹脂硬化物の線膨張係数は金属よりも大きい。しかも厚みの厚い第1樹脂硬化層51の線膨張にかかる応力の影響は、厚みの薄い第2樹脂硬化層52の線膨張にかかる応力の影響よりも大きくなる。したがって、厚みの厚い第1金属箔21に厚みの厚い第1樹脂硬化層51を隣接させると共に、厚みの薄い第2金属箔22に厚みの薄い第2樹脂硬化層52を隣接させることによって、両面金属張積層板1の両面において、第1金属箔21と第1樹脂硬化層51との間、及び第2金属箔22と第2樹脂硬化層52との間で生じる応力の不均衡を解消することができる。これにより、両面金属張積層板1の残留応力を緩和することができ、両面金属張積層板1の反りの発生を抑制することができる。このとき特にR≧5Rの関係式を満たしていることが好ましく、より好ましくはR≧10Rである。これにより、両面金属張積層板1の反りの発生をより好適に抑制することができる。
次に、上記の両面金属張積層板1の製造方法について説明する。
図1(b)に示す両面金属張積層板1を製造するにあたっては、図1(a)に示すような基材偏在型プリプレグ6を用いる。
基材偏在型プリプレグ6は、繊維基材3の一方の面に第1樹脂半硬化層81を設け、繊維基材3の他方の面に第1樹脂半硬化層81の厚みよりも厚みの薄い第2樹脂半硬化層82を設けて形成されている。このように、基材偏在型プリプレグ6の厚み方向の中央部から繊維基材3が第2樹脂半硬化層82の側に偏在している。このような基材偏在型プリプレグ6は、基本的には上記の樹脂組成物を適当な溶剤(トルエン等)に溶解してワニスを調製し、このワニスを繊維基材3に含浸し、これを半硬化状態となるまで加熱乾燥して製造することができるが、例えば、次のようにして繊維基材3を偏在させることができる。すなわち、ワニスを繊維基材3に含浸させた後、ロールコーター等により一方の面にワニスを余分に付着させたり、またスキージ等により他方の面からワニスを除去したりすることによって、繊維基材3を厚み方向の中央部から片側に偏在させることができる。また、ワニスの塗布装置により繊維基材3に対して両側から異なる量のワニスを塗布し、繊維基材3の両面でのワニスの含浸量を異ならせることによって、繊維基材3を厚み方向の中央部から片側に偏在させることもできる。
そして、図1(a)に示すように、第1金属箔21を基材偏在型プリプレグ6の第1樹脂半硬化層81に重ね、第2金属箔22を基材偏在型プリプレグ6の第2樹脂半硬化層82に重ねて加熱加圧成形することによって、図1(b)に示すような両面金属張積層板1を製造することができる。両面金属張積層板1の絶縁層4は、半硬化状態の基材偏在型プリプレグ6が完全硬化して形成される。
(実施形態2)
図2(b)は本発明に係る両面金属張積層板1の他の一例を示す。この両面金属張積層板1は、絶縁層4が2枚の繊維基材3を内部に含んでいる点で、図1(b)に示す両面金属張積層板1と相違し、その他の点では共通する。よって、共通点についての説明は省略する。
図2(b)に示す両面金属張積層板1を製造するにあたっては、2枚の基材偏在型プリプレグ6を積層して用いる。この場合、図2(a)に示すように、第1樹脂半硬化層81が一方の最外層に配置され、第2樹脂半硬化層82が他方の最外層に配置されるように、2枚の基材偏在型プリプレグ6を積層する。そして、第1金属箔21を最外層の第1樹脂半硬化層81に重ね、第2金属箔22を最外層の第2樹脂半硬化層82に重ねて加熱加圧成形することによって、図2(b)に示すような両面金属張積層板1を製造することができる。加熱加圧の条件は特に限定されるものではないが、例えば、実施形態1と同様である。なお、図1では1枚の基材偏在型プリプレグ6を用い、図2では2枚の基材偏在型プリプレグ6を用いて両面金属張積層板1を製造するようにしているが、基材偏在型プリプレグ6は少なくとも1枚以上用いればよいので、3枚以上の基材偏在型プリプレグ6を用いて両面金属張積層板1を製造するようにしてもよい。
(実施形態3)
図3(b)は本発明に係る両面金属張積層板1の他の一例を示す。この両面金属張積層板1は、絶縁層4が2枚の繊維基材3を内部に含んでいる点で、図1(b)に示す両面金属張積層板1と相違し、その他の点では共通する。よって、共通点についての説明は省略する。
図3(b)に示す両面金属張積層板1を製造するにあたっては、図3(a)に示すような第1プリプレグ71及び第2プリプレグ72を用いる。
第1プリプレグ71は、繊維基材3の両面に第1樹脂半硬化層81を設けて形成されている。このように、第1プリプレグ71の厚み方向の中央部に繊維基材3が存在している。このような第1プリプレグ71は、上記の樹脂組成物を適当な溶剤に溶解してワニスを調製し、このワニスを繊維基材3に含浸し、これを半硬化状態となるまで加熱乾燥して製造することができる。
第2プリプレグ72は、繊維基材3の両面に第1樹脂半硬化層81の厚みよりも厚みの薄い第2樹脂半硬化層82を設けて形成されている。このように、第2プリプレグ72の厚み方向の中央部に繊維基材3が存在している。このような第2プリプレグ72は、第2樹脂半硬化層82の厚みを第1樹脂半硬化層81の厚みよりも薄くするだけであるので、基本的には第1プリプレグ71と同様に製造することができる。
そして、図3(a)に示すように、第1プリプレグ71及び第2プリプレグ72を積層する。さらに第1金属箔21を最外層の第1樹脂半硬化層81に重ね、第2金属箔22を最外層の第2樹脂半硬化層82に重ねて加熱加圧成形することによって、図3(b)に示すような両面金属張積層板1を製造することができる。両面金属張積層板1の絶縁層4は、半硬化状態の第1プリプレグ71及び第2プリプレグ72が完全硬化して形成される。加熱加圧の条件は特に限定されるものではないが、例えば、実施形態1と同様である。なお、図3では第1プリプレグ71及び第2プリプレグ72のそれぞれを1枚ずつ積層するようにしているが、第1プリプレグ71及び第2プリプレグ72のそれぞれを少なくとも1枚以上積層すればよい。この場合、第1樹脂半硬化層81を一方の最外層に配置し、第2樹脂半硬化層82を他方の最外層に配置する。そして、第1金属箔21を最外層の第1樹脂半硬化層81に重ね、第2金属箔22を最外層の第2樹脂半硬化層82に重ねて加熱加圧成形することによって、両面金属張積層板1を製造することができる。この場合の加熱加圧の条件も特に限定されるものではないが、例えば、実施形態1と同様である。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(樹脂組成物のワニスの調製)
まず高分子量ポリフェニレンエーテル樹脂を次のようにして低分子化した。
トルエン200gを攪拌装置及び攪拌羽根を装備した2000mLのフラスコに入れた。このフラスコを内温80℃に制御しながら、高分子量ポリフェニレンエーテル樹脂である日本GEプラスチックス(株)製「ノリルPX9701」:100g、ビスフェノールA:4.3g、t−ブチルペルオキシイソプロピルモノカーボネートである日本油脂(株)製「パーブチルI」:2.94g及びナフテン酸コバルト溶液(トルエンに溶解された8質量%溶液):0.0042gを入れ、高分子量ポリフェニレンエーテルが完全に溶解するまで攪拌することにより、低分子量ポリフェニレンエーテル樹脂を調製した。
上記の低分子量ポリフェニレンエーテル樹脂を多量のメタノールで再沈殿させ、不純物を除去して、減圧下80℃で3時間乾燥してトルエンを完全に除去した。
次に、上記のようにして得られた低分子量ポリフェニレンエーテル樹脂を次のようにしてエテニルベンジル化した。
温度調節器、攪拌装置、冷却設備及び滴下ロートを備えた1Lの3つ口フラスコに上記の低分子量ポリフェニレンエーテル樹脂を200g、クロロメチルスチレン(p−クロロメチルスチレンとm−クロロメチルスチレンの比が1:1;東京化成工業(株)製):15g、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド:0.8g、トルエン:400gを仕込み、攪拌溶解し、液温を75℃にし、水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム10g/水10g)を20分間かけて滴下し、さらに75℃で4時間攪拌を続けた。次に、10質量%塩酸水溶液でフラスコ内容物を中和した後、多量のメタノールを追加し、エテニルベンジル化したポリフェニレンエーテルを沈殿物として得た。この沈殿物のろ過物をメタノールと水の混合液(80:20の質量比率)で3回洗浄した後、減圧下80℃/3時間処理することで、溶剤や水分を除去したエテニルベンジル化されたポリフェニレンエーテル樹脂を取り出した。
上記のようにして得られたエテニルベンジル化ポリフェニレンエーテル樹脂の数平均分子量(Mn)をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したところ3500であった。なお、数平均分子量は、TSK guard column HXL-4 G4000HXL:1本、G3000HXL:1本、G2000HXL:1本、G1000HXL:2本のカラムを用いて測定した。
そして、上記のエテニルベンジル化ポリフェニレンエーテル樹脂を用いて、次のようにして樹脂組成物のワニスを調製した。
表1に示す配合量で、まず70℃に加熱したトルエンに、エテニルベンジル化ポリフェニレンエーテル樹脂を溶解し、さらにトリアリルイソシアヌレート(日本化成(株)製「TAIC」)、α,α’−ジ(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン(日油(株)製「パーブチルP」)、エチレンビス(ペンタブロモフェニル)(アルベマール日本(株)製「SAYTEX8010」)、溶融シリカ(電気化学工業(株)製「FB−5SDC」)を添加し、これを攪拌混合することによって、樹脂組成物のワニスを調製した。
Figure 0006112452
(実施例1)
上記のようにして得られたワニスを用いて基材偏在型プリプレグ6を次のようにして製造した。上記のワニスを繊維基材3(表2に示すガラスクロス)に含浸し、ロールコーターにより一方の面にワニスを余分に付着させると共に、スキージにより他方の面からワニスを除去した後、これを半硬化状態となるまで加熱乾燥して基材偏在型プリプレグ6を製造した。この基材偏在型プリプレグ6は、繊維基材3の一方の面に第1樹脂半硬化層81が設けられ、繊維基材3の他方の面に第1樹脂半硬化層81の厚みよりも厚みの薄い第2樹脂半硬化層82が設けられている。
そして、上記の基材偏在型プリプレグ6のほか、第1金属箔21及び第2金属箔22として銅箔を用いて、次のようにして両面金属張積層板1を製造した。なお、第1金属箔21の厚みM及び第2金属箔22の厚みMを表2に示す。
図1(a)に示すように、第1金属箔21を基材偏在型プリプレグ6の第1樹脂半硬化層81に重ね、第2金属箔22を基材偏在型プリプレグ6の第2樹脂半硬化層82に重ねて加熱加圧成形することによって、図1(b)に示すような両面金属張積層板1を製造した。加熱加圧の条件は、200℃、2.94MPaである。第1樹脂硬化層51の厚みR及び第2樹脂硬化層52の厚みRを表2に示す。
(実施例2)
実施例1と同様の基材偏在型プリプレグ6、第1金属箔21及び第2金属箔22を用いて、次のようにして両面金属張積層板1を製造した。
図2(a)に示すように、第1樹脂半硬化層81が一方の最外層に配置され、第2樹脂半硬化層82が他方の最外層に配置されるように、2枚の基材偏在型プリプレグ6を積層した。そして、第1金属箔21を最外層の第1樹脂半硬化層81に重ね、第2金属箔22を最外層の第2樹脂半硬化層82に重ねて加熱加圧成形することによって、図2(b)に示すような両面金属張積層板1を製造した。加熱加圧の条件は、実施例1と同様である。
(実施例3)
第1金属箔21の厚みM及び第2金属箔22の厚みMを表2のように変更した以外は、実施例1と同様にして両面金属張積層板1を製造した。
(実施例4)
実施例1と同様のワニス及び繊維基材3を用いて、第1プリプレグ71及び第2プリプレグ72を次のようにして製造した。
第1プリプレグ71は、ワニスを繊維基材3に含浸し、ロールコーターにより両面にワニスを同量付着させた後、これを半硬化状態となるまで加熱乾燥して製造した。第1プリプレグ71は、繊維基材3の両面に第1樹脂半硬化層81が設けられている。
第2プリプレグ72は、ワニスを繊維基材3に含浸し、スキージにより両面からワニスを同量除去した後、これを半硬化状態となるまで加熱乾燥して製造した。第2プリプレグ72は、繊維基材3の両面に第1樹脂半硬化層81の厚みよりも厚みの薄い第2樹脂半硬化層82が設けられている。
そして、上記の第1プリプレグ71及び第2プリプレグ72のほか、実施例1と同様の第1金属箔21及び第2金属箔22を用いて、次のようにして両面金属張積層板1を製造した。
図3(a)に示すように、第1プリプレグ71及び第2プリプレグ72を積層した。さらに第1金属箔21を最外層の第1樹脂半硬化層81に重ね、第2金属箔22を最外層の第2樹脂半硬化層82に重ねて加熱加圧成形することによって、図3(b)に示すような両面金属張積層板1を製造した。加熱加圧の条件は、実施例1と同様である。
(比較例1)
第1樹脂硬化層51の厚みR及び第2樹脂硬化層52の厚みRを表2のように変更した以外は、実施例1と同様にして両面金属張積層板1を製造した。
(比較例2)
第1樹脂硬化層51の厚みR及び第2樹脂硬化層52の厚みRを表2のように変更した以外は、実施例2と同様にして両面金属張積層板1を製造した。
(比較例3)
第1金属箔21の厚みM及び第2金属箔22の厚みMを表2のように変更した以外は、比較例1と同様にして両面金属張積層板1を製造した。
(両面金属張積層板の反り)
両面金属張積層板1を600mm×500mmの矩形状に切断したものを試料10として用いた。この試料10を図4(a)及び図4(b)に示すように定盤11上に置き、鋼製巻尺12(最小目盛り1mm)を用いて、試料10の四隅のそれぞれの持ち上がり量を測定した。そして、持ち上がり量のうち最大値を両面金属張積層板1の反りとした。その結果を表2に示す。
Figure 0006112452
表2から明らかなように、実施例1〜4では比較例1〜3に比べて両面金属張積層板1の反りが抑制されていることが確認された。
1 両面金属張積層板
21 第1金属箔
22 第2金属箔
3 繊維基材
4 絶縁層
51 第1樹脂硬化層
52 第2樹脂硬化層
6 基材偏在型プリプレグ
71 第1プリプレグ
72 第2プリプレグ
81 第1樹脂半硬化層
82 第2樹脂半硬化層

Claims (4)

  1. 第1金属箔と、
    樹脂組成物が硬化して形成され、少なくとも1枚以上の繊維基材を内部に含む絶縁層と、
    前記第1金属箔の厚みよりも厚みの薄い第2金属箔と、
    が積層一体化された両面金属張積層板であって、
    前記第1金属箔と、前記第1金属箔に最も近い繊維基材との間に第1樹脂硬化層が存在し、
    前記第2金属箔と、前記第2金属箔に最も近い繊維基材との間に第2樹脂硬化層が存在し、
    前記第1樹脂硬化層の厚みをR とし、
    前記第2樹脂硬化層の厚みをRとしたとき、

    の関係式を満たしている
    ことを特徴とする両面金属張積層板。
  2. 前記第1金属箔の厚みをMとし、
    前記第2金属箔の厚みをMとしたとき、
    ≧1.4M
    の関係式を満たしている
    ことを特徴とする請求項1に記載の両面金属張積層板。
  3. 請求項1又は2に記載の両面金属張積層板の製造方法であって、
    樹脂組成物を繊維基材に含浸して形成され、前記繊維基材の一方の面に第1樹脂半硬化層が設けられ、前記繊維基材の他方の面に前記第1樹脂半硬化層の厚みよりも厚みの薄い第2樹脂半硬化層が設けられた基材偏在型プリプレグを用い、
    前記第1樹脂半硬化層が一方の最外層に配置され、前記第2樹脂半硬化層が他方の最外層に配置されるように、
    前記基材偏在型プリプレグを少なくとも1枚以上積層し、
    第1金属箔を前記最外層の第1樹脂半硬化層に重ね、
    前記第1金属箔の厚みよりも厚みの薄い第2金属箔を前記最外層の第2樹脂半硬化層に重ねて加熱加圧成形する
    ことを特徴とする両面金属張積層板の製造方法。
  4. 請求項1又は2に記載の両面金属張積層板の製造方法であって、
    樹脂組成物を繊維基材に含浸して形成され、前記繊維基材の両面に第1樹脂半硬化層が設けられた第1プリプレグと、
    樹脂組成物を繊維基材に含浸して形成され、前記繊維基材の両面に前記第1樹脂半硬化層の厚みよりも厚みの薄い第2樹脂半硬化層が設けられた第2プリプレグと、
    を用い、
    前記第1樹脂半硬化層が一方の最外層に配置され、前記第2樹脂半硬化層が他方の最外層に配置されるように、
    前記第1プリプレグ及び前記第2プリプレグのそれぞれを少なくとも1枚以上積層し、
    第1金属箔を前記最外層の第1樹脂半硬化層に重ね、
    前記第1金属箔の厚みよりも厚みの薄い第2金属箔を前記最外層の第2樹脂半硬化層に重ねて加熱加圧成形する
    ことを特徴とする両面金属張積層板の製造方法。
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