JP6796120B2 - 建て入れ誤差計測装置 - Google Patents

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Description

本発明は、高層ビル等の骨格を形成する鉄骨柱において、下側の鉄骨柱に上側の鉄骨柱を組み付ける際の上側の鉄骨柱の建て入れ誤差を計測する建て入れ誤差計測装置に関するものである。
高層ビル等の骨格を形成する鉄骨柱は、下側の鉄骨柱の上端部に上側の鉄骨柱の下端部が接合されて鉛直方向に何段も組み付けられるが、下側の鉄骨柱に対して上側の鉄骨柱が傾いて接合されないように、鉄骨柱には、鉛直精度、いわゆる建て入れ精度が要求される。
このため高層ビル等を建築するに際し、組み付けた鉄骨柱の鉛直度(建て入れ精度)を測定し、傾いている場合(誤差がある場合)はその傾き(誤差)を修正する必要があり、そのための種々の測定、修正方法等が提案されている。
例えば、特許文献1(特開2011−117803号公報)には、逆打支柱10の上部にレーザ鉛直器110を設置し、柱部20と杭部30の間に介在するベースプレート40上にボルト50またはターゲット150を設置し、レーザ鉛直器110からボルト50またはターゲット150にレーザを照射し、それをカメラ120により撮影して外部に設置された観測用モニタ122に画像表示し、ボルト50の頭部にレーザが照射されたときにレーザ鉛直器110が地盤1の通り芯の位置からどれだけずれているか求めるようにし、または、ターゲット150における中心(目印)に対するレーザの照射されたスポット位置170がどの向きにどれだけずれているか目盛り線により読み取るようにした鋼管の建入誤差の測定方法が開示されている。
また、特許文献2(特開2013−92463号公報)には、逆打ち支柱10の頭部にカメラ110及び傾斜計120を設置し、柱部20と杭部30の間に介在するベースプレート40の上面に板状のターゲット50を取り付け、カメラ110が、ターゲット50を撮影してその撮像データと傾斜計120からの計測データに基づいて、コンピュータ130がターゲット50の中心点の位置データを建て入れ誤差として算出し、算出した値をモニタ138に表示させようにした建入れ誤差の測定システム100が開示され、また、測定システム100が算出した建入れ誤差が減少するように逆打ち支柱10の建入れ姿勢を修正する逆打ち支柱の建入れ方法が開示されている。
しかしながら、地上に建てる鉄骨柱であって、コンクリートを充填してCFT柱とする鉄骨柱においては、上面と下面を形成するプレートの中央部に大きな穴が設けられており、このような鉄骨柱を上下に接合するに際し、特許文献1に開示された鋼管の建入誤差の測定方法を適用しようとすると、以下のような問題が生ずる。
まず、下側の鉄骨柱の上面のプレート(トッププレート)の中央部の穴を塞ぐように、ベースプレート40に相当するベース板を新たに取り付ける必要があり、また、建入誤差を測定した後は、トッププレートからベース板とターゲット150を取り除く必要があり、建入誤差の測定前後の作業に負荷がかかるという問題がある。
仮に、下側の鉄骨柱のトッププレートの中央部にベース板を取り付けずにターゲット150が取り付けられるとしても、ターゲット150を下側の鉄骨柱のトッププレートに固定する必要があることから、トッププレートの穴を覆う大きなターゲット150が必要となり、また、ターゲット150によりトッププレートの穴が塞がれることから、下側の鉄骨柱にコンクリートを充填する前に、大きなターゲット150を取り除かなければならず、建入誤差の測定前後の作業に負荷がかかるということには変わりがない。
しかも、上下の鉄骨柱を接合した後は、下側の鉄骨柱のトッププレートに取り付けたターゲット等を取り除けないことから、上下の鉄骨柱を接合する前にターゲット等を取り除く必要があり、上下の鉄骨柱を接合した後は、上側の鉄骨柱の建て入れ誤差を測定することができなくなる。
次に、観測用モニタに表示されるレーザ照射されたスポット位置を見ながら鉄骨柱の傾きを修正する作業を行う場合、傾きを修正する作業による鉄骨柱の振動によって、鉄骨柱の上部に設置されるレーザ鉛直器が揺れて、観測用モニタに表示されるレーザの照射されたスポット位置が揺れて、その位置を正確に読み取れないばかりか観測用モニタで修正結果を確認できないという問題がある。
また、CFT柱とするような鉄骨柱を上下に接合するに際し、特許文献2の測定システム100を適用する場合も、特許文献1と同様の問題が生ずる。
すなわち、第1に、下側の鉄骨柱のトッププレートの中央部の穴を塞ぐように、ベースプレート40に相当するベース板を新たに取り付ける必要があり、また、建入誤差を測定した後は、トッププレートからベース板とターゲット50を取り除く必要があり、建入誤差の測定前後の作業に負荷がかかるのみならず、上下の鉄骨柱を接合する前にターゲット等を取り除く必要があることから、上下の鉄骨柱を接合した後は、上側の鉄骨柱の建て入れ誤差を測定することができないという問題がある。
第2に、鉄骨柱の傾きを修正する作業を行いながら建入れ誤差を測定する場合、傾きを修正する作業による鉄骨柱の振動によって、鉄骨柱の上部に設置されるカメラが揺れて、建入れ誤差を正確に測定できないという問題がある。
しかも、モニタ138に表示されるのはコンピュータ130が算出した値であって、カメラ110が撮影した映像はモニタ138に表示されないことから、特許文献2の測定システム100では、建て入れ誤差を映像として見ることができない。
この点、特許文献3(特開2016−206203号公報)には、吊り下げ用ロープ22で吊り下げられた保持部材20で支持された撮像装置14が、場所打ちコンクリート杭の孔の内面を撮像して映像信号を生成し、ジャイロセンサ18が、保持部材20の角速度を揺れ量信号として生成し、この揺れ量信号に基づいて画像変換手段36が、撮像装置14から供給される映像信号に対して、歪曲した画像を平面に展開された画像に変換する変換処理を行い表示手段34に表示する監視装置が開示されている。
しかしながら、特許文献3の監視装置における撮像装置14は、光軸を中心とする360度の範囲を撮像可能ないわゆる魚眼レンズで、コンクリート杭の孔の内面を撮像するものであり、鉄骨柱等の上部から下部のターゲット等を撮影して、ターゲットの中心位置のずれを建て入れ誤差として測定する装置には使用することができない。
また、特許文献3の監視装置では、撮像装置14の揺れ量を検出して、撮像装置14が生成する映像信号の補正が行われているが、これは画像の歪曲を補正するものであって、撮像装置の揺れによって撮像されて表示される映像(画像)が揺れるのを補正するものではない。
特開2011−117803号公報 特開2013−92463号公報 特開2016−206203号公報
本発明が解決しようとする課題は、上面と下面を形成するプレートの中央部に穴が設けられた鉄骨柱を上下に接合するに当たって、上側鉄骨柱の上部から下部を撮影して、上側の鉄骨柱の建て入れ誤差を測定する際に、下側鉄骨柱の上面のプレートの中央部の穴を塞ぐようなベース板やターゲット等を取り付けることなく、上側鉄骨柱の建て入れ誤差を測定できるようにして、測定前後の作業負荷を軽減すると共に、上下の鉄骨柱を接合した後も上側鉄骨柱の建て入れ誤差を測定できるようにすることであり、また、鉄骨柱の上部が揺れた場合であっても、鉄骨柱の建て入れ誤差を正確に測定して画像として視認できるようにすることである。
請求項1の発明は、下側鉄骨柱に接合される上側鉄骨柱の上部に光軸が該上側鉄骨柱の中心位置を通るように取り付けられる動画撮影手段であって、中央部に穴が設けられて前記下側鉄骨柱の中心位置を示す指示図形が標示された前記下側鉄骨柱の上面を撮影する前記動画撮影手段と、前記動画撮影手段の前記光軸を鉛直下方に向ける鉛直器と、前記動画撮影手段が撮影した前記トッププレートの動画像を解析する動画像解析手段と、前記動画像解析手段の解析結果に基づいて、前記光軸からの前記上面の中心位置のずれ量を前記上側鉄骨柱の建て入れ誤差として算出する建て入れ誤差算出手段とを備えた建て入れ誤差計測装置を提供して、上記課題を解決するものである。
請求項2の発明は、前記動画像解析手段は、前記解析結果として、前記上面の動画像を構成するフレームの前記指示図形の画像の平均中心を算出する建て入れ誤差計測装置を提供して、上記課題を解決するものである。
請求項3の発明は、前記建て入れ誤差算出手段は、前記平均中心から前記指示図形の画像が示す前記上面の中心位置を求め、該中心位置に基づいて前記上側鉄骨柱の建て入れ誤差を算出する建て入れ誤差計測装置を提供して、上記課題を解決するものである。
請求項4の発明は、前記動画像解析手段の解析結果に基づいて、前記上面の動画像中の前記指示図形の画像が動かないように見える擬似動画像を生成する擬似動画像生成手段をさらに備えた建て入れ誤差計測装置を提供して、上記課題を解決するものである。
請求項5の発明は、前記擬似動画像生成手段が生成した擬似動画像を表示する画像表示手段をさらに備えた建て入れ誤差計測装置を提供して、上記課題を解決するものである。
請求項6の発明は、下側鉄骨柱に接合される上側鉄骨柱の上部に取り付けられて該上側鉄骨柱の中心位置から鉛直下方にレーザ光を照射するレーザ光照射手段と、中央部に穴が設けられた前記下側鉄骨柱の上面に取り付けられ、前記下側鉄骨柱の中心位置を示す指示図形が標示されて前記レーザ光が照射されるターゲットと、前記上側鉄骨柱が揺れた状態で前記レーザ光照射手段から前記レーザ光が照射された前記ターゲットを撮影する動画撮影手段と、前記動画撮影手段が撮影した前記ターゲット上の前記レーザ光のスポットの動画像を解析する動画像解析手段と、前記動画像解析手段の解析結果に基づいて、前記下側鉄骨柱の中心位置と前記スポットのずれ量を前記上側鉄骨柱の建て入れ誤差として算出する建て入れ誤差算出手段と、前記動画像解析手段の解析結果に基づいて、前記レーザ光のスポットの画像が動かないように見える擬似動画像を生成する擬似動画像生成手段と、前記擬似動画像生成手段が生成した擬似動画像を表示する画像表示手段とを備えた建て入れ誤差計測表示装置を提供して、上記課題を解決するものである。
請求項1に記載の発明の建て入れ誤差計測装置においては、上面と下面を形成するプレートの中央部に穴が設けられた鉄骨柱を上下に接合するに当たって、下側鉄骨柱の上面のプレートの中央部の穴を塞ぐようなベース板やターゲット等を取り付けることなく、上側鉄骨柱の上部から下部を撮影して、上側鉄骨柱の建て入れ誤差を測定でき、測定前後の作業負荷を軽減すると共に、上下の鉄骨柱を接合した後も上側鉄骨柱の建て入れ誤差を測定できるという効果を奏する。
請求項2に記載の発明の建て入れ誤差計測装置においては、さらに、上側鉄骨柱の上部が揺れた場合であっても、バラツキが小さく正確な上側鉄骨柱の建て入れ誤差を測定できるという効果を奏する。
請求項3に記載の発明の建て入れ誤差計測装置は、請求項2の発明と同様の効果を奏する。
請求項4に記載の発明の建て入れ誤差計測装置は、さらに、上側鉄骨柱の建て入れ誤差を画像として視認できるという効果を奏する。
請求項5に記載の発明の建て入れ誤差計測装置は、請求項4の発明と同様の効果を奏する。
請求項6に記載の発明の建て入れ誤差計測装置においては、上面と下面を形成するプレートの中央部に穴が設けられた鉄骨柱を上下に接合するに当たって、上側鉄骨柱の上部が揺れた場合であっても、バラツキが小さく正確な上側鉄骨柱の建て入れ誤差を測定でき、上側鉄骨柱の建て入れ誤差を画像として視認できるという効果を奏する。
本発明の実施形態のうちレーザ光照射手段を使用しない建て入れ誤差計測装置を取り付けた鉄骨柱の正面図である。 図1のY−Y断面図である。 建て入れ誤差計測装置、上側鉄骨柱及び下側鉄骨柱を分解した状態の分解斜視図である。 図1の建て入れ誤差計測装置を斜め下方から見た状態の斜視図である。 各種指示図形をトッププレート30の上面に標示した状態の平面図である。 上側鉄骨柱2の建て入れ誤差を説明する説明図である。 制御ボックス15と端末装置16の構成を示すブロック図である。 演算制御装置40の動作を示したフローチャートである。 トッププレート30の動画像のフレームを説明する説明図である。 図9の第1フレーム中の指示図形の画像とその中心を説明する説明図である。 第1フレームから第30フレームまでの各指示図形の画像の中心の平均である平均中心等を説明する説明図である。 トッププレート30の擬似動画像における第1フレームの擬似画像を説明する説明図である。 トッププレート30の擬似動画像のフレームを説明する説明図である。 本発明の実施形態のうちレーザ光照射手段を使用した建て入れ誤差計測装置を取り付けた鉄骨柱の正面図である。 図14のY2−Y2断面図である。 建て入れ誤差計測装置、上側鉄骨柱及び下側鉄骨柱を分解した状態の分解斜視図である。 図14の建て入れ誤差計測装置を斜め下方から見た状態の斜視図である。 各種指示図形を標示したターゲット104をトッププレート30の上面に取り付けた状態の平面図である。 上側鉄骨柱102の建て入れ誤差を説明する説明図である。 制御ボックス115と端末装置116の構成を示すブロック図である。 演算制御装置140の動作を示したフローチャートである。 第1フレーム中の指示図形の画像とスポット画像及びその中心を説明する説明図である。 第1フレームから第30フレームまでのスポット画像の平均中心及びターゲット104の擬似動画像における第1フレームの擬似画像等を説明する説明図である。
[レーザ光照射手段を使用しない建て入れ誤差計測装置の構成]
図1は、本発明の実施形態のうちレーザ光照射手段を使用しない建て入れ誤差計測装置を取り付けた鉄骨柱の正面図であり、図2は図1のY1−Y1断面図、図3は、建て入れ誤差計測装置、上側鉄骨柱及び下側鉄骨柱を分解した状態の分解斜視図、図4は、図1の建て入れ誤差計測装置を斜め下方から見た状態の斜視図である。
図中、1は建て入れ誤差計測装置、2は上側鉄骨柱、3は下側鉄骨柱、10は取付架台、10aは外枠、10b、10cは移動枠、11は外箱、11aは開口部、12は鉛直器、13はカメラ、13oaは光軸、14は照明装置、15は制御ボックス、16は端末装置、20、30はトッププレート、20a、30aは穴、21は形状保持プレート、22(22a〜22d)、32(32a〜32d)は側板である。
建て入れ誤差計測装置1は、取付架台10、外箱11、鉛直器12、カメラ13、照明装置14、制御ボックス15、端末装置16等から構成される。
取付架台10は、外枠10aと、外枠10aの内側に移動可能に取り付けられた2本の平行な移動枠10b、10cとから構成され、外枠10aの下面は、上側鉄骨柱2のトッププレート20の上面に載置されて固定されている。
外箱11は直方体形状の箱体であり、その上板の内面(下面)には、中心部に鉛直器12が取り付けられ、鉛直器12を挟んで左右に照明装置14と制御ボックス15が取り付けられ、鉛直器12の内側には本発明の動画撮影手段となるカメラ13が取り付けられている。
外箱11の上板の外面(上面)は、取付架台10の移動枠10b、10cに移動可能に取り付けられ、外箱11を取り付けた取付架台10を上側鉄骨柱2のトッププレート20の上面に設置した状態で、外箱11はトッププレート20の穴20aの内側に納まるようになっている。
鉛直器12はジンバル機構を備え、このジンバル機構にカメラ13が取り付けられ、カメラ13の光軸13oa(図2にニ点鎖線で示す)が鉛直方向を向くようになっている。
また、外箱11の下板の中央部(カメラ13の真下部分)には、開口部11aが設けられ、外箱11の下板の照明装置14が位置する部分(照明装置14の真下部分)にも開口部(図示せず)が設けられ、照明装置14により下側鉄骨柱3のトッププレート30を照らして、カメラ13によりトッププレート30の上面を撮影できるようになっている。
そして、取付架台10の外枠10aを上側鉄骨柱2のトッププレート20の上面に固定した状態で、外箱11が取り付けられた移動枠10b、10cを外枠10aに対して左右方向に移動させ、外箱11を移動枠10b、10cに対して前後方向に移動させることにより、カメラ13の光軸13oaがトッププレート20の中心位置を通るようにすることができる。
カメラ13は、トッププレート30の上面を撮影し、撮影した動画像を制御ボックスに備えられた演算制御装置に送る。
なお、制御ボックスには15には、バッテリー(図示せず)と演算制御装置、無線通信装置等が収納され、端末装置16は、制御装置、無線通信装置、入力表示装置等を備えているが、これらについては後述する。
[上側鉄骨柱と下側鉄骨柱の構成]
上側鉄骨柱2は、鉄板よりなる長尺の中空直方体形状の柱であり、上面となるトッププレート20、下面となる形状保持プレート21、正面、背面、左右側面を形成する側板22a、22b、22c、22dより外枠が形成され、上側鉄骨柱2の梁が接続される位置の内側には、トッププレート20と同形状のダイヤフラム(図示せず)が取り付けられている。
トッププレート20と形状保持プレート21の中央部には穴20a、21aが設けられ、ダイヤフラムの中央部にも穴が設けられ、上側鉄骨柱2にコンクリートを充填して、CFT柱を形成するようになっている。
下側鉄骨柱3は、上側鉄骨柱2と同じ形状・構成のものであり、上面となるトッププレート30、正面、背面、左右側面を形成する側板32a、32b、32c、32dを備え、さらに、ダイヤフラム、形状保持プレート(図示せず)を備えている。
トッププレート30の中央部には穴30aが設けられ、さらに、ダイヤフラム、下面プレートの中央部にも穴が設けられ、上側鉄骨柱3にコンクリートを充填して、CFT柱を形成するようになっている。
そして、下側鉄骨柱3の側板32a、32b、32c、32dの上端面に、上側鉄骨柱2の側板22a、22b、22c、22dの下端面が載せられ、上側鉄骨柱2が鉛直になるようにして下側鉄骨柱3の上端部と上側鉄骨柱2の下端部が溶接され、下側鉄骨柱3に上側鉄骨柱2が組み付けられる。
[下側鉄骨柱のトッププレートに標示された指示図形]
下側鉄骨柱3のトッププレート30の上面の穴30aの周縁には、トッププレート30の中心位置を示す指示図形が標示されている。
図5は、各種指示図形をトッププレート30の上面に標示した状態の平面図であり、図中、A1〜A4、B1〜B4、C1〜C4、D1〜D4は指示図形、30cpはトッププレート30の中心位置である。
図5(a)は、縦長長方形状の指示図形A1〜A4を十字方向(前後方向と左右方向)に標示した場合を示している。
対向して配置された指示図形A1〜F4の中心(図心)を結ぶ線、すなわち、指示図形A1の中心と指示図形A3の中心を結ぶ線(図に示す横方向の一点鎖線)と、指示図形A2の図心と指示図形A4の中心を結ぶ線(図に示す縦方向の一点鎖線)の交点の位置がトッププレート30の中心位置30cpとなり、指示図形A1〜A4は、トッププレート30の中心位置30cpを示していることとなる。
図5(b)は、指示図形A1〜A4と同形状の指示図形B1〜B4をトッププレート30の対角線上に標示した場合を示している。
対向して配置された指示図形B1と指示図形B3の各中心を結ぶ線(図に示す右上がりの一点鎖線)と、指示図形B2と指示図形B4の各中心を結ぶ線(図に示す右下がりの一点鎖線)の交点の位置がトッププレート30の中心位置30cpとなり、指示図形B1〜B4は、トッププレート30の中心位置30cpを示していることとなる。
図5(c)は、扁平なひし形の指示図形C1〜C4を指示図形A1〜A4と同じ位置に標示した場合を示している。
対向して配置された指示図形C1と指示図形C3の各中心を結ぶ線(図に示す横方向の一点鎖線)と、指示図形C2と指示図形C4の各中心を結ぶ線(図に示す縦方向の一点鎖線)の交点の位置がトッププレート30の中心位置30cpとなり、指示図形C1〜C4は、トッププレート30の中心位置30cpを示していることとなる。
図5(d)は、十字形状の指示図形D1〜D4を指示図形A1〜A4と同じ位置に標示した場合を示している。
対向して配置された指示図形D1と指示図形D3の各中心を結ぶ線(図に示す横方向の一点鎖線)と、指示図形D2と指示図形D4の各中心を結ぶ線(図に示す縦方向の一点鎖線)の交点の位置がトッププレート30の中心位置30cpとなり、指示図形D1〜D4は、トッププレート30の中心位置30cpを示していることとなる。
指示図形A1〜A4、B1〜B4、C1〜C4、D1〜D4は、トッププレート30の上面にインキを使用して筆記具で描画したり、線状のテープを貼り付けたりすることにより標示される。
このようにトッププレート30の上面に指示図形を標示することにより、下側鉄骨柱の上面のプレートの中央部の穴を塞ぐようなベース板やターゲット等を取り付けることなく、上側鉄骨柱の建て入れ誤差を測定でき、測定前後の作業負荷を軽減すると共に、上下の鉄骨柱を接合した後も上側鉄骨柱の建て入れ誤差を測定することができる。
なお、トッププレート30の上面に標示される指示図形は、トッププレート30の中心位置を示す図形であればよく、その形状、大きさ、個数、位置等は問わない。
[上側鉄骨柱の建て入れ誤差]
図6は、上側鉄骨柱2の建て入れ誤差を説明する説明図であり、同図(a)は、下側鉄骨柱3に上側鉄骨柱2が少し傾いて組み付けられた状態の上側鉄骨柱2等の縦断面図、同図(b)は、下側鉄骨柱3のトッププレート30の平面図であり、図中、OAは、カメラ13の光軸13oaが通るトッププレート30の穴30a内の位置である。
図2に示すように、上側鉄骨柱2のトッププレート20に鉛直器12を介して取り付けられたカメラ13の光軸13oaが、トッププレート20の中心位置とトッププレート30の中心位置30cpを通るとき、下側鉄骨柱3に上側鉄骨柱2が鉛直に組み付けられていることとなる。
これに対して下側鉄骨柱3に上側鉄骨柱2が少し右斜め前に傾いて組み付けられた場合、図6(a)、(b)に示すように、カメラ13の光軸13oaは、トッププレート30の中心位置30cpから少し右斜め前にずれた位置OAを通ることとなる。
このトッププレート30における光軸13oaが通る位置OAと中心位置30cpとのずれ量Δが、上側鉄骨柱2の下側鉄骨柱3に対する建て入れ誤差となる。
[制御ボックスと端末装置の構成]
図7は、制御ボックス15と端末装置16の構成を示すブロック図であり、図中、40は演算制御装置、40aは動画像取得部、40bは動画像解析部、40cは建て入れ誤差算出部、40dは擬似動画像生成部、41は無線通信装置、50は制御装置、51は無線通信装置、52は入力表示装置、CL1は無線通信回線である。
制御ボックス15は、演算制御装置40、無線通信装置41、バッテリー(図示せず)を備え、演算制御装置40は、動画像取得部40a、動画像解析部40b、建て入れ誤差算出部40c、擬似動画像生成部40dを備えている。
動画像取得部40aは、カメラ13により撮影されて送られてくるトッププレート30の動画像を取得し、取得した動画像を一旦保存した後、動画像解析部40bに送る。
動画像解析部40bは、動画像取得部40aから送られてくる動画像を解析し、解析結果として指示図形の画像の中心とその平均(平均中心)を算出し、算出した画像の平均中心を建て入れ誤差算出部40cと 擬似動画像生成部40dに送る。
建て入れ誤差算出部40cは、動画像解析部40bが解析して算出した指示図形の画像の平均中心から、この指示図形の画像が示す下側鉄骨柱3のトッププレート30の中心位置を求め、これに基づいて上側鉄骨柱2の下側鉄骨柱3に対する建て入れ誤差を算出し、算出した建て入れ誤差のデータを無線通信装置41に送る。
擬似動画像生成部40dは、動画像解析部40bが解析して算出した指示図形の画像の平均中心に基づいて、指示図形の画像が動かないように見える擬似動画像を生成し、生成した擬似動画像のデータを無線通信装置41に送る。
無線通信装置41は、建て入れ誤差算出部40cから送られてくる建て入れ誤差のデータと擬似動画像生成部40dから送られてくる擬似動画像のデータを無線通信回線CLにより端末装置16に送信する。
端末装置16は、ノートパソコン、スマートフォン、タブレット等の携帯端末やモバイル端末であり、制御装置50、無線通信装置51、入力表示装置52を備え、入力表示装置52は、タッチパネル式のディスプレイ等の入力部と表示部を備えている。
無線通信装置51は、無線通信装置41から無線通信回線CL1を介して送信された建て入れ誤差のデータと擬似動画像のデータを受信し、受信したデータを制御装置50に送る。
制御装置50は、無線通信装置51から送られてくる建て入れ誤差のデータと擬似動画像のデータを保存し、入力表示装置52の入力部からの入力される指示に基づいて、保存したデータから建て入れ誤差や擬似動画像を入力表示装置52の表示部に表示する。
[演算制御装置の動作]
図8は、演算制御装置40の動作を示したフローチャート、図9は、トッププレート30の動画像のフレームを説明する説明図、図10は、図9の第1フレーム中の指示図形の画像とその中心を説明する説明図、図11は、第1フレームから第30フレームまでの各指示図形の画像の中心の平均である平均中心等を説明する説明図、図12は、トッププレート30の擬似動画像における第1フレームの擬似画像を説明する説明図、図13は、トッププレート30の擬似動画像のフレームを説明する説明図である。
図中、F1、F2、F30、F31、F60、F30×nは、各々第1フレーム、第2フレーム、第30フレーム、第31フレーム、第30×nフレーム、A11〜A14は、第1フレームF1(以下「フレームF1」という、他のフレームについても同様とする。)中の指示図形の画像、G11〜G14は画像A11〜A14の中心、G1m1〜G4m1はフレームF1〜F30中の指示図形の画像の中心の平均を表す平均中心、A11’〜A14’は指示図形の擬似画像、F1’、F2’、F30’、F31’、F60’、F30×(n−1)’は各々擬似動画像の第1フレーム、第2フレーム、第30フレーム、第31フレーム、第30×nフレーム、tは経過時間である。
以下、トッププレート30には指示図形A1〜A4が標示されているとして、演算制御装置40の動作を説明する。
まず、動画像取得部40aが、カメラ13により撮影されて送られてくるトッププレート30の動画像を取得し、保存する(S1)。
トッププレート30の動画像は、図9に示すように、1秒30フレームからなり、最初の1秒がフレームF1〜F30、次の1秒がフレームF31〜F60となり、n秒まででフレームF1〜F30×nの画像から構成されている。
次いで、動画像解析部40bがフレームF1の画像から、二値化等を行って指示図形A1〜A4の画像を抽出する(S2)。
この場合、下側鉄骨柱3に組み付けられた上側鉄骨柱2が揺れてトッププレート20が揺れると、カメラ13も揺れて、撮影される指示図形A1〜A4のカメラ13中の位置(カメラ13の光軸13oaからの位置)が連続的に変化し、フレームF1中の指示図形A1〜A4の画像は、図10に示すように揺れる方向にぶれて広がった画像A11〜A14となる。
動画像解析部40bは、フレームF1から抽出した画像A11〜A14からその外形図形の図心を中心G11〜G14としてその位置座標を算出し、保存する(S3)。
中心G11〜G14の位置座標は、フレームF1の中心Oを通る左右方向の軸(横軸)をX軸、前後方向の軸(縦軸)をY軸として、画像A11〜A14の外形図形の図心の位置座標を算出することにより求められる。
ここで、画像A11〜A14の外形図形の図心は、画像A11〜A14内の各点のX軸、Y軸に対する断面一次モーメントの総和を画像A11〜A14の面積で割ることにより求められる。
このようにして位置座標で表された画像A11の中心G11(x11,y11)、画像A12の中心G12(x12,y12)、画像A13の中心G13(x13,y13)、画像A14の中心G14(x14,y14)が算出される。
この後、次のフレームF2について、ステップS2、S3の処理を続けるかが判断され(S4)、本実施形態では、フレームF30までステップS2、S3の処理が続けられる。
これにより、フレームF1〜F30について、4個の指示図形A1〜A4の画像の中心が算出されて、保存される。
さらに、動画像解析部40bは、フレームF1〜F30について、算出した指示図形A1〜A4の画像の中心から画像の平均中心を算出して、保存する(S5)。
平均中心G1m1は、フレームF1〜F30について、算出した指示図形A1の画像の中心(G11他)の位置座標の平均を求めることにより算出され、位置座標(x1m1,y1m1)で表される。
平均中心G2m1は、フレームF1〜F30について、算出した指示図形A2の画像の中心(G12他)の位置座標の平均を求めることにより算出され、位置座標(x2m1,y2m1)で表される。
平均中心G3m1は、フレームF1〜F30について、算出した指示図形A3の画像の中心(G13他)の位置座標の平均を求めることにより算出され、位置座標(x3m1,y3m1)で表される。
平均中心G4m1は、フレームF1〜F30について、算出した指示図形A4の画像の中心(G14他)の位置座標の平均を求めることにより算出され、位置座標(x4m1,y4m1)で表される。
図11に、算出された画像の平均中心G1m1(x1m1,y1m1)、G2m1(x2m1,y2m1)、G3m1(x3m1,y3m1)、G4m1(x4m1,y4m1)を示す。
次いで、建て入れ誤差算出部40cが、算出された画像の平均中心G1m1〜G4m1から、指示図形A1〜A4の画像が示すトッププレート30の中心位置Gm1を算出する(S6)。
中心位置Gm1は、図11に示すように、平均中心G1m1と平均中心G3m1を結ぶ線と平均中心G2m1と平均中心G4m1を結ぶ線の交点を求めることにより算出され、位置座標(xm1,ym1)で表される。
そして、建て入れ誤差算出部40cは、中心位置Gm1から建て入れ誤差Δ1を算出し、保存する(S7)。
この場合、フレームF1〜F30の画像の中心Oが、カメラ13の光軸13oaの位置となることから、中心位置Gm1と中心Oのずれ、すなわち、中心位置Gm1の座標(xm1,ym1)が建て入れ誤差Δ1となる。
また、擬似動画像生成部40dが、算出された画像の平均中心G1m1〜G4m1から、指示図形A1〜A4の擬似画像を生成し、これを擬似動画像の第1フレームF1’として保存する(S8)。
指示図形A1〜A4の擬似画像は、図12に示すように、平均中心G1m1、G2m1、G3m1、G4m1を中心(図心)とし、指示図形A1、A2、A3、A4と同じ形状であって、対向する中心を結ぶ線(図12の二点鎖線)上に配置された擬似画像A11’、A12’、A13’、A14’である。
このようにして、フレームF1〜F30の画像から、建て入れ誤差算出部40cが建て入れ誤差Δ1を算出し、擬似動画像生成部40dが、擬似動画像の第1フレームF1’(擬似画像A11’、A12’、A13’、A14’)を生成する。
この後、1フレームずらしたフレームF2〜F31の画像について、ステップS2〜S8の処理を続けるかが判断され(S9)、画像取得部40aが取得したトッププレート30の動画像にフレームF31が存在する場合は、ステップS2〜S8の処理が続けられ、トッププレート30の動画像の最終フレームまでステップS2〜S8の処理が続けられる。
このようにして、トッププレート30の動画像に対して30フレーム(1秒)単位で、1フレームずらしながら建て入れ誤差の算出と擬似動画像の生成が行われ、フレームF1〜F30×nから構成されるトッププレート30動画像に対して、30(n−1)個の建て入れ誤差のデータが作成され、30(n−1)のフレームからなる擬似動画像のデータが作成される。
図13は、擬似動画像生成部40dが生成した擬似動画像のフレームを示したもので、図9に示すフレームF1〜F30からフレームF1’が生成され、フレームF2〜F31からフレームF2’が生成され、フレームF30〜F59からフレームF30’が生成され、フレームF60〜F89からフレームF60’が生成されることとなる。
よって、側鉄骨柱3に組み付けられた上側鉄骨柱2が揺れてトッププレート20が揺れる場合であっても、建て入れ誤差算出部40cが算出する建て入れ誤差は、バラツキの小さい正確なものである。
また、フレームF1’〜 F30×(n−1)’から構成される擬似動画像は、動きが小さく動かないように見えるものとなる。
なお、本実施形態においては、ステップS5で30個のフレームから算出した画像の中心を平均して画像の平均中心を算出してステップS6〜S8の処理を行ったが、画像の平均中心を算出する対象となるフレームの数は、トッププレート30の動画像における指示図形の画像の変化の度合(大きさ・速さ等)に応じて適宜設定することができる。
具体的には、指示図形の画像の変化の度合が小さい場合は、画像の平均中心を算出する対象となるフレームの数を、例えば15フレーム(0.5秒)と少なくし、指示図形の画像の変化の度合が大きい場合は、画像の平均中心を算出する対象となるフレームの数を、例えば60フレーム(2秒)と多くすればよい。
本発明の動画像解析手段による指示図形の画像の平均中心の算出は、本実施形態のステップS3、S5に限定されるものではなく、指示図形の画像の特徴等を抽出してそれを平均化してその中心を算出するものであればよい。
また、本発明の建て入れ誤差算出手段による建て入れ誤差の算出は、本実施形態に限定されるものではなく、指示図形の画像を平均化したものから得られたトッププレーの中心位置に基づいて算出するものであればよい。
さらに、本発明の擬似動画像生成手段による擬似動画像の生成は、本実施形態に限定されるものではなく、指示図形の画像を平均化して得られた画像に基づいて生成された擬似画像であればよい。
[端末装置の動作]
端末装置16においては、無線通信装置51が、無線通信装置41から無線通信回線CL1を介して送信された30(n−1)個の建て入れ誤差のデータと30(n−1)のフレームからなる擬似動画像のデータが無線通信装置51で受信され、制御装置50に送られて保存される。
制御装置50では、入力表示装置52の入力部からの入力される指示等に基づいて、建て入れ誤差のデータと擬似動画像のデータが加工・処理され、入力表示装置52の表示部に表示される。
例えば、入力表示装置52の表示部の中央に30(n−1)のフレームからなる擬似動画像が表示され、その横に建て入れ誤差のデータが数値(座標値)として表示される。
これにより、作業者は、下側鉄骨柱3に組み付けられた上側鉄骨柱2の建て入れ誤差の程度を擬似動画像と数値で確認することができる。
そして、表示された建て入れ誤差が許容範囲を超えている場合は、上側鉄骨柱2の組み付け角度の微調整(建て入れ誤差の修正)が行われる。
このとき上側鉄骨柱2が揺れてトッププレート20が揺れ、カメラ13も揺れて、撮影される指示図形A1〜A4の動画像は、前後左右に速く移動して誤差の程度が視認できないものであり、その動画像から直接得られる建て入れ誤差の数値もバラツキの大きいものであるが、入力表示装置52の表示部に表示される指示図形A1〜A4の擬似動画像は、動かないように見え、建て入れ誤差がどの程度小さくなったかを目視で確認することができ、表示される建て入れ誤差のデータの数値(座標値)もバラツキが小さいものであり、作業者は、入力表示装置52の表示部を見ながら迅速かつ正確に建て入れ誤差の修正を行うことができる。
[レーザ光照射手段を使用した建て入れ誤差計測装置の構成]
図14は、本発明の実施形態のうちレーザ光照射手段を使用した建て入れ誤差計測装置を取り付けた鉄骨柱の正面図であり、図15は図14のY2−Y2断面図、図16は、建て入れ誤差計測装置、上側鉄骨柱及び下側鉄骨柱を分解した状態の分解斜視図、図17は、図14の建て入れ誤差計測装置を斜め下方から見た状態の斜視図である。
図中、101は建て入れ誤差計測装置、102は上側鉄骨柱、103は下側鉄骨柱、104はターゲット、110は取付架台、110aは外枠、110b、110cは移動枠、111は外箱、111aは開口部、112はレーザ鉛直器、112aはレーザ照射部、112ldはレーザ光照射方向、113はカメラ、114は照明装置、115は制御ボックス、116は端末装置、120、130はトッププレート、120a、130aは穴、121は形状保持プレート、122(122a〜122d)、132(132a〜132d)は側板である。
建て入れ誤差計測装置101は、取付架台110、外箱111、レーザ鉛直器112、カメラ113、照明装置114、制御ボックス115、端末装置116等から構成される。
取付架台110は、建て入れ誤差計測装置1の取付架台10と同じ構成であり、外枠10aと、外枠10aの内側に移動可能に取り付けられた2本の平行な移動枠10b、10cとから構成され、外枠110aの下面は、上側鉄骨柱102のトッププレート120の上面に載置されて固定されている。
外箱111は直方体形状の箱体であり、その上板の内面(下面)には、中心部に本発明のレーザ照射手段となるレーザ鉛直器112が取り付けられ、レーザ鉛直器112の右側に本発明の動画撮影手段となるカメラ113と照明装置114が取り付けられ、レーザ鉛直器112の右側に制御ボックス115が取り付けられている。
外箱111の上板の外面(上面)は、建て入れ誤差計測装置1の外箱111と同様に、取付架台110の移動枠110b、110cに移動可能に取り付けられ、外箱111を取り付けた取付架台110を上側鉄骨柱102のトッププレート120の上面に設置した状態で、外箱11はトッププレート120の穴120aの内側に納まるようになっている。
レーザ鉛直器112はジンバル機構を備え、このジンバル機構にレーザ照射部112aが取り付けられ、レーザ光照射方向112ld(図15にニ点鎖線で示す)が鉛直方向となるようになっている。
また、外箱111の下板の中央部(レーザ照射部112aの真下部分)には、開口部111aが設けられ、外箱111の下板のカメラ113と照明装置114が位置する部分(カメラ113の真下部分と照明装置114の真下部分)にも開口部(図示せず)が設けられ、照明装置114により下側鉄骨柱103のトッププレート130に取り付けられたターゲット104を照らして、カメラ113によりターゲット104を撮影できるようになっている。
そして、建て入れ誤差計測装置1の外箱11と同様に、取付架台110の外枠110aを上側鉄骨柱102のトッププレート120の上面に固定した状態で、外箱111が取り付けられた移動枠110b、110cを外枠110aに対して左右方向に移動させ、外箱111を移動枠110b、110cに対して前後方向に移動させることにより、レーザ光照射方向112ldがトッププレート120の中心位置を通るようにすることができる。
カメラ113は、トッププレート30上のターゲット104を撮影し、撮影した動画像を制御ボックスに備えられた演算制御装置に送る。
なお、制御ボックスには115には、バッテリー(図示せず)と演算制御装置、無線通信装置等が収納され、端末装置116は、制御装置、無線通信装置、入力表示装置等を備えているが、これらについては後述する。
[上側鉄骨柱と下側鉄骨柱の構成]
上側鉄骨柱102は、上側鉄骨柱2と同じ構成であり、鉄板よりなる長尺の中空直方体形状の柱であって、上面となるトッププレート120、下面となる形状保持プレート121、正面、背面、左右側面を形成する側板122a、122b、122c、122dより外枠が形成され、上側鉄骨柱102の梁が接続される位置の内側には、トッププレート120と同形状のダイヤフラム(図示せず)が取り付けられている。
トッププレート120と下面プレート121の中央部には穴120a、121aが設けられ、ダイヤフラムの中央部にも穴が設けられ、上側鉄骨柱102にコンクリートを充填して、CFT柱を形成するようになっている。
下側鉄骨柱103は、下側鉄骨柱3と同様に、上側鉄骨柱102と同じ形状・構成のものであり、上面となるトッププレート130、正面、背面、左右側面を形成する側板132a、132b、132c、132dを備え、さらに、ダイヤフラム、形状保持プレート(図示せず)を備えている。
トッププレート130の中央部には穴130aが設けられ、さらに、ダイヤフラム、下面プレートの中央部にも穴が設けられ、上側鉄骨柱103にコンクリートを充填して、CFT柱を形成するようになっている。
そして、下側鉄骨柱103の側板132a、132b、132c、132dの上端面に、上側鉄骨柱102の側板122a、122b、122c、122dの下端面が載せられ、上側鉄骨柱210が鉛直になるようにして下側鉄骨柱103の上端部と上側鉄骨柱102の下端部が溶接され、下側鉄骨柱103に上側鉄骨柱102が組み付けられる。
[ターゲット]
下側鉄骨柱103のトッププレート130の上面には、トッププレート130の中心位置を示す指示図形が標示されたターゲット104が取り付けられている。
ターゲット104は、薄いプラスチック等からなる矩形の板体であり、トッププレート130の上面に位置決め固定して容易に取り外せるように取り付けられる。
ターゲット104をトッププレート130から容易に取り外せるようにするのは、トッププレート130の中央部の穴130aがターゲット104より塞がれることから、ターゲット104を取り外して、上側鉄骨柱103にコンクリートを充填して、CFT柱を形成できるようにするためである。
ターゲット104とトッププレート130の上面の位置決めは、例えば、トッププレート130の上面に、ターゲット104の四隅に対応するようにピンを取り付け、ターゲット104の四隅にピン穴を設け、トッププレート130の上面のピンにターゲット104のピン穴を嵌め込むことにより行われる。このようにピンとピン穴でターゲット104をトッププレート130の上面に位置決め固定すれば、ターゲット104をトッププレート130から容易に取り外すことができる。
図18は、各種指示図形を標示したターゲット104をトッププレート30の上面に取り付けた状態の平面図であり、図中、104A、104B、104Cは指示図形、104cpはターゲット104の中心位置である。
図18(a)は、ターゲット104の上辺から下辺に至る縦の棒線と、左辺から右辺に至る横の棒線からなり、両棒線の交点が中心位置104cpとなる十字形状の指示図形104Aを標示した場合を示している。
ターゲット104の中心位置104cpとなる指示図形104Aの中心(縦と横の棒線の交点)とトッププレート130の中心位置が一致するように、ターゲット104をトッププレート130の上面に位置決め固定することにより、指示図形104Aは、トッププレート130の中心位置を示していることとなる。
図18(b)は、ターゲット104の四隅を結ぶ棒状の対角線からなり、対角線の交点が中心位置104cpとなるX字形状の指示図形104Bを標示した場合を示している。
ターゲット104の中心位置104cpとなる指示図形104Bの中心(対角線の交点)とトッププレート130の中心位置が一致するように、ターゲット104をトッププレート130の上面に位置決め固定することにより、指示図形104Bは、トッププレート130の中心位置を示していることとなる。
図18(c)は、同図(a)に示す指示図形104Aの縦と横の棒線を短くした十字形状の指示図形104Cを標示した場合を示している。
ターゲット104の中心位置104cpとなる指示図形104Cの中心とトッププレート130の中心位置が一致するように、ターゲット104をトッププレート130の上面に位置決め固定することにより、指示図形104Cは、トッププレート130の中心位置を示していることとなる。
なお、ターゲット104に標示される指示図形は、トッププレート130の中心位置を示す図形であればよく、その形状、大きさ、位置等は問わない。
[上側鉄骨柱の建て入れ誤差]
図19は、上側鉄骨柱102の建て入れ誤差を説明する説明図であり、同図(a)は、下側鉄骨柱103に上側鉄骨柱102が少し傾いて組み付けられた状態の上側鉄骨柱102等の縦断面図、同図(b)は、ターゲット104を取り付けたトッププレート130の平面図であり、図中、LSは、レーザ鉛直器112からターゲット104に照射されたレーザ光のスポットである。
図15に示すように、上側鉄骨柱102のトッププレート120に取り付けられたレーザ鉛直器112のレーザ光照射方向112ldが、トッププレート120の中心位置とターゲット104の中心位置104cpと一致するとき、すなわち、レーザ鉛直器112からターゲット104に照射されたレーザ光のスポットが中心位置104cpにあるとき、下側鉄骨柱103に上側鉄骨柱102が鉛直に組み付けられていることとなる。
これに対して下側鉄骨柱103に上側鉄骨柱102が少し右斜め前に傾いて組み付けられた場合、図19(a)、(b)に示すように、レーザ鉛直器112からのレーザ光のスポットLSは、ターゲット104の中心位置104cpから少し右斜め前にずれた位置にあることとなる。
このターゲット104におけるレーザ光のスポットLSの位置と中心位置104cpとのずれ量δが、上側鉄骨柱102の下側鉄骨柱103に対する建て入れ誤差となる。
[制御ボックスと端末装置の構成]
図20は、制御ボックス115と端末装置116の構成を示すブロック図であり、図中、140は演算制御装置、140aは動画像取得部、140bは動画像解析部、140cは建て入れ誤差算出部、140dは擬似動画像生成部、141は無線通信装置、150は制御装置、151は無線通信装置、152は入力表示装置、CL2は無線通信回線である。
制御ボックス115は、演算制御装置140、無線通信装置141、バッテリー(図示せず)を備え、演算制御装置140は、動画像取得部140a、動画像解析部140b、建て入れ誤差算出部140c、擬似動画像生成部140dを備えている。
動画像取得部140aは、カメラ113により撮影されて送られてくるターゲット104の動画像を取得し、取得した動画像を一旦保存した後、動画像解析部140bに送る。
動画像解析部40bは、動画像取得部140aから送られてくる動画像を解析し、解析結果として、レーザ光のスポットLSの画像(以下「スポット画像」という)の中心の平均(平均中心)と指示図形の画像の平均中心とを算出し、算出したスポット画像の平均中心と指示図形の画像の平均中心と建て入れ誤差算出部140cと 擬似動画像生成部140dに送る。
建て入れ誤差算出部140cは、動画像解析部140bが解析して算出したスポット画像の平均中心と指示図形の画像の平均中心とに基づいて、上側鉄骨柱102の下側鉄骨柱103に対する建て入れ誤差を算出し、算出した建て入れ誤差のデータを無線通信装置141に送る。
擬似動画像生成部140dは、動画像解析部140bが解析して算出したスポット画像の平均中心に基づいて、スポット画像が動かないように見える擬似動画像を生成し、生成した擬似動画像のデータを無線通信装置141に送る。
無線通信装置141は、建て入れ誤差算出部140cから送られてくる建て入れ誤差のデータと擬似動画像生成部140dから送られてくる擬似動画像のデータを無線通信回線CL2により端末装置116に送信する。
端末装置116は、端末装置16と同様にノートパソコン、スマートフォン、タブレット等の携帯端末やモバイル端末であり、制御装置150、無線通信装置151、入力表示装置152を備え、入力表示装置152は、タッチパネル式のディスプレイ等の入力部と表示部を備えている。
無線通信装置151は、無線通信装置141から無線通信回線CL2を介して送信された建て入れ誤差のデータと擬似動画像のデータを受信し、受信したデータを制御装置150に送る。
制御装置150は、無線通信装置151から送られてくる建て入れ誤差のデータと擬似動画像のデータを保存し、入力表示装置152の入力部からの入力される指示に基づいて、保存したデータから建て入れ誤差や擬似動画像を入力表示装置152の表示部に表示する。
[演算制御装置の動作]
図21は、演算制御装置140の動作を示したフローチャート、図22は、第1フレーム中の指示図形の画像とスポット画像及びその中心を説明する説明図、図23は、第1フレームから第30フレームまでのスポット画像の平均中心及びターゲット104の擬似動画像における第1フレームの擬似画像等を説明する説明図である。
図中、IA1は、フレームF1(第1フレームF1)中の指示図形の画像、IS1はフレームF1中のスポット画像、HA1は画像IA1の中心、HS1はスポット画像IS1の中心、HAm1はフレームF1〜F30中の指示図形の画像の中心、HSm1はフレームF1〜F30中のスポット画像の平均中心、IA1’は指示図形の擬似画像、IS1’は擬似スポット画像である。
以下、ターゲット104には指示図形104Aが標示されているとして、演算制御装置140の動作を説明する。
まず、動画像取得部140aが、カメラ113により撮影されて送られてくるターゲット104の動画像を取得し、保存する(S101)。
ターゲット104の動画像は、トッププレート30の動画像と同様に図9に示すように、1秒30フレームからなり、最初の1秒がフレームF1〜F30、次の1秒がフレームF31〜F60となり、n秒まででフレームF1〜F30×nの画像から構成されている。
次いで、動画像解析部140bがフレームF1の画像から、二値化等を行って指示図形104Aの画像とスポット画像を抽出する(S102)。
この場合、下側鉄骨柱103に組み付けられた上側鉄骨柱102が揺れてトッププレート120が揺れると、レーザ鉛直器112も揺れて、撮影されるレーザ光のスポットLSの位置が連続的に変化し、フレームF1中のスポット画像IS1は、図22に示すように揺れる方向にぶれて広がった画像となる。また、ターゲット104上の指示図形104Aもカメラ113が揺れることにより少し広がった画像IA1となる。
動画像解析部140bは、フレームF1から抽出したスポット画像IS1からその外形図形の図心を中心HS1としてその位置座標を算出し、また、フレームF1から抽出した指示図形の画像IA1の中心HA1の位置座標を算出し、保存する(S103)。
中心HS1の位置座標は、フレームF1の中心Oを通る左右方向の軸(横軸)をX軸、前後方向の軸(縦軸)をY軸として、スポット画像IS1の外形図形の図心の位置座標を算出することにより求められる。スポット画像IS1の外形図形の図心は、スポット画像IS1内の各点のX軸、Y軸に対する断面一次モーメントの総和をスポット画像IS1の面積で割ることにより求められる。
また、中心HA1は、指示図形の画像IA1から線分抽出により指示図形の縦横の棒線の中心線を抽出し、その交点を求めることにより求められる。
このようにして位置座標で表されたスポット画像ISの中心HS1(xS1,yS1)、指示図形の画像IA1の中心HA1(xA1,yA1)が算出される。
この後、次のフレームF2について、ステップS102、S103の処理を続けるかが判断され(S104)、本実施形態では、フレームF30までステップS102、S103の処理が続けられる。
これにより、フレームF1〜F30について、スポット画像の中心と指示図形の画像の中心が算出されて、保存される。
さらに、動画像解析部140bは、フレームF1〜F30について、算出したスポット画像の中心からその平均中心HSm1を算出し、算出した指示図形の画像の中心からその平均中心HAm1を算出し、保存する(S105)。
平均中心HSm1は、フレームF1〜F30について、算出したスポット画像の中心(HS1他)の位置座標の平均を求めることにより算出され、位置座標(xSm1,ySm1)で表される。
平均中心HAm1は、フレームF1〜F30について、算出した指示図形の画像の中心(HA1他)の位置座標の平均を求めることにより算出され、位置座標(xAm1,yAm1)で表される。
図23に、算出されたスポット画像の平均中心HSm1(xSm1,ySm1)、指示図形の画像の平均中心HAm1(xAm1,yAm1)を示す。
次いで、建て入れ誤差算出部140cが、スポット画像の平均中心HSm1と指示図形の画像の平均中心HAm1から建て入れ誤差δ1を算出し、保存する(S106)。
この場合、図23に示すように、平均中心HAm1からの平均中心HSm1のずれ、すなわち、平均中心HAm1の座標(xSm1,ySm1)と平均中心HSm1の座標(xSm1,ySm1)の差が建て入れ誤差δ1となる。
また、擬似動画像生成部140dが、算出されたスポット画像の平均中心HSm1から、擬似スポット画像IS1’を生成し、算出された指示図形の画像の平均中心HAm11から、その擬似画像IA1’を生成し、これを擬似動画像の第1フレームF1’として保存する(S107)。
擬似スポット画像IS1’は、図23に示すように、平均中心HSm1を中心とするスポットの画像であり、指示図形の擬似画像IA1’は、指示図形104A同じ形状であって、平均中心HAm11を縦横の棒線の交点とする画像である。
このようにして、フレームF1〜F30の画像から、建て入れ誤差算出部140cが建て入れ誤差δ1を算出し、擬似動画像生成部140dが、擬似動画像の第1フレームF1’(擬似スポット画像IS1’、指示図形の擬似画像IA1’)を生成する。
この後、1フレームずらしたフレームF2〜F31の画像について、ステップS102〜S107の処理を続けるかが判断され(S1089)、画像取得部140aが取得したターゲット104の動画像にフレームF31が存在する場合は、ステップS102〜S107の処理が続けられ、ターゲット104の動画像の最終フレームまでステップS102〜S107の処理が続けられる。
このようにして、ターゲット104の動画像に対して30フレーム(1秒)単位で、1フレームずらしながら建て入れ誤差の算出と擬似動画像の生成が行われ、フレームF1〜F30×nから構成されるターゲット104動画像に対して、30(n−1)個の建て入れ誤差のデータが作成され、30(n−1)のフレームからなる擬似動画像のデータが作成される。
すなわち、トッププレート30の動画像と同様に、フレームF1〜F30からフレームF1’が生成され、フレームF2〜F31からフレームF2’が生成され、フレームF30〜F59からフレームF30’が生成され、フレームF60〜F89からフレームF60’が生成されることとなる(図13参照)。
よって、側鉄骨柱103に組み付けられた上側鉄骨柱102が揺れてトッププレート120が揺れる場合であっても、建て入れ誤差算出部140cが算出する建て入れ誤差は、バラツキの小さい正確なものである。
また、フレームF1’〜 F30×(n−1)’から構成される擬似動画像は、動きが小さく動かないように見えるものとなる。
なお、本実施形態においては、ステップS105で30個のフレームから算出した画像の中心を平均して画像の平均中心を算出してステップS106、S107の処理を行ったが、画像の平均中心を算出する対象となるフレームの数は、ターゲット104の動画像におけるスポット画像の変化の度合(大きさ・速さ等)に応じて適宜設定することができる。
具体的には、スポット画像の変化の度合が小さい場合は、スポット画像の平均中心を算出する対象となるフレームの数を、例えば15フレーム(0.5秒)と少なくし、スポット画像の変化の度合が大きい場合は、スポット画像の平均中心を算出する対象となるフレームの数を、例えば60フレーム(2秒)と多くすればよい。
本発明の動画像解析手段によるレーザ光のスポットの動画像(スポット画像)の解析は、本実施形態のステップS103、S105に限定されるものではなく、スポット画像の特徴等を抽出してそれを平均化してその中心や特徴点等を求めるものであればよい。
また、本発明の建て入れ誤差算出手段による建て入れ誤差の算出は、本実施形態に限定されるものではなく、スポット画像を平均化したものと指示図形の中心位置等に基づいて算出するものであればよい。
さらに、本発明の擬似動画像生成手段による擬似動画像の生成は、本実施形態に限定されるものではなく、スポット画像を平均化して得られた画像に基づいて生成された擬似画像であればよい。
[端末装置の動作]
端末装置116においては、無線通信装置151が、無線通信装置141から無線通信回線CL2を介して送信された30(n−1)個の建て入れ誤差のデータと30(n−1)のフレームからなる擬似動画像のデータが無線通信装置151で受信され、制御装置150に送られて保存される。
制御装置150では、入力表示装置152の入力部からの入力される指示等に基づいて、建て入れ誤差のデータと擬似動画像のデータが加工・処理され、入力表示装置152の表示部に表示される。
例えば、入力表示装置152の表示部の中央に30(n−1)のフレームからなる擬似動画像が表示され、その横に建て入れ誤差のデータが数値(座標値)として表示される。
これにより、作業者は、下側鉄骨柱3に組み付けられた上側鉄骨柱2の建て入れ誤差の程度を擬似動画像と数値で確認することができる。
そして、表示された建て入れ誤差が許容範囲を超えている場合は、上側鉄骨柱2の組み付け角度の微調整(建て入れ誤差の修正)が行われる。
このとき上側鉄骨柱102が揺れてトッププレート120が揺れ、レーザ鉛直器112も揺れて、撮影されるレーザ光のスポットLSの動画像は、前後左右に速く移動して誤差の程度が視認できないものであり、その動画像から直接得られる建て入れ誤差の数値もバラツキの大きいものであるが、入力表示装置152の表示部に表示されるレーザ光のスポットLSの擬似動画像は、動かないように見え、建て入れ誤差がどの程度小さくなったかを目視で確認することができ、表示される建て入れ誤差のデータの数値(座標値)もバラツキが小さいものであり、作業者は、入力表示装置152の表示部を見ながら迅速かつ正確に建て入れ誤差の修正を行うことができる。
本発明の建て入れ誤差計測装置は、上面と下面を形成するプレートの中央部に穴が設けられた鉄骨柱を上下に接合するに当たって、下側の鉄骨柱の上面のプレートの中央部の穴を塞ぐようなベース板やターゲット等を取り付けることなく、上側の鉄骨柱の上部から下部を撮影して、上側の鉄骨柱の建て入れ誤差を測定でき、測定前後の作業負荷を軽減すると共に、上下の鉄骨柱を接合した後も上側の鉄骨柱の建て入れ誤差を測定でき、また、鉄骨柱の上部が揺れた場合であっても、鉄骨柱の建て入れ誤差を正確に測定して画像として視認できるものであり、高層ビル等の骨格を形成する鉄骨柱の建て入れ誤差の計測に利用することができる。
1、101 建て入れ誤差計測装置
2、102 上側鉄骨柱
3、103 下側鉄骨柱
104 ターゲット
10、110 取付架台
10a、110a 外枠
10b、10c、110b、110c 移動枠
11、111 外箱
11a、111a 開口部
12 鉛直器
112 レーザ鉛直器
112a レーザ照射部
112ld レーザ光照射方向
13、113 カメラ
13oa 光軸
14、114 照明装置
15、115 制御ボックス
16、116 端末装置
20、30、120、130 トッププレート
20a、30a、120a、130a 穴
21、121 形状保持プレート
22(22a〜22d)、32(32a〜32d)、122(122a〜122d)、132(132a〜132d) 側板
30cp、104cp 中心位置
40、140 演算制御装置
40a、140a 動画像取得部
40b、140b 動画像解析部
40c、140c 建て入れ誤差算出部
40d、140d 擬似動画像生成部
41、141 無線通信装置
50、150 制御装置
51、151 無線通信装置
52、152 入力表示装置
A1〜A4、B1〜B4、C1〜C4、D1〜D4、104A、104B、104C 指示図形
CL1、CL2 無線通信回線

Claims (6)

  1. 下側鉄骨柱に接合される上側鉄骨柱の上部に光軸が該上側鉄骨柱の中心位置を通るように取り付けられる動画撮影手段であって、中央部に穴が設けられて前記下側鉄骨柱の中心位置を示す指示図形が標示された前記下側鉄骨柱の上面を撮影する前記動画撮影手段と、
    前記動画撮影手段の前記光軸を鉛直下方に向ける鉛直器と、
    前記動画撮影手段が撮影した前記上面の動画像を解析する動画像解析手段と、
    前記動画像解析手段の解析結果に基づいて、前記光軸からの前記上面の中心位置のずれ量を前記上側鉄骨柱の建て入れ誤差として算出する建て入れ誤差算出手段と
    を備えたことを特徴とする建て入れ誤差計測装置。
  2. 前記動画像解析手段は、前記解析結果として、前記上面の動画像を構成するフレームの前記指示図形の画像の平均中心を算出することを特徴とする請求項1記載の建て入れ誤差計測装置。
  3. 前記建て入れ誤差算出手段は、前記平均中心から前記指示図形の画像が示す前記上面の中心位置を求め、該中心位置に基づいて前記上側鉄骨柱の建て入れ誤差を算出することを特徴とする請求項2記載の建て入れ誤差計測装置。
  4. 前記動画像解析手段の解析結果に基づいて、前記上面の動画像中の前記指示図形の画像が動かないように見える擬似動画像を生成する擬似動画像生成手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載した建て入れ誤差計測装置。
  5. 前記擬似動画像生成手段が生成した擬似動画像を表示する画像表示手段をさらに備えたことを特徴とする請求項4記載の建て入れ誤差計測装置。
  6. 下側鉄骨柱に接合される上側鉄骨柱の上部に取り付けられて該上側鉄骨柱の中心位置から鉛直下方にレーザ光を照射するレーザ光照射手段と、
    中央部に穴が設けられた前記下側鉄骨柱の上面に取り付けられ、前記下側鉄骨柱の中心位置を示す指示図形が標示されて前記レーザ光が照射されるターゲットと、
    前記上側鉄骨柱が揺れた状態で前記レーザ光照射手段から前記レーザ光が照射された前記ターゲットを撮影する動画撮影手段と、
    前記動画撮影手段が撮影した前記ターゲット上の前記レーザ光のスポットの動画像を解析する動画像解析手段と、
    前記動画像解析手段の解析結果に基づいて、前記下側鉄骨柱の中心位置と前記スポットのずれ量を前記上側鉄骨柱の建て入れ誤差として算出する建て入れ誤差算出手段と、
    前記動画像解析手段の解析結果に基づいて、前記レーザ光のスポットの画像が動かないように見える擬似動画像を生成する擬似動画像生成手段と、
    前記擬似動画像生成手段が生成した擬似動画像を表示する画像表示手段と
    を備えたことを特徴とする建て入れ誤差計測表示装置。
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